特許第6588967号(P6588967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588967
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】舌操作システム用の舌前進具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/24 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   A61B17/24
【請求項の数】14
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-509690(P2017-509690)
(86)(22)【出願日】2015年8月10日
(65)【公表番号】特表2017-528206(P2017-528206A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】IB2015056061
(87)【国際公開番号】WO2016027197
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年8月8日
(31)【優先権主張番号】62/040,106
(32)【優先日】2014年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハムシュ マティアス
(72)【発明者】
【氏名】カーラート ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ウッダード スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】ディべティア アシェーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ブルッゲン ミシェル パウル バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】スキュデラロ アントニウス アドリアヌス ペトルス
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−529608(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0313453(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0035160(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0058584(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0267479(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0276871(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
舌操作システム用の舌前進具アセンブリであって、前記舌前進具アセンブリは、
前記舌前進具アセンブリを接続ロッドの遠位端に結合する接続ロッドカップリングを含むコアマウントと、
舌に取り付けるための舌前進具と
前記コアマウントと前記舌前進具とを結合する固定要素と
を含み、
前記コアマウントと前記舌前進具とは、材料が異なる
舌前進具アセンブリ。
【請求項2】
前記固定要素はピンを含む、請求項に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項3】
舌前進具テザーを更に含む、請求項に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項4】
前記コアマウントは、前記舌前進具テザーと、当該舌前進具テザーを位置決めする前記ピンとがスリットを通して見られる当該スリットを含む、請求項3に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項5】
前記舌前進具テザーは、前記舌前進具テザーを前記舌前進具アセンブリに結合するために前記ピンの周りに巻く第1のループを含む、請求項3又は4に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項6】
前記ピンは、前記コアマウントに溶接され、前記舌前進具にフォームフィットする、請求項乃至5の何れか一項に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項7】
前記ピンは、前記舌前進具に溶接され、前記コアマウントにフォームフィットする、請求項乃至5の何れか一項に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項8】
前記コアマウントは、ステンレス鋼、チタン及び耐久性プラスチック材料の少なくとも1つから機械加工可能である、請求項1乃至7の何れか一項に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項9】
前記コアマウントカップリングは、
接続ロッドねじ山によって前記舌前進具アセンブリを前記接続ロッドに結合するねじ山と、
接続ロッドクランプ要素によって前記舌前進具アセンブリを前記接続ロッドに結合する溝と、
接続ロッドクランプ要素によって前記舌前進具アセンブリを前記接続ロッドに結合するボール形状の近位端と、の内の少なくとも1つを含む、
請求項1乃至7の何れか一項に記載の舌前進具アセンブリ。
【請求項10】
請求項1乃至の何れか一項に記載の舌前進具アセンブリと、
接続ロッドと、を含み、前記接続ロッドは、
前記接続ロッドの遠位端を前記舌前進具アセンブリの前記コアマウントの前記接続ロッドカップリングに結合する第1のカップリング部分と、
前記接続ロッドの近位端をインプラントツール又は除去ツールに結合する第2のカップリング部分と、
を含み、
前記接続ロッドは、前記舌前進具アセンブリの前記舌前進具が、前記インプラントツール又は前記除去ツール内にそれぞれ引き込まれるように、当該インプラントツール又は当該除去ツールからの引張力又は張力を当該舌前進具アセンブリに伝える、
舌操作システム。
【請求項11】
請求項1乃至の何れか一項に記載の舌前進具アセンブリと、
骨アンカーと、
前記舌前進具を前記骨アンカーに固定するためのテザー線と、
を含む、舌操作システム。
【請求項12】
舌操作システム用の舌前進具アセンブリを提供するための方法であって、
前記舌前進具アセンブリを接続ロッドの遠位端に結合する接続ロッドカップリングを含むコアマウントを提供するステップと、
舌に取り付けるための舌前進具を前記コアマウントに結合するステップと、を含み、
前記コアマウントと前記舌前進具とは、材料が異なる、方法。
【請求項13】
前記舌前進具を前記コアマウントに結合するステップは、前記コアマウントを前記舌前進具に固定するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コアマウントを前記舌前進具に固定するステップは、ピンによって前記コアマウントを前記舌前進具と固定するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌操作システムと、舌操作デバイスと、舌操作デバイス植え込み、舌操作デバイス調節及び舌操作デバイス除去のための方法及び装置とに関し、特に、舌操作システム用の舌前進具アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
舌操作デバイスを用いて上気道閉塞及び睡眠呼吸障害を治療することは知られている。
【0003】
睡眠中の呼吸障害は、重大な臨床的結果をもたらす共通の問題として認識されている。閉塞性睡眠無呼吸(OSA:Obstructive Sleep Apnoea)は、気流の断続的な停止を引き起こす。これらの閉塞性の症状が発生した場合、罹患者は一時的に覚醒する。これらの覚醒の症状は、典型的には、一晩に10回〜60回発生することから、睡眠断片化が発生し、日中の過剰な眠気を生じる。OSAに罹患した一部の患者は、1時間当たり100回を超える一過性の覚醒症状発現を経験する。OSAは、循環器疾患及び肺疾患ももたらす可能性がある。
【0004】
睡眠中に気道の通過を維持することを目的とする種々の手法が知られている。軟口蓋、顎又は舌の位置を変更することを目的とする口腔器具が利用可能であるが、患者の不快感がそれらの使用を制限してきた。持続的気道陽圧(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)デバイスが、OSAの第1選択治療として使用されることが多い。これらのデバイスでは、僅かに上昇させた圧力で気流を生成し、気道内の陽圧を維持するように機能する密閉マスクを用いる。
【0005】
本開示は、舌操作デバイスが患者に外科的に適用され得る手法に関する。
【0006】
完全なデバイスは、3つの主要部分:
(i)舌の内部に外科的に配置される舌前進具、
(ii)典型的には下頚に取り付けられる骨アンカー、及び
(iii)舌前進具を骨アンカーに固定するテザー線
を含む。
【0007】
骨アンカーは、外科医がテザーを骨アンカーに巻き取ることを可能にするスプールを特徴とし得る。このプロセスは、調節と呼ばれ、舌を安定させると共に、舌を下頚の方向に前進させて(又は舌が戻るのを防いで)、気道の閉塞を防ぐ。
【0008】
一般に、インプラントは舌の根元において舌の正中線に配置され、デバイスは、舌がもはや自由に戻ることができないように、舌の根元の安定化及び前進を行う。その代わりとして、舌は、骨アンカーと舌前進具との間のテザー線によって遮断される。
【0009】
従来の舌前進具インプラントは、インプラントを舌内において位置決めする硬く且つ弾力のある材料から形成されている。使用される典型的な材料はニチノールである。しかしながら、このような材料はその硬く且つ弾力のある材料特性のために舌前進具へと機械加工するか、又は製造することが困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【0011】
第1の態様によれば、舌操作システム用の舌前進具アセンブリであって、舌前進具アセンブリを接続ロッドの遠位端に結合するように構成された接続ロッドカップリングを含むコアマウントと、コアマウントに結合されるように構成された舌前進具とを含む、舌前進具アセンブリが提供される。このように製造される舌前進具アセンブリの例は、別個の部品から形成され得ると共に、効率的且つコスト効果的な製造を可能にする材料から形成され得る。
【0012】
舌前進具アセンブリは、コアマウントと舌前進具とを結合するように構成された固定要素を更に含み得る。
【0013】
舌前進具アセンブリは舌前進具テザーを更に含み得る。
【0014】
固定要素はピンを含み得る。固定要素は丸ピンであり得る。
【0015】
舌前進具テザーは、第1のループを含み得、第1のループは、舌前進具テザーを舌前進具アセンブリに結合するためにピンの周りに巻くように構成されている。従って、幾つかの実施形態では、丸形ピンは、コア要素と舌前進具アセンブリの舌前進具部分との間の固定要素であるだけでなく、舌前進具テザーのための固定要素でもあるように構成されている。
【0016】
このピンは、コアマウントに溶接され、且つ舌前進具にフォームフィットするように構成され得る。このような実施形態では、ピンは、良好な溶接を可能にするためにコアマウント材料から製造され得る。
【0017】
ピンは、舌前進具に溶接され、且つコアマウントにフォームフィットするように構成され得る。このような実施形態では、ピンは、良好な溶接を可能にするために舌前進具材料から製造され得る。
【0018】
コアマウントは、ステンレス鋼、チタン及び耐久性プラスチック材料の少なくとも1つから機械加工可能であるように構成され得る。このような実施形態では、コアマウント及び接続ロッドカップリングは機械加工され得る。
【0019】
コアマウントカップリングは、接続ロッドねじ山によって舌前進具アセンブリを接続ロッドに結合するように構成されたねじ山を含み得る。コアマウントカップリングは、接続ロッドクランプ要素によって舌前進具アセンブリを接続ロッドに結合するように構成された少なくとも1つの溝を含み得る。コアマウントカップリングは、接続ロッドクランプ要素によって舌前進具アセンブリを接続ロッドに結合するように構成されたボール形状の近位端を含み得る。舌前進具は、ニチノールから形成されるように構成され得る。
【0020】
コアマウントは、スリットであって、舌前進具テザーと、舌前進具テザーを位置決めする接続用ピンとがスリットを通して見られ得るように構成されているスリットを含み得る。
【0021】
このような実施形態では、スリットは、留置前に欠陥を特定するための舌前進具アセンブリの観察又は留置後の欠陥分析を可能にする。
【0022】
舌操作システムは、本明細書に記載する舌前進具アセンブリと、接続ロッドであって、接続ロッドの遠位端を舌前進具アセンブリのコアマウント接続ロッドカップリングに結合するように構成された第1のカップリング部分と、接続ロッドの近位端をインプラントツール又は除去ツールに結合するように構成された第2のカップリング部分とを含む接続ロッドとを含み得、、接続ロッドは、インプラントツール又は除去ツールからの引張力又は張力を舌前進具アセンブリに伝えるように構成されており、それにより、舌前進具アセンブリの舌前進具は、インプラントツール又は除去ツール内にそれぞれ引き込まれるように構成される。
【0023】
舌操作システムは、本明細書に記載する舌前進具アセンブリと、骨アンカーと、舌前進具を骨アンカーに固定するためのテザー線とを含み得る。
【0024】
第2の態様によれば、舌操作システム用の舌前進具アセンブリを提供するための方法であって、舌前進具アセンブリを接続ロッドの遠位端に結合するように構成された接続ロッドカップリングを含むコアマウントを提供するステップと、舌前進具をコアマウントに結合するステップとを含む、方法が提供される。舌前進具をコアマウントに結合するステップは、コアマウントを舌前進具に固定するステップを含み得る。
【0025】
コアマウントを舌前進具に固定するステップは、ピンによってコアマウントを舌前進具と固定するステップを含み得る。
【0026】
方法は、舌前進具テザーを舌前進具アセンブリに結合するステップを更に含み得る。
【0027】
舌前進具テザーを舌前進具アセンブリに結合するステップは、舌前進具テザーを舌前進具アセンブリに固定するために舌前進具テザーの第1のループをピンの周りに巻くステップを含み得る。
【0028】
ピンによってコアマウントを舌前進具と固定するステップは、ピンをコアマウントに溶接するステップと、ピンを舌前進具にフォームフィットさせるステップとを含み得る。
【0029】
ピンによってコアマウントを舌前進具と固定するステップは、ピンを舌前進具に溶接するステップと、ピンをコアマウントにフォームフィットさせるステップとを含み得る。
【0030】
コアマウントを提供するステップは、ステンレス鋼、チタン及び耐久性プラスチック材料の少なくとも1つからコアマウントを機械加工するステップを含み得る。
【0031】
コアマウントを提供するステップは、接続ロッドねじ山によって舌前進具アセンブリを接続ロッドに結合するように構成されたねじ山を機械加工するステップ、接続ロッドクランプ要素によって舌前進具アセンブリを接続ロッドに結合するように構成された溝を機械加工するステップ、接続ロッドクランプ要素によって舌前進具アセンブリを接続ロッドに結合するように構成されたボール形状の近位端を機械加工するステップの少なくとも1つを含み得る。
【0032】
舌前進具を提供するステップは、舌前進具をニチノールから形成するステップを含み得る。
【0033】
方法は、舌前進具テザーと、舌前進具テザーを舌前進具アセンブリに対して位置決めする接続用ピンとがスリットを通して見られ得るように、コアマウント内にスリットを機械加工するステップを更に含み得る。
【0034】
ここで、本発明の例が添付の図面を参照して詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】幾つかの実施形態に関する例示的なトロカールツールをインプラントカニューレと共に概略的に示す。
図2】幾つかの実施形態に関するインプラントツールを概略的に示す。
図3a】幾つかの実施形態に関するインプラントツールの断面図又は切取図を概略的に示す。
図3b】幾つかの実施形態に関するインプラントツールの断面図又は切取図を概略的に示す。
図3c】幾つかの実施形態に関するインプラントツールの断面図又は切取図を概略的に示す。
図4】幾つかの実施形態に関するインプラント/除去アセンブリを概略的に示す。
図5a】幾つかの実施形態に関する、図4に示されるインプラント/除去アセンブリの接続ロッド部分の詳細を概略的に示す。
図5b】幾つかの実施形態に関する、図4に示されるインプラント/除去アセンブリの接続ロッド部分の詳細を概略的に示す。
図6a】幾つかの実施形態による、接続ロッドのねじ結合を舌前進具例と共に概略的に示す。
図6b】幾つかの実施形態による、接続ロッドのねじ結合を舌前進具例と共に概略的に示す。
図7a】幾つかの実施形態による、接続ロッドのクランプ結合を舌前進具例と共に概略的に示す。
図7b】幾つかの実施形態による、接続ロッドのクランプ結合を舌前進具例と共に概略的に示す。
図7c】幾つかの実施形態による、接続ロッドのクランプ結合を舌前進具例と共に概略的に示す。
図7d】幾つかの実施形態による、接続ロッドのクランプ結合を舌前進具例と共に概略的に示す。
図8】幾つかの実施形態による例示的な舌前進具を示す。
図9】幾つかの実施形態による、舌前進具テザーに結合している例示的な舌前進具を示す。
図10a】幾つかの実施形態による、更に例示的な舌前進具と舌前進具テザーとの結合を示す。
図10b】幾つかの実施形態による、更に例示的な舌前進具と舌前進具テザーとの結合を示す。
図11a】幾つかの実施形態による、更に例示的な舌前進具と舌前進具テザーとの結び目が形成された結合を示す。
図11b】幾つかの実施形態による、更に例示的な舌前進具と舌前進具テザーとの結び目が形成された結合を示す。
図12a】幾つかの実施形態による、インプラントツールに挿入された例示的なインプラントアセンブリを示す。
図12b】幾つかの実施形態による、インプラントツールに挿入された例示的なインプラントアセンブリを示す。
図13a】幾つかの実施形態による、例示的な調節ツールを示す。
図13b】幾つかの実施形態による、例示的な調節ツールを示す。
図13c】幾つかの実施形態による、例示的な調節ツールを示す。
図13d】幾つかの実施形態による、例示的な調節ツールを示す。
図13e】幾つかの実施形態による、例示的な調節ツールを示す。
図14】幾つかの実施形態による、例示的な接続ツールを示す。
図15】幾つかの実施形態による、接続ツールの詳細を示す。
図16】幾つかの実施形態による、先の鈍い切開器具端部の詳細を示す。
図17】幾つかの実施形態による、例示的な除去ツールを示す。
図18】幾つかの実施形態による、例示的な植え込みの段階の流れ図を示す。
図19】幾つかの実施形態による、例示的な調節段階の流れ図を示す。
図20】幾つかの実施形態による、例示的な除去段階の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書中に記載される実施形態は、舌に取り付けるための舌前進具と、典型的には下頚に取り付けるための骨アンカーと、舌前進具を骨アンカーに固定するテザー線とを有する舌操作デバイスと、舌操作デバイスの植え込み、調節及び除去用のツールとに関する。
【0037】
本明細書中に記載される概念は、特に、舌操作デバイスの舌前進具の植え込み及び除去用のツールに関する。特に、本明細書中に記載される概念は、第1端部において、舌前進具に、反対端において、適切に設計された植え込み又は除去ツールに結合するのに好適な接続ロッド又はチューブに関する。
【0038】
舌操作デバイスの手法は、以下の3つの主な段階からなる。
【0039】
植え込み:植え込み段階では、骨アンカー、舌前進具及びテザーが低侵襲手術によって取り付けられる。治癒過程を有効にするために、植え込み時に、システムに「荷重」はかけられないか又は力はかけられない。
【0040】
調節:調節段階では、治癒過程が完了した後に骨アンカーにテザーを巻き取ることによって、植え込まれた装置が調節される。これにより、舌を下頚の方向に前進させ、舌が戻って気道を閉塞することを防ぐ。
【0041】
除去:任意選択的な除去段階では、骨アンカー、舌前進具及びテザーが低侵襲手術によって患者から除去される。この任意選択的な段階は、治療後の患者の低い割合に対して実施されることが予想され、例えば、舌操作システムが破損しているか、又は不適合である場合に実施される。
【0042】
以下に記載される実施形態のより良い理解を得るために、これらの3つのステップ又は段階が、これらの段階を実施するためのツール及び方法に関して、以下に詳細に記載される。
【0043】
更に、本明細書中に記載される概念の理解を容易にするために、植え込み段階、調節段階及び除去段階に関する操作又はステップは、可能な場合、ツールが連続的に又は導入されるような状態で記載される。各段階の操作又はステップを実施する幾つかの実施形態では、関連ツール又は機器の全てを、最初の切開を行う前に準備することがより論理的であり得る(例えば、患者が麻酔下にあるか、又は「開いている」時間を低減するために)ことは理解されよう。従って、本明細書中に記載されるステップ又は操作は、単に例示的なステップシーケンスである。
【0044】
植え込み段階では、舌前進具及び骨アンカーを取り付けるために、図1に示されるようなトロカールツール1及びインプラントカニューレ3、図2に示されるようなインプラントツール101、図4に示されるようなインプラントアセンブリ301、図13に示されるような骨アンカー及び調節ツールを利用する。
【0045】
幾つかの実施形態では、外科医などのオペレータが患者の頭部を手術のために準備する。
【0046】
幾つかの実施形態では、患者の準備には、下頚における骨アンカーの位置を決定し、トロカールの所望位置において切開し、骨アンカーの取り付けのために下頚を準備することを含み得る。
【0047】
幾つかの実施形態では、この準備には、患者の舌内における舌前進具の位置若しくは潜在的位置が位置決め又は決定されることを含み得る。潜在的な位置又は場所は、幾つかの実施形態では、舌表面の触接によって特定され得る。幾つかの実施形態では、準備には、オペレータが、次いで、自らの人差指及び中指を舌下に置き、小帯が2本の指の間にある状態で口腔底に触接し、チャネル挿入ツールの挿入を待ち受けることを更に含み得る。
【0048】
患者を準備する作業は、図18のステップ1701によって示される。
【0049】
図1に関して、例示的なトロカールツール及びインプラントカニューレ3が示される。図1に示されるような例示的なトロカールツールは、トロカール1を含む。トロカール1はそれ自体、ツールのオペレータがツールを確実に且つ正確に把持することを可能にするのに好適なハンドル部分7を含む。トロカール1は、軟組織内にチャネルを開けて切るのに好適なトロカール先端部5を備えたトロカールブレード部を更に含む。トロカールブレード部及びトロカール先端部5は、サージカルスチールなどの任意の適切な材料であり得る。トロカール1は、インプラントカニューレ3を受け入れるのに好適なカップリング及び/又はラッチング部を更に含む。これは、例えば、トロカールハンドル部分7の遠位端内の軸対称又は軸方向スロットであり得る。更に、ラッチング部は、レバーなどの内部ラッチング機構によって実施され得る。レバーなどの内部ラッチング機構は、トロカール1内に挿入されると、例えばインプラントカニューレホーン11の対応する形状に適合するように構成された異形端部を有する。
【0050】
トロカール1、及び幾つかの実施形態ではトロカールハンドル7は、トロカール1とインプラントカニューレ3との間の分離を可能にするのに好適なカニューレ解放ボタン9又は適切なラッチング解放機構を更に含む。
【0051】
図1に示されるようなインプラントカニューレ3は、インプラントカニューレチューブ13及びインプラントカニューレホーン11を含む。インプラントカニューレチューブ13は、トロカールブレード部及び先端部5を覆って配置され得る中空のチューブである。インプラントカニューレチューブ13は、任意の適切な材料、例えば、サージカルスチールであり得、インプラントの植え込みが内部で実施され得る適切な安定なチャネルを設けるように構成されている。
【0052】
インプラントカニューレホーン11は、インプラントカニューレチューブ13の近位端を覆って装着するか、又はインプラントカニューレチューブ13の近位端に対し装着するかの何れかであるように構成されている。幾つかの実施形態では、インプラントカニューレホーンは、トロカール1、特に、トロカールカップリング及び/又はラッチング機構に受け入れられ且つラッチされ、分離可能なツールの組み合わせを作成するように構成された成形プラスチック形態(moulded plastic shape)である。インプラントカニューレホーン11は、更に、幾つかの実施形態では、トロカール1をカニューレ3から解放又は分離する際に把持するための適切な表面を付与するように構成されている。
【0053】
植え込み段階に関する第1のステップ又は操作は、幾つかの実施形態では、カニューレ3をトロカール1に結合又は接続し、チャネル挿入ツールを形成することである。本明細書中に記載される実施形態では、用語、結合する及び結合は、任意の適切な結合、接続すること又は接続を定義するものと理解されることは理解されよう。更に、用語、接続及び接続することは、任意の適切な接続又は結合を定義するものと理解されることは理解されよう。同様に、切り離しは、また、任意の適切な分離を定義するものと理解され、逆の場合も同様である。
【0054】
カニューレをトロカールツールに結合又は接続する操作は、図18のステップ1703によって示される。
【0055】
幾つかの実施形態ではチャネル挿入ツール、対応するカニューレアタッチメントを備えるトロカールが、正中線上に事前に作製された切開に、約90度の角度で、口腔底のオトガイ舌筋に直接、鋭いトロカール端部が指の間に感じられ得るまで挿入又は導入される。(口腔底の粘膜を損傷してはならない)。
【0056】
切開にトロカールを導入する操作は、図18のステップ1705によって示される。
【0057】
幾つかの実施形態では、チャネル挿入ツール及びトロカールは、その後、舌の根元、特に、所望の舌前進具植え込み位置の方を向くように方向付けられる。
【0058】
トロカールを所望の舌前進具植え込み位置の方に向ける操作は、図18のステップ1707によってに示される。
【0059】
オペレータは、その後、幾つかの実施形態では、自らの手を口腔底から舌の背面へと移動させることができる。
【0060】
手を舌の背面に移動する操作は、図18のステップ1709によって示される。
【0061】
オペレータは、その後、幾つかの実施形態では、舌の横部分と縦部分との重なり部分を目指し、トロカールを舌の根元に向かって前進させることができる。幾つかの実施形態では、舌の横部分と縦部分との重なり部分は、口内に入れた手による舌表面の触接によって特定され得る。
【0062】
トロカールを舌の根元に前進させる操作は、図18のステップ1711によって示される。
【0063】
オペレータは、その後、幾つかの実施形態では、トロカールを舌の表面から約1cm離れた所まで前進させることができる。この距離は、口内を手で触接することによって決定又は概算され得る。舌の表面が損傷されないように注意が払われなければならないことは理解されよう。
【0064】
舌の表面の近傍にトロカールを前進させる操作は、図18のステップ1713によって示される。
【0065】
カニューレ3は、その後、例えば、トロカールツール1のカニューレ解放ボタン9を押すことによってトロカールツール1から分離される。トロカールツール1は、その後、カニューレ部分3、特に、カニューレチューブ13が患者内に安定なチャネルを形成したままで、カニューレ部分3から除去される。
【0066】
カニューレ部分3をトロカールツール1から分離及び除去する操作は、図18のステップ1713によって示される。
【0067】
図2に関して、例示的なインプラント(又はインプランテーション)ツール101が示される。図2に示されるようなインプラントツール101は、ハンドル部分を組み込んだ本体113を含む。本体113は、任意の適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから製造又は形成され得る。本体113は、幾つかの実施形態では、本体113から取り付けられた他の構成要素を有し得る。例えば、図2に示されるように、本体113は、内部枢着部を介して引き込みレバー111に結合又は接続されている。引き込みレバー111は、図2に示されるような幾つかの実施形態では、インプラントツールをツールのオペレータが保持している際に少なくとも1本の指を使用することで作動できるように構成されており、成形プラスチック部品から形成され得る。本体113は、幾つかの実施形態では、本体113内の第2の枢着部に枢着されており、解放ボタン又はトリガレバー109を例とする解放機構をカバーするか、又は偶発的に押すことを防ぐように構成されている安全レバー又はカバー107に更に結合され得る。本体113は、幾つかの実施形態では、解放ボタン若しくはトリガ109の形態のインプラントアセンブリ解放機構に更に結合又は接続され得る。
【0068】
本体113は、幾つかの実施形態では、インプラントカニューレ3を受け入れるのに好適なカップリング及び/又はラッチング部を更に含み得る。これは、例えば、植え込みハンドル113の遠位端内の軸対称又は軸方向スロットであり得る。更に、ラッチング部は、レバーなどの内部ラッチング機構によって実施され得る。レバーなどの内部ラッチング機構は、インプラントツール本体113上に挿入されると、例えば、インプラントカニューレホーン11の対応する形状に適合するように構成された異形端部を有する。本体113は、幾つかの実施形態では、インプラントツール101とインプラントカニューレ3との間の切り離し若しくは分離を可能にするのに好適な解放若しくはカニューレ解放ボタン105又は適切なラッチング解放機構を含み得る。
【0069】
本体113は、幾つかの実施形態では、更に、装填チューブ103に結合されている。装填ツール103は、インプラントツール101から少なくとも部分的に突出し、インプラントカニューレ3がインプラントツール101の本体に取り付けられると、インプラントカニューレの内部に適合するように構成された中空のチューブである。
【0070】
図3a〜図3cに関して、例示的なインプラントツール101の実施形態の断面図が示されている。図3aに関して、インプラントツール101の第1の断面又は切開図が示されている。本明細書中に記載され、解放機構及びインプラントツール引き込み機構によって動作される機構の理解を補助するために、例示的な断面図では、内部ラッチング機構、解放若しくはカニューレ解放ボタン105又は適切なラッチング解放機構及び安全レバー又はカバー107はこれらの例では図示されない。
【0071】
インプラントツールの断面図は、装填チューブ103を示す。装填チューブ103は、本体113内の内部に延出し、インプラントアセンブリがインプラントツールに押し込まれる/引き込まれる際にインプラントアセンブリに対するガイドとして機能するように構成され得る。インプラントツール101の断面図は、解放機構を更に示す。解放機構は、トリガ枢着部205において枢着されたトリガレバー109と、引き込みレバー機構とを含む。引き込みレバー機構は、引き込みレバー111と、引き込みレバー枢着部203とを含む。
【0072】
図3bに関して、図3aに示されるインプラントツールの断面図の詳細が示される。この詳細は、引き込みレバー機構に結合された第1のフック215と、第2のフック217とを含む装填機構を示す。第1のフック215及び第2のフック217は両方共、第1のフック215及び第2のフック217が各点の周りを枢動することができ、インプラントアセンブリが、一方向、内方向に移動することができるものの、捕捉され、外方向に移動することを妨げられるように、インプラントアセンブリのラチェット溝特徴部を引っ掛けることができるか、又は捕らえることができるように取り付けられている。装填機構は、幾つかの実施形態では、従って、通常モードにおいて、インプラントアセンブリをツールに対して内方向にのみ装填することを可能にするように構成されたロッキング機構として動作する。本明細書で使用する場合、用語フックは、インプラントアセンブリ(又は除去アセンブリ)を引っ掛けること、把持すること又は捕捉することを可能にする任意の適切な表面若しくは形状を定義し得ることは理解されよう。
【0073】
第1のフック215は、引き込みレバーがインプラントツールの本体113に向かって引かれると第1のフック215が本体113に対して内方向に動くように、引き込みレバー機構に結合又は接続されている。更に、引き込み機構は、インプラントツールの本体113から離れる方に引き込みレバーを押すように構成された付勢バネ213を含む。換言すると、インプラントツール引き込み機構のユーザは、引き込み機構がインプラントアセンブリに係合していない場合であっても、引き込みレバーを動作するために僅かな付勢又は静止力を克服する必要がある。
【0074】
更に、図3bに示されるように、トリガ枢着部205において枢着されたトリガレバー109を含む解放機構は、第1のフック215及び第2のフック217に作用するか、又は第1のフック215及び第2のフック217をインプラントアセンブリのラチェット溝特徴部から係脱する機構219に結合されている。更に、インプラントツール本体113の断面図は、インプラント荷重バネ201又は推進要素を示す。インプラントツール101は、インプラントアセンブリを受け入れるように構成されており、インプラントアセンブリがツール本体に装填される(引き込まれる/押し込まれる)と、適切な推進力(排出ポテンシャル力(expulsive potential force))を発生させるように構成されている。以下の例では荷重バネを示すが、幾つかの実施形態では、任意の適切な推進要素が用いられ得ることは理解されよう。更に、推進要素は、幾つかの実施形態では、インプラント若しくは除去アセンブリの装填時にチャージされるか、又はインプラント若しくは除去アセンブリの推進前のある時点でチャージされるように構成され得る。解放機構は、幾つかの実施形態では、間接的に推進要素が、インプラント又は除去アセンブリをインプラント又は除去ツールから推進させることを可能にし得ることは理解されよう。解放ボタン又は機構は、例えば、幾つかの実施形態では、ロッキング機構の通常動作モードを不能にし、推進要素がインプラントアセンブリをインプラントツールから推進させることを可能にするように構成され得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、解放機構は、推進要素が、インプラント又は除去アセンブリをインプラント又は除去ツールから推進させることを直接可能にするように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、推進要素は、チャージされている際にラッチ又はロックされ得る。また、解放機構は、その後、推進要素を直接ロック解除又はラッチ解除するように構成されている。
【0075】
図3cに関して、更なる実施形態のインプラントツールの詳細断面図である。この例では、図3a及び図3bに示される第1のフック215はラッチング機構225と入れ替えられている。ラッチング機構225は、ロッキング機構の一部として第2のフックと協働するため、第1のフックと同様に動作するように構成されているだけでなく、解放ボタンが押された際に、インプラントアセンブリをラッチ解除するための解放機構の一部として第2のフック上で動作するようにも構成されている。解放機構は、幾つかの実施形態では、推進要素が、インプラントツールからインプラントアセンブリを(又は幾つかの実施形態では、除去ツールから除去アセンブリを)推進させることを装填機構が可能にするのを不能にするように構成されている。
【0076】
図3a〜図3cに関して、フックを用いるラッチング又はロッキング機構が示されているが、インプラント又は除去アセンブリの装填を可能にするために、装填機構又は装填機構の一部としてのロッキング機構の任意の他の適切な実装形態が用いられ得ることは理解されよう。更に、装填機構は、幾つかの実施形態では、接続ロッドに対して動作することができ、適切なロッキング又はラチェット機構を形成し、第1の通常又は装填モードにおいて、接続ロッド(又は本明細書中に記載されるようなインプラント若しくは除去アセンブリ)がインプラントツールに装填されることを可能にすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、挿入ツールは、接続ロッド上で動作するための適切なギアホイールを含む。更なる例として、幾つかの実施形態では、挿入ツールは、適切なクラッチ機構を含み、摩擦を用いて接続ロッド(適切な手段によって形成された対応する摩擦面を有する)に結合する。換言すると、図3a、図3b及び図3cに示される例は、ロッキング機構として動作するように更に構成されている、フックをベースとした装填機構を記載するが、接続ロッド(又は同様に除去ツール内の、除去スリーブ及び除去アダプタ)が本明細書中に記載される手法と同様に装填されることを可能にするように構成された任意の適切な装置が用いられ得る。
【0077】
本明細書中に記載されるように、インプラントツールは、装填チューブ103を通じてインプラントアセンブリを受け入れるように構成されている。図4に関して、例示的なインプラントアセンブリ301が示される。インプラントアセンブリ301は、幾つかの実施形態では、舌前進具アセンブリ(舌前進具)305と、接続ロッド303(又はラチェット若しくはアタッチメントスリーブ)とを含み得る。更に、図4は、舌前進具305と、除去スリーブ1335と、除去アダプタ1334とを含む例示的な除去アセンブリ1338を示し得る。例示的な除去スリーブは、幾つかの実施形態では、近位端に、除去スリーブの近位端を除去アダプタ1334の遠位端に結合するためのカップリング1332を含み得る。
【0078】
図4に示されるように、接続ロッド303は、遠位端に、ねじ307、又は舌前進具305に結合するための他の適切な結合手段を含む。更に、接続ロッド303は、近位端に、溝パターン309、又は接続ロッド303がインプラントツールに挿入された際にインプラントツール(特に装填機構)と結合するための他の結合手段を含む。接続ロッド303は、幾つかの実施形態では、少なくとも部分的に中空であり、舌前進具305が本明細書中に記載される実施形態に従い植え込まれ得るように、舌前進具305及び舌前進具テザーを、少なくとも部分的にそれ自体の内部に受け入れるように構成されている。接続ロッドは、1つの材料片から形成され得、ねじ307及び/又は溝パターン309を形成するように機械加工され得る。又は、幾つかの実施形態では、接続ロッド303は、接合又は固着される別個に機械加工された部品から形成されている。
【0079】
幾つかの実施形態では、接続ロッド303は少なくとも部分的に中空であり、植え込み時、舌前進具テザーが案内されることを可能にする(また更に、除去スリーブの形態の類似のチューブが接続ツール内に用いられ、除去時、チューブがテザーに沿って舌前進具へと案内されることを可能にし得る)。接続ロッドの外径は、インプラントツール装填チューブ103の内径に適合し、舌前進具がチューブに引き込まれることを可能にするように構成されている。このような実施形態では、インプラントツールへのインプラントアセンブリの引き込み時、舌前進具の指部は、装填チューブの内壁に対して一様に真直にされ得ると共に、同様に、留置時のアンカー指部の一様な展開を可能にする。
【0080】
以下に記載されるように、除去手術中、除去スリーブの形態の接続ロッドが舌前進具に接近するにつれてチャネルが作成され得る。更に、舌前進具と接続ロッド(又は除去スリーブ)との結合又は接続又はドッキングは、幾つかの実施形態では、舌前進具を引き離すことを避けるために、舌前進具がまず、非常に限られた力で制御されるか、又は接近されるように制御されるべきである。舌前進具への結合又は接続は、幾つかの実施形態では、舌前進具の変位を避けるために、限られた(押し込み)力で実施されるべきである。接続ロッド又は除去スリーブへの舌前進具の結合に続き、舌前進具は、その後、引張力を付与することによってインプラント装填チューブ(又は除去ツールの除去チューブ)に引き込まれたロッドに確実に結合されるべきである。
【0081】
図5aに関して、接続ロッドの溝パターン309の詳細が示される。機械加工され得るか、プレスされ得るか、成形され得るか、又は他に形成され得る一連の溝403を有する溝パターンが示される。溝403は、溝403の近位端407が溝403の遠位端405よりも浅い可変プロファイル又は非対称溝パターンを含む。図5aは、インプラントツールへの挿入を補助するためのテーパ状の近位端を有する例示的な接続ロッドを更に示す。
【0082】
溝パターン309は、溝403の遠位端405上にフックが摺動すると、フックが、インプラントツール内に接続ロッドが移動することを可能にするものの、フック並びに/又はフック及びレバーが動作中(換言すると、装填機構が通常モードで動作しているとき)は、各溝403の近位端407にラッチを掛けて、接続ロッドを含むインプラントアセンブリがインプラントツールを出ることを防ぐように、溝が、インプラントツール101内のフック215、217又はレバー及びフック225、217の組み合わせと協働するような状態である。
【0083】
このような手法で、接続ロッドとインプラントツールとの間にラチェット又はロッキング機構が形成される。本明細書中に示される例では、ラチェット機構は溝とフック/レバーとの組み合わせから形成されるが、幾つかの実施形態では、任意の他の適切なラチェット又はロッキング機構が用いられ得ることは理解されよう。例えば、幾つかの実施形態では、接続ロッド303は、近位端に、適切な摩擦ホイールによってインプラントツール内に把持される摩擦面を有する。このような実施形態のインプラントツールの摩擦ホイールは、一方向スリップクラッチ又はブレーキ機構を用い得る。一方向スリップクラッチ又はブレーキ機構は、第1の装填モードにおいて、インプラントツールへの動きを可能にすることによって接続ロッドが挿入されることを可能にしても、接続ロッドがインプラントツールを出るか、又は離れることは妨げる。
【0084】
図5bに関して、接続ロッドねじ307の詳細が示される。接続ロッドねじ307は、幾つかの実施形態では、ピッチ413が画定されたスロット411によって形成されている。スロット411は、幾つかの実施形態では、非対称なC字形又はU字形スロット、接続ロッドへの切込みであり、外側(雄ねじのねじ山を形成するため)又は内側(雌ねじのねじ山を形成するため)の何れかに曲げられ得るか、又は押し込まれ得るタブ材料部品を形成する。押し込まれたスロットは、舌前進具の適切なねじ山に結合するように構成され得る不連続なねじ山を形成する。この結合は不連続なねじ山として示されているが、ねじ山は連続的なねじ山であり得ることは理解されよう。
【0085】
ねじ山結合又は接続は、幾つかの実施形態では、連続的な又は一部のみ作製されたねじ山を有する、1つ又は両方のねじ山を含み得ることは理解されよう。例えば、図5bに示されるように部分的に作成されることにより、より多数の鋭い縁を設けて、対応する他のねじ山から組織をかき出し(除去の場合など)、従って、ねじ山を互いに取り付けようとする間にかき取られた又は残された任意の組織を吸収するためのスペースを残すことを可能にし得る。
【0086】
図6a及び図6bに関して、接続ロッド303と舌前進具305との間の例示的なねじ結合又はインターフェース構成が示される。図6aに示される例は、例えば、ねじ結合又はインターフェース構成を用い、舌前進具305は雌ねじのねじ山501を含み、接続ロッド303は雄ねじのねじ山503を含む。一方では、図6bに示される例に関して、舌前進具305は雄ねじのねじ山511を含み、接続ロッド303は雄ねじのねじ山513を含む。
【0087】
幾つかの実施形態では、舌前進具305又は接続ロッド303上のねじ山の1つ若しくは両方は、一定直径を有し得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、ねじ山は可変直径を有し得る。可変直径ねじ山は、例えば、ねじ山が僅かに軸外の経路(又は換言すると斜角)から接近することを可能にすると共に、対応する対向ねじ山への結合をなおも可能にすべきである。
【0088】
幾つかの実施形態では、接続ロッド及び/又は舌前進具は、また、少なくとも部分的にボール若しくはソケット形状のカップリングであるカップリング又はコネクタの対を含むように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、接続ロッド及び/又は舌前進具の1つが、ボール形状のカップリング(可能であれば、把持面を設けるために部分的に平らにされている)を含む。一方、接続ロッド又は舌前進具のもう一方は、対応するソケットカップリング(可能であれば、把持要素を含む)を含む。このような実施形態では、軸外の(斜角の)接近により、接続ロッドと舌前進具との結合をなおも可能にする。
【0089】
幾つかの実施形態では、接続ロッドと舌前進具との間のインターフェース又は結合は、任意の適切なインターフェース又は結合であり得ることは理解されよう。例えば、この接続は、ねじ接続よりもむしろ軸対称のクランプ手段である。
【0090】
図7a〜図7dに関して、適切な軸対称クランプ接続が示される。
【0091】
図7aに示される例では、少なくとも部分的にインプラントツール101の装填チューブ103内に配置された接続ロッド303は、第1の結合アーム又は要素611を含む。結合要素611は、幾つかの実施形態では、舌前進具305の溝615を位置決めするのに好適な異形の表面又はクランプ613を有する形状を有して構成されている。
【0092】
以下の例は、1つの溝615及び1つの異形の表面要素又はクランプ613を示すが、幾つかの実施形態では、この接続部には、2つ以上の溝を含み、幾つかの実施形態では、結合要素611は、2つ以上の溝との接続に好適な2つ以上の異形の表面要素又はクランプを含むことは理解されよう。
【0093】
更に、幾つかの実施形態では、結合要素は静止している際又は通常動作において、軸方向中心から離れる方向に付勢されている。更に、このような実施形態では、インプラントツール101の装填チューブ103(又は接続ロッドが内部で動作する任意のチューブ)は、チューブの遠位側方向に開いた形状609を含み得る。換言すると、チューブの内径又は半径は、チューブの開口部に向かって増加する。これは、例えば、図7a〜図7dに示されるように、チューブの壁厚をチューブの内側に沿ってチューブの端部まで継続的に薄くすることによって実現され得る。
【0094】
従って、接続ロッドが外側に動かされると、又は矢印601によって示される遠位側の動きにより、装填チューブの形状609のために結合要素611がクランプ要素613を開き、図7bに示されるように、クランプ要素613が舌前進具305の溝615に実質的に隣接して配置されるまで、クランプ要素613が舌前進具305の端部上を通過することを可能にする。
【0095】
図7bに関して、クランプ要素613が装填チューブの外形609によって内側に押されることにより、図7cに示されるように、溝615によってクランプ要素613が舌前進具305にロック又はラッチを掛けるように、装填チューブ103(又はアウターチューブ)は、接続ロッド303に対して外側又は遠位側方向に動かされ得る(矢印603によって示される)。
【0096】
図7cに関して、接続ロッド303は、その後、内側又は近位側方向に動かされる。クランプ要素613によって溝615内にクランプされた舌前進具305は、従って、図7dに示されるように、舌前進具305が少なくとも部分的に装填チューブ(又は他の適切なチューブ)内で引っ張られ得るように内側又は近位側に動かされる。
【0097】
換言すると、幾つかの実施形態では、接続ロッドは、結合要素としてクランプを用いるように構成され得る。クランプは、幾つかの実施形態では、舌前進具のシャフトの周りに配置され得る。この操作は、クランプが即座に所定の位置にスナップ留めする必要もなく、又は高い力に耐える必要もないため、軽い力で実施され得る。アウターチューブ又はツールチューブ(例えば、インプラントツールの装填チューブ部分又は除去ツールのカニューレであり得る)はそれがクランプの遠位端上に配置されると、接続ロッドクランプ上に摺動し、クランプをロックするように構成され得る。このロックプロセスは、高い引張力に耐えるための安定性を付与する。
【0098】
幾つかの実施形態では、舌前進具305の溝615は、舌前進具の周縁全体にわたって配置されるように構成されている。しかしながら、幾つかの実施形態では、溝は舌前進具の周縁に不連続に分配されていることは理解されよう。幾つかの実施形態では、溝615は、近位側に明確なブロッキング縁部、及び遠位側に十分な公差を有するように構成されている。
【0099】
幾つかの実施形態では、クランプ要素は、更に、溝615を位置決めするプロセスにおいて、クランプ要素が舌前進具の近位端上を通過するのを補助するための異形又は丸形端部を有する。
【0100】
幾つかの実施形態では、接続ロッドは、クランプ要素613が舌前進具の溝615を通過する際に舌前進具の近位端に接触する突起物をロッドの内部に有するように構成され得る。このような実施形態では、この接触により、クランプ要素が、アウター装填チューブを接続ロッド上に移動させることによる把持を開始するための正しい位置にあるという触覚フィードバックを(インプラント又は除去ツールなどの)ツールのユーザ又はオペレータに与える。
【0101】
幾つかの実施形態では、接続ロッドは、接続ロッドクランプ要素613と舌前進具との間の接触を感知するために回転されるように構成されている。更に、接続ロッドクランプ要素613の回転は、幾つかの実施形態では、舌前進具から組織の過成長をかき取ることができるという付加的な効果を有し得る。
【0102】
幾つかの実装形態では、舌前進具の近位端は、接続ロッドと舌前進具との間の角度とは無関係に、舌前進具の近位端上における接続ロッドクランプの摺動を可能にするボール形状の構成又は配置を有するように構成されている。
【0103】
図8に関して、幾つかの実施形態による例示的な舌前進具アセンブリ305が示される。舌前進具アセンブリ305(又は組織若しくは舌アンカー)は、周囲筋組織に対するアンカリング機能及びテザーを介した骨アンカーへの信頼性の高い接続を提供するように構成されている。更に、舌前進具アセンブリ305は、舌前進具の指部を真直にすることを可能にし、従って、低侵襲の植え込み及び除去を可能にするのに必要な高圧又は引張力に耐えることができる、インプラントツールに(及び更に除去ツールに)接続するための適切なインターフェースを必要とする。
【0104】
図8に示される例では、舌前進具アセンブリ305は、主要又は舌前進具部分701を含む。このような実施形態では、舌前進具の指部を含む舌前進具アセンブリ305の主要部分220を、生体インプラントの性能の観点において求められる機械的特性及びアンカー又は指部分の弾性を有するニチノールなどの材料から製造することが有益である。舌前進具305の舌前進具部分701の一部としての舌前進具の指部は、静止時に指部自体の周りで巻かれる、指部を備えるロッド、チューブ又は同様の物体形態であり得る。
【0105】
しかしながら、標準的な製造プロセスによるニチノール又は同様の材料の機械加工は困難である。なぜなら、これらの材料は著しい工具摩耗を生じさせ、従って、製造プロセスを費用がかかるものとし、機械及びプロセスを制御するのにより高い労力を要するからである。更に、ニチノール又は同様の材料へのテザーの固定は、一般に、固定において溶接部又は接着剤での結合品質が通常は乏しいという理由から困難である。
【0106】
本明細書中に記載されるこのような実施形態では、舌前進具は、従って、高弾性の特徴を要しない種々の材料から製造又は作製されるコアマウント703を含む。更に、幾つかの実施形態では、コアマウント703は、適切なカップリングを介して舌前進具部分701に固定又は結合されている。例えば、図8に示されるカップリングは、舌前進具部分701内及びコア要素703内の適切な協働穴を通過するように構成された丸形接続用ピン705である。コアマウント703と舌前進具部分701との間の結合は、丸形接続用ピン705によって固定された状態で示されるが、他の実施形態において、任意の他の適切な固定又は結合が実施され得ることは理解されよう。
【0107】
更に、舌前進具305、特に、図8に示される例では、コアマウント703は、可変直径の雄ねじのねじ山の形態の適切な接続ロッドインターフェースを含む。しかしながら、幾つかの実施形態では、任意の適切な結合又は接続(図6a及び図6bに示されるような雄ねじ又は雌ねじのねじ山など)、ボール、ソケット又は溝(図7a〜図7dに関して示されるものなど)が用いられ得ることは理解されよう。
【0108】
図9に関して、コアマウント(又はコア要素)703及び舌前進具テザー801が更に詳細に示される。コア要素703は、幾つかの実施形態では、中空のチューブ状構造を含み、この中空のチューブ状構造に、テザー801の第1のループ803を通すことができる。テザー801の第1のループ803は、更に、幾つかの実施形態では、舌前進具部分701にコア要素703を固定又は結合するために使用される接続用ピン705によって、舌前進具アセンブリ305に対する所定の位置に固定され得る。換言すると、テザー801はピンによって固定され、これには、設計の点で、テザーが鋭利な物体又は縁部に接触しないという利点がある。
【0109】
本明細書中に示される例では、テザー801は、舌前進具に取り付けるように構成された第1のループ803と、骨アンカーと結合するための第2のループ805とを備える1つの中心要素から形成されるが、例えば、完全なループのテザーなどの任意の適切なテザー配置構成が実装又は使用され得ることは理解されよう。
【0110】
図10a及び図10bに関して、幾つかの実施形態による例示的なコアマウント703が更に詳細に示される。図10aに関して、コアマウントの本体に沿う、丸形ピン705の軸線から実質的に90°にある長尺状のスリット901を含む第1の例示的なコアマウント703が示される。長尺状のスリット901は、テザーが正しい配置に関して目視で検査され得る際に、テザー801及びテザーの第1のループ803及びピン705の取り付け又は固定の目視検査を可能にする。
【0111】
舌前進具部分701をコアマウント703に結合するピン705により、アンカー部分701のニチノール又は同様の材料を、コアマウント703の異なる且つ機械加工可能な材料と溶接する必要を克服する。ピン705は、幾つかの実施形態では、コアマウント703の穴内にあり得ると共に、シェイプ又はフォームフィットによってコアマウントに固定される。例えば、このフォームフィットは、丸形ピン及び丸穴であり得る。コアマウント703内の穴は、幾つかの実施形態では、ピン705を保持するために、加えて、コアマウント内に固定するために使用され得る。ピンは、また、アンカー部分701のニチノールチューブ壁の2つの穴内にあり得る。幾つかの実施形態では、押込力及び引張力に対する主な安定もフォームフィットによるものである。幾つかの実施形態では、ピンが緩むことを防ぐために、図10bに示されるように、ピンはコアマウント703チューブの壁に溶接されるされ得る。幾つかの実施形態では、ピンはニチノールから製造され、アンカー部分の壁に溶接される。
【0112】
図10bに関して、コアマウント703の更なる例が示される。この例では、テザー801はコアマウント703内及び溶接されたピン705の周りを通る。
【0113】
テザー801は、本明細書中では、接続ピン705によってコアマウント703に固定された状態で示されているが、任意の他の適切な固定が用いられ得ることは理解されよう。例えば、図11a及び図11bに関して、結び目が形成されたテザー固定実施形態が示されている。図11aに関して、2つの内部チャネル1001、1003を有するコアマウント703が示され、2つの内部チャネル1001、1003内に、テザーループの別個の線1011、1013が通され、結び目が形成されて、コアマウント703に対してテザーを確実に固定するテザーノット1015を形成する。図11bに関して、コアマウント703は、1つのチャネル1021を有する状態で示され、1つのチャネル1021内に、テザーの両線1031、1033が通り、結び目が形成されて、テザーノット1035を形成する。1つのチャネル1021の例では、ノット1035はチャネル内での滑り又は滑ることを防ぐ程十分に大きい必要があることは理解されよう。
【0114】
幾つかの実施形態では、テザーをコアマウント703に結合又は接続するために、及びコアマウント703を舌前進具部分701に結合又は接続するために、1つのピン705のみが使用される。このような実施形態では、ピンは、従って、2つの機能的な役割を果たす。幾つかの実施形態では、ピン705は、コアマウント703に溶接されていると共に、シェイプフィットのみによってアンカー部分(ニチノールチューブ)に結合されている。このような実施形態では、ピン705は、溶接部の破損の可能性を低減するために、コアマウント703と同じ材料から製造される。
【0115】
コアマウント703は、幾つかの実施形態では、単一の部品又は共に接続された複数の部品から形成され得る。コアマウントは、例えば、ステンレス鋼、チタン、耐久性プラスチック、又は他の生体適合性材料などの適切な材料から製造され得る。
【0116】
幾つかの実施形態では、コアマウントは、アンカー部分の内側に全体的に又は一部分のみ取り付けられている。幾つかの実施形態では、コアマウントはアンカー部分の外側に取り付けられ、従って、舌前進具部分のシャフトを収容する。
【0117】
本明細書中に記載される幾つかの実施形態では、接続ロッド又はチューブは、舌前進具の近位端に結合され又は接続され、インプラントアセンブリを形成するように構成されている。このような実施形態では、舌前進具と接続ロッドとの間の結合又は接続は、舌前進具と接続ロッドとの間に高い引張力又は張力を有する結合を可能にし、従って、少なくとも1つの舌前進具テザーによって張力が支持されることを必要とする現行の設計に比べて、テザーが実質的に細くなり、且つより可撓性を備えることを可能にする。
【0118】
接続ロッド及び舌前進具を含むインプラントアセンブリは、従って、幾つかの実施形態では、接続ロッドの近位端からインプラントツール101へと挿入され得る。
【0119】
図12a及び図12bに関して、接続ロッド303を含むインプラントアセンブリ301が装填チューブ103を通じて挿入されている例示的なインプラントツール101の断面図が示される。本明細書中に記載される接続ロッド303は、インプラントツール101に結合するための、溝の形態のインターフェース309を含む。この溝は、第1のフック215及び第2のフック217と協働して、装填機構、特に、内方向のみの動きを可能にするロッキング又はラチェット機構を形成する。この例では、装填機構はフックの使用によって実施されるが、用語フックは、インプラントアセンブリ(又は除去アセンブリ)を引っ掛けること、把持すること又は捕捉することを可能にする任意の適切な表面若しくは形状を定義し得ることは理解されよう。同様に、用語溝は、インプラントアセンブリが引っ掛けられる、把持又は捕捉されることを可能にする任意の適切な協働面若しくは形状を意味するものと理解される。
【0120】
換言すると、接続ロッドのインターフェース309は、幾つかの実施形態では、インプラントツール機構の一部である2つの枢動可能なフック215、217と接続するように構成された幾つかの円形溝を含む。溝は、枢動可能な又は可動フックと組み合わせることで、ラチェット機構を形成する。ラチェット機構は、インプラントツールが舌前進具に高い引張力又は張力を作用することを可能にする。
【0121】
幾つかの実施形態では、引き込みレバー111及び第1のフック215、第2の(ラッチング)フック217及び接続ロッド溝を含む装填(及び更にロッキング又はラチェット)機構は、2つのフックがロッドに沿って装填(内)方向に摺動するものの、反対(外)又は解放方向におけるロッドの動きを遮断するような形状に設計される。第2の(ラッチング)フック217は、装填方向とは逆の方向におけるロッドの動きを常に遮断する機能を有する。幾つかの実施形態では、僅かなバネ1101の荷重により、溝の1つにおいて第2のフックが付勢されて動作するようにする。本明細書中に記載される第1のフック215は引き込みレバー111に結合又は接続されている。引き込みレバー111が動作されると、第1のフック215は、接続ロッド溝の1つに係合し、接続ロッドを装填の方向に押すように構成されている。引き込みレバー111の長さと第1のフック215の長さとの間の比は、機構の力伝達比となる。引き込みレバー111にかかる小さい力は、この伝達比を用いて、接続ロッドを引き戻すためのより大きい力に転換され得る。引き込みレバー111を解放した後、第2のフック217は溝に係合して、接続ロッドを新たな位置に維持する一方で、第1のフック215はロッドに沿って移動し、次の溝に係合する。新たな位置から、接続ロッドが十分に装填されるまで動作は繰り返され得る。
【0122】
本明細書中に記載される幾つかの実施形態では、第1のフック215の代わりに、接続ロッド上の歯車ラックに噛合する歯車が用いられ得る。歯車は、ハンドホイールによりオペレータによって動作され得ると共に、引き込みレバー機構の代替となる。幾つかの実施形態では、フック/溝の組み合わせの代わりに、歯車形のカップリングの代わりに摩擦カップリングに依存するクラッチ/ロッドの組み合わせが用いられ得る。
【0123】
フック又はクラッチ及び歯車システムによって実施されるラチェット機構に対して、接続ロッドが挿入され得るが、解除されることに対してはロックされるロッキング機構を上で記載しているが、幾つかの実施形態では、任意の適切なロッキング機構が用いられ得ることは理解されよう。
【0124】
インプラントアセンブリをインプラントツール内に挿入する操作は、図18のステップ1715によって示される。
【0125】
舌前進具は、その後、例えば、引き込みレバーを動作し、舌前進具の指部を真直にさせて、インプラントツール101装填チューブ103の内部を完全に通すことによってインプラントツール内に引き込まれる。従って、この段階で、舌前進具及び接続ロッドを含むインプラント(又は挿入)アセンブリはインプラントツール内に完全に挿入されている。
【0126】
舌前進具の指部がインプラントツールチューブの内部に完全に入るまで舌前進具をインプラントツール内に引き込む操作は、図18のステップ1717によって示される。
【0127】
装填されたインプラントツールは、その後、幾つかの実施形態では、チャネルを開いた状態に維持している、植え込まれたカニューレ部分3に挿入され得る。幾つかの実施形態では、インプラントツール101と植え込まれたカニューレ部分3との結合又は接続は、カニューレ部分3にラッチを掛けているインプラントツール101内のラッチング機構によって感じられる。
【0128】
装填されたインプラントツールを植え込まれたカニューレに挿入する操作は、図18のステップ1719によって示される。
【0129】
幾つかの実施形態では、オペレータは、植え込まれたカニューレの位置を、患者の口内において手で舌を触接することによって確認する。
【0130】
カニューレの位置の「最終」確認を実施する操作は、図18のステップ1721によって示される。
【0131】
幾つかの実施形態では、インプラントツール101のバネ荷重要素201などの推進要素には、インプラントアセンブリの引き込み時に機械的エネルギーがチャージされる。接続ロッドをバネ荷重要素201へと押すか又は押しやるために使用されるエネルギーは、その後、装填チューブに沿ってインプラントを押すか又は推進させるために解放され得る。幾つかの実施形態では、例えば、バネ荷重要素などの推進要素は、実質的に30〜75Nの範囲内の力を連接棒又は除去スリーブ及びアダプタに付与し、それをインプラント/除去ツールから推進させ得ることは理解されよう。本明細書中に記載されるように、推進要素は、装填中、装填前又は装填後にチャージされ得る。換言すると、機構は、解放機構の動作に関して予めチャージされる。
【0132】
解放機構を動作し、舌前進具(又は結合された舌前進具を備える接続ロッド)を推進させる手順は、安全カバー又はトリガガード107を持ち上げ、トリガ又は解放ボタン109を押すことによって実施され得る。幾つかの実施形態では、トリガ又は解放ボタン109は、フック解放レバー219に結合又は接続されるように構成されている。フック解放レバー219は、第1のフック及び第2のフックを接続ロッドの溝から持ち上げるように構成されている。バネ荷重などの推進要素中に保存された機械的エネルギーは、接続ロッドを前方に推進させるか又は押し、結合された舌前進具をツール装填チューブから出す。
【0133】
舌前進具を舌内に留置する操作は、図18のステップ1723によって示される。
【0134】
幾つかの実施形態において示される、推進要素(バネ荷重)の使用による舌前進具の強制的な植え込みが多くの利点を有することは理解されよう。その一番目は、インプラントを物理的に押すのではなく、オペレータにより僅かな量の力(トリガ/ボタンを押す力)のみが付与されることから、正確な植え込みを実施する機能である。これにより、舌に比較的小さい力がかけられることが必要とされ、従って、インプラントの舌に物理的に押し込む最中に生じる可動域と比較すると、舌が比較的静止した状態に維持されることから、正確な植え込みが可能になる。更なる利点は、バネ荷重(又はチャージされた推進要素)による舌前進具の強制的な植え込みでは、ツールから漏れる可能性のあるガスによる植え込み又は他の推進手段と比較すると植え込み強制手段(バネ荷重要素)がインプラントツール内に留まることから、いかなる潜在的異物も導入しないことである。
【0135】
本明細書中に記載される操作の更なる利点は、インプラントが位置変更されることを必要とし得る場合にある。位置変更が必要な場合、例えば、舌前進具が所望の位置に位置決めされていないと判断された場合、接続ロッドアセンブリの一部としての舌前進具は、引き込みレバーを動作し、装填機構を動作して、接続ロッドアセンブリを再度インプラントツール内に装填することによって引き込まれる。
【0136】
これにより、舌前進具の指部がインプラントツール装填チューブ内に装填され(引き込まれ)、インプラントツールがインプラントカニューレから切り離されるか、又は分離されることが可能になる。切り離し後、インプラントツールは除去され、カニューレへのトロカールツールの再結合又は再接続及びトロカールを舌前進具の留置へと進めるステップの繰り返しを可能にし得る。
【0137】
位置を変更する(任意選択的なステップ)の操作は、図18のステップ1725によって示される。
【0138】
幾つかの実施形態では、インプラントツール101は、排出又は植え込みカウンタ及びロッキング機構を含み得る。排出又は植え込みカウンタは、植え込み及び除去を試みた回数を数えるように構成されている。更に、ロッキング機構は、定められた回数の植え込み及び除去を試みた後にインプラントツールをロックするように構成されている。例えば、ロッキング機構は、幾つかの実施形態では、3回の植え込み及び4回の除去を試みたと判断した後にインプラントツールをロックするように構成され得る。インプラントカウンタ及びロッキング機構は、例えば、繰り返し植え込まれ、及び除去されることによる舌前進具の破損を防ぐために使用され得る。
【0139】
このような手法で、幾つかの実施形態により用いられるツールの組み合わせにより、簡単な位置変更操作が可能になる。
【0140】
舌前進具が適切に挿入されたと判断されると、そこで、インプラントツール101はインプラントカニューレ3から分離され得る。例えば、カニューレ3をインプラントツール101から外すことなくインプラントツール101のカニューレ解放ボタン又はレバー105が作動される。
【0141】
インプラントカニューレ3からのインプラントツール101の分離により、インプラントアセンブリ301はインプラントカニューレ3内の所定の位置に残る。
【0142】
インプラントツール101を除去する操作は、図18のステップ1727によって示される。
【0143】
接続ロッドは、幾つかの実施形態では、接続ロッドと舌前進具との間の結合又は接続を緩めるために、舌前進具に対して(反時計回りに)回転され得る。カップリングがクランピング又は他の手段である他の実施形態において、クランピング又は他の手段の解放があり得ることは理解されよう。例えば、インプラントツールの除去により、幾つかの実施形態では、クランプ要素が開き、舌前進具を解放し得る。
【0144】
インプラントカニューレ3は、その後、幾つかの実施形態では、除去され得る。
【0145】
更に、接続ロッドは、舌前進具テザーを露出させるために除去され得る。
【0146】
インプラントカニューレ及び接続ロッドを除去することによって舌前進具テザーを露出させる操作は、図18のステップ1729によって示される。
【0147】
幾つかの実施形態では、オペレータは、その後、無菌手袋を用い、手袋を再び装着することができる。これは、舌の更なる触接がもはや必要ないことが理由である。手袋を再び装着する操作は、図18のステップ1731によって示される。
【0148】
幾つかの実施形態では、オペレータは、その後、骨アンカーテザーを舌前進具テザーと接続又は結合することができる。幾つかの実施形態では、これは、骨アンカーテザーと舌前進具テザーとの間に平坦で対称なノットを形成することによって実施される。しかしながら、幾つかの実施形態では、任意の他の適切な固定又は結合が用いられ得る。
【0149】
骨アンカーテザーを舌前進具テザーと結合又は接続する操作は、図18のステップ1733によって示される。
【0150】
幾つかの実施形態では、骨スクリュー用の穴のための適切な位置の印が下頚に付される。この穴は下頚に開けられ、骨スクリューを用いることにより、骨アンカーが下頚に取り付けられる。
【0151】
下頚への骨アンカーの取り付けは、図18のステップ1735によって示される。
【0152】
図13a〜図13eは、骨アンカーがスプール機構を含む実施形態で使用されるのに適した調節ツールの一例を示す。以下の例では、骨アンカーは、スプール機構を含む。しかしながら、幾つかの実施形態では、骨アンカーはスプール機構を含まず、調節は別の既知の手法で行われ得ることは理解されよう。図13aは、完全なツールアセンブリを示す。ツールアセンブリは、ハンドル90と、ロック/ロック解除制御部92と、調節を制御するための調節部94と、針のアセンブリ96とを含む。この針アセンブリ96は、大径の外部制御シャフト100を越えて遠位側に突出する小径の内部制御シャフト98の形態の少なくとも2つの同心部分を有する。これらはそれぞれ、ドライブヘッドにおいて終端する。
【0153】
ロック/ロック解除制御部は、図13bにより詳細に示される。ロック/ロック解除制御部は、内部(より長い)針部分の回転を制御する。例えば、反時計回りの前進(step)がロック解除のために使用され、時計回りの後退がロックのために使用される。ロックノブ92とロック/ロック解除中心部分98とは強固に接続されている。
【0154】
第2の外部針100は、独立的に回転され得る制御シャフトである。図13cは、テザー線の調節に関与する部品94、100を示す。調節部は、調節ノブの内部穴と外部調節制御シャフト100の外径とが互いに接続することを示すために透明で示される。
【0155】
針アセンブリ96の構成要素は、図13dにより詳細に示される。針アセンブリ96の外側に、外部制御シャフト100上で自由に回転することができる外部スリーブ102がある。外部スリーブは外部制御シャフト100の遠位端からセットバックして終端し、調節部94に対して固定され得る。外部スリーブは2つの目的を果たす。第1に、外部スリーブは、調節を行う間、動作チャネル内において固定位置に留まり、人体内に形成されたアクセス経路に沿う損傷及び炎症を回避する。これは、外部スリーブを調節部94に固定すること、又は外部スリーブが自由に回転することを可能にすることによる何れかで達成され得る。何れの場合においても、患者と接触することによって、外部スリーブは回転可能に静止した(rotationally still)ままとなる。第2に、その遠位端は停止部を提供する。内部ロック制御シャフト98及び外部制御シャフト100が対応する骨アンカー構成要素に押し込まれ得る距離は限定されているため、これらの構成要素を過剰な押込力による破損から保護する。
【0156】
図13eは、針アセンブリ96の先端部をより詳細に示す。この例では、ロック/ロック解除制御シャフト98及び外部制御シャフト100の両方が外部六角形を有する。これらの大きさは対応する骨アンカー構成要素の穴寸法に一致する。上記の2つの例から示され得るように、2つの回転部品がある。第1の部品は、テザーを巻くための実際のスプールであり得、第2の部品は、スプールを妨げるための機構のドライバであり得る。両物体は同じ回転軸線を有し得るため、それらは同軸の部分を有し、対応する針先端部と係合するための非円形穴を有する。近位側の物体はより大きい穴を有する。
【0157】
この近位側の物体のためのツールヘッドは遠位側の穴を貫通することができない。遠位側の物体のためのより小さいツールヘッドは近位側の物体の穴内で自由に回転することができる。ツールは、骨アンカーと係合するための同軸のシャフトを有する。一実施形態において、(遠位側の物体の)より深いスロットはスプールをロックするための針部分のみによって到達され得る。この針部分は、その後、(近位側の物体の)より浅いスロット内で自由に回転する。調節針部分はより大きく、スプールスロットに合致するが、ロックスロットに入ることはできない。原則的に、ロックの機能と調節の機能とは、また、スプーリング制御がデバイス内においてより深くなり、ロックがデバイス内においてより浅くなるように入れ替えることができる。
【0158】
示される例では、六角形のドライブヘッドはツールの各制御シャフトの端部にある。当然、これは、内部制御シャフトのねじ回し型ヘッド及び他の多角形又はより複雑なボルトヘッド設計を含む任意の他の噛み合い形状であり得る。スプール及び回転可能なインデックス式ロック部分の開口部は合致するように設計されている。
【0159】
幾つかの実施形態では、調節ツール及びロックツールは、骨アンカーのロックインターフェースに係合される。これにより、骨アンカーのスプールをロック解除する。骨アンカーのロック解除は、図18のステップ1737によって示される。
【0160】
幾つかの実施形態では、係合される調節ツールの調節インターフェースは、骨アンカーの調節インターフェースに係合される。テザーの長さは必要に応じて調節され得ると共に、骨及び舌前進具テザーから弛みが除去される。テザーから弛みを除去する操作は、図18のステップ1739によって示される。
【0161】
オペレータは、その後、幾つかの実施形態では、係合される調節ツールのロックツールを骨アンカーのロックインターフェースに係合し、骨アンカーのスプールをロックする。
【0162】
骨アンカーのロックは、図18のステップ1741によって示される。
【0163】
幾つかの実施形態では、オペレータは、その後、最初の切開を閉じる。
【0164】
切開の閉鎖は、図18のステップ1743によって示される。
【0165】
このような手法において、植え込み段階は完了する。治癒過程を容易にするために、システム、換言すると、舌前進具と骨アンカーとの間のテザーには、植え込み時に力が掛けられない。しかしながら、治癒過程が完了した後、テザーを骨アンカーに巻き取ることによって、十分な治癒時間の後、植え込まれた装置又はデバイスが調節され得る調節段階が実施され得る。これにより、舌を下頚の方向に前進させ、舌が戻って気道を閉塞することを防ぐ。
【0166】
調節段階の操作は、従って、図19に関して示される以下のステップによって要約され得る。
【0167】
(例えば、メスを用いて)骨アンカー漏斗部(bone anchor funnel)上に切開が直接設けられる。
【0168】
骨アンカー漏斗部上に直接切開を設ける操作は、図19のステップ1801によって示される。
【0169】
調節ツールのロックツールは骨アンカーのロックインターフェース内に挿入され、骨アンカーは調節ツールを用いてロック解除される。
【0170】
ロックツールを係合し、骨アンカーを、調節ツールを用いてロック解除する操作は、図19のステップ1803によって示される。
【0171】
調節ツールは骨アンカーの調節インターフェースに係合され、回転され、テザーの所望の長さを生成する。
【0172】
調節ツールを係合し、及びテザーの長さを調節する操作は、図19のステップ1805によって示される。
【0173】
テザーが所望の長さに調節されると、次いで、調節ツールロックツールが骨アンカーのロックインターフェースに係合され、骨アンカーがロックされる。
【0174】
ロックツールを骨アンカーのロックインターフェースに係合し、骨アンカーをロックする操作は、図19のステップ1807によって示される。
【0175】
オペレータは、その後、切開を閉じ、調節工程を終了する。
【0176】
切開を閉じる操作は、図19のステップ1809によって示される。
【0177】
本明細書中に記載したように、幾つかの実施形態では、低侵襲手術によって骨アンカー、舌前進具及びテザーを患者から除去することが必要とされる。幾つかの実施形態による除去段階に関する操作又はステップは、図20に関して記載される。
【0178】
骨アンカーは患者の下頚に配置される。
【0179】
骨アンカーを位置決めする操作は、図20のステップ1901によって示される。
【0180】
切開が、その後、皮膚に、骨アンカーのブリッジから数ミリメートル離して形成される。
【0181】
第1の又は初期切開を形成する操作は、図20のステップ1903によって示される。
【0182】
図13a〜図13eに示されるような調節ツールを使用して、ロックツールは骨アンカーのロックインターフェースに係合し、例えば、停止部まで又はかすかなクリック音が聞こえるまで調節ツールのロック/ロック解除部分を反時計回り方向に回すことによって、骨アンカーをロック解除する。幾つかの実施形態では、これは4分の1回転のように感じることができる。
【0183】
骨アンカーのロック解除は、図20のステップ1905によって示される。
【0184】
調節ツールは、その後、僅かな張力をテザーに付与しながら骨アンカーテザーを巻き出し、テザー及びスクエアノットが骨アンカー筺体を出ることを容易にする。幾つかの実施形態では、これはノットが骨アンカーを出た後約2cmであり得る。テザーが巻き戻り始める幾つかの実施形態では、その後、骨アンカーテザーの長さ全体が露出されることは理解されよう。
【0185】
骨アンカーテザーを巻き出す操作は、図20のステップ1907によって示される。
【0186】
骨アンカーは、その後、骨スクリューを緩めることによって下頚から取り外される。幾つかの実施形態では、これには、骨アンカーの下頚プレートからあらゆる骨過成長を排除することを伴い得る。
【0187】
下頚から骨アンカーを取り外す操作は、図20のステップ1909によって示される。
【0188】
骨アンカーテザーは、その後、舌前進具テザーから結び目が解かれるか、又は幾つかの実施形態では、骨アンカーテザーは切断されて舌前進具テザーの露出されたループを呈する。幾つかの実施形態では、舌前進具テザーループは指を用いることによって露出され得るが、テザーループを損傷しないように注意を払いながらこの操作を補助するために、又はテザーループが損傷した場合には引っ掛けるのに好適な新たなループを再構築するために、先の鈍い器具を使用することができる。
【0189】
舌前進具テザーの露出されたループを呈する操作は、図20のステップ1911によって示される。
【0190】
図14に関して、幾つかの実施形態による例示的な接続ツールが示される。接続ツール1301は、4つの部分を含むものと見なされ得る。
【0191】
第1の部分は、幾つかの実施形態では、分離可能な又は着脱可能な除去カニューレ部分1315である。着脱可能な除去カニューレ部分は、アタッチメントノブ又はアタッチメント回転子1331と、除去チューブ又は除去カニューレ1333とを含み得る。除去チューブ又は除去カニューレ1333は、幾つかの実施形態では、それにより安定なチャネルが形成されることを可能にする点で、トロカールツール/インプラントツールのカニューレ部分3の動作と同様に動作するものと見なされ得る。この安定なチャネルを通じて、除去操作が実施され得る。幾つかの実施形態では、従って、除去チューブ1333は、ステンレス又は外科グレードのスチール又は他の適切な材料から製造され得る中空のチューブである。アタッチメントノブ1331は、幾つかの実施形態では、除去チューブ1333に取り付けられ得るか、又は除去チューブ1333の周りに配置され得るかの何れかであり、適切なプラスチック材料から作製される中空のチューブである。幾つかの実施形態では、アタッチメントノブ1331は、回転力及び押込力の両方がアタッチメントノブ1331に付与されることを可能にするための適切な形状又は設計を有するように構成される。
【0192】
少なくとも部分的に除去チューブ1333内に、除去スリーブ又はアタッチメントスリーブ(除去)1335が配置されている。除去スリーブ1335は、遠位端に、舌前進具の近位端に結合するのに好適なカップリング部分を有するように構成されている。例えば、幾つかの実施形態では、除去スリーブ1335は、ねじ、クランプ、ボール形状のカップリング又はコネクタ(舌前進具のソケット形状のカップリング又はコネクタに結合するため)、ソケット形状のカップリング又はコネクタ(舌前進具のボール形状のカップリング又はコネクタに結合するため)、又は把持面、又は形状、又は舌前進具に結合するための類似の要素を含む。除去スリーブ1335は、幾つかの実施形態では、従って、遠位端に、接続ロッド型構造を用いて記載した構造に類似する構造を含む。除去スリーブ1335は、幾つかの実施形態では、接続ロッド円形溝(又は除去ツールとの結合若しくは接続を形成するための他の適切な手段)に類似する特徴を含む除去アダプタ(又はラチェット部分)と結合するためのねじ山又はクランプ要素などの近位側カップリング部分を更に含み得る。除去スリーブ1335は、舌前進具及び除去アダプタ(ラチェット部分)1334に結合されている際、除去アセンブリを形成していると見なされ得る。除去アセンブリは、除去ツール内において舌前進具を引き込むように構成され得る。更に、除去アセンブリは、従って、インプラントツール内において舌前進具を引き込むための、接続ロッド及び舌前進具のカップリングを含むインプラントアセンブリに類似する。
【0193】
第2の部分は、幾つかの実施形態では、フローティングノブ又は中間部グリップ1329を含む分離可能な中間又は本体部分1313である。フローティングノブ1329は中空のチューブであり、その内部に、切開器具本体(切開器具アセンブリ又は摺動アセンブリの一部)1327が配置され得る。フローティングノブ1329は、アタッチメントノブ1331の近位端に分離可能に結合され、プラスチック又は他の材料から形成されるように構成され得る。
【0194】
第3の部分は、幾つかの実施形態では、切開器具又は摺動アセンブリである。切開器具又は摺動アセンブリは、幾つかの実施形態では、少なくとも部分的にフローティングノブ1329、アタッチメントノブ1331、除去チューブ1333及び除去スリーブ1335内に配置され得る一連の中空のチューブ状構造を含む。摺動アセンブリは、幾つかの実施形態では、切開器具本体1325と、少なくとも部分的に除去スリーブ1335内に配置された切開器具1336とを含む。切開器具1336は、幾つかの実施形態では、遠位端に、組織を切除するのに好適な先端部を有するように構成され得る。
【0195】
摺動アセンブリは、幾つかの実施形態では、2つ以上の部分から形成され得る。例えば、摺動アセンブリは、摺動アセンブリをフローティングノブ1329及びアタッチメントノブ1331に回転可能にロックする(又はロック解除する)のに好適である、切開器具本体1325内に組み込まれたキー溝特徴1327及びキー溝基部を有する近位側プラスチック部品を含み得る。摺動アセンブリが回転可能にロックされている際のアタッチメントノブ1331の回転により、接続ツールをテザー線に沿って患者内に前進させる際に、組織を切除するための鋭利な刃を備えた切開器具1336が回転することが可能になる。
【0196】
幾つかの実施形態では、除去スリーブ1335と舌前進具との間の能動的な接続が設けられると、切開器具1336は内側に(除去スリーブに対して近位側方向に)押され、切開器具本体1325のインジケータ又はフレアをフローティングノブ1329から離すように、切開器具本体1325は、フローティングノブ1329に結合又は接続され得る。このような実施形態は、従って、接続ツールと舌前進具との間の能動的な接続の明確なインジケータを提供する。
【0197】
接続ツールの第4の部分は、幾つかの実施形態では、テンションアセンブリ1311である。テンションアセンブリは、幾つかの実施形態では、張力計1323に接続されたテンショナ1321又はテンションハンドルを含む。張力計1323は、更に、着脱可能なテンションロッドに結合又は接続されている。着脱可能なテンションロッドは、少なくとも部分的に摺動アセンブリ内に配置されており、遠位端に、テンションフック1337を有する。張力計は着脱可能なテンションロッドによってテンションフックに接続されるが、テンション線又はチューブなどの任意の適切な着脱可能なカップリングが用いられ得ることは理解されよう。
【0198】
テンショナ1321は、張力計1323を介して、テンションロッド及びテンションフック1337に張力を付与するための任意の適切な手段であり得る。図14に示される例では、テンショナ1321は、ツールの本体から離れる方向に引き、力を付与するのに好適なハンドルである。しかしながら、テンショナ1321は、外部リテーナ、スプールばね、線形ばね、重力下で作用する質量若しくは重量、スライダ、又はユーザにより制御されるモータなどのモータの1つとして実施され得る。
【0199】
張力計1323は、任意の適切な力(張力)検知又は検出手段であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、張力計1323は、一端において、一端(テンショナ1321)に接続された本体又は窓と、他端(テンションロッド及びテンションフック1337)に接続された可視インジケータとを含み、本体とインジケータとは、バネ又は弾性付勢強制手段によって接続されている。バネ又は弾性付勢強制手段は、テンショナ1321が力を付与して、本体を動かすと、バネが可視インジケータ(種々のカラーバー又はブロック)を窓に沿って引っ張り、ユーザに対し、テンションフック1337によって舌前進具テザー線に付与されている力/張力のレベルのインジケータを提供するように構成されている。
【0200】
張力計1323は、例えば、付与されている張力又は力のレベルを示す3つの領域を有し得る。張力が最初に付与されるときに表示される第1の領域は、静止位置又はゼロ張力を示し、更に、張力が低過ぎるときを示す橙色のカラーバー又はブロックである。第2の領域、緑色のカラーバー又はブロックは、張力が適正であるときに表示される。従って、所望の張力において、窓は、第2の領域を表示して完全に緑色の窓を生じさせる。第3の領域、赤色は、高過ぎる張力が付与されたときに窓が赤色を表示するように表示される。張力の範囲は例示的な実装形態に応じて異なり得ることは理解されよう。例えば、「低過ぎる」、「所望の」及び「高過ぎる」張力値は使用されるテザー線のグレード又は種類に基づき得る。例えば、「低過ぎる」張力範囲(橙色のカラーバーが表示される)は、0〜10Nの値の範囲に対して設定され得る。「所望の」張力範囲(緑色のカラーバーが表示される)は、5〜25Nの値の範囲に対して設定され得る。「高過ぎる」張力範囲(赤色のカラーバーが表示される)は、10Nを超える値の範囲に対して設定され得る。
【0201】
橙色、緑色、赤色のバー(又はブロック)領域の色の例が示されるものの、任意の適切な色又は表示窓構成が用いられ得ることは理解されよう。同様に、線形の表示部又は張力計が示されるものの、幾つかの実施形態では、回転可能な計器(rotational meter)が用いられ得ることは理解されよう。更に、幾つかの実施形態では、張力計は、適切な目盛り上に張力計の読みを表示する矢印であっても類似の指針であり得る。
【0202】
テンションロッドは少なくとも部分的に摺動アセンブリ内に配置されており、遠位端に、テンションフック1337を有する。テンショナ1321及び張力計1323がテンションフック1337から取り外され得るように、テンションロッドは、少なくとも1つの着脱可能な部分を有して構成され得る。
【0203】
テンションフック1337は任意の適切な材料又は設計であり得、実施形態において、露出した舌前進具テザー線を接続ツールに結合し、摺動アセンブリが舌前進具に向かって動く際に適切な張力をテザー線に付与するように構成されている。或いは、換言すると、テンションフック1337及び舌前進具テザー線は接続ツール内において、テンショナに対する又はテンショナによる引張力の付与によって引っ張られ得る。本明細書中の例ではテンションフック1337の使用について記載しているが、用語フックは、舌前進具テザー線に結合又は接続するための任意の適切な接続又は結合、把持又は捕捉要素又は手段を定義することは理解されよう。
【0204】
接続ツールに関する第1の操作は、幾つかの実施形態では、接続ツール、及び幾つかの実施形態では、テンションフック1337を舌前進具テザー線に結合することである。幾つかの実施形態では、接続ツールはキー溝のないモード又は状態にある。接続ツールテンショナ1321は、従って、舌前進具テザー線ループをフックに完全に着座させるために慎重に引っ張られる。
【0205】
接続ツールテンションフック内に舌前進具テザー線のループを引っ掛けるか又は着座させる操作は、図20のステップ1913によって示される。
【0206】
接続ツール、及び幾つかの実施形態では、接続ツールテンショナ1321は、従って、テザー線に適切な張力を付与するために引っ張られる。適切な張力は、例えば、張力計1323によって決定され得る。上述のように、張力計1323は、適切な張力範囲内で動作しているとき、橙色(低過ぎる張力)又は赤色(高過ぎる張力)の何れかを表示するのではなく、むしろ完全に緑色のブロックの視界窓を表示する。
【0207】
テザーに必要な量の張力を付与する操作は、図20のステップ1915によって示される。
【0208】
幾つかの実施形態では、ここで、植え込まれた舌前進具の位置が決定される。これは、例えば、舌を触接して、植え込まれた舌前進具の位置を設定することによって実施され得る。
【0209】
植え込まれた舌前進具を位置決めする操作は、図20のステップ1917によって示される。
【0210】
接続ツールは、その後、組織内において前進させることができ、テンショナ1321によりテザー線に張力を付与し、従って、摺動アセンブリをテザー上に移動させる間に、フローティングノブ1329及び/又はアタッチメントノブ1331を把持/回転することによって、接続ツールは、想定された舌前進具テザーの向きにほぼ位置合わせされた状態に維持される。幾つかの実施形態では、これは舌前進具に到達するまで継続され得る。幾つかの実施形態では、テザー線は斜角で追従し得ることは理解されよう。
【0211】
図15に関して、図14に示されるコネクタツールの端部の詳細が示される。例示的な図では、除去チューブ1333が示される。除去チューブ内から延びるのは除去スリーブ1335である。除去スリーブ1335は、遠位端に、舌前進具の近位端に結合するのに好適なカップリング部分を有するように構成されている。例えば、幾つかの実施形態では、除去スリーブ1335は、ねじ、クランプ、ボール形状のカップリング(舌前進具のソケット形状のカップリングに結合するため)、ソケット形状のカップリング(舌前進具のボール形状のカップリングに結合するため)、又は舌前進具に結合するための把持面若しくは形状を含む。更に、除去スリーブ1335内から延びるのは切開器具1336である。切開器具1336は、本明細書中に記載されるように、組織を切除するのに適するように構成された先端部を含む。換言すると、切開器具は、鋭利な刃又は切刃を含む。テザー線が斜角に追従する際、テザー線が切開器具1336によって切断されないように、幾つかの実施形態では、切開器具は、曲がって、テザー線が切開器具先端部の切刃に接触することを防ぐように構成された可撓性部分又は端部を含む。可撓性部分又は端部は、任意の適切な材料から製造され得る。更に、切開器具1336内から延びるテンションフック1337が示される。本明細書中に記載されるテンションフック1337は、露出した舌前進具テザー線に結合又は接続し、舌前進具テザー線に適切な張力を付与するのに好適な任意の適切な設計であり得る。
【0212】
更に、図16に関して、適切なテザー保護デバイスの更なる例が示される。図16に示される例では、切開器具1336は、幾つかの実施形態では、切開器具先端部の内縁部に配置され得ると共に、テザー線が斜角で追従する位置で切開器具のテザー線と切刃とを分離するように構成されている先の鈍い切開器具先端部1501を含む。
【0213】
組織の切開又は切断力を付与するために接続ツールが回転される場合、幾つかの実施形態では、接続ツール(特に、除去スリーブ1335)と舌前進具との間の結合がねじ結合である場合、回転は時計回りに維持されることは理解されよう。しかしながら、前進は、例えば、揺り動かす動きなどの任意の適切な手法で実施され得ることは理解されよう。テザーにかかる張力を維持しながらカニューレをテザーに沿って舌へと前進させる操作は、図20のステップ1919によって示される。
【0214】
カニューレは、接続ツールと舌前進具との間に確実な接続が得られるまで前進させる。
【0215】
幾つかの実施形態では、接続ツールと舌前進具との間の接続の特定又は確認は、舌内における舌前進具の動きを、触接する手で感じることによって判断され得る。
【0216】
更に、幾つかの実施形態では、接続ツール(特に、除去スリーブ)と舌前進具との間における接触の特定又は確認は、上述のように、切開器具本体1325又は内部本体部分と、フローティングノブ1329との間を切り離すことによって判断される。舌前進具の近位端と接触している接続ツールは、その後、除去スリーブと舌前進具との結合手段によって舌前進具に結合され得る。従って、例えば、幾つかの実施形態では、除去スリーブは、ねじ結合を含み、時計回り方向に回転されてテザー経路を下り、舌前進具の近位端に結合されるように構成されている。幾つかの実施形態では、除去スリーブは、舌前進具に確実に結合されている際、舌前進具が除去スリーブの回転に応答して抵抗回転力(resistive rotational force)を作用させることに起因する、回転に対する抵抗の増加を受ける。
【0217】
接続ツールと舌前進具との結合は、図20のステップ1921によって示される。
【0218】
幾つかの実施形態では、除去スリーブ1335と舌前進具との間の確実な接触が達成されると、そこで、接続ツールの本体1313は、着脱可能な除去カニューレ部分1315から分離され得ると共に、着脱可能な除去カニューレ部分1315を所定の位置に残したままで、接続ツールの本体は患者から引き離され得る。例えば、フローティングノブ1329及びテンションアセンブリ1311は、着脱可能な除去カニューレ部分1315から切り離され得る。フローティングノブ1329及びテンションアセンブリ1311は、その後、患者から引き離され得る。
【0219】
これは、幾つかの実施形態では、張力計窓の前にある特徴によって、換言すると、テンショナハンドルのハードストップに到達するまでスライダアセンブリと接続ツールの本体とをキー結合することによって実施され得る。
【0220】
幾つかの実施形態では、従って、フローティングノブ1329及びテンションアセンブリ1311が着脱可能な除去カニューレ部分1315から切り離されると、除去スリーブ1335は除去チューブ1333内に保持され、フローティングノブ1329及びテンションアセンブリ1311を含む接続ツールの本体は、患者から引き離される。更に、テンションロッドの着脱可能な部分は、テンショナ1321及び張力計1323がテンションフック1337から取り外されるように取り外され、従って、テンションフックとテザー線とが別々に扱われる間、テンションアセンブリ1311が動かされることを可能にし得る。
【0221】
更に、このような実施形態では、(除去スリーブ1335を含む)着脱可能なカニューレ部分1315からの接続ツール本体の分離に続き、除去アダプタ(ラチェット部分)は除去スリーブ1335の近位端に結合され、除去アセンブリを形成する。幾つかの実施形態では、除去スリーブ1335は、除去スリーブ1335の近位端に配置又は結合される一体型の除去アダプタ1334を含むことは理解されよう。除去アセンブリは、幾つかの実施形態では、従って、除去スリーブ1335の近位端において除去スリーブ1335に結合された除去アダプタ(又はラチェット部分)と、除去スリーブの遠位端において舌前進具に結合された除去スリーブ1335とを含む。
【0222】
着脱可能なカニューレ部分1315(除去アセンブリ及び舌前進具を含む)内の接続ツールと接続ツール本体(テンショナ1321及びフローティングノブ1329を含む)との分離、並びに除去アセンブリの形成は、図20のステップ1923によって示される。
【0223】
図17に関して、例示的な除去ツール1601が示される。図17に示される除去ツール1601は、ハンドル部分を組み込んだ本体1613を含む。本体1613は、任意の適切な材料、例えば、射出成形プラスチックから製造又は形成され得る。本体1613は、幾つかの実施形態では、本体1613から取り付けられた他の構成要素を有し得る。例えば、図17に示されるように、本体1613は、内部枢着部を介して引き込みレバー1611に結合又は接続されている。引き込みレバー1611は、図17に示されるような幾つかの実施形態では、除去ツールをツールのオペレータが保持している際に少なくとも1本の指を使用することで作動できるように構成されており、成形プラスチック部品から形成され得る。本体1613は、幾つかの実施形態では、本体1613内の第2の枢着部に枢着されており、解放ボタン若しくはトリガレバー1609をカバーするか、又は解放ボタン若しくはトリガレバー1609を偶発的に押すことを防ぐように構成されている安全レバー又はカバー1607に更に結合され得る。本体1613は、幾つかの実施形態では、除去アセンブリ解放ボタン又はトリガ1609に更に結合又は接続され得る。
【0224】
本体1613は、幾つかの実施形態では、着脱可能な除去カニューレ部分1315を受け入れるのに好適なカップリング及び/又はラッチング部1603を更に含み得る。これは、例えば、本体1613の遠位端内の軸対称又は軸方向スロットであり得る。更に、ラッチング部は、例えば、除去ツール本体1613上に挿入されると、着脱可能な除去カニューレ部分1315の対応する形状に適合するように構成された異形端部を有するポートキー特徴部などのラッチング機構によって実施され得る。本体1613は、幾つかの実施形態では、除去ツール1601と着脱可能な除去カニューレ部分1315との間の切り離し又は分離を可能にするのに好適な解放若しくはカニューレ解放ボタン又は適切なラッチング解放機構を含み得る。
【0225】
本体1613は、幾つかの実施形態では、内部装填チューブ又は中空を含む。内部装填チューブ又は中空は、除去アセンブリと、除去チューブ1333の内部に配置されており、着脱可能な除去カニューレ部分1315が除去ツール1601の本体に取り付けられると少なくとも部分的に除去チューブ1333から近位側方向に延出する、少なくとも除去アダプタとを受け入れるように構成されている。本体1613内の内部装填チューブ又は中空は、幾つかの実施形態では、除去チューブ1333の近位端を受け入れるように構成され得る。
【0226】
幾つかの実施形態では、除去ツールは、舌前進具を含む除去アセンブリを装填するように構成された装填機構、及び除去アセンブリの装填中にチャージされるように構成された推進要素、及び舌前進具を含む除去アセンブリを解放するように構成された解放機構(幾つかの実施形態では、ボタンの解除又はトリガ機構によって実施される)に関してインプラントツールに類似する特徴を含むことは理解されよう。例えば、幾つかの実施形態では、除去ツール1601は、引き込みレバー機構に結合された第1のフックと、第2のフックとを含む装填機構を含む。第1のフック及び第2のフックは両方共、第1のフック及び第2のフックが各点の周りを枢動することができ、除去アセンブリの近位端が、一方向、内方向に移動することができるものの、捕捉され、外方向に移動することを妨げられるように、除去アセンブリのラチェット溝特徴部(特に、除去アダプタ又はラチェット部分)を引っ掛けることができるか、又は捕らえることができるように取り付けられている。引き込みレバーが除去ツールの本体に向かって引かれると、第1のフックが本体1613に対して内方向に動くように、第1のフックは、引き込みレバー機構に結合又は接続されている。更に、引き込み機構は、除去ツールへの除去アセンブリの装填又は引き込み時にチャージされる付勢又はバネ荷重などの推進要素を含む。推進要素は、フックが除去アセンブリの溝から離されると、除去アセンブリを除去ツールから押し出すか、又は排出するように構成され得る。例えば、フックは、解放ボタン又はトリガレバー1609を押した後に作動される解放又はトリガ機構によって、除去アセンブリの溝から移動され得る。解放ボタンは、例えば、フックを除去アセンブリから離し、従って、円形溝からフックを係脱するための適切な解放機構に結合され得る。
【0227】
重ねて、本明細書で使用する場合、用語フックは、除去アセンブリを引っ掛けること、把持すること又は捕捉することを可能にする任意の適切な表面若しくは形状を定義し得ることは理解されよう。同様に、除去アセンブリと組み合わせることで、第1の又は装填モードにおいて、インプラントツールに関して記載した手法と同様に除去ツール内に除去アセンブリが装填されることを可能にする適切なラチェット又はロッキング機構を形成する任意の他の適切なロッキング又はラチェット機構が用いられ得ることは理解されよう。例えば、幾つかの実施形態では、除去ツールは、除去アセンブリ上で動作するための適切なギアホイールを含む。同様に、幾つかの実施形態では、除去ツールは、(適切な手段によって形成された対応する摩擦面を有する)除去アセンブリへの摩擦カップリングを用いる適切なクラッチ機構を含む。
【0228】
従って、着脱可能な除去カニューレ部分1315への除去ツール1601の挿入により、除去アセンブリ、特に、少なくとも部分的に除去チューブ内に配置された除去アダプタが、本明細書中に記載されるように、接続ロッドをインプラントツールに装填するのと同様に除去ツール内のレバーと接続する。換言すると、除去アダプタと除去スリーブとを組み合わせることで、接続ロッドを形成すると考えられ得る。同様に幾つかの実施形態では、挿入ツールに関して示されるような接続ロッドは、遠位端において舌前進具に結合されるように、及び近位端において挿入又は除去アダプタに結合されるように構成された挿入又は除去スリーブ部分を含み得る。挿入又は除去アダプタは、遠位端において挿入又は除去スリーブに、近位端において挿入又は除去ツールにそれぞれ結合されるように更に構成されている。幾つかの実施形態では、挿入又は除去アダプタは入れ替え可能であり、同様に、幾つかの実施形態では、挿入又は除去スリーブは入れ替え可能である。
【0229】
除去ツールを除去アセンブリに結合する操作は、図20のステップ1925によって示される。
【0230】
除去ツールは、その後、動作され得る、換言すると、除去ツールに引き込まれる除去アセンブリによって舌前進具が除去チューブ1333内に完全に引き込まれるまで引き込みレバー1611が動作される。幾つかの実施形態では、除去ツールは、荷重バネなどの推進要素を含む。しかしながら、任意の適切な推進要素が用いられ得る。更に、推進要素は、幾つかの実施形態では、除去アセンブリの装填中にチャージされるように構成され得るが、推進要素は除去アセンブリの推進前のある時点でチャージされ得ることは理解されよう。
【0231】
幾つかの実施形態では、舌前進具の除去は、舌を触接することによって確認される。
【0232】
除去ツールへの舌前進具の引き込みの確認に続き、除去ツール及び取り付けられた着脱可能な除去カニューレ部分が患者から除去される。
【0233】
舌前進具を引き込み、デバイスアセンブリを体から除去する操作は、図20のステップ1927によって示される。
【0234】
幾つかの実施形態では、除去ツール1601は、その後、適切なリターンコンテナにおいて誘導され、除去ツール推進要素(バネ荷重)は、安全レバー1607を動作させること及び解放ボタン1609を押すことによって解放され、舌前進具を更に含む除去アセンブリの一部としての除去スリーブを適切なリターンコンテナへと推進させる。
【0235】
コンテナは、例えば、舌前進具の指部を受け入れ、(例えば、舌前進具を緩めることによって)舌前進具の切り離し又は分離を可能にするように構成された発泡体材料を収容し得る。除去された舌前進具は、その後、舌前進具が完全に除去されたかどうかを判断するために調べられ得る。
【0236】
取り出された舌前進具を検査する操作は、図20のステップ1929によって示される。
【0237】
切開は、その後、取り出された舌前進具が完全であり、機械的破損を生じていないと判断されると閉じられ得る。
【0238】
切開を閉じる操作は、図20のステップ1931によって示される。
【0239】
特許請求される本発明の実施において、当業者には、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示される実施形態の他の変形形態が理解及び実施され得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除しない。相互に異なる従属請求項に特定の施策が列挙されるという単なる事実は、これらの施策の組み合わせが効果的に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲のあらゆる参照符号は範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a-7d】
図8
図9
図10a
図10b
図11a-11b】
図12a
図12b
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図13(d)】
図13(e)】
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20