(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記医療イメージングシステムインターフェイスは、ベッドサイドコントローラ、タッチスクリーン、及び/又はキーボード及びマウスを介して入力を受け取る、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
前記複数の設定グループのうちの1つが、前記医療イメージングシステムインターフェイスを介して前記ユーザーによって選択される、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
前記収集前パラメータは、少なくともPIMゲイン及び収集カードゲインを含み、前記収集後パラメータは、ソフトウェアゲインを含む、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
前記複数の設定グループは、ステント観察のためのステント設定グループ、及び軟部組織観察のための軟部組織設定グループを少なくとも含む、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
前記収集前パラメータ及び前記収集後パラメータは、ゲインパラメータ、TGC(time gain compensation)パラメータ、コントラストパラメータ、及びフィルタのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
前記複数の設定グループのうちの1つを記録されたイメージングデータに適用することは、選択可能な設定グループの前記収集後パラメータを適用することを含む、請求項9に記載の医療イメージングシステム。
選択された選択可能な設定グループの前記収集前パラメータ及び/又は前記収集後パラメータは、前記医療イメージングシステムインターフェイスを介して前記ユーザーから受け取られた入力によって変更される、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
選択された設定グループの適用は、前記収集カードに少なくとも1つのパラメータを送信し、及び前記PIMに少なくとも1つのパラメータを送信することを含む、請求項1に記載の医療イメージングシステム。
前記選択された設定グループの適用は、前記血管内イメージング要素に少なくとも1つのパラメータを送信することをさらに含む、請求項12に記載の医療イメージングシステム。
医療イメージングシステムの1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、医療画像を最適に観察するための方法を前記医療イメージングシステムに実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
医療イメージングシステムインターフェイス内の複数の設定グループから所望の設定グループを選択するステップであって、前記複数の設定グループは、それぞれ、血管内の所望の観察ターゲットのイメージングに最適な収集前パラメータ及び収集後パラメータを有する、ステップと、
前記所望の設定グループのパラメータを収集パイプラインの構成要素に伝えるステップと、
前記収集パイプラインを通して、前記観察ターゲットにおいてイメージングデータを収集するステップと
を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の原理の理解を助けるため、以下、図面に表された実施形態を参照し、これらを説明するために具体的な表現を使用する。しかしながら、本開示の範囲を制限することは意図されないことを理解されたい。本開示に関連する技術分野の当業者が通常考え付くであろう、記載される装置、システム、及び方法へのあらゆる変更及びさらなる改良、並びに本開示の原理のあらゆる他の応用が完全に考慮され、本開示の範囲に含まれる。特に、一実施形態に関して説明された特徴、構成要素、及び/又はステップが、本開示の他の実施形態に関して説明された特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせられることは完全に考慮される。しかしながら、簡潔さのため、これらの組み合わせは個別に何度も繰り返し説明されない。
【0014】
図1は、医療イメージングシステム100を表す概略図である。一般的に、医療イメージングシステム100は、人間の生物学的生理機能及び形態学的情報を取得及び解釈し、並びに様々な疾患の治療を調整するために使用される様々な態様に対して敏感であるようデザインされた、様々な形態の取得及び処理要素の整合的な取得、統合、及び連結を提供する。一実施形態では、医療イメージングシステム100は、医療データを取得し、処理し、及び表示するハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータシステムである処理システム101を含むが、他の実施形態では、処理システム101は、医療データを処理するよう動作可能な任意の他の種類のコンピュータシステムであり得る。処理システム101がコンピュータワークステーションである実施形態では、システムは、マイクロコントローラ若しくは専用中央処理装置(CPU)等のプロセッサ、ハードドライブ、RAM(random access memory)、及び/若しくはCD−ROM(compact disk read only memory)等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体、GPU(graphics processing unit)等のビデオコントローラ、並びに/又はイーサネット(登録商標)コントローラ及び/若しくは無線通信コントローラ等のネットワーク通信デバイスを含む。
【0015】
これに関して、一部の特定の場合、処理システム101は、本明細書に記載される医療画像取得、解析、及び制御に関連付けられたステップを実行するようプログラミングされる。したがって、本開示のデータ取得、データ処理、器具制御、及び/又は他の処理若しくは制御側面に関連する任意のステップが、処理システムによってアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に保存された対応する命令を使用して、処理システム101によって実行され得る。一部の実施形態では、処理システム101はポータブルである(例えば、ハンドヘルド、台車上等)。また、一部の実施形態では、処理システム101は複数のコンピュータデバイスを含むことを理解されたい。これに関して、本開示の異なる処理及び/又は制御側面が、複数のコンピュータデバイスを使用して別々に又は所定のグループで実行され得ることを特に理解されたい。複数のコンピュータデバイス間での後述される処理及び/又は制御側面のあらゆる分割及び/又は組み合わせが本開示の範囲に含まれる。
【0016】
図示の実施形態では、医療イメージングシステム100は、制御室104を有するカテーテル検査室102内に配置され、処理システム101は制御室内に配置される。他の実施形態では、処理システム101は他の場所に、例えばカテーテル検査室102、医療施設の中央エリア、又は拡張ネットワークによってアクセス可能なオフサイトの場所に配置され得る。カテーテル検査室及び制御室は、当該分野において知られる任意の数の医療センシング処置を患者に施すために使用され得る。カテーテル検査室102内に描かれている患者106は、シングルモダリティ又はマルチモダリティ処置を、単一の処置として、又は1つ又は複数のセンシング処置と組み合わせて受けていてもよい。例えば、患者106の血管のターゲット領域内のターゲット位置にステントを配置するために血管形成術が行われ得る。
【0017】
図1に示される実施形態では、血管内デバイス108は、患者106に関する医療イメージングデータを取得し及び/又は患者106を治療するために臨床医によって使用され得る医療イメージングデバイスである。例えば、血管内デバイス108は、超音波(例えば、IVUS)、OCT、サーマル、及び/又は他のイメージング技術を使用してイメージングを行い得る。血管内デバイス108は、血管内に配置可能なサイズ及び形状を有する任意の形式のデバイス、器具、カテーテル、又はプローブであり得る。一部の実施形態では、血管内デバイス108は、非イメージング要素とともに、血管内に配置可能なサイズ及び形状を有する単一のパッケージを構成してもよい。図示されるように、IVUS血管内デバイス108は、IVUSセンシングデータを収集するためにフェーズド・アレイ・トランスデューサ等の1つ又は複数のセンサを含むIVUSカテーテルである。一部の実施形態では、血管内デバイス108は、IVUS及びIVPA(intravascular photoacoustic)センシング、又はOCT及びIVUSセンシング等、マルチモダリティセンシングを実行可能であり得る。
【0018】
図示の実施形態では、患者インターフェイスモジュール(PIM)112は、血管内デバイス108を医療イメージングシステム100に結合する。PIM112は、血管内デバイス108と処理システム101との間の医療デバイスインターフェイスとして機能し、両者間の情報交換を援助する。この情報は、血管内デバイス108から処理システム101に送信されるイメージングデータ、並びに、処理システム101からPIM112及び血管内デバイス108自体に送信されるコマンド及び設定を含み、これらは個別のパラメータ指定を含み得る。したがって、PIM112は、血管内デバイス108を使用して患者106から収集された医療イメージング及び/又はセンシングデータを受信し、受信されたデータを処理システム101等の処理システムに送信することができる。
【0019】
図示の実施形態では、PIM112は、アナログ−デジタル(A/D)変換器及び/又はデジタル−アナログ(D/A)変換器を含み、デジタルデータを処理システム101に送信し、アナログ信号をイメージングデバイス108に送信する。しかし、他の実施形態では、PIM112は、処理システム101及び/又はイメージングデバイス108へ/処理システム101及び/又はイメージングデバイス108から、アナログ及び/又はデジタルデータを送受信し得る。一実施形態では、イメージングPIM112は、高速データバス接続又は高速無線ネットワーク規格を介して医療イメージングデータを送信し及び/又はコマンドを受信する。一部の実施形態では、PIM112はユーザーインターフェイスを含み、コマンドはネットワークソースからではなくユーザーインターフェイスを介して受信され得る。
【0020】
さらに、ベッドサイドコントローラ118が処理システム101に通信接続され、患者106を診断するために使用される特定の1つ又は複数の医療モダリティのユーザー制御を提供する。本実施形態では、ベッドサイドコントローラ118は、その場の単一の表面上でユーザー制御及び診断画像を提供するタッチスクリーンコントローラである。しかし、他の実施形態では、ベッドサイドコントローラ118は、インタラクティブでないディスプレイと、物理的なボタン及び/又はジョイスティック及び/又はキーボード及びマウス等の別個の制御装置の両方を含み得る。統合医療イメージングシステム100において、ベッドサイドコントローラ118は、血管内デバイス108に関する制御オプション、及び血管内デバイス108から収集された患者イメージングデータをグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)内に提示するよう動作可能である。さらに、コントローラ118は、高速有線又は無線通信又はリンクを介してPIM112と通信するよう、PIM112と結合され得る。
【0021】
医療イメージングシステム100は、ユーザーが様々な設定グループを選択することができる医療イメージングシステムインターフェイスを提供する。設定グループは、ターゲット領域における特定の特徴の観察を最適化するよう事前設定された複数のパラメータを含む。設定グループ及びそれらの選択については、後により詳細に説明する。
【0022】
カテーテル検査室102に隣接する制御室104内のメインコントローラ120も、処理システム101及び/又はPIM112と通信接続する。本実施形態では、メインコントローラ120は、タッチスクリーンを含み、その上で実行するUIフレームワークサービスを介して異なる医療センシングモードに対応する多数のGUIベース制御を表示するよう動作可能であるという点で、ベッドサイドコントローラ118と同様である。他の実施形態では、メインコントローラ120は、非インタラクティブディスプレイ、並びにマウス及びキーボード等のスタンドアローンコントローラを含み得る。一部の実施形態では、処理システム101が存在せず、血管内デバイス108がベッドサイドコントローラ118及び/又はメインコントローラ120のみを通じて制御され得る。かかる実施形態では、収集されるイメージングデータは、コントローラ118及び/又は120内に少なくとも一時的に保存される。
【0023】
したがって、図示の実施形態では、PIM112は上記のように処理システム101と通信するが、一部の実施形態では、代わりに、ベッドサイドコントローラ118がPIM112からデータを受信し、PIM112にコマンドを送信する。また、一部の実施形態では、さらに又は代わりに、メインコントローラ120がPIM112からデータを受信し、PIM112にコマンドを送信する。
【0024】
図2を参照すると、
図1に関連して上記された医療イメージングシステム100といくつかの特徴を共有する他の医療イメージングシステム200が示されている。医療イメージングシステム200は、医療イメージングシステム100のサブセットとして理解され得るが、患者からイメージングデータを収集し、これを処理及び観察するとき、概して同じ能力を有する。医療イメージングシステム200は、ワークステーション型のコントローラ、又はタブレットコンピュータ端末等のハンドヘルドコンピュータデバイスであり得るコントローラ202を含む。コントローラ202は、中央処理装置(CPU)204として図示される1つ又は複数のプロセッサを含み、CPU204は、複数のアナログ部品とFPGAとを含み得る収集カード208及びメモリ206と通信する。
【0025】
メモリ206は、複数の種類のメモリ及び/又は複数のレベルのメモリを含み得る。したがって、メモリ206は、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を含み得る。メモリ206は、血管内デバイスを使用して収集されたイメージングデータ及びそのためのパラメータ設定、並びに、イメージングデータ収集、収集されたデータの操作、及びイメージング収集プロセス及びデバイスに関する設定及びパラメータの選択及び実装を提供し得るプログラム212を含み得るデータ210を保存する。
【0026】
収集カード208は、コントローラ202と、高速リンク222によって結合されるPIM220との間のインターフェイスを提供する。一部の実施形態では、医療イメージングシステム200内に2つ以上の収集カードが存在し得る。例えば、収集カード208がコントローラ202上に存在する一方、別の収集カードがPIM220、又は
図1のベッドサイドコントローラ118のようなベッドサイドボックス内に存在してもよい。PIM220は、IVUSカテーテル又は血管内デバイス等のイメージングデバイス230との通信、及びその制御を援助するプロセッサ又はマイクロコントローラ(MC)224を含む。PIM220は、「プルバック」動作等の制御された並進運動中、PIM220を、よってイメージングデバイス230を移動させるよう使用可能なソリ226を含む。PIM200は、イメージングデバイス230をPIM200に結合するのに使用されるデバイスソケット228を含む。イメージングデバイス230は、イメージングデバイス230をPIM220に通信的に及び物理的に固定するためにソケット228に挿入されるカプラー232をその近位端に含む。一部の実施形態では、イメージングデバイス230は、回転式IVUSカテーテルであり得る。かかる実施形態では、ソケット228は、結合されたイメージングデバイス230の回転を提供するために回転するよう構成される。
【0027】
イメージングデバイス230は、さらに、チップ234を含む。一部の実施形態では、チップは、デバイスのタイプの識別子等、イメージングデバイス230に関する情報を含むEPROM(erasable programmable ROM)等のROMを含む。チップ234は、さらに、イメージングデバイス230に実装され得るゲイン等の設定のためのパラメータを含み得る。パラメータは、PIM220を介して通信によって変更され得る。一部の実施形態では、チップ234は、イメージングデバイス230の遠位端に配置されたイメージング要素236の制御、及びイメージング要素236からのデータの受信においてPIM220と通信可能なマイクロコントローラである。チップ234は、カプラー234内に含まれるよう図示されているが、他の実施形態では、イメージングデバイス230及び/又はPIM220内の他の場所に配置されてもよい。
【0028】
次に、
図3を参照して、イメージング要素236からのイメージングデータの収集は、イメージングパイプライン300沿いの多様な設定パラメータ及び処理の適用を含み得る。パイプライン300は、データが収集されるイメージング要素236から(コントローラ202に結合された)ディスプレイ240まで伸びる。したがって、パイプラインは、イメージング要素236、チップ234、PIM220、収集カード208、及びその上で実行されるプログラム212によって追加の設定、関連する処理を適用し得るCPU205を含む。一部の実施形態では、多様な設定が様々なパラメータによって制御され得る。設定は、いくつかの異なるゲイン設定、TGC(time gain compensation)設定、コントラスト設定、及び様々なフィルタ設定を含み得る。
【0029】
イメージング要素側から開始してパイプライン300にかけて、制御可能な設定の一部は、送信パルス周波数及び形状、送信パルス振幅、符号化送信シーケンス、符号化送信周波数、符号化送信振幅、アレイのための送信シークエンシング、パルス繰り返し周波数を含む。また、制御可能な設定は、PIM回転速度、PIMプルバック速度、アレイビーム成形及び焦点調整、アレイアポダイゼーション、デジタル化レート、フレームレート、FOV(filed-of-view)、coherent data averaging(a-lineベース又はフレームベース)、高周波数ノイズ及び低周波数ドリフトを除去するためのバンドパスフィルタリング(アナログ又はデジタル)、リングダウン除去ON/OFF、リングダウン除去設定、非線形ランクフィルタ設定、包絡線検波設定、ダイナミックレンジ、サチュレーション、血流検出設定(感度、閾値、及びドップラー設定)、圧縮設定、パーシステンス、及び他のリカーシブフィルタ設定、カラーマッピング設定を含み得る。
【0030】
パイプライン300中のパラメータを変更することによって制御され得るこれらの多数の設定は、所与の外科的処置において、臨床医が適切なパラメータを選択することを複雑にするおそれがある。パイプライン300は、2つの主要なステージ、すなわち、
図3に示されるように、収集前ステージ302、及び収集後ステージ304を有すると理解され得る。収集前ステージ302及び収集後ステージ304は、ともに多くの設定を含み、単一の種類の一連の設定を含み得る。例えば、パイプライン300は、チップ234におけるゲイン設定、PIM220における他のゲイン設定、及び収集カード208によって実装される他のゲイン設定を含み得る。各パイプライン要素におけるゲイン設定は同様な機能を果たし得るが、必ずしも代替可能でなくともよい。したがって、PIM220におけるあるゲインレベルの適用は、収集カード208において同様なゲインレベルが適用された場合に対していくらかの差異を有し得る。一部の実施形態では、収集後ステージ304は、収集カード208によって提供される特徴の一部を含み、収集前ステージ302は、収集カード208によって提供される一部の他の特徴を含み得る。
【0031】
収集前ステージ302及び収集後ステージ304のパイプライン要素の各パラメータを個別に調節する権限をユーザーに与えることは、作業を複雑にし、異なる種類の評価のためにシステム200のようなイメージングシステムを効果的に使用することを非常に困難にし得る。しかし、設定制御がユーザーに提供されない場合、イメージングシステムのフル能力を実現することができない。さらに、イメージング要素236からイメージングデータが集められるとき、イメージングデータはパイプライン300を通過する。処理されたデータが収集カード208を離れた後、当該データはCPU204上で実行されるプログラム212によってさらに処理され、かつ/又は、後の観察及び分析のために保存され得る。一般的に、イメージングデータがメモリ206又はネットワークストレージに保存された後、処理の一部だけが「未完」であり得る。プログラム212によって実行されるソフトウェア処理は、異なる設定を使用して実行され得るが、収集前ステージ中に適用される設定が、利用可能な調整を制限する。
【0032】
患者の対象領域における特定の特徴は、特定の設定を適用することによってより良好に観察され得る。例えば、患者の特定の対象領域において、ステント及びアテローム性プラークの両方を観察することが有用であり得る。これらの2つのイメージング対象の異なる特性のため、両者を詳細にイメージングするには異なる設定が必要とされ得る。例えば、ステントはプラークよりはるかに容易に超音波エネルギーを反射し得るので、比較的低いゲイン設定が、取得画像内の有用な細部を改善し得る。
【0033】
また、特定のフィルタステージが、あるイメージング対象にとって他のイメージング対象よりも好ましい可能性がある。例えば、信号のアグレッシブフィルタリングは、ノイズレベルを下げ、プラーク、プラークの境界、又は血栓の可視化を可能にし得る。しかし、対応する帯域幅の減少は、軸方向分解能を損ない、ステントの可視化能力を低下させ得る。様々な目的のためにパイプライン全体を通じてフィルタが使用される。パイプライン300の先頭付近のアナログ及びデジタルフィルタは、ノイズを低減するために信号帯域幅を制限し得る。場合によっては、それによって向上された画像分解能が得られる可能性があるため、より大きな帯域幅を取得するためにより多くのノイズを許容することが望まれ得る。あるいは、ユーザーは、帯域幅を犠牲にしてノイズを低減することを望み得る。パイプライン後段のフィルタは、信号の包絡線検波、及び「パーシステンス」等の他の目的を果たし得る。パーシステンスは、フレームベースの加重平均を実行することにより、動画を滑らかにし得る。したがって、医療イメージングシステム100及び200のような医療イメージングシステムのユーザーに適切な制御権を与えることにより、より詳細かつ正確なイメージングデータの収集が容易化され得る。
【0034】
図2のコントローラ202のCPU204、又は
図1のベッドサイドコントローラ118若しくはメインコントローラ120上で実行されるプログラム212のうちの1つは、パイプライン300において適用され得る設定の適切な制御を援助する医療イメージングシステムインターフェイスを提供する。かかる医療イメージングシステムインターフェイスの実施形態は、
図4及び
図5に図示されており、以下に説明される。
【0035】
次に、
図4を参照すると、医療イメージングシステムインターフェイス400の例図が示されている。システムインターフェイス400は、イメージングプロセス中に医療イメージングシステム100又は200によってユーザーに提供され得るグラフィカルユーザーインターフェイスである。例えば、システムインターフェイス400は、イメージングデータの収集及び処理を可能にするためにプログラムを実行するコントローラに結合されたディスプレイを介してユーザーに提供され得る。ディスプレイは、ユーザーがディスプレイ自体を介して選択を行うことを可能にするタッチスクリーンディスプレイであり得る。ディスプレイがタッチスクリーンディスプレイではない医療イメージングシステムの実施形態では、キーボード、マウス、又はボイスコントロール等の他の入力装置を使用することによって入力が受け取られ得る。
【0036】
システムインターフェイス400は、複数のコントロールを含むメインウィンドウ402を含み、また、いくつかのサブウィンドウを提示し、サブウィンドウは、所与のサブウィンドウが画面全体を占め、又はユーザーの視界から実質的に隠されるよう、サイズ調整可能である。メインウィンドウ402は、フルビューウィンドウ410、関心領域(ROI)ウィンドウ420、イメージングモード選択ウィンドウ430、及び個別パラメータ設定ウィンドウ450を含む。
【0037】
フルビューウィンドウ410は、ある時点において対象領域から収集されているイメージングデータのスケーリングされたビューをユーザーに提供する。図示されるように、フルビューウィンドウ410は、患者の血管の一部に沿う長さ方向のビューを示す。このウィンドウ410はサイズ変更され得る。さらに、フルビューウィンドウ410は、ROIウィンドウ420に表示される関心領域、例えばROI412を選択する能力をユーザーに与える。ROIウィンドウ420は、フルビューウィンドウ410において選択されたROI412のフル解像度ビュー、又は単純に、フルビューウィンドウ410においてよりも解像度が高いビューを可能にし得る。
【0038】
システムインターフェイス400は、さらに、イメージングモード選択ウィンドウ430を含む。イメージングモード選択ウィンドウ430は、対象領域における特定の特徴を観察するのに最適な設定グループを複数含む。例えば、イメージングモード選択ウィンドウ430は、対象領域におけるステントの視覚的表示を改善するようパラメータが設定された複数の設定を含むステントモード432を選択するためのボタンを提供する。これは、患者の体内においてステントを確実に適切に配置するために使用され得る。例えば、ステントモード432は、プログラム212、収集カード208、PIM220、及び/又はイメージングデバイス230内のソフトウェアによって適用されるゲイン設定を下げ得る。コントラストは高く設定され得る。対照的に、プラークモード434、又は軟部組織モードを選択することにより、イメージングパイプライン全体でゲインが上昇され、コントラストが低く設定され得るよう、パラメータグループが様々な設定で実装され得る。一般的に、プラークの詳細及び血流を見るには低コントラスト設定が適しており、一方、高コントラスト設定は明瞭な境界、及び肉眼形態学のためにより多く使用される。また、高コントラストは、医師がディスプレイから離れて座っている場合に特に好ましい。
【0039】
さらに、画像内の特定の要素は同様なグレースケールレベルを有する傾向があるため、これらのレベルの強度をブーストさせることによって、これらの要素を強調することができる。例えば、低強度信号をブーストすることにより、血液の様子を強調することができる。反対に、これらのグレーレベルを下げることにより、血液の様子を目立たなくすることができる。
【0040】
設定グループは、設定の全体的効果がパイプラインにわたり不均一に達成され得るよう最適化され得る。例えば、一部の実施形態では、プラークモード434からステントモード432に切り替わる際にゲインを下げるとき、収集カードゲインからの減少よりもPIM関連ゲインの減少により、より多くの減少が得られ得る。血栓モード328は、高ゲイン及びタイムゲイン圧縮を含み得る。これらの設定は予めプログラムされ、後にイメージングモード選択ウィンドウ430を介するモード選択によってアクセスされる。
【0041】
図示されるように、選択ウィンドウ430は、ステントモード432、プラークモード434(
図4で選択されているものとして図示されている)、高浸透モード436、血栓モード438を提示し、また、他のモード440を含み得る。イメージングモード選択ウィンドウ430のいずれかのモードを選択することによって、医療イメージングシステムのユーザーは、収集前ステージ設定及び収集後ステージ設定の複数においてパラメータを設定することができる。特定の設定グループの設定の実装は、様々なやり方でイメージングパイプライン中を伝えられ得る。一部の実施形態では、パラメータは、システムインターフェイス400から直接収集カード208、PIM220のマイクロコントローラ224、及び/又はイメージングデバイス230のチップ234に送信される。あるいは、パイプライン内の各プロセッサ又はマイクロコントローラによって所望の設定がリクエスト及び解釈され、そのレベルにおいてプロセッサ又はマイクロコントローラによって実装されてもよい。例えば、特定のゲインパラメータがチップ234に送信され、又は所望のゲイン設定がチップ234に伝達され、所望のゲイン設定を達成するために対応するパラメータが実装されてもよい。
【0042】
一部の実施形態では、パイプラインのパラメータを調整するユーザーの能力は、イメージングモード選択ウィンドウ430内に提示されるモードからの選択に制限され得る。しかし、他の実施形態では、イメージングモード選択ウィンドウ430を介してモードが選択されたとき、パラメータ設定ウィンドウ450において追加情報がユーザーに提示され得る。パラメータ設定ウィンドウ450は、イメージングモード選択ウィンドウ430から選択された現在のイメージングモードを示し、さらなる詳細を提供する。設定の名称又は識別子454及び設定のパラメータ指標456とともに、例示的設定452がパラメータ設定ウィンドウ450内に表示されている。一部の実施形態では、パラメータ設定ウィンドウ450は、上書セレクタ458を含む。図示されるように、上書セレクタ458は「ラジオボタン」型のインターフェイス要素であり、先にイメージングモード選択ウィンドウ430を介してイメージングモードを選択したユーザーが予めプログラムされた設定を変更することを可能にする設定上書モードを無効又は有効にするオプションを提示する。パラメータ設定ウィンドウ450は、関連付けられた潜在的パラメータ値とともに利用可能な全ての個別設定を提示してもよく、又はサブセットのみを提示してもよい。設定上書モードを有効化することにより、ユーザーは、各設定の各パラメータを個別に設定する必要なく、選択されたイメージングモードに関連付けられた予めプログラムされた設定をさらに調整することができる。
【0043】
場合によっては、ユーザーは、微調整を保存し、イメージングモード選択ウィンドウ430内のイメージングモードの選択肢に調整された1つ又は複数の設定を含めることを望み得る。更新モードセレクタ460は、ユーザーがこれを実行することを可能にするインターフェイス要素である。更新モードを有効化することにより、将来、イメージングモード選択ウィンドウ430内の関連付けられた設定モードを選択することによってアクセスするために、個別設定の個別に調整されたパラメータを自動的に保存することができる。更新モードセレクタ460によって更新モードが無効化された場合、パラメータ調整は保存されず、イメージングモード選択ウィンドウ430から異なる設定モードを設定することによって元に戻され得る。
【0044】
システムインターフェイス400の他の実施形態は、異なる種類のインターフェイス要素を含み得る。例えば、設定452のパラメータ456を調整するために、その長さにわたって連続的に調整され、又は離散位置を有し得るスライダー型選択要素を有する代わりに、数値パラメータを明示的に入力することができるダイアログボックス、ラジオボタン、又は他の要素等の他の種類のインターフェイス要素が使用されてもよい。したがって、システムインターフェイス400によってユーザーに提示される選択肢は、上記機能を多様な方法で提供し得る。ウィンドウ410、420、430、及び450は、互いに対してサイズ変更され、又は隠され得る。例えば、ユーザーが所望のモード、例えば高浸透モード436を選択した後、ユーザーは、イメージングモード選択ウィンドウ430及び個別パラメータ設定ウィンドウ450を折り畳み又は隠し、フルビューウィンドウ410及び/又はROIウィンドウ420を拡大し得る。システムインターフェイス400は、収集前及び収集後ステージ設定及び関連パラメータを含め、
図3に示されるイメージングパイプライン全体にわたり最適な調整をユーザーが行うことを可能にする管理しやすいシステムをユーザーに提供し得る。これらの最適な調整は、極めて複雑で、臨床医が有するよりも高度な又は多くの医療イメージングシステムへの慣れ及びその知識を要求する可能性があるが、システムインターフェイス400は、適切な設定にアクセスするための能率化されたシステムを提供する。
【0045】
次に、
図5を参照すると、医療イメージングシステムインターフェイス500が示されている。医療イメージングシステムインターフェイス500は、システムインターフェイス400に関連して上記された特徴の多くを共有する。しかし、システムインターフェイス500は、さらに、記録画像ライブラリ502を含む。記録画像ライブラリ502は、「静止」画像であるか動画であるかを問わず、過去に記録された保存されたイメージングデータのライブラリにアクセスするためのインターフェイスを提供する。ライブラリ502は、数月又は数日前に取得されたイメージングデータを含み、さらに、たった数秒前に取得されたイメージングデータを含み得る。したがって、例えば、動脈の長さに沿ってイメージングデータを収集するためにプルバック動作が行われたとき、後の観察のためにデータがメモリ(
図2のメモリ206又はリモートネットワークストレージ等)内に保存され、ライブラリ502を介してアクセス可能にされる。
【0046】
ライブラリ502は、例示的ファイル504A、504B、及び504Cを含む。ライブラリは、各ファイルのファイル名、ファイルの種類、及び再生時間を含む。さらに、ライブラリ502は、関連付けられたイメージングデータの収集に使用された収集モードの表示を含む。したがって、例示的ファイル504Aのファイル名はFile_lであり、静止画像であり、よって再生時間フィールドはN/Aであり、データはイメージングモード選択ウィンドウ430において選択されるステントモードを使用して収集された。ライブラリ502は、イメージングデータのファイルの選択を可能にし、さらに、選択されたファイルを表示し、アーカイブし、又は削除するためのボタンを提示する。表示ボタン506Aは、フルビューウィンドウ410、及びROI412が選択された場合にはROIウィンドウ420にファイルを表示させ得る。アーカイブボタン506Bの選択は、ファイルをライブラリ502からアーカイブに移動させ、ファイルは後にアーカイブから取り出され得る。削除ボタン506Cを選択することにより、選択されたファイルはライブラリ502から削除又は除去され、また、削除のためにマークされる。
【0047】
システムインターフェイス500内のイメージングモード選択ウィンドウ430は、システムインターフェイス400と同じ設定グループ又はモードの選択肢をユーザーに提示し得るが、設定ウィンドウ450はいくつかの相違点を含む。例示的設定452は、N/Aとして表示された設定452のサブセット552を含むよう図示されている。上記したように、血管内イメージングデバイスを使用してイメージングデータが集められた後、収集設定の一部は変更可能であるが、一部は変更することができない。収集後ステージ設定は、イメージングデータがファイル内に保存された後であっても変更可能であるが、収集前ステージ設定は、全く変更することができないか、又は計算量の多い復元を要し得る。したがって、設定452のサブセット552は、ライブラリ502からの記録画像を観察しているときに変更不可能な設定を含む。したがって、ライブラリ502から選択されたファイルに選択されたモードの関連付けられた設定グループを適用するようイメージングモード選択ウィンドウ430から選択するとき、選択されるモードからの設定の一部のみ、すなわち収集後設定のみが適用され得る。システムインターフェイス400と同様に、システムインターフェイス500は医療イメージングシステムの制御を容易化し、ユーザーが、特定の種類の対象を目的に、イメージングデータをより良好に観察することを可能にする。
【0048】
図6は、血管内で取得された医療画像を最適に観察するための方法600のフローチャートである。方法600は、図示されるように複数の列挙されるステップを含む。しかし、方法600の実施形態は、列挙されるステップの前に、後に及び/又は間に追加ステップを含み得る。したがって、方法600は、医療イメージングデバイスが患者の血管内の関心領域に配置されるステップ602から開始し得る。医療イメージングデバイスは、医療イメージングシステムと通信する。ステップ604において、医療イメージングデバイスを制御することを可能にする医療イメージングシステムインターフェイス内の複数の設定グループから所望の設定グループが選択される。所望の設定グループは、医療イメージングシステムの収集パイプライン全体の収集に影響を及ぼすパラメータを含む。そして、ステップ606において、医療イメージングデバイスを使用して、関心領域においてイメージングデータが収集される。
【0049】
方法600の実施形態をより良く説明するために、
図2の医療イメージングシステム200、及び
図4のシステムインターフェイス400を参照する。したがって、方法600は、臨床医が患者の血管内の対象領域にイメージングデバイス230を配置することから開始し得る(ステップ602)。イメージングデバイス230は、IVUSイメージングデバイス又は血管内OCTイメージングデバイスであり得る。対象領域は、ステントが挿入及び留置される治療部位であり得る。
【0050】
ユーザー/臨床医は、マウス又は他の入力装置を使用して、イメージングモード選択ウィンドウ430内に提示される複数の設定グループから所望の設定グループ、ここではステントモード432を選択する(ステップ604)。ステントモード432は、
図4のパラメータ設定ウィンドウ450に示されるように、それぞれが予めプログラムされたパラメータを有する複数の設定を含む。ステントモード432を選択することにより、ユーザーは、各種設定のそれぞれについて予めプログラムされたパラメータを選択する。これらの設定は、ステントが明瞭に見えるよう最適化されている。最適化された設定によってステントが適切に観察された後、ステント付近の軟部組織をより明瞭に表示するために、プラークモード434が選択され得る。選択される設定グループは、イメージング収集パイプライン全体の設定のためのパラメータを含み、よって、収集前設定及び収集後設定を含む。設定グループを実装するために、パラメータがイメージング収集パイプラインを通して伝えられ得る。
【0051】
選択される設定グループ又はモードがイメージングモード選択ウィンドウ430から選択されると、イメージングデバイス230が、対象領域においてイメージングデータを収集するために使用され得る(ステップ606)。このイメージングデータは、処理されてメモリ206内に記録されてもよく、かつ/又は直ちに観察され、すなわちライブで観察されてもよい。処理及び記録される場合、データは、方法600の一部として、
図5のシステムインターフェイス500のライブラリ502を介して入手可能であり得る。一般的に、システムインターフェイス400及び500と関連して上記されたいずれの特徴も、方法600の様々な実施形態において採用することができる。
【0052】
また、イメージングシステム100及び200の一部であり得るシステムインターフェイス400及び500の一部の実施形態は、例えば
図1のコントローラ118及び120又は処理システム101又は
図2のCPU204の1つ又は複数のプロセッサのようなプロセッサによって実行されたとき、上記方法600のステップをプロセッサに実行させる実行可能コードを含む実体的な非一時的コンピュータ可読媒体を含む。方法600のステップを含み得るコンピュータ可読媒体の一般的な形態の例は、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、RAM、ROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、及び/又はプロセッサ又はコンピュータが読み出し可能な任意の他の媒体である。コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されるとシステムインターフェイス400及び/又は500を提供する命令を含み得る、
図2のメモリ206でもよい。
【0053】
方法600を実行する、システムインターフェイス400及び/又は500が組み込まれたシステム100及び200は、有益な程度の最適化をユーザーに提供し、ユーザーが所望のターゲットのための最適設定を容易に選択することを可能にし得る。設定は、他の方法ではユーザーに提示されない可能性があるものを含め、イメージングパイプラインにわたって多数のパラメータが設定されることを要する。かかるシステム及び方法を用いた対象領域の観察は、より単純かつ素早い可能性があり、また、対象領域の所望の側面をより詳細に提供し得る。
【0054】
上記例はあくまで例示に過ぎず、限定的なものとしては意図されていない。当業者は、本開示の範囲に含まれることが意図される、開示の実施形態に則した他のシステムを容易に考え付き得る。したがって、本願は、次の特許請求の範囲によってのみ限定される。