特許第6588895号(P6588895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティドの特許一覧 ▶ サン−ゴバン アブラジフの特許一覧

特許6588895ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品
<>
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000007
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000008
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000009
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000010
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000011
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000012
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000013
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000014
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000015
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000016
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000017
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000018
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000019
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000020
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000021
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000022
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000023
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000024
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000025
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000026
  • 特許6588895-ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品 図000027
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588895
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】ヒマワリパターンに基づいた塗布研磨材製品
(51)【国際特許分類】
   B24D 7/00 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   B24D7/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-521918(P2016-521918)
(86)(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公表番号】特表2016-523726(P2016-523726A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】US2014044591
(87)【国際公開番号】WO2014210470
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2015年12月16日
【審判番号】不服2017-7662(P2017-7662/J1)
【審判請求日】2017年5月29日
(31)【優先権主張番号】61/840,854
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン−ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】アヌジュ・セス
【合議体】
【審判長】 見目 省二
【審判官】 刈間 宏信
【審判官】 中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101885164(CN,A)
【文献】 特開平4−269175(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102198641(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0207659(US,A1)
【文献】 特開平5−253852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンで配置された柔軟な平面状のバッキングに配置された複数の不連続の研磨領域および隣接する開口領域、を有する被膜研磨材を含む研磨品であって、
前記不連続の研磨領域の各々が、前記バッキングに配置されたポリマーのメークコートの分散部分および前記メークコート内に配置された研磨粒子を含み、
連続のポリマーのサイズコートが、前記不連続の研磨領域および前記開口領域を覆い配置され、
前記パターンが、制御された不均一分布を有し、
前記パターンが、らせん状葉序パターンであり、
前記パターンが、次式:
【数1】
(式中:
nは、前記パターンの中心から外側にカウントする研磨領域の番数であり;
いずれもの2つの連続的研磨領域の位置ベクトル間の開度が、一定角αであるように、φは、基準方向と前記パターンの中心で始まる極座標系のn番目の研磨領域の位置ベクトルとの間の角度であり;
rは、前記パターンの中心から、前記n番目の研磨領域の前記中心までの距離であり;および
cは、一定倍率である)
により、極座標中に記載され、
前記パターンが、136.5°から138.5°の範囲である極座標での開度を有し、
全研磨領域の少なくとも約80%が式1に従い、
前記パターンが、前記研磨品の潜在的表面積の75%から95.5%の全開口面積を有し、
前記パターンが、前記研磨品の前記潜在的表面積の4.5%から25%の全研磨領域を有し、
各々の前記研磨領域が、前記研磨品の前記隣接する開口領域の1/10以上で10倍以下の大きさの幅を備え、
各々の前記研磨領域が、0.1mmから10cmの範囲の幅を備える、研磨品。
【請求項2】
前記パターンが、137.508°である開度を有する、請求項1記載の研磨品。
【請求項3】
前記複数の研磨領域が、5研磨領域から10,000研磨領域の範囲である、請求項1記載の研磨品。
【請求項4】
前記パターンが、前記研磨品の実質的に全面を覆う、請求項1記載の研磨品。
【請求項5】
前記パターンの最外側研磨領域の輪郭が、前記研磨品の輪郭と交差する、請求項1記載の研磨品。
【請求項6】
前記パターンの最外側研磨領域の輪郭が、前記研磨品の輪郭から、少なくとも特定の距離である、請求項1記載の研磨品。
【請求項7】
前記パターンが、前記研磨品の面の一部のみを覆う、請求項1記載の研磨品。
【請求項8】
円板形状を有する、請求項1記載の研磨品。
【請求項9】
前記研磨領域が、短線分、多角形、楕円形、円形、弧、らせん、渦巻、らせん格子、またはその組み合わせの1つから選択される形状を有する、請求項1記載の研磨品。
【請求項10】
前記研磨領域が、前記バッキング上に直接配置される、請求項1記載の研磨品。
【請求項11】
前記研磨領域が、同一平面にある、請求項1記載の研磨品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、研磨材、より具体的には、分散した、連続的、半連続的、およびその組み合わせにかかわらず、ひまわりパターンに基づいた研磨部分を有する塗布研磨材製品に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布研磨材製品など、研磨材製品は、ラップ仕上げ、研削仕上げ、または磨き仕上げなど、手作業または機械処理による加工品を研磨する様々な工業で使用される。機械加工利用の研磨材製品は、光学工業、自動車塗装修理工業、および金属製作工業から建設および木工事まで、産業および消費者の広範囲に及ぶ。手作業またはオービタルポリッシャー(ランダムおよび固定軸の両方)、ならびにベルトおよび振動サンダーなど、一般に入手可能な工具を使用した機械加工は、家庭用途で、消費者によっても、一般に行われる。これらの例の各々では、研磨材は、表面物質を取り除き、該研磨表面の表面特性(例えば、平面性、表面粗さ、光沢)に影響を及ぼすために使用される。加えて、様々なタイプの自動処理システムは、様々な構成および配置の研磨処理製品に開発された。
【0003】
表面特性としては、とりわけ、輝き、質感、光沢、表面粗さ、および均質性が挙げられる。特に、粗さおよび光沢など、表面特性は、品質を決定するために測定される。例えば、塗布または塗装のとき、表面の特定の不完全さまたは表面欠陥が、施工または養生過程中で発生し得る。かかる表面の不完全さまたは表面欠陥としては、あばた、「オレンジピール(ゆず肌)」質感、「フィッシュアイ」、または内包気泡および粉塵欠陥を含み得る。通常、塗装表面のかかる欠陥は、粗粒研磨材を用いて、最初に研磨し、次いで、徐々により細かい細粒研磨材を用いて引き続き研磨し、所望の平滑性が得られるまで、ウールまたはフォームパッドを用いて、さらにバフ仕上げにより取り除かれる。それ故、使用される研磨材製品の特性は、一般に、該表面品質に影響するだろう。
【0004】
表面特性に加えて、工業は、研磨作業に関する費用に対して敏感である。運転費に影響する因子としては、表面処理され得る速度およびその表面処理に使用される材料費が挙げられる。通常、該産業は、高材料除去率を有する対費用効果の高い材料を求めている。
【0005】
しかしながら、高除去率を示す研磨材は、しばしば、望ましい表面特性を達成するのに性能不足を示す。逆に、望ましい表面特性を得る研磨材は、しばしば、低材料除去率を有する。この理由で、表面処理は、しばしば、様々なグレードの研磨シートを用いた、多段階過程である。通常、1つの工程により生じた表面傷(例えば、引っ掻き傷)は、1つ以上の続く工程で、徐々により細かい細粒研磨材を用いて、修復(例えば、除去)される。従って、引っ掻き傷および表面傷を発生される研磨材は、時間、労力、および続く処理工程の出費の増加および総処理費用の全体的増加という結果になる。
【0006】
材料除去率および表面品質に影響するさらなる因子は、「切屑」すなわち、その表面、および研磨材粒子間に蓄積されがちである加工品表面から研磨される物質を有する研磨材の「目詰まり」である。目詰まりは、通常、研磨生産物の有効性を低下させ、引っ掻き欠陥の可能性の増大により、表面特性に悪影響も与え得るので、望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発生したときに、切屑を取り除くための真空システムの適用だけでなく、切屑を洗い出すため、加工品表面上に液体を導入するなど、切屑の蓄積を減少させるため、様々な努力が成されてきたが、対費用効果が高く、効果的研磨および表面特性の改良を促進する研磨材製品、処理およびシステムの改良は、今なお要望されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、より理解され得、添付図面の参照により、その多数の特徴および利点が、当業者に明らかとなる。
図1図1は、いかなる開口部も有さず、本発明に従った研磨領域の制御された不均一分布を有するパターン(a.k.a.、スポット)を有する塗布研磨ディスクの実施形態である。
図2図2は、多重らせん腕の形状の研磨領域を有し、該らせん腕が、フォーゲルモデルに従った点を通過する、塗布研磨材の実施形態の図である。
図3図3は、いかなる開口部を有さず、葉序らせん状パターン、特に、本発明に従った時計回りおよび反時計回りの斜列を有する一種のらせん格子に対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの実施形態の図である。
図4図4は、本発明に従った、時計回りおよび反時計回り斜列の葉序らせん状パターンの形状の研磨領域を有するいかなる開口部も有さない塗布研磨ディスクの実施形態のさらなる図である。
図5図5は、葉序らせん状パターン、特に、本発明に従って斜列が交差する円状研磨領域と組み合わせた時計回りおよび反時計回りの該斜列を有する一種のらせん格子に対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの実施形態の図である。
図6図6は、本発明に従った、研磨領域の配置のためのフォーゲルモデルの図である。
図7図7は、研磨領域の配置の数値的級数を示す、本発明に従ったフォーゲルモデルのさらなる図である。
図8図8A〜8Cは、パターンが、フォーゲルモデルに従い、本発明に従った、異なる開度を有する塗布研磨材上の研磨領域の配置のための葉序らせん状の該パターンの図である。
図9図9は、葉序らせん状パターン、特に、本発明に従って斜列が交差する大小様々の円形研磨領域と組み合わせた、時計回りおよび反時計回りの該斜列を有する一種のらせん格子に対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの別の実施形態の図である。
図10図10は、斜列が、本発明に従って分岐する大小様々の円形研磨領域と組み合わせた、分岐した該斜列を有する葉序らせん状パターンに対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの別の実施形態の図である。
図11図11は、斜列が、本発明に従って分岐する大小様々の円形研磨領域と組み合わせた、分岐した時計回りの該斜列を有する葉序らせん状パターンに対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの別の実施形態の図である。
図12図12は、斜列が、本発明に従って分岐する大小様々の円形研磨領域と組み合わせた、分岐した時計回りおよび反時計回りの該斜列を有する葉序らせん状パターンに対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの別の実施形態の図である。
図13図13は、斜列が、本発明に従って分岐する大小様々の円形研磨領域と組み合わせた、分岐した該斜列を有する葉序らせん状パターンに対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの別の実施形態の図である。
図14図14は、斜列が、本発明に従って分岐する大小様々の円形研磨領域と組み合わせた、分岐した該斜列を有する葉序らせん状パターンに対応する研磨領域を有する塗布研磨ディスクの別の実施形態の図である。
図15図15は、本発明の148研磨領域を有する研磨領域パターンの実施形態のグラフィック画像である。
図16図16は、図15の研磨パターンの転置である代替の研磨パターンの本発明の実施形態の図である。
図17図17は、図16のパターンに基づいたらせんおよび弧の形状の研磨領域の実施形態の図である。
図18図18は、本発明の344研磨領域を有する研磨領域パターンの実施形態例のグラフィック画像である。
図19図19は、図18の研磨領域パターンの転置の本発明の実施形態例の図である。
図20図20は、図19の開口パターンと協調的であるバックアップパッドの本発明の実施形態例の図である。
図21図21は、本発明の塗布研磨材の実施形態の横断面図である。 種々の図中の同じ参照記号の使用は、同様または同じ品目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態では、研磨材製品は、制御された不均一分布を有するパターンで配置された複数の研磨領域を有する塗布研磨材を含む。該パターンは、放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、非対称パターン、またはその組み合わせを含む制御された不均一分布を有するいずれかのパターンであり得る。組み合わせパターンの例は、らせん格子パターンである。該パターンは、部分的に、実質的に、または完全に非対称であり得る。該パターンは、全面的に研磨材製品を覆い得る(すなわち、にわたって分布する)、実質的に全面的に研磨材製品を覆い得る(すなわち、50%より多いが100%より小さい)、研磨材製品の複数の部分を覆い得る、または研磨材製品の一部のみを覆い得る。
【0010】
制御された「不均一分布」は、研磨領域の分布が、例えば、放射状、らせん状、または葉序式により記載または予測されるが、該パターンが、それでもやはり、完全な非対称性に対して、少なくとも不完全性を示すように、制御された非対称性(すなわち、制御されたランダム性)を有することを意味する。
【0011】
該制御非対称は、制御反転非対称(鏡面対称、線対称、および左右対称とも呼ばれる)、制御回転非対称、制御並進対称、制御映進対称、またはその組み合わせであり得る。不均一分布の例は、かかるパターンは、該パターンが、その中心周り360°回転中に、1回だけ繰り返すという理由で、回転対称を有しないことを意味する1の位数の回転対称を有する放射状、らせん状、または葉序パターンについて立証され得る。言い換えれば、もし、正確に同じパターンの2つのコピーが、互いの上に、直接置かれ、1つのコピーを一定に保ち、一方、2つ目のコピーを、その中心周り360°回転するならば、両方のコピーの全研磨領域は、360°回転中に1回のみ調和するだろう。
【0012】
通常、パターンの全研磨領域(すなわち、全体的パターン)は、制御非対称を有するだろう。しかしながら、本実施形態のパターンは、該パターンの研磨領域の総数の一部のみ(すなわち、該パターンの一部)が、制御非対称を有するパターンも含む。例えば、得られたパターンの研磨領域の一部のみが、制御不均一分布を有するように、制御不均一分布を制御されたパターンを有する不均一に分布されたパターンの一部、または完全にランダムなパターンを組み合わせるまたは置換することにより、そのようなことは起こり得る。制御不均一性を有する全研磨領域の一部は、別々の数として、または該パターンの研磨領域の総数の割合、パーセンテージ、または比率として定量化され得る。実施形態では、該パターンの研磨領域の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%が、制御された非対称性を有する。制御された非対称性を有する該パターンの研磨領域の一部は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内であり得る。特定の実施形態では、該パターンの約50%〜約99.9%、約60%〜約99.5%、約75%〜約99%が、制御不均一分布を有する。
【0013】
別の実施形態では、該パターンは、少なくとも約5研磨領域、少なくとも約10研磨領域、少なくとも約15研磨領域、少なくとも約20研磨領域、少なくとも約25研磨領域、または少なくとも約50研磨領域にわたって、制御された非対称性を有する。別の実施形態では、該パターンは、約100,000以下の研磨領域、約10,000以下の研磨領域、約5,000以下の研磨領域、約2,500以下の研磨領域、約1,000以下の研磨領域、約750以下の研磨領域、または約500以下の研磨領域にわたって、制御された非対称性を有する。制御された非対称性を有する研磨領域の数は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内であり得る。
【0014】
上記のように、本実施形態のパターンは、放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、非対称パターン、またはその組み合わせを含む、制御不均一分布を有するいずれかのパターンであり得る。組み合わせパターンの例は、らせん格子パターンである。らせん格子パターンが、放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、および非対称パターンであり得るとして分類され得ると認識されるだろう。放射状パターンは、ホイールハブからのスポークなど、中心点から放射状に見えるいずれかのパターンであり得る。実施形態では、らせん状パターンは、研磨材製品の中心点から発して、該中心点の周りを回るとき、徐々に遠ざかって広がるいずれかの曲線、または一連の曲線であり得る。該中心点は、該研磨材製品の中心に、またはその近くに、あるいは、該研磨材製品の中心から離れて、位置し得る。単一のらせんまたは多重らせん(すなわち、複数のらせん)があり得る。該らせんは、分散または連続、分離または接続したものであり得る。分離したらせんは、異なる中心点から発し得る(すなわち、各らせんは、その独自の中心点を有する)、共通の中心点から発し得る(すなわち、各らせんは、中心点を共有する)、またはその組み合わせがある。らせんパターンとしては:アルキメデスらせん;オイラーらせん、コルニュらせん、またはクロソイド;フェルマらせん;双曲線らせん;リチュウス;対数らせん;フィボナッチらせん;黄金らせん;またはその組み合わせが挙げられ得る。
【0015】
実施形態では該パターンは、葉序パターンであり得る。本明細書で使用されるとき、「葉序パターン」は、葉序に関連するパターンを意味する。葉序は、多くの植物の葉、花、芽鱗、小花、および種など、側性器官の配置である。多くの葉序パターンは、弧、らせん、および輪生を有するはっきり見えるパターンの天然現象により特徴付けられる。ヒマワリの頭の種のパターンは、この現象の例である。図3および図4で示されたように、斜列とも呼ばれる多重の弧またはらせんは、中心点(C)にその起点を有し、外側に向かい得、一方、他のらせんは、内側のらせんにより残された間隙を埋めるように開始する。Jean’s Phyllotaxis A Systemic Study in Plant Morphogenesis at p. 17参照。しばしば、該らせんパターン配置は、時計回りおよび反時計回り方向の両方で、外側に放射するものとして見られ得る。図4に示されたように、これらのタイプのパターンは、時計回り方向に放射する中心点からある距離をおいたらせんまたは弧の数が、「m」であり、反時計回りに放射するらせんまたは弧の数が、「n」である、(m,n)により表され得る目に見えて向かい合った葉序対を有する。さらに、それらの中心における2つの連続的らせんまたは弧の間の角度は、開度「d」と呼ばれる。驚くべきことに、本発明者らは、葉序パターンが、研磨材製品、特に、塗布研磨材製品のため、新規パターンを作成するのに有用であることを発見した。
【0016】
実施形態では、該パターンは、時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数を有し、該時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数は、フィボナッチ数またはフィボナッチ数の倍数である。特定の実施形態では、該時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数は、対(m,n):(3,5)、(5,8)、(8,13)、(13,21)、(21,34)、(34,55)、(55,89)、(89,144)またはかかる対の倍数である。別の実施形態では、該時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数は、リュカ数またはリュカ数の倍数である。特定の実施形態では、該時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数は、対(m,n):(3,4)、(4,7)、(7,11)、(11,18)、(18,29)、(29,47)、(47,76)、または(76,123)またはかかる対の倍数である。別の実施形態では、該時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数は、黄金比で収束する比のいずれかの数であり、該黄金比は、1+5の平方根の和を2で割ったもの、(1+√5)/2に等しく、1.6180339887におおよそ等しい。特定の実施形態では、該反時計回りのらせんに対する該時計回りのらせんの比は、該黄金比におおよそ等しい。
【0017】
上記で既述したように、ヒマワリの植物の種が、らせん状葉序パターンで配置されていることは、自然で観察された。実施形態では、該パターンは、ヒマワリパターンである。
【0018】
該ヒマワリパターンは、一種の「フィボナッチらせん」、または連続した点間の開度が、137.508°に等しい黄金角に近づく一定のフィボナッチ角であるらせんである、フォーゲルモデルにより記載された。
【0019】
図6および図7は:
【0020】
【数1】
【0021】
(式中:
nは、該中心から外側にカウントする小花の配列数であり;
φは、いずれかの2つの連続した小花の位置ベクトル間の開度αが定数であり、ヒマワリパターンに関しては、137.508°であるように、基準方向および頭状花序の中心で始まる極座標系のn番目の小花の位置ベクトルとの間の角度であり;
rは、該頭状花序の中心およびn番目の小花の中心からの距離であり;および
cは、一定の換算係数である)
であるフォーゲルモデルを図示する。
【0022】
実施形態では、該パターンは、フォーゲルモデルまたはフォーゲルモデルの変化型により記載される。特定の実施形態では、該パターンは:
nは、該パターンの中心から外側にカウントする研磨領域の配列数であり;
φは、いずれかの2つの連続的研磨領域の位置ベクトル間の開度が、一定角αであるように、基準方向および該パターンの中心で始まる極座標系のn番目の研磨領域の位置ベクトルとの間の角度であり;
rは、該パターンの中心から、該n番目の研磨領域までの距離であり;
およびcは、一定の換算係数である。
【0023】
上述のように、該パターンの全て、実質的に全て、または一部は、フォーゲルモデルにより記載される(すなわち、に従う)だろう。実施形態では、該パターンの全ての研磨領域は、フォーゲルモデルにより記載される。別の実施形態では、該研磨領域の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%は、フォーゲルモデルにより記載される。
【0024】
別の実施形態では、適切ならせん状または葉序パターンは、フォーゲルモデル、または放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、非対称パターン、またはその組み合わせを含む、制御された不均一分布を有する他の適切なパターンなど、いずれかの葉序パターンのxおよびy座標から生成され得る。実施形態では該らせん状または葉序パターンの該xおよびy座標は、θが、π/nラジアンに等しく、nが、次式:
【0025】
【数2】
【0026】
に従った、いずれかの整数である、該らせん状または葉序パターンのx’およびy’座標を決定するため、転置および回転される。
【0027】
得られた転置および回転された座標(x’およびy’)は、らせん状または葉序パターンを生成するためにコンピューター支援による製図(CAD)ソフトウェアなどによりプロットされ得る。転置された葉序パターンの特定の実施形態を、図15の葉序パターンの転置である図16;および図18の葉序パターンの転置である図19に示す。
【0028】
本発明者らは、驚くべきことに、葉序パターンが、結合研磨材製品および塗布研磨材製品など、固定研磨材製品を含む、研磨材製品の性能を改良する新規パターンを作成するのに有用であることを発見した。特に、葉序パターンは、塗布研磨材製品のため、新規研磨領域パターンを作成するのに有用である。葉序パターンは、許容できる表面品質の達成、該研磨表面上の切屑負荷量の減少、および該研磨材の高耐久性および長期有効寿命の維持をしたまま、しかし一方で、表面物質の高除去率を達成するという矛盾する問題を解決する助けとなる。部分的に、少なくとも次の観点で、これは、驚くべきことである。第一に、本実施形態の葉序パターンは、予想外に、優れた切屑除去達成度への改良を提供し、最先端のパターンの全ての研磨領域より小さい全研磨領域を有するときでさえ、最先端の研磨パターンと比較して、該研磨材面にわたって、切屑抜き取り位置(例えば、開口領域、経路、および/またはチャネル)のより完全な混じった分布および研磨領域(例えば、本明細書に記載および示された、個別の研磨スポット、細長い結節点、半連続弧、渦巻、らせん、およびその組み合わせの形状で)を有する。第二に、本実施形態の葉序パターンは、予想外に、該全研磨領域が、最先端のパターンより小さいときでさえ、真空の適用あるなしで、最先端のパターンと比較して、優れた研磨性能(例えば、蓄積物質削減)に少なくとも匹敵する。第三に、該用途で、後により詳細に述べるように、本実施形態の有効性および性能は、協調型バックアップパッドおよび真空システムと組み合わせたとき、さらにもっと増強され得る。
【0029】
塗布研磨材製品のパターン設計の重要な側面としては、全研磨表面積のパーセンテージ、開口面積に対する全研磨表面積の比、該研磨材製品が使用中である間の研磨領域適用範囲の予測される位置および広範さ(例えば、オービタルサンダーの回転運動、シートサンダーの振動運動、ベルトサンダーの連続的側方運動)、換算係数、研磨領域の数、研磨領域間の開度、研磨領域の大きさおよび形状、隣接する研磨領域間の距離、および塗布研磨材製品の最外側研磨領域および輪郭または縁間の距離が挙げられることは認識されるだろう。
【0030】
研磨ディスクの大きさ
工業で、および商用消費者により、通常、使用され、通常、約1インチの分数の直径からフィートの直径までの範囲である様々な大きさの研磨材がある。本パターンは、様々な標準サイズの研磨ディスク(例えば、3インチ〜20インチ)を含む、ほとんどの大きさの研磨材の使用に適切である。実施形態では該研磨材製品は、少なくとも約0.25インチ、少なくとも約0.5インチ、少なくとも約1.0インチ、少なくとも約1.5インチ、少なくとも約2.0インチ、少なくとも約2.5インチ、または少なくとも約3.0インチの直径を有する円板である。別の実施形態では、該研磨材製品は、約72インチ以下、約60インチ以下、約48インチ以下、約36インチ以下、約24インチ以下、約20インチ以下、約18インチ以下、約12インチ以下、約10インチ以下、約9ンチ以下、約8インチ以下、約7インチ以下、または約6インチ以下の直径を有する円板である。別の実施形態では、該研磨材製品は、約0.5インチの直径〜約48インチの直径、約1.0インチの直径〜約20インチの直径、約1.5インチの直径〜約12インチの直径の範囲の大きさを有する。
【0031】
全潜在的表面積
該研磨材製品の大きさおよび形状は、該研磨材製品の潜在的表面積を決定する。例えば、1インチの直径を有する研磨ディスクは、0.7854inの総潜在的表面積を有する。別の例として、2インチと3インチと測定される長方形研磨シートは、6inの総潜在的表面積を有することになる。
【0032】
全開口面積
全開口面積は、切屑抜き取りの量に影響する。通常、開口面積量が増加するにつれ、切屑抜き取り量は増加し、使用中、研磨材製品の材料除去率(すなわち、「削減」率)を維持、または時々改良する傾向にある。しかしながら、開口面積量の増加は、利用可能な研磨面積量を直接減少させることにもなり、特定の点において、該材料除去率を減少させるだろう。実施形態では該開口面積は、該研磨材製品の表面上の全ての開口領域の面積の総和に等しい。言い換えれば、該総開口面積は、該研磨材製品の総潜在的表面−総研磨面積(すなわち、全ての研磨面積の総和)に等しい。従って、全開口面積量は、所望の研磨面積量に依存して、総潜在的表面積の約15%〜約95.5%の範囲であり得る。実施形態では、総開口面積は、該研磨材製品の総潜在的表面積の少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%である。別の実施形態では、該総開口面積は、約95.5%以下、約95%以下、約94.5%以下、約94%以下、約93.5%以下、約93%以下、約92.5%以下、約92%以下、約91.5%以下、約91%以下、約90.5%以下、または約90%以下である。該総開口面積量は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内である。別の実施形態では、該総開口面積は、約65%〜約93%、約70%〜約92%、約75%〜約91%、または約80%〜約90%の範囲である。該総開口面積は、パーセンテージの代わりに、別の量として見なし得る。例えば、5インチ研磨ディスクは、約2.95in〜18.75inの範囲の総開口面積を有し得る。
【0033】
総研磨表面積
総研磨表面積は、除去される表面材料の量に影響を及ぼす。通常、総研磨表面積量が増加するにつれ、除去される表面材料量は増加する。また、通常、除去される表面材料量が増加するにつれ、切屑が蓄積する傾向および該表面粗さが大きくなる傾向の両方がある。実施形態では、該塗布研磨材の総研磨表面積は、該研磨材製品の総潜在的表面(すなわち、開口部がないならば、該研磨表面積)−総開口面積(すなわち、全開口面積の総和)と等しい。従って、該総研磨表面積量は、所望の開口面積量に依存して、該総潜在的表面積の約4.5%〜約85%の範囲であり得る。実施形態では、該総研磨面積は、該研磨材製品の総潜在的表面積の少なくとも約4%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約5.5%、少なくとも約6%、少なくとも約7.5%、少なくとも約8%、少なくとも約8.5%、少なくとも約9%、少なくとも約9.5%、または少なくとも約10%である。別の実施形態では、該総研磨面積は、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下である。該総研磨面積量は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内であり得る。別の実施形態では、該総研磨面積は、約7%〜約35%、約8%〜約30%、約9%〜約25%、または約10%〜約20%の範囲である。該総研磨面積は、パーセンテージの代わりに、別の量として見なし得る。例えば、5インチディスクは、約0.88in〜16.69inの範囲の総研磨表面積を有し得る。
【0034】
総開口面積に対する総研磨表面積の比
実施形態では、総開口面積に対する総研磨表面積の比は、少なくとも約1:199、少なくとも約1:99、少なくとも約1:65.7;少なくとも約1:49、少なくとも約1:39、少なくとも約1:29、少なくとも約1:19、または少なくとも約1:9である。別の実施形態では、総開口面積に対する総研磨表面積の比は、約1:0.05以下、約1:0.1以下、約1:0.2以下、約1:0.3以下、約1:0.4以下、約1:0.5以下、約1:0.6以下、約1:0.7以下、約1:0.8以下、約1:0.9以下、または約1:1以下である。総開口面積に対する総研磨表面積の比は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内であり得る。
【0035】
研磨領域数
研磨領域数は、総開口面積量および総研磨面積量に影響する。加えて、該研磨領域数は、該研磨材製品の表面上の研磨適用範囲の密度および分布に影響を及ぼし、次に、該研磨材製品の該表面材料除去率および切屑抜き取り効率に、直接影響する。実施形態では、該研磨領域数は、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約15;少なくとも約18、または少なくとも約21である。別の実施形態では、該研磨領域数は、約100,000以下;約50,000以下;約10,000以下;約1,000以下;約800以下;約750以下;約600以下;または約550以下である。該研磨領域数は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内であり得る。別の実施形態では、該研磨領域数は、約21〜約10,000;約25〜約1,000;約30〜約750;または約35〜約550の範囲である。特定の実施形態では、該研磨領域数は、約21〜約550の範囲である。
【0036】
開度
該開度αの増大または減小は、いかに該研磨領域が、該時計回りおよび反時計回りらせんのパターンおよび形状内に配置されるかに影響を及ぼす。該開度は、360°を定数または変数の値で割ったものに等しく、従って、該開度は、一定値であり得るまたは変化し得る。開度の小さな変化が、有意に該パターンを変化させ得ることが観察された。図8a、図8b、および図8cは、該開度の値のみが異なる葉序パターンを示している。図8aの開度は、137.3°である。図8bの開度は、137.5°である。図8cの開度は、137.6°である。実施形態では、該開度は、少なくとも約30°、少なくとも約45°、少なくとも約60°、少なくとも約90°、または少なくとも約120°である。別の実施形態では、該開度は、約150°以下など、180°より小さい。該開度は、前述の上限および下限のいずれかの対を含む範囲内であり得る。別の実施形態では、該開度は、約90°〜約179°、約120°〜約150°、約130°〜約140°、または約135°〜約139°の範囲である。実施形態では、該開度は、360°を無理数により割ることにより決定される。特定の実施形態では、該開度は、360°を黄金比により割ることにより決定される。特定の実施形態では、該開度は、約137.5°〜約137.6°など、約137.50°〜約137.51°など、約137°〜約138°の範囲である。特定の実施形態では、該開度は、約137.508°である。
【0037】
研磨材の縁に対する距離
該研磨材製品の幾何学的形状およびその用途に依存して、該パターンの全体的寸法が決定され得る。該パターンの中心から最外側研磨領域までの距離は、該研磨材製品の縁と隣接する距離にまで及び得る。従って、該最外側研磨領域の縁は、該研磨材製品の縁にまで及び得るまたは交差し得る。あるいは、該パターンの中心から最外側研磨領域までの距離は、該最外側研磨領域の縁および該研磨材製品の縁の間の空間の一定の量を、研磨領域がないようにする距離まで及び得る。該最外側研磨領域の縁からの最短距離は、要望通りに指定され得る。実施形態では、該最外側研磨領域の縁から該研磨材製品の外縁までの最短距離は、別の長さまたは該パターンが見られる該研磨材製品面の長さのパーセンテージと特定される特定の距離である。実施形態では、該最外側研磨領域の縁から該研磨材製品の外縁までの最短距離は、該研磨材製品の長さの約15%までの範囲である少なくとも約0(すなわち、該最外側研磨領域の縁が、該研磨材製品の縁と交差または同じ末端である)であり得る。
【0038】
研磨領域の大きさ
該研磨領域の大きさは、少なくとも部分的に、該研磨材製品の所望の研磨領域全量により決定される。該研磨領域の大きさは、該パターンを通して一定であり得るまたは該パターン内で変わり得る。実施形態では、該研磨領域の大きさは、一定である。別の実施形態では、該研磨領域の大きさは、該パターンの中心からの該研磨領域の距離に伴って変化する。
【0039】
換算係数
換算係数は、該パターンの全体的大きさおよび寸法に影響する。該換算係数は、該最外側研磨領域の縁が、該研磨材製品の外縁の所望の距離内であるように、調整され得る。
【0040】
最近接研磨領域間の距離
該研磨領域の数および大きさの考慮に加えて、最近接研磨領域の中心間の距離は、決定され得る。いずれか2つの研磨領域の中心間の距離は、他の設計検討に応じる。実施形態では、いずれか2つの研磨領域の中心間の最短距離は、決して繰り返されない(すなわち、中心から中心までの間隔は、決して、正確に同じ距離ではない)。この種の間隔は、制御された非対称性の例でもある。
【0041】
パターン適用範囲−偏差の許容量
パターンが、その全体または連続的に研磨材製品に適用する必要はないことは明白であろう。パターンの一部は、該研磨材製品の表面様々な部分またはセクターが、完全なパターンを有さないように、適用または省略され得る。実施形態では、該パターンの半分、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、または10分の1が、省略され得る。別の実施形態では、該パターンは、該研磨材製品の1つ以上の同心円の環状領域のみに適用され得る。別の実施形態では、該パターンの個別の弧またはらせん腕に沿って、一連の研磨領域に、正常にみられるはずの1つ以上の研磨領域を省略することが可能である。実施形態では、全てのn番目、または全てのn番目の倍数が、省略され得る。別の実施形態では、個別の研磨領域、研磨領域の群、または特定の数値的系列に従った研磨領域は、省略され得る。逆に、該パターンに、特定量の追加の研磨領域を含めることも可能である。研磨領域の追加または減算は、該パターンに対する例外として見なされ得、該パターンに対する例外の特定量プラスまたはマイナスが許容可能であり得る。実施形態では、該パターンに対する例外の許容可能量は、該研磨材製品の総研磨面積の0.1%〜10%の範囲であり得る。
【0042】
研磨領域の形状
適用範囲量は、該研磨領域の形状により、影響され得る。該研磨領域の形状は、規則的または不規則的であり得る。実施形態では、該研磨領域の形状は、短線、正多角形、不規則な多角形、楕円形、円形、弧、らせん、渦巻、格子、またはその組み合わせの形状であり得る。特定の実施形態では、該研磨領域は、円の形状を有する。別の実施形態では、該研磨領域の形状は、本明細書に記載の制御不均一分布を有する1つ以上の線、弧、らせん、または渦巻の形状であり得る。該1つ以上の線、弧、らせん、または渦巻は、多重線交差を有し得る。
【0043】
十分な切屑除去が、該研磨材製品の背面に真空取り付けのあるなしで起こり得るように、該研磨領域は構成され得る。実施形態では、該研磨領域は、該研磨材製品の中心から放射状に外側に伸びるらせんまたは斜列の形状である。該らせんまたは斜列は、該研磨領域間の開口領域の気流チャネルを作成するように構成され得る。別の実施形態では、該研磨領域は、らせん格子に似ているように形成される。開口部は、該格子により囲い込まれる開口領域内に位置づけられ得る。切屑除去は、該研磨材製品の外縁と流体接続する、または真空源に開かれている該研磨材製品の開口部と流体接続する、またはその両方である開口領域の存在により促進されるだろうと考えられる。空気流路を作成するように構成されたかかる研磨領域および開口領域は、該研磨領域から、遠心力によりまたは直接真空系の開口部に排出され、従って、該研磨材製品表面上の研磨領域、ならびに、該研磨材製品の背面に取り付け得るフックおよびループ材料層など、いずれかの開口線維層の切屑の巻込みを防止するように、切屑を導くだろう。
【0044】
実施形態では、研磨領域のパターンは、正多角形、不規則な多角形、楕円形、円形、弧、らせん、葉序パターン、またはその組み合わせを含み得る。研磨領域のパターンは、放射弧、放射らせん、またはその組み合わせを含み得る。研磨領域のパターンは、内側放射らせんおよび外側放射らせんの組み合わせを含み得る。研磨領域のパターンは、時計回り放射らせんおよび反時計回り放射らせんの組み合わせを含み得る。該放射領域は、互いに別々または不連続的であり得る。あるいは、1つ以上の該研磨領域は、流体接続され得る。
【0045】
放射弧、放射らせん、またはその組み合わせの数は、変化し得る。実施形態では、放射弧、放射らせん、またはその組み合わせの数は、750以下、500以下、250以下、100以下、90以下、80以下、または75以下など、1000以下であり得る。実施形態では、放射弧、放射らせん、またはその組み合わせの数は、3以上、5以上、7以上、9以上、11以上、15以上、20以上など、2以上であり得る。実施形態では、放射弧、放射らせん、またはその組み合わせの数は、2〜100など、2〜500であり得る。
【0046】
該研磨領域は、幅が変化し得る。該研磨領域の幅は、一定または変化、またはその組み合わせであり得る。実施形態では、該研磨領域の幅は、固定の長さの範囲内であり得る。実施形態では、該研磨領域の幅は、0.1mm〜10cmで変化し得る。別の実施形態では、該研磨領域の幅は、該研磨材製品の隣接する開口領域の所望の大きさに関係するだろう。実施形態では、該研磨領域の幅は、該塗布研磨材の開口領域の1/8以上、1/6以上、1/5以上、1/4以上、1/3以上、または1/2以上の大きさなど、該塗布研磨材製品の開口領域の1/10以上の大きさである。実施形態では、該研磨領域の幅は、該塗布研磨材の開口領域の8倍以下、6倍以下、5倍以下、4倍以下、3倍以下、2倍以下の大きさなど、該塗布研磨材の開口領域の10倍以下の大きさである。実施形態では、該研磨領域の幅は、該塗布研磨材の開口領域の大きさにほぼ等しい。
【0047】
別の実施形態では、該研磨領域は、パターンに配置された複数の空気流路を形成するように、形づけられ、構成され得る。空気流路のパターンは、正多角形、不規則な多角形、楕円形、円形、弧、らせん、葉序パターン、またはその組み合わせを含み得る。空気流路のパターンは、放射弧状軌道、放射らせん軌道、またはその組み合わせを含み得る。空気流路のパターンは、内側放射らせん軌道および外側放射らせん軌道の組み合わせを含み得る。空気流路のパターンは、時計回り放射らせん軌道および反時計回り放射らせん軌道の組み合わせを含み得る。該空気流路は、互いに別々または不連続的であり得る。あるいは、1つ以上の該空気流路は、流体接続され得る。
【0048】
放射弧状軌道(「弧」)、放射らせん軌道、またはその組み合わせの数は、変化し得る。実施形態では、放射弧状軌道、放射らせん軌道、またはその組み合わせの数は、750以下、500以下、250以下、100以下、90以下、80以下、または75以下など、1000以下であり得る。実施形態では、放射弧状軌道、放射らせん軌道、またはその組み合わせの数は、3以上、5以上、7以上、9以上、11以上、15以上、または20以上など、2以上であり得る。実施形態では、放射弧状軌道、放射らせん軌道、またはその組み合わせの数は、2〜100など、2〜500であり得る。
【0049】
該空気流路は、幅が変化し得る。該空気流路の幅は、一定または変化、またはその組み合わせであり得る。実施形態では、該空気流路の幅は、固定の長さの範囲内であり得る。実施形態では、該空気流路の幅は、0.1mm〜10cmで変化し得る。別の実施形態では、該空気流路の幅は、該塗布品の該研磨領域の大きさに関係するだろう。実施形態では、該空気流路の幅は、該塗布研磨材の研磨領域の1/8以上、1/6以上、1/5以上、1/4以上、1/3以上、または1/2以上の大きさなど、該塗布研磨材の研磨領域の1/10以上の大きさである。実施形態では、該空気流路の幅は、該塗布研磨材の研磨領域の8倍以下、6倍以下、5倍以下、4倍以下、3倍以下、2倍以下の大きさなど、該塗布研磨材の研磨領域の10倍以下の大きさである。実施形態では、該空気流路の幅は、該塗布研磨材の研磨領域の大きさにほぼ等しい。
【0050】
該空気流路は、該研磨材製品本体を通して広がる空気流路に沿ってまたは内に配置される1つ以上の空洞、開口部、通路、孔、開口、またはその組み合わせを有し得る。実施形態では、各空気流路は、該研磨材製品本体を通して広がる空気流路内に配置された少なくとも1つの孔を有するだろう。
【0051】
研磨材製品の形状および構造
該研磨材製品の形状は、所望の研磨領域パターンを調整し、意図された研磨過程および構成材料により表されるだろういずれかの形状であり得る。実施形態では、該研磨材製品は、結合研磨材製品である。別の実施形態では、該研磨材製品は、塗布研磨材製品である。特定の実施形態では、該研磨材製品は、シート、ベルト、または円板の内の1つである。
【0052】
図1は、パターンが、フォーゲルモデル(通常、「ヒマワリ」パターンと呼ばれる)に従う葉序らせん状パターンである、不均一分布を有する該パターンに配置された複数の研磨領域101を有する塗布研磨材製品100の実施形態の上面図を示す。開口領域103は、該研磨領域を囲んでいる。該塗布研磨材は、実質的に平面状(すなわち、一般に平ら)円板の形状である。
【0053】
図21は、1番目の主表面2103および2番目の主表面2105を有するバッキング2101を含む塗布研磨材製品2100の側面図を示す。研磨層2107は、該バッキングの1番目の主表面上に配置される。該研磨層は、メークコートとも呼ばれる結合層2109を含む、多重層を含み得る。複数の砥粒2111は、バインダー層内に分散、中に浸透、または存在、またはその組み合わせであり得る。研磨領域のパターン2113は、該バッキングの表面上に存在する。1つ以上の開口領域2115は、該研磨領域に隣接するだろう。サイズコート2117は、結合層上に配置されてもよい。スーパーサイズコート2119は、該サイズコート上に配置されてもよい。バックコート2121は、バッキング層の2番目の主表面(すなわち、非研磨側)上に配置され得る。ファスナー層2123は、該バックコート上に配置され得る、あるいは該バッキングの2番目の主要面上に直接配置され得る。特定の実施形態では、該塗布研磨材製品2100は、バックアップパッド(図示せず)または真空系(図示せず)に取り付けられていてもよい。
【0054】
バッキング
該バッキングは、柔軟性または剛性であり得る。該バッキングは、塗布研磨材の製造で、バッキングとして従来使用されるものを含む、いくつでも様々な材料から製造され得る。例となる柔軟性バッキングとしては、ポリオレフィンフィルム(例えば、二軸延伸ポリプロピレンを含むポリプロピレン)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミドフィルム、またはセルロースエステルフィルム;金属箔;メッシュ;発泡体(例えば、天然スポンジ材料またはポリウレタン発泡体);布(例えば、ポリエステル、ナイロン、絹、綿、ポリコットンまたはレーヨンを含む繊維または糸から製造される布);紙;加硫紙;加硫ゴム;加硫繊維;不織材料;その組み合わせ;またはその処理型が挙げられる。布製バッキングは、織物またはスティッチボンドであり得る。特定の例では、該バッキングは、紙、ポリマーフィルム、布、綿、ポリコットン、レーヨン、ポリエステル、ポリナイロン、加硫ゴム、加硫繊維、金属箔およびその組み合わせから成る群から選択される。他の例では、該バッキングとしては、ポリプロピレンフィルムまたはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが挙げられる。
【0055】
該バッキングは、少なくとも1つの含浸剤、プレサイズ層またはバックサイド層を有してもよい。これらの層の目的は、通常、該バッキングを密封または該バッキング中の糸または繊維を保護するためである。もし、該バッキングが、布材料であるならば、これらの層の内の少なくとも1つは、通常、使用される。プレサイズ層またはバックサイド層の追加は、該バッキングの表面または裏面のどちらかで、「より滑らかな」表面を付加的にもたらし得る。当分野で公知の他のあってもよい層も、使用され得る(例えば、結合層;米国特許第5,700,302号(Stoetzelら)(その開示は、参照により組み入れられる)参照)。
【0056】
帯電防止物質は、布処理材料中に含有され得る。帯電防止物質の添加は、該塗布研磨材製品が、木製または木製様材料を研磨するとき、静電気を蓄積する傾向を低減させ得る。帯電防止バッキングおよびバッキング処理に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,108,463号(Buchananら);同第5,137,542号(Buchananら);同第5,328,716(Buchanan);および同第5,560,753号(Buchananら)(その開示は、参照により本明細書に組み入れられる)中で見ることができる。
【0057】
該バッキングは、例えば、米国特許第5,417,726号(Stoutら)に記載されたような、線維強化熱可塑材、または例えば、米国特許第5,573,619号(Benedictら)に記載されたような、エンドレススプライスレスベルトであり得、これらの開示は、参照することにより、本明細書に組み入れられるものとする。同様に、該バッキングは、例えば、米国特許第5,505,747号(Chesleyら)(その開示は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されたものなど、それから突き出たフッキングステムを有するポリマー基板であり得る。同様に、該バッキングは、例えば、米国特許第5,565,011号(Follettら)(その開示は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されたものなど、ループファブリックであり得る。
【0058】
研磨層
該研磨層は、1つ以上の塗布および複数の砥粒から形成され得る。例えば、該研磨層は、メークコート_09を含み、サイズコートまたはスーパーサイズコートを含んでもよい。研磨層は、一般に、バインダー中に配置、内に埋め込み、内に分散、またはその組み合わせの砥粒を含む。
【0059】
砥粒
該砥粒としては、本質的に、アルミナ、ケイ素、カーバイド、シリカ、セリア、および立方晶窒化ホウ素およびダイヤモンドなどのより硬質の高性能な超砥粒など、単層無機材料を挙げることができる。加えて、該砥粒としては、複合粒状物質を挙げることができる。かかる物質としては、使用可能な焼成骨材を生成する高温処理(すなわち、焼成)を次いで行ってもよく、グリーン骨材を残す揮発または蒸発による液体単体の除去を含むスラリー処理経路を通って生成され得る骨材を挙げることができる。さらに、該研磨領域は、マクロ構造および特定の3次元構造を含む人造研磨材を含み得る。
【0060】
例となる実施形態では、該砥粒を、バインダー処方物と配合して、研磨スラリーを生成する。あるいは、該バインダー処方物が、該バッキング上に塗布された後、該砥粒は、該バインダー処方物上に塗布される。随意に、機能性粉体は、該研磨領域上に塗布して、該研磨領域が、パターン化工具に固着するのを防止し得る。あるいは、パターンは、機能性粉体なしで、該研磨領域で形成され得る。
【0061】
該砥粒は、シリカ、アルミナ(溶融または焼成)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリーを含む、砥粒のいずれか1つまたは組み合わせから生成され得る。例えば、該砥粒は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ガーネット、ダイヤモンド、共溶融アルミナジルコニア、セリア、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、フリント、エメリー、窒化アルミニウム、およびその配合物から成る群から選択され得る。特定に実施形態は、主にαアルミナを含む高密度砥粒の使用により作成された。
【0062】
該砥粒は、特定の形状も有し得る。かかる形状の例としては、棒状、三角形、ピラミッド、円錐形、球体、中空球、または同様のものが挙げられる。あるいは、該砥粒は、ランダムな形状であり得る。
【0063】
実施形態では、該砥粒は、700ミクロン以下、500ミクロン以下、200ミクロン以下、または100ミクロン以下など、800ミクロン以下の平均粒子サイズを有し得る。別の実施形態では、該砥粒サイズは、少なくとも0.1ミクロン、少なくとも0.25ミクロン、または少なくとも0.5ミクロンである。別の実施形態では、該砥粒は、約0.1ミクロン〜約200ミクロン、より典型的には、約0.1ミクロン〜約150ミクロンまたは約1ミクロン〜約100ミクロンである。該砥粒の粒子サイズは、通常、該砥粒の最長寸法であると規定される。一般に、粒子サイズの飛程分布がある。場合によっては、該粒子サイズ分布は、密に制御される。
【0064】
メイクコート−バインダー
該メークコートまたは該サイズコートのバインダーは、単一のポリマーまたはポリマー配合物から生成され得る。例えば、該バインダーは、エポキシ、アクリルポリマー、またはその組み合わせから生成され得る。加えて、該バインダーは、ナノサイズ充填剤またはナノサイズ充填剤およびミクロンサイズ充填剤の配合物などの充填剤を含み得る。特定の実施形態では、該バインダーは、コロイドバインダーであり、該バインダーを生成するために硬化される処方物は、粒子状充填剤を含むコロイド懸濁液である。あるいは、または加えて、該バインダーは、サブミクロン粒子状充填剤を含むナノコンポジットバインダーであり得る。
【0065】
該バインダーは、一般に、砥粒を、該バッキングまたは、もし存在するならば、コンプライアンスコートと結合する、ポリマーマトリックスを含む。通常、該バインダーは、硬化バインダー処方物から生成される。1つの例示の実施形態では、該バインダー処方物は、ポリマー成分および分散相を含む。
【0066】
該バインダー処方物は、ポリマーの作製のため、1つ以上の反応成分またはポリマー成分を含み得る。ポリマー成分は、モノマー分子、ポリマー分子、またはその組み合わせを含み得る。該バインダー処方物は、溶媒、可塑剤、連鎖移動剤、触媒、安定剤、分散剤、硬化剤、反応メディエーターおよび該分散の流動性に影響する試剤から成る群から選択される成分をさらに含む。
【0067】
該ポリマー成分は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を生成し得る。例として、該ポリマー成分は、モノマー類およびポリウレタン、ポリ尿素、重合エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、ポリシロキサン類(シリコーン類)、重合アルキド、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、または、一般に、熱硬化性ポリマー生産用反応性樹脂の生成用樹脂を含み得る。別の例としては、アクリレートまたはメタクリレートポリマー成分が挙げられる。該前駆体ポリマー成分は、通常、硬化性有機物質である(すなわち、熱または電子線、紫外線、可視光、他などの他のエネルギー源への曝露、または化学触媒、水分、または該ポリマーの硬化もしくは重合を引き起こす他の試剤を添加して、経時的に重合または架橋可能なポリマーモノマーまたは物質)。前駆体ポリマー成分例としては、アルキル化尿素ホルムアルデヒドポリマー、メラニンホルムアルデヒドポリマー、およびアルキル化ベンゾグアナミンホルムアルデヒドポリマーなどのアミノポリマーまたはアミノプラストポリマー;アクリレートおよびメタクリレートポリマー、アルキルアクリレート、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、ビニルエーテル、アクリル化油、またはアクリル化シリコーンを含むアクリレートポリマー;ウレタンアルキドポリマーなどのアルキドポリマー;ポリエステルポリマー;反応性ウレタンポリマー;レゾールおよびノボラックポリマーなどのフェノール性ポリマー;フェノール/ラテックスポリマー;ビスフェノールエポキシポリマーなどのエポキシポリマー;イソシアネート;イソシアヌレート;アルキルアルコキシシランポリマーを含むポリシロキサンポリマー;または反応性ビニルポリマーの生成用反応性成分が挙げられる。該バインダー処方物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはその組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、該バインダー処方物は、硬化時、架橋し得る少なくとも2種類のポリマーのモノマー類を含む。例えば、該バインダー処方物は、硬化時、エポキシ/アクリルポリマーを生成するエポキシ成分およびアクリル成分を含み得る。
【0068】
添加物−粉砕助剤
該研磨層は、粉砕効率および切削速度を増大するための粉砕助剤をさらに含み得る。有用な粉砕助剤は、ハロゲン化物、例えば、ナトリウム氷晶石、および四フッ化ホウ酸カリウムなどの無機系;または塩素化ワックス、例えば、ポリ塩化ビニルなどの有機系であり得る。特定の実施形態は、1ミクロン〜80ミクロン、より典型的には、5ミクロン〜30ミクロンの範囲の粒子サイズを有する氷晶石および四フッ化ホウ酸カリウムを含む。該スーパーサイズコートは、グレージング防止および目詰まり防止特性を得るため、該砥粒上に塗布されたポリマー層であり得る。
【0069】
バックコート−コンプライアンスコート
該塗布研磨材製品は、コンプライアンスコートおよびバックコート(図示せず)を含んでもよい。これらのコートは、上記のように機能し得、バインダー組成物から生成され得る。
【0070】
製造方法−塗布研磨材製品
研磨領域パターンを有する塗布研磨材製品の製造方法に戻って、バッキングは、巻取りから配給され得、該バッキングは、塗布装置から分配されるバインダー処方物を塗布され得る。例示の塗布装置としては、ドロップダイ塗布機、ナイフ塗布機、カーテン塗布機、真空ダイ塗布機、またはダイ塗布機が挙げられる。塗布方法としては、接触法または非接触法のいずれかが挙げられ得る。かかる方法としては、2ロール、3ロールリバース、ナイフオーバーロール、スロットダイ、グラビア、輪転印刷、押出し、スプレー塗布またはその組み合わせが挙げられる。
【0071】
実施形態では、該バインダー処方物は、該処方物および砥粒を含むスラリーで提供され得る。代替の実施形態では、該バインダー処方物は、該砥粒と分離して分配され得る。該砥粒は、該バインダー処方物の部分的硬化後、もしあれば、該バインダー処方物のパターン化後、または該バインダー処方物の完全硬化後、該バインダーを有する該バッキングの塗布の後に提供され得る。該砥粒は、例えば、静電塗布、ドロップ塗布、または機械的投影法などの技術により塗布され得る。
【0072】
別の実施形態では、該バインダーおよび砥粒で塗布された該バッキングは、該塗布研磨材の形状(例えば、円形ディスク)または、もしあれば、該塗布研磨材を横断される開口部パターンを生成するため、型押し、打抜き、レーザー切断、またはその組み合わせされ得る。別の実施形態では、該バッキングは、それから、該研磨領域を生成するため、砥粒を塗布される未塗布領域を残すように、該バインダーで、選択的に塗布され得る。例えば、該バインダーは、スクリーン印刷、オフセット印刷、輪転印刷、またはフレキソ印刷などにより、該バッキングに印刷され得る。別の例では、該バインダーは、グラビア塗布、スロットダイ塗布、マスクスプレー塗布などを用いて、選択的に塗布され得る。あるいは、フォトレジストまたはUV硬化マスクが、該バッキングに適用され、該バッキングの部分をマスクするため、写真平版法などにより展開され得る。別の例では、ディウェッティング化合物が、該バインダーを塗布する前に、該バッキングに塗布され得る。
【0073】
使用方法−加工品の研磨
加工品の研磨方法に戻って、該加工品は、塗布研磨材と接触され得る。該塗布研磨材は、該加工品に対して回転され得る。例えば、該塗布研磨材は、オービタルサンダーに取り付けられ、該加工品と接触され得る。該加工品を研磨する間、該加工品から研磨された物質が、該研磨領域の間の、または隣接した該開口領域に蓄積し得る。該蓄積物質は、使用中の該塗布研磨材の運動により、該塗布研磨材の表面から排出され得る。あるいは、真空システムが、該研磨材製品に装備され得る。該真空システムは、該研磨材製品と協同的に機能するように構成されるバックアップパッドを含み得る。
【0074】
バックアップパッド
研磨領域の制御不均一分布を有する塗布研磨材に対応するように設計されたバックアップパッドが、研磨領域の制御された不均一分布を有する特定の塗布研磨材だけでなく、従来の塗布研磨材と共に首尾よく使用され得る。本発明者らは、驚くべきことに、バックアップパッド実施形態が、優れた切屑除去を提供し、従来の研磨材の研磨性能の改善を促進し得ることを発見した。
【0075】
実施形態では、該バックアップパッドは、制御された不均一分布パターンを有する塗布研磨材で機能するように協同的に適応される空気流路のパターンを有し得る。前述したように、かかるバックアップは、切屑除去および研磨材性能を促進するため、従来の穿孔塗布研磨材と共に使用され得る。実施形態では、バックアップパッドは、空気流路パターンを含み得、該空気流路パターンは、制御された不均一分布パターンのxおよびy座標から生成される。該バックアップパッド気流パターンを生成するために使用される該制御された不均一分布パターンは、該バックアップパッドと一緒に使用される該塗布研磨材パターンと同じまたは異なり得る。実施形態では、該制御不均一分布パターンは、該バックアップパッドと一緒に使用される該塗布研磨材のパターンと同じである。別の実施形態では、該制御された不均一分布パターンは、該バックアップパッドと一緒に使用される該塗布研磨材のパターンと異なる。
【0076】
実施形態では、バックアップパッドは、本明細書に記載の塗布研磨材実施形態に従った葉序パターンを有する塗布研磨材と機能するように、協同的に適応され得る。バックアップパッドが、葉序パターンを有する塗布研磨材の開口部により、該研磨過程中の被削表面から、吸引および切屑除去を促進するように設計されたパターンで構成される、複数の開口部、複数の空洞、複数のチャネル、複数の通路、またはその組み合わせを含むとき、該バックアップパッドは、葉序パターンを有する塗布研磨材と協同的である。該開口部、空洞、チャネル、通路、またはその組み合わせは、該バックアップパッドに沿って、内に、または通って、またはその組み合わせで位置する空気流路を規定し得る。該空気流路は、塗布研磨材の開口部を通して、および該研磨過程の間に該被削表面から、吸引および切屑除去の改善を促進する。実施形態では、開口部、空洞、チャネル、通路、またはその組み合わせのパターンは、正多角形、不規則な多角形、楕円形、弧、らせん、葉序パターン、またはその組み合わせの形状であり得る。別の実施形態では、該空気流路は、正多角形、不規則な多角形、楕円形、弧、らせん、葉序パターン、またはその組み合わせの形状であり得る。
【0077】
それから、該パターンは、該弧状およびらせん状チャネル、またはその組み合わせと交差し得る環状チャネルだけでなく、放射弧状およびらせん状チャネルを規定するように使用され得る。それから、該環状、弧状、らせん状、または組み合わせのチャネルは、溝、空洞、開口部、通路、または協同的バックアップパッドを生成する他の経路の形状でなど、適切な材料に切断され得る。
【0078】
特定の実施形態では、該バックアップパッドの該空気流路は、該塗布研磨材の開口部と部分的から完全にまで、調和するだろう。空気流路は、開口部領域の少なくとも一部が、該空気流路の一部と一致、または位置合わせするとき、開口部と調和すると理解されるだろう。実施形態では、該対応するバックアップパッドの空気流路は、該開口部の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%と調和するだろう。実施形態では、該対応するバックアップパッドの空気流路は、該塗布研磨材の開口部の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも55%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%と調和し得る。
【0079】
特定のバックアップパッドらせん状および葉序気流パターンは、特に、該気流パターンが、該塗布研磨材の研磨領域の座標の転位および回転に基づくとき、塗布研磨材の開口部パターンと特定の品質の位置合わせを示すだろうことは、認識されるだろう。実施形態では、該バックアップパッドの気流パターンは、該バックアップパッドが、該塗布研磨材に関して、特定の位相、または回転の程度にあるとき、該塗布開口部の大部分〜ほとんど全部と調和するだろう。該バックアップが、該塗布研磨材と比較して、90°または180°回転され、該塗布研磨材パターンの大部分〜ほとんど全部が、該バックアップパッドの空気流路の少なくとも1つと調和するとき、バックアップパッドは、該バックアップパッドの空気流路が、該塗布研磨材の開口部と調和するとき、単一アライメント(2倍アライメントとも呼ばれる)バックアップパッドであると言われる。
【0080】
実施形態では、該バックアップパッドは、位置合わせ指標を含むまたは含むように適応され得る。位置合わせ指標は、該塗布研磨材と該バックアップパッドとの位置合わせ程度を示すマーキング、デバイス、ノッチ、アタッチメント、枠、突起、またはその組み合わせであり得る。特定の実施形態では、該位置合わせ指標は、マーキングであり得る。
【0081】
本明細書に記載の研磨材製品の実施形態との協同性と説明したが、かかるバックアップパッドは、標準的先進的穿孔塗布研磨材と一緒にもしようされ得る。適切ならせん状または葉序パターン空気流路を生成する複数の開口、複数の空洞、複数のチャネル、またはその組み合わせが、切屑除去を改良し、研磨材削減性能、および標準的先進的穿孔塗布研磨材および穿孔の葉序パターンを有する塗布研磨材の両方についての研磨材寿命を促進し得ることは、予想外に発見された。
【0082】
バックアップパッドは、柔軟性または剛性であり得る。該バックアップパッドは、バックアップパッド製造で従来から使用されているものを含むいくつもの様々な物質、または物質の組み合わせから製造され得る。該バックアップパッドは、多層構造または同心円状層構造など、一体成形、単体構造、または組み合わせ構造から製造され得る。該バックアップパッドは、好ましくは、柔軟性発泡体などの弾性物質である。適切な発泡体は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン;ポリブタジエン、ポリイソプレン、EPDMポリマー、塩化ポリビニル(PVC)、ポリクロロプレン、またはスチレン/ブタジエン共重合体などの天然または人工ゴム;またはその組み合わせであり得る。該発泡体は、開放気泡または独立気泡であり得る。カップリング剤、強化剤、硬化剤、酸化防止剤、強化物質および同様のものなどの添加剤は、所望の特性を得るために、該発泡体処方物に添加され得る。染料、顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、およびスクリムも、該発泡体または該バックアップパッド製造のため使用される他の弾性物質に添加され得る。
【0083】
特に有用な発泡体としては、TDI(トルエンジイソシアネート)/ポリエステルおよびMDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)/ポリエステル発泡体が挙げられる。実施形態では、該バックアップパッドは、ポリエーテルポリオールおよび芳香族ポリイソシアネートの反応生成物として生成された弾性開放気泡ポリウレタン発泡体から製造される。別の実施形態では、該バックアップパッドは、発泡体、加硫ゴム、またはそのいずれかの組み合わせであり得る。
【0084】
なお、一般的説明または例で上記の機能の全てが必要であるとは限らず、特定の機能の一部は、必要でないかもしれず、さらに1つ以上の機能は、説明されたものに加えて発揮され得る。さらに、機能が列記される順序は、必ずしも、それらが発揮される順序とは限らない。
【0085】
前述の明細では、概念は、特定の実施形態を参照して説明された。しかしながら、当業者は、下記請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が成され得ると認識している。従って、該明細および特徴は、限定的意味というよりむしろ例示的意味と見なされるべきであり、全てのかかる修正は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0086】
本明細書で使用されるとき、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそのいずれもの他変化形は、非排他的包含を包含するものとする。例えば、一覧の特徴を含むプロセス、方法、製品、または装置は、必ずしも、それらの特徴だけに限定されないが、明白に列記されなかったまたはかかるプロセス、方法、製品、または装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、明白に反対の意味に規定されない限り、「または」は、包括的「または」を表し、排他的「または」を表さない。例えば、条件AまたはBは、次のいずれか1つにより満足される:Aは真であり(または存在する)、且つ、Bは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在しない)、且つ、Bは真である(または存在する)、およびAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0087】
また、「1つ(a)」または「1つ(an)」は、本明細書に記載の要素および構成成分を記載するために使用される。これは、単に、便宜のため、および本発明の範囲の一般的意味を与えるために成される。この記載は、1つまたは少なくとも1つを包含すると読まれるべきであり、別段の意味であると明白でない限り、単数形は、複数形も包含する。
【0088】
利点、他の優位性、および問題の解決は、特定の実施形態に関して、上記に記載されている。しかしながら、該利点、優位性、問題の解決、および起こるまたは明白にするためのいずれかの利点、優位性、解決を生じ得るいずれかの特徴は、いずれかまたは全ての請求の範囲の重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるべきでない。
【0089】
該明細を読んだ後、熟練技術者は、特定の特徴が、明確にするために、別々の実施形態との関連で、本明細書中に記載されており、1つの実施形態中、組み合わせでも提供され得ることを認識するだろう。逆に、簡潔に、1つの実施形態との関連で記載されている様々な特徴は、別々に、またはいずれかの副次的組み合わせでも、提供され得る。
【0090】
さらに、範囲で言及された値の表現は、その範囲内の各々およびあらゆる値を含む。数値的範囲で記載するときなど、「約(about)」または「約(approximately)」という語が、数値に先行するとき、正確な数値も含まれることを意図される。例えば、「約25」で始まる数値範囲は、正確に25で始まる範囲も含むものとする。
【0091】
項目1.パターンで配置された複数の研磨領域を有する塗布研磨材
(該パターンが、制御された不均一分布を有し、および
該パターンが、放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、非対称パターン、またはその組み合わせの内の少なくとも1つである)
を含む研磨材製品。
【0092】
項目2.該パターンが、らせん状パターンである、項目1記載の研磨材製品。
【0093】
項目3.該らせん状パターンが、アルキメデスらせん、オイラーらせん、フェルマらせん、双曲線らせん、リチュウス、対数らせん、フィボナッチらせん、黄金らせん、またはその組み合わせの内の1つである、項目2記載の研磨材製品。
【0094】
項目4.該パターンが、制御非対称を有する、項目3記載の研磨材製品。
【0095】
項目5.該制御非対称が、該パターンの中心に対して少なくとも部分的に回転非対称である、項目4記載の研磨材製品。
【0096】
項目6.該回転非対称が、該パターンの該研磨領域の少なくとも51%、少なくとも70%、または少なくとも85%にまで及ぶ、項目5記載の研磨材製品。
【0097】
項目7.該回転非対称が、該パターンの少なくとも20研磨領域、少なくとも50研磨領域、または少なくとも100研磨領域にまで及ぶ、項目5記載の研磨材製品。
【0098】
項目8.該パターンが、該パターンの中心に対して、回転非対称である、項目5記載の研磨材製品。
【0099】
項目9.該パターンが、葉序パターンである、項目1記載の研磨材製品。
【0100】
項目10.該パターンが、らせん状葉序パターンである、項目9記載の研磨材製品。
【0101】
項目11.該パターンが、時計回りらせんの数および反時計回りらせんの数を有し、該時計回りらせんの数および該反時計回りらせんの数が、フィボナッチ数またはフィボナッチ数の倍数である、項目10記載の研磨材製品。
【0102】
項目12.該時計回りらせんの数および該反時計回りらせんの数が、リュカ数またはリュカ数の倍数である、項目11記載の研磨材製品。
【0103】
項目13.該時計回りらせんの数および該反時計回りらせんの数が、黄金比で収束する比である、項11記載の研磨材製品。
【0104】
項目14.該らせん状葉序パターンが、制御非対称を有する、項目10記載の研磨材製品。
【0105】
項目15.該らせん状葉序パターンが、ヒマワリパターンである、項目10記載の研磨材製品。
【0106】
項目16.該パターンが、次式:
【0107】
【数3】
【0108】
(式中:
nは、該パターンの中心から外側にカウントする研磨領域の配列数であり;
いずれかの2つの連続的研磨領域の位置ベクトル間の開度が、一定角αであるように、φは、基準方向および該パターンの中心で始まる極座標系のn番目の研磨領域の位置ベクトルとの間の角度であり;
rは、該パターンの中心から、該n番目の研磨領域までの距離であり;および
cは、一定の換算係数である)
により、極座標中に記載される、項目11記載の研磨材製品。
【0109】
項目17.該研磨領域の少なくとも約51%、少なくとも約70%、少なくとも約85%が、式1に従う、項目16記載の研磨材製品。
【0110】
項目18.該パターンが、約100°〜約170°の範囲である極座標での開度を有する、項目16記載の研磨材製品。
【0111】
項目19.該パターンが、137.508°である開度を有する、項目16記載の研磨材製品。
【0112】
項目20.該全研磨領域の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%が、式1に従う、項目16記載の研磨材製品。
【0113】
項目21.該複数の研磨領域が、約5/10/20研磨領域〜約500/1000/10,000研磨領域の範囲である、項目16記載の研磨材製品。
【0114】
項目22.該パターンが、該研磨材製品の実質的に全面を覆う、項目16記載の研磨材製品。
【0115】
項目23.該パターンの最外側研磨領域の輪郭が、該研磨材製品の輪郭と交差する、項目16記載の研磨材製品。
【0116】
項目24.該パターンの最外側研磨領域の輪郭が、該研磨材製品の輪郭から、少なくとも特定の距離である、項目16記載の研磨材製品。
【0117】
項目25.該パターンが、該研磨材製品の表面の一部のみを覆う、項目16記載の研磨材製品。
【0118】
項目26.該パターンが、該研磨材製品の表面の周期的部分を覆う、項目16記載の研磨材製品。
【0119】
項目27.該パターンが、該研磨材製品の表面潜在的表面積の約15%〜約99.5%の全孔面積を有する、項目16記載の研磨材製品。
【0120】
項目28.該総潜在的表面積の約4.5%〜約85%の範囲である総研磨表面を有する、項目16記載の研磨材製品。
【0121】
項目29.ディスク形状を有する、項目16記載の研磨材製品。
【0122】
項目30.該研磨領域が、短線分、多角形、楕円形、円形、弧、らせん、渦巻、らせん格子、またはその組み合わせの1つから選択される形状を有する、項目16記載の研磨材製品。
【0123】
項目31.1番目主要面および2番目の主要面を有するバッキング層;および
該研磨層が、制御不均一分布を有するパターンで配置された複数の研磨領域を含み、放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、非対称パターン、またはその組み合わせの内の少なくとも1つである、該バッキング層の1番目の主要面上に配置された研磨層
を含む塗布研磨材製品。
【0124】
項目32.バッキング上に研磨層を配置することを含む研磨材製品の製造方法であって;
該研磨層が、放射状パターン、らせん状パターン、葉序パターン、非対称パターン、またはその組み合わせの内の少なくとも1つである、制御不均一分布を有するパターンで配置された複数の研磨領域を含む該方法。
【0125】
項目33.研磨領域が、弧、らせん、渦巻、葉序パターン、またはその組み合わせを含む、複数の空気流路を形成するように構成される、塗布研磨材製品の主表面上に配置された、複数の該研磨領域を含む該塗布研磨材製品。
【0126】
項目34.該空気流路パターンが、放射弧形経路、放射らせん状経路、またはその組み合わせを含む、項目34記載の塗布研磨材。
【0127】
項目35.該空気流路パターンが、内側放射らせん軌道および外側放射らせん軌道の組み合わせを含む、項目34記載の塗布研磨材。
【0128】
項目36.該空気流路パターンが、時計回り放射らせん軌道および反時計回り放射らせん軌道の組み合わせを含む、項目34記載の塗布研磨材。
【0129】
項目37.該空気流路パターンが、該放射弧形軌道または放射らせん軌道、またはその組み合わせに交差する環状空気流路をさらに含む、項目34記載の塗布研磨材。
【0130】
項目38.該空気流路パターンが、制御不均一分布パターンのxおよびy座標から生成される空気流路パターンを含む塗布研磨材。
【0131】
項目39.該制御不均一分布パターンのxおよびy座標が、θが、π/nラジアンと等しく、nが、いずれかの整数である、空気流路パターンのx’およびy’座標を決定するため、下記式(式2)に従って、転置および回転される、項目38記載の塗布研磨材:
【0132】
【数4】
【0133】
項目40.該制御不均一分布パターンが、葉序パターンである、項目39記載の塗布研磨材。
【0134】
項目41.該制御不均一分布パターンが、該フォーゲル式である、項目40記載の塗布研磨材。
【0135】
項目42.nが、1〜10のいずれかの整数である、項目41記載の塗布研磨材。
【0136】
項目43.nが、1、2、3、4、5、または6である、項目42記載の塗布研磨材。
【0137】
項目44.該空気流路パターンが、複数の開口、空洞、チャネル、通路、またはその組み合わせを含む、項目39記載の塗布研磨材。
【0138】
項目45.塗布研磨材;およびバックアップパッド(該塗布研磨材が、研磨領域の制御不均一分布パターンを含み、該バックアップパッドが、該塗布研磨材の該研磨領域に対応するように適合させたパターンで配置された複数の空気流路を含む)を含む研磨システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21