(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態に係る眼科検査支援システム、眼科検査支援サーバ及び眼科検査支援装置の例を説明する。眼科検査支援システムは、眼科検査支援サーバと眼科検査支援装置とを含む。なお、本明細書において引用された文献の内容を、本発明の実施形態に任意に援用することが可能である。
【0013】
〈システム構成〉
実施形態に係る眼科検査支援システムの構成例を
図1及び
図2に示す。実施形態の眼科検査システムは、
図1に示すシステムの一部又は全部を含む。
図2は、
図1に示すシステムに含まれるシステムサーバ10及びクライアント1000の構成例を示す。クライアント1000は、クリニック又は基幹病院に設置された装置を含む。すなわち、クライアント1000は、クリニックに設置された情報処理装置110及び/又は眼科検査装置120を含んでよく、また、基幹病院に設置された情報処理装置210及び/又は眼科検査装置220を含んでよい。
【0014】
眼科検査支援システムは、システムサーバ10が中心となってサービスを提供する。サービスの提供先は、たとえば、複数のクリニック及び複数の基幹病院を含む。システムサーバ10は、各クリニックに設置された情報処理装置110及び/又は眼科検査装置120と通信可能である。また、システムサーバ10は、各基幹病院に設置された情報処理装置210及び/又は眼科検査装置220と通信可能である。
【0015】
更に、システムサーバ10は、たとえば次の少なくともいずれかと通信可能である:
眼科検査の結果を解析するための施設に設置された情報処理装置(例:眼の画像を解析するための眼科画像解析センタに設置されたサーバ300等);
遺伝子情報を解析するための施設に設置された情報処理装置(例:ゲノム解析センタに設置されたサーバ400等);
複数の眼科検査の結果や医師による診断結果等を統合的に解析するための施設に設置された情報処理装置(例:クリニックや基幹病院で得られた医療情報と眼科画像解析センタで得られた解析結果とゲノム解析センタで得られた解析結果とを統合的に解析するための統合解析センタに設置されたサーバ500等);
医療機関等に製品を提供するメーカに設置された情報処理装置(例:医薬品メーカに設置されたサーバ600、医療機器メーカに設置されたサーバ等)。
【0016】
ここで、クリニックは、診療所のように患者が最初に訪れる医療機関であり、たとえば総合診療医(ジェネラリスト)がプライマリ・ケアを提供する。一方、基幹病院は、当該地域における医療の中心となる医療機関であり、たとえば先進的な医療を提供可能な大病院や大学病院である。なお、実施形態によるサービスの提供先はこのような分類の医療機関には限定されず、任意の医療機関を含んでいてよい。また、サービスの提供先は病院だけでなく、健康診断センタや検診センタなどでもよい。特に、実施形態に係るサービスは、任意の施設に設置されている情報処理装置及び/又は眼科検査装置であってよい。たとえば、在宅医療のために眼科検査装置が患者宅や老人福祉施設等に設置されている場合や、広域的眼科検査サービスにおいて薬局や眼鏡店に眼科検査装置が設置されている場合においても、実施形態に係る構成を適用することが可能である。本実施形態では、典型的なケースとして、クリニック及び基幹病院を含むシステムを説明する。
【0017】
また、眼科検査支援システムに含まれる情報処理装置や眼科検査装置は、任意の形態の通信回線を介して少なくともシステムサーバ10に接続されている。実施形態の通信回線は、インターネットや専用回線等のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む。更に、実施形態の通信回線は、医療機関内に構築された院内LAN等のローカル・エリア・ネットワークや、複数の装置を接続するケーブルや、衛星通信ネットワークなど、任意の通信ネットワークを含んでよい。実施形態の通信回線の少なくとも一部は有線であってよく、実施形態の通信回線の少なくとも一部は無線であってよい。
【0018】
[クリニック]
クリニックには、情報処理端末110と眼科検査装置120とが設置されている。情報処理端末110は、クリニックで使用される任意のコンピュータである。情報処理端末110は、プロセッサや記憶装置等のハードウェアと、各種情報処理(たとえば後述する情報処理)を実行するためのソフトウェアとを含む。情報処理端末110は、たとえば、医師が使用する端末(医師端末)や院内LANのサーバである。情報処理端末110は、眼科検査装置120に院内LANやケーブル等で接続されたコンピュータである。或いは、情報処理端末110は、眼科検査装置120に搭載されたプロセッサを含んでよい。また、情報処理端末110は、クリニックの外部で使用可能な可搬型コンピュータ(タブレット、ノートパソコン等)でもよいし、車両に設置されたコンピュータでもよい。
【0019】
眼科検査装置120は、クリニックの内部又は外部で使用される。眼科検査装置120は、眼科撮影装置及び/又は眼科測定装置である。眼科撮影装置としては、OCT装置、眼底カメラ、スリットランプ、SLOなどがある。眼科測定装置としては、レフラクトメータ、ケラトメータ、眼圧計、視野計などがある。眼科検査装置120は複合機であってもよい。また、眼科検査装置120は、撮影や測定により取得されたデータを解析する機能を備えてもよい。クリニックには、1以上の眼科検査装置120が設置されている。
【0020】
[基幹病院]
基幹病院には、情報処理端末210と眼科検査装置220とが設置されている。情報処理端末210及び眼科検査装置220は、それぞれ、クリニックの情報処理端末110及び眼科検査装置120と同様であってよい。なお、クリニックや基幹病院に設置された装置の詳細については後述する。
【0021】
[システムサーバ10]
システムサーバ10は、たとえば、眼科検査支援システムのサービスの提供者により管理される。システムサーバ10は、プロセッサや記憶装置等のハードウェアと、各種情報処理(たとえば後述する情報処理)を実行するためのソフトウェアとを含む。システムサーバ10の詳細については後述する。
【0022】
[眼科画像解析センタサーバ300]
眼科画像解析センタは、クリニックや基幹病院にて患者眼を撮影して取得された画像を解析する施設である。この解析には、コンピュータ(アプリケーション)を用いた解析と、専門医等による解析とが含まれてよい。眼科画像解析センタは、眼科画像の解析結果等の医療情報に基づき作成されたデータベースを保有している。
【0023】
眼科画像解析センタサーバ300は、患者眼の画像を解析するための1以上のコンピュータ(プロセッサ)を含んでよい(或いは、そのような1以上のコンピュータに接続されていてよい)。眼科画像解析センタサーバ300は、たとえば、様々な種類の解析手法について最新のアプリケーションを搭載し、高精度・高確度の解析を提供する。また、眼科画像解析センタサーバ300は、複数の解析アプリケーションを組み合わせた総合的な解析を提供することが可能である。
【0024】
眼科画像解析センタサーバ300は、たとえば、OCT装置により取得された画像(OCT画像)を解析する機能を備える。OCT画像の解析の例として、眼の特定組織や組織境界を求めるためのセグメンテーションや、特定組織のサイズ(層厚、面積、体積等)を求めるためのサイズ解析などがある。その他、眼科画像解析センタサーバ300により実行可能な解析種別の例として次のものがある:視神経乳頭のサイズや形状(傾き等)等の乳頭パラメータを求めるための乳頭解析;黄斑の形状や層厚分布等の黄斑パラメータを求めるための黄斑解析;篩状板の厚さや形状や孔部の分布等の篩状板パラメータを求めるための篩状板解析;眼底血管の分布や血流動態等の血管・血流パラメータを求めるための血管・血流解析;角膜の形状(曲率等)や層厚分布等の角膜パラメータを求めるための角膜解析;角膜と虹彩との交差位置である隅角の角度等の隅角パラメータを求めるための隅角解析;患者眼に移植された眼内レンズや細胞シート等に関する評価パラメータを求めるための移植解析。なお、眼科画像解析センタサーバ300が実行する処理の詳細については後述する。
【0025】
[ゲノム解析センタサーバ400]
ゲノム解析センタは、患者から採取された検体(血液、摘出組織、唾液、尿、髪、精子、卵子等)の遺伝子検査を行う施設である。また、ゲノム解析センタは、遺伝子検査の結果等の医療情報に基づき作成されたデータベースを保有している。
【0026】
ゲノム解析センタは、患者の全遺伝情報を得るフルゲノム解析を実施可能であってよい。また、ゲノム解析センタは、多数のフルゲノム情報の統計データを参照して患者の擬似的な全遺伝情報を得る擬似的フルゲノム解析を実施可能であってよい。更に、ゲノム解析センタは、患者の遺伝子情報から特定疾患のリスク等を求めることが可能であってよい。
【0027】
ゲノム解析センタサーバ400は、患者の遺伝子情報を解析するための1以上のコンピュータ(プロセッサ)を含んでよい(或いは、そのような1以上のコンピュータに接続されていてよい)。ゲノム解析センタサーバ400は、たとえば、様々な種類の解析手法について最新のアプリケーションを搭載し、高精度・高確度の解析を提供する。また、ゲノム解析センタサーバ400は、複数の解析アプリケーションを組み合わせた総合的な解析を提供することが可能である。
【0028】
[統合解析センタサーバ500]
統合解析センタは、様々な検査や診断結果を統合的に解析する施設である。この解析には、コンピュータ(アプリケーション)を用いた解析と、専門医等による解析とが含まれてよい。統合解析センタは、様々な検査結果や診断結果等の医療情報に基づき作成されたデータベースを保有している。なお、本実施形態においては、眼科画像解析センタで得られた眼科画像の解析結果と、ゲノム解析センタで得られた遺伝子検査の結果とを少なくとも含む、統合的な解析が実施される。更に、クリニックや基幹病院にて得られた診断結果も含まれてよい。
【0029】
統合解析センタサーバ500は、患者眼の統合的な解析を行うための1以上のコンピュータ(プロセッサ)を含んでよい(或いは、そのような1以上のコンピュータに接続されていてよい)。統合解析センタサーバ500は、たとえば、様々な種類の解析手法について最新のアプリケーションを搭載し、高精度・高確度の解析を提供する。
【0030】
[医薬品メーカサーバ600]
医薬品メーカは、眼科検査支援システム(又はそれに接続された情報処理装置)により蓄積されたデータを創薬研究に利用する。医薬品メーカサーバ600は、このような蓄積データをシステムサーバ10又は他の情報処理装置(眼科画像解析センタサーバ300、ゲノム解析センタサーバ400、統合解析センタサーバ500等)から受ける。
【0031】
〈システムサーバ10及びクライアント1000の構成〉
システムサーバ10とクライアント1000について、
図2を参照しつつ説明する。
【0032】
[クライアント1000]
前述したように、クライアント1000は、クリニック又は基幹病院に設置された1以上の装置を含む。たとえば、クリニックに設置されたクライアント1000は、情報処理装置110及び/又は眼科検査装置120を含む。また、基幹病院に設置されたクライアント1000は、情報処理装置210及び/又は眼科検査装置220を含む。
【0033】
クライアント1000は、制御部1100と、検査部1200と、ユーザインターフェイス部(UI部)1300と、通信部1400とを含む。
【0034】
(制御部1100)
制御部1100は、プロセッサを含み、クライアント1000の各部を制御する。たとえば、制御部1100は、検査部1200を制御して患者眼の検査を実行させる。検査部1200の制御には、検査条件を設定する制御が含まれる。
【0035】
(検査部1200)
検査部1200は、制御部1100による制御を受けて患者眼の検査を実行する。検査部1200は、たとえば眼科検査装置120又は220を含む。
【0036】
検査部1200が撮影機能を備える場合、検査部1200は、たとえば、患者眼に光を照射するための光学系と、患者眼に照射された光の戻り光を検出するための光学系とを含む。更に、検査部1200は、患者眼に固視標を投影するための光学系など、他の光学系を含んでよい。また、検査部1200は、戻り光の検出結果(画像信号、映像信号等)を処理するためのプロセッサを含んでよい。
【0037】
撮影機能の例としてOCTがある。OCT光学系は、光源からの光を測定光と参照光とに分割し、患者眼からの測定光の戻り光と参照光とを重ね合わせて干渉光を生成し、それを検出するよう構成される。更に、干渉光の検出結果に高速フーリエ変換(FFT)等の信号処理を施して画像データを形成するプロセッサ等が設けられる。測定光の光路(測定アーム)には、患者眼を測定光で走査するための光スキャナや、測定光のフォーカス位置を変更するためのフォーカシングレンズや、測定アームの長さを変更するための光路長変更機構(コーナーキューブ等)など、各種の部材が設けられている。参照光の光路(参照アーム)には、偏光コントローラや、光アッテネータや、光路長変更機構(参照ミラー、それを移動するための機構等)など、各種の部材が設けられている。OCTのための検査条件として、固視位置(固視標投影光学系の制御条件)、光量・波長(光源の制御条件)、測定光の走査パターン(光スキャナの制御条件)、フォーカス位置(フォーカシングレンズの制御条件)、測定アーム及び/又は参照アームの光路長(光路長変更機構の制御条件)、偏光調整状態(偏光コントローラの制御条件)、光減衰状態(光アッテネータの制御条件)などがある。また、OCT画像を解析する機能が検査部1200に設けられている場合、検査条件は、解析処理におけるパラメータを含んでよい。
【0038】
固視位置、光量・波長、走査パターン、フォーカス位置等の検査条件は、SLOの場合にも同様に適用される。また、固視位置、光量・波長、フォーカス位置等の検査条件は、眼底カメラの場合にも同様に適用される。検査部1200がOCT、SLO、眼底カメラ等を含む場合、患者眼に対する光学系の位置合わせであるアライメントや、眼底に対する光学系のフォーカシングが実行される。これらは患者眼に指標を投影して行われる。このようなアライメントやフォーカシングに関するパラメータを検査条件として適用することが可能である。検査部1200がスリットランプを含む場合、光量・波長に加え、照明光学系や撮影光学系の位置(角度)、スリット幅等を検査条件に適用することができる。
【0039】
検査部1200が測定機能を備える場合、検査部1200は、たとえば、患者眼に光を照射するための光学系と、患者眼に照射された光の戻り光を検出するための光学系とを含む。更に、検査部1200は、患者眼に固視標を投影するための光学系など、他の光学系を含んでよい。また、検査部1200は、戻り光の検出結果(画像信号、映像信号等)を処理するためのプロセッサを含んでよい。測定機能は、たとえば、眼屈折力測定機能(レフラクトメータ)、角膜形状測定機能(ケラトメータ)、眼圧測定機能(眼圧計)、視野検査機能(視野計)などがある。検査部1200は、搭載された測定機能に応じた構成を備え、この構成に応じた検査条件が適用される。
【0040】
(ユーザインターフェイス部1300)
ユーザインターフェイス部1300には、表示部1310と操作部1320とが含まれる。表示部1310は、情報処理装置110(210)に設けられた表示装置や、眼科検査装置120(220)に設けられた表示装置を含む。操作部1320は、情報処理装置110(210)に設けられたキーボードやマウス、眼科検査装置120(220)に設けられたボタンやジョイスティックやノブ、眼科検査装置120(220)に接続された操作アタッチメントなどを含む。表示部1310と操作部1320は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はなく、たとえばタッチパネルのように表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いてもよい。
【0041】
(通信部1400)
通信部1400は、システムサーバ10等の外部装置との間で通信を行うための通信インターフェイスを含む。通信インターフェイスは、眼科検査支援システムが利用するネットワークの規格に準拠した構成を備える。
【0042】
[システムサーバ10]
システムサーバ10は、管理装置11と医療情報格納装置12とを含む。なお、システムサーバ10は、ネットワーク上のサーバ(たとえばクラウドサーバ)として構築されてもよいし、基幹病院等に設置されてもよい。或いは、ネットワーク上に配置されたシステムサーバ10(たとえばクラウドサーバ)と同様の構成を基幹病院にも設けてもよい。また、ネットワーク上に配置された第1サーバ(たとえばクラウドサーバ)と基幹病院に設けられた第2サーバとの組み合わせが、システムサーバ10としての機能を提供するよう構成してもよい。
【0043】
(医療情報格納装置12)
医療情報格納装置12は、ハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置を1以上含み、各患者の医療情報を格納する。各患者には識別情報が付与されている。医療情報格納装置12には、たとえば、患者毎のアカウントが設けられている。或いは、医療情報格納装置12には、患者毎の記憶領域(フォルダ)が設けられている。医療情報には、画像(OCT画像、SLO画像、眼底正面画像、スリット断面像等)、特性値(屈折力、角膜曲率、眼圧等)、画像解析データ、特性解析データ、遺伝子情報(その解析データ)、診断結果(診断レポート)、読影結果(読影レポート)、検体検査結果(検体検査レポート)など、患者眼又は患者に関する各種のデータが含まれる。
【0044】
(管理装置11)
管理装置11は、医療情報格納装置12に格納されている医療情報を管理する。管理装置11は、制御部111と、関連情報記憶部112と、関連情報管理部113と、検索部114と、検査条件取得部115と、通信部116とを含む。
【0045】
(制御部111)
制御部111は、プロセッサを含み、管理装置11(システムサーバ10)の各部を制御する。
【0046】
(関連情報記憶部112)
関連情報記憶部112は、所定項目の医療情報と眼科検査の検査条件とが関連付けられた関連情報を予め記憶する。
【0047】
関連情報に含まれる医療情報の項目は、眼科検査の種別や条件に応じて選択される。医療情報の項目の例として、画像解析データに含まれる項目、特性解析データに含まれる項目、遺伝子情報(その解析データ)に含まれる項目、診断結果に含まれる項目、読影結果に含まれる項目、検体検査結果に含まれる項目などがある。医療情報の項目の具体例として、網膜の所定層の厚さ(分布)を示すパラメータ、視神経乳頭の形状を示すパラメータ、網膜神経線維層(RNFL)の欠損状態を示すパラメータ、視神経乳頭近傍における出血状態を示すパラメータ、視神経乳頭の周囲における脈絡膜の萎縮状態を示すパラメータなどがある。これら項目は緑内障に関連する。また、加齢黄斑変性症に関連する項目として、脈絡膜から網膜面に向かって延びる新生血管の状態を示すパラメータ、ドルーゼンの分布を示すパラメータ、網膜色素上皮(RPE)の剥離状態を示すパラメータ、黄斑下出血の状態を示すパラメータなどがある。これらパラメータは、コンピュータを用いた解析処理や、専門医による読影や診断によって取得される。また、読影レポートや診断レポートや検体検査レポートに含まれる文字列情報(疾患名、所見、投与薬剤名、数値等)や、画像情報(シェーマ等)から得られる特徴的事項を、医療情報の項目として用いることも可能である。
【0048】
関連情報に含まれる検査条件は、前述したような各種パラメータだけでなく、検査種別(及び/又は解析種別)、複数の検査種別(及び/又は解析種別)の組み合わせ(検査メニュー/解析メニュー)、1以上の検査(及び/又は解析種別)を実行するためのコンピュータプログラムの種別などを含んでよい。たとえば、特定疾患(緑内障、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症等)に関する1以上の検査種別、特定疾患に関する1以上の解析種別、このような検査及び/又は解析を行うためのコンピュータプログラムの種別などがある。
【0049】
関連情報の幾つかの例を説明する。関連情報記憶部112は、以下に説明する第1関連情報及び第2関連情報の少なくとも一方を記憶していてよい。
【0050】
第1関連情報においては、所定疾患の関連遺伝子情報と、当該疾患に関する眼科検査の検査条件とが関連付けられている。たとえば、第1関連情報は、緑内障の発症リスクに関連する遺伝子を示す情報と、緑内障に関する眼科検査の検査条件(3次元OCTスキャン、乳頭周囲OCTスキャン、眼底撮影、RNFL解析、乳頭形状解析、篩状板解析等)との関連付けを含んでよい。また、第1関連情報は、加齢黄斑変性症の発症リスクに関連する遺伝子を示す情報と、加齢黄斑変性症に関する眼科検査の検査条件(黄斑3次元OCTスキャン、眼底撮影、ドルーゼン解析、RPE解析等)との関連付けを含んでよい。
【0051】
第2関連情報においては、所定疾患の眼の形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報と、当該疾患に関する眼科検査の検査条件とが関連付けられている。形態的特徴は、眼の部位(眼底、前眼部等)の形状やサイズや配置や色のように、視覚的に特定可能な特徴である。形態的特徴は、たとえば画像から特定される。具体例として、OCTや眼底カメラやSLOにより取得された正面画像から、視神経乳頭(C/D比、R/D比、サイズ等)、病変(ドルーゼン、出血、新生血管等)、出血、新生血管などに関する特徴が特定される。また、OCTにより取得された断面像(Bスキャン像、3次元画像等)から、視神経乳頭(断面形状、傾き、サイズ等)、黄斑(断面形状等)、病変(ドルーゼン、浮腫等)、層厚、層欠損などに関する特徴が特定される。機能的特徴は、生体組織としての機能に関する特徴であり、その例として、眼底血管の血流動態(血流量、血流速度等)の特徴、眼内における液体の循環動態の特徴などがある。
【0052】
たとえば、第2関連情報は、緑内障眼の形態的特徴を示す情報(乳頭周囲RNFL厚の閾値、乳頭リム厚の閾値等)と、緑内障に関する眼科検査の検査条件(3次元OCTスキャン、乳頭周囲OCTスキャン、眼底撮影、RNFL解析、乳頭形状解析、篩状板解析等)との関連付けを含んでよい。また、第2関連情報は、加齢黄斑変性症の形態的特徴を示す情報(ドルーゼン分布、RPE剥離等)と、加齢黄斑変性症に関する眼科検査の検査条件(黄斑3次元OCTスキャン、眼底撮影、ドルーゼン解析、RPE解析等)との関連付けを含んでよい。
【0053】
(関連情報管理部113)
関連情報管理部113は関連情報の管理を行う。たとえば、関連情報管理部113は関連情報を更新する。更新処理の例を以下に説明する。なお、更新処理は、任意のタイミングで実行される。たとえば、定期的に更新処理を実行することができる。或いは、医師や管理者等からの指示を受けて更新処理を実行することができる。また、医療情報の蓄積度合に応じて更新処理を実行することができる。
【0054】
更新処理の第1の例が適用される場合、クライアント1000は、検査部1200により取得された患者眼の検査データを含む医療情報(画像、検査結果、診断結果等)を患者情報(患者識別情報等)とともに管理装置11に送信する。制御部111は、クライアント1000から入力された医療情報を医療情報格納装置12に格納する。関連情報管理部113は、医療情報格納装置12に格納されている複数の患者の医療情報を統計的に処理することにより関連情報を更新する。
【0055】
この更新処理は、たとえば次のように実行される。まず、関連情報管理部113は、更新される関連情報に関する医療情報を医療情報格納装置12から選択的に取得する。この選択処理は、たとえば、関連情報に含まれる医療情報の項目と検査条件とをクエリとして検索する処理を含む。それにより、当該項目と当該検査条件とを含む医療情報が取得される。次に、関連情報管理部113は、取得された医療情報から当該項目に関する情報と当該検査条件に関する情報を抽出する。続いて、関連情報管理部113は、抽出された当該項目に関する情報と当該検査条件に関する情報との統計的な関係を求める。この処理には、たとえば、平均、ばらつき(標準偏差、分散)、中央値、最頻値、最大値、最小値等の統計値を求める処理が含まれる。また、双方のパラメータの間の相関を求める処理を含んでよい。また、現在の関連情報に含まれる情報、又は現在の関連情報の作成に用いられた情報を含めてこの統計処理を実行してよい。このようにして、当該項目及び当該検査条件についての新たな関連情報が作成され、これにより現在の関連情報を置換する。このような一連の処理が各関連情報について実行される。
【0056】
更新処理の第2の例が適用される場合においても、クライアント1000は、検査部1200により取得された患者眼の検査データを含む医療情報(画像、検査結果、診断結果等)を患者情報(患者識別情報等)とともに管理装置11に送信する。制御部111は、入力された検査データ(画像等)を検査データ解析機関に設置されたコンピュータ(眼科画像解析センタサーバ300等)に転送する。検査データの解析結果は、管理装置11に入力されて医療情報格納装置12に格納される。関連情報管理部113は、医療情報格納装置12に格納されている複数の患者の医療情報(検査データの解析結果を含む)を統計的に処理することにより関連情報を更新する。この統計処理は第1の例と同様に実行されてよい。
【0057】
(検索部114)
検索部114は、クライアント1000から入力された患者情報に基づいて医療情報格納装置12から医療情報を検索する。前述したように、医療情報格納装置12には、患者毎に医療情報が格納されている。クライアント1000から入力される患者情報には、当該患者の識別情報が含まれている。検索部114は、患者識別情報をクエリとして医療情報の検索を行う。
【0058】
(検査条件取得部115)
検査条件取得部115は、検索部114により検索された医療情報を受け、この医療情報の少なくとも一部に対応する検査条件を関連情報から取得する。
【0059】
関連情報は、所定項目の医療情報と検査条件とを関連付けている。検査条件取得部115は、まず、検索部114から入力された各医療情報について、この医療情報が所定項目に該当するか否か判断する。この処理は、たとえば、この医療情報が示す項目が関連情報に含まれているか判断することにより行われる。すなわち、この処理は、この医療情報が示す項目が所定項目のいずれかに該当するか否か判断することにより行われる。それにより、検索部114により検索された医療情報のうちから所定項目に該当する医療情報が抽出される。
【0060】
続いて、検査条件取得部115は、抽出された医療情報に関連付けられた検査条件を関連情報から取得する。検査条件取得部115が実行する処理の幾つかの例を以下に説明する。
【0061】
第1の例を説明する。本例では、前述した第1関連情報が参照される。第1関連情報は、所定疾患の関連遺伝子情報と、当該疾患に関する眼科検査の検査条件とを関連付けている。検査条件取得部115は、まず、検索部114により検索された医療情報から遺伝子情報を抽出する。遺伝子情報が含まれない場合、本例に係る処理は実行されない。
【0062】
医療情報に遺伝子情報が含まれる場合、検査条件取得部115は、第1関連情報に含まれる関連遺伝子情報のいずれかをこの遺伝子情報が含むか否か判定する。この判定処理は、たとえば、特定疾患(たとえば緑内障)の発症リスクに関連する遺伝子が含まれているか、当該患者の遺伝子情報(遺伝子配列等)を探索することにより行われる。或いは、この判定処理は、特定疾患を示す情報(文字列等)が含まれているか、当該患者の遺伝子情報に含まれる検査レポート内を探索することにより行われる。
【0063】
当該患者の遺伝子情報がいずれの関連遺伝子情報も含まないと判定された場合、本例に係る処理はここで終わる。一方、当該患者の遺伝子情報が、第1関連情報に含まれる関連遺伝子情報のいずれかを含むと判定された場合、検査条件取得部115は、この関連遺伝子情報に対応する検査条件を第1関連情報から取得する。それにより、特定疾患の関連遺伝子に対応する検査条件が選択される。
【0064】
選択される検査条件は、この疾患の診断を行うための1以上の検査種別(及び/又は1以上の解析種別)、検査パラメータ、検査用のコンピュータプログラムの種別などを含む。コンピュータプログラムの種別が取得された場合、検査条件取得部115は、当該種別のコンピュータプログラム(検査アプリケーション、解析アプリケーション等)をプログラム格納部(図示せず)から取得することができる。取得されたコンピュータプログラムは、クライアント1000に送信されてインストールされる。各種アプリケーションが予めクライアント1000にインストールされている場合などには、コンピュータプログラムの取得及び送信を行う必要はなく、第1関連情報から取得されたコンピュータプログラムの種別を示す情報をクライアント1000に送信すれば十分である。
【0065】
第2の例を説明する。本例では、前述した第2関連情報が参照される。第2関連情報は、所定疾患の眼の形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報と、当該疾患に関する眼科検査の検査条件とを関連付けている。検査条件取得部115は、まず、検索部114により検索された医療情報から患者眼の画像を抽出する。画像が含まれない場合、本例に係る処理は実行されない。
【0066】
医療情報に画像が含まれる場合、検査条件取得部115は、この画像を解析することで、第2関連情報に示された形態的特徴及び/又は機能的特徴のいずれかを当該画像が含むか否か判定する。この判定処理は、たとえば、患者眼の特定部位に相当する画像領域を特定するための画像解析(たとえばセグメンテーション)と、特定された画像領域の形態(形状、サイズ、配置等)を求めるための画像処理とを含む。また、この判定処理は、眼底血流等の機能情報を求めるための画像処理を含んでよい。
【0067】
続いて、検査条件取得部115は、この画像に含まれると判定された形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報に対応する検査条件を第2関連情報から取得する。それにより、患者眼の形態的特徴や機能的特徴から特定される疾患に対応する検査条件が選択される。選択される検査条件については第1の例と同様である。
【0068】
なお、医療情報に含まれる画像に描出されている部位を、当該画像の解析を行うことなく特定できる場合がある。たとえば、撮影部位を示す情報(固視位置情報等)が画像に付帯されている場合がある。また、医療情報に含まれる他の情報(たとえば、診断レポートや読影レポートに記載された部位名や疾患名やシェーマ等)から撮影部位を特定できる場合も同様である。このような場合、検査条件取得部115は、医療情報に含まれる複数の画像のうちから1以上の画像を選択して上記処理を実行することができる。また、読影レポート等において特に注目されている画像を選択して上記処理を実行することも可能である。
【0069】
第3の例を説明する。第2の例では検査条件取得部115が画像解析を実行しているが、本例では眼科画像解析センタサーバ300等から受信した画像解析データが参照される。また、本例では、第2の例と同様に第2関連情報が参照される。
【0070】
検査条件取得部115は、まず、検索部114により検索された医療情報から患者眼の画像解析データを抽出する。画像解析データが含まれない場合、本例に係る処理は実行されない。
【0071】
医療情報に画像解析データが含まれる場合、検査条件取得部115は、この画像解析データが、第2関連情報に示された形態的特徴及び/又は機能的特徴のいずれかに該当するか判定する。この判定処理は、たとえば、第2関連情報に示された形態的特徴及び/又は機能的特徴に相当する情報(文字列、数値等)を、画像解析データ内において探索することにより実行される。
【0072】
続いて、検査条件取得部115は、この画像解析データが該当すると判定された形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報に対応する検査条件を第2関連情報から取得する。
【0073】
第2及び第3の例において、患者眼の画像はOCT画像であってよい。OCT画像は高精細であり、また、組織の表面だけでなくその深部も描出可能であるため、疾患の早期発見に有効である。
【0074】
(通信部116)
通信部116は、クライアント1000、眼科画像解析センタサーバ300、ゲノム解析センタサーバ400、統合解析センタサーバ500、医薬品メーカサーバ600等の外部装置との間で通信を行うための通信インターフェイスを含む。通信インターフェイスは、眼科検査支援システムが利用するネットワークの規格に準拠した構成を備える。
【0075】
なお、本明細書において「プロセッサ」は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、たとえば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。記憶回路や記憶装置の少なくとも一部は、プロセッサに含まれていてよい。
【0076】
〈使用形態〉
実施形態に係る眼科検査支援システムの使用形態の幾つかの例を説明する。
【0077】
[使用形態1]
第1の使用形態を
図3に示す。
【0078】
(S1:患者情報の送信)
クライアント1000のユーザ(医師、コメディカル等)は、一の患者の患者情報をクライアント1000に入力する。患者情報には、たとえば、当該クリニックにおける患者ID、及び/又は、本システムにおける患者識別情報が含まれている。患者IDのみが含まれる場合、クライアント1000又はシステムサーバ10は、患者IDと患者識別情報との対応関係を示す情報(テーブル情報等)を予め記憶しており、任意の段階で患者IDに対応する患者識別情報を特定する。
【0079】
患者情報の入力は、任意の方法で行われる。たとえば、キーボードやグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を介して患者情報が手入力される。或いは、患者カード(ICカード、磁気カード等)から患者情報を読み取ることができる。また、生体認証情報(指紋、虹彩パターン等)を利用して患者情報を入力することも可能である。
【0080】
通信部1400は、制御部1100による制御を受け、入力された患者情報のうち少なくとも患者識別情報(又は患者ID)を管理装置11に向けて送信する。このとき、患者情報とともに、クライアント1000(又は、その設置施設若しくはユーザ)の識別情報も送信される。
【0081】
(S2:医療情報の検索)
管理装置11の通信部116は、ステップS1でクライアント1000から送信された患者情報を受信して制御部111に送る。制御部111は、この患者情報に含まれる患者識別情報を検索部114に送る。検索部114は、制御部111から入力された患者識別情報に対応する医療情報を医療情報格納装置12から取得する。検索部114は、取得された医療情報を検査条件取得部115に送る。
【0082】
(S3:検査条件の取得)
検査条件取得部115は、ステップS2で検索部114から入力された医療情報の少なくとも一部に対応する検査条件を、関連情報記憶部112に記憶されている関連情報から取得する。検査条件取得部115は、取得された検査条件を制御部111に送る。
【0083】
(S4:検査条件の送信)
制御部111は、ステップS3で検査条件取得部115から入力された検査条件を、当該患者情報の送信元であるクライアント1000に向けて送信するよう通信部116を制御する。
【0084】
なお、患者情報の送信元と検査条件の送信先とが異なってもよい。その場合、検査条件の送信先は、事前に設定され、又はクライアント1000等を用いてその都度設定される。
【0085】
(S5:検査条件の表示)
クライアント1000の通信部1400は、ステップS4で管理装置11から送信された検査条件を受信して制御部1100に送る。制御部1100は、この検査条件を表示部1310に表示させる。このとき、表示部1310には所定の画面(GUI)が表示され、この画面に検査条件が提示される。
【0086】
(S6:検査条件の変更)
クライアント1000のユーザは、ステップS5で表示された検査条件を確認する。検査条件の変更(修正、追加、削除等)を望む場合、ユーザは、操作部1320を用いてそのための操作を行う。制御部1100は、ステップS4でクライアント1000に入力された検査条件とともに、ユーザによる変更内容を保存する。或いは、制御部1100は、変更後の検査条件で置換する。或いは、制御部1100は、ステップS4でクライアント1000に入力された検査条件を、変更後の検査条件で置換する。
【0087】
(S7:検査条件の設定)
制御部1100は、ステップS4で入力された検査条件又はステップS6で変更された検査条件を、検査部1200に設定する。すなわち、制御部1100は、当該検査条件に基づいて検査部1200の設定を変更する。
【0088】
(S8:検査の実施)
検査部1200は、たとえばユーザからの指示を受けて患者眼の検査を実施する。取得された検査データは、当該医療機関内のデータベース(電子カルテシステム等)に格納される。また、この検査データは、患者情報とともに管理装置11に送られて医療情報格納装置12に格納される。
【0089】
[使用形態2]
第2の使用形態を
図4に示す。
【0090】
(S11〜S14)
ステップS11(患者情報の送信)、S12(医療情報の検索)、S13(検査条件の取得)及びS14(検査条件の送信)は、それぞれ、第1の使用形態のステップS1、S2、S3及びS4と同様である。
【0091】
(S15:検査条件の設定)
本使用形態では、クライアント1000による検査条件の表示(S5)と、ユーザによる検査条件の変更(S6)は行われず、次の処理が実行される。
【0092】
クライアント1000の通信部1400は、ステップS14で管理装置11から送信された検査条件を受信して制御部1100に送る。制御部1100は、この検査条件に基づいて検査部1200の設定を変更する。
【0093】
(S16:検査の実施)
そして、第1の使用形態のステップS8と同様にして検査が実施される。
【0094】
[使用形態3]
第3の使用形態を
図5に示す。本使用形態では、クライアント1000は、情報処理装置110(又は210)である。クライアント1000には眼科検査装置120(又は220)が接続されている。
【0095】
(S21〜S24)
ステップS21(患者情報の送信)、S22(医療情報の検索)、S23(検査条件の取得)及びS24(検査条件の送信)は、それぞれ、第1の使用形態のステップS1、S2、S3及びS4と同様である。
【0096】
(S25:検査条件の転送)
クライアント1000の通信部1400は、ステップS24で管理装置11から送信された検査条件を受信して制御部1100に送る。制御部1100は、通信部116を制御することで、この検査条件を眼科検査装置120(又は220)に送る。
【0097】
なお、検査条件を転送する前に、その変更を行ってもよい。検査条件の変更は、たとえば、第1の使用形態と同様に検査条件の表示を介して行われる。
【0098】
(S26:検査条件の設定)
眼科検査装置120(又は220)に含まれるプロセッサは、ステップS25でクライアント1000(情報処理装置110(又は210))から入力された検査条件に基づいて検査部1200の設定を変更する。
【0099】
(S27:検査の実施)
眼科検査装置120(又は220)は、第1の使用形態のステップS8と同様にして検査を実施する。
【0100】
[使用形態4]
第1〜3の使用形態では、管理装置11が、関連情報記憶部112、検査条件取得部115等を備えているが、関連情報記憶部と同様の機能を備える記憶装置と、検査条件取得部と同様の機能を備えるプロセッサとをクライアント1000に設けることが可能である。このような構成が適用される場合、第4〜6の使用形態を実施することができる。第4の使用形態を
図6に示す。
【0101】
(S31、S32)
ステップS31(患者情報の送信)及びS32(医療情報の検索)は、それぞれ、第1の使用形態のステップS1及びS2と同様である。
【0102】
(S33:医療情報の送信)
システムサーバ10の管理装置11の制御部111は、ステップS32で検索部114により検索された医療情報を、当該患者情報の送信元であるクライアント1000に向けて送信するよう通信部116を制御する。
【0103】
なお、患者情報の送信元と医療情報の送信先とが異なってもよい。その場合、医療情報の送信先は、事前に設定され、又はクライアント1000等を用いてその都度設定される。
【0104】
(S34:特定情報の抽出)
クライアント1000の通信部1400は、ステップS33で管理装置11から送信された医療情報を受信して制御部1100に送る。検査条件取得部として機能するプロセッサは、この医療情報から特定情報を抽出する。この特定情報は、関連情報に含まれる所定項目の医療情報に相当する情報である。当該患者の医療情報から特定情報を抽出する処理は、たとえば、検索部114により検索された医療情報のうちから所定項目に該当する医療情報を抽出するために検査条件取得部115が実行する処理と同様にして実行される。
【0105】
(S35:検査条件の取得)
検査条件取得部として機能するプロセッサは、ステップS34で抽出された特定情報に対応する検査条件を、関連情報記憶部として機能する記憶装置に記憶されている関連情報から取得する。取得された検査条件は制御部1100に送られる。
【0106】
(S36:検査条件の表示)
制御部1100は、ステップS35で入力された検査条件を表示部1310に表示させる。この処理は、第1の使用形態のステップS5と同様にして実行される。
【0107】
(S37〜S39)
ステップS37(検査条件の変更)、S38(検査条件の設定)及びS39(検査の実施)は、それぞれ、第1の使用形態のステップS6、S7及びS8と同様である。
【0108】
[使用形態5]
第5の使用形態を
図7に示す。
【0109】
(S41〜S45)
ステップS41(患者情報の送信)、S42(医療情報の検索)、S43(医療情報の送信)、S44(特定情報の抽出)及びS45(検査情報の取得)は、それぞれ、第4の使用形態のステップS31、S32、S33、S34及びS35と同様である。
【0110】
(S46:検査条件の設定)
本使用形態では、クライアント1000による検査条件の表示(S36)と、ユーザによる検査条件の変更(S37)は行われず、制御部1100は、ステップS45で取得された検査条件に基づいて検査部1200の設定を変更する。
【0111】
(S47:検査の実施)
そして、第4の使用形態のステップS39と同様にして検査が実施される。
【0112】
[使用形態6]
第6の使用形態を
図8に示す。本使用形態では、第3の使用形態と同様に、クライアント1000は情報処理装置110(又は210)であり、クライアント1000には眼科検査装置120(又は220)が接続されている。
【0113】
(S51〜S55)
ステップS51(患者情報の送信)、S52(医療情報の検索)、S53(医療情報の送信)、S54(特定情報の抽出)及びS55(検査情報の取得)は、それぞれ、第4の使用形態のステップS31、S32、S33、S34及びS35と同様である。
【0114】
(S56:検査条件の転送)
クライアント1000の制御部1100は、通信部116を制御することで、ステップS55で取得された検査条件を眼科検査装置120(又は220)に送る。
【0115】
なお、検査条件を転送する前に、その変更を行ってもよい。検査条件の変更は、たとえば、第1の使用形態と同様に検査条件の表示を介して行われる。
【0116】
(S57:検査条件の設定)
眼科検査装置120(又は220)に含まれるプロセッサは、ステップS56でクライアント1000(情報処理装置110(又は210))から入力された検査条件に基づいて検査部1200の設定を変更する。
【0117】
(S58:検査の実施)
眼科検査装置120(又は220)は、第4の使用形態のステップS39と同様にして検査を実施する。
【0118】
以上は、本実施形態に係る眼科検査支援システムを用いて実施可能な使用形態の典型的な例であり、これら以外の使用形態を適用することも可能である。
【0119】
[作用・効果]
実施形態に係る眼科検査支援システムの作用及び効果について説明する。
【0120】
実施形態に係る眼科検査支援システムは、サーバ(システムサーバ10)と、複数のクライアント(1000)とを含む。サーバは、各患者の医療情報を格納する医療情報格納装置(12)と、医療情報格納装置に格納されている医療情報を管理する管理装置(11)とを備える。各クライアントは、管理装置と通信可能である。
【0121】
実施形態に係る眼科検査支援システムは、関連情報記憶部と検査条件取得部とを備える。関連情報記憶部及び検査条件取得部は、それぞれ任意の位置に配置される。たとえば、関連情報記憶部は、サーバ、1以上のクライアント、及びそれら以外の位置のうち少なくともいずれかに配置される。或いは、サーバ、1以上のクライアント、及びそれら以外の位置のうち少なくとも2つに、関連情報記憶部を分散配置してもよい。同様に、検査条件取得部は、サーバ、1以上のクライアント、及びそれら以外の位置のうち少なくともいずれかに配置されてよい。或いは、サーバ、1以上のクライアント、及びそれら以外の位置のうち少なくとも2つに、検査条件取得部を分散配置してもよい。
【0122】
関連情報記憶部は、所定項目の医療情報と眼科検査の検査条件とが関連付けられた関連情報を予め記憶する。検査条件取得部は、複数のクライアントのいずれか一つから送信された患者情報に基づき管理装置が医療情報格納装置から検索した医療情報を受け、当該医療情報の少なくとも一部に対応する検査条件を関連情報から取得する。
【0123】
クライアントは、検査条件取得部により取得された検査条件に基づき制御を行う制御部(1100)を備えている。制御部により実行される制御は任意の処理を含んでよい。
【0124】
制御の第1の例として、制御部は、検査条件取得部により取得された検査条件を表示装置(表示部1310)に表示させることができる。
【0125】
制御の第2の例において、クライアントは、患者眼の検査を行うための検査部(1200)を備える。制御部は、検査条件取得部により取得された検査条件に基づいて検査部を制御することができる。つまり、制御部は、検査条件取得部により取得された検査条件を検査部に設定することができる。
【0126】
制御の第3の例において、クライアント(情報処理装置110、210)は、患者眼の検査を行うための眼科検査装置(120、220)と通信可能である。制御部は、検査条件取得部により取得された検査条件を眼科検査装置に転送することができる。眼科検査装置は、クライアントから入力された検査条件に基づいて検査を行うことが可能である。
【0127】
このように、実施形態に係る眼科検査支援システムは、患者の医療情報に応じた適当な検査条件を関連情報から取得し、クリニック等に設置されたクライアントにそれを提供するよう構成されている。したがって、クリニック等においても、適切な眼科検査を適切な条件で実施できる。それにより、眼科疾患の早期発見法や予防医療を広く提供することが可能となる。
【0128】
実施形態において、医療情報格納装置に格納されている医療情報は、患者の遺伝子情報を含んでいてよい。また、関連情報は、所定疾患の関連遺伝子情報と当該疾患に関する眼科検査の検査条件とが関連付けられた第1関連情報を含んでいてよい。更に、検査条件取得部は、次の2つの処理を実行可能な第1取得部を備えてよい。第1取得部は、患者情報に基づき検索された遺伝子情報が、第1関連情報に含まれる関連遺伝子情報のいずれかを含むか判定する。更に、第1取得部は、当該遺伝子情報に含まれると判定された関連遺伝子情報に対応する検査条件を第1関連情報から取得する。
【0129】
この構成によれば、患者の遺伝子情報から得られる所定疾患の発症リスク等から検査条件を特定し、それをクライアントに提供することができる。したがって、遺伝子から特定可能な眼科疾患の早期発見法や予防医療を広く提供することが可能である。
【0130】
実施形態において、医療情報格納装置に格納されている医療情報は、患者眼の画像を含んでいてよい。また、関連情報は、所定疾患の眼の形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報と当該疾患に関する眼科検査の検査条件とが関連付けられた第2関連情報を含んでいてよい。更に、検査条件取得部は、次の2つの処理を実行可能な第2取得部を備えてよい。第2取得部は、患者情報に基づき検索された画像を解析することで、第2関連情報に含まれる形態的特徴及び/又は機能的特徴のいずれかを当該画像が含むか判定する。更に、第2取得部は、当該画像に含まれると判定された形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報に対応する検査条件を第2関連情報から取得する。なお、本例における画像はOCT画像を含んでいてよい。
【0131】
この構成によれば、所定疾患の眼の形態的特徴や機能的特徴を患者眼の画像から特定し、それに応じた検査条件をクライアントに提供することができる。したがって、患者眼の画像から特定可能な眼科疾患の早期発見法や予防医療を広く提供することが可能である。
【0132】
実施形態において、医療情報格納装置に格納されている医療情報は、患者眼の画像の解析により取得された画像解析データを含んでいてよい。また、関連情報は、所定疾患の眼の形態的特徴及び/又は機能的特徴を示す特徴情報と当該疾患に関する眼科検査の検査条件とが関連付けられた第2関連情報を含んでいてよい。更に、検査条件取得部は、次の2つの処理を実行可能な第3取得部を備えてよい。第3取得部は、患者情報に基づき検索された画像解析データが、第2関連情報に含まれる特徴情報のいずれかに該当するか判定する。更に、第3取得部は、当該画像解析データが該当すると判定された特徴情報に対応する検査条件を第2関連情報から取得する。なお、本例における画像はOCT画像を含んでいてよい。
【0133】
この構成によれば、所定疾患の眼の形態的特徴や機能的特徴を患者眼の画像解析データから特定し、それに応じた検査条件をクライアントに提供することができる。したがって、患者眼の画像から特定可能な眼科疾患の早期発見法や予防医療を広く提供することが可能である。
【0134】
実施形態に係る眼科検査支援サーバ(システムサーバ10)について説明する。眼科検査支援サーバは、医療情報格納部(医療情報格納装置12)と、関連情報記憶部(112)と、通信部(116)と、検索部(114)と、検査条件取得部(115)とを備える。医療情報格納部は、各患者の医療情報を格納する。関連情報記憶部は、所定項目の医療情報と眼科検査の検査条件とが関連付けられた関連情報を予め記憶する。通信部は、複数のクライアントのいずれか一つから送信された患者情報を受信する。検索部は、受信された患者情報に基づいて医療情報格納装置から医療情報を検索する。検査条件取得部は、検索された医療情報の少なくとも一部に対応する検査条件を関連情報から取得する。通信部は、取得された検査条件を、当該患者情報を送信したクライアントに送信する。
【0135】
このように、実施形態に係る眼科検査支援サーバは、患者の医療情報に応じた適当な検査条件を関連情報から取得し、クリニック等に設置されたクライアントにそれを提供するよう構成されている。したがって、クリニック等においても、適切な眼科検査を適切な条件で実施できる。それにより、眼科疾患の早期発見法や予防医療を広く提供することが可能となる。
【0136】
実施形態に係る眼科検査支援装置(クライアント1000)について説明する。眼科検査支援装置は、通信部(1400)と、制御部(1100)とを備える。通信部は、各患者の医療情報を管理するサーバであって所定項目の医療情報と眼科検査の検査条件とが関連付けられた関連情報を予め記憶するサーバに患者情報を送信する。更に、通信部は、当該患者情報に基づき関連情報から取得された検査条件をサーバから受信する。制御部は、受信された検査条件に基づき制御を行う。
【0137】
このように、実施形態に係る眼科検査支援装置は、クリニック等に設置されており、患者の医療情報に応じて関連情報から取得された適当な検査条件をサーバから受け、それに基づき制御を実行することができる。したがって、クリニック等においても、適切な眼科検査を適切な条件で実施できる。それにより、眼科疾患の早期発見法や予防医療を広く提供することが可能となる。
【0138】
実施形態に含まれる処理の少なくとも一部を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体の例として、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体などがある。また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのコンピュータプログラムを送信及び/又は受信することも可能である。
【0139】
以上において説明した構成は実施態様の一例に過ぎない。本発明を実施しようとするものは、その要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を任意に施すことが可能である。