特許第6589114号(P6589114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6589114ショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法及びインペラー用ブレード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6589114
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法及びインペラー用ブレード
(51)【国際特許分類】
   B24C 5/06 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   B24C5/06 B
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-109209(P2019-109209)
(22)【出願日】2019年6月12日
【審査請求日】2019年6月13日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0155627
(32)【優先日】2018年12月6日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516328557
【氏名又は名称】デウォン アプライド エンジニアリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DAEWON APPLIED ENG.CO.
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100116241
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 一郎
(72)【発明者】
【氏名】チュン チャン−キ
【審査官】 山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−83092(JP,U)
【文献】 米国特許第9770806(US,B2)
【文献】 韓国登録特許第10−1608926(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 1/00 − 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板で切断加工して突出部が設けられるショット移動板と、挿入穴が設けられる側面案内板とを成形する部品切断加工工程と、2つの側面案内板の挿入穴に前記ショット移動板の突出部を嵌め込んで、ショット移動板の両側の側面に側面案内板を組み立てるブレード組み立て工程と、が含まれたことを特徴とするショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項2】
鋼板をレーザー加工方式またはワイヤ放電加工方式で切断加工してショット移動板と2つの側面案内板を製作し、前記鋼板の材質は高炭素鋼または高マンガン鋼であり、前記側面案内板は固定溝が設けられ、前記固定溝と両端の間に2つの挿入穴が設けられ、前記ショット移動板の両側に各々突出部が2つずつ設けられるようにする部品切断加工工程;成形されたショット移動板と側面案内板をA3変態点より30〜50℃高い温度で焼き入れ処理を行い、A1変態点以下で焼き戻し処理を行う部品熱処理工程;及び前記2つの側面案内板の挿入穴にショット移動板の突出部を嵌め込んでショット移動板の両側の側面に側面案内板を組み立てるブレード組み立て工程が含まれ、前記固定溝は、側面案内板の長手方向の中央部に凹んで陥没した固定溝で設けられ、固定ピンが前記固定溝とブレード固定溝の一側に設けられた固定ピン固定溝に嵌め込まれながらブレードがインペラーに固定装着できるようにすることを特徴とするショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項3】
前記ショット移動板の突出部と前記側面案内板の挿入穴は、四角形状で設けられることを特徴とする請求項2に記載のショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項4】
前記部品切断加工工程の後に、ショット移動板を一側に曲がるようにする加熱後、曲げ加工工程が付加されることを特徴とする請求項2に記載のショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項5】
側面案内板を曲がっているショット移動板の形状に合わせられることができるように側面案内板を一側に曲がるようにする加熱後、曲げ加工工程が付加されることを特徴とする請求項4に記載のショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項6】
前記部品切断加工工程の後に、部品研磨工程が付加されることを特徴とする請求項2に記載のショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項7】
用いられる鋼板がいずれも同じ厚さであることを特徴とする請求項2に記載のショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【請求項8】
2つの対向するディスクの内側面に多数のブレード固定溝が設けられ、ブレード固定溝にそれぞれブレードが固定装着されるショットピーニングマシンのインペラーにおいて、
前記ブレードは、板材形状で設けられ、両側面にそれぞれ1つ以上の突出部が設けられたショット移動板と、前記ショット移動板の突出部と結合して組み立てられる挿入穴が設けられた2つの側面案内板と、からなり、前記ブレード固定溝に側面案内板が嵌め込まれながら固定されるように構成されることを特徴とするインペラー用ブレード。
【請求項9】
2つの対向するディスクの内側面に多数のブレード固定溝が設けられ、ブレード固定溝にそれぞれブレードが固定装着されるショットピーニングマシンのインペラーにおいて、
前記ブレードは、高炭素鋼または高マンガン鋼の材質の鋼板で製作されたショット移動板と、2つの側面案内板とから構成され、前記ショット移動板は、両側にそれぞれ四角形状の突出部が2つずつ設けられ、前記側面案内板は固定溝が設けられ、前記固定溝と両端の間に2つの四角形状の挿入穴が設けられ、2つの前記側面案内板の挿入穴に前記ショット移動板の突出部を嵌め込んで、ショット移動板の両側の側面に前記側面案内板が組み立てられ、前記固定溝は、側面案内板の長手方向の中央部が凹んで陥没した固定溝で設けられ、固定ピンが前記固定溝とブレード固定溝の一側に設けられた固定ピン固定溝に嵌め込まれながらブレードがインペラーに固定装着され、前記ショット移動板は、ショットボールが移動する長手方向の中央部が外側に曲がることを特徴とするショットピーニングマシンのインペラー用ブレード。
【請求項10】
前記側面案内板が曲がっているショット移動板の形状に合わせられるように曲がることを特徴とする請求項9に記載のショットピーニングマシンのインペラー用ブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショットピーニングマシンのインペラー用ブレードに関するものであって、より詳細には、インペラー用ブレードを鋼材鉄板で製作してブレードの使用寿命を延ばしながらも製造原価を下げることができるインペラー用ブレードの製造方法及びかかる製造方法によって生産されたインペラー用ブレードに関するものである。
本発明は、鋼板を適宜な大きさに切断して加工することによって、ショット移動板、及び側面案内板からなる構成部品を製作した後、製作された構成部品を嵌合して組み立てることによってインペラー用ブレードを製造する方法を提案する。
【背景技術】
【0002】
一般的にショットピーニングマシンは、金属製品の生産工程である鋳造、ダイカスト、圧延などの後処理及び金属の表面の圧縮残留応力の付与のための作業に適用される機械であって、被加工物に鋼球などからなったショットボールを投射することによって、被加工物の表面を打撃して被加工物の表面に圧縮残留応力を付与する。被加工物にショットボールを投射して被加工物の表面を加工するショットピーニングマシンは、圧縮空気を用いるか遠心力を用いてショットボールを投射する方式が採択されている。本発明は、高速回転するインペラーを中心にしてショットボールを供給し、遠心力を用いてショットボールを投射するショットピーニングマシンに関するものである。
【0003】
遠心力を用いたショットピーニングマシンは、インペラーを中心にしてショットボールを供給し、高速でインペラーを回転させてショットボールがインペラーの円柱面に装着されたブレードの表面を高速遠心力により速い速度で滑りながら被加工物に投射させることによって被加工物の表面に圧縮残留応力を形成させる。かかるショットピーニングマシンは、互いに対向する一対の円形ディスクの間に複数のブレードを放射状で結合したインペラーを構成し、前記インペラーは、ケースの内部に装着して電動機によって高速で回転するように構成するが、インペラーに装着される複数のブレードは、ショットボールの投射作用により磨耗、傷が生じ、このように磨耗、傷が生じたブレードは入れ替わることで持続的な機械作動ができるので、遠心力投射ショットピーニングマシンのブレードは、周期的にしばしば入れ替わらなければならない。
【0004】
図1は、遠心力投射ショットピーニングマシンインペラーブレードの一般的な形状を示し、鋼材又は鋳鉄材から製作できる。今までこのような形状のインペラー用ブレードを鋼材で製作する場合、切断加工作業が複雑であり、製作加工のために長時間がかかり、製作費用が増加し、鋼材ブレードは広く利用できず、鋳鉄製ブレードが通常使用されている。
【0005】
鋳鉄製ブレードは、一般的な鋼材ブレードより製作単価を下げることができるが、使用寿命が鋼材ブレードより短い。特に、鋳鉄製ブレードは鋳物作業過程で不純物などの介在物が含まれる場合、使用寿命が平均使用寿命より1/2以下に短くなることがあり、ショットピーニングマシンに装着された一つのブレードを入れ替えれば、一つのショットピーニングマシンに通常装着される8つのブレードをいずれも入れ替えなければならないという問題点がある。
【0006】
特許文献1は、ショットピーニングマシン用ブレードにおいて、セラミック耐磨耗プレートを着脱自在に設けることを提案している。この発明は、従来の単一の材質のブレードよりも使用寿命を5倍以上増加させて600〜800時間に向上させることができると紹介しているが、構成が複雑で、入れ替えが容易でなく、製作単価が高価であり、費用対効果の面でも活用されにくい。
【0007】
特許文献2は、ショットボールと接触する超硬合金材質のタイルとこのような材質のタイルを介在してインペラーに装着するための合成樹脂又は軽金属の素材のボディーから分離構成されたインペラー用ブレードを提案している。かかるインペラー用ブレードは、耐久性を増大させ、使用寿命を延ばすことができるが、製作工程が複雑であり、製作単価が増加し、費用対効果の面で効果的でなく、広く活用されることができないという問題点がある。
【0008】
特許文献3は、縁から底面に行くほど、凹形をなし、長手方向に形成され、長手方向の内側上面の先端が丸く突出したショットピーニングマシン用インペラーブレードを提案している。かかるインペラーブレードは、ショットボールが、中央が凹形をなす案内面に沿って移動され、被加工物に向かって投射されることによって打撃効率を向上させることはできるが、ブレードの使用寿命を延ばすか、周期的なブレードの入れ替え費用を節減することはできないものであった。
【0009】
特許文献4は、回転ホイールの固定ホールとともに固定ピンで挿入される制御ホールが設けられたブレード形状(図1b参照)を提案している。かかる形状のインペラーブレード構造は、傷、磨耗したブレードを速やかで、容易に入れ替えることはできるが、ブレードの使用寿命を延ばすか、周期的なブレードの入れ替え費用を節減することはできないものであった。
【0010】
特許文献5は、ショットの作動時間を短縮させることができるドラム型ショットピーニング装置の発明を開示しており、ショットの作動時間の短縮のためのブレードの色々な形状を紹介しているが、材質特性や使用寿命に関連するか、製作費用の節減のために試みられたものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−230996号公報
【特許文献2】韓国登録特許第585623号公報
【特許文献3】韓国登録特許第1107603号公報
【特許文献4】韓国特許登録第1608926号公報
【特許文献5】米国特許第9,770,806号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製作のために鋼材を使用しながらも、製作単価を鋳鉄製の製作単価より大きく下げて、インペラー用ブレードを製作できるようにすることを目的とする。また、インペラー用ブレードの形状と構造を単純にし、ブレードの入れ替えが容易にできるようにすることを目的とする。
【0013】
しかし、本発明の目的は、前記触れた目的に限らず、触れていないが、以下の手段又は、実施例上の具体的な構成による他の目的をその記載からこの技術分野の通常の技術者に明らかに理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、鋼板で切断加工して突出部が設けられるショット移動板と、挿入穴が設けられる側面案内板を成形する部品切断加工工程と、前記側面案内板の挿入穴に前記ショット移動板の突出部を嵌め込んで組み立てるブレード組み立て工程と、が含まれたことを特徴とするショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法を提案する。
【0015】
本発明は、成形されたショット移動板と、側面案内板をA3変態点より30〜50℃高い温度で焼き入れを行い、A1変態点以下で焼き戻しを行う部品熱処理工程が含まれることができる。
本発明は、使用される鋼板が高炭素鋼又は高マンガン鋼であることが好ましく、部品切断加工工程の後にショット移動板を折り曲げる曲げ加工工程又は部品研磨工程が付加できる。
【0016】
本発明において、側面案内板は、固定突起や固定溝が設けられることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、鋳鉄製ブレードを使用する時と対比して使用寿命を増加させることができ、且つ製作単価を鋳鉄製ブレードの製作単価より顕著に下げることができる。また、ブレードをショット移動板と側面案内板とに分離製作して、ショット移動板と側面案内板とが組み立てられたブレードを用いることによって、ブレード入れ替えの容易性を増大させ、ショット移動板と側面案内板の選別的な入れ替えを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)と(b)は、ショットピーニングマシンのインペラーに装着される従来の一般的な斜視図を示した図であり、(c)は、従来の方式によるショットピーニングマシンのインペラー及びブレードの結合構造を示した図である。
図2】本発明の実施例によるブレードがインペラーに装着される状態を示す斜視図である。
図3図2の実施例のブレード分解及び組み立て状態の斜視図を示した図である。
図4】本発明の他の実施例によるブレードがインペラーに装着される状態を示す斜視図である。
図5図4の実施例のブレード分解及び組み立て状態の斜視図を示した図である。
図6】本発明のさらに他の実施例によるブレードがインペラーに装着される状態を示す斜視図である。
図7図6の実施例のブレード分解及び組み立て状態の斜視図を示した図である。
図8】本発明のブレードの製造過程を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を添付された図を参照して説明する。本発明に係る動作及び作用を理解するに必要な部分を中心として詳述する。本発明の実施例を説明しながら、本発明が属する技術分野によく知られており、本発明と直接的に関連のない技術分野については説明を略する。これは、不要な説明を略することによって本発明の要旨を不明にせず、更に明らかに伝えるためのことである。
【0020】
さらに、本発明の構成要素を説明するにあたって、同一の名称の構成要素に対して図によって異なる参照符号を付けることもあり、互いに異なる図であっても同一の参照符号を付けることもある。しかし、このような場合であっても、該当構成要素が実施例によって互いに異なる機能を有するということを意味するか、互いに異なる実施例で同一の機能を有するということを意味するものではなく、それぞれの構成要素の機能は、該当実施例でのそれぞれの構成要素についての説明に基づいて判断すべきだろう。
【0021】
さらに、本明細書で使用される技術的な用語は、本明細書において特に別の意味として定義されない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により一般的に理解される意味として解釈されるべきであり、過渡に包括的な意味として解釈されるか、過渡に縮小された意味として解釈されないべきである。
【0022】
さらに、本明細書において使用される単数の表現は、文脈上、異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「構成される」または「含む」などの用語は、明細書上に記載された諸構成要素、または諸段階を必ず全て含むものとして解釈されないべきであり、その中、一部の構成要素または一部の段階は含まらないこともあり、あるいは追加の構成要素または段階をさらに含むことができるものとして解釈されるべきである。
【0023】
一般的なインペラー用ブレードは、図1に図示のようであり、遠心力を用いてショットボールを投射するショットピーニングマシンのインペラーの両側のディスクに嵌め込まれてブレードが装着されるとインペラーが回転しながらショットボールが中心部に供給されてブレードへ移動し、ブレードから被加工物に投射されて被加工物の表面処理作業が進む。
【0024】
本発明のショットボールを投射するブレードは、ショット移動板と、両側の側面案内板と、に分けられて構成され、かかる構成部品が各々製作された後、ブレードに組み立てられることによってインペラー用ブレードの製作が出来上がる。
【0025】
本発明によって製作されたブレードがショットピーニングマシンのインペラーに装着されると、ショットボールがブレードのショット移動板に供給され、インペラーの回転によりショットボールに遠心力が生じるようになり、ショットボールがショット移動板の底面に沿ってインペラーの外周方向へ移動しながら被加工物に投げられる。
【0026】
ブレードが嵌め込まれるように両側面に起立して組み立てられる2つのディスクは、ショットボールが被加工物に投げられる時、ブレードのショット移動板から側方向に飛び出さないようにし、ディスクに設けられたブレード固定溝にショット移動板と組み立てられた側面案内板とが嵌め込まれ、各々の側面案内板に設けられた固定溝または固定突起によってインペラーの回転の際に、ブレードがインペラーから分離せず、固定される。
【0027】
本発明の実施例によるブレードのショット移動板と側面案内板は、薄い鋼板を切断加工するだけで、最終の形状が形成できる形状構造を有する。
【0028】
本発明のブレードショット移動板は、一定の厚さを有する矩形形状の板材側面に突出部が設けられて製作され、側面案内板は、ショット移動板と同じ長さでなされ、一定の厚さを有する狭い幅を有する矩形形状で幅方向の中心部に挿入穴が設けられる形状で製作される。
【0029】
ショット移動板の突出部と側面案内板の挿入穴は、互いに嵌合できるように同一の形状でなければならなく、四角形状で製作されることが好ましい。
【0030】
本発明の他の実施例によって製作されるショット移動板または側面案内板は、鋼板の切断加工後、加熱曲げ作業により、図6に示されたように、屈曲するか曲がっている形状で製作されることができる。
【0031】
前記屈曲するか曲がっている形状で製作されたショット移動板は、長手方向の中心部または長手方向の垂直方向の中心部に凹溝または屈曲した形状で切削して製作することはできるが、このように製作する場合、厚い鋼板を用いなければならなく、材料のロス量と加工時間が増加し、費用対効果の側面で好ましくない。
【0032】
本発明の実施例によるブレードの製作のために用いられる鋼板は、高炭素鋼または高マンガン鋼を用いることが製作費用対性能の面で好ましい。高炭素鋼または高マンガン鋼を用いると、加工費用が増加することがあるが、使用寿命を大きく増加できるので、費用対性能の面で効果的である。
【0033】
さらに、本発明の実施例によるブレードの製作は、一定の厚さの鋼板を用いることができ、ショット移動板と側面案内板は、同じ厚さの鋼板を用いることが好ましい。ショット移動板と側面案内板のいずれも同じ厚さの鋼板を用いることによって、廃資材の発生を減らし、資材管理の効率性を図ることができ、加工工程を単純化させて製作費用を減少させることができる。
【0034】
本発明の一実施例によって製作されるショット移動板(21)は、図3に示されたように、鋼板を切断加工して製作されるので、使用された鋼板と同じ厚さの矩形形状であり、両側面の一部が、1箇所以上外側に突出した突出部(26)が設けられた形状で製作される。
【0035】
2つの側面案内板(22)も鋼板を切断加工して製作されるが、狭い幅と前記ショット移動板(21)と同じ長さを有する矩形で長手方向の一側端部が拡張されて突出した固定突起(29)が設けられ、ショット移動板(21)の突出部(26)と対応する位置に側面案内板(22)の幅方向の中央部に挿入穴(27)が設けられるように製作される。
【0036】
切断加工工程を経て表面処理加工及び熱処理工程を済ませたショット移動板(21)と2つの側面案内板(22)を側面案内板(22)の挿入穴(27)にショット移動板(21)の突出部(26)を嵌め込んで接合することによって、本願発明の実施例によるインペラー用ブレード(20)が出来上がる。
【0037】
本発明の一実施例によれば、ショット移動板(21)の突出部(26)は、断面が四角形状であり、ショット移動板(21)の両側に各々2つずつ設けられ、側面案内板(22)の挿入穴(27)は四角形状で2つ設けられる。図5に図示のように、側面案内板(22)は、長手方向の中央部に固定溝(33)が設けられ、固定溝と両端の間に各々1つずつ2つの挿入穴(27)が設けられる。
【0038】
本願発明の実施例によって製作されたインペラー用ブレードをショットピーニングマシンのインペラーに装着することによって使用寿命が尽きたブレードを入れ替えることができ、ショットピーニングマシンのインペラー(10)は、図2に示されたように、対向する2つのディスク(11)の間にブレードを挿入装着できる構造となっており、ブレード(20)の2つの側面案内板(22)の固定突起(29)が対向するディスク(11)の内側面に設けられたブレード固定溝(12)に各々挿入され固定されることによって、ブレード(20)がインペラー(10)に装着される。
【0039】
ブレードが装着されたショットピーニングマシンでインペラー(10)を回転させると中心部に供給されるショットボールがブレードへ移動した後、被加工物に投射されて被加工物の表面処理が進む。
【0040】
本発明の他の実施例によってブレード(30)が図5に示されたように製作されることができる。ショット移動板(31)は、図3の実施例のショット移動板(21)と同じ形状で形成され、側面案内板(32)の挿入穴(37)も図3の実施例による側面案内板(22)の挿入穴(27)と同じ形状で製作されるが、固定突起(29)と同一であるか類似している形状が形成されていないので、側面案内板(32)が矩形形状で形成され、側面案内板(32)の上部面または下部面の中央部が凹んで陥没した固定溝(33)が設けられ、インペラー(10)の両側に対向するように配置されたディスク(11)のブレード固定溝(12)には、ディスク(11)とブレード(30)の結合の際に、固定溝(33)と対応する位置に固定ピン固定溝(15)が設けられる。
【0041】
図5の実施例によって製作されたインペラー用ブレード(30)は、図4に示されたように、ショットピーニングマシンのインペラー(10)に装着され、インペラーの両側のディスク(11)の内側面に設けられたブレード固定溝(12)にブレード(30)の両方の側面案内板(32)をそれぞれ嵌め込み、固定ピン(50)でブレード(30)の固定溝(33)とディスク(11)の固定ピン固定溝(15)に嵌め込んでブレード(30)をインペラーに固定する。
【0042】
本発明のさらに他の実施例によってブレード(40)が図7に示されたように製作されることができる。ショット移動板(41)と側面案内板(42)は、図5の実施例のショット移動板(31)及び側面案内板(32)と類似しているが、それぞれ屈曲するか、曲がっている形状であるということから違いがある。
【0043】
ショット移動板(41)と側面案内板(42)が屈曲するか、曲がっている方向は、ショットボールがショット移動板(41)に沿って移動する長手方向の垂直方向であり、ブレード(40)がインペラー(10)に装着された時、インペラー(10)が回転する円柱方向に曲がることによって、ショットボールの投射速度を増加させることができる。
【0044】
図7の実施例によって製作されたブレード(40)は、図6に示されたように、ショットピーニングマシンのインペラー(10)に装着されることができ、図4の実施例に示された装着方式と同じ方法で装着される。
【0045】
本発明に係るインペラー用ブレードの製造過程は、図8に示された固定手順のように(a)部品切断加工工程(b)部品熱処理工程(c)ブレード組み立て工程の順でインペラー用ブレードが製作される。
【0046】
(a)部品切断加工工程
鋼板を用いて切断加工することによって、ショット移動板と側面案内板が成形される。切断加工方式は、レーザー加工方式、ワイヤ放電加工方式などの方法で切断加工でき、レーザー加工方式を採択することが効率的である。レーザー加工によりショット移動板と側面案内板の外形を成形し、ショット移動板(21、31)の突出部(26、36)及び側面案内板(22、32)の挿入穴(27、37)を容易に成形することができる。
【0047】
使用材料及び切断加工の作業環境によって成形された部品が仕上げ表面処理が必要になれば、研磨砥石により表面処理がなされることができる。
【0048】
図7に示されたように成形されたショット移動板(41)は、加熱後、曲げ加工により底面が屈曲するか、曲がるようにすることができ、成形された側面案内板(42)も加熱後、曲げ加工によりショット移動板(41)の曲がっている形状に沿って合わせられるように曲がらせることができる。ショット移動板(41)は、ショットボールが移動する長手方向の中央部が外側に曲がるようにすることができる。
【0049】
側面案内板(42)は、四角形状を保持しながら、曲がっているショット移動板(41)の側面を全て受け止めることができるように高さの幅を大きくすることも可能であるが、図7に示されたように、ショット移動板(41)の曲がっている形状に合わせられることができるように、四角形状で切断加工された側面案内板を加熱した後、曲げ加工することが好ましい。
【0050】
(b)部品熱処理工程
切断加工により鋼板で製作されたショット移動板と側面案内板は、A3変態点より30〜50℃高い温度で焼き入れを行った後、A1変態点以下で焼き戻し処理を行ってブレード部品の製作が出来上がる。
【0051】
(c)ブレード組み立て工程
側面案内板の挿入穴(27、37、47)にショット移動板の突出部(26、36、46)を嵌め込んで、ショット移動板(21、31、41)に2つの側面案内板(22、32、42)に結合固定されることによって、インペラー用ブレード(20、30、40)が出来上がる。
【0052】
本発明によって製作されたインペラー用ブレードは鋼材を用いて製作されることによって、使用寿命が向上し、均一な品質水準を維持できることはもちろん、製作単価を鋳鉄製ブレードより大幅節減させることができる。
【0053】
また、ブレードがショット移動板と、側面案内板とに分離できるように構成されており、ブレードのインペラーの装着の際に便宜性を増進させることができ、ショット移動板だけが使用寿命が尽きた場合、側面案内板はそのまま用いながらショット移動板だけを入れ替えることができる。
【0054】
前記内容を参照して、本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施可能であるということを理解できるだろう。
【0055】
故に、以上で述べた実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないものとして理解されるべきであり、前記詳細な説明で述べられた本考案の範囲は後述する請求範囲によって示され、請求範囲の意味及び範囲、且つ、その等価概念から導出される全ての変更または変更された形態が本発明に含まれるものとして解釈されるべきである。
【要約】
【課題】ショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製作のために鋼材を使用しながらも、製作単価を鋳鉄製の製作単価より大きく下げて、インペラー用ブレードを製作できるようにする。
【解決手段】鋼板で切断加工して突出部が設けられるショット移動板と、挿入穴が設けられる側面案内板とを成形する部品切断加工工程と、前記側面案内板の挿入穴に前記ショット移動板の突出部を嵌め込んで組み立てるブレード組み立て工程と、が含まれたことを特徴とするショットピーニングマシンのインペラー用ブレードの製造方法。
【選択図】図1
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図8