【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の態様によれば、腹部の電気生理学的検出のための多電極のパッチが提供される。パッチは、複数の電極を相互接続する可撓性基板と、可撓性下部構造とを備える。電極は、移動可能であり又は表面に追従可能であって、電極が移動しかつ可撓性下部構造が変形することにより、電極のうち少なくともいくつかの表面上における互いに対する相対位置が調整できる。
【0012】
各電極の位置は、移動可能であり、各電極の位置を調整して表面に追従できるようにしてもよい。各電極は、実質的に硬くてもよい。表面は、非平面であってもよい。
【0013】
可撓性基板は、単体(単一の部品)であることが好ましい。可撓性基板は、回路を可撓性支持体の上に印刷することにより形成されていることが好ましい。
【0014】
細長い導体が、可撓性基板に沿って延び、かつ/又は、そのなかに埋め込まれていてもよく、電極から垂れ下がっていてもよい。導体は、パッチの共通又は中央コネクタ領域へ向かって延びていてもいなくてもよい。一つ又は複数のビアが、電装基板のなかに設けられ、例えば、可撓性基板の一方の側と反対側との間の、導体経路を画定してもよい。一つ又は複数のビアが、可撓性支持体及び/又は可撓性下部構造のなかに設けられてもよい。したがって、電気信号が、使用時に着用者の皮膚に隣接するパッチの一方の側の電極から、着用者から離れた方へ向いた反対側に伝達してもよい。
【0015】
可撓性基板の回路及び/又は導体は、銀を含んでもよい。銀含有インクを使用して、導体/回路を印刷してもよい。導電材料の特性を、ポリマーなどの適切な可撓性基板材料に適合させることは、パッチの使用中における導電材料の破損/断絶を防ぐ上で重要であることが分かっている。ポリエチレンテレフタレート(PET)基板層を使用してもよい。
【0016】
可撓性基板は、電極を備え、電極が可撓性基板と一体に形成されていてもよい。
【0017】
電極間の間隔が調整可能なので、二つの問題に対処できる。第一に、対象者の(例えば呼吸又は運動の結果としての)移動を許容することにより、パッチを対象者にとってもっと快適にすることができる。第二に、パッチを再構成して、検査されるべき特定の対象者に対して電極をもっと最適に配置することができる。
【0018】
可撓性下部構造は、弓形の、湾曲した、又は蛇行した細長い部分を備えてもよい。可撓性下部構造は、回旋状、折曲状、入れ子状、ジグザグ状、細長状、及び迂回状のうち少なくとも一つである特徴を備えてもよい。追従性が望まれる方向に対して角度をなす方向に延びる細長く狭い特徴を使用することが好ましい。これらは、一つ又は複数の電極を、基板の中央又は共通部分に対して位置付け直すことができる可撓性下部構造を提供するための簡便かつ実用的なやり方である。蛇行部分は、追従性の高い下部構造を提供するコンパクトなやり方であるという利点を有し、これは、比較的長い変位距離にわたって実質的に線形剛性を有するよう配列することができる。
【0019】
可撓性下部構造は、(使用時に、表面又は対象者の腹部に対してZ方向に)波形部分を備えてもよい。これにより、基板のレイアウトを(平面図内で)変更することによって形成される可撓性下部構造の有用な代替手段が提供される。
【0020】
パッチ又は少なくともその一部は、少なくともいくつかの電極の相対位置を調整するとき、表面に実質的に追従したまま残ってもよい。一つ又は複数の電極は、共通又は中央パッチ部分から垂れ下がり得るパッチの細長く又は腕状の部分の上に配列してもよい。ヒンジ、折り目、脆弱線、又はパッチの平面から離れて曲がりやすくする他の構造を、電極と共通/中央パッチ部分との間のパッチ又は基板のなかに設けてもよい。このような構造は、パッチの腕状の部分に設けてもよい。したがって、一つの電極を、パッチの残りの部分又は他の電極とは独立して持ち上げ、位置付け直すことができる。一例において、この構造は、接着剤が設けられていない線又は領域を備える。
【0021】
電極は、共通電極と、複数の検知電極とを備え、検知電極は、共通電極及び互いから離間していてもよい。
【0022】
パッチは、更に、電圧を印加するための駆動電極(他の電極は、電圧及び/又は電流を検知するための検知電極である)を備えてもよい。
【0023】
可撓性下部構造は、共通電極と検知電極との間に配置され、共通電極の表面上の位置を、検知電極に対して調整できるようにしてもよい。各検知電極は、対応する可撓性下部構造によって共通,電極に接続されてもよい。その代わりとして、一つ又は複数の検知電極を、共通電極に固定接続してもよい。
【0024】
可撓性下部構造は、少なくとも二つの検知電極の間に配置されてもよい。これにより、使用時にその間の距離を変更しながら位置付けることができ、それらの(対象者上における)取付点の相対移動を許容できる。
【0025】
少なくとも一つの更なる可撓性下部構造を、少なくとも二つの検知電極の間に設けてもよい。
【0026】
検知電極は円弧に沿って配置し、第一の検知電極が円弧の一端にあり、第三の検知電極が円弧の他端にあり、第二の検知電極が円弧上に第一及び第三のセンサの間にあり、第一の可撓性下部構造を、表面に沿った第一及び第二の検知電極の間の距離が変化できるよう配列し、第二の可撓性下部構造を、表面に沿った第三及び第二の検知電極の間の距離が変化できるよう配列してもよい。
【0027】
可撓性下部構造を各電極に関連付けて、各電極の位置を、対応する可撓性下部構造の変形により調整可能にしてもよい。
【0028】
可撓性基板は、更に、臍と位置合わせするための基準特徴部をさらに備えてもよく、可撓性下部構造によって、表面に沿った基準特徴部から少なくとも一つの電極までの距離を調整することができる。基準特徴部は、基板のなかの貫通穴若しくは部分的な透明領域、又は基板のレイアウトにおける移動止め若しくは点を備えてもよい。
【0029】
接着領域を、基準特徴部に隣接して、かつ/又はパッチの中央領域に設けてもよく、パッチ及び/又は基準特徴部が、接着領域により表面に固定できるようにしてもよい。各電極は、例えば電極自体に隣接し又はそれを取り囲む、接着領域を備えてもよい。
【0030】
可撓性基板は、導電層及び絶縁層並びに導電層と絶縁層との間のグラファイト層を備えてもよい。グラファイト層は、導電層と絶縁層との相互作用による摩擦帯電を低減するよう配列されてもよい。
【0031】
本発明の第二の態様によれば、腹部の電気生理学的検出のための多電極のパッチが提供される。パッチは、導電層及び絶縁層並びに導電層と絶縁層との間に配置されたグラファイト層を備える可撓性基板を備える。グラファイト層は、絶縁層と導電層との相互作用から生じる摩擦帯電効果を低減してもよい。
【0032】
パッチは、複数の導電層を備えてもよい。複数の導電層は、電気信号を電極から伝達するための信号層と、信号層を電磁干渉から遮蔽するためのシールド層とを備える。シールド層は、グラファイト層及び絶縁層によって信号層から分離してもよい。
【0033】
シールド層は、信号層の第一の側に隣接して配置してもよい。複数の導電層は、信号層の第二の側に隣接して配置された更なるシールド層を備えてもよい。更なるシールド層は、更なるグラファイト層及び更なる絶縁層によって信号層から分離してもよい。
【0034】
外部絶縁層を、シールド層及び更なるシールド層のうち少なくとも一つの(例えばパッチの使用時に)外へ向いた面の側に隣接して配置してもよい。
【0035】
少なくとも一つの電極が、複数の生体適合導電性ニードルを備えてもよく、各ニードルは、長さが10μm及び200μmの間である。生体適合性材料は、意図した使用の結果として、生体系に有毒又は有害な作用を及ぼさないものである。導性ニードルのための生体適合性材料の例には、ドープ・シリコン、及び、金被覆した、ポリカーボネートなどのプラスチック材料がある。
【0036】
本発明の第三の態様によれば、本発明の任意の他の態様にかかるパッチのための電極が提供される。電極は、長さが10μm及び200μmの間である複数の生体適合導電性ニードルを備える。好ましくは、電極は、ニードルを少なくとも1000本の備える。
【0037】
導電性生体適合ニードルを備える電極を使用することにより、電極を付着する前に入念な皮膚の下準備をする必要がなく、皮膚と良好に電気的に接触できる。皮膚の下準備は、皮膚を消毒又は抗菌拭取り材で簡単に拭くことを備えてもよく、又は、皮膚の下準備がなくてもよい。
【0038】
複数の生体適合性ニードルは、長さが20μm及び100μmの間であってもよい。この範囲の長さは、絶縁性の高い角質層の一般的な厚さを貫通して、下にあるもっと導電性が高い層と電気的に接触するのには十分長く、しかし、神経を刺激して痛みを引き起こすほどには長くない。
【0039】
複数の生体適合性ニードルは、それぞれ、平均径が10μm及び100μmの間であってもよい。この範囲の直径は、製造可能性、切れ味及び堅牢性がバランス良く歩み寄っている。ニードルは、(例えばシリコン結晶面に沿ったウェット・エッチングの結果として)先細りであってもよい。
【0040】
ニードルの面密度は、1平方ミリメートル当たりニードル200本及び1000本の間、好ましくは1平方ミリメートル当たりニードル400本及び600本の間、であってもよい。
【0041】
ニードルは、妊娠者の腹部の角質層の厚さの中央値を貫通するよう構成してもよい。
【0042】
胎児心拍数を電極から検出するための電子的な読出装置と取り外し可能に係合するためのモジュール・ユニットを(本発明の任意の態様とともに)設けてもよい。モジュール・ユニットは、読出装置の筐体と取り外し可能に機械的に係合するための機械モジュール・ユニットと、電極から読出装置に電気的に接続するための電気モジュール・ユニットとを備える。パッチの読出装置との係合が、機械モジュール・ユニット及び電気モジュール・ユニットの両方の係合を備える。
【0043】
本発明の第四の態様によれば、腹部の電気生理学的検出のための多電極のパッチが提供される。パッチは、複数の電極を相互接続する可撓性基板と、母体及び/又は胎児の電気生理学的信号を電極から検出するための電子的な読出装置と取り外し可能に係合するためのモジュール・ユニットとを備える。モジュールは、読出装置の筐体と取り外し可能に機械的に係合するための機械モジュール・ユニットと、電極から読出装置に電気的に接続するための電気モジュール・ユニットとを備える。パッチの読出装置との係合が、機械モジュール・ユニット及び電気モジュール・ユニットの両方の係合を備える。
【0044】
このようなモジュールを有するパッチを使用することにより、取り外し可能な読出回路を使用することができる。これにより、集積読出回路のすべての利点が提供される。これは、ケーブル・ノイズの低減及びパッチ着用時の移動の自由の増加を含む。しかし、取り外し可能な読出回路が再利用できるので、欠点(例えばパッチのコストの増加、コストを制御するために必要な読出電子機器の妥協)の多くを伴わない。
【0045】
機械モジュール・ユニットは、磁石又は強磁性材料を含んでもよい。
【0046】
機械モジュール・ユニットは、可撓性基板に接続され、筐体の少なくとも一部を受け台のなかへ摺動させることにより筐体と機械的に係合する受け台を備えてもよい。
【0047】
モジュール・ユニットは、少なくとも二つの電極の間、好ましくはそれらから実質的に等距離に、配置されてもよい。このようなやり方で、この装置は、一般に可撓性構造の重心に位置付けられる。
【0048】
電気モジュール・ユニットは、複数の電気接点を可撓性基板の上に備えてもよい。
【0049】
モジュール・ユニットと読出装置との間の電気的接続は、パッチ基板、電気モジュール・ユニット又は読出装置のうち一つ又は複数の上に、一つ又は複数の弾性接点部材を備えてもよい。これは、一般に導体である。弾性接点部材は、ばね接点又は他の弾性変形可能な接点を備えてもよい。
【0050】
圧縮シールを、モジュール・ユニット又は読出装置の上に、例えばその筐体の上に、設けてもよい。シールは、例えば防水となるやり方で、この電気的接続を囲み、そうでなければ隔離してもよい。
【0051】
パッチは、パッチに関連付けられた認証コードを、胎児心拍数を電極から検出するための電子的な読出装置に提供して、セキュリティ装置を含まないパッチ、又は、間違った認証コードを提供するパッチとともに読出装置を使用するのを防止するためのセキュリティ装置を備えてもよい。更に、セキュリティ装置は、確実に、患者データが、病院、保健所、又は地域内の自宅で危険に晒され又は他の患者と混同されないようにする固有の患者IDを提供してもよい。その代わりとして、パッチに関連付けられた認証コードを固有の患者IDと結び付けて、患者IDをパッチの認証コードから特定できるようにしてもよい。
【0052】
本発明の第五の態様によれば、腹部の電気生理学的検出のための多電極のパッチが提供される。パッチは、複数の電極を相互接続する可撓性基板と、胎児心電図を電極から検出するための電子的な読出装置に対してパッチを電気的に認証して、セキュリティ装置を含まないパッチとともに読出装置を使用するのを防止するためのセキュリティ装置とを備える。
【0053】
パッチと読出回路との間の電子認証を使用することにより、粗悪なパッチを読出回路とともに使用するのを防ぎ、それによって、読出回路とパッチとを組み合わせたシステムの性能をより良好に制御できる(安全性の向上)。更に、互換性のあるパッチの供給を制御しやすくなり、電気生理学的監視のための装置の販売業者は、適切な品質の消耗品のみがシステム内で使用されることを確信することができる。
【0054】
本発明の第六の態様によれば、一実施形態にかかるパッチとともに使用して、パッチの電極からの少なくとも一つの信号を増幅してフィルタするための電子的な読出装置が提供される。読出装置は、電力を貯蔵して装置に供給するための電源と、パッチの機械モジュール・ユニットと機械的に係合するための機械モジュールを有する筐体と、パッチの電気モジュール・ユニットと電気的に係合するための電気モジュール・ユニットとを備える。
【0055】
このような読出装置は、パッチにケーブルを介して接続される読出装置よりも、かなり簡便であってもよく、リード線のノイズが実質的に低減されるという点で更に有利である。
【0056】
筐体の機械モジュール・ユニットは、磁石又は強磁性材料を含んでもよい。
【0057】
読出装置の電気モジュール・ユニットは、弾性変形可能な要素の上に装着された少なくとも一つの接点を備えてもよい。
【0058】
読出装置は、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つ、又はそれらのうち二つ若しくは三つ若しくは四つ若しくは五つすべてを判定するよう構成してもよい。
【0059】
読出装置は、信号から得た情報を送信するための無線送信機を備えてもよい。
【0060】
読出装置は、例えば無線送信機を介して、出力を送信するよう動作可能であり、出力は、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つを備えてもよい。
【0061】
読出装置は、受信機におけるビット誤り率及び受信機における信号強度のうち少なくとも一つに基づいて、無線送信機の出力を制御するよう構成してもよい。これにより、出力をはるかに効率的に使用することができ、その結果、読出装置の電池寿命を大幅に延ばすことができる。
【0062】
本発明の第七の態様によれば、腹部の電気生理学的検出のための多電極のパッチが提供される。これは、慣性センサを備える。
【0063】
読出装置は、慣性センサを備えてもよい。
【0064】
慣性センサは、加速度計又はジャイロスコープのうち少なくとも一つを備えてもよい。
【0065】
慣性センサは、母体の動き、母体の呼吸、母体収縮及び胎動のうち少なくとも一つを検出するよう構成してもよい。
【0066】
読出装置は、慣性センサからの情報を使用して、読出装置から出力された胎児心拍数及び胎児ECGのうち少なくとも一つにおけるアーチファクトを低減するよう構成してもよい。
【0067】
読出装置は、パッチの対応するセキュリティ装置から適切な認証コードを受信しない限り、読出装置がパッチとともに機能するのを防止するよう配列されたセキュリティ装置を備えてもよい。
【0068】
本発明の第八の態様によれば、一実施形態にかかるパッチとともに使用するための電子的な読出装置が提供される。これは、パッチの電極からの少なくとも一つの信号を増幅してフィルタする。読出装置は、パッチのセキュリティ装置から適切な認証を受信しない限り、読出装置がパッチとともに機能するのを防止するよう配列されたセキュリティ装置を備える。
【0069】
読出装置は、特定の患者に関連付けられたパッチ認証コードを記憶して、読出装置が特定の患者に関連付けられた認証コードを有するパッチとともにのみ動作可能になるようにするよう構成してもよい。
【0070】
読出装置は、電気生理学的信号をパッチの二つの検知電極の間の電圧から検出するよう構成してもよい。この二つの検知電極は、対象者の正中線の両側に、臍に隣接して横に配置されるよう意図されたものであってもよい。
【0071】
本発明の第九の態様によれば、一実施形態にかかる読出装置から情報を受信するための受信表示端末が提供される。受信表示端末は、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つを表示するための表示部と、読出装置の筐体を受け入れるためのドック領域とを備える。ドックは、読出装置の電源を充電するための誘導充電器を備える。
【0072】
表示部及びドックは、両方とも、単一の筐体エンクロージャのなかに収納されてもよい。
【0073】
表示端末は、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つを、胎児心拍陣痛図表示装置などの更なる監視又は表示端末に送信するよう構成してもよい。これにより、既存のインフラストラクチャを使用して、パッチが検出した電気生理学的信号から得た情報を表示することができる。
【0074】
本発明の第十の態様によれば、腹部の電気生理学的検出のためのシステムが提供される。これは、本発明の一実施形態にかかるパッチと、パッチと共に使用するための読出装置とを備える。読出装置は、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つを判定するよう動作可能である。
【0075】
このシステムは、更に、読出装置から受信する情報を受信して表示する受信端末を備えてもよい。この情報は、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つを備える。
【0076】
本発明の第十一の態様によれば、腹部の電気生理学的検出キットが提供される。これは、複数のパッチを備え、パッチを使用するための取扱説明書と、パッチを無菌マルチ・パッチ・パックのなかに包装した少なくとも一つのパッケージとのうち一つ又は複数を省略可能に備える。パッチ及び/又は読出装置は、本発明の任意の他の態様に従ってもよい。
【0077】
本発明の第十二の態様によれば、人の腹部の電気生理学的信号を判定する方法が提供される。これは、本発明の一実施形態にかかるパッチを使用することを備える。これは、パッチを妊娠者である対象者の腹部に付着し、読出回路を使用してパッチの電極を介して電気生理学的信号を検出し、好ましくは前記信号から得た出力を表示することを備える。
【0078】
この方法は、更に、電気生理学的信号を使用して、胎児心拍数、胎児ECG、母体心拍数、母体ECG及び子宮活動のうち少なくとも一つを判定することを備えてもよい。このような生理学的信号を表示してもよい。
【0079】
パッチを対象者の腹部に付着することは、
基準特徴部を腹部に固定し、
続いて、パッチの各電極を順に腹部に付着する
工程を備えてもよい。
【0080】
パッチの各電極を腹部に付着することは、
電極を皮膚に付着し、
電極と皮膚との間の電気的接続のインピーダンスを検査し、
インピーダンスが所定値より高い場合は、
パッチの基準特徴部又は任意の他の電極を皮膚から引き離すことなく、その電極を取り外し、
皮膚に下準備をして、そのインピーダンスを低減し、
電極を再び付着する
工程を備えてもよい。
【0081】
この方法は、検知電極と共通電極との間の電圧差から電気生理学的信号を検出し、一対の検知電極の間の電圧差から更なる電気生理学的信号を検出することを備えてもよい。
【0082】
一対の検知電極は、腹部に、対象者の正中線の両側離間して、臍に隣接して付着してもよい。
【0083】
この方法は、検知電極の対から得られた電気生理学的信号を考慮して、子宮活動、fECG、mECGのうち少なくとも一つを判定することを備えてもよい。
【0084】
この方法は、(例えば電極が複数のニードルを備える)角質層の領域を除去することによる皮膚の下準備を最初にすることなく、パッチ電極を対象者の腹部に付着することを備えてもよい。
【0085】
この方法は、読出装置の機械的及び電気的インタフェース・ユニットを、パッチのインタフェース・ユニットと係合することを備えてもよい。
【0086】
この方法は、読出回路を使用して、パッチのセキュリティ装置及び読出装置のセキュリティ装置を使用して、パッチを電子的に認証することを備えてもよい。
【0087】
この方法は、パッチの認証コードに基づいて、少なくとも一つの読出装置を、特定のパッチとともに動作するよう構成することを備えてもよい。この方法は、パッチの認証コードに基づいて、二つ以上の読出装置を、特定のパッチとともに動作するよう構成することを備えてもよい。これにより、パッチの上で使用中の一つの読出装置と、使用準備が整った少なくとも一つの更なる読出装置とで、読出装置の間の素早い切り替えを達成してもよい。使用準備が整った少なくとも一つの読出装置は、例えば、受信端末の上で充電しておいてもよい。
【0088】
多くの必須の又は好ましい特徴を、簡潔のために本発明の特定の態様に関連して以上定義したことが理解されるだろう。しかし、本発明の特定の前述の態様及び実施形態のそれぞれの省略可能な特徴は、実行可能であれば適宜、本発明の他の態様と組み合わせることができる。
【0089】
ここで、本発明は、純粋に例として、添付図面を参照しつつ説明される。