(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排気アダプタの流出口から排気された燃焼ガスが燃焼装置の吸気口から燃焼装置内に取り込まれると、ショートサイクルが発生して燃焼装置の燃焼状態が悪くなる。そのため、排気アダプタから排気される燃焼ガスが燃焼装置の吸気口から取り込まれないように排気アダプタの流出口の向きを制限することが求められる。上記の公報に記載された排気アダプタでは、障害突起によって排気アダプタの排気通路部をベース板に取り付ける際の向きを制限することは可能である。
【0006】
しかしながら、上記の公報に記載された排気アダプタでは、排気アダプタは給湯器の排気口に取り付け金具としてのベース板を介して外付けされるため、排気アダプタを給湯器の排気口に直接取り付けることはできない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気アダプタが燃焼装置の燃焼ガス排出部に接続される際に、排気アダプタの流出口の向きを制限しつつ、燃焼装置の燃焼ガス排出部に直接取り付けることができる排気アダプタおよびそれを備えた熱源機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の排気アダプタは、燃焼装置の燃焼ガス排出部に接続されるものである。燃焼ガス排出部は、燃焼装置で発生した燃焼ガスを排気する排気口を含む。排気口は、第1および第2の領域を含む。第1の領域は、扇形の形状を有している。第2の領域は、第1の領域に接続され、かつ扇形の中心から第2の領域の外縁までの距離が扇形の半径よりも小さくなるように構成されている。排気アダプタは、本体部と、爪部とを備えている。本体部は、燃焼装置の排気口から排出された燃焼ガスを通す排気流路部を有する。爪部は、本体部から突出し、排気口に挿入される。排気流路部は、流入口と、流出口とを有する。流入口は、排気口から排出された燃焼ガスを排気流路部に流入させる。流出口は、流入口から排気流路部に流入した燃焼ガスを排気流路部から流出させる。燃焼ガス排出部に排気アダプタが接続された状態で、扇形の中心から爪部までの距離は、扇形の半径よりも小さく、扇形の中心から第2の領域の外縁までの距離よりも大きい。
【0009】
本発明の排気アダプタによれば、燃焼ガス排出部に排気アダプタが接続された状態で、扇形の中心から爪部までの距離は、扇形の半径よりも小さく、扇形の中心から第2の領域の外縁までの距離よりも大きい。このため、爪部は、排気口の第1の領域には挿入され、第2の領域には挿入されない。そのため、爪部が第2の領域と重なる方向には本体部を配置できない。したがって、排気アダプタの流出口の向きを制限することができる。また、爪部は、本体部から突出し、排気口に挿入されるため、爪部を排気口に挿入することによって排気アダプタを燃焼装置の燃焼ガス排出部に直接取り付けることができる。
【0010】
上記の排気アダプタにおいては、燃焼ガス排出部は、排気口の周囲に配置された排気アダプタ取付部を含む。排気アダプタは、流入口の周囲に配置された排気アダプタ接合部を含む。排気アダプタ接合部は、排気アダプタ取付部に接続される。このため、排気アダプタ接合部が排気アダプタ取付部に接続されることによって排気アダプタを燃焼装置の燃焼ガス排出部に直接取り付けることができる。
【0011】
上記の排気アダプタにおいては、爪部は、第1および第2の爪部材を含む。このため、第1および第2の爪部材によって排気アダプタの流出口の向きを制限することができる。したがって、排気アダプタの流出口の向きを確実に制限することができる。
【0012】
上記の排気アダプタにおいては、流出口は、流入口と交差する方向に開口している。このため、流出口と流入口との互いの向きを交差させることができる。これにより、燃焼ガスが流出口から流出する方向を燃焼ガスが流入口に流入する方向と交差させることができる。
【0013】
上記の排気アダプタにおいては、爪部は、燃焼ガス排出部に排気アダプタが接続された状態で、中心に対して同一円上に配置されている。このため、中心で回転させることにより、排気アダプタの流出口の向きを変えることができる。したがって、排気アダプタの流出口の向きの調整が容易である。
【0014】
上記の排気アダプタにおいては、本体部は、内部空間を有し、かつ内部空間に排気流路部を収容する外装カバー部を含む。外装カバー部は、内部空間側に折り曲げられた折り曲げ部を含む。排気流路部は折り曲げ部の内周側に嵌まっている。このため、排気アダプタに流入したドレンが燃焼ガス排出部に戻る際に、排気流路部と折り曲げ部との隙間から外装カバー部内に漏れることを抑制できる。
【0015】
本発明の熱源機は、上記の排気アダプタと、燃焼装置とを備えている。排気アダプタは、燃焼装置の燃焼ガス排出部に接続されている。このため、排気アダプタが燃焼装置の燃焼ガス排出部に接続される際に、排気アダプタの流出口の向きを制限しつつ、燃焼装置の燃焼ガス排出部に直接取り付けることができる排気アダプタを備えた熱源機を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、排気アダプタが燃焼装置の燃焼ガス排出部に接続される際に、排気アダプタの流出口の向きを制限しつつ、燃焼装置の燃焼ガス排出部に直接取り付けることができる排気アダプタおよびそれを備えた熱源機を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず、本発明の一実施の形態における熱源機の構成について説明する。以下では、各方向は熱源機を設置した状態を基準にしている。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態の熱源機は、燃焼装置FEと、排気アダプタ10とを主に備えている。燃焼装置FEは、浴槽などに湯水を供給可能なものである。熱源機が集合住宅のアルコーブに設置される場合、燃焼装置FEが集合住宅の共有通路に面して配置される。燃焼装置FEから排気された燃焼ガスが通行者に吹き付けられることを防ぐように排気アダプタ10が燃焼装置FEに取り付けられている。排気アダプタ10は燃焼装置FEから排気された燃焼ガスの排気方向を変更するためのものである。
【0020】
図1および
図2を参照して、本実施の形態の燃焼装置FEは、筐体1と、バーナ2と、送風装置3と、熱交換器4と、排気集合筒5とを主に備えている。筐体1は、前面(正面)1aと、底面(下面)1bと、天面(上面)1cと、一対の側面1dと、後面(背面)1eとを有している。
【0021】
図1および
図3を参照して、筐体1の前面1aには、燃焼ガスを排気するための排気口EPが設けられている。排気口EPは燃焼装置FEの内外を連通している。また、筐体1の前面1aには、空気を筐体1内に取り込むための吸気口IPが設けられている。吸気口IPは燃焼装置FEの内外を連通している。吸気口IPは複数個設けられている。さらに、筐体1の前面1aには、燃焼ガス排出部GEを挿通するための貫通孔HPが設けられている。
【0022】
図1〜
図3を参照して、筐体1は、前面(正面)1a、底面(下面)1b、天面(上面)1c、一対の側面1dおよび後面(背面)1eによって取り囲まれた空間を有している。この空間内に、バーナ2と、送風装置3と、熱交換器4と、排気集合筒5の一部が収容されている。
【0023】
バーナ2は、燃焼ガスを熱交換器4に供給するためのものである。この燃焼ガスは、熱交換器4との間で熱交換を行なうためのものである。バーナ2は燃焼装置FEの高さ方向の中央部に配置されている。
【0024】
送風装置3は、バーナ2に燃焼用の空気を供給するためのものである。送風装置3は吸気口IPから筐体1内に取り込まれた空気をバーナ2に送風可能に構成されている。送風装置3は、バーナ2よりも底面1b側(下方側)に配置されている。また、送風装置3は、熱交換器4よりも底面1b側(下方側)に配置されている。送風装置3は、たとえばファンである。
【0025】
熱交換器4は、バーナ2によって供給された燃焼ガスの熱を回収するためのものである。熱交換器4は、バーナ2よりも天面1c側(上方側)に配置されている。熱交換器4は被加熱流体である水を流通可能な伝熱管4aを有している。伝熱管4aは、図示しない給水配管および給湯配管に接続されている。給水配管は伝熱管4aに水を供給可能に構成されている。給湯配管は伝熱管4aで温められた湯水を給湯可能に構成されている。
【0026】
排気集合筒5は、熱交換器4で熱交換された燃焼ガスを燃焼装置FEの外部に排気するためのものである。排気集合筒5は、熱交換器4に連通している。排気集合筒5は、熱交換器4よりも天面1c側(上方側)に配置されている。排気集合筒5は燃焼ガスを燃焼装置FEの外部に排気するための燃焼ガス排出部GEを有している。燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続されている。
【0027】
図3および
図4を参照して、燃焼ガス排出部GEは、筐体1の前面1aに設けられた貫通孔HPから前方に突出している。
図4および
図5を参照して、燃焼ガス排出部GEは、前面部FPと、側壁部SWと、フランジ部FLと、開口部OPと、排気口EPとを主に有している。なお、
図5には、説明の便宜のため、
図1に示す排気口EPに挿入された状態の爪部12が拡大されて図示されている。
【0028】
前面部FPは、側壁部SWの前方に配置されている。側壁部SWは、前面部FPの外周端とフランジ部FLの内周端とを接続している。フランジ部FLは、側壁部SWの後方に配置されている。フランジ部FLの径は、側壁部SWの径よりも大きい。フランジ部FLは、前面1aの内側に配置されている。側壁部SWは貫通孔HPから前面1aの外側に突き出している。
【0029】
開口部OPは、前面部FPに設けられている。開口部OPは、前面部FPを貫通している。開口部OPは、ドレンが排気口EPから排気アダプタ10に流入した場合に、排気アダプタ10から燃焼ガス排出部GEにドレンを戻すためのものである。
【0030】
排気口EPは、燃焼装置FEで発生した燃焼ガスを排気するものである。排気口EPは前面部FPに設けられている。排気口EPは、前面部FPを貫通している。排気口EPは、第1の領域RA1および第2の領域RA2を含む。第1の領域RA1は、扇形の形状を有している。第2の領域RA2は、第1の領域RA1に接続されている。第2の領域RA2は、第1の領域RA1の扇形の中心Oから第2の領域RA2の外縁までの距離D1が扇形の半径R1よりも小さくなるように構成されている。
【0031】
第2の領域RA2は、第1の領域RA1の扇形の中心Oを頂点とする二等辺三角形の形状を有している。第2の領域RA2の外縁は、第2の領域RA2の外周端である。本実施の形態では、第2の領域RA2の外縁は、二等辺三角形の底辺である。また、第1の領域RA1の扇形の中心Oから第2の領域RA2の外縁までの距離D1は、第2の領域RA2の二等辺三角形の高さである。本実施の形態では、第1の領域RA1および第2の領域RA2のそれぞれの領域内に梁部材BMが配置されている。
【0032】
燃焼ガス排出部GEは、排気アダプタ取付部S1を含んでいる。排気アダプタ取付部S1は、排気口EPの周囲に配置されている。排気アダプタ取付部S1は、前面部FPに設けられている。排気アダプタ取付部S1は、環状に配置された平面を有している。排気アダプタ取付部S1は、複数の取付孔H1を有している。本実施の形態では、取付孔H1は4つ設けられている。取付孔H1は前面部の周方向に互いに等しい間隔で配置されている。
【0033】
なお、燃焼ガス排出部GEは上記の構成に限定されない。
図6を参照して、燃焼ガス排出部GEは、本実施の形態の変形例のように構成されていてもよい。本実施の形態の変形例の燃焼ガス排出部GEは、上記の本実施の形態の燃焼ガス排出部GEに比べて、第2の領域RA2の構成が主に異なっている。
【0034】
本実施の形態の変形例では、第2の領域RA2は、扇形の形状を有している。第2の領域RA2の扇形の半径R2は、第1の領域RA1の扇形の半径R1よりも小さい。第2の領域RA2は、開口部OPを含んでいる。開口部OPの外縁は、第2の領域RA2の扇形の円弧により構成されている。第2の領域RA2の扇形の半径R2は、開口部OPの外縁を構成する円弧の半径である。
【0035】
再び
図1〜
図3を参照して、排気アダプタ10は、燃焼装置FEの燃焼ガス排出部GEに接続されるものである。排気アダプタ10は、本体部11と、爪部12とを主に備えている。また、排気アダプタ10は、流入口FIと、流出口FOとを有している。
【0036】
流入口FIは、燃焼ガス排出部GEの排気口EPから排気アダプタ10に燃焼ガスが流入するように構成されている。流入口FIは、排気アダプタ10の後面部10aに設けられている。後面部10aは、排気アダプタ10が燃焼ガス排出部GEに接続された状態で、筐体1の前面(正面)1aと向き合うように構成されている。
【0037】
流出口FOは、排気アダプタ10から燃焼ガスが流出するように構成されている。流出口FOは、排気アダプタ10の側面部10bに設けられている。側面部10bと後面部10aとは互いに交差する方向に配置されている。
【0038】
図4および
図7を参照して、本体部11は、外装カバー部CPと、排気流路部FRと、支持部SPと、第1〜第3のパッキンPK1〜PK3、OリングOLとを主に有している。外装カバー部CPは内部空間を有している。外装カバー部CPは、内部空間に、排気流路部FRと、支持部SPと、第1および第2のパッキンPK1,PK2と、OリングOLとを収容している。外装カバー部CPの外部に第3のパッキンPK3が配置されている。
【0039】
外装カバー部CPは、第1のカバー部CP1と、第2のカバー部CP2とを有している。第1のカバー部CP1と第2のカバー部CP2とは互いに組み付け可能に構成されている。第1のカバー部CP1は第1および第2の孔HL1,HL2を有している。第1の孔HL1は第1のカバー部CP1の底部BSに設けられている。第2の孔HL2は第1のカバー部CP1の側部SSに設けられている。
【0040】
排気流路部FRは、燃焼装置FEの排気口EPから排出された燃焼ガスを通すように構成されている。排気流路部FRは、流入口FIと、流出口FOとを有している。流入口FIは、排気口EPから排出された燃焼ガスを排気流路部FRに流入させるように構成されている。流出口FOは、流入口FIから排気流路部FRに流入した燃焼ガスを排気流路部FRから流出させるように構成されている。排気流路部FRは、流入口FIと流出口FOとを連通するように構成されている。
【0041】
排気流路部FRは、排気通路部RPと、排気トップ部TPとを主に有している。排気通路部RPは、第1の通路部RP1と、第2の通路部RP2とを有している。第1の通路部RP1と第2の通路部RP2とはそれそれ管状の形状を有している。第1の通路部RP1は第1のカバー部CP1の第1の孔HL1に連通するように配置されている。第2の通路部RP2は第1のカバー部CP1の第2の孔HL2に連通するように配置されている。第1のカバー部CP1の第1の孔HL1に連通するように配置された第1の通路部RP1の端部に流入口FIが設けられている。第1の通路部RP1が流入口FIを有している。
【0042】
外装カバー部CPは、内部空間側に折り曲げられた折り曲げ部BPを含んでいる。折り曲げ部BPは、環状に構成されている。折り曲げ部BPは、バーリング加工によって形成されている。排気流路部FRの第1の通路部RP1は、折り曲げ部BPの内周側に嵌まっている。流入口FIは折り曲げ部BPの内周側に配置されている。
【0043】
第1の通路部RP1の外周面に支持部SPの内周面が取り付けられている。支持部SPは、環状に構成されている。支持部SPと第1のカバー部CP1の底部BSとの間に第1のパッキンPK1と第2のパッキンPK2とが配置されている。第1のパッキンPK1および第2のパッキンPK2は環状に構成されている。第1のパッキンPK1は、第2のパッキンPK2よりも径が大きい。第1のパッキンPK1は、第2のパッキンPK2の外周側に配置されている。第1の通路部RP1は、第1のパッキンPK1および第2のパッキンPK2の内周側に配置されている。
【0044】
第2の通路部RP2の外周面に排気トップ部TPの内周面が取り付けられている。第2の通路部RP2の先端の外周面と排気トップ部TPの内周面との間にOリングOLが取り付けられている。排気トップ部TPは、第1のカバー部CP1の第2の孔HL2に連通するように配置されている。排気トップ部TPの先端にガラリGAが設けられている。第1のカバー部CP1の第2の孔HL2に連通するように配置された排気トップ部TPの先端に流出口FOが設けられている。排気トップ部TPが流出口FOを有している。
【0045】
第1の通路部RP1と第2の通路部RP2とは互いに交差する方向に接続されている。つまり、第1の通路部RP1の中心軸線CL1と第2の通路部RP2の中心軸線CL2とは互いに交差する方向に延びている。したがって、流出口FOは、流入口FIと交差する方向に開口している。また、第1の通路部RP1の中心軸線CL1と第2の通路部RP2の中心軸線CL2とが互いに成す角度A1は90度であることが好ましい。
【0046】
図8を参照して、爪部12は、本体部11から突出している。爪部12は外装カバー部CPに接続されている。爪部12は、爪状に構成されている。爪部12は、流入口FIの外側に配置されている。爪部12は、第1の爪部材12aおよび第2の爪部材12bを含んでいる。
図1および
図5に示すように、爪部12は排気口EPに挿入されるように構成されている。
【0047】
図5および
図9を参照して、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続された状態で、第1の領域RA1の扇形の中心Oから爪部12までの距離D2は、第1の領域RA1の扇形の半径R1よりも小さく、第1の領域RA1の扇形の中心Oから第2の領域RA2の外縁までの距離D1よりも大きい。第1の領域RA1の扇形の中心Oから爪部12までの距離D2は、中心Oから爪部12の外周端までの距離である。
【0048】
爪部12は、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続された状態で、第1の領域RA1の扇形の中心Oに対して同一円上に配置されている。第1の爪部材12aおよび第2の爪部材12bは互いに同一円上に間隔をあけて配置されている。このため、第1の爪部材12aが排気口EPに挿入されて第1の領域RA1の一端端に当接するまで一方側に排気アダプタ10を回転させることでき、第2の爪部材12bが排気口EPに挿入されて第1の領域のRA1の他端に当接するまで他方側に排気アダプタ10を回転させることができる。
【0049】
排気アダプタ10の後面部10a側から見て、第1の爪部材12aと第2の爪部材12bとは流出口FOの中心軸線CL3に対して対称に配置されている。このため、流出口FOの中心軸線CL3が図中左側に水平方向に向けられたときに、流出口FOの中心軸線CL3と第1の爪部材12aとの距離だけ第1の爪部材12aは水平方向よりも下方に配置される。したがって、第1の爪部材12aが挿入される排気口EPを水平方向よりも下方に形成することができる。また、流出口FOの中心軸線CL3が図中右側に水平方向に向けられたときに、流出口FOの中心軸線CL3と第2の爪部材12bとの距離だけ第2の爪部材12bは水平方向よりも下方に配置される。したがって、第2の爪部材12bが挿入される排気口EPを水平方向よりも下方に形成することができる。そのため、排気口EPの面積を大きくすることができる。
【0050】
排気アダプタ10は、排気アダプタ接合部S2を含んでいる。排気アダプタ接合部S2は、流入口FIの周囲に配置されている。排気アダプタ接合部S2は、排気アダプタ取付部S1に接続されている。排気アダプタ接合部S2は、第3のパッキンPK3によって構成されている。排気アダプタ接合部S2は、第1の孔HL1および流入口FIの周囲に配置されている。排気アダプタ接合部S2は、環状に配置された平面を有している。排気アダプタ接合部S2と排気アダプタ取付部S1とは互いの環状に配置された平面同士で接続することができる。
【0051】
排気アダプタ接合部S2は複数の開口H2を有している。複数の開口H2はそれぞれ燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続された状態で第1の領域RA1の扇形の中心Oに対して同一円上に配置されている。複数の開口H2のそれぞれは同一円上の周方向に長手方向を有するように形成されている。複数の開口H2はそれぞれ同一円上に均等の間隔で配置されている。
【0052】
複数の開口H2には複数のねじ部材SCが挿入されている。ねじ部材SCが開口H2に挿入された状態で取付孔H1にねじ止めされることにより、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続されている。ねじ部材SCは、開口H2に挿入された状態で開口H2の長手方向に移動可能である。このため、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続される際に、排気アダプタ10の向きの自由度を向上できる。
【0053】
次に、本実施の形態の熱源機の動作について説明する。
再び
図2を参照して、本実施の形態の燃焼装置FEでは、
図2中矢印で示すように、バーナ2で発生した燃焼ガスは、送風装置3によって天面1c側(上方側)に送られ、熱交換器4に流入する。燃焼ガスは熱交換器4の伝熱管4aの周囲を通過して伝熱管4a内の被加熱流体(水)と熱交換した後に排気集合筒5に流入する。排気集合筒5に流入した燃焼ガスは、燃焼ガス排出部GEに形成された排気口EPを通って流入口FIから排気アダプタ10に流入し流出口FOから排出される。
【0054】
図1および
図10を参照して、本実施の形態の排気アダプタ10では、排気アダプタ10の流出口FOの向きを変化させることができる。たとえば、
図10中、実線で示された状態から破線で示された状態に排気アダプタ10の向きを変化させることができる。この際、排気口EPに爪部12が挿入されることにより排気アダプタ10の流出口FOの向きが制限される。
【0055】
具体的には、排気アダプタ10の流出口FOが
図10中右を向いた状態から排気アダプタ10を角度A2だけ反時計回りに回転させて、流出口FOが上を向いた状態に変化させることができる。さらに、排気アダプタ10の流出口FOが
図10中上を向いた状態から排気アダプタ10を角度A3だけ反時計回りに回転させて、流出口FOが
図10中左を向いた状態に変化させることができる。なお、上記の角度A2および角度A3はともに90度であってもよい。
【0056】
また、本実施の形態の排気アダプタ10は、上記とは逆方向に
図10中左を向いた状態から上を向いた状態または右を向いた状態に変化させることもできる。つまり、
図10中両矢印で示すように、排気アダプタ10の流出口FOの向きを水平方向から上方向に所望の角度で回動することができる。
【0057】
他方、再び
図5および
図9を参照して、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続された状態で、第1の領域RA1の扇形の中心Oから爪部12までの距離D2は、第1の領域RA1の扇形の半径R1よりも小さく、第1の領域RA1の扇形の中心Oから第2の領域RA2の外縁までの距離D1よりも大きい。
【0058】
このため、第2の領域RA2には爪部12を挿入することができない。これにより、第2の領域RA2が配置された下方向には排気アダプタ10の流出口FOの向きを回転させることができない。したがって、排気アダプタ10の流出口FOから排出された燃焼ガスが排気アダプタ10の下方に設けられた吸気口IPから燃焼装置FE内に取り込まれることを抑制できる。これにより、ショートサイクルが発生して燃焼装置FEの燃焼状態が悪くなることを抑制できる。
【0059】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
図5および
図9に示すように、本実施の形態の排気アダプタ10によれば、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続された状態で、第1の領域RA1の扇形の中心Oから爪部12までの距離は、第1の領域RA1の扇形の半径R1よりも小さく、第1の領域RA1の扇形の中心Oから第2の領域RA2の外縁までの距離D1よりも大きい。このため、爪部12は、排気口EPの第1の領域RA1には挿入され、第2の領域RA2には挿入されない。そのため、爪部12が第2の領域RA2と重なる方向には本体部11を配置できない。したがって、排気アダプタ10の流出口FOの向きを制限することができる。また、爪部12は、本体部11から突出し、排気口EPに挿入されるため、爪部12を排気口EPに挿入することによって排気アダプタ10を燃焼装置FEの燃焼ガス排出部GEに直接取り付けることができる。
【0060】
本実施の形態の排気アダプタ10においては、燃焼ガス排出部GEの排気アダプタ接合部S2は、排気アダプタ10の排気アダプタ取付部S1に接続されている。このため、排気アダプタ接合部S2が排気アダプタ取付部S1に接続されることによって排気アダプタ10を燃焼装置FEの燃焼ガス排出部GEに直接取り付けることができる。
【0061】
本実施の形態の排気アダプタ10においては、爪部12は、第1の爪部材12aおよび第2の爪部材12bを含む。このため、第1の爪部材12aおよび第2の爪部材12bによって排気アダプタ10の流出口FOの向きを制限することができる。したがって、排気アダプタ10の流出口FOの向きを確実に制限することができる。
【0062】
図4に示すように、本実施の形態の排気アダプタ10においては、流出口FOは、流入口FIと交差する方向に開口している。このため、流出口FOと流入口FIとの互いの向きを交差させることができる。これにより、燃焼ガスが流出口FOから流出する方向を燃焼ガスが流入口FIに流入する方向と交差させることができる。
【0063】
図9に示すように、本実施の形態の排気アダプタ10においては、爪部12は、燃焼ガス排出部GEに排気アダプタ10が接続された状態で、第1の領域RA1の中心Oに対して同一円上に配置されている。このため、第1の領域RA1の中心Oで回転させることにより、排気アダプタ10の流出口FOの向きを変えることができる。したがって、排気アダプタ10の流出口FOの向きの調整が容易である。
【0064】
図4に示すように、本実施の形態の排気アダプタ10においては、排気流路部FRは外装カバー部CPの折り曲げ部BPの内周側に嵌まっている。このため、排気アダプタ10に流入したドレンが燃焼ガス排出部GEに戻る際に、排気流路部FRと折り曲げ部BPとの隙間から外装カバー部CP内に漏れることを抑制できる。
【0065】
図1〜
図3に示すように、本実施の形態の熱源機は、上記の排気アダプタ10と、燃焼装置FEとを備えている。排気アダプタ10は、燃焼装置FEの燃焼ガス排出部GEに接続されている。このため、排気アダプタ10が燃焼装置FEの燃焼ガス排出部GEに接続される際に、排気アダプタ10の流出口FOの向きを制限しつつ、燃焼装置FEの燃焼ガス排出部GEに直接取り付けることができる排気アダプタ10を備えた熱源機を提供することができる。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。