特許第6589357号(P6589357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6589357通信装置、通信システム、通信装置の制御方法および通信装置のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6589357
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、通信装置の制御方法および通信装置のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-89996(P2015-89996)
(22)【出願日】2015年4月27日
(65)【公開番号】特開2016-208382(P2016-208382A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長崎 真由美
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−143544(JP,A)
【文献】 特開2013−172359(JP,A)
【文献】 特開2015−012496(JP,A)
【文献】 特開2006−157502(JP,A)
【文献】 特開2013−190867(JP,A)
【文献】 特開2004−268644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048−3/0489
13/00
G08B23/00−31/00
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを停止させる機能を有する通信装置であって、
前記通信装置の移動状態を特定する移動状態特定手段と、
前記通信装置の位置を特定する位置特定手段と、
混雑状態を特定する情報を保持する第2通信装置から、前記位置の前記情報を取得し、前記情報に基づいて前記位置の混雑状態を特定する混雑状態特定手段と、
前記移動状態および前記混雑状態に基づき、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する制御手段と、
を備え
前記情報は、工事状況、天候状況、イベント情報のうちの少なくとも一つを含む
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記移動状態特定手段は、少なくとも前記通信装置の移動速度に基づき、前記移動状態を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記移動状態特定手段は、時間経過に伴う前記位置の変化に基づき、前記移動速度を特定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記位置特定手段は、少なくともGPS(Global Positioning System)に基づき、前記位置を特定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記移動状態が移動している状態であり且つ前記混雑状態が混雑している状態である場合、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させた後、前記移動状態が静止している状態になった場合、前記停止させたアプリケーションを再起動させる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置で起動中のアプリケーションの種別を特定するアプリケーション種別特定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記アプリケーションの種別が所定の条件を満たした場合、前記移動状態および前記混雑状態に拘らず、前記通信装置で起動中のアプリケーションの動作を継続させる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の通信装置と、
記第2通信装置と、を備える
ことを特徴とする通信システム。
【請求項9】
アプリケーションを停止させる機能を有する通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の移動状態を特定し、
前記通信装置の位置を特定し、
混雑状態を特定する情報を保持する第2通信装置から、前記位置の前記情報を取得し、前記情報に基づいて前記位置の混雑状態を特定し、
前記情報は、工事状況、天候状況、イベント情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記移動状態および前記混雑状態に基づき、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する、
ことを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項10】
アプリケーションを停止させる機能を有する通信装置のコンピュータに、
前記通信装置の移動状態を特定する処理と
前記通信装置の位置を特定する処理と、
混雑状態を特定する情報を保持する第2通信装置から、前記位置の前記情報を取得し、前記情報に基づいて前記位置の混雑状態を特定する処理と、
前記移動状態および前記混雑状態に基づき、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する処理と、
を実行させ
前記情報は、工事状況、天候状況、イベント情報のうちの少なくとも一つを含む
ことを特徴とする通信装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム、通信装置の制御方法および通信装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や、スマートフォン、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistants)等、可搬式の通信装置が普及している。これに伴い、通信装置に起因する事故、例えば、歩行中に通信装置を操作し、人や物に衝突する事故や、駅のプラットホームから転落する事故等が発生する場合がある。
【0003】
上記問題に関連して、特許文献1には、携帯端末所持者が、歩行中や自転車走行中など移動状態にあり且つ携帯端末の画面を注視していた場合に、携帯端末の画面を非表示にしたり、危険状態である旨を携帯端末所持者に通知したりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−85510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、携帯端末所持者が、移動状態にあり且つ携帯端末の画面を注視した場合に、画一的に携帯端末の画面を非表示にしたり、危険状態である旨を通知したりするため、携帯端末の利便性を低下させてしまう。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、利便性を低下させることなく事故の発生を抑制することができる、通信装置、通信システム、通信装置の制御方法および通信装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様における通信装置は、アプリケーションを停止させる機能を有する通信装置であって、前記通信装置の移動状態を特定する移動状態特定手段と、前記通信装置の位置を特定する位置特定手段と、前記位置の混雑状態を特定する混雑状態特定手段と、前記移動状態および前記混雑状態に基づき、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に一態様における通信システムは、前記通信装置と、前記通信装置の位置の混雑状態を特定する情報を保持する第2通信装置と、を備え、前記通信装置の前記混雑状態特定手段は、前記情報を前記第2通信装置から取得し、前記通信装置の位置の混雑状況を特定する、ことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様における通信装置の制御方法は、アプリケーションを停止させる機能を有する通信装置の制御方法であって、前記通信装置の移動状態を特定し、前記通信装置の位置を特定し、前記位置の混雑状態を特定し、前記移動状態および前記混雑状態に基づき、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する、ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様における通信装置のプログラムは、アプリケーションを停止させる機能を有する通信装置のコンピュータに、前記通信装置の移動状態を特定する処理と前記通信装置の位置を特定する処理と、前記位置の混雑状態を特定する処理と、前記移動状態および前記混雑状態に基づき、前記通信装置で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利便性を低下させることなく事故の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る通信装置10のブロック構成図の一例である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る通信装置10が起動中のアプリケーションを停止する動作手順の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の第2の実施形態に係る通信システム100のシステム構成図の一例である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るデータベース保持装置300が保持するデータベースの一例である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る通信装置200がアプリケーションを停止する動作手順の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施形態に係るデータベース保持装置300が保持するデータベースの一例である。
図7】本発明の第2の実施形態に係るデータベース保持装置300が保持するデータベースの一例である。
図8】本発明の第4の実施形態の変形例に係る通信装置200Aのブロック構成図の一例である。
図9】本発明の第5の実施形態に係る通信装置200Bのブロック構成図の一例である。
図10】本発明の第6の実施形態に係る通信システム100Aのシステム構成図の一例である。
図11】本発明の第6の実施形態に係る第2データベース保持装置400が保持するデータベースの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
【0014】
本実施形態に係る通信装置10のブロック構成図を図1に示す。通信装置10は、図1に示すように、移動状態特定手段11と、位置特定手段12と、混雑状態特定手段13と、制御手段14と、を備える。
【0015】
移動状態特定手段11は、通信装置10の移動状態を特定する。
【0016】
例えば、移動状態特定手段11は、通信装置10の移動状態を、通信装置10の移動速度に基づき特定する。移動状態特定手段11は、通信装置10の移動速度が時速0kmよりも速い場合、通信装置10の移動状態が「移動中」であると特定する。また、移動状態特定手段11は、通信装置10の移動速度が時速0kmであった場合、通信装置10の移動状態が「静止中」であると特定する。なお、上記通信装置10の移動速度とは、通信装置10の所持者の歩く、走るといった動作に起因するものである。すなわち、移動状態特定手段11は、通信装置10の所持者が時速60kmで走行している鉄道車内で静止している場合には、通信装置10の移動状態が「静止中」であると特定する。ここで、移動状態特定手段11による通信装置10の移動状態の特定基準は、特に限定されない。例えば、移動状態特定手段11は、通信装置10の移動速度が時速1kmよりも速い場合、通信装置10の移動状態が「移動中」であると特定し、時速1km未満の場合「静止中」であると特定してもよい。
【0017】
位置特定手段12は、通信装置10の位置を特定する。
【0018】
混雑状態特定手段13は、位置特定手段12が特定した通信装置10の位置の混雑状態を特定する。
【0019】
例えば、混雑状態特定手段13は、位置特定手段12が特定した通信装置10の位置が駅であった場合、当該駅の混雑状態を特定する。
【0020】
制御手段14は、移動状態特定手段11が特定した通信装置10の移動状態、および混雑状態特定手段13が特定した通信装置10の位置の混雑状態に基づき、通信装置10で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する。
【0021】
例えば、制御手段14は、移動状態特定手段11が特定した通信装置10の移動状態が「移動中」であり、混雑状態特定手段13が特定した通信装置10の位置の混雑状態が「混雑」であった場合、通信装置10で起動中のアプリケーションを停止させる。一方、制御手段14は、移動状態特定手段11が特定した通信装置10の移動状態が「静止中」又は「移動中」であり、混雑状態特定手段13が特定した通信装置10の位置の混雑状態が「閑散」又は「通常」であった場合、通信装置10で起動中のアプリケーションの動作を継続させる。
【0022】
次に、図2を参照しながら、通信装置10が、起動中のアプリケーションを停止する動作手順について、説明する。
【0023】
移動状態特定手段11は、通信装置10の移動状態を特定する(S101)。
【0024】
位置特定手段12は、通信装置10の位置を特定する(S102)。
【0025】
混雑状態特定手段13は、位置特定手段12が特定した通信装置10の位置の混雑状態を特定する(S103)。
【0026】
制御手段14は、移動状態特定手段11が特定した通信装置10の移動状態、および混雑状態特定手段13が特定した通信装置10の位置の混雑状態に基づき、通信装置10で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する(S104)。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る通信装置10は、通信装置10の移動状態および通信装置10の位置の混雑状態に基づき、通信装置10で起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する。従って、本実施形態によれば、通信装置200の所持者が置かれている状況を考慮して起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定するため、利便性を低下させることなく事故の発生を抑制することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、鉄道を例にとって、本発明を説明するが、本発明の適用範囲が鉄道に限定されることは無い。
【0029】
本実施形態に係る通信システム100のシステム構成図を図3に示す。通信システム100は、図3に示すように、通信装置200と、データベース保持装置300と、を備える。
【0030】
通信装置200は、図3に示すように、位置情報取得部201と、日時情報取得部202と、混雑情報取得部203と、移動状況判定部204と、制御部205と、第2制御部206と、表示部207と、を備える。
【0031】
位置情報取得部201は、GPS(Global Positioning System)や、路線図や地形図等の地図情報に基づき、通信装置200の位置情報を取得する。そして、位置情報取得部201は、取得した位置情報を、混雑情報取得部203と、移動状況判定部204と、制御部205に通知する。ここで、位置情報とは、通信装置200の現在位置を示す情報のことである。例えば、位置情報取得部201は、GPSに基づき、「通信装置200は、北緯35度40分52秒,東経139度46分0秒の地点に位置している」等を位置情報として取得する。また、例えば、位置情報取得部201は、GPSおよび地図情報に基づき、「通信装置200は、○○鉄道路線上に位置している」や、「通信装置200は、○○駅に位置している」等を位置情報として取得する。
【0032】
日時情報取得部202は、時計機能等を用いて、日時情報を取得する。そして、日時情報取得部202は、取得した日時情報を、移動状況判定部204と制御部205に通知する。ここで、日時情報とは、日付、曜日、時刻等を含む情報のことである。例えば、日時情報取得部202は、時計機能等を用いて、「2000年,1月1日,月曜日,AM0:00」という日時情報を取得する。
【0033】
混雑情報取得部203は、位置情報取得部201から通知された位置情報に基づき、通信装置200の所持者が乗車している鉄道の進行方向に位置する駅や、通信装置200の所持者が位置する駅を特定する。そして、混雑情報取得部203は、上記特定した駅の混雑情報を、無線等によってデータベース保持装置300から取得し、これを制御部205に通知する。以下に、混雑情報取得部203の2つの動作例を示す。
【0034】
第1の動作例として、混雑情報取得部203は、例えば、30秒前の位置情報が「通信装置200は、A駅に位置している」であり、現在の位置情報が「通信装置200は、A―B駅間の鉄道路線上に位置している」であった場合、通信装置200の所持者が乗車している鉄道の進行方向に位置する駅がB駅であると特定する。そして、混雑情報取得部203は、B駅の混雑情報を、データベース保持装置300から取得し、これを制御部205に通知する。
【0035】
第2の動作例として、混雑情報取得部203は、例えば、現在の位置情報が「通信装置200は、C駅に位置している」であった場合、通信装置200の所持者がC駅にいることを特定する。そして、混雑情報取得部203は、C駅の混雑情報を、データベース保持装置300から取得し、これを制御部205に通知する。
【0036】
ここで、データベース保持装置300は、鉄道の各駅のリアルタイムな混雑状況を把握し、これを混雑情報としてまとめ、自身が保持しているデータベースに保存する。なお、上記鉄道の各駅のリアルタイムな混雑状況の取得方法は、特に限定されない。例えば、データベース保持装置300は、駅改札の入退場人数をリアルタイムに解析することにより、各駅の混雑状況を把握することができる。データベース保持装置300は、例えば、駅構内にいる人が5万人以上の場合には「非常に混雑」、駅構内にいる人が1万人以上5万人未満の場合には「混雑」、駅構内にいる人が5千人以上1万人未満の場合には「通常」、駅構内にいる人が5千人未満の場合には「閑散」とし、各駅の混雑状況を把握する。
【0037】
また、データベース保持装置300は、リアルタイムな混雑状況を把握することができない駅について、その混雑情報を、自身が保持しているデータベースに予め保存しておくこともできる。例えば、データベース保持装置300は、○○駅の混雑情報を、昼間帯については「通常」、深夜帯については「閑散」として、自身が保持しているデータベースに予め保存しておくこともできる。ここで、混雑情報を保存したデータベースの一例を、図4に示す。図4において、E駅は、リアルタイムな混雑状況を把握することができない駅に該当する。なお、データベース保持装置300は、例えば、リアルタイムな混雑状況を把握することができない駅の混雑情報として、上記E駅の混雑情報の取得を混雑情報取得部203から要求された場合、平日昼間帯および深夜帯の混雑情報、並びに休日昼間帯および深夜帯の混雑情報を混雑情報取得部203に通知する。そして、上記通知した4つの混雑情報は、E駅の混雑情報として、混雑情報取得部203から制御部205に通知される。
【0038】
通信装置200の説明に戻る。移動状況判定部204は、位置情報取得部201から通知された位置情報と、日時情報取得部202から通知された日時情報に基づき、通信装置200の所持者の移動状況を判定する。そして、移動状況判定部204は、判定の結果を移動状況情報として、制御部205に通知する。以下に、移動状況判定部204の5つの動作例を示す。
【0039】
第1の動作例として、移動状況判定部204は、位置情報に基づき、通信装置200が鉄道路線上に位置していることを確認する。また、移動状況判定部204は、位置情報と日時情報に基づき、通信装置200が一定方向に時速60kmで移動していることを確認する。移動状況判定部204は、上記確認した通信装置200の位置および移動速度に基づき、通信装置200の所持者が「鉄道で移動中」であると判定する。そして、移動状況判定部204は、判定結果である「鉄道で移動中」を移動状況情報として、制御部205に通知する。なお、例えば、移動状況判定部204は、「1月1日,AM8:59」という日付情報を取得してから、「1月1日,AM9:00」という日付情報を取得するまでの間(1分経過する間)に、位置情報が一定方向に1km移動していることを確認した場合、通信装置200が一定方向に時速60kmで移動していると判断する。
【0040】
第2の動作例として、移動状況判定部204は、位置情報に基づき、通信装置200が駅構内に位置していることを確認する。また、移動状況判定部204は、位置情報と日時情報に基づき、通信装置200が時速4kmで移動していることを確認する。移動状況判定部204は、上記確認した通信装置200の位置および移動速度に基づき、通信装置200の所持者が「駅構内を歩行中」であると判定する。そして、移動状況判定部204は、判定結果である「駅構内を歩行中」を移動状況情報として、制御部205に通知する。なお、移動状況判定部204は、上記第1の動作例と同様の方法で、通信装置200の移動速度を確認することができる。
【0041】
第3の動作例として、移動状況判定部204は、位置情報に基づき、通信装置200が駅構内に位置していることを確認する。また、移動状況判定部204は、位置情報と日時情報に基づき、一定時間以上、通信装置200が時速0kmである(静止している)ことを確認する。移動状況判定部204は、上記確認した通信装置200の位置および移動速度に基づき、通信装置200の所持者が「駅構内で、立ち止まっている」と判定する。そして、移動状況判定部204は、判定結果である「駅構内で、立ち止まっている」を移動状況情報として、制御部205に通知する。なお、移動状況判定部204は、上記第1の動作例と同様の方法で、通信装置200の移動速度を確認することができる。また、上記一定時間以上は、20秒以上や、40秒以上、60秒以上等、特に限定されない。
【0042】
第4の動作例として、移動状況判定部204は、自身の判定結果が「鉄道で移動中」から「駅構内で、立ち止まっている」に変わった後、一定時間以内で「鉄道で移動中」に戻ったことを確認する。該確認の結果に基づき、移動状況判定部204は、通信装置200の所持者が「駅で降車せずに、継続して鉄道で移動中」であると判定する。そして、移動状況判定部204は、判定結果である「駅で降車せずに、継続して鉄道で移動中」を移動状況情報として、制御部205に通知する。なお、上記一定時間以内は、20秒以内や、40秒以内、60秒以内等、特に限定されない。
【0043】
第5の動作例として、移動状況判定部204は、自身の判定結果が「鉄道で移動中」から「駅構内を歩行中」に変わったことを確認する。該確認の結果、移動状況判定部204は、通信装置200の所持者が「駅で降車し、駅構内を歩行中」であると判定する。そして、移動状況判定部204は、判定結果である「駅で降車し、駅構内を歩行中」を移動状況情報として、制御部205に通知する。
【0044】
制御部205は、次の3つの動作を行う。第1の動作として、制御部205は、第2制御部206の動作を監視することで、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの種別等の情報をアプリケーション情報として取得する。第2の動作として、制御部205は、位置情報取得部201から通知された位置情報、日時情報取得部202から通知された日時情報、混雑情報取得部203から通知された混雑情報、移動状況判定部204から通知された移動状況情報、上記取得したアプリケーション情報の全て又は一部に基づき、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させるか否かを決定する。第3の動作として、制御部205は、上記第2の動作において、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させる決定を下した場合、アプリケーションの停止指示を、第2制御部206に通知する。それと共に、制御部205は、アプリケーションを停止させる旨を、表示部207に通知する。下記に、上記第2の動作の3つの例を示す。
【0045】
第1の例は、アプリケーションが起動中、通信装置200の所持者が混雑した場所を移動した場合に、制御部205が行う動作である。例えば、制御部205は、移動状況情報が「駅構内を歩行中」であり、混雑情報が「混雑」であり、アプリケーション情報が「ゲームアプリケーションを起動中」であった場合、「通信装置200の所持者は、混雑している駅構内において、歩きながらゲームアプリケーションを操作している。」と判定する。当該判定に基づき、制御部205は、「混雑した状況下で、歩きながらアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険である」と判断する。そして、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させる決定を下す。
【0046】
また、上記第1の例の一例として、制御部205は、例えば、位置情報が「通信装置200は、首都圏の主要路線の乗換駅に位置している」であり、日時情報が「月曜日,AM7:30」であり、混雑情報が「混雑」であり、移動状況情報が「駅で降車し、駅構内を歩行中」であり、アプリケーション情報が「SNS(Social Networking Service)アプリケーションを起動中」であった場合、次のように動作する。当該場合、制御部205は、「通信装置200の所持者は、平日朝のラッシュ時に、首都圏の主要路線の乗換駅で降車し、混雑している駅構内において、歩きながらSNSアプリケーションを操作している。」と判定する。該判定に基づき、制御部205は、「混雑した状況下で、歩きながらアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険である」と判断する。そして、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させる決定を下す。
【0047】
第2の例は、アプリケーションが起動中、通信装置200の所持者が混雑していない場所を移動した場合に、制御部205が行う動作である。制御部205は、例えば、移動状況情報が「駅構内を歩行中」であり、混雑情報が「閑散」であり、アプリケーション情報が「天気予報アプリケーションを起動中」であった場合、「通信装置200の所持者は、閑散としている駅構内において、歩きながら天気予報アプリケーションを操作している。」と判定する。該判定に基づき、制御部205は、「混雑していない状況下で、歩きながらアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険ではない」と判断する。そして、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの動作を継続させる決定を下す。
【0048】
また、上記第2の例の一例として、制御部205は、例えば、位置情報が「通信装置200は、図4におけるE駅に位置している」であり、日時情報が「日曜日,PM11:55」であり、移動状況情報が「駅構内を歩行中」であり、アプリケーション情報が「インターネットアプリケーションを起動中」であった場合、次のように動作する。制御部205は、日時情報が「日曜日,PM11:55」であることから、E駅の混雑情報が「閑散」であると特定する。制御部205は、該特定した混雑情報と、位置情報、日時情報、移動状況情報、アプリケーション情報に基づき、「通信装置200の所持者は、休日深夜帯に、閑散としたE駅構内において、歩きながらインターネットアプリケーションを操作している」と判定する。該判定に基づき、制御部205は、「混雑していない状況下で、歩きながらアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険ではない」と判断する。そして、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの動作を継続させる決定を下す。
【0049】
また、上記第2の例の一例として、制御部205は、例えば、位置情報が「通信装置200は、図4におけるE駅に位置している」であり、日時情報が「火曜日,AM7:00」であり、移動状況情報が「駅構内を歩行中」であり、アプリケーション情報が「電子書籍アプリケーションを起動中」であった場合、次のように動作する。制御部205は、日時情報が「火曜日,AM7:00」であることから、E駅の混雑情報が「通常」であると特定する。制御部205は、該特定した混雑情報と、位置情報、日時情報、移動状況情報、アプリケーション情報に基づき、「通信装置200の所持者は、平日朝のラッシュ時に、混雑していないE駅構内において、歩きながら電子書籍アプリケーションを操作している」と判定する。該判定に基づき、制御部205は、「混雑していない状況下で、歩きながらアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険ではない」と判断する。そして、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの動作を継続させる決定を下す。
【0050】
第3の例は、アプリケーションが起動中、通信装置200の所持者が移動しなかった場合に、制御部205が行う動作である。制御部205は、例えば、移動状況情報が「駅構内で、立ち止まっている」であり、混雑情報が「混雑」であり、アプリケーション情報が「電子メールアプリケーションを起動中」であった場合、「通信装置200の所持者は、混雑している駅構内において、立ち止まって電子メールアプリケーションを操作している」と判定する。該判定に基づき、制御部205は、「混雑した状況下で、立ち止まってアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険ではない」と判断する。そして、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの動作を継続させる決定を下す。
【0051】
第2制御部206は、通信装置200に実装されているアプリケーションを起動させる。また、第2制御部206は、制御部205からアプリケーションの停止指示を通知された場合、起動中のアプリケーションを停止させる。ここで、アプリケーションとは、ゲーム、SNS、天気予報、インターネット、電子書籍、電子メール等のことをいう。
【0052】
表示部207は、各種情報を表示する。表示部207は、制御部205からアプリケーションを停止させる旨を通知された場合、例えば、「ゲームアプリケーションを停止します。」とのメッセージを、自部が備えるディスプレイ上に表示する。
【0053】
次に、図5を参照しながら、通信装置200が、起動中アプリケーションを停止する動作手順について説明する。
【0054】
位置情報取得部201は、GPSや地図情報に基づき、通信装置200の位置情報を取得する。そして、位置情報取得部201は、取得した位置情報を、混雑情報取得部203と、移動状況判定部204と、制御部205に通知する(S201)。
【0055】
日時情報取得部202は、時計機能等を用いて、日時情報を取得する。そして、日時情報取得部202は、取得した日時情報を、移動状況判定部204と制御部205に通知する(S202)。
【0056】
混雑情報取得部203は、位置情報取得部201から通知された位置情報に基づき、通信装置200の所持者が乗車している鉄道の進行方向に位置する駅や、通信装置200の所持者が位置する駅を特定する。そして、混雑情報取得部203は、上記特定した駅の混雑情報を、無線等によってデータベース保持装置300から取得し、これを制御部205に通知する(S203)。
【0057】
移動状況判定部204は、位置情報取得部201から通知された位置情報と、日時情報取得部202から通知された日時情報に基づき、通信装置200の所持者の移動状況を判定する。そして、移動状況判定部204は、判定結果を移動状況情報として、制御部205に通知する(S204)。
【0058】
制御部205は、第2制御部206の動作を監視することで、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの種別等の情報を、アプリケーション情報として取得する(S205)。
【0059】
また、制御部205は、位置情報取得部201から通知された位置情報、日時情報取得部202から通知された日時情報、混雑情報取得部203から通知された混雑情報、移動状況判定部204から通知された移動状況情報、S205で取得したアプリケーション情報の全て又は一部に基づき、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させるか否かを決定する(S206)。
【0060】
制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させる決定を下した場合(S206のYES)、アプリケーションの停止指示を、第2制御部206に通知する。それと共に、制御部205は、アプリケーションを停止させる旨を、表示部207に通知する(S207)。
【0061】
制御部205が第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させる決定を下さなかった場合(S206のNO)、動作ステップは、S201に戻る。
【0062】
第2制御部206は、制御部205からアプリケーションの停止指示を通知された場合、起動中のアプリケーションを停止する(S208)。
【0063】
表示部207は、制御部205からアプリケーションを停止させる旨を通知された場合、例えば、「ゲームアプリケーションを停止します。」とのメッセージを表示する(S209)。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る通信装置200は、位置情報や、日時情報、混雑情報、移動状況情報等に基づき、通信装置200の所持者が置かれている状況を把握する。そして、通信装置200は、通信装置200の所持者が置かれている状況に基づき、起動中のアプリケーションを停止させるか否かを判断する。
【0065】
従って、本実施形態によれば、利便性を低下させることなく事故の発生を抑制することができる。
【0066】
本実施形態において、移動状況判定部204は、位置情報と日時情報に基づき、通信装置200の移動速度を確認したが、これに限定されない。例えば、移動状況判定部204は、加速度センサ等、各種センサを用いて、通信装置200の移動速度を確認してもよい。
【0067】
また、本実施形態において、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させた後、位置情報取得部201等から通知される各種情報に基づき、通信装置200の所持者の置かれている状況が、安全な状態へ好転したと判断した場合、停止させたアプリケーションを再起動させてもよい。例えば、制御部205は、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させた後、移動状況判定部204から通知される移動状況情報が「歩行中」から「静止中」に変わり、その後、移動状況情報が一定時間「静止中」であった場合、停止させたアプリケーションを再起動させてもよい。なお、停止させたアプリケーションを再起動させる場合、制御部205は、アプリケーションを再起動させる旨を、表示部207に通知してもよい。これに伴い、表示部207は、例えば、「ゲームアプリケーションを再起動します。」等のメッセージを、自部が備えるディスプレイ上に表示してもよい。
【0068】
また、本実施形態において、データベース保持装置300は、駅構内において改修工事が行われ通路が狭くなっているような場合、この旨を工事状況として、図6に示すように、自部が保持しているデータベースに保存してもよい。この場合、通信装置200の制御部205は、工事状況を含む移動状況情報を用いて、より適切に、第2制御部206にて起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定することができる。例えば、制御部205は、C駅について、工事状況が「工事有、通路が狭くなっている」であるため、混雑状況を「通常」ではなく「混雑」とした上で、第2制御部206にて起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する。
【0069】
また、本実施形態において、データベース保持装置300は、大雪等が降って、駅構内の通路が凍結しているような場合、この旨を天候状況として、図7に示すように、自部が保持しているデータベースに保存してもよい。この場合、通信装置200の制御部205は、天候状況を含む移動状況情報を用いて、より適切に、第2制御部206にて起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定することができる。例えば、制御部205は、C駅について、天候状況が「大雨、通路が滑りやすい」であるため、混雑状況を「通常」ではなく「混雑」とした上で、第2制御部206にて起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する。
【0070】
また、本実施形態において、通信装置200は、通信装置200が位置している場所が非常に混雑している場合、例えば、混雑情報が「非常に混雑」の場合、移動状況情報等に拘らず、起動中のアプリケーションを一律に停止させることもできる。
【0071】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0072】
なお、本実施形態において、第2の実施形態と同一の構成および機能を有する部分については、説明を省略する。
【0073】
本実施形態に係る通信システム100と、通信装置200、データベース保持装置300の構成は、第2の実施形態における構成と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
制御部205Aは、第2制御部206によって起動されたアプリケーションが、通信装置200の所持者による移動中の操作が想定されないもの、例えば、歩数計や、GPSによる追跡を目的としたものあった場合、次の動作を行う。当該場合、制御部205Aは、位置情報や、日時情報、混雑情報、移動状況情報等の内容に拘らず、第2制御部206によって起動されたアプリケーションの動作を継続させる決定を下す。
【0075】
一方、制御部205Aは、第2制御部206によって起動されたアプリケーションが、通信装置200の所持者による移動中の操作が想定されるもの、例えば、ゲームや、SNS、電信メール等であった場合、次の動作を行う。当該場合、制御部205Aは、第2の実施形態に係る制御部205と同様に、位置情報や、混雑情報、移動状況情報等に基づき、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させるか否かを決定する。
【0076】
本変形例において、制御部205Aは、第2の実施形態に係る制御部205の動作に加え、アプリケーション種別の基づき、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させるか否かを決定する動作を行う。
【0077】
従って、本実施形態によれば、第2の実施形態よりも高精度に、利便性を低下させることなく事故の発生を抑制することができる。
【0078】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0079】
本実施形態は、通信装置200に移動手段判定部208が追加される以外、第2の実施形態の構成と同じである。なお、本実施形態において、第2の実施形態と同一の構成および機能を有する部分については、説明を省略する。
【0080】
本実施形態に係る通信装置200Aのブロック構成図を図8に示す。
【0081】
移動手段判定部208は、位置情報取得部201から通知された位置情報、日時情報取得部202から通知された日時情報、移動状況判定部204から通知された移動状況情報の全て又は一部に基づき、通信装置200Aの所持者が乗車している鉄道路線や鉄道種別を判定する。そして、移動手段判定部208は、上記判定した各種情報を移動手段情報として、混雑情報取得部203Aに通知する。
【0082】
例えば、移動手段判定部208は、位置情報に基づき、通信装置200Aが○○鉄道の路線上に位置していることを確認する。また、移動手段判定部208は、移動状況情報が「鉄道で移動中」であることを確認する。さらに、移動手段判定部208は、位置情報と日時情報を継続的に監視することで、通信装置200Aの所持者が乗車している鉄道が、いつどこの駅で停車したのかを確認し、通信装置200Aの所持者が乗車している鉄道が「各駅停車」なのか「急行」なのか「特急」なのか等の鉄道種別を判定する。そして、移動手段判定部208は、例えば、「○○鉄道の特急で移動中」を移動手段情報として、混雑情報取得部203Aに通知する。なお、同一路線において、各駅停車しかない場合等には、移動手段判定部208は、位置情報および移動状況情報に基づき「○○鉄道で移動中」等を移動手段情報として、混雑情報取得部203Aに通知する。
【0083】
混雑情報取得部203Aは、位置情報取得部201から通知された位置情報、および移動手段判定部208から通知された移動手段情報に基づき、通信装置200Aの所持者が乗車している鉄道の、次に停車する駅(以下、「次停車駅」と記載する。)を特定する。そして、混雑情報取得部203Aは、上記特定した次停車駅の混雑情報を、無線等によってデータベース保持装置300から取得し、これを第制御部205に通知する。
【0084】
例えば、混雑情報取得部203Aは、30秒前の位置情報が「通信装置200Aは、A駅に位置している」であり、現在の位置情報が「通信装置200Aは、A―B駅間の鉄道路線上に位置している」であり、移動手段情報が「○○鉄道の特急で移動中」であった場合、次のように動作する。当該場合、混雑情報取得部203Aは、「通信装置200Aの所持者が乗車している鉄道は○○鉄道の特急であるため、次停車駅は、B駅ではなくC駅である」と特定する。そして、混雑情報取得部203Aは、C駅の混雑情報を、データベース保持装置300から取得し、これを制御部205に通知する。
【0085】
以上のように、混雑情報取得部203Aは、位置情報および移動手段情報に基づき、次停車駅を特定し、該次停車駅の混雑情報を取得すると共に、これを制御部205に通知する。すなわち、混雑情報取得部203Aは、適切な混雑情報のみを制御部205に通知することができる。
【0086】
従って、本実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加え、通信装置200の動作の効率化を実現できるという効果も期待できる。
【0087】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0088】
本実施形態は、通信装置200において、第2制御部206の代わりに、アプリケーション動作部209と、監視部210と、第3制御部211と、が具備される点で、第2の実施形態と相違する。なお、本実施形態において、第2の実施形態と同一の構成および機能を有する部分については、説明を省略する。
【0089】
本実施形態に係る通信装置200Bのブロック構成図を、図9に示す。図9において、通信装置200Bは、アプリケーション動作部209を3部備えるが、その数は特に限定されない。
【0090】
アプリケーション動作部209は、自部に保存されているアプリ―ケーションを動作させる。ここで、アプリケーションとは、SNSや、インターネット、ゲーム、電子メール等のことをいう。
【0091】
監視部210は、アプリケーション動作部209の動作を監視し、アプリケーション動作部209にて動作中のアプリケーションの有無や、その種別等を特定する。そして、監視部は、上記特定した情報をアプリケーション動作情報として、制御部205Bに通知する。
【0092】
制御部205Bは、位置情報取得部201から通知された位置情報、日時情報取得部202から通知された日時情報、混雑情報取得部203から通知された混雑情報、移動状況判定部204から通知された移動状況情報、監視部210から通知されたアプリケーション動作情報の全て又は一部に基づき、アプリケーション動作部209にて動作中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する。そして、制御部205Bは、アプリケーション動作部209にて動作中のアプリケーションを停止させる決定を下した場合、アプリケーションを停止させる旨を、表示部207に通知する。それと共に、制御部205Bは、アプリケーションの停止指示を、第3制御部211に通知する。例えば、制御部205Bは、第3制御部211に、「アプリケーション動作部209−1で動作中のゲームアプリケーションを停止せよ」や、「アプリケーション動作部209−2で動作中の電子メールアプリケーションを停止せよ」等の指示を通知する。
【0093】
第3制御部211は、制御部205Bからアプリケーションを停止させる指示を通知された場合、該通知に基づき、アプリケーション動作部209にて動作中のアプリケーションを停止させる。
【0094】
上記構成により、本実施形態においても、第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0095】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0096】
本実施形態は、通信システム100に第2データベース保持装置400が追加される以外、第2の実施形態の構成と同じである。なお、本実施形態において、第2の実施形態と同一の構成および機能を有する部分については、説明を省略する。
【0097】
本発明の第3の実施形態に係る通信システム100Aのシステム構成図を図10に示す。
【0098】
第2データベース保持装置400は、イベント情報を、自身が保持しているデータベースに保存する。なお、イベント情報とは、イベントの開催場所や、イベントの開催日時、イベント内容等を含む情報のことである。ここで、イベント情報を保存したデータベースの一例を、図11に示す。
【0099】
混雑情報取得部203Bは、位置情報取得部201から通知された位置情報に基づき、通信装置200の位置を確認する。そして、混雑情報取得部203Bは、上記確認した位置に対応するイベント情報を、第2データベース保持装置400が保持するデータベースから取得し、これを制御部205Cに通知する。
【0100】
制御部205Cは、位置情報取得部201から通知された位置情報、日時情報取得部202から通知された日時情報、混雑情報取得部203Bから通知された混雑情報およびイベント情報、移動状況判定部204から通知された移動状況情報、取得したアプリケーション情報の全て又は一部に基づき、第2制御部206によって起動されたアプリケーションを停止させるか否かを決定する。
【0101】
例えば、制御部205Cは、位置情報が「通信装置200は、駅とサッカースタジアムとを結ぶ大通りに位置している」であり、日時情報が「土曜日,PM18:45」であり、移動状況情報が「歩行中」であり、イベント情報が「サッカースタジアム,毎週土曜日,PM19:00〜21:00に試合」であり、アプリケーション情報が「ゲームアプリケーションを起動中」であった場合、次のように動作する。当該場合、制御部205Cは、「通信装置200の所持者は、PM19:00から試合が催されるサッカースタジアムへ向かう大通りにて、歩きながらゲームアプリケーションを操作している。」と判定する。それに加え、制御部205Cは、「上記大通りは、サッカースタジアムへ向かう大勢の人で混雑している」と判定する。該判定の結果に基づき、制御部205Cは、「混雑した状況下で、歩きながらアプリケーションを操作することは、通信装置200の所持者および其の周囲の人々にとって危険である」と判断し、第2制御部206にて起動中のアプリケーションを停止させる決定を下す。
【0102】
以上のように、本実施形態によれば、制御部205Cは、第2の実施形態で用いた位置情報、日時情報、移動状況情報、移動手段情報、混雑情報及びアプリケーション情報に加え、イベント情報に基づき、第2制御部206にて起動中のアプリケーションを停止させるか否かを決定する。
【0103】
従って、本実施形態によれば、第2の実施形態よりも高精度に、利便性を低下させることなく事故の発生を抑制することができる。
【0104】
本実施形態において、通信システム100Aは、データベース保持装置300および第2データベース保持装置400を具備したが、これに限定にされない。通信システム100Aは、第2データベース保持装置400のみを具備してもよい。
【0105】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。また、各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0106】
なお、上記の特許文献および非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0107】
100 通信システム
200 通信装置
201 位置情報取得部
202 日時情報取得部
203 混雑情報取得部
204 移動状況判定部
205 制御部
206 第2制御部
207 表示部
208 移動手段判定部
209 アプリケーション動作部
210 監視部
211 第2制御部
300 データベース保持装置
400 第2データベース保持装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11