(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内外に連通した二つ以上の孔を有する一つ以上の取付部材又は内外に連通した一つ以上の孔を有する二つ以上の取付部材が、一部又は全部が可撓性素材で構成される容器部材に設けられ、上記容器部材によって流体を貯留し得る貯留部を備え、
上記取付部材は、
少なくとも流入孔及び流出孔と、
浮沈動作によって上記流入孔を開閉するフロータと、
上記フロータを囲繞する囲繞部と、を備えることを特徴とする流体貯留装置。
前記フロータの前記回転軸と前記流入孔を開閉する流入調整弁と自由端部とが、それぞれ、支点、作用点、力点に対応することを特徴とする請求項2に記載の流体貯留装置。
内外に連通した二つ以上の孔を有する一つ以上の取付部材又は内外に連通した一つ以上の孔を有する二つ以上の取付部材が、一部又は全部が可撓性素材で構成される容器部材に設けられ、上記容器部材によって流体を貯留し得る貯留部を備え、
上記取付部材は、少なくとも流入孔及び流出孔とを有し、上記流出孔の上方には、上記貯留部内部に収容された該流体の減量時又は非膨張時は縮退状態とされ、上記貯留部内部に収容された該流体が膨張した際に、該膨張による増量に伴って増容して該膨張分を吸収する過膨張領域を有することを特徴とする流体貯留装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した流体貯留装置について図面を参照して説明する。ここでは、ウォータサーバに内蔵される流体貯留装置を例に説明する。
【0022】
図1に示すように、このウォータサーバ1は、装置本体10の上側の容器装着部11に流体である水を収容した流体容器20が着脱可能に装着されると共に、装置本体10内に流体容器20から供給された水を貯留する流体貯留装置である容量可変容器30が収納されている。
【0023】
図1に示すように、流体容器20は、装置本体10の上側の容器装着部11に着脱される交換型の容器であって、内部に流体である水が収容され、容量可変容器30より上側に配設されて、容量可変容器30に給水する。尚、ここでは、流体容器20は容量可変容器30よりも鉛直上方に配置される構成を採っているが、必ずしも鉛直上方に位置させなければならないというものではなく、ポンプ等を用いた何等かの圧力によって流体を容量可変容器30に供給することが出来るように構成しても良い。
【0024】
図2に示すように、流体容器20は、可撓性を有する容器であって、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)等の合成樹脂材料でブロー成形等によって成形されている。また、これらの合成樹脂シートを用いて製袋した容器であっても良い。更に、合成樹脂シートを用いる場合には、このシートは、同種又は異種の複数のシートの積層シートであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の積層シートを用いることが出来る。この際、流体を水とする場合には、水と接する面は、臭いの発生しにくい素材を選択することが望ましい。
【0025】
また、流体容器20は、可撓性を有し、収容している水の体積(水量)によって容積が増減する。更に、流体容器20は、収容する水が減少するに連れて折り畳まれる折り目線21等が設けられており、水の減少に伴って、漸次織り込まれ減容することで、最後まで、水が容量可変容器30に流れるように構成することが出来る。
【0026】
以上のような流体容器20は、収容している水の体積によって容積が可変しないハード容器のように通気口が不要で、収容する水が減少するに連れて容積も減少し、収容された水が外気と触れることが無いため、内部での雑菌等の繁殖が防止され、長期に亘って良好な衛生状態を維持することが出来る。
【0027】
図1に示すように、容量可変容器30は、ここでは冷水又は低温用と温水又は高温用の二種類が、装置本体10内に収納されている。冷水又は低温用と温水又は高温用の容量可変容器30a,30bは、一つの流体容器20から水が供給される。
【0028】
各容量可変容器30a,30bは、流体容器20と同様に、可撓性を有し、合成樹脂材料等でブロー成形等によって成形されている。また、流体容器20と同様に、これらの合成樹脂シートを用いて製袋した容器であっても良い。
【0029】
また、
図3(A)、
図3(B)、
図4(A)及び
図4(B)に示すように、各容量可変容器30a,30bは、可撓性を有し、収容している水の体積(水量)によって容積が増減する。更に、各容量可変容器30a,30bは、収容する水が減少するに連れて折り畳まれる折り目線31等が設けられており、水の減少に伴って、漸次織り込まれ減容することで、最後まで、水を吐出可能に構成することが出来る。
【0030】
また、
図1に示すように、各容量可変容器30a,30bには、パイプやチューブで形成された吐出路12a,12bが接続されている。吐出路12a,12bには、流路の開閉や流量の調節をするコック13a,13bが接続されている。更に、吐出路12a,12bのコック13a,13bよりも下流側には、吐出口14a,14bが設けられている。冷水又は低温用の容量可変容器30aの吐出口14aは、後述する取付部材40の第一の流出コネクタ43の第一の流出孔43a(
図5参照)よりも上方又は下方に設けても良いが、温水又は高温用の容量可変容器30bの吐出口14bは、例えば、後述する取付部材60の第二の流出コネクタ64の第二の流出孔64a(
図12参照)よりも下方に設けることが好ましい。尚、ここでは、コックや吐出口が冷側と温側とで二系統に分離されている構成を例示しているが、必ずしも分離されていなければならないというものではなく、合流弁や混合弁、吐水切換弁等を用いても良い。
【0031】
また、
図1に示すように、各容量可変容器30a,30bには、ジョイント部15が接続されている。更に、流体容器20にも、ジョイント部15が接続されている。即ち、流体容器20と容量可変容器30a,30bとは、ジョイント部15を介して接続されている。ジョイント部15は、流体容器20と接続された共通路16aと、共通路16aから分岐した分岐路16b,16cとを有している。一方の分岐路16bは、冷水又は低温用の容量可変容器30aに接続され、他方の分岐路16cは、温水又は高温用の容量可変容器30bに接続されている。これにより、ジョイント部15は、配管構造の簡素化を実現することが出来る。尚、ジョイント部15としては、二本のパイプを用い、流体容器20と温水又は高温用の容量可変容器30bとを他の一本のパイプで接続するようにしても良い。
【0032】
また、流体容器20が装着される容器装着部11には、流体容器20を開封する連結手段となる開封部材が設けられており、流体容器20が装着されたとき、開封部材によって、流体容器20のコネクタ22が開封される。例えば、開封部材は、筒状を成し、流体容器20のコネクタ22を突き抜けることで、内部と連通し、共通路16aに水を供給出来るようにする。
【0033】
尚、容量可変容器30a,30bには、流体容器20から水を補充するのではなく、水道の蛇口と直結されたホース等の接続管を接続し、常時、水道の蛇口から水が補充されるようにしても良い。或いは、流体容器20に、ポンプ等を接続して吸引した水を補充するように構成しても良い。
【0034】
また、
図5に示すように、冷水又は低温用の容量可変容器30aには、分岐路16b及び吐出路12aが接続される取付部材40が設けられている。この取付部材40は、合成樹脂製の板部材で構成されており、
図6(A)に示すように、例えば平面視長円状に形成されている。
【0035】
取付部材40は、
図3に示すように、容量可変容器30aの側面部(一主面)に溶着(ヒートシール)されている。具体的に、
図6(A)及び
図6(B)に示すように、取付部材40は、容量可変容器30aの側面部に形成された開口部32内に外部側から配置されて、側壁部の全周に外側に向けて突設された接合代41と開口部32の周縁部32aとを面接触させた状態で、接合代41と開口部32の周縁部32aとを溶着することで、容量可変容器30aの側面部に取り付けられている。
【0036】
取付部材40は、容量可変容器30aの側面部等の面領域に溶着されているので、容量可変容器30aの一面と他面との接合部等の面領域以外に設ける場合よりも、容量可変容器30aに容易に取り付けることが出来る。更に、取付部材40は、接合代41と開口部32の周縁部32aとが面接触した状態で溶着されているので、確実に水密性を確保することが出来る。
【0037】
尚、取付部材40は、平面視長円状に形成されることに限定されるものではなく、矩形状や円形状等、如何なる形状であっても良い。
【0038】
更に、取付部材40は、
図6(B)に示すように、主面部に、内外に連通した第一の流入孔42aを有する筒状の第一の流体コネクタ42と、内外に連通した第一の流出孔43aを有する筒状の第一の流出コネクタ43とを有している。
【0039】
第一の流体コネクタ42は、主面部の厚さ方向の一方及び他方の両側にそれぞれ突設されており、一方の部分が容量可変容器30aの外部側に配置されて分岐路16bと接続され、他方の部分が容量可変容器30aの内部側に配置されて、第一の流入孔42aを介して分岐路16bから供給された水を容量可変容器30a内に流入する。
【0040】
第一の流出コネクタ43は、主面部の厚さ方向の一方及び他方の両側にそれぞれ所定の長さ突出して設けられており、一方の部分が容量可変容器30aの外部側に配置されて吐出路12aと接続され、他方の部分が容量可変容器30aの内部側に配置されて、第一の流出孔43aを介して容量可変容器30a内から吐出路12aに水を供給する。
【0041】
尚、取付部材40は、主面部に、第一の流体コネクタ42及び第一の流出コネクタ43に加えて、取付部材40の主面部の厚さ方向の他方に向けて、容量可変容器30a内の水温を検出する温度検出素子が収納される凹部を設けるようにしても良い。
【0042】
更に、第一の流体コネクタ42の他方の部分、第一の流出コネクタ43の他方の部分及び温度検出素子が収納される凹部は、容量可変容器30aの底部まで突出するように設けても良く、上部、中部まで突出するように設けても良い。
【0043】
また、
図5に示すように、容量可変容器30aには、容量可変容器30a内の水を冷却する熱伝達体44が設けられている。この熱伝達体44は、
図7に示すように、ペルチェ素子17を介して、装置本体10の背面部10bに凸設されて鉛直方向に延設された凸条部18に接合され、ペルチェ素子17により、熱伝達体44を介して吸熱された熱が装置本体10及び装置本体10の背面部10bに形成されたフィン19から放熱することで、容量可変容器30a内の水を冷却する。この際、ペルチェ素子17は、熱伝達体44及び装置本体10間に一個設けても良く、複数個を並設又は多段に設けても良い。
【0044】
具体的に、
図8(A)及び
図8(B)に示すように、熱伝達体44は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製であって、吸熱を行う面状部45と、面状部45の一主面45aの面方向に凸設され、一方向に延設される一つ以上の凸条部46とを有している。面状部45には、黒アルマイト処理が施されている。尚、黒アルマイト処理は、面状部45の凸条部46が形成されている面には施さず、凸条部46が形成されている面以外の面に施すようにしても良い。また、凸条部46は、ペルチェ素子17の幅と同等以上の幅に設定され、略中央部にペルチェ素子17が接合されている。尚、熱伝達体44は、アルミニウム又はアルミニウム合金、その他の金属、セラミック、ガラス、樹脂或いはこれらの複合材料から成るようにしても良い。
【0045】
更に、
図9(A)〜
図9(C)に示すように、熱伝達体44には、熱伝達体44の周縁を囲繞する樹脂製の取付枠部材47が設けられている。具体的に、取付枠部材47は、インサート成形等によって、面状部45の凸条部46が形成された一主面45aのペルチェ素子17が接合される以外の領域と、面状部45の側壁部45cと、面状部45の他主面45bの周縁部とに設けられると共に、面状部45の側壁部45cの全周に外側に向けて突設された接合代48を有するように設けられている。すなわち、面状部45は、一主面45aのペルチェ素子17が接合される領域と他主面45bの周縁以外の領域とが取付枠部材47から露出されている。そして、
図5及び
図7に示すように、他主面45bの周縁以外の領域が容量可変容器30a内の水に直接的に触れるように設けられている。
【0046】
熱伝達体44は、
図9(B)に示すように、面状部45の他主面45bを容量可変容器30aの内部側に向けて、面状部45を、外部側から容量可変容器30aの側面部に形成された開口部33を介して容量可変容器30a内に配置されて、接合代48と開口部33の周縁部33aとを面接触させた状態で、接合代48と開口部33の周縁部33aとを溶着(ヒートシール)することで、容量可変容器30aの側面部に取り付けられている。この際、熱伝達体44は、容量可変容器30aが装置本体10に装着された際に、凸条部46の延設方向が装置本体10の凸条部18の延設方向と略直交又は略平行となるように、容量可変容器30aの側面部に取り付けられる。尚、ここでは、略直交するように設けられている。
【0047】
熱伝達体44は、容量可変容器30aの側面部に接合代48と開口部33の周縁部33aとが面接触した状態で溶着されているので、取付部材40と同様に、容量可変容器30aに容易に取り付けることが出来、確実に水密性を確保することが出来る。
【0048】
また、
図5に示すように、容量可変容器30aは、冷却効果を向上させるべく断熱性を有する断熱体49で囲繞されている。この断熱体49は、例えば、合成樹脂を発泡させて硬化させた発泡性断熱材で形成されている。具体的に、
図10(A)〜
図10(C)に示すように、断熱体49は、上面が開口された有底箱状の収納部材50と、収納部材50の開口を閉塞する蓋部材51とを有し、蓋部材51は、一面に形成された係合部51aが開口端に係合されることで、収納部材50に嵌合されている。収納部材50の内面と蓋部材51との間の空間を容量可変容器30aが収納される収納部52としている。収納部材50の開口端を閉塞する蓋部材51には、取付部材40の第一の流体コネクタ42と第一の流出コネクタ43と対向する位置に、取付部材40の第一の流体コネクタ42と第一の流出コネクタ43とが挿通される挿通孔53,53が形成されている。尚、温度検出素子が収納される凹部が形成される場合には、温度検出素子が挿通される挿通孔53をさらに形成するようにしても良い。勿論、断熱体は、必ずしも有底箱状に構成する必要はなく冷却効果を向上させることが出来るように構成されていれば良いことは言うまでもない。
【0049】
また、収納部材50には、内部に容量可変容器30aが収納された際に熱伝達体44と対向する一主面の内壁面に、熱伝達体44が嵌合される第一の溝部54が形成されている。更に、収納部材50には、第一の溝部54が形成された一主面の外壁面に、装置本体10の凸条部18が嵌合される第二の溝部55が形成されている。第一の溝部54及び第二の溝部55は、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の凸条部18とが略直交するように設けられている場合、略直交するように形成され、略平行に設けられている場合、略平行となるように形成されている。尚、ここでは、略直交するように形成されている。また、収納部材50には、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の凸条部18間に設けられるペルチェ素子17に対応する位置に、ペルチェ素子17が収容される貫通口56が形成されている。尚、ここでの熱伝達体44は、ペルチェ素子17との当接側が条状の凸部を有する構成とされるが、必ずしも条状である必要はなく、単に凸状に形成しても良く、或いは凸状に構成せず平坦面としても良い。
【0050】
断熱体49は、第一の溝部54に熱伝達体44が嵌合され、第二の溝部55に装置本体10の凸条部18が嵌合されることで、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の背面部10bとが干渉することを防止することが出来ると共に、熱伝達体44の面状部45と装置本体10の凸条部18とが干渉することを防止することが出来、熱伝達体44と装置本体10との間を確実に断熱することが出来る。
【0051】
そして、
図7に示すように、容量可変容器30aは、断熱体49の第二の溝部55に装置本体10の凸条部18を嵌合させた状態で、装置本体10の背面部10bの外部側からボルト等の締結部材57を装置本体10の背面部10bの貫通孔10c及び断熱体49の収納部材50の貫通孔58を介して熱伝達体44の凸条部46に形成されたネジ孔59に締結することで、装置本体10の背面部10bの内壁面に取り付けられている。この際、締結部材57の締結力により、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の凸条部18とでペルチェ素子17を挟持することで、熱伝達体44の凸条部46とペルチェ素子17と装置本体10の凸条部18とを確実に密接させることが出来る。従って、容量可変容器30aは、より確実且つ効率的に内部の水を冷却することが出来る。ここで、ボルト等の締結部材57としては、熱伝導性が低い、例えば、合成樹脂製のものを採用することが好ましい。
【0052】
容量可変容器30aは、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の凸条部18とがペルチェ素子17を介して接合されているので、ペルチェ素子17が吸熱体として機能する熱伝達体44を介して容量可変容器30aから吸熱して、吸熱した熱を、放熱体として機能する装置本体10及び装置本体10のフィン19から効率良く放熱することが出来る。従って、容量可変容器30aは、効率的に内部の水を冷却することが出来る。勿論、放熱体やフィン19は必ずしも装置本体10に設けなければならないというものではなく、別体としても良いことは言うまでもない。
【0053】
更に、容量可変容器30aは、熱伝達体44及び装置本体10が共に凸条部46,18を有し、ペルチェ素子17を介して凸条部46,18同士を接合させることにより、スペーサ等を介在させることなく、熱伝達体44と装置本体10との間隔を十分大きく取ることが出来、効率良く吸熱又は放熱を行うことが出来る。従って、容量可変容器30aは、より効率的に内部の水を冷却することが出来る。
【0054】
更に、容量可変容器30aは、熱伝達体44及び装置本体10が共に凸条部46,18を有することにより、スペーサ等を介在させる必要がないので、スペーサ等を介在させる際に必要な熱伝導性シートや熱伝導性グリス等も必要なくなり、これらの部材コスト及び組み付けコスト等を低減することが出来、加えて、熱伝導性シートや熱伝導性グリス等による熱効率の低下も防止することが出来る。
【0055】
更に、容量可変容器30aは、熱伝達体44及び装置本体10を、熱伝達体44の凸条部46の延設方向と装置本体10の凸条部18の延設方向とが、略直交するように配設させることで、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の凸条部18との間隔も、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の凸条部18とが交差する交差領域以外は十分大きく取ることが出来るので、略平行に配設される場合よりも、より効率良く吸熱又は放熱を行うことが出来る。従って、容量可変容器30aは、より効率的に内部の水を冷却することが出来る。
【0056】
尚、容量可変容器30aは、取付部材40と熱伝達体44とを一体に設けても良い。これにより、溶着(ヒートシール)箇所が減り、作業工程を短縮することが出来る。
【0057】
また、容量可変容器30aは、取付部材40に、貯留した水を排水する内外に連通した第一の排水孔を有する筒状の第一の排水コネクタを設けるようにしても良い。この第一の排水コネクタは、主面部の厚さ方向の一方及び他方の両側にそれぞれ所定の長さ突出して設けられており、一方の部分が容量可変容器30aの外部側に配置されて残留した水を排水する第一の排水路と接続され、他方の部分が容量可変容器30aの内部側に配置されて、第一の排水孔を介して容量可変容器30a内から排水路に水を供給する。
【0058】
また、容量可変容器30aは、取付部材40を二つ以上設けて、二つ以上の孔を有する取付部材40を一つ設けることに加え、二つ以上の孔を有する取付部材40を二つ以上設けるようにしても良い。すなわち、容量可変容器30aは、二つ以上の孔を有する取付部材40を一つ以上設けるようにしても良い。
【0059】
更に、容量可変容器30aは、流入孔42aを有する第一の流体コネクタ42だけを有する取付部材40、流出孔43aを有する第一の流出コネクタ43だけを有する取付部材40、温度検出素子が収納される凹部だけを有する取付部材40、第一の排水孔を有する筒状の第一の排水コネクタだけを有する取付部材40等、一つの孔を有する二つ以上の取付部材40を設けるようにしても良い。すなわち、容量可変容器30aは、一つ以上の孔を有する取付部材40を二つ以上設けるようにしても良い。
【0060】
また、
図11及び
図12に示すように、温水又は高温用の容量可変容器30bには、分岐路16c及び吐出路12bが接続される取付部材60が設けられている。この取付部材60は、合成樹脂製の板部材で構成されており、例えば平面視矩形状に形成されている。
【0061】
取付部材60は、
図12に示すように、容量可変容器30bの側面部(一主面)に溶着(ヒートシール)されている。具体的に、取付部材60は、容量可変容器30bの側面部に形成された開口部61内に外部側から配置されて、側壁部の全周に外側に向けて突設された接合代62と開口部61の周縁部61aとを面接触させた状態で、接合代62と開口部61の周縁部61aとを溶着することで、容量可変容器30bの側面部に取り付けられている。
【0062】
取付部材60は、容量可変容器30bの側面部等の面領域に溶着されているので、容量可変容器30bの一面と他面との接合部等の面領域以外に設ける場合よりも、容量可変容器30aに容易且つ確実に取り付けることが出来る。更に、取付部材60は、接合代62と開口部61の周縁部61aとが面接触した状態で溶着されているので、確実に水密性を確保することが出来る。
【0063】
尚、取付部材60は、平面視矩形状に形成されることに限定されるものではなく、楕円形状や円形状等、如何なる形状であっても良い。
【0064】
更に、取付部材60は、主面部に、内外に連通した第二の流入孔63aを有する筒状の第二の流体コネクタ63と、内外に連通した第二の流出孔64aを有する筒状の第二の流出コネクタ64とを有している。
【0065】
第二の流体コネクタ63は、主面部の厚さ方向の一方及び他方の両側にそれぞれ突設されており、一方の部分が容量可変容器30bの外部側に配置されて分岐路16cと接続され、他方の部分が容量可変容器30bの内部側に配置されて、第二の流入孔63aを介して分岐路16cから供給された水を、他方の部分の周壁部の下部に形成された吐出口65から容量可変容器30a内に流入する。
【0066】
第二の流出コネクタ64は、第二の流体コネクタ63よりも主面部の幅方向の一方の端部側に設けられると共に、第二の流体コネクタ63よりも鉛直下方に設けられている。第二の流出コネクタ64は、主面部の厚さ方向の一方及び他方の両側にそれぞれ突設されており、一方の部分が容量可変容器30bの外部側に配置されて吐出路12bと接続され、他方の部分が容量可変容器30aの内部側に配置されて、第二の流出孔64aを介して容量可変容器30b内から吐出路12bに水を供給する。
【0067】
また、
図11及び
図12に示すように、容量可変容器30bの内部側の取付部材60の他主面には、第二の流体コネクタ63の吐出口65から流入される水を規制するフロート部材66が設けられている。このフロート部材66は、長尺な棒状に形成されており、下面の長手方向の一端部に形成された嵌合部67が第二の流出コネクタ64に嵌合されて、第二の流出コネクタ64を中心に鉛直方向に回動自在に支持されている。更に、フロート部材66は、流体である水に対して比重の小さい材料で形成されることや、内部が空洞となるように形成されることで浮動性を有し、容量可変容器30b内で浮力を発生して浮くようになっている。更に、フロート部材66は、容量可変容器30b内の水位がフロート部材66以下の場合、
図11(A)に示すように、第二の流出コネクタ64に回動支持された長手方向の一端部とは反対側の他端部が自重等によって一端部よりも鉛直方向の下方の位置に配置されるように設けられている。更に、フロート部材66の上面には、第二の流出コネクタ64を中心に鉛直方向の上方に回動した際に第二の流体コネクタ63の吐出口65と対応する位置に、吐出口65を開閉する例えば円錐状の弁部材68が設けられている。
【0068】
従って、フロート部材66は、第二の流体コネクタ63の吐出口65から容量可変容器30b内に水が流入され、第二の流出コネクタ64に回動支持された長手方向の一端部とは反対側の他端部よりも容量可変容器30b内に水が溜まると、
図11(B)に示すように、他端部が水位の上昇に応じて浮き上がり第二の流出コネクタ64を中心に鉛直方向の上方に回動される。すると、水位の上昇に応じてフロート部材66が上方に回動されるのに伴い、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞する。そして、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞すると、第二の流体コネクタ63の吐出口65から容量可変容器30b内の水の流入が停止される。
【0069】
その一方で、フロート部材66は、ユーザ等によって水が使用されて、
図11(A)に示すように、第二の流出コネクタ64を介して容量可変容器30b内から吐出路12bに水が供給されて容量可変容器30b内の水位が下降すると、第二の流出コネクタ64を中心に鉛直方向の下方に回動される。すると、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65から離間して、第二の流体コネクタ63の吐出口65が開放され、第二の流体コネクタ63の吐出口65から再度容量可変容器30b内の水が流入される。
【0070】
すなわち、弁部材68は、フロート部材66の浮沈動作に応じて、第二の流体コネクタ63の吐出口65を開閉する。尚、第二の流体コネクタ63よりも主面部の幅方向の一方の端部側で第二の流体コネクタ63よりも鉛直下方に第二の流出コネクタ64とは別に回動軸を設け、この回動軸にフロート部材66の嵌合部67を嵌合させて、フロート部材66を回動自在に支持させるようにしても良い。
【0071】
また、フロート部材66が設けられた取付部材60の他主面には、
図11及び
図12に示すように、フロート部材66を囲繞する囲繞部69が設けられている。この囲繞部69は、フロート部材66よりも取付部材60の厚さ方向の他方側まで突設された薄板部材がフロート部材66を囲むように矩形環状に設けられている。尚、囲繞部69は、フロート部材66に加え、第二の流出コネクタ64よりも取付部材60の厚さ方向の他方側まで突設されるようにしても良い。更に、囲繞部69の上辺には、弁部材68が突出される貫通口69aが形成されている。
【0072】
従って、囲繞部69は、ユーザ等によって容量可変容器30b内の水が使用されて容量可変容器30bが収縮しても、容量可変容器30bがフロート部材66に干渉することを防止することが出来る。更に、囲繞部69は、フロート部材66を囲むように設けられているので、フロート部材66の回動範囲を規制する規制部としても機能する。更に、フロート部材66は、容量可変容器30bが空の状態や水位が囲繞部69よりも下降している場合、他端部が自重によって一端部よりも下方に位置するので、水位が上昇した際には、先ず他端部が水に触れる。即ち、フロート部材66は、回動支点である一端部から最も遠い他端部が力点となるので、例えば他端部が一端部よりも上方に位置されて力点が一端部の近傍である場合よりも、テコ比が大きく、弁部材68をより高トルクで押し上げることが出来、より確実に閉弁することが可能となっている。
【0073】
尚、囲繞部69の底面部には、囲繞部69で囲まれた領域内から領域外に水を導水させる又は領域外から領域内に水を導水させる孔や開口やスリットからなる連通口69bが形成されるようにしても良い。
【0074】
また、囲繞部69は、開口に囲繞蓋部材を一体又は着脱可能に取り付けて、囲繞蓋部材によって開口を閉塞するようにしても良い。これにより、例えば、ユーザ等によって容量可変容器30b内の水が使用されて容量可変容器30bが収縮した際に、容量可変容器30bが囲繞部69で囲まれた領域内に入り込みフロート部材66に干渉することを防止することが出来る。更に、容量可変容器30bが第二の流出コネクタ64の第二の流出孔64aを閉塞することを防止することが出来る。尚、囲繞部69の開口を囲繞蓋部材によって閉塞する場合、連通口69bの代わりに又は共に、囲繞部69の底面部を上面部や側面部等よりも突出量を短く設けて、囲繞蓋部材との間に隙間を形成して、囲繞部69及び囲繞蓋部材で形成された空間部の内外に水を導水させて第二の流体コネクタ63の吐出口65を開閉させるようにしても良い。
【0075】
更に、フロート部材66に弁部材68を設けて、フロート部材66の浮沈動作に応じて、弁部材68によって第二の流体コネクタ63の吐出口65を開閉することに限定されるものではなく、
図13に示すように、第二の流体コネクタ63に設けられ吐出口65から離間する方向に付勢する弾性片68aに弁部材68を設けて、フロート部材66の浮沈動作に応じて、フロート部材66で弁部材68を移動させることによって第二の流体コネクタ63の吐出口65を開閉するようにしても良い。
【0076】
すなわち、フロート部材66は、他端部が水位の上昇に応じて浮き上がり鉛直方向の上方に回動されると、弾性片68aに支持された弁部材68を上方に移動させて、第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞させる。その一方で、フロート部材66は、容量可変容器30b内の水位が下降して他端部が下方に回動されると、弾性片68a及び自重によって弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65から離間して、第二の流体コネクタ63の吐出口65を開放させる。
【0077】
また、取付部材60の他主面の囲繞部69よりも下方には、容量可変容器30b内の水を所定の設定温度まで加熱するヒータ等の加熱部(不図示)が設けられている。例えば、加熱部は、これに限定されるものではないが、インサート成形等によって取付部材60と一体に設けられるようにしても良く、取付部材60の厚さ方向の他方に向けて凹部を設けて、この凹部に収納するようにしても良い。更に、取付部材60には、容量可変容器30a内の水温を検出する温度検出素子が設けられている。この温度検出素子は、加熱部の近傍に設けられることが好ましいが、これに限定されるものではない。更に、温度検出素子は、加熱部と同様に、インサート成形等によって取付部材60と一体に設けられるようにしても良く、取付部材60の厚さ方向の他方に向けて凹部を設けて、この凹部に収納するようにしても良い。
【0078】
また、
図12に示すように、容量可変容器30bは、保温効果を向上させる断熱性を有する断熱体70で囲繞されている。この断熱体70は、例えば、合成樹脂を発泡させて硬化させた発泡性断熱材で形成されている。具体的に、断熱体70は、上面が開口された有底箱状の収納部材71と、収納部材71の開口を閉塞する蓋部材72とを有し、蓋部材72は、一面に形成された係合部72aが開口端に係合されることで、収納部材71に嵌合されている。収納部材71の内面と蓋部材72との間の空間を容量可変容器30bが収納される収納部73としている。更に、収納部材71の側面には、取付部材60の第二の流体コネクタ63と第二の流出コネクタ64と対向する位置に、取付部材60の第二の流体コネクタ63と第二の流出コネクタ64とが挿通される挿通孔74,74が形成されている。勿論、断熱体は、必ずしも有底箱状に構成する必要はなく保温効果を向上させることが出来るように構成されていれば良いことは言うまでもない。
【0079】
ここで、温水又は高温用の容量可変容器30bは、加温された際の水の膨張分を考慮して容量を設定する必要がある。そこで、温水又は高温用の容量可変容器30bは次のように構成されている。
【0080】
容量可変容器30bの第二の流出孔64a(第二の流出コネクタ64)よりも上側で、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞した際の容量可変容器30b内の水面よりも上側が、容量可変容器30bの内部の水が加温されて膨張した際に、水の膨張分を許容する過膨張部75となり、それ以外は、通常水を貯留している貯留部となっている。具体的に、過膨張部75は、容量可変容器30bの上側端部に、水が注入されていない萎んだ部分として構成されている。従って、容量可変容器30bには、フロート部材66が上方に回動されて弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞した後に、加熱部によって所定の設定温度まで加温されると、温度に合わせて水が膨張する。すると、水の膨張分は、第二の流出コネクタ64よりも上側にある萎んだ状態にある過膨張部75が比例的に膨張することで吸収される。従って、水が膨張することで、容量可変容器30bが破損して漏水することを防止することが出来る。
【0081】
次に、ウォータサーバ1の冷水又は低温用の容量可変容器30aの一連の動作について説明する。
【0082】
ウォータサーバ1では、使用前は、容量可変容器30aが空の状態で収縮した状態となっている。従って、容量可変容器30aの内部は、外気が含まれていない状態となっている。尚、容量可変容器30内の空隙には、清浄ガスを充填しておいても良い。
【0083】
次いで、装置本体10の上側の容器装着部11に流体容器20が装着されると、流体容器20の水は、ジョイント部15を介して、容量可変容器30aに満水になるまで供給される。これにより、容量可変容器30aは、ユーザに使用可能な状態となる。
【0084】
次いで、容量可変容器30aでは、コントローラがペルチェ素子17を駆動して、所定の設定温度まで水が冷却される。
【0085】
冷水を使用する際には、ユーザがコック13aを開くことによって、吐出路12aの吐出口14aから容量可変容器30aの冷水が吐水される。すると、容量可変容器30aは、順次、流体容器20から水が注水されて、満水の状態にされる。
【0086】
これにより、容量可変容器30aは、常に満水の状態となり、コック13aを開いたとき、吐出路12aの吐出口14aから内部に外気が浸入することを防止することが出来る。
【0087】
次に、ウォータサーバ1の温水又は高温用の容量可変容器30bの一連の動作について説明する。
【0088】
ウォータサーバ1では、使用前は、容量可変容器30bが空の状態で収縮した状態となっている。従って、容量可変容器30bの内部は、外気が含まれていない状態となっている。尚、容量可変容器30内の空隙には、清浄ガスを充填しておいても良い。
【0089】
次いで、装置本体10の上側の容器装着部11に流体容器20が装着されると、流体容器20の水は、ジョイント部15を介して、容量可変容器30bに供給される。すると、容量可変容器30b内の水位上昇に伴ってフロート部材66も浮力によって他端部が上方に回動し、容量可変容器30bは、
図14(A)に示すように、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞するまで注水される。
【0090】
次いで、容量可変容器30bでは、コントローラがヒータ等の加熱部を駆動させて、所定の設定温度まで水が加熱される。
図14(B)に示すように、加熱部で容量可変容器30bの水が所定の設定温度まで加温されると、水も水温に合わせて膨張する。この例では、20℃の水を90℃まで加熱する。加熱によって水が膨張すると、水の体積の増加分は、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞しているので、第二の流出コネクタ64よりも上側の過膨張部75の部分に逃げることになる。即ち、過膨張部75が水の膨張分だけ膨らむ。
【0091】
温水を使用するときには、
図14(C)に示すように、ユーザがコック13bを開くことによって、吐出路12bの吐出口14bから容量可変容器30bの温水が吐水される。容量可変容器30bの温水が減少すると、容量可変容器30bの過膨張部75は、漸次収縮して、水位が低下する。これに伴って弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65から離間して、第二の流体コネクタ63の吐出口65の流路を開放すると、流体容器20の水が第二の流体コネクタ63の吐出口65から容量可変容器30bに補充、注水される。そして、流体容器20の水は、再度、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞するまで注水される。
【0092】
すると、
図14(D)に示すように、容量可変容器30bの水温は、例えば50℃まで下がる。このため、
図14(E)に示すように、加熱部で容量可変容器30bの水が90℃まで加温されると、水も水温に合わせて膨張する。水の体積の増加分は、容量可変容器30bの過膨張部75の部分に逃げることになる。以降、温水が使用されると、
図14(F)からの状態が繰り返されることになる。
【0093】
以上のように、容量可変容器30bは、水温上昇で膨張した膨張分を吸収する過膨張部75を有することで、水が加熱されて膨張しても、容量可変容器30bが破損し漏水することを防止することが出来る。
【0094】
尚、加熱部の誤動作等で水温が高くなり過ぎると、容量可変容器30bは、過膨張部75が膨らむだけでは吸収することが出来なくなるおそれがある。そこで、取付部材60には、
図1に示すように、非常用として、ベント管76を設けるようにしても良い。このベント管76は、ジョイント部15の分岐路16b,16cに接続されており、また、特に低圧時の逆流防止性能が優れた安全弁77が設けられている。安全弁77は、逆止弁等を用いた逆流防止機構であり、所定値以上の内圧が発生した際に該圧力を開放可能に構成され、容量可変容器30bの内部から外部への、液相状態及び/又は気相状態の流体の流動を許容し、外部から該容量可変容器30bの内部への流動を堰止する。安全弁77は、安全弁77の流体側が容量可変容器30bに連通され、流出側が、外部から容量可変容器30bの内部に水を流入させる分岐路12cに連通している。ベント管76が接続されている分岐路12cは、流体容器20から冷水又は低温水が供給されている「冷」側であり、安全弁77が開き水蒸気等が流入したとき、これを冷却し、気相を液相にし、再度、分岐路12cから容量可変容器30bに供給されるようにする。これにより、仮に、加熱部が誤作動してしまい容量可変容器30bの水を過熱した場合であっても、容量可変容器30bが圧力上昇により損傷することを防止することが出来る。
【0095】
以上のようなウォータサーバ1では、交換型の流体容器20が装置本体10の上側の容器装着部に装着されることで、装置本体の下側に空きスペースが出来ることから、この空きスペースを無くすことで、装置本体10の全体の低背化を実現することが出来る。
【0096】
また、容量可変容器30a,30bは、可撓性素材で構成されているので、流体が吐出されても、容量可変容器30a,30bの容量が変化するだけで、容量可変容器30a,30bの内部に外気が取り入れられることはない。従って、容量可変容器30a,30b内に雑菌が繁殖することを防止出来、長期に亘って衛生状態を良好に維持することが出来る。
【0097】
また、容量可変容器30a,30bは、取付部材40,60が容量可変容器30a,30bの側面部等の面領域に溶着されているので、容量可変容器30aの一面と他面との接合部等の面領域以外に設ける場合よりも、取付部材40,60を容量可変容器30aに容易に取り付けることが出来る。更に、容量可変容器30a,30bは、取付部材40,60が接合代41,62と容量可変容器30a,30bの開口部32,61の周縁部32a,61aとが面接触した状態で溶着されているので、確実に水密性を確保することが出来る。
【0098】
また、容量可変容器30aは、熱伝達体44が樹脂製の取付枠部材47を有し、取付枠部材47の側面部の接合代48と容量可変容器30aの側面部に形成された開口部33の周縁部33aとが面接触した状態で溶着されているので、熱伝達体44を容量可変容器30aに容易に取り付けることが出来、確実に水密性を確保することが出来る。
【0099】
また、容量可変容器30aは、断熱体49が第一の溝部54に熱伝達体44が嵌合され、第二の溝部55に装置本体10の凸条部18が嵌合されることで、熱伝達体44の凸条部46と装置本体10の背面部10bとが干渉することを防止することが出来ると共に、熱伝達体44の面状部45と装置本体10の凸条部18とが干渉することを防止することが出来、断熱体49によって熱伝達体44と装置本体10との間を確実に断熱することが出来る。
【0100】
また、容量可変容器30bは、囲繞部69がフロート部材66を囲むように設けられているので、ユーザ等によって容量可変容器30b内の水が使用されて容量可変容器30bが収縮しても、容量可変容器30bがフロート部材66に干渉することを防止することが出来る。更に、容量可変容器30aは、囲繞部69がフロート部材66を囲むように設けられているので、フロート部材66の回動範囲を規制する規制部としても機能する。
【0101】
また、容量可変容器30bは、容量可変容器30bが空の状態や水位が囲繞部69よりも下降している場合、フロート部材66の他端部が自重によって一端部よりも下方に位置するので、水位が上昇した際には、先ず他端部が水に触れる。即ち、フロート部材66は、回動支点である一端部から最も遠い他端部が力点となり、作用点である弁部材68が回動支点である一端部の近傍に設けられている。従って、容量可変容器30bは、例えば他端部が一端部よりも上方に位置されて力点が一端部の近傍である場合よりも、テコ比が大きく、円滑に回動することが出来る。
【0102】
容量可変容器30bは、少なくとも第二の流出孔64a(第二の流出コネクタ64)よりも上側で、弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞した際の容量可変容器30b内の水面よりも上側に、容量可変容器30bの内部の水が加温されて膨張した際に水の膨張分を許容する過膨張部75を有している。従って、容量可変容器30bには、フロート部材66が上方に回動されて弁部材68が第二の流体コネクタ63の吐出口65を閉塞した後に、加熱部によって所定の設定温度まで加温され、温度に合わせて水が膨張しても、水の膨張分を萎んだ状態にある過膨張部75で吸収することが出来、水が膨張することで、容量可変容器30bが破損して漏水することを防止することが出来る。
【0103】
以上説明したウォータサーバでは、流体として、水、ミネラルウォータ等を分配する場合を説明したが、本発明は、清涼飲料、飲料水、酒類、醤油、みりん、ドレッシング、味噌などの流体調味料、みそ汁やコーンスープなどの流体料理等を含む飲食料や工業品等の流体、粘性流体、ゲル状体、スラリー状体を分配する装置であっても良い。
【0104】
更に、流体貯留装置である容量可変容器30a,30bは、ウォータサーバ1に内蔵されて使用されるものに限定されるものではなく、可撓性素材で構成されて流体を貯留可能な容器部材に、二つ以上の孔を有する一つ以上の取付部材又は一つ以上の孔を有する二つ以上の取付部材が溶着(ヒートシール)されているものであれば良い。