特許第6589023号(P6589023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6589023
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】クッション体
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20191001BHJP
   A47C 27/15 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   A47G9/10 A
   A47G9/10 B
   A47G9/10 M
   A47C27/15 D
   A47C27/15 Z
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-152344(P2018-152344)
(22)【出願日】2018年8月13日
【審査請求日】2018年8月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505125727
【氏名又は名称】株式会社エイティー今藤
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】今藤 尚一
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−186971(JP,A)
【文献】 実開昭60−167576(JP,U)
【文献】 実開平05−053571(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3192003(JP,U)
【文献】 特開昭62−109592(JP,A)
【文献】 特開2016−106908(JP,A)
【文献】 実開昭58−036861(JP,U)
【文献】 特許第3873228(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3090217(JP,U)
【文献】 実開昭58−036862(JP,U)
【文献】 特開平08−089382(JP,A)
【文献】 特開2017−029247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
A47G 9/02
A47C 27/15
A47C 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口を有する側生地を袋状に縫製した袋体と、
前記第1開口から離隔した前記袋体内の位置に第2開口を有し、前記第1開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第1小室、及び前記第2開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第2小室を前記袋体に形成する仕切り生地と、
一端が前記第1開口に縫い付けられると共に前記第1小室内に収納可能であり、且つ前記第1小室と連通する筒形の第1筒布と、
一端が前記第2開口に縫い付けられると共に前記第1小室内に前記第1筒布とは別に収納可能であり、且つ前記第2小室と連通する筒形の第2筒布と、
を備え、
前記第1筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出し可能であり、
前記第2筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出した前記第1筒布の内側から前記第1開口外へ引き出し可能である
ことを特徴とするクッション体。
【請求項2】
前記袋体は、縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して厚さが小さい扁平形状であり、
前記第1小室、及び前記第2小室は、厚さ方向に重なっており、
前記第1開口は、前記袋体の下面に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のクッション体。
【請求項3】
第1開口を有する側生地を袋状に縫製した袋体と、
前記第1開口から離隔した前記袋体内の位置に第2開口を有し、前記第1開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第1小室、及び前記第2開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第2小室を前記袋体内に形成する仕切り生地と、
前記第1開口から離隔した前記袋体内の位置に第3開口を有し、前記第3開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第3小室を前記第1小室と前記第2小室との間に形成する他の仕切り生地と、
一端が前記第1開口に縫い付けられると共に前記第1小室内に収納可能であり、且つ前記第1小室と連通する筒形の第1筒布と、
一端が前記第2開口に縫い付けられると共に前記第3小室内に収納可能であり、且つ前記第2小室と連通する筒形の第2筒布と、
一端が前記第3開口に縫い付けられると共に前記第1小室内に前記第1筒布とは別に収納可能であり、且つ前記第3小室と連通する筒形の第3筒布と、
を備え、
前記第1筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出し可能であり、
前記第3筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出した前記第1筒布の内側から前記第1開口外へ引き出し可能であり、
前記第2筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出した前記第3筒布の内側から前記第1開口外へ引き出し可能である
ことを特徴とすクッション体。
【請求項4】
前記袋体は、縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して厚さが小さい扁平形状であり、
前記第1小室、前記第3小室、及び前記第2小室は、厚さ方向に重なっており、
前記第1開口は、前記袋体の下面に設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のクッション体。
【請求項5】
前記第3開口は、縦方向の位置、及び横方向の位置が、前記第1開口の縦方向の位置、及び横方向の位置に揃えられており、
前記第2開口は、縦方向の位置、及び横方向の位置が、前記第3開口の縦方向の位置、及び横方向の位置に揃えられている
ことを特徴とする請求項に記載のクッション体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッション体に関する。
【背景技術】
【0002】
枕、マットレス、及び座布団など、袋体の内部に詰め物を充填したクッション体には、袋体の内部に複数の小室を形成し、各小室に充填する詰め物の種類や量を選択できるようにしたものがある。
例えば、特許文献1に記載された枕は、枕の内部を複数の小室に分割している。この枕では、詰め物を出し入れするための開口を各小室に設けている。
特許文献2に記載された枕は、袋体内の上側に上側小室を設け、下側に下側小室を設けている。この枕では、袋体における上側小室と下側小室の境界に開口を設け、この開口に詰め物を出し入れするための筒布の一端を縫い付けている。筒布の内部は、上側部分と下側部分とに二分割されており、上側部分を上側小室に連通させ、下側部分を下側小室に連通させている。この枕において、上側小室との間で詰め物を出し入れする場合には、詰め物を筒布の上側部分から出し入れし、下側小室との間で詰め物を出し入れする場合には、詰め物を筒布の下側部分から出し入れする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3873228号公報
【特許文献2】登録実用新案第3090217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、詰め物を出し入れするための開口を小室毎に設ける構成では、小室と同数の開口が必要となることから、小室の数の増加に伴って開口が増えてしまうという問題が生じる。
特許文献2のように、筒布の内部を分割する構成では、開口の数を減らせるものの、開口を設ける場所が上側小室と下側小室の境界に制限されてしまうという問題が生じる。また、1つの筒布によって3つ以上の小室との間で詰め物を出し入れすることは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、袋体に設ける開口の数を抑制しつつ、開口を設ける場所の自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るクッション体は、第1開口を有する側生地を袋状に縫製した袋体と、前記第1開口から離隔した前記袋体内の位置に第2開口を有し、前記第1開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第1小室、及び前記第2開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第2小室を前記袋体に形成する仕切り生地と、一端が前記第1開口に縫い付けられると共に前記第1小室内に収納可能であり、且つ前記第1小室と連通する筒形の第1筒布と、一端が前記第2開口に縫い付けられると共に前記第1小室内に前記第1筒布とは別に収納可能であり、且つ前記第2小室と連通する筒形の第2筒布と、を備え、前記第1筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出し可能であり、前記第2筒布の他端は、前記第1開口外へ引き出した前記第1筒布の内側から前記第1開口外へ引き出し可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、開口の数を抑制しつつ、開口を設ける場所の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)は、第1実施形態の枕の上面側の斜視図である。(b)は、第1実施形態の枕の下面側の斜視図である。
図2】(a)は、第1実施形態の枕の底面図である。(b)は、(a)のA−A断面図、及びC−C断面図である。(c)は、(a)のB−B断面図である。(d)は、(a)のD−D断面図である。
図3図2(a)のA−A位置、及びC−C位置において、第1筒布の他端、及び第2筒布の他端を引き出した状態を説明する断面図である。
図4図2(a)のD−D位置において、第1筒布の他端、及び第2筒布の他端を引き出した状態を説明する断面図である。
図5】第2筒布を通じて第2小室に羽毛を充填している様子を模式的に説明する部分拡大断面図である。
図6】第1筒布を通じて第1小室に樹脂パイプを充填している様子を模式的に説明する部分拡大断面図である。
図7】(a)は、第2実施形態の枕の底面図である。(b)は、(a)のA−A断面図、及びC−C断面図である。(c)は、(a)のB−B断面図である。(d)は、(a)のD−D断面図である。
図8図7(a)のA−A位置、及びC−C位置において、第1筒布の他端、第3筒布の他端、及び第2筒布の他端を引き出した状態を説明する断面図である。
図9図7(a)のD−D位置において、第1筒布の他端、第3筒布の他端、及び第2筒布の他端を引き出した状態を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<枕1の概略について>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
最初に枕1の概略について説明する。図1(a)は、第1実施形態の枕1の上面側の斜視図である。図1(b)は、第1実施形態の枕1の下面側の斜視図である。図3は、図2(a)のA−A位置、及びC−C位置において、第1筒布17の他端17b、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態を説明する断面図である。なお、図2(a)のB−B位置において第1筒布17の他端17b、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態は、図3と同様であることから図示を省略する。
【0009】
図1(a)及び(b)に示すように、枕1は、縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して厚さが小さい扁平な直方体形状である。枕1は、上側生地11、下側生地12、左側生地13、及び右側生地14を袋状に縫製した袋体2の中に、詰め物を充填することによって作製されている。枕1の下面に位置する下側生地12には、線ファスナ4によって開閉自在な複数の第1開口3を設けている。第1開口3は、枕1の横方向に沿った線状の切り込みであり、詰め物を袋体2から出し入れするために設けている。
図3に示すように、袋体2の内面には、第2開口16を有する仕切り生地15の外周縁15aを縫い付けてあり、詰め物を充填可能な第1小室21、及び第2小室22を袋体2の内部に形成している。第2開口16は、枕1の横方向に沿った線状の切り込みであり、詰め物を第2小室22から出し入れするために設けている。
第1開口3には、筒形の第1筒布17の一端17aを縫い付けてあり、第1筒布17を第1小室21に連通させている。第2開口16には、筒形の第2筒布18の一端18aを縫い付けてあり、第2筒布18を第2小室22に連通させている。第1筒布17の他端17bは、第1開口3が開放されているときに、第1開口3の外部、すなわち第1小室21とは反対側に位置する空間へ引き出すことができる。第2筒布18の他端18bは、他端17bを第1開口3の外部へ引き出した第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出すことができる。
【0010】
この枕1では、第2小室22に対して、第1筒布17の内側から第1開口3の外部に引き出した第2筒布18を通じて詰め物を送り込み、取り出す。また、第1小室21に対して、第1開口3に連通している第1筒布17を通じて詰め物を送り込み、取り出す。なお、第2筒布18は、第1小室21に対して詰め物を出し入れするときには、折り畳んで第1小室21内に収納する。
このように、下側生地12に設けた第1開口3を、第1小室21への詰め物の出し入れと、第2小室22への詰め物の出し入れのそれぞれに共用しているため、第1開口3の数を各小室21、22の数よりも少なくすることができる。
また、第2小室22に対して詰め物を出し入れするときには、第2筒布18の他端18bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部に引き出している。このため、第1小室21と第2小室22の境界以外の場所であっても第1開口3を設けることができる。従って、第1開口3を設ける場所の自由度を、従来技術と比較して高めることができる。
【0011】
<第1実施形態について>
以下、第1実施形態の枕1について詳細に説明する。
以下の説明において、枕1の左右方向は、使用者の仰臥時の姿勢に基づいて定める。具体的には、図1(a)及び(b)に示すように、仰臥時に使用者の左肩が位置する側を枕1の左側といい、右肩が位置する側を枕1の右側という。そして、枕1の左右を結ぶ方向を枕1の横方向といい、枕1の横方向と直交する方向を枕1の縦方向という。枕1の縦方向は、仰臥時において使用者の頭頂と首元とを結ぶ方向である。
枕1は、平面視において、縦方向の長さが横方向の長さよりも短い略長方形状をしている。この枕1において、仰臥時に使用者の首元が位置する部分1aは、頭頂側に向かって僅かに凹んでいる。縦方向の長さは、例えば300mm乃至450mmであり、横方向の長さは、例えば600mm乃至700mmである。
枕1の厚さは、縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して充分に小さくなっている。枕1の厚さは、例えば70mm乃至150mmである。枕1の厚さは、各小室21、22に充填する詰め物の量に応じて調整可能であるが、最大量の詰め物を充填した場合であっても縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して小さい。
【0012】
袋体2は、枕1の上面側に位置する上側生地11と、枕1の下面側に位置する下側生地12と、枕1の左側に位置する左側生地13と、枕1の右側に位置する右側生地14とを縫い合わせることにより袋状に作製している。
上側生地11、及び下側生地12は、それぞれ四角形状をしており、対辺同士を縫い合わせて筒形にしている。左側生地13、及び右側生地14は、それぞれ4つの角が丸められた細長い長方形状をしている。左側生地13の周縁は、筒形の上側生地11、及び下側生地12の左周縁に縫い合わせており、同様に、右側生地14の周縁は、筒形の上側生地11、及び下側生地12の右周縁に縫い合わせている。縫い合わせは、例えばかがり縫いによって行っており、縫い合わせた部分を枕1の内側に位置付けている。
【0013】
下側生地12は、4枚の短冊生地12aを縫い合わせることによって作製されている。
隣り合う短冊生地12a同士の境界には、線ファスナ4を縫い付けている。本実施形態では、3つの線ファスナ4を、短冊生地12a同士の境界に沿って位置をずらして縫い付けている。本実施形態の下側生地12は、3つの境界を有しているため、合計9つの線ファスナ4を縫い付けている。
これらの線ファスナ4は、袋体2の内部に形成された9つの第1小室21(図2(a)を参照)のそれぞれに対応して設けており、第1開口3を開閉する。例えば、線ファスナ4は、2列に並んだ複数のエレメント4aと、エレメント4aに沿って移動可能なスライダ4bとを備えている。スライダ4bを開放方向へ移動させることにより、エレメント4a同士の締結が解かれて第1開口3が開放状態になる。反対に、スライダ4bを閉止方向へ移動させることにより、各エレメント4aが締結されて第1開口3が閉止状態になる。
【0014】
<枕1の内部構造について>
次に、枕1の内部構造について説明する。図2(a)は、第1実施形態の枕1の底面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A断面図、及びC−C断面図である。図2(c)は、図2(a)のB−B断面図である。図2(d)は、図2(a)のD−D断面図である。図3は、図2(a)のA−A位置において、第1筒布17の他端17b、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態を説明する断面図である。図4は、図2(a)のD−D位置において、第1筒布17の他端17b、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態を説明する断面図である。なお、図2(a)乃至(d)では詰め物の一例として樹脂パイプST1、及び羽毛ST2を記載しているが、図3、及び図4では詰め物を記載していない。
図2(b)乃至(d)、及び図3に示すように、側生地11乃至14によって作製された袋体2の内面には、第2開口16を有する仕切り生地15の周縁15aを縫い付けており、袋体2の内部を厚さ方向に分割している。袋体2の内部において、仕切り生地15よりも厚さ方向の下側(第1開口3側)は第1小室21であり、厚さ方向の上側(第1開口3とは反対側)は第2小室22である。
【0015】
図2(a)乃至(d)に示すように、仕切り生地15と袋体2(下側生地12)との間には、12枚の下襠生地31を井桁形状に縫い付けている。具体的には、横方向に連なる3枚の下襠生地31を縦方向に間隔を空けて2組縫い付けるとともに、縦方向に連なる3枚の下襠生地31を横方向に間隔を空けて2組縫い付けている。
各下襠生地31を井桁形状に縫い付けることにより、仕切り生地15よりも厚さ方向の下側には、縦方向に3室、横方向に3室の合計9室の第1小室21を形成している。第1開口3(線ファスナ4)は、第1小室21のそれぞれに1つずつ設けている。
図3に示すように、第1開口3のそれぞれには、第1筒布17の一端17aを第1小室21側から縫い付けている。第1筒布17は筒形の布地であり、例えば四角形状の布地を2枚重ね、対辺同士をかがり縫いすることによって作製している。第1筒布17の一端17aは、例えば、線ファスナ4のテープ(エレメント4aが取り付けられている帯状部)に縫い付けられている。線ファスナ4によって第1開口3を開放することにより、第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部へ引き出すことができる。
【0016】
図2(d)、及び図4に示すように、仕切り生地15と袋体2(上側生地11)との間には、2枚の上襠生地32を枕1の縦方向に沿って、且つ枕1の横方向に間隔を空けて縫い付けている。本実施形態において、上襠生地32の横方向の位置は、下襠生地31の横方向の位置に揃えられている。各上襠生地32により、枕1の縦方向に延びる3つの第2小室22が、枕1の横方向に並んだ状態で形成される。
図2(b)乃至(d)、図3、及び図4に示すように、仕切り生地15が有する第2開口16は、第2小室22のそれぞれに1つずつ合計3つ設けられている。第2開口16は、厚さ方向の下側に位置する第1開口3と、縦方向の位置、及び横方向の位置が揃えられている。
図3に示すように、第2開口16には、第2筒布18の一端18aを第1小室21側から縫い付けている。第2筒布18は筒形の布地であり、例えば、第1筒布17と同じく、四角形状の布地を2枚重ねて対辺同士をかがり縫いすることによって作製している。
図3、及び図4に示すように、線ファスナ4によって第1開口3を開放し、第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部へ引き出すことにより、第2筒布18の他端18bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出すことができる。
【0017】
<詰め物の充填について>
次に、第1小室21、及び第2小室22に対する詰め物(樹脂パイプST1、羽毛ST2)の充填について説明する。図5は、第2筒布18を通じて第2小室22に羽毛ST2を充填している様子を模式的に説明する部分拡大断面図である。図6は、第1筒布17を通じて第1小室21に樹脂パイプST1を充填している様子を模式的に説明する部分拡大断面図である。
便宜上、第2小室22への羽毛ST2の充填を、第1小室21への樹脂パイプST1の充填よりも先に説明する。
【0018】
図5に示すように、第2小室22に対して羽毛ST2を充填するときには、線ファスナ4によって第1開口3を開放し、第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部へ引き出す。次に、第2筒布18の他端18bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出し、第2筒布18を通じて羽毛ST2を第2小室22へ送り込む。第2筒布18は第2小室22に連通しているため、第2筒布18を通じて羽毛ST2を送り込むことにより、詰め物を第2小室22へ容易に充填できる。
また、仕切り生地15に設けた第2開口16は、下側生地12に設けた第1開口3に対して枕1の縦方向の位置、及び横方向の位置が互いに揃えられている。言い換えれば、第2開口16は、第1開口3の位置から枕1の厚さ方向の上側に設けられている。従って、第2筒布18の他端18bを第1開口3の内側から第1開口3の外部に引き出したときに、第2筒布18を直線状に伸ばすことができ、第2小室22に対して羽毛ST2を円滑に送り込むことができる。
【0019】
図6に示すように、第1小室21に対して樹脂パイプST1を充填するときには、線ファスナ4によって第1開口3を開放し、第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部へ引き出す。このとき、第2筒布18は、折り畳んで第1小室21内の仕切り生地15側に収納しておく。
第1筒布17は第1小室21に連通しているので、第1筒布17を通じて第1小室21に対し、樹脂パイプST1を容易に送り込むことができる。
第1小室21に対して必要量の樹脂パイプST1を充填したならば、第1筒布17の他端17bを畳んで第1小室21内に収納し、その後、線ファスナ4によって第1開口3を閉止する。第1開口3を閉止することにより、各小室21、22に充填した詰め物(樹脂パイプST1、羽毛ST2)が第1開口3から漏出する不都合を抑制することができる。
【0020】
このように、第1実施形態の枕1は、9つの第1小室21と3つの第2小室22とを設けているが、9つの第1開口3のうち、頭頂側に位置する3つの第1開口3を、第1小室21への樹脂パイプST1の出し入れと、第2小室22への羽毛ST2の出し入れのそれぞれに共用しているため、第1開口3の数を小室21、22の総数よりも少なくすることができる。
また、第2小室22に対して羽毛ST2を出し入れするときには、第2筒布18の他端18bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部に引き出しているため、第2筒布18の他端18bが到達する範囲内であれば第1開口3を設けることができる。従って、従来技術と比較して、第1開口3を設ける位置の自由度が高い。
【0021】
<第2実施形態について>
次に、第2実施形態の枕1’について詳細に説明する。
図7(a)は、第2実施形態の枕1’の底面図である。図7(b)は、(a)のA−A断面図、及びC−C断面図である。図7(c)は、(a)のB−B断面図である。図7(d)は、(a)のD−D断面図である。図8は、図7(a)のA−A位置、及びC−C位置において、第1筒布17の他端17b、第3筒布の他端、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態を説明する断面図である。図9は、図7(a)のD−D位置において、第1筒布17の他端17b、第3筒布45の他端45b、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態を説明する断面図である。なお、図7(a)のB−B位置において第1筒布17の他端17b、第3筒布45の他端45b、及び第2筒布18の他端18bを引き出した状態は、図8と同様であることから図示を省略する。
【0022】
第2実施形態の枕1’は、第1実施形態の枕1と同じく扁平な直方体形状をしている。なお、第2実施形態の枕1’に関し、第1実施形態の枕1と同じ構成には同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
図7(b)乃至(d)に示すように、側生地11乃至14によって作製された袋体2の内面には第1仕切り生地41の周縁41aを縫い付けており、袋体2の内部を厚さ方向に分割している。
第1仕切り生地41は、第1実施形態の仕切り生地15と同じものであり、枕1’の頭頂側には枕1’の横方向に並ぶ3つの第2開口42を設けている。図8に示すように、各第2開口42には、第2筒布18の一端18aを縫い付けている。
袋体2の内部において、第1仕切り生地41よりも厚さ方向の上側(第1開口3とは反対側)の部分は第2小室22である。図7(d)、及び図9に示すように、第2小室22は、第1実施形態と同じく、2枚の上襠生地32によって3室に仕切られている。
図7(a)乃至(d)に示すように、第1仕切り生地41と袋体2(下側生地12)との間には、第1実施形態の枕1と同様に12枚の下襠生地31を井桁形状に縫い付けている。
第2実施形態の枕1’では、下襠生地31によって形成された各室に第2仕切り生地43を縫い付けており、第1開口3側の第1小室21と、第2小室22側の第3小室23とに分割している。従って、第2実施形態の枕1’では、第1小室21、第3小室23、及び第2小室22が枕1’の厚さ方向に重なっている。
【0023】
第2仕切り生地43は、第3開口44を形成した四角形状の生地であり、図8に示すように、周縁43aが第1仕切り生地41に縫い付けられている。具体的には、第2仕切り生地43の周縁43aは、第1仕切り生地41と下襠生地31との境界や第1仕切り生地41と上側生地11との境界に縫い付けられている。
第3開口44は、枕1の横方向に沿った線状の切り込みであり、詰め物(例えば粒綿ST3)を第3小室23から出し入れするために設けている。図8、及び図9に示すように、第3開口44のそれぞれは、厚さ方向の下側に位置する第1開口3と、縦方向の位置、及び横方向の位置が揃えられている。また、第2開口42のそれぞれも、厚さ方向の下側に位置する第1開口3及び第3開口44と、縦方向の位置、及び横方向の位置が揃えられている。
図8に示すように、第3開口44には、第3筒布45の一端45aを第1小室21側から縫い付けている。第3筒布45は筒形の布地であり、例えば四角形状の布地を2枚重ね、対辺同士をかがり縫いすることによって作製している。従って、第3筒布45の一端45aを第3開口44に縫い付けることにより、第3筒布45は第3小室23に連通する。また、第3筒布45の他端45bは、他端17bを第1開口3の外部へ引き出した第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出すことができる。
第2筒布18は、第2開口42に対して第3小室23側から縫い付けられており、第2筒布18の他端18bは、他端45bを第1開口3の外部へ引き出した第3筒布45の内側から第1開口3の外部へ引き出すことができる。
【0024】
図8、及び図9に示すように、第2小室22へ詰め物(例えば羽毛ST2)を充填するときには、線ファスナ4を開放して第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部に引き出し、第3筒布45の他端45bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出す。さらに、第2筒布18の他端18bを、他端45bを第1開口3の外部へ引き出した第3筒布45の内側から第1開口3の外部へ引き出す。
このとき、第3開口44の縦方向の位置、及び横方向の位置が、第1開口3の縦方向の位置、及び横方向の位置に揃えられており、第2開口42の縦方向の位置、及び横方向の位置が、第3開口44の縦方向の位置、及び横方向の位置に揃えられていることから、第2筒布18、及び第3筒布45を直線状に伸ばすことができ、第2小室22に対して詰め物を円滑に送り込むことができる。
また、第3小室23へ詰め物(例えば粒綿ST3)を充填するときには、線ファスナ4を開放して第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部に引き出し、第3筒布45の他端45bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出す。なお、第2筒布18を配置した第3小室23に詰め物を充填するときには、第2筒布18を折り畳んで第1仕切り生地41側に収納しておく。
このときも、第3筒布45を直線状に伸ばすことができることから、第3小室23に対して詰め物を円滑に送り込むことができる。
さらに、第1小室21へ詰め物(例えば樹脂パイプST1)を充填するときには、線ファスナ4を開放して第1筒布17の他端17bを第1開口3の外部に引き出す。また、第3筒布45は、折り畳んで第2仕切り生地43側に収納しておく。
第1小室21に対して必要量の樹脂パイプST1を充填したならば、第1筒布17の他端17bを畳んで第1小室21内に収納し、その後、線ファスナ4によって第1開口3を閉止する。
【0025】
このように、第2実施形態の枕1は、9つの第1小室21と9つの第3小室23と3つの第2小室22とを備えているが、9つの第1開口3を、第1小室21への詰め物の出し入れと、第3小室23への詰め物の出し入れと、第2小室22への詰め物の出し入れとに共用しているため、第1開口3の数を小室の総数よりも少なくすることができる。
また、第2小室22や第3小室23に対して詰め物を出し入れするときには、第2筒布18の他端18bや第3筒布45の他端45bを第1筒布17の内側から第1開口3の外部に引き出しているため、第2筒布18の他端18bや第3筒布45の他端45bが到達する範囲内であれば第1開口3を設けることができる。従って、従来技術と比較して、第1開口3を設ける位置の自由度が高い。
【0026】
<変形例について>
各実施形態では、クッション体の一例として、使用者の頭部を載せる寝具である枕1を例示したが、本発明は袋体2の内部に詰め物を充填したクッション体に適用することができる。例えば、本発明は、ベッドの上や敷き布団の下などに敷く寝具であるマットレスにも適用することができる。同様に、本発明は、床や畳の上に座る際に使用者の身体の一部(臀部、膝、又は脚)の下に宛がう調度品である座布団にも適用することができる。
各実施形態の枕1において、第1小室21は、縦方向に3つ、横方向に3つの9つの小室によって構成していたが、この構成に限定されない。例えば、第1小室21を、枕1の縦方向に長く横方向に並んだ3つの小室によって構成してもよい。
各小室に充填する詰め物に関し、樹脂パイプST1、羽毛ST2、及び粒綿ST3を例示したが、これらに限定されるものではない。例えば、蕎麦殻、小豆、綿、羊毛、及び発泡樹脂を充填してもよい。また、詰め物の種類と量は小室毎に定めることができる。これにより、使用者の好みに適した枕1、1’を実現することができる。
下側生地12に設けた第1開口3に関し、前述の各実施形態では線ファスナ4で開閉するものを例示したが、線ファスナ4を用いずに開閉するものであってもよい。例えば、フラップを面ファスナによって止めてもよいし、フラップをボタンによって止めてもよい。
【0027】
[本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ]
<第一の実施態様>
本態様に係るクッション体(枕1は、第1開口3を有する側生地を袋状に縫製した袋体2と、第1開口3から離隔した袋体内の位置に第2開口16を有し、第1開口3を通じて詰め物を出し入れ可能な第1小室21、及び第2開口を通じて詰め物を出し入れ可能な第2小室22を袋体に形成する仕切り生地(仕切り生地15と、一端17aが第1開口3に縫い付けられると共に第1小室内に収納可能であり、且つ第1小室21と連通する筒形の第1筒布17と、一端18aが第2開口(第2開口16に縫い付けられると共に第1小室内に第1筒布17とは別に収納可能であり、且つ第2小室22と連通する筒形の第2筒布18と、を備え、第1筒布17の他端17bは、第1開口外へ引き出し可能であり、第2筒布18の他端18bは、第1開口外へ引き出した第1筒布17の内側から第1開口へ引き出し可能であることを特徴とする。
本態様に係るクッション体では、第1開口3を、第1小室21への詰め物の出し入れと、第2小室22への詰め物の出し入れのそれぞれに共用しているため、第1開口3の数を小室の総数よりも少なくすることができる。また、第2筒布18の他端18bが到達する範囲内であれば第1開口3を設けることができるため、第1開口3を設ける位置の自由度を高めることができる。
【0028】
<第の実施態様>
本態様に係るクッション体(枕1’)は、第1開口3を有する側生地を袋状に縫製した袋体2と、第1開口3から離隔した袋体内の位置に第2開口42を有し、第1開口3を通じて詰め物を出し入れ可能な第1小室21、及び第2開口42を通じて詰め物を出し入れ可能な第2小室22を袋体内に形成する仕切り生地(第1仕切り生地41)と、第1開口3から離隔した袋体内の位置に第3開口44を有し、第3開口44を通じて詰め物を出し入れ可能な第3小室23を第1小室21と第2小室22との間に形成する他の仕切り生地(第2仕切り生地43)と、一端が第1開口3に縫い付けられると共に第1小室内に収納可能であり、且つ第1小室21と連通する筒形の第1筒布17と、一端が第2開口42に縫い付けられると共に第3小室内に収納可能であり、且つ第2小室22と連通する筒形の第2筒布18と、一端45aが第3開口44に縫い付けられると共に第1小室内に第1筒布17とは別に収納可能であり、且つ第3小室23と連通する筒形の第3筒布45と、を備え、第1筒布17の他端17bは、第1開口外へ引き出し可能であり、第3筒布45の他端45bは、第1開口外へ引き出した第1筒布17の内側から第1開口外へ引き出し可能であり、第2筒布18の他端18bは、第1開口外へ引き出した第3筒布45の内側から第1開口外へ引き出し可能であることを特徴とする。
本態様に係るクッション体では、第1開口3を、第1小室21への詰め物の出し入れと、第2小室22への詰め物の出し入れと、第3小室23への詰め物の出し入れとのそれぞれに共用しているため、第1開口3の数を小室の総数よりも少なくすることができる。また、第2筒布18の他端18b、及び第3筒布45の他端45bが到達する範囲内であれば第1開口3を設けることができるため、第1開口3を設ける位置の自由度を高めることができる。
【0029】
<第二、第四の実施態様>
第二の実施態様に係るクッション体において、袋体2は、縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して厚さが小さい扁平形状であり、第1小室21、及び第2小室22は、厚さ方向に重なっており、第1開口3は、袋体2の下面に設けられていることを特徴とする。
第四の実施態様に係るクッション体において、袋体2は、縦方向の長さ、及び横方向の長さと比較して厚さが小さい扁平形状であり、第1小室21、第3小室23、及び第2小室22は、厚さ方向に重なっており、第1開口3は、袋体2の下面に設けられていることを特徴とする。
本態様に係るクッション体では、クッション体の厚さ方向に重なっている小室(第1小室21と第2小室22の組、又は第1小室21乃至第3小室23の組)に対して、袋体2の下面に設けられた第1開口3を通じて詰め物を出し入れできる。
【0030】
<第の実施態様>
本態様に係るクッション体において、第3開口44は、縦方向の位置、及び横方向の位置が、第1開口3の縦方向の位置、及び横方向の位置に揃えられており、第2開口42は、縦方向の位置、及び横方向の位置が、第3開口44の縦方向の位置、及び横方向の位置に揃えられていることを特徴とする。
本態様に係るクッション体では、第1開口3、第3開口44、及び第2開口42がクッション体の厚さ方向に並ぶので、第3筒布45、及び第2筒布18を直線状に伸ばすことができる。従って、第3小室23や第2小室22に対して詰め物を円滑に送り込むことができる。
【符号の説明】
【0032】
1、1’…枕、2…袋体、3…第1開口、4…線ファスナ4、11…上側生地、12…下側生地、15…仕切り生地、16…第2開口、17…第1筒布、17a…第1筒布の一端、17b…第1筒布の他端、18…第2筒布、18a…第2筒布の一端、18b…第2筒布の他端、21…第1小室、22…第2小室、23…第3小室、31…下襠生地、32…上襠生地、41…第1仕切り生地、42…第2開口、43…第2仕切り生地、44…第3開口、45…第3筒布、45a…第3筒布の一端、45b…第3筒布の他端、ST1…羽毛、ST2…樹脂パイプ、ST3…粒綿
【要約】      (修正有)
【課題】側生地に設ける開口の数を抑制しつつ、開口を設ける場所の自由度を高めるクッション体を提供する。
【解決手段】第1開口3を有する側生地を袋状に縫製した袋体2と、第2開口16を有し、詰め物を充填可能な第1小室21、及び第2小室22を袋体2の内部に形成する仕切り生地15と、一端17aが第1開口3に縫い付けられ、第1小室21と連通する筒形の第1筒布17と、一端18aが第2開口16に縫い付けられ、第2小室22と連通する筒形の第2筒布18と、を備え、第2筒布18の他端18bは、第1筒布17の内側から第1開口3の外部へ引き出し可能である。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9