特許第6588861号(P6588861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588861
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】動力噴霧機
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/48 20060101AFI20191001BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20191001BHJP
   B65H 75/40 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   B65H75/48 C
   A01M7/00 C
   B65H75/40 C
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-99672(P2016-99672)
(22)【出願日】2016年5月18日
(65)【公開番号】特開2017-206354(P2017-206354A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2018年3月6日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】須田 昌則
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平7−15664(JP,U)
【文献】 実開昭53−116681(JP,U)
【文献】 実開平2−137386(JP,U)
【文献】 実開昭54−81530(JP,U)
【文献】 特開2004−115270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H75/40、75/48
A01M7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴霧するホース(5)を巻き取る巻取ドラム(41)を備える動力噴霧機(1)であって、
前記巻取ドラム(41)の回転軸(43a)に固定されたワンウェイロックギア(73)と、
前記ワンウェイロックギア(73)に係合可能に設けられた係合爪(74)と、
前記係合爪(74)に連結され、前記係合爪(74)を、前記ワンウェイロックギア(73)に係合する係合状態と係合が解除された解除状態とに切り替えるレバー(71)と、
前記係合爪(74)が前記ワンウェイロックギア(73)に向けて付勢されて前記係合状態が維持されるように前記レバー(71)にバネ力を付与するバネ(72)と、
前記巻取ドラム(41)によって前記ホース(5)が巻き取られるように前記巻取ドラム(41)を回転駆動する駆動部(21)と、
前記駆動部を制御する制御部(22)と、
前記係合爪(74)が前記係合状態であるか否かを検出するスイッチ(75)と、を備え、
前記係合爪(74)は、前記係合状態において、前記巻取ドラム(41)における前記ホース(5)の巻き取り方向の回転を許容し、且つ前記ホース(5)の引き出し方向の回転を規制するように前記ワンウェイロックギア(73)に係合し、
前記スイッチ(75)は、前記レバー(71)又は前記係合爪(74)との接触の有無によって前記係合状態であるか否かを検出し、
前記制御部(22)は、前記駆動部(21)が停止状態であり、且つ前記スイッチ(75)によって前記係合状態が検出されている場合に、前記駆動部(21)を停止状態から始動させない、動力噴霧機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力噴霧機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、農作物等に対して、ホースの先端から薬液等の液体を噴霧する動力噴霧機がある。このような動力噴霧機においては、ホースを巻き取る巻取ドラムが備えられている。例えば特許文献1には、このような巻取ドラムを備える動力噴霧機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−23317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、巻取ドラムを有する動力噴霧機においては、例えば動力噴霧機の運搬時等、意図せず巻取ドラムが回転することによって、巻取ドラムに巻き付けられたホースがばらけてしまうことがある。このため、運搬時等、動力噴霧機を使用しないときに、ホースがばらけることが無いように巻取ドラムの回転を確実に規制することが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、簡素な構成によって巻取ドラムの回転を確実に規制することができる動力噴霧機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体を噴霧するホース(5)を巻き取る巻取ドラム(41)を備える動力噴霧機(1)であって、巻取ドラム(41)の回転軸(43a)に固定されたワンウェイロックギア(73)と、ワンウェイロックギア(73)に係合可能に設けられた係合爪(74)と、係合爪(74)に連結され、係合爪(74)を、ワンウェイロックギア(73)に係合する係合状態と係合が解除された解除状態とに切り替えるレバー(71)と、係合爪(74)がワンウェイロックギア(73)に向けて付勢されて係合状態が維持されるように前記レバー(71)にバネ力を付与するバネ(72)と、巻取ドラム(41)によってホース(5)が巻き取られるように巻取ドラム(41)を回転駆動する駆動部(21)と、駆動部を制御する制御部(22)と、係合爪(74)が係合状態であるか否かを検出するスイッチ(75)と、を備え、係合爪(74)は、係合状態において、巻取ドラム(41)におけるホース(5)の巻き取り方向の回転を許容し、且つホース(5)の引き出し方向の回転を規制するようにワンウェイロックギア(73)に係合し、スイッチ(75)は、レバー(71)又は係合爪(74)との接触の有無によって係合状態であるか否かを検出し、制御部(22)は、駆動部(21)が停止状態であり、且つスイッチ(75)によって係合状態が検出されている場合に、駆動部(21)を停止状態から始動させない
【0007】
この動力噴霧機(1)では、レバー(71)を操作することによって、係合爪(74)を係合状態と解除状態とに切り替えることができる。係合爪(74)が係合状態である場合、巻取ドラム(41)におけるホース(5)の引き出し方向の回転が規制される。これにより、例えば、輸送時等、動力噴霧機(1)を使用しないときにはレバー(71)を操作して係合爪(74)を係合状態としておくことで、巻取ドラム(41)においてホース(5)が引き出される方向の回転が規制され、ホース(5)がばらけてしまうことを防止できる。このように、動力噴霧機(1)では、係合爪(74)をワンウェイロックギア(73)に係合させるという、簡素な構成によって巻取ドラム(41)の回転を確実に規制することができる。
【0008】
また、スイッチ(75)によって係合状態が検出されている場合、すなわち、係合爪(74)がワンウェイロックギア(73)に係合している状態では、駆動部が始動しない。これにより、係合爪(74)がワンウェイロックギア(73)に係合した状態で駆動部(21)が始動してしまうことによって、係合爪(74)及びワンウェイロックギア(73)が破損等してしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡素な構成によって巻取ドラムの回転を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る動力噴霧機の側面図である。
図2】ホースリールの回転を規制するロック機構周りを示す斜視図である。
図3】ホースリールの巻取ドラムを示す斜視図である。
図4】係合爪が解除状態である場合において、ロック機構周りを本体部の外側面側から見た図である。
図5】係合爪が解除状態である場合において、ロック機構周りを本体部の内側面側から見た図である。
図6】係合爪が係合状態である場合において、ロック機構周りを本体部の外側面側から見た図である。
図7】係合爪が係合状態である場合において、ロック機構周りを本体部の内側面側から見た図である。
図8】エンジンの制御系統を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1に示すように、動力噴霧機1は、圃場等において農薬等の薬液(液体)を噴霧する装置である。動力噴霧機1は、エンジン2、ポンプ3、ホースリール4、ホース5、ホースガイド6、ロック機構7、及び本体フレーム8を備えている。動力噴霧機1は、エンジン2の駆動力により走行することができる。
【0013】
ポンプ3は、別途設けられた薬液タンクから薬液を吸引し、ホース5に圧送する。ポンプ3は、エンジン2によって駆動される。ポンプ3によって薬液がホース5に圧送されると、ホース5の先端部5aに設けられたノズル(図示せず)から薬液が噴霧される。
【0014】
ホースリール4は、ホース5を巻き取るリールであり、本体フレーム8に対して回転可能に取り付けられている。ホースリール4には、クラッチ及びベルト等を介してエンジン2の動力が伝達される。ホースリール4は、エンジン2によって回転駆動されることにより、ホース5を巻き取る。
【0015】
ホースガイド6は、ホースリール4の上方に設けられている。ホースガイド6は、ホースリール4から上方に引き出されたホース5を、動力噴霧機1の周囲に案内する。また、ホースガイド6は、ホース5の巻き取り時には、ホース5をホースリール4に案内する。ロック機構7は、作業者によるレバー71(図4等参照)の操作に応じて、ホースリール4の回転の規制及び規制の解除を行う。
【0016】
次に、ロック機構7によってホースリール4の回転を規制する構成について説明する。図2に示すように、ホースリール4の回転軸43は、本体フレーム8に固定されたすべり軸受け81によって回動可能に支持されている。ロック機構7は、ホースリール4の回転軸43周りに設けられている。
【0017】
まず、ホースリール4の回転軸43周りの構成について説明する。図2及び図3に示すように、ホースリール4は、巻取ドラム41、及び一対のドラム側板45を備えている。巻取ドラム41は、ドラム部42、及び回転軸43を備えている。ドラム部42は、両端部が塞がれた円筒状の部材であり、外周面にホース5が巻き付けられる。回転軸43は、中空軸43a、及び中実軸43bを備えている。中空軸43aは巻取ドラム41の一方の端部に固定され、中実軸43bは巻取ドラム41の他方の端部に固定されている。中空軸43aと中実軸43bとは、同一直線上に配置されている。中空軸43aは、軸線方向に沿って延在する孔aを有している。中空軸43aの孔aは、ドラム部42の内部空間に連通している。
【0018】
中空軸43aの内側には、ドラム部42の内部へ挿通された薬液を噴霧するホース5の一端が取り付けられる。このホース5の一端にポンプ3から送り出された薬液が通るホース31が接続されている(図2参照)。これにより、ポンプ3から送り出された薬液が、ホース31、中空軸43a、及びドラム部42を介してホース5に導かれる。一対のドラム側板45は、ドラム部42の両端部にそれぞれ固定されている。これにより、一対のドラム側板45間に、巻き取られたホース5を収容することができる。
【0019】
図2図4図7に示すように、ロック機構7は、本体部70、レバー71、引張コイルバネ(バネ)72、ワンウェイロックギア73、係合爪74、及びスイッチ75を備えている。本体部70は、略板状の部材であり、中空軸43aの周りにおいてホースリール4のドラム側板45と対向している。本体部70の下端部は、すべり軸受け81と共に本体フレーム8にボルトによって固定されている。本体部70の下端部には、中空軸43aとの干渉を避ける逃げ部70cが設けられている。
【0020】
ここで、本体部70において、ドラム側板45と対向する側の面を内側面70aという。また、本体部70において、動力噴霧機1の外側を向く面を外側面70bという。すなわち、図4及び図6では本体部70の外側面70bが示され、図5及び図7では本体部70の内側面70aが示されている。
【0021】
ワンウェイロックギア73は、中空軸43aに固定されている(図3参照)。これにより、ワンウェイロックギア73は、巻取ドラム41と共に回転する。本体部70は、中空軸43aの軸線方向において、ワンウェイロックギア73よりも動力噴霧機1の外側に配置されている。
【0022】
レバー71は、係合爪74に連結され、係合爪74を、ワンウェイロックギア73に係合する係合状態と係合が解除された解除状態とに切り替える。具体的には、レバー71は、本体部70の外側面70bにおいて、回転軸43の上方に設けられている。レバー71の基端部は、軸77に固定されている。なお、軸77は、本体部70を貫通しており、内側面70a及び外側面70bの両方に露出している。レバー71は、軸77を軸として回動する。
【0023】
引張コイルバネ72は、レバー71にバネ力を付与する。本実施形態において、引張コイルバネ72は、バネ力として、レバー71に引っ張り力を付与する。引張コイルバネ72の一方の端部は、レバー71の先端部近傍に連結され、他方の端部は本体部70の外側面70bに設けられたバネ接続部70dに連結されている。
【0024】
係合爪74は、ワンウェイロックギア73に係合可能に設けられている。具体的には、係合爪74は、本体部70の内側面70aにおいて軸77に固定されている。これにより、軸77を軸としたレバー71の回動動作と連動して、軸77を軸として係合爪74が回動する。係合爪74が回動させられることにより、係合爪74の先端部74aがワンウェイロックギア73に係合し、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合する係合状態となる(図7に示す状態)。
【0025】
ここで、図7に示すように、ワンウェイロックギア73のギア部分の形状は、爪クラッチギア形状となっている。すなわち、ワンウェイロックギア73のギア部分の形状は、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合した係合状態において、ワンウェイロックギア73の一方向の回転を許容し、他方の回転を規制する形状である。本実施形態では、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合した係合状態において、巻取ドラム41によるホース5の巻き取り方向の回転を許容し、ホース5の引き出し方向の回転を規制するように、ワンウェイロックギア73のギア形状及び係合爪74の形状が設定されている。
【0026】
スイッチ75は、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合した係合状態であるか否かを検出する。具体的には、スイッチ75は、係合爪74との接触の有無によって係合爪74が係合状態であるか否かを検出する。スイッチ75は、接触の有無を検出するため、係合爪74によって押下される押下レバー75aを備えている。スイッチ75は、本体部70の内側面70aにおいて、係合爪74が係合状態でない場合に係合爪74によって押下レバー75aが押下される位置に設けられている。スイッチ75は、エンジン2を制御する制御ユニット22(図8参照)に接続されている。
【0027】
ここで、レバー71の回動範囲について説明する。係合爪74をワンウェイロックギア73に係合させる向きのレバー71の回動、すなわち、図4及び図5に示す状態から図6及び図7に示す状態となる向きのレバー71の回動は、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合することで規制される。
【0028】
一方、ワンウェイロックギア73に係合する係合爪74の係合を解除する方向の回動、すなわち、図6及び図7に示す状態から図4及び図5に示す状態となる向きのレバー71の回動は、本体部70の外側面70bに設けられたネジ76にレバー71が当接することで規制される。
【0029】
このように、レバー71は、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合する状態となる回動位置(図6に示す状態)と、レバー71がネジ76に当接する回動位置(図4に示す状態)との間で回動する。
【0030】
また、図4及び図6に示すように、バネ接続部70dにおける引張コイルバネ72との連結位置と、軸77の中心位置とをつなぐ直線を基準線Lとする。レバー71の回動範囲は、レバー71の回動の軸線方向に沿って見たときに、基準線Lを含む範囲となっている。これにより、係合爪74が係合状態の場合、係合爪74は、引張コイルバネ72の引張力によって先端部74aがワンウェイロックギア73に向けて付勢され、係合状態が維持される。一方、レバー71がネジ76に当接している場合、引張コイルバネ72の引張力によってレバー71がネジ76に当接する状態が維持される。
【0031】
このように、一つの引張コイルバネ72によって、係合爪74の係合状態を維持することと、レバー71をネジ76に当接させた状態(係合爪74の係合が解除された状態)を維持することと実現できる。
【0032】
図8に示すように、エンジン2は、エンジン本体(駆動部)21と、エンジン本体21の駆動を制御する制御ユニット(制御部)22とを備えている。制御ユニット22は、エンジン本体21が停止状態であり、且つスイッチ75によって係合爪74の係合状態が検出されている場合、作業者がエンジン始動の操作をしても、エンジン本体21を始動させない。
【0033】
例えば、スイッチ75は、押下レバー75aが係合爪74によって押下されていない場合には制御ユニット22をアースに接続し、押下レバー75aが押下された場合には制御ユニット22をアースから切断する構成とする。また、制御ユニット22は、アースされている場合にはエンジン本体21を始動させない構成とする。この場合、押下レバー75aが押下されていない場合、すなわち、係合爪74が係合状態である場合、制御ユニット22がアースに接続されてエンジン本体21が始動されない。
【0034】
次に、レバー71の操作について説明する。動力噴霧機1の使用時において、作業者は、図4及び図5に示すように、レバー71を起こしてレバー71がネジ76に当接した状態とする(解除状態)。この状態では、ロック機構7によるホースリール4の回転の規制がされておらず、エンジン2の始動も可能である。このため、ホース5を巻き取る際には、エンジン2を始動させ、エンジン2によってホースリール4が回転駆動されることによって、ホース5をホースリール4に巻き取ることができる。
【0035】
一方、動力噴霧機1の輸送時等、動力噴霧機1を使用しない場合、作業者は、図6及び図7に示すように、レバー71を操作して係合爪74をワンウェイロックギア73に係合させた状態とする(係合状態)。この状態では、ロック機構7によってホースリール4におけるホース5の引き出し方向の回転が規制され、さらに、エンジン2の始動も不可能な状態となる。
【0036】
本実施形態は以上のように構成され、この動力噴霧機1のロック機構7では、レバー71を操作することによって、係合爪74をワンウェイロックギア73に係合する係合状態と、係合が解除された解除状態とに切り替えることができる。係合爪74が係合状態である場合、巻取ドラム41におけるホース5の引き出し方向の回転が規制される。これにより、例えば、輸送時等、動力噴霧機1を使用しないときにはレバー71を操作して係合爪74を係合状態としておくことで、巻取ドラム41におけるホース5が引き出される方向の回転が規制され、ホース5がばらけてしまうことを防止できる。このように、動力噴霧機1のロック機構7では、係合爪74をワンウェイロックギア73に係合させるという、簡素な構成によって巻取ドラム41の回転を確実に規制することができる。
【0037】
また、制御ユニット22は、スイッチ75が押下されていない状態、すなわち、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合している状態である場合には、エンジン本体21を始動させない。これにより、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合した状態でエンジン本体21が始動してしまうことによって、ワンウェイロックギア73及び係合爪74が破損等してしまうことを防止できる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、引張コイルバネ72は、コイル状のバネ以外のバネであってもよい。また、引張コイルバネ72に代えて、係合爪74がワンウェイロックギア73に係合するようにレバー71に付勢力(バネ力)を付与するバネを設けてもよい。
【0039】
スイッチ75は、係合爪74との接触の有無によって係合爪74が係合状態であるか否かを検出したが、係合爪74に連動するレバー71との接触の有無によって係合爪74が係合状態であるか否かを検出してもよい。また、エンジン本体21に代えて、モータ等、他の駆動源によってホースリール4を駆動してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…動力噴霧機、21…エンジン本体(駆動部)、22…制御ユニット(制御部)、41…巻取ドラム、43a…中空軸(回転軸)、71…レバー、72…引張コイルバネ(バネ)、73…ワンウェイロックギア、74…係合爪、75…スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8