特許第6588804号(P6588804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588804
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】ミニショベル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   E02F9/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-220532(P2015-220532)
(22)【出願日】2015年11月10日
(65)【公開番号】特開2017-89233(P2017-89233A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椿本 彰史
(72)【発明者】
【氏名】安藤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】中谷 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】寺嶋 浩司
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−081975(JP,A)
【文献】 特開平11−278321(JP,A)
【文献】 特開2015−124482(JP,A)
【文献】 特開2006−069492(JP,A)
【文献】 実開昭63−086168(JP,U)
【文献】 特開2004−060195(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0126053(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
E02F 9/02
E02F 3/36
B62D 55/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収縮、拡張が可能な可変脚を有する走行体と、この走行体上に配置される旋回体と、この旋回体に上下方向の回動可能に取り付けられる作業装置とを備えると共に、一端側が前記可変脚に設けられる走行モータに連結され、他端側がセンタジョイントに連結され、前記走行モータに圧油を導く油圧ホース群を備えたミニショベルにおいて、
前記油圧ホース群を覆うカバー部材と、
前記カバー部材を前記可変脚に固定する固定部と、
前記走行体のセンタフレームに取り付けられ、前記可変脚の収縮、拡張方向に延設した長穴を有するブラケットと、
前記ブラケットの前記長穴に移動可能に挿入され、前記カバー部材に連結される連結部と、
前記連結部に連結され、前記油圧ホース群を下方に位置する異物との接触から保護するガード部材と、
前記ガード部材を前記可変脚に固定する固定部とを備え、
前記ガード部材は、複数の穴を有する底部と、この底部に連設され、前記ブラケットの上側に位置して前記長穴を遮蔽可能な板部とを有することを特徴とするミニショベル。
【請求項2】
収縮、拡張が可能な可変脚を有する走行体と、この走行体上に配置される旋回体と、この旋回体に上下方向の回動可能に取り付けられる作業装置とを備えると共に、一端側が前記可変脚に設けられる走行モータに連結され、他端側がセンタジョイントに連結され、前記走行モータに圧油を導く油圧ホース群を備えたミニショベルにおいて、
前記油圧ホース群を覆うカバー部材と、
前記カバー部材を前記可変脚に固定する固定部と、
前記走行体のセンタフレームに取り付けられ、前記可変脚の収縮、拡張方向に延設した長穴を有するブラケットと、
前記ブラケットの前記長穴に移動可能に挿入され、前記カバー部材に連結される連結部と
前記連結部に連結され、前記油圧ホース群を下方に位置する異物との接触から保護するガード部材と、
前記ガード部材を前記可変脚に固定する固定部とを備え、
前記ガード部材は、複数枚所定間隔で設けたルーバ、または複数本所定間隔で設けた丸棒部、または格子状部を有することを特徴とするミニショベル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のミニショベルにおいて、
前記連結部は、筒状体から成るカラーを含むことを特徴とするミニショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変脚に設けられる走行モータに圧油を供給する油圧ホース群を備えたミニショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術が特許文献1に開示されている。この従来技術は、走行体のセンタフレームに設けたセンタジョイントに一端側が連結され、他端側が可変脚を構成する左右サイドフレームのそれぞれに設けられた左走行装置、右走行装置、すなわち左走行モータ、右走行モータに連結され、左走行モータ、右走行モータに圧油を導く油圧ホース群を備えている。
【0003】
また、この従来技術は、センタフレームに設けられて油圧ホース群が挿通し、可変脚の収縮、拡張に伴う油圧ホース群の分散した動きを規制する拘束枠を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−202009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来技術は、油圧ホース群が外部に露出していることから、走行時に履帯から飛来する砂利等により、油圧ホース群が損傷する虞があった。また、可変脚の移動に伴って、油圧ホース群が拘束枠に接触して擦れることによっても、この油圧ホース群が損傷する虞があった。油圧ホース群が損傷すると、その損傷箇所から圧油が外部に飛散する懸念がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術における実情からなされたもので、その目的は、油圧ホース群の損傷を防ぐことができるミニショベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、収縮、拡張が可能な可変脚を有する走行体と、この走行体上に配置される旋回体と、この旋回体に上下方向の回動可能に取り付けられる作業装置とを備えると共に、一端側が前記可変脚に設けられる走行モータに連結され、他端側がセンタジョイントに連結され、前記走行モータに圧油を導く油圧ホース群を備えたミニショベルにおいて、前記油圧ホース群を覆うカバー部材と、前記カバー部材を前記可変脚に固定する固定部と、前記走行体のセンタフレームに取り付けられ、前記可変脚の収縮、拡張方向に延設した長穴を有するブラケットと、前記ブラケットの前記長穴に移動可能に挿入され、前記カバー部材に連結される連結部と、前記連結部に連結され、前記油圧ホース群を下方に位置する異物との接触から保護するガード部材と、前記ガード部材を前記可変脚に固定する固定部とを備え、前記ガード部材は、複数の穴を有する底部と、この底部に連設され、前記ブラケットの上側に位置して前記長穴を遮蔽可能な板部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るミニショベルは、可変脚に追従して移動し、油圧ホース群を覆うカバー部材により、飛来する砂利等から油圧ホース群を保護することができる。また、可変脚の収縮、拡張時に、カバー部材によって油圧ホース群を分散しないように拘束させることができる。これにより本発明は、油圧ホース群の損傷を防ぐことができる。すなわち本発明は、従来懸念されていた油圧ホース群の損傷による油の飛散を防ぎ、耐久性に優れた信頼性の高いミニショベルを実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るミニショベルの一実施形態を示す側面図である。
図2】本実施形態に備えられる走行体の平面図で、(a)図は可変脚の収縮時の状態を示す平面図、(b)図は可変脚の拡張時の状態を示す平面図である。
図3】本実施形態に備えられる油圧ホース群の配索形態を示す斜視図である。
図4】本実施形態に備えられる可変脚の駆動部を示す平面図である。
図5】本実施形態に備えられる走行体部分の図で、(a)図は収縮時の状態を示す背面図、(b)図は拡張時の状態を示す背面図である。
図6】本実施形態の特徴部分の外観構成を示す図で、(a)図は収縮時の状態を示す要部斜視図、(b)図は拡張時の状態を示す要部斜視図である。
図7】カバー部材及びガード部材を除いた可変脚の要部を示す平面図である。
図8】可変脚にカバー部材を取り付けた状態を示す図で、(a)図は斜視図、(b)図は平面図である。
図9】可変脚にガード部材を取り付けた状態を示す図で、(a)図は斜め上方から見た斜視図、(b)図は斜め下方から見た斜視図である。
図10】ガード部材を示す平面図である。
図11】可変脚にカバー部材とガード部材を取り付けた状態を示す側断面図である。
図12図11の要部拡大図である。
図13】本実施形態の特徴とする構成の動作を示す図で、(a)図は収縮時の状態を示す斜視図、(b)図は拡張時の状態を示す斜視図である。
図14】ガード部材の別の第1の例を示す平面図である。
図15】ガード部材の別の第2の例を示す平面図である。
図16】ガード部材の別の第3の例を示す平面図である。
図17】ガード部材の別の第4の例を示す図で、(a)図は上方から見た斜視図、(b)図は下方から見た斜視図である。
図18】可変脚に図17に示すガード部材を取り付けた状態を示す側断面図である。
図19】可変脚に図17に示すガード部材、及びカバー部材を取り付けたときの動作を示す図で、(a)図は収縮時の状態を示す斜視図、(b)図は拡張持の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るミニショベルの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[本実施形態に係るミニショベルの基本構成]
はじめに、図1〜5に基づいて、本実施形態に係るミニショベルの基本構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るミニショベルは、走行体50と、この走行体50上に配置される旋回体51と、この旋回体51に上下方向の回動可能に取り付けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置52とを備えている。
【0013】
走行体50にはブレード4が取り付けられ、旋回体51上には、運転席53と、この運転席53を覆うキャノピ54を設けてある。旋回体51の後部にはカウンターウエイト55を設けてあり、運転席53の下方の狭い機器配置領域には、図示しないエンジン、油圧ポンプ等が収容されるエンジンルーム56を設けてある。
【0014】
図2,3に示すように、走行体50のセンタフレーム1上には、旋回体51の旋回を可能にさせるスイングベアリング12を配置してあり、このスイングベアリング12の中央位置にはセンタジョイント9を配置してある。
【0015】
走行体50は、センタフレーム1の両側に可変脚を構成する右サイドフレーム2と、左サイドフレーム3とを有している。これらの右サイドフレーム2、左サイドフレーム3のそれぞれは、走行体50を走行させる走行モータ8を設けてある。
【0016】
右サイドフレーム2、左サイドフレーム3には、図2の(a)図に示すように、履帯すなわちシューラバー11が装着されている。このシューラバー11を除いた図2の(b)図に示すように、走行モータ8の反対側の端部には、アイドラ7が配置されている。
【0017】
また、一端側がセンタジョイント9に連結され、他端側が走行モータ8に連結されて、走行モータ8に圧油を導く油圧ホース群10を備えている。
【0018】
図3に示すように、センタフレーム1上には、可変脚の収縮、拡張方向に延設された枠体57を設けてあり、この枠体57内に、結束具58で束ねられた油圧ホース群10を挿通させてある。油圧ホース群10は、右サイドフレーム2側の油圧ホース群10と、左サイドフレーム3側の油圧ホース群10の2つに束ねられている。
【0019】
図4に示すように、センタフレーム1上には、可変脚を収縮、拡張させるシリンダスパン13を配置してある。このシリンダスパン13のボトム側を右サイドフレーム2に連結してあり、ロッド側を左サイドフレーム3に連結してある。可変脚は、シリンダスパン13を作動させることにより、図2の(a)図及び図5の(a)図に示すように収縮し、あるいは図2の(b)図及び図5の(b)図に示すように拡張する。
【0020】
[本実施形態の特徴とする構成]
前述した基本構成を有するミニショベルに備えられる本実施形態の特徴とする構成について説明する。なお以下にあっては、可変脚を構成する左サイドフレーム3側に備えられる構成について図6〜13に基づいて説明するが、右サイドフレーム2側においても同様の構成となっている。
【0021】
図6,8,11に示すように、本実施形態に係るミニショベルは、可変脚を構成する左サイドフレーム3側に、油圧ホース群10を覆うカバー部材17と、このカバー部材17を左サイドフレーム3に固定する後述の固定部とを備えている。カバー部材17は、図7,8に示すように全体形状が油圧ホース群10の収納が可能な箱形状に形成され、センタフレーム1に対向する部分は、油圧ホース群10の挿入を許容させる開口部を有している。下端部も開口形状に形成してある。
【0022】
また、本実施形態は、センタフレーム1に取り付けられ、可変脚の収縮、拡張方向に延設した長穴14aを有するブラケット14と、このブラケット14の長穴14aに移動可能に挿入され、カバー部材17に連結される後述の連結部とを備えている。
【0023】
図8に示すように、カバー部材17をサイドフレーム3に固定する前述の固定部は、左サイドフレーム3に取り付けたシートスクリュー16と、このシートスクリュー16のねじ穴に螺合され、カバー部材17をシートスクリュー16に固定するボルト16aとを含んでいる。
【0024】
図11,12に示すように、前述したカバー部材17に連結される連結部は、ブラケット14の長穴14aに挿入される筒状体から成るカラー20と、このカラー20、及びカバー部材17に設けた溶接部17aに形成した穴部17a1に挿通し、溶接部17aに溶接したナット23に螺合するボルト22とを含んでいる。
【0025】
また、本実施形態は、図9,11,12に示すように、油圧ホース群10を下方に位置するコンクリート片に含まれる鉄筋、瓦礫等の異物との接触から保護するガード部材19を備えている。このガード部材19は穴部19c1を有し、前述したカバー部材17に連結される連結部、すなわちワッシャ21を介して穴部19c1に挿入されるボルト22に連結されている。
【0026】
また、本実施形態は、図7,9に示すように、ガード部材19を左サイドフレーム3に固定する固定部を備えている。この固定部は、左サイドフレーム3に取り付けた前述のシートスクリュー16と、このシートスクリュー16の前述したボルト16aが螺合するねじ穴の下側に位置するねじ穴に螺合し、ガード部材19をシートスクリュー16に固定するボルト16bと、左サイドフレーム3に取り付けたシートスクリュー15と、このシートスクリュー15のねじ穴に螺合し、ガード部材19をシートスクリュー15に固定するボルト15aとを含んでいる。
【0027】
図8,9,10に示すように、ガード部材19は、全体がカバー部材17の開口形状を形成する下端部に対応する形状に形成され、カバー部材17の下側に配置してある。このガード部材19は、例えば互いに対向し、ボルト15aによってシートスクリュー15に固定され板部材から成る左側部19a、及びボルト16bによってシートスクリュー16に固定され板部材から成る右側部19bと、左側部19a及び右側部19bのブラケット14の近傍部に連設され、ブラケット14の下側に位置し、前述の穴部19c1が形成されたプレート部19cとを有している。
【0028】
また、左側部19aと右側部19bに両端部を固定され、左側部19a及び右側部19bの上端と、左側部19aと右側部19bの下端とによって形成される空間部内に収納される複数のルーバ19dを有している。これらのルーバ19dは、可変脚の収縮、拡張方向に延設し、例えば所定間隔で傾斜状に設けてある。これらのルーバ19dの上方部分、及び下方部分は、開口部を形成している。
【0029】
このように構成した本実施形態は、図13に示すように、可変脚の収縮、拡張に伴って、左サイドフレーム3側においては、左サイドフレーム3の移動に追従して、ボルト22に保持されたカラー20がブラケット14の長穴14a内を移動することにより、左サイドフレーム3に固定され、油圧ホース群10が収納された状態のカバー部材17、及び左サイドフレーム3に固定されたガード部材19が移動する。右サイドフレーム2側においても同様に、右サイドフレーム2の移動に追従して油圧ホース群10が収納された状態のカバー部材、及びガード部材が移動する。
【0030】
本実施形態によれば、左サイドフレーム3に追従して移動し、油圧ホース群10を覆うカバー部材17により、シューラバー11から飛来する砂利等から油圧ホース群10を保護することができる。また、左サイドフレーム3の移動時に、カバー部材17によって油圧ホース群10を分散しないように拘束させることができる。右サイドフレーム2側においても同様である。これらにより本実施形態は、油圧ホース群10の損傷を防ぐことができる。すなわち本実施形態は、油圧ホース群10の損傷による油の飛散を防ぎ、耐久性に優れた信頼性の高いミニショベルを実現させることができる。
【0031】
また、本実施形態は、左サイドフレーム3側に、カバー部材17に収納された油圧ホース群10の下側部分を保護するガード部材19を備えていることから、このガード部材19によって、走行時に生じやすいコンクリート片に含まれる鉄筋、瓦礫の突き上げや引っ掛かりによる油圧ホース群10の損傷も防ぐことができ、耐久性の向上に貢献する。右サイドフレーム2側においても同様である。
【0032】
また、カバー部材17を左サイドフレーム3に固定する固定部、及びガード部材19を左サイドフレーム3に固定する固定部の構成を、前述したように簡単な構成とすることができる。右サイドフレーム2側においても同様である。
【0033】
なお、前述した実施形態に備えられるガード部材19とは別の構成のガード部材、例えば図14,15,16に示すガード部材24,25,26を設けるようにしてもよい。
【0034】
図14に示すガード部材24は、例えば左サイドフレーム3側のカバー部材17の下側に設けられるものであり、全体がカバー部材17の開口形状を形成する下端部に対応する形状に形成してある。このガード部材24は、互いに対向し、前述したボルト15aによってシートスクリュー15に取り付けられ板部材から成る左側部24aと、ボルト16bによってシートスクリュー16に取り付けられ板部材から成る右側部24bとを有している。また、これらの左側部24a及び右側部24bのブラケット14の近傍部に連設され、ブラケット14の下側に位置してブラケット14の長穴14aを遮蔽可能で、連結部を構成する前述のボルト22が挿入される穴部24c1を有するプレート部24cを有している。また、左側部24a、右側部24bに両端が固定された複数本の丸棒部24dを有している。
【0035】
これらの丸棒部24dは、可変脚の収縮、拡張方向に沿うように所定間隔で設けてある。これらの丸棒部24dの上方部分、及び下方部分は、開口部を形成している。
【0036】
なお例えば、右サイドフレーム2側においても、ガード部材24と同様の構成のガード部材を設けてある。このように構成したガード部材24を有するミニショベルも、前述したガード部材19を有するミニショベルと同等の作用効果が得られる。
【0037】
図15に示すガード部材25も、例えば左サイドフレーム3側のカバー部材17の下側に設けられるものであり、全体がカバー部材17の開口形状を形成する下端部に対応する形状に形成してある。このガード部材25は、互いに対向し、前述したボルト15aによってシートスクリュー15に取り付けられ板部材から成る左側部25aと、ボルト16bによってシートスクリュー16に取り付けられ板部材から成る右側部25bとを有している。また、これらの左側部25a及び右側部25bのブラケット14の近傍部に連設され、ブラケット14の下側に位置してブラケット14の長穴14aを遮蔽可能で、連結部を構成する前述のボルト22が挿入される穴部25c1を有するプレート部25cを有している。また、左側部25a、右側部25bを含む枠体に両端が固定された複数本の丸棒部24dを有している。
【0038】
これらの丸棒部25dは、可変脚の収縮、拡張方向と直交する方向に沿うように所定間隔で設けてある。これらの丸棒部25dの上方部分、及び下方部分は、開口部を形成している。
【0039】
なお例えば、右サイドフレーム2側においても、ガード部材25と同様の構成のガード部材を設けてある。このように構成したガード部材25を有するミニショベルも、前述したガード部材19を有するミニショベルと同等の作用効果が得られる。
【0040】
図16に示すガード部材26も、例えば左サイドフレーム3側のカバー部材17の下側に設けられるものであり、全体がカバー部材17の開口形状を形成する下端部に対応する形状に形成してある。このガード部材26は、互いに対向し、前述したボルト15aによってシートスクリュー15に取り付けられ板部材から成る左側部26aと、ボルト16bによってシートスクリュー16に取り付けられ板部材から成る右側部26bとを有している。また、これらの左側部26a及び右側部26bのブラケット14の近傍部に連設され、ブラケット14の下側に位置してブラケット14の長穴14aを遮蔽可能で、連結部を構成する前述のボルト22が挿入される穴部26c1を有するプレート部26cを有している。また、左側部26a、右側部26bを含む枠体に両端が固定された格子状部26dを有している。これらの格子状部26dの上方部分、及び下方部分は、開口部を形成している。
【0041】
なお例えば、右サイドフレーム2側においても、ガード部材26と同様の構成のガード部材を設けてある。このように構成したガード部材26を有するミニショベルも、前述したガード部材19を有するミニショベルと同等の作用効果が得られる。
【0042】
図17はガード部材の別の第4の例を示す図で、(a)図は上方から見た斜視図、(b)図は下方から見た斜視図、図18は可変脚に図17に示すガード部材を取り付けた状態を示す側断面図である。
【0043】
なお、以下にあっても左サイドフレーム3側に設けられるガード部材の構成について説明するが、例えば右サイドフレーム2側にあっても同様のガード部材を設けた構成にしてある。
【0044】
図17,18に示すガード部材30の別の第4の例も、左サイドフレーム3側のカバー部材17の下側に設けられるものであり、全体がカバー部材17の開口形状を形成する下端部に対応する形状に形成してある。このガード部材30は、互いに対向し、前述したボルト15aによってシートスクリュー15に取り付けられ板部材から成る左側部30aと、ボルト16bによってシートスクリュー16に取り付けられ板部材から成る右側部30bとを有している。また、左側部30a及び右側部30bの下端に固定され、多数の穴30c1を有する網目状の板材から成り、傾斜状に配置した底部30cと、この底部30cの上端のブラケット14の近傍部に連設され、ブラケット14の上側に位置してブラケット14の長穴14aを遮蔽可能で、連結部を構成する前述のボルト22が挿入される穴部30d1を有する板部30dを有している。
【0045】
ブラケット14の長穴14aに移動可能に収容されるカラー20の上部は、ガード部材30の板部30dに形成した穴部30d1内に挿入され、板部30dに例えば溶接によって固定されている。頭部を下側に配置したボルト22は、ワッシャ21を介してカラー20に形成したねじ部に螺合している。
【0046】
図19の(a)図に示すように、可変脚の収縮時には、ガード部材30の板部30dがブラケット14の長穴14aを遮蔽するように位置する。また、図19の(b)図に示すように、可変脚の拡張時には、左サイドフレーム3の移動に追従して左サイドフレーム3に固定され、油圧ホース群10が収納された状態のカバー部材17、及び左サイドフレーム3に固定されたガード部材30が移動する。これによりブラケット14の長穴14aの一部は、露出した状態となる。右サイドフレーム2側にあっても同様である。
【0047】
このように構成したガード部材30の別の第4の例を備えたミニショベルにあっては、左サイドフレーム3側では、ガード部材30の網目状の板材から成る底部30cによって、走行時に生じやすい鉄筋や瓦礫の突き上げや引っ掛かりによる油圧ホース群10の損傷を防ぐことができる。ガード部材30と同様の構成のガード部材を有する右サイドフレーム2側にあっても同様である。
【0048】
また、左サイドフレーム3側では、可変脚の収縮時に、底部30cの穴30c1からガード部材30内に土砂が入り込んだ場合でも、ガード部材30の板部30dによって土砂がブラケット14の長穴14aに侵入することを防止できる。なお、可変脚の拡張時においては、ガード部材30の板部30dによって遮蔽されているブラケット14の長穴14aの部分に、ガード部材30に入り込んだ土砂が侵入することを防止できるとともに、板部30dによって遮蔽されていないブラケット14の長穴14aの部分は貫通穴を形成するので、このブラケット14の長穴14aの部分における土砂は、落下する傾向となる。右サイドフレーム2側においても同様である。
【0049】
このように構成したガード部材30を有するミニショベルは、前述したガード部材19を有するミニショベルと同等の作用効果が得られる他、ブラケット14の長穴14aに土砂が堆積することを抑制できる。これにより、可変脚の収縮、拡張に伴うカバー部材17及びガード部材30の円滑な移動を実現させることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 センタフレーム
2 右サイドフレーム(可変脚)
3 左サイドフレーム(可変脚)
8 走行モータ
9 センタジョイント
10 油圧ホース群
14 ブラケット
14a 長穴
15 シートスクリュー(固定部)
15a ボルト(固定部)
16 シートスクリュー(固定部)
16a ボルト(固定部)
16b ボルト(固定部)
17 カバー部材
17a 溶接部
19 ガード部材
19d ルーバ
20 カラー(連結部)
21 ワッシャ(連結部)
22 ボルト(連結部)
23 ナット(連結部)
24 ガード部材
24d 丸棒部
25 ガード部材
25d 丸棒部
26 ガード部材
26d 格子状部
30 ガード部材
30c 底部
30c1 穴
30d 板部
50 走行体
51 旋回体
52 作業装置
図1
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