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特許6588906三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法及び設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588906
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法及び設備
(51)【国際特許分類】
   H01B 17/00 20060101AFI20191001BHJP
   G01R 27/26 20060101ALI20191001BHJP
   H01B 17/28 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   H01B17/00 C
   G01R27/26 C
   H01B17/28
【請求項の数】23
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-530830(P2016-530830)
(86)(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公表番号】特表2017-502455(P2017-502455A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】EP2014074254
(87)【国際公開番号】WO2015071253
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年11月10日
(31)【優先権主張番号】102013112584.0
(32)【優先日】2013年11月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ユンリャン
(72)【発明者】
【氏名】フィーレック・カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ズンダーマン・ウルリヒ
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0184325(US,A1)
【文献】 特表平11−509619(JP,A)
【文献】 国際公開第96/037787(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01039304(EP,A2)
【文献】 実開昭50−138599(JP,U)
【文献】 実開昭50−113000(JP,U)
【文献】 特開2009−257870(JP,A)
【文献】 特開平03−205716(JP,A)
【文献】 特開2002−082143(JP,A)
【文献】 特開平06−034689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 17/00−17/54
H02G 1/02
G01R 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相交流電源用のコンデンサブッシング(2a,2b,2c)を監視するための方法であって、各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)が、前記交流電源の複数の電力線(5a,5b,5c)のうちの1つの電力線に接続されている1つの導体(4)と、この導体(4)を包囲する導電性の1つの内層(3)とを有し、当該方法は、
・各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)に対して、上部静電容量(C0a,C0b,C0c)と下部静電容量(C1a,C1b,C1c)とが検出されるステップと、
・各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)で、それぞれの前記内層(3)と1つの接地電位(13)との間に存在する測定電圧(U1a,U1b,U1c)が検出されるステップと、
・各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)に対して、それぞれの前記測定電圧(U1a,U1b,U1c)とそれぞれの前記下部静電容量(C1a,C1b,C1c)とによって決まり、その他の複数のコンデンサブッシング(2b,2c,2a)のうちの1つのコンデンサブッシングの前記測定電圧(U1b,U1c,U1a)と前記下部静電容量(C1b,C1c,C1a)と前記上部静電容量(C0b,C0c,C0a)とによって決まる実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)が計算されるステップと、
・各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)に対して、それぞれの前記上部静電容量(C0a,C0b,C0c)が、それぞれの前記実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)と比較されるステップと、
・前記複数の静電容量の比較によって決まる監視信号が生成されるステップとを有する当該方法。
【請求項2】
・各相(Pa,Pb,Pc)に対して、前記電源電圧(Ua,Ub,Uc)が検出され、・これらの電源電圧(Ua,Ub,Uc)が互いに比較され、
・前記電圧の比較の結果、これらの電源電圧(Ua,Ub,Uc)が、既定の範囲(UAB,UBC,UCA)から互いに外れていない場合は、複数の前記実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)が計算され、これらの静電容量(C0a,C0b,C0c,C0a′,C0b′,C0c′)が比較され、前記監視信号が生成される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
・前記電圧の比較時に、前記電源電圧(Ua,Ub,Uc)の実効値(Uae,Ube,Uce)及び/又はピーク値及び/又は振幅が使用される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
・前記電圧の比較に対する許容値UAB>0,UBC>0,UCA>0が決定され、
・|Uae−Ube|≦UAB及び|Ube−Uce|≦UBC及び|Uce−Uae|≦UCAが成立するか否かが検査されるように、前記電圧の比較が実行される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
・第1コンデンサブッシング(2a)の実際の静電容量(C0a′)が、以下の式にしたがって計算され、
【数1】
ここで、Kaは、補正値であり、Ka=1又はKa=Ub/Uaが、この補正値に対して成立し、及び/又は
・第2コンデンサブッシング(2b)の実際の静電容量(C0b′)が、以下の式にしたがって計算され、
【数2】
ここで、Kbは、補正値であり、Kb=1又はKb=Uc/Ubが、この補正値に対して成立し、及び/又は
・第3コンデンサブッシング(2c)の実際の静電容量(C0c′)が、以下の式にしたがって計算され、
【数3】
ここで、Kcは、補正値であり、Kc=1又はKc=Ua/Ucが、この補正値に対して成立する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
・許容値CA>0,CB>0,CC>0が、前記静電容量の比較に対して決定され、
・前記静電容量の比較の結果として、
|C0a’−C0a|≦CA及び|C0b’−C0b|≦CB及び|C0c’−C0c|≦CC
が成立する場合は、複数の前記コンデンサブッシング(2a,2b,2c)が正常な状態にあることを示す監視信号が生成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
・その他の場合は、少なくとも1つのコンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
・許容値CA>0,CB>0,CC>0が、前記静電容量の比較に対して決定され、
・前記静電容量の比較の結果として、
C0a’−C0a<−CA及びC0b’−C0b>CB及び|C0c’−C0c|≦CCが成立する場合は、少なくとも前記第2コンデンサブッシング(2b)が正常な状態にないことを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、
C0b’−C0b<−CB及びC0c’−C0c>CC及び|C0a’−C0a|≦CAが成立する場合は、少なくとも前記第3コンデンサブッシング(2c)が正常な状態にないことを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、
C0c’−C0c<−CC及びC0a’−C0a>CA及び|C0b’−C0b|≦CBが成立する場合は、少なくとも前記第1コンデンサブッシング(2a)が正常な状態にないことを示す監視信号が生成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
・その他の場合は、少なくとも2つのコンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
・許容値CA>0,CB>0,CC>0が、前記静電容量の比較に対して決定され、
・前記静電容量の比較の結果として、
C0a’−C0a>CA及びC0b’−C0b<−CB及び|C0c’−C0c|≦CCが
成立する場合は、前記第1及び前記第3コンデンサブッシング(2a,2c)が正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、
C0b’−C0b>CB及びC0c’−C0c<−CC及び|C0a’−C0a|≦CAが
成立する場合は、前記第2及び前記第1コンデンサブッシング(2b,2a)が正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、
C0c’−C0c>CC及びC0a’−C0a<−CA及び|C0b’−C0b|≦CBが
成立する場合は、前記第3及び前記第2コンデンサブッシング(2c,2b)が正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
三相交流電源用のコンデンサブッシング(2a,2b,2c)を監視するための設備(1)であって、各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)が、前記交流電源の複数の電力線(5a,5b,5c)のうちの1つの電力線に接続されている1つの導体(4)と、この導体(4)を包囲する導電性の1つの内層(3)とを有し、前記設備は請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を実行するために構成されていて、
・1つの測定装置(7)を有し、
・1つの第1電気測定変数(U1a,U1b,U1c)を検出するために、それぞれの相に属するコンデンサブッシング(2a,2b,2c)の前記内層(3)に接続され得、前記測定装置(7)に接続されている1つの測定アダプタ(6)を各相(Pa,Pb,Pc)に対して有し、
・前記第1測定変数(U1a,U1b,U1c)を1つの評価装置(8)に伝送するために前記測定装置(7)に接続されているこの評価装置(8)を有し、
・前記評価装置(8)が、各コンデンサブッシング(2a)に対して、それぞれの前記測定電圧(U1a,U1b,U1c)とそれぞれの前記コンデンサブッシング(2a,2b,2c)の1つの下部静電容量(C1a,C1b,C1c)とによって決まり、且つ前記測定電圧(U1b,U1c,U1a)とその他の複数のコンデンサブッシング(2b,2c,2a)のうちの1つのコンデンサブッシングの1つの下部静電容量(C1b,C1c,C1a)及び1つの上部静電容量(C0b,C0c,C0a)とによって決まる実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)を計算できるように、この評価装置(8)は構成されていて、
・前記評価装置(8)が、各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)に対して、それぞれの前記上部静電容量(C0b,C0c,C0a)をそれぞれの前記実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)と比較できるように、この評価装置(8)は構成されている当該設備(1)。
【請求項12】
・各相に対して1つの電圧変換器(9a,9b,9c)を有し、この電圧変換器(9a,9b,9c)は、第2電気測定変数(Ua,Ub,Uc)を検出するために前記それぞれの相に属する前記電力線(5a,5b,5c)に接続され得、前記電圧変換器(9a,9b,9c)は、前記第2測定変数(Ua,Ub,Uc)を前記評価装置(8)に伝送するために前記評価装置(8)に接続されている請求項11に記載の設備(1)。
【請求項13】
・各電圧変換器(9a,9b,9c)が、静電容量式の電圧変換器として又は電磁誘導式の電圧変換器として又は抵抗式の電圧変換器として構成されている請求項12に記載の設備(1)。
【請求項14】
・前記測定装置(7)は、少なくとも1つの測定コンデンサ(KM1,KM2,KM3)を有する請求項11〜13のいずれか1項に記載の設備(1)。
【請求項15】
・前記測定装置(7)は、3つの測定コンデンサ(KM1,KM2,KM3)を有し、
・各相において、1つの測定アダプタが、この測定アダプタに割り当てられた1つの測定コンデンサに接続されていて、
・これらの3つの測定コンデンサの静電容量は等しくない請求項14に記載の設備(1)。
【請求項16】
・前記3つの静電容量は、互いに1:2:3又は1:2:4又は1:2:5又は1:3:5又は1:3:7又は1:3:9又は1:4:7又は1:4:9の比である請求項15に記載の設備(1)。
【請求項17】
・複数の前記第1測定変数(M1)はそれぞれ、対応する前記相の1つの下部電圧コンデンサ(KU1,KU2,KU3)で発生する電圧(U1a,U1b,U1c)である請求項11〜16のいずれか1項に記載の設備(1)。
【請求項18】
・複数の前記第2測定変数(M2)はそれぞれ、対応する前記電力線(5a,5b,5c)と接地電位(13)との間に存在する電圧(Ua,Ub,Uc)である請求項11〜17のいずれか1項に記載の設備(1)。
【請求項19】
前記設備(1)は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている請求項11〜18のいずれか1項に記載の設備(1)。
【請求項20】
三相交流電源用のコンデンサブッシング(2a,2b,2c)を監視するための設備(1)であって、各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)が、前記交流電源の複数の電力線(5a,5b,5c)のうちの1つの電力線に接続されている1つの導体(4)と、この導体(4)を包囲する導電性の1つの内層(3)とを有し、前記設備は請求項11〜19のいずれか1項に記載の設備のように構成されている当該設備(1)において、
・手段が、各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)で、それぞれの前記内層(3)と1つの接地電位(13)との間に存在する測定電圧(U1a,U1b,U1c)を検出するように構成されているこの手段を有し、
・手段が、各コンデンサブッシング(2a)に対して、それぞれの前記測定電圧(U1a,U1b,U1c)とそれぞれの前記コンデンサブッシング(2a,2b,2c)の1つの下部静電容量(C1a,C1b,C1c)とによって決まり、且つ前記測定電圧(U1b,U1c,U1a)とその他の複数のコンデンサブッシング(2b,2c,2a)のうちの1つのコンデンサブッシングの1つの下部静電容量(C1b,C1c,C1a)及び1つの上部静電容量(C0b,C0c,C0a)とによって決まる実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)を計算するように構成されているこの手段を有し、
・手段が、各コンデンサブッシング(2a,2b,2c)に対して、それぞれの前記上部静電容量(C0a,C0b,C0c)をそれぞれの前記実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)と比較するように構成されているこの手段を有し、
・手段が、前記静電容量の比較の結果によって決まる監視信号を生成するように構成されているこの手段を有する当該設備(1)。
【請求項21】
前記設備(1)は、
・手段が、各相(Pa,Pb,Pc)の前記電源電圧(Ua,Ub,Uc)を検出するように構成されているこの手段をさらに有し、
・手段が、当該複数の電源電圧(Ua,Ub,Uc)を互いに比較するように構成されているこの手段をさらに有し、
・当該電圧の比較の結果として、当該複数の電源電圧(Ua,Ub,Uc)が、既定の範囲(UAB,UBC,UCA)から外れていない場合は、手段が、当該複数の実際の静電容量(C0a′,C0b′,C0c′)の計算、これらの静電容量(C0a,C0b,C0c,C0a′,C0b′,C0c′)の比較、及び前記監視信号の生成を指示又は実行するように構成されているこの手段をさらに有する請求項20に記載の設備(1)。
【請求項22】
設備(1)は、請求項11〜18のいずれか1項に記載の設備(1)のように構成されている請求項20又は21に記載の設備(1)。
【請求項23】
前記設備(1)は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複数の方法のうちの1つの方法を実行又は遂行し得るように構成されている請求項11〜22のいずれか1項に記載の設備(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許第19519230号明細書は、高電圧仕様のコンデンサブッシング用の監視方法及び監視装置を記載している。当該コンデンサブッシングは、その複数のコンデンサ層間に部分電圧用のタップを有する。この公知の方法では、当該部分電圧が、この部分電圧の変化を監視する検出装置に供給されること、この部分電圧の変化とこの変化に対する時間情報とが記憶されること、少なくとも2つの変化の間の時間間隔が算出されること、及び、当該部分電圧の変化の頻度に対応する欠陥信号が生成されることが提唱されている。この公知の設備は、当該部分電圧の変化を監視する検出器、当該部分電圧の変化と当該部分電圧の変化に対する時間情報を格納する記憶器、少なくとも2つの変化の間の時間間隔を算出する演算器、及び欠陥信号を生成するための手段を有する。この場合、当該部分電圧の変化の頻度に比例する欠陥信号が生成される。当該タップが、測定の実行中に測定線を通じて当該検出器に接続されている。当該タップは、当該コンデンサブッシングの内部で発生する高電圧を示す部分電圧を提供する。
【0003】
当該コンデンサブッシングで発生する高電圧は、測定信号に作用し、激しく変動し得るので、当該タップで検出された測定値は、激しく変動し得る。したがって、当該コンデンサブッシングの確実な監視が保証されない。
【0004】
独国特許出願公開第10037432号明細書は、動作電圧によって印加されたコンデンサブッシングを監視するための方法及び装置を記載している。このコンデンサブッシングでは、分圧器が、1つの導電層によって形成されている。この公知の方法では、電気測定変数の少なくとも1つの測定値が、この導電層に接続されている測定タップとアース電位とを用いて検出され記憶されることが提唱されている。当該測定タップと当該アース電位との間のインピーダンスが、少なくとも1つの測定値の検出後に変更され、このときに生成された測定信号の少なくとも1つの信号値が、当該測定タップと当該アース電位とを用いて検出され記憶される。この場合、当該1つの測定値を検出する時点と当該1つの信号値を検出する時点との間の動作電圧の起こり得る変化が無視できるように、当該双方の時点間の時間間隔が規定されている。この場合、予め設定されている1つの目標値と比較される1つの特性変数が、この測定値とこの信号値とを除算することによって算出される。そしてこの場合、当該特性変数が、当該予め設定されている目標値から外れるときに、当該コンデンサブッシングの欠陥を示す表示信号が生成される。この公知の設備では、当該導電層に接続されている測定タップが設けられている。この測定タップは、電気測定変数を生成するための測定装置に接続されている。この場合、当該測定タップとアース電位との間に存在するインピーダンスが、インピーダンス装置を有する。切替装置が、このインピーダンス装置に付設されている。当該インピーダンス装置は、固体インピーダンスを有する。この固体インピーダンスは、切替装置によって当該測定タップに接続可能であり、当該測定タップから分離可能である。この切替装置は、制御装置に接続されている。当該コンデンサブッシングを監視するため、このインピーダンス装置は、最初は第1測定状態にある。この第1測定状態では、この切替装置が開かれていて、当該固体インピーダンスが、当該測定タップに接続されていない。この第1測定状態では、電気測定変数の1つの測定値が、第1時点に検出され、当該測定装置の記憶器内に記憶される。ここでは、この測定変数は、当該測定タップで当該アース電位に対して印加されている電圧である。当該インピーダンス装置のこの測定状態では、そのインピーダンスが、当該測定装置の静電容量と内部抵抗とから成る並列回路によって構成される。この測定状態にある当該インピーダンスは、一定インピーダンスと記される。当該インピーダンス装置は、当該測定変数の検出後に第2測定状態に移行される。このため、当該制御装置が、切替装置を制御して閉じられている状態に移行される。これにより、当該固体インピーダンスが、当該測定タップに導電性に接続されている。このとき、当該インピーダンスは、当該測定装置の静電容量及び内部抵抗と当該固定インピーダンスとの並列回路から構成される。この第2測定状態では、発生する測定信号の信号値が、当該測定装置によって第2時点に検出され、同様に記憶される。この測定信号は、当該測定タップでアース電位に対して印加される電圧である。この第2測定状態にある当該インピーダンスは、可変インピーダンスと記される。
【0005】
当該コンデンサブッシングで発生する動作電圧が、当該測定信号に影響し、激しく変動し得るので、当該測定タップで検出された測定値が、激しく変動し得る。したがって、当該コンデンサブッシングの確実な監視が保証されない。
【0006】
独国特許第3601934号明細書は、三相電源における大型の変圧器の場合の、それぞれが埋設された複数のコンデンサ層を有する巻線本体から成る3つのコンデンサブッシングと、最後の外側のコンデンサ層に接続されているそれぞれの1つの測定端子と、それぞれのコンデンサブッシングの最後の外側のコンデンサ層と接地されたフランジとの間の外側のフランジ静電容量とを備える、連続して監視するコンデンサブッシング装置を記載している。この公知のコンデンサブッシング装置では、3つのコンデンサブッシングの測定端子が、それぞれ1つの平衡コンデンサを介して、アース電位に設定可能である人工の1つのスターポイントに接続されていることが提唱されている。この場合、1つの測定値装置が、当該人口のスターポイントと当該アース電位との間に配置されている。この測定装置が、複数のコンデンサ層の静電容量の変化時に当該コンデンサブッシング装置の全体を遮断するトリガ装置に接続されていることが提唱されている。
【0007】
米国特許出願公開第4757263号明細書は、静電容量値が、高電圧ブッシングの絶縁特性を監視するために測定されることを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第19519230号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10037432号明細書
【特許文献3】独国特許第3601934号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第4757263号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、より良好な監視を可能にする、三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法及び設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立請求項に記載の対象によって解決される。好適なその他の構成は、従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明は、第1の観点にしたがって三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法を提唱する。この場合、各コンデンサブッシングが、当該交流電源の複数の電力線(電源線)のうちの1つの電力線に接続されている1つの導体と、この導体を包囲する導電性の1つの内層とを有する。当該方法は、
・各コンデンサブッシングに対して、上部静電容量C0a,C0b,C0cと下部静電容量C1a,C1b,C1cとを決定するステップと、
・各コンデンサブッシングで、それぞれの前記内層と1つの接地電位との間に存在する測定電圧U1a,U1b,U1cを検出及び/又は測定するステップと、
・各コンデンサブッシングに対して、それぞれの前記測定電圧とそれぞれの前記下部静電容量とによって決まり、その他の複数のコンデンサブッシングのうちの1つのコンデンサブッシングの前記測定電圧と前記下部静電容量と前記上部静電容量とによって決まる実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′を計算するステップと、
・各コンデンサブッシングに対して、それぞれの前記上部静電容量をそれぞれの前記実際の静電容量と比較するステップと、
・当該複数の静電容量の比較によって決まる監視信号を生成するステップとを有する。
【0012】
当該提唱されている方法では、複数のコンデンサブッシングの複数の上部静電容量とこれらのコンデンサブッシングの実際の静電容量とが、その動作中に互いに比較される。このことは、ここでは静電容量の比較とも記される。実際の静電容量が変化した場合、対応するコンデンサブッシングの損傷が推測され得る。
【0013】
当該提唱されている方法は、その他のコンデンサブッシングの特性変数及び測定変数を実際の監視のために使用する。この場合、1つのコンデンサブッシングの測定変数と下部静電容量と上部静電容量と、その他の複数のコンデンサブッシングのうちの1つのコンデンサブッシングの測定変数と下部静電容量と上部静電容量とが使用される。したがって、1つのコンデンサブッシングに割り当てられた電力線に接続されているこのコンデンサブッシングの監視時に、それぞれの電力線に接続されているコンデンサブッシングを経由して当該測定電圧に伝達される、1つの電力線で発生する電源電圧の変動と、当該測定電圧の検出時の測定許容誤差とが、少なくとも部分的に補正され得、そのコンデンサブッシングの状態に関するより良好な情報が取得され得ることが達成される。
【0014】
各コンデンサブッシングに対する上部静電容量が、必要に応じて任意に定義され得る、例えば、それぞれの内層とそれぞれの導体とによって構成され、ここでは上部電圧コンデンサと記されるコンデンサの静電容量として定義され得る。一般に、当該上部静電容量は、300〜600pFの範囲内にある。
【0015】
各コンデンサブッシングが、必要に応じて任意に形成され得、例えば少なくとも1つの追加の内層を有する。特に、当該追加の内層は、1つの内層と当該導体との間に配置されている。したがって、この1つの内層は、最も外側の内層を意味する。このとき、当該上部静電容量は、例えば、直列回路の静電容量としても定義され得る。当該直列回路は、隣接した2つの内層ごとに形成される複数のコンデンサと、当該追加の複数の内層のうちの最も内側の内層と当該導体とによって形成される1つのコンデンサとを有し、ここでも同様に上部電圧コンデンサと記される。
【0016】
各コンデンサブッシングに対する下部静電容量が、必要に応じて任意に定義され得る、例えば、並列回路の静電容量として定義され得る。この並列回路は、1つの測定装置と1つのコンデンサとを有し、ここでは下部電圧コンデンサと記される。例えば当該それぞれの測定電圧が、当該1つの測定装置によって検出及び/又は測定され得る。当該1つのコンデンサは、当該それぞれの最も外側の内層と接地電位とによって形成される、又は当該それぞれの最も外側の内層と導電性の1つのフランジとによって形成され、ここでは外側コンデンサと記される。このフランジは、当該それぞれのコンデンサブッシングの外面に固定されていて、接地電位に印加されている。一般に、当該下部静電容量は、1〜5μFの範囲内にある。しかし、当該下部静電容量は、必要に応じて別の値、例えば0.1μF〜50μF又は0.2μF〜20μF又は0.5μ〜10μFを有してもよい。この代わりに又はこれに加えて、これらの下部静電容量の各下部静電容量及びその他の複数の下部静電容量のうちの少なくとも1つの下部静電容量が、同じでもよく又は同じでなくてもよい。例えば、これらの下部静電容量は、互いに1:2:3又は1:2:4又は1:2:5又は1:3:5又は1:3:7又は1:3:9又は1:4:7又は1:4:9の比にあってもよい。
【0017】
当該監視信号は、必要に応じて任意の種類及び方式で、例えば音響信号及び/又は光学信号及び/又は電子信号として生成され得る。
【0018】
1つのコンデンサブッシングに対する上部静電容量の決定(検出)は、例えば、特に損傷していない若しくは欠陥のない1つのコンデンサブッシングを測定することによって、又はそのコンデンサブッシングのデータシートからデータを取り出すことによって、又は経験値を設定することによって、又は当該方法の先行するサイクルから受け取ることによって、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る。この代わりに又はこれに加えて、少なくとも1つの上部静電容量の決定は、例えば、その他の複数の上部静電容量のうちの少なくとも1つの上部静電容量の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行してもよいし、少なくとも1つの下部静電容量の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行されてもよいし、少なくとも1つの測定電圧の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行されてもよい。
【0019】
1つのコンデンサブッシングに対する下部静電容量の決定は、例えば、特に損傷していない若しくは欠陥のない1つのコンデンサブッシングを測定することによって、又はそのコンデンサブッシングのデータシートからデータを取り出すことによって、又は経験値を設定することによって、又は当該方法の先行するサイクルから受け取ることによって、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る。この代わりに又はこれに加えて、少なくとも1つの下部静電容量の決定は、例えば、その他の複数の下部静電容量のうちの少なくとも1つの下部静電容量の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行してもよいし、及び/又は少なくとも1つの上部静電容量の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行されてもよいし、及び/又は少なくとも1つの測定電圧の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行されてもよい。
【0020】
少なくとも1つの測定電圧の決定は、必要に応じて任意の種類及び方式で、例えば、その他の複数の測定電圧のうちの少なくとも1つの測定電圧の決定の前に若しくは後に又は好ましくは当該決定と同時に実行してもよいし、及び/又は少なくとも1つの上部静電容量の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行されてもよいし、及び/又は少なくとも1つの下部静電容量の決定の前に若しくは後に又は当該決定と同時に実行されてもよい。
・各相に対して、電源電圧Ua,Ub,Ucが検出及び/又は測定され、
・これらの電源電圧が互いに比較され、
・当該電圧の比較の結果、これらの電源電圧が、既定の範囲から互いに外れていない場合は、当該実際の静電容量が計算され、これらの静電容量が比較され、監視信号が生成されることが提唱され得る。
【0021】
ここでは電圧の比較とも記される当該複数の電源電圧のこの比較は、上記の実際の監視、すなわち実際の静電容量の計算と静電容量の比較と監視信号の生成とが非常に有益又は良好である時期が決定されることを可能にする。何故なら、当該実際の監視は、既定の範囲から互いに外れる電源電圧によって妨害されず又は阻止されず又は完全に不可能にされないからである。したがって、当該複数の電源電圧の変動と、当該複数の測定電圧の検出時の測定許容誤差とに関係なく、当該複数のコンデンサブッシングの状態に関するより良好な情報が取得され得ることが達成される。
【0022】
例えば、非対称性とも記される電圧比の経時変化が、当該複数の電源電圧を考慮することによって検出され得る。したがって、コンデンサブッシングで測定された測定電圧の対応する偏差が、少なくとも部分的に補正され得る。したがって、コンデンサブッシングの確実な監視が、当該複数の電源電圧の偏差及びノイズを考慮し評価することで保証される。
【0023】
当該少なくとも1つの電源電圧の検出は、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る、例えば、その他の複数の電源電圧のうちの少なくとも1つの電源電圧の検出の前に若しくは後に又は好ましくは当該検出と同時に実行され得る、及び/又は少なくとも1つの上部静電容量の決定の後に若しくは当該決定と同時に又は好ましくは前に実行され得る、及び/又は少なくとも1つの測定電圧の検出の後に若しくは当該検出と同時に又は前に実行され得る。
【0024】
当該電圧の比較は、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る、例えば、少なくとも1つの上部静電容量の決定の後に若しくは当該決定と同時に又は好ましくは前に実行され得る、及び/又は少なくとも1つの下部静電容量の決定の後に若しくは当該決定と同時に又は好ましくは前に実行され得る、及び/又は少なくとも1つの測定電圧の検出の後に若しくは当該検出と同時に又は前に実行され得る。当該電圧の比較の結果、これらの電源電圧が、既定の範囲から互いに外れていない場合は、特に、上部静電容量が決定され、及び/又は、下部静電容量が決定され、及び/又は、測定電圧が検出され、最終的に、実際の静電容量が計算され、これらの静電容量が比較され、監視信号が生成される。
【0025】
当該電圧の比較の結果、当該複数の電源電圧が、既定の範囲から互いに外れている場合は、実際の複数の静電容量の計算、これらの静電容量の比較、及び監視信号の生成は実行されないで、当該方法の新しいサイクルが実行される。このとき、特に、上部静電容量の決定及び/又は下部静電容量の決定及び/又は測定電圧の検出も実行されない。
【0026】
当該監視信号の生成後に、特に、当該方法の新しいサイクル又は次のサイクル又は別のサイクルが実行される。
・前記電圧の比較時に、前記電源電圧Ua,Ub,Ucの実効値Uae,Ube,Uce及び/又はピーク値及び/又は振幅が算出され及び/又は使用されることが提唱され得る。
・前記電圧の比較に対する許容値UAB>0,UBC>0,UCA>0が決定され、
・|Uae−Ube|≦UAB及び|Ube−Uce|≦UBC及び|Uce−Uae|≦UCAが成立するか否かが検査されるように、前記電圧の比較が実行されることが提唱され得る。
【0027】
これらの許容値UAB,UBC,UCAの各許容値が、必要に応じて任意の種類及び方式で決定され得る、例えば、それぞれの電源電圧Uae,Ube,Uceの定格値の0.1%又は0.2%又は0.5%又は1%又は2%又は3%又は4%又は5%又は7%又は10%又は15%又は20%又は25%又は30%又は40%又は50%に相当する値に設定され得る。これらの許容値の各許容値及びその他の複数の許容値のうちの少なくとも1つの許容値が、同じでもよく又は同じでなくてもよい。
・第1コンデンサブッシングの実際の静電容量が、以下の式にしたがって計算されることが提唱され得る。
【0028】
【数1】
【0029】
ここで、Kaは、補正値であり、Ka=1又はKa=Ub/Ua又はKa=Ube/Uaeが、この補正値に対して成立する。及び/又は
・第2コンデンサブッシングの実際の静電容量が、以下の式にしたがって計算されることが提唱され得る。
【0030】
【数2】
【0031】
ここで、Kbは、補正値であり、Kb=1又はKb=Uc/Ub又はKb=Uce/Ubeが、この補正値に対して成立する。及び/又は
・第3コンデンサブッシングの実際の静電容量が、以下の式にしたがって計算されることが提唱され得る。
【0032】
【数3】
【0033】
ここで、Kcは、補正値であり、Kc=1又はKc=Ua/Uc又はKc=Uae/Uceが、この補正値に対して成立する。
【0034】
当該第2の選択肢、すなわち2つの電源電圧の除算が成立する1つの補正値は、当該2つの電源電圧間の非対称性及び/又は偏差の自動補正及び/又は自動補償を提供する及び/又は可能にする。これにより、対応する実際の静電容量のさらにより正確な算定が達成され得る。
【0035】
これらの補正値の各補正値が、必要に応じて任意に選択され得る。当該複数の補正値ごとに、例えば第1の選択肢、すなわちKa=Kb=Kc=1が選択される場合は、特に電圧の比較が、実際の監視の前に実行されなければならず、このとき、さらに好ましくは、許容値UAB,UBC,UCAの各許容値が、それぞれの電源電圧Uae,Ube,Uceの定格値の、例えば0.1%又は0.2%又は0.5%又は1%又は2%又は3%又は4%又は5%又は7%又は10%に相当する、さらに小さい値に設定されなければならない。当該複数の補正値に対して、それぞれ第2の選択肢、すなわちKa=Ub/Ua及びKb=Uc/Ub及びKc=Ua/Ucが選択される場合は、必要に応じて、当該実際の監視の前の電圧の比較が省略され得る、又は、当該電圧の比較が、実際の監視の前に実行され、このとき、特に当該複数の許容値UAB,UBC,UCAの各許容値が、それぞれの電源電圧Uae,Ube,Uceの定格値の、例えば2%又は3%又は4%又は5%又は7%又は10%又は15%に相当する、さらにより大きい値に設定され得る。
【0036】
当該少なくとも1つの実際の静電容量の計算は、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る、例えば、その他の複数の実際の静電容量のうちの1つの実際の静電容量の計算の前に若しくは後に又は当該計算と同時に実行され得る。
・許容値CA>0,CB>0,CC>0が、前記静電容量の比較に対して決定され、
・前記静電容量の比較の結果として、|C0a’−C0a|≦CA及び|C0b’−C0b|≦CB及び|C0c’−C0c|≦CCが成立する場合は、当該複数のコンデンサブッシングが正常な状態にあることを示す監視信号が生成されることが提唱され得る。
【0037】
したがって、当該複数の許容値の決定後に、当該複数の静電容量の比較が、ここでは第1評価又は第1評価ステップとも記される検査ステップで評価され、この第1評価ステップの結果によって決まる監視信号が生成される。
【0038】
これらの許容値CA,CB,CCの各許容値が、必要に応じて任意の種類及び方式で決定され得る、例えば、それぞれの上部静電容量C0a,C0b,C0c又は上部静電容量C0a,C0b,C0cの平均値の0.001%又は0.002%又は0.003%又は0.004%又は0.005%又は0.007%又は0.01%又は0.012%又は0.015%又は0.02%に相当する値に設定され得る。この平均値は、必要に応じて任意に選択され得る、例えば算術平均又は幾何平均又は調和平均又は平方平均として選択され得る。これらの許容値の各許容値及びその他の複数の許容値のうちの少なくとも1つの許容値が、同じでもよく又は同じでなくてもよい。
・その他の場合は、少なくとも1つのコンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成されることが提唱され得る。
【0039】
したがって、第1評価ステップが評価した結果として、検査された場合が存在しない場合は、この監視信号が生成される。
・許容値CA>0,CB>0,CC>0が、前記静電容量の比較に対して決定され、
・前記静電容量の比較の結果として、C0a’−C0a<−CA及びC0b’−C0b>CB及び|C0c’−C0c|≦CCが成立する場合は、少なくとも前記第2コンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、C0b’−C0b<−CB及びC0c’−C0c>CC及び|C0a’−C0a|≦CAが成立する場合は、少なくとも前記第3コンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、C0c’−C0c<−CC及びC0a’−C0a>CA及び|C0b’−C0b|≦CBが成立する場合は、少なくとも前記第1コンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成されることが提唱され得る。
【0040】
したがって、当該複数の許容値の決定後に、前記複数の静電容量の比較が、4つの、第2評価又は第2評価ステップとも記される検査ステップで評価され、この第2評価ステップの結果によって決まる監視信号が生成される。これらの検査ステップの各検査ステップが、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る、例えばその他の検査ステップのうちの少なくとも1つの検査ステップの前に若しくは後に又は当該検査ステップと同時に実行され得る。
【0041】
これらの許容値CA,CB,CCの各許容値が、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る、例えば、それぞれの前記上部静電容量C0a,C0b,C0c又は前記上部静電容量C0a,C0b,C0cの平均値の0.001%又は0.002%又は0.003%又は0.004%又は0.005%又は0.007%又は0.01%又は0.012%又は0.015%又は0.02%に相当する値に設定され得る。この平均値は、必要に応じて任意に選択され得る、例えば算術平均又は幾何平均又は調和平均又は平方平均として選択され得る。これらの許容値の各許容値及びその他の複数の許容値のうちの少なくとも1つの許容値が、同じでもよく又は同じでなくてもよい。許容値CA,CB,CCが、例えば第1評価又は以下でさらに説明する第3評価に対して既に一度決定されてある場合は、これらの許容値CA,CB,CCは、特にこの第2評価に対しても引き継げられ得る。
・その他の場合は、少なくとも2つのコンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成されることが提唱され得る。
【0042】
したがって、第2評価ステップが評価した結果として、検査された場合が存在しない場合は、この監視信号が生成される。
・許容値CA>0,CB>0,CC>0が、前記静電容量の比較に対して決定され、
・前記静電容量の比較の結果として、C0a’−C0a>CA及びC0b’−C0b<−CB及び|C0c’−C0c|≦CCが成立する場合は、前記第1及び前記第3コンデンサブッシングが正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成、
・前記静電容量の比較の結果として、C0b’−C0b>CB及びC0c’−C0c<−CC及び|C0a’−C0a|≦CAが成立する場合は、前記第2及び前記第1コンデンサブッシングが正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成され、
・前記静電容量の比較の結果として、C0c’−C0c>CC及びC0a’−C0a<−CA及び|C0b’−C0b|≦CBが成立する場合は、前記第3及び前記第2コンデンサブッシングが正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成されることが提唱され得る。
【0043】
したがって、当該複数の許容値の決定後に、前記複数の静電容量の比較が、3つの、第3評価又は第3評価ステップとも記される検査ステップで評価され、この第3評価ステップの結果によって決まる監視信号が生成される。これらの検査ステップの各検査ステップが、必要に応じて任意の種類及び方式で実行され得る、例えばその他の検査ステップのうちの少なくとも1つの検査ステップの前に若しくは後に又は当該検査ステップと同時に実行され得る。
【0044】
これらの許容値CA,CB,CCの各許容値が、必要に応じて任意の種類及び方式で決定され得る、例えば、それぞれの上部静電容量C0a,C0b,C0c又は上部静電容量C0a,C0b,C0cの平均値の0.001%又は0.002%又は0.003%又は0.004%又は0.005%又は0.007%又は0.01%又は0.012%又は0.015%又は0.02%に相当する値に設定され得る。この平均値は、必要に応じて任意に選択され得る、例えば算術平均又は幾何平均又は調和平均又は平方平均として選択され得る。これらの許容値の各許容値及びその他の複数の許容値のうちの少なくとも1つの許容値が、同じでもよく又は同じでなくてもよい。許容値CA,CB,CCが、例えば第1評価又は第2評価に対して既に一度決定されてある場合は、これらの許容値CA,CB,CCは、特にこの第2評価に対しても引き継げられ得る。
【0045】
本発明は、第2の観点にしたがって三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための設備を提唱する。この場合、各コンデンサブッシングが、当該交流電源の複数の電力線のうちの1つの電力線に接続されている1つの導体と、この導体を包囲する導電性の1つの内層とを有する。この場合、当該設備は、特に上記に提唱されている複数の方法のうちの1つの方法を実行するために構成されていて及び/又は適していて及び/又は使用され、
・1つの測定装置を有するか又は含み、
・1つの第1電気測定変数を検出し及び/又は測定するために、当該それぞれの相に属するコンデンサブッシングの内層に接続され得、当該測定装置に接続されている1つの測定アダプタを各相に対して有するか又は含み、
・当該第1測定変数を1つの評価装置に伝送するために当該測定装置に接続されている当該評価装置を有するか又は含む。
【0046】
当該複数の第1測定変数を1つの評価装置内で一緒にすることによって、中央監視を提供すること、したがって全てのコンデンサブッシングの監視時の交流電源の全ての線における電源電圧の変動を検出することが可能である。したがって、これらのコンデンサブッシングの確実な監視が保証される。
【0047】
当該第2の観点にしたがって提唱されるこの設備は、当該複数のコンデンサブッシングの連続する監視を可能にする。
【0048】
上記に提唱されている複数の方法のうちの、例えば1つの方法が、当該第2の観点にしたがって提唱されている設備によって実行され得る。
【0049】
当該第2の観点にしたがって提唱されている設備は、必要に応じて任意の種類及び方式で構成され得る、例えば少なくとも1つの別の測定装置及び/又は少なくとも1つの別の測定アダプタ及び/又は少なくとも1つの別の評価装置を有してもよい。例えば、固有の1つの測定装置及び/又は固有の1つの評価装置が、各測定アダプタに対して設けられ得る。この代わりに、当該測定装置が、共通の測定装置として少なくとも2つの測定アダプタに対して又は全ての測定アダプタに対して構成されてもよい。
【0050】
当該評価装置は、必要に応じて任意の種類及び方式で構成され得る、例えば共通の評価装置として少なくとも2つの測定装置に対して又は全ての測定アダプタに対して構成され得る。この代わりに又はこれに加えて、当該評価装置は、例えば、1つの上位評価装置と各相に対して固有の1つの下位評価装置とを有してもよい。当該固有の1つの下位評価装置は、当該それぞれの相に属する測定装置と当該上位評価装置とに接続されている。
【0051】
当該電力線は、必要に応じて任意の種類及び方式で構成され得る、例えば高電圧線として構成され得る。
【0052】
好ましくは、当該第2の観点にしたがって提唱されている設備が、上記に提唱されている複数の方法のうちの1つの方法及び/又は複数の方法を実行できるように、当該設備は構成されている。
【0053】
当該第2の観点にしたがって提唱されている設備が、各相に対して1つの電圧変換器を有するか又は含むことが提唱され得る。
・当該電圧変換器は、第2電気測定変数を検出及び/又は測定するために当該それぞれの相に属する電力線に接続され得る。そして当該電圧変換器は、当該第2測定変数を当該評価装置に伝送するために当該評価装置に接続されている。
【0054】
当該電圧変換器を用いて当該電力線で検出される当該第2測定変数を使用することによって、例えば過渡現象又は非対称性のような、当該電源電圧の経時変化及び/又は変動及び/又は当該電源電圧の比の経時変化及び/又は変動が、検出及び/又は識別され得、例えば当該第1測定変数と比較され得る、及び/又は当該第1測定変数の経時変化及び/又は変動と比較され得る。したがって、当該電源電圧の変化及び/又は変動を考慮及び/又は評価したコンデンサブッシングの確実な監視が保証される。
【0055】
当該評価装置は、必要に応じて任意の種類及び方式で構成され得る、例えば共通の評価装置として少なくとも2つの測定装置に対して又は全ての測定装置に対して及び/又は少なくとも2つの電圧変換器に対して又は全ての電圧変換器に対して構成され得る。この代わりに又はこれに加えて、当該評価装置は、例えば、1つの上位評価装置と各相に対して固有の1つの下位評価装置とを有してもよい。当該固有の1つの下位評価装置は、当該それぞれの相に属する測定装置と当該それぞれの相に属する電圧変換器と当該上位評価装置とに接続されている。
・各電圧変換器が、静電容量式の電圧変換器として又は電磁誘導式の電圧変換器として又は抵抗式の電圧変換器として構成されていることが提唱され得る。
【0056】
各電圧変換器は、必要に応じて任意の種類及び方式で構成され得るか及び/又は適切な異なる原理によって構成され得る。各電圧変換器は、例えば電磁誘導式に及び/又は静電容量式に及び/又は抵抗式に構成され得るか及び/又は電磁誘導式及び/又は静電容量式及び/又は抵抗式の構成要素及び/又は構成部品を有してもよい。好ましくは、各電圧変換器は、直列に接続されている2つのコンデンサを有する静電容量式の1つの分圧器と、変圧器として電磁誘導式に電気絶縁するために接続されている2つのコイル又は巻線とを備える。
・当該1つの測定装置又は当該複数の測定装置のうちの少なくとも1つの測定装置が、少なくとも1つの測定コンデンサを有することが提唱され得る。
【0057】
当該複数の測定コンデンサのうちの少なくとも1つの測定コンデンサの静電容量は、特に、当該それぞれの外側コンデンサの静電容量よりも複数倍だけ大きい。
【0058】
一般に、当該測定コンデンサの静電容量は、1〜5μFである。しかし、当該静電容量は、必要に応じて別の値を有してもよく、例えば0.1μF〜50μF又は0.2μF〜20μF又は0.5μF〜10μFである。
【0059】
当該測定コンデンサの静電容量は、必要に応じて任意に選択され得る。したがって、例えば、各相において、1つの測定アダプタが、この測定アダプタだけに割り当てられている固有の1つの測定コンデンサに接続されていて、これらの3つの測定コンデンサが、共通の1つの測定装置内に統合されているか又はこれらの測定アダプタに割り当てられている固有の3つの測定装置に配分されている場合は、これらの3つの測定コンデンサの静電容量は同じでもよく、又は、これらの静電容量のうちの2つの静電容量が同じであり、第3の静電容量が同じでもよく、又は、全ての3つの静電容量が同じでなくてもよい。これらの3つの静電容量は、互いに、例えば1:2:3又は1:2:4又は1:2:5又は1:3:5又は1:3:7又は1:3:9又は1:4:7又は1:4:9の比であってもよい。
・当該複数の第1測定変数はそれぞれ、当該それぞれの相の下部電圧コンデンサで発生する電圧であることが提唱され得る。
【0060】
各下部電圧コンデンサは、必要に応じて任意に構成され得、例えば、ここでは下部静電容量と記される静電容量は、0.1μF〜50μF又は0.2μF〜20μF又は0.5μF〜10μF又は1μF〜5μFである。この代わりに又はこれに加えて、これらの下部静電容量の各下部静電容量とその他の下部静電容量のうちの少なくとも1つの下部静電容量とが、同じでもよく又は同じでなくてもよい。例えば、互いに、例えば1:2:3又は1:2:4又は1:2:5又は1:3:5又は1:3:7又は1:3:9又は1:4:7又は1:4:9の比であってもよい。
・当該複数の第2測定変数はそれぞれ、当該それぞれの電力線と接地電位との間に存在する電圧であることが提唱され得る。
【0061】
これらの電圧は、ここでは電源電圧とも記される。
・当該評価装置が、各コンデンサブッシングに対して、当該それぞれの測定電圧と当該それぞれのコンデンサブッシングの下部静電容量とによって決まり、且つ当該測定電圧とその他の複数のコンデンサブッシングのうちの1つのコンデンサブッシングの下部静電容量及び上部静電容量とによって決まる実際の静電容量を計算できるように、この評価装置は構成されていることが提唱され得る。
・当該評価装置が、各コンデンサブッシングに対して、当該それぞれの上部静電容量を当該それぞれの実際の静電容量と比較できるように、この評価装置は構成されていることが提唱され得る。
【0062】
本発明は、第3の観点にしたがって三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための設備を提唱する。この場合、各コンデンサブッシングが、当該交流電源の複数の電力線のうちの1つの電力線に接続されている1つの導体と、この導体を包囲する導電性の1つの内層とを有する。この場合、当該設備は、特に上記の第2の観点にしたがって提唱されている複数の設備のうちの1つの設備のように構成されていて、
・手段が、各コンデンサブッシングで、当該それぞれの内層と接地電位との間に存在する測定電圧U1a,U1b,U1cを検出及び/又は測定するように構成されている当該手段、及び/又は当該検出及び/又は測定をするために使用される当該手段、及び/又は当該検出及び/又は測定のために適する当該手段を有するか又は含み、
・手段が、各コンデンサブッシングに対して、当該それぞれの測定電圧U1a,U1b,U1cと当該それぞれのコンデンサブッシングの下部静電容量C1a,C1b,C1cとによって決まり、且つ当該測定電圧U1b,U1c,U1aとその他の2つのコンデンサブッシングのうちの1つのコンデンサブッシングの下部静電容量C1b,C1c,C1a及び上部静電容量C0b,C0c,C0aとによって決まる実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′を計算するように構成されている当該手段、及び/又は当該計算をするために使用される当該手段、及び/又は当該計算のために適する当該手段を有するか又は含み、
・手段が、各コンデンサブッシングに対して、当該それぞれの上部静電容量C0a,C0b,C0cを当該それぞれの実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′と比較するように構成されている当該手段、及び/又は当該比較をするために使用される当該手段、及び/又は当該比較のために適する当該手段を有するか又は含み、
・手段が、当該複数の静電容量の比較によって決まる監視信号を生成するように構成されている当該手段、及び/又は当該生成をするために使用される当該手段、及び/又は当該生成のために適する当該手段を有するか又は含む。
【0063】
当該複数の測定電圧を検出するために、これらの測定電圧を当該複数の手段内で一緒にすることによって、中央監視を提供すること、したがって全てのコンデンサブッシングの監視時の交流電源の全ての線における電源電圧の変動を検出することが可能である。したがって、これらのコンデンサブッシングの確実な監視が保証される。
【0064】
当該第3の観点にしたがって提唱されているこの設備は、当該複数のコンデンサブッシングの上部静電容量と当該上部静電容量の実際の静電容量とをその動作中に互いに比較し得る。このことは、ここでは複数の静電容量の比較とも記される。実際の静電容量が変化する場合、対応するコンデンサブッシングの損傷が推測され得る。
【0065】
当該第3の観点にしたがって提唱されているこの設備は、当該複数のコンデンサブッシングの連続する監視を可能にする。
【0066】
上記に提唱されている複数の方法のうちの、例えば1つの方法が、当該第3の観点にしたがって提唱されているこの設備によって実行され得る。
【0067】
当該第3の観点にしたがって提唱されているこの設備は、例えば第2の観点にしたがって提唱されている複数の設備のうちの1つの設備のように、必要に応じて任意に構成され得る。
【0068】
当該測定電圧を検出するための手段は、必要に応じて任意に構成され得る、例えば当該実際の静電容量の静電容量を計算するための手段及び/又は当該複数の静電容量を比較するための手段に接続され得、及び/又は1つの測定装置を有し、及び/又は各相に対して1つの測定アダプタを有する。この測定アダプタは、当該それぞれの測定電圧を検出及び/又は測定するために、当該それぞれの相に属するコンデンサブッシングの内層に接続され得、この測定装置に接続されている。
【0069】
当該実際の静電容量を計算するための手段は、任意に構成され得る、例えば当該測定電圧を検出するための手段及び/又は当該複数の静電容量を比較するための手段に接続され得、及び/又は当該測定電圧を当該評価装置に伝送するために、当該測定装置に接続されている1つの評価装置を有する。
【0070】
例えば、固有の1つの測定装置及び/又は固有の1つの評価装置は、各測定アダプタに対して設けられ得る。この代わりに、当該測定装置は、共通の測定装置として少なくとも2つ又は全ての測定アダプタに対して構成され得る。
【0071】
当該複数の静電容量を比較するための手段は、必要に応じて任意に構成され得る、例えば測定電圧を検出するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段に接続され得る、及び/又は、当該評価装置は、実際の静電容量を計算するための手段及び/又は固有の1つの評価装置を有し、及び/又は実際の静電容量を計算するための手段と一緒に共通の1つの手段に統合され得るか又は組み合わせされ得るか、又は実際の静電容量を計算するための手段によって実現され得るか、又は実際の静電容量を計算するための手段内に含み得るか、又は実際の静電容量を計算するための手段を含み得る。
【0072】
当該監視信号を生成するための手段は、必要に応じて任意に構成され得る、例えば、静電容量を比較するための手段に接続され得る、及び/又は少なくとも1つの音響信号送信器及び/又は少なくとも1つの光学信号送信器及び/又は少なくとも1つの電子信号送信器を有し得る、及び/又は実際の静電容量を計算するための手段内に含み得る、及び/又は複数の静電容量を比較するための手段内に含み得る。
【0073】
当該第3の側面にしたがって提唱されている設備は、
・手段が、各相の電源電圧Ua,Ub,Ucを検出及び/又は測定するように構成されている当該手段、及び/又は当該検出及び/又は測定をするために使用される当該手段、及び/又は当該検出及び/又は測定のために適する当該手段をさらに有するか又は含み、
・手段が、当該複数の電源電圧を互いに比較するように構成されている当該手段、及び/又は当該比較をするために使用される当該手段、及び/又は当該比較のために適する当該手段をさらに有するか又は含み、
・当該電圧の比較の結果として、電源電圧Ua,Ub,Ucが、既定の範囲UAB,UBC,UCAから外れていない場合は、手段が、実際の静電容量の計算、これらの静電容量の比較及び監視信号の生成を指示又は実行又は遂行又は開始するように構成されている当該手段、及び/又は当該指示又は実行又は遂行又は開始をするために使用される当該手段、及び/又は当該指示又は実行又は遂行又は開始のために適する当該手段をさらに有するか又は含むことが提唱され得る。
【0074】
当該電源電圧を使用することによって、例えば過渡現象又は非対称性のような、当該電源電圧の経時変化及び/又は変動が、検出及び/又は識別され得、例えば当該測定電圧と比較され得る、及び/又は当該測定電圧の経時変化及び/又は変動と比較され得る。したがって、当該電源電圧の変化及び/又は変動を考慮及び/又は評価したコンデンサブッシングの確実な監視が保証される。
【0075】
ここでは電圧の比較とも記される当該複数の電源電圧のこの比較は、上記の実際の監視、すなわち実際の静電容量の計算と静電容量の比較と監視信号の生成とが非常に有益又は良好である時期が決定されることを可能にする。何故なら、当該実際の監視は、既定の範囲から互いに外れる電源電圧によって妨害されず又は阻止されず又は完全に不可能にされないからである。したがって、当該複数の電源電圧の変動と、当該複数の測定電圧の検出時の測定許容誤差とに関係なく、当該複数のコンデンサブッシングの状態に関するより良好な情報が取得され得ることが達成される。
【0076】
例えば、非対称性とも記される電圧比の経時変化が、当該複数の電源電圧を考慮することによって検出され得る。したがって、コンデンサブッシングで測定された測定電圧の対応する偏差が、少なくとも部分的に補正され得る。したがって、コンデンサブッシングの確実な監視が、当該複数の電源電圧の偏差及びノイズを考慮し評価することで保証される。
【0077】
上記の実際の静電容量の計算の指示、静電容量の比較の指示及び監視の指示をするための手段は、ここでは略記して指示するための手段とも記される。
【0078】
上記の電源電圧を検出するための手段は、必要に応じて任意に構成され得る、例えば当該電圧を比較するための手段に接続され得、及び/又は各相に対して1つの電圧変圧器を有する。この電圧変圧器は、当該それぞれの測定電圧を検出及び/又は測定するために、当該それぞれの相に属する電力線に接続され得る。当該手段は、例えば、実際の静電容量を計算するための手段及び/又は複数の静電容量を比較するための手段にさらに接続され得る。
【0079】
上記の電圧を比較するための手段は、必要に応じて任意に構成され得る、例えば電源電圧を検出するための手段及び/又は当該指示のための手段に接続され得る、及び/又は、評価装置が、実際の静電容量を計算するための手段に接続され得る、及び/又は、評価装置が、静電容量を比較するための手段に接続され得る、及び/又は、上記の電圧を比較するための手段は、電源電圧を検出するための手段及び/又は電圧変換器に接続されている固有の1つの評価装置を有する。上記の電圧を比較するための手段は、例えば実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段にさらに接続され得る。この代わりに又はこれに加えて、上記の電圧を比較するための手段は、実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は当該指示のための手段と一緒に、共通の1つの手段に統合され得るか又は組み合わせされ得るか、又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は当該指示のための手段によって実現され得るか、又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は当該指示のための手段内に含められ得るか、又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は当該指示のための手段を含み得る。
【0080】
上記の指示のための手段は、必要に応じて任意に構成され得る、例えば電圧を比較するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は監視信号の生成するための手段に接続され得る、及び/又は、評価装置が、電圧を比較するための手段に接続され得る、及び/又は、評価装置が、実際の静電容量を計算するための手段に接続され得る、及び/又は、評価装置が、静電容量を比較するための手段に接続され得る、及び/又は、上記の指示のための手段は、電圧を比較するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は監視信号の生成するための手段に接続されている固有の1つの評価装置を有する。この代わりに又はこれに加えて、上記の指示のための手段は、電圧を比較するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段及び/又は監視信号の生成するための手段と一緒に、共通の1つの手段に統合され得るか又は組み合わせされ得るか、又は電圧を比較するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段によって実行され得るか、又は電圧を比較するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段内に含められ得るか、又は電圧を比較するための手段及び/又は実際の静電容量を計算するための手段及び/又は静電容量を比較するための手段を含み得る。
・上記に提唱されている複数の設備のうちの各設備が、上記に提唱されている複数の方法のうちの1つの方法を実行し得るように、当該各設備は、構成されていて及び/又は当該実行のために使用され及び/又は当該実行に適する。
【0081】
上記の第1の観点にしたがって提唱されているそれぞれの方法と、上記の第2又は第3の観点にしたがって提唱されているそれぞれの設備は、比較的大きい測定許容誤差及び/又は測定精度を有し、特に同じ公差等級及び/又は精度等級に属され、特に同一に構成されている電圧変換器の使用を可能にする。
【0082】
これに応じて、本発明の複数の観点のうちの1つの観点に対する、特にこの観点の個々の特徴に対する記述及び説明は、本発明のその他の観点に対しても成立する。
【0083】
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳しく説明する。しかしながら、これらに起因する個々の特徴は、個々の実施の形態に限定されないで、上記の個々の特徴とさらに結合及び/又は組み合わせされてもよく、及び/又はその他の実施の形態の個々の特徴と結合及び/又は組み合わせされてもよい。図面中の詳細は、説明にすぎず、限定するものと解釈すべきでない。特許請求の範囲に記載されている符号は、本発明の保護範囲を限定するものではなくて、図面中に示された実施の形態だけを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための設備の実施の形態を示す。
図2図1の設備の一部を示す。
図3】上部電圧コンデンサと下部電圧コンデンサとから構成される等価回路を示す。
図4】三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法の実施の形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1には、三相交流電源用のコンデンサブッシング2a,2b,2cを監視するための設備1の実施の形態が概略的に示されている。この実施の形態では、コンデンサブッシング2a,2b,2cが、ここでは図示されない変圧器に属する。当該変圧器は、ここでは例えば高電圧変圧器である。このようなコンデンサブッシング2a,2b,2cは、例えば、数kVから数1000kVまでの範囲内の高い電圧で使用される。当該交流電源は、例えば高電圧電源である。当該3つのコンデンサブッシング2a,2b,2cの各コンデンサブッシングが、当該交流電源の3つの相Pa,Pb,Pcの1つの相に割り当てられていて、1つの導体4と導電性の複数の内層とを有する。この導体4は、当該交流電源のそれぞれの電力線5a,5b,5cに接続されている。これらの内層は、この導体4を複数の層又はフィルム状に包囲し、これらの内層4のうちの最も外側の内層3だけが示されている。
【0086】
設備1は、評価装置8を有し、各相Pa,Pb,Pcに対して測定装置7と測定アダプタ6とを有する。それぞれの相Pa,Pb,Pcに対する第1電気測定変数を検出するため、測定アダプタ6は、当該それぞれの相に属するコンデンサブッシング2a,2b,2cの内層3に接続されていて、且つそれぞれの相Pa,Pb,Pcに接続されている。これらの第1測定変数は、ここでは電圧である。当該電圧は、さらに以下で説明されていて且つ図3に示された、それぞれの相Pa,Pb,Pcの下部電圧コンデンサKU1,KU2,KU3に印加されていて、ここでは測定電圧U1a,U1b,U1cとも記される。評価装置8は、測定電圧U1a,U1b,U1cをこの評価装置8に伝達するために各測定装置7に接続されていて、したがって全ての測定装置7に対する共通の1つの評価装置8を構成する。
【0087】
この実施の形態では、それぞれの相Pa,Pb,Pcに対する第2電気測定変数を検出するため、設備1は、各相Pa,Pb,Pcごとに、それぞれの電力線5a,5b,5cに接続されている電圧変換器9a,9b,9cをさらに有する。これらの第2測定変数は、ここでは電圧である。これらの電圧はそれぞれ、それぞれの電力線5a,5b,5cと接地電位13とに印加されていて、ここでは電源電圧Ua,Ub,Ucとも記される。評価装置8は、電源電圧Ua,Ub,Ucをこの評価装置8に伝達するために各電圧変換器9a,9b,9cに接続されていて、したがって全ての電圧変換器9a,9b,9cに対する共通の1つの評価装置8を構成する。
【0088】
評価装置8が、コンデンサブッシング2a,2b,2cの監視時に電力線5a,5b,5c上の電源電圧Ua,Ub,Ucの非対称性及び/又は変動を監視するという可能性が、設備1によって提供される。
【0089】
図2には、設備1の、第1相Paに割り当てられている第1部分が詳しく示されている。設備1の、第2相Pbに割り当てられた第2部分と第3相cに割り当てられた第3部分とが、この第1部分に同様に対応する。その結果、当該第1部分に対する説明及び解説はそれぞれ、これらの双方の別の部分に対しても同様に成立する。
【0090】
第1相Paに割り当てられたコンデンサブッシング2aが、絶縁本体11を有する。導体4が、この絶縁本体11の内側に敷設されている。この導体4は、その上端部でそのコンデンサブッシング2aに割り当てられた電力線5aに接触し、その下端部でここでは図示されない高電圧変圧器の巻線に接触する。導電性の複数の内層が、絶縁本体11内に埋設されている。これらの内層は、ここでは最も外側の内層3だけによって示されていて、電気的に見て複数のコンデンサから成る直列回路を構成する。この直列回路は、隣接した2つの内層によってそれぞれ形成された複数のコンデンサと、ここでは図示されない最も内側の内層と導体4とによって形成される1つのコンデンサとを有する。最も外側の内層3と導体4との間の複数のコンデンサから成るこの直列回路は、各コンデンサブッシング2a,2b,2cに対する等価回路として、上部静電容量C0a,C0b,C0cと記される静電容量を有する、対応する1つの上部電圧コンデンサKO1,KO2,KO3を構成する。
【0091】
アース電位又は接地電位13にされている導電性のフランジ12が、コンデンサブッシング2aに配置されている。このフランジ12は、コンデンサブッシング2aを固定及び/又は保護するために使用される。最も外側の内層3が、フランジ12及び接地電位13と一緒に、各コンデンサブッシング2a,2b,2cに対する等価回路として、静電容量CA1,CA2,CA3を有する、対応する外側コンデンサKA1,KA2,KA3を構成する。
【0092】
測定アダプタ6が、絶縁本体11を貫通し、最も外側の内層3に向かう導電性の結合部を生成する。測定電圧U1aを検出し、評価装置8に伝達できるようにするため、この測定アダプタ6は、それぞれの測定装置7を介して評価装置8に導電性に接続されている。この実施の形態では、各測定装置7が、接地電位13に接続されている、静電容量CM1,CM2,CM3を有する1つの測定コンデンサKM1,KM2,KM3を備える。当該測定装置7は、必要に応じて、それぞれの測定コンデンサKM1,KM2,KM3に対して並列に接続されている図示されない無線伝送路、及び/又はそれぞれの測定コンデンサKM1,KM2,KM3に対して並列に接続されている過電圧保護装置7′をさらに有してもよい。
【0093】
評価装置8は、電圧変換器9aを介して電力線5aに導電性に接続されている。電力線5aと接地電位13との間に存在する電圧Uaが、この接続によって検出される。この実施の形態では、電圧変換器9aは、静電容量型電圧変換器として構成されていて、直列に接続された2つのコンデンサK1,K2を有する静電容量式分圧器と、電磁誘導式に電気絶縁するための変圧器として接続されている2つのコイル又は巻線W1,W2とを備える。
【0094】
設備1が、三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法を実行するのに、この設備1は適し、及び/又は、設備1が、三相交流電源用のコンデンサブッシングを監視するための方法を実行するように、この設備1は構成され得る。以下に、このような方法の実施の形態をさらに説明する。
【0095】
図3には、それぞれの下部電圧コンデンサKU1とそれぞれの上部電圧コンデンサKO1とから構成される等価回路が、第1相Paに対して概略的に示されている。それぞれの測定コンデンサKM1と外側コンデンサKA1とを有する並列回路が、下部静電容量C1を有する下部電圧コンデンサKU1を構成する。それ故に、この静電容量C1は、複数のコンデンサから成る直列回路に対する既知の式を用いて、測定コンデンサKM1の静電容量CM1と外側コンデンサKA1の静電容量CA1とから容易に計算され得る。必要に応じて、当該並列回路は、測定コンデンサKM1の代わりに、それぞれの測定装置7の全体を有してもよく、及び/又は評価装置8をさらに有してもよい。その結果、このとき、静電容量CA1が、静電容量CM1によって決まる測定装置7のインピーダンスと静電容量CA1と評価装置8のインピーダンスとから計算される必要がある。
【0096】
測定電圧U1aが、上述したように、下部電圧コンデンサKU1に発生し、下部電圧コンデンサKU1と上部電圧コンデンサKO1との間の接続線又は接続点で測定され、接地電位13に対して印加されている。電源電圧Uaが、上部電圧コンデンサKO1と下部電圧コンデンサKU1とから構成される直列回路上で降下する。
【0097】
図4には、三相交流電源用のコンデンサブッシング2a,2b,2cを監視するための方法の実施の形態のフローチャートが概略的に示されている。この方法は、例えば図1の設備1によって及び/又は図1の設備1を使って実行され得る。
【0098】
この実施の形態では、当該方法は、設備1並びに図1及び図2に関して説明される以下の複数のステップを有する:
ステップ101:方法の開始。
【0099】
ステップ102:上部静電容量C0a,C0b,C0c及び下部静電容量C1a,C1b,C1cが、各コンデンサブッシング2a,2b,2cに対して決定される。これらの静電容量は、固定値として格納されている。
【0100】
ステップ103:測定電圧U1a,U1b,U1cが、各コンデンサブッシング2a,2b,2cで検出される。電源電圧Ua,Ub,Ucが、各相Pa,Pb,Pcに対して検出される。
【0101】
ステップ104:電源電圧Ua,Ub,Ucが、実効値Uae,Ube,Uceに換算され、互いに比較される。
【0102】
この実施の形態では、電圧を比較するための許容値UAB>0,UBC>0,UCA>0が決定され、
|Uae−Ube|≦UAB及び|Ube−Uce|≦UBC及び|Uce−Uae|≦UCA
が成立するか否かが検査されるように、当該電圧の比較が実行されることが提唱されている。
【0103】
はいの場合、このことは、当該電圧の比較の結果として、電源電圧Ua,Ub,Ucが既定の範囲UAB,UBC,UCAから外れていないことを意味する。この場合には、ステップ106が実行される。
【0104】
いいえの場合、このことは、当該電圧の比較の結果として、電源電圧Ua,Ub,Ucが既定の範囲UAB,UBC,UCAから外れていることを意味する。この場合には、ステップ105が実行される。
【0105】
ステップ105:当該電源の短絡及び/又は電源電圧Ua,Ub,Ucの非常に強い若しくは過度な非対称性を知らせる警告信号が生成される。引き続き、ステップ103へのジャンプが実行される。
【0106】
ステップ106:それぞれの下部静電容量C1a,C1b,C1cのそれぞれの測定電圧U1a,U1b,U1cによって決まり、且つその他の複数のコンデンサブッシングのうちの1つのコンデンサブッシング2b,2c,2aの下部静電容量C1b,C1c,C1aと上部静電容量C0b,C0c,C0aとの測定電圧U1b,U1c,U1aによって決まる実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′が、各コンデンサブッシング2a,2b,2cに対して計算される。
【0107】
この実施の形態では、コンデンサブッシング2a,2b,2cの実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′が、以下の複数の式によって計算される。
【0108】
【数4】
【0109】
この場合、Kaは、補正値であり、Ka=Ub/Uaが、この補正値に対して成立する。
【0110】
【数5】
【0111】
この場合、Kbは、補正値であり、Kb=Uc/Ubが、この補正値に対して成立する。
【0112】
【数6】
【0113】
この場合、Kcは、補正値であり、Kc=Ua/Ucが、この補正値に対して成立する。
【0114】
ステップ107:各コンデンサブッシング2a,2b,2cに対して、それぞれの上部静電容量C0a,C0b,C0cが、それぞれの実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′と比較される。
【0115】
この実施の形態では、許容値CA>0,CB>0,CC>0が、当該複数の静電容量の比較に対して決定され、
|C0a’−C0a|≦CA及び|C0b’−C0b|≦CB及び|C0c’−C0c|≦CC
が成立するか否かが、最初に検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行されることが提唱されている。はいの場合、ステップ108が実行される。いいえの場合、ステップ109が実行される。
【0116】
ステップ108:コンデンサブッシング2a,2b,2cが正常な状態にあることを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ103へのジャンプが実行される。
【0117】
ステップ109:さらに、
C0a’−C0a<−CA及びC0b’−C0b>CB及び|C0c’−C0c|≦CC
が成立するか否かが検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行される。はいの場合、ステップ110が実行される。いいえの場合、ステップ111が実行される。
【0118】
ステップ110:少なくとも第2コンデンサブッシング2bが正常な状態にないことを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ122へのジャンプが実行される。
【0119】
ステップ111:さらに、
C0b’−C0b<−CB及びC0c’−C0c>CC及び|C0a’−C0a|≦CA
が成立するか否かが検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行される。はいの場合、ステップ112が実行される。いいえの場合、ステップ113が実行される。
【0120】
ステップ112:少なくとも第3コンデンサブッシング2cが正常な状態にないことを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ122へのジャンプが実行される。
【0121】
ステップ113:さらに、
C0c’−C0c<−CC及びC0a’−C0a>CA及び|C0b’−C0b|≦CB
が成立するか否かが検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行される。はいの場合、ステップ114が実行される。いいえの場合、ステップ115が実行される。
【0122】
ステップ114:少なくとも第1コンデンサブッシング2aが正常な状態にないことを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ122へのジャンプが実行される。
【0123】
ステップ115:少なくとも2つのコンデンサブッシングが正常な状態にないことを示す監視信号が生成される。
【0124】
ステップ116:さらに、
C0a’−C0a>CA及びC0b’−C0b<−CB及び|C0c’−C0c|≦CC
が成立するか否かが検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行される。はいの場合、ステップ117が実行される。いいえの場合、ステップ118が実行される。
【0125】
ステップ117:第1及び第3コンデンサブッシング2a,2cが正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ122へのジャンプが実行される。
【0126】
ステップ118:さらに、
C0b’−C0b>CB及びC0c’−C0c<−CC及び|C0a’−C0a|≦CA
が成立するか否かが検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行される。はいの場合、ステップ119が実行される。いいえの場合、ステップ120が実行される。
【0127】
ステップ119:第2及び第1コンデンサブッシング2b,2aが正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ122へのジャンプが実行される。
【0128】
ステップ120:さらに、
C0c’−C0c>CC及びC0a’−C0a<−CA及び|C0b’−C0b|≦CB
が成立するか否かが検査されるように、当該複数の静電容量の比較が実行される。はいの場合、ステップ119が実行される。いいえの場合、ステップ120が実行される。はいの場合、ステップ121が実行される。いいえの場合、ステップ122が実行される。
【0129】
ステップ121:第3及び第2コンデンサブッシング2c,2bが正常な状態になく、同じ欠陥を有することを示す監視信号が生成される。引き続き、ステップ122へのジャンプが実行される。
【0130】
ステップ122:少なくとも2つのコンデンサブッシングが正常な状態にないことを示し、同じでない欠陥を有することを示す監視信号が生成される。引き続き、当該方法が終了され、必要に応じて、ステップ103へのジャンプが実行される。
【0131】
ステップ102は、例えば評価装置8によって実行され得る。
【0132】
ステップ103は、例えば、一方では測定アダプタ6、測定装置7及び評価装置8によって実行され得、他方では電圧変換器9a,9b,9c及び評価装置8によって実行され得る。したがって、測定アダプタ6、測定装置7及び評価装置8が、各コンデンサブッシング2a,2b,2cで、それぞれの内層3と接地電位13との間に存在する測定電圧U1a,U1b,U1cを検出するように構成されている手段を、この測定アダプタ6、この測定装置7及びこの評価装置8は一緒に構成する。したがって、電圧変換器9a,9b,9c及び評価装置8が、各相Pa,Pb,Pcの電源電圧Ua,Ub,Ucを検出するように構成されている手段を、この電圧変換器9a,9b,9c及びこの評価装置8は一緒に構成する。
【0133】
ステップ104及び105は、例えば評価装置8によって実行され得る。したがって、評価装置8が電源電圧Ua,Ub,Ucを互いに比較するように構成されている手段を、この評価装置8は構成する。
【0134】
ステップ106は、例えば評価装置8によって実行され得る。したがって、評価装置8が、各コンデンサブッシング2aに対して実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′を計算するように構成されている手段を、この評価装置8は構成する。実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′は、それぞれのコンデンサブッシング2a,2b,2cの下部静電容量C1a,C1b,C1cのそれぞれの測定電圧U1a,U1b,U1cと、その他の複数のコンデンサブッシング2b,2c,2aのうちの1つのコンデンサブッシングの下部静電容量C1b,C1c,C1aと上部静電容量C0b,C0c,C0aとの測定電圧U1b,U1c,U1aとによって決まる。
【0135】
ステップ107,109,111,113,116,118,120は、例えば評価装置8によって実行され得る。したがって、評価装置8が、各コンデンサブッシング2a,2b,2cに対して、それぞれの上部静電容量C0a,C0b,C0cをそれぞれの実際の静電容量C0a′,C0b′,C0c′と比較するように構成されている手段を、この評価装置8は構成する。
【0136】
ステップ108,110,112,114,115,117,119,121,122は、例えば評価装置8によって実行され得る。したがって、評価装置8が、当該複数の静電容量の比較の結果によって決まる監視信号を生成するように構成されている手段を、この評価装置8は構成する。
【符号の説明】
【0137】
1 設備
2a,2b,2c コンデンサブッシング
3 内層
4 導体
5a,5b,5c 電力線(電源線)
6 測定アダプタ
7 測定装置
7′ 過電圧保護装置
8 評価装置
9a,9b,9c 電圧変換器
11 絶縁本体
12 フランジ
13 接地電位
K1,K2 コンデンサ
W1,W2 巻線
Pa,Pb,Pc 第1相、第2相、第3相
Ua,Ub,Uc 電源電圧(配電電圧)
Uae,Ube,Uce 電源電圧の実効値
SP1,SP2,SP3 分圧器
KO1,KO2,KO3 第1、第2、第3上部電圧コンデンサ
KU1,KU2,KU3 第1、第2、第3下部電圧コンデンサ
KA1,KA2,KA3 第1、第2、第3外側コンデンサ
KM1,KM2,KM3 第1、第2、第3測定コンデンサ
C0a,C0b,C0c KO1,KO2,KO3の上部静電容量
C0a′,C0b′,C0c′ KO1,KO2,KO3の実際の静電容量
C1a,C1b,C1c KU1,KU2,KU3の下部静電容量
CA1,CA2,CA3 KA1,KA2,KA3の静電容量
CM1,CM2,CM3 KM1,KM2,KM3の静電容量
U1a,U1b,U1c 6の測定電圧
Ka,Kb,Kc 補正値
CA,CB,CC 静電容量の比較に対する許容値
UAB,UBC,UCA 電圧の比較に対する許容値
図1
図2
図3
図4