(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る情報処理装置を含むデータ送信システム(情報処理システム)の一例を示すシステム構成図である。本発明の情報処理装置に好適なクライアント装置101およびクライアント装置102は、例えば、パーソナルコンピュータであり、ネットワーク通信機能を備え、LAN105(ローカルエリアネットワーク)を介して送信サーバ103とデータ通信が可能である。
【0017】
送信サーバ103(データ送信サーバ)は、公衆回線106を介してファクシミリ送信機能を備えるFAX通信カード104を備えている。本システムにおいては、ファクシミリの送受信を行うファクシミリサーバとして機能する。
【0018】
本システムは、最も基本的な通信インフラの1つであるファクシミリ(以下、FAXとも呼ぶ)を、インターネット/イントラネットを含めたネットワークシステムに統合し、TCP/IPネットワーク対応のファクシミリシステムである。
【0019】
具体的には、送信サーバ103は、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標) Serverが稼働し、FAX通信カード104を装着し、後述するファクシミリシステム用サーバモジュール(
図3の303)をインストールすることで、PCベースのFAX送受信ができる。送受信したFAXイメージや送受信情報は、送信サーバ103の記憶部に電子化されて蓄積され、一元管理される。
【0020】
そして、クライアント端末101(102)には、後述するファクシミリシステム用クライアントモジュール(
図3の302)を起動させることで、送信サーバ103の記憶部に蓄積されている送受信データの確認や、管理者権限でログインすることで送信サーバ103側の各種設定ができる。
【0021】
また、クライアント端末101(102)には、後述するファクシミリ用プリンタドライバをインストールすることで、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標)やその他OS上の各種文書アプリケーションから印刷実行と同じオペレーションでFAX送信が可能となっている。
【0022】
FAX通信カード104は、アナログ公衆回線106だけでなく、INS64回線、INS1500回線のいずれかに接続することで、FAXデータの送受信が可能となっている。
【0023】
送信データは、各クライアント端末からTCP/IPネットワークであるLAN105を経由して送信サーバ103へ蓄積され、FAX通信カード104を動作させることで、順次送信される。
【0024】
なお、本実施例では、送信サーバがファクシミリサーバであるファクシミリシステムとして説明するが、本発明はアドレス帳を利用して送受信を行う電子メールシステムとしても適用可能であり、その場合は、送信サーバは電子メールサーバとなり、公衆網回線や専用線とネットワークを介して電子メールの送受信を行う。
【0025】
また、電子メールの仕組みや新しいものではなく、公知の技術を利用して実現できる技術を利用するものとする。
【0026】
図2は、クライアント端末101、102および送信サーバ103のハードウェア構成を示す図である。
【0027】
図2に示すように、クライアント端末101、102および送信サーバ103では、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208が接続される。
【0028】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0029】
ROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本データ先指定方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0030】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0031】
入力コントローラ205は、キーボード209からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、表示部の一例であるCRT210への表示出力を制御する。メモリコントローラ207は、外部メモリ211に記憶されている情報を読み出しと、外部メモリ211への情報の書き込みを制御する。
【0032】
通信I/Fコントローラ208は、通信回線と接続してデータの送受信の制御を行う。クライアント端末の場合、通信I/Fコントローラ208は、LAN105を介するデータの送受信を制御し、一方、送信サーバ103の場合、通信I/Fコントローラ208は、同様にLAN105を介するデータの送受信の制御と、FAX通信カード104として、公衆回線106を介するデータの送受信の制御も行うものとする。
【0033】
なお、送信サーバ103の外部メモリ211には、後述する各種テーブルが格納されているものとする。なお、電話帳(
図3の318)もこの外部メモリに記憶されている。
【0034】
なお、外部メモリ211は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0035】
図3は本発明の情報処理装置(クライアント端末101、102)およびサーバ装置(送信サーバ303)を含む送信システムが備える機能構成の一例を示す機能構成図である。
【0036】
クライアント端末101、102は、ファクシミリ用プリンタドライバ301とファクシミリ用クライアントモジュール302を備えている。ファクシミリ用プリンタドライバ301は、送信データ生成部305、ログイン要求部306、送信画面表示部307、送信先選択部308、情報受信部309、およびデータ送信部310を機能構成として備えている。
【0037】
また、ファクシミリ用クライアントモジュール302は、権限指定部311と履歴操作部312を機能構成として備えている。
【0038】
送信データ生成部305は、例えば文書作成アプリケーションプログラムで作成された文書データの印刷指示を受け付け、OS(オペレーティングシステム)を介して文書データの描画情報(DDI関数:Device Driver Interface)を受け取って、TIFF画像データを生成する。
【0039】
TIF画像データの生成処理は既知の技術であるため詳細な説明は省略する。また、本実施の形態では、生成される送信データのデータフォーマットとしてTIFF画像データを用いているが、これに限られるものではなく、PDF形式であっても、ビットマップ形式であってもよい。
【0040】
なお、送信データ生成部305による送信データの生成処理は、ログイン要求部306によるログイン要求前に行われて、クライアント端末101、102内の外部メモリに送信データがスプールされることになる。このように、先にデータ生成とスプール処理を行っておくことにより、文書アプリケーションによる印刷処理プロセスを早期に解放することができ、ユーザは文書アプリケーションを使用して文書の編集処理を再開したり、ファイルを閉じたりすることができる。なお、ファクシミリ用プリンタドライバ301の出力先は、クライアント端末内の作業フォルダとなっており、外部出力ポートが指定されているわけではなく、作業フォルダ内に送信データファイルとして出力することになる。
【0041】
ログイン要求部306は、印刷指示を受け付けた際にファクシミリ用プリンタドライバ301で呼び出される機能部であり、
図15に示すログオンを行う際の認証要求画面1501を表示し、この認証要求画面を介してユーザにより入力されたユーザID(ユーザ識別情報)とパスワードを含む認証情報を、指定した認証先のサーバ(本実施の形態では、送信サーバ103に相当する)に送信することでログイン要求を行う。ログオン要求は、ログオンボタン1502を押下することで実行される。
【0042】
送信画面表示部307は、ログイン認証された際にファクシミリ用プリンタドライバ301で呼び出される機能部であり、
図10に示すデータ送信先を選択するための選択画面を表示する機能を備えている。
【0043】
送信先選択部308は、送信画面表示部307により表示された選択画面を介してユーザにより入力・指定された送信先を決定する機能を備えている。具体的には、
図10以降で後述するが、ユーザの権限に従って、データの送信先として少なくとも任意の送信先を指定する第1の指定方法(ファクシミリ番号の番号入力)と送信先リストから選択する第2の指定方法(電話帳を開いて一覧から指定)で指定された送信先の選択を受け付けて決定する機能を備えている。
【0044】
情報受信部309は、送信サーバ103と通信して、ログイン認証の認証結果とユーザ権限を受信したり、また、認証されたユーザが選択できる電話帳である送信先リストを受信したりする機能を備えている。
【0045】
データ送信部310は、送信データ生成部305で生成された送信データを、送信先選択部308で決定された送信先にデータ送信すべく、送信サーバ103にデータ送信を行う。具体的には、作業フォルダにスプールされている送信データを、送信先選択部308で選択・決定された送信先の情報と共に、送信サーバ103のファクシミリシステム用サーバモジュールにアップロードして、データ送信登録が行われる。
【0046】
なお、送信データ生成部305によるデータ生成処理をファクシミリ用プリンタドライバ301によるプロセスにし、ログイン要求部306、送信画面表示部307、送信先選択部308、情報受信部309、データ送信部310による各処理を、ファクシミリ用プリンタドライバ301から呼び出す別プロセス(別サービス)として実現してもよい。
【0047】
権限指定部311は、不図示のユーザ権限を設定する設定画面を表示して、この設定画面を介してユーザは、ユーザID(ユーザ識別情報)毎に、ユーザ権限を指定することができる。ユーザ権限としては、一般ユーザ権限、パワーユーザ権限、アドミニストレータ権限がある。なお、この権限指定部311は、ファクシミリシステム用クライアントモジュールを起動して、ログイン要求部306と同等の機能を実行してログイン認証し、ログインしたユーザがアドミニストレータ権限である場合に、各ユーザのユーザ権限の設定を行うための設定画面の表示を行い、ユーザ権限がアドミニストレータ権限でない場合には、この設定画面は表示される、権限指定部311は起動しないことになる。
【0048】
次に、履歴操作部312は、データ送信部310で送信サーバ103にアップロードしてデータ送信登録した送信データが、ファクシミリ送信処理されたのか、エラーになったのか、未送信なのかのステータスを確認するための操作部である。
【0049】
次にファクシミリシステム用サーバモジュール303の機能構成について説明する。
【0050】
認証処理部313は、クライアント端末のログイン要求部306によりログイン要求を受け付けた場合に起動され、ログイン要求に含まれる認証情報のユーザ識別情報が、ユーザテーブル317に存在し、パスワードが一致しているか判断することにより認証処理を行う。
【0051】
そして、権限送信部314は、認証処理部313で認証OKとの判断がなされた場合に、ユーザテーブル317に存在する該当するユーザのユーザ権限を取得し、ログイン要求もとのクライアント端末に送信する。
【0052】
そして、電話帳送信部315は、クライアント端末101、102から送信先リストの要求を受け付けると、電話帳DB318の情報を読み出して、送信先リストを生成して要求元のクライアント端末に送信する。なお、電話帳DBは、クライアント端末に備えるようにしてもよい。なお、電話帳は、FAX番号の他、電子メールアドレスや、IP−FAX番号などを管理するアドレス帳として構成することも可能である。
【0053】
また、ファクシミリ用サーバモジュール303は、クライアント端末101、102の権限指定部311からの要求により、ユーザテーブル317のユーザ設定を変更でき、権限テーブル316に記憶されているユーザ権限をユーザテーブル317の該当するユーザのレコードに登録することができる。
【0054】
また、ファクシミリシステム用サーバモジュール303は、クライアント端末のデータ送信部310からデータ送信登録を受けた送信データの送信処理を行う。具体的には、ファクシミリシステム用サーバモジュール303は、ファクシミリ通信カード104のFAX通信部319に、送信先(ファクシミリ番号)を指定して、送信データの送信要求を行う。そして、FAX通信部319は、指定された送信先に対して、公衆回線を介して送信データのファクシミリ送信を行う。
【0055】
また、本発明のファクシミリシステムにおける各機能は、上記に説明した構成に限らず、クライアント端末またはファクシミリサーバのどちらが備えても構わないものである。また、全ての機能をクライアント装置またはファクシミリサーバに備えることも可能である。
【0056】
図4は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの全体処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
例えばクライアント端末でファクシミリ用プリンタドライバが起動されることなどで処理が開始される。
【0058】
ステップS401クライアント端末でファクシミリ用プリンタドライバからファクシミリ送信のための印刷指示を受付ける。
【0059】
図14は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムのファクシミリ用プリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【0060】
ファクシミリを送信するユーザは、送信したいファイルを開いたアプリケーションで印刷命令を行い、プリンタドライバとしてファクシミリ用プリンタドライバ1401を選択することでファクシミリ送信可能となる。
【0061】
なお、ファクシミリ用プリンタドライバが選択された時点でファクシミリサーバにログオンしていない場合は、
図15のファクシミリシステムのログオン画面が表示されログオンが要求される。
【0062】
印刷範囲やページ処理を設定後、OKボタン1402を押下することでステップS402に進み、
図10に示すファクシミリ送信画面が表示され、送信先の設定が行われる。
【0063】
図10は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの送信画面の一例を示す図である。
【0064】
本画面にてファクシミリの送信先(宛先)設定を行う。受信者情報(送信先)1002として、FAX番号1004、姓1005、名1006、および会社名1007の各エディットボックスを利用してユーザが入力することで設定可能である。また、電話帳ボタン1003を押下することで表示される電話帳から送信先を選択して入力することができる。
【0065】
電話帳ボタン1003が押下されると、データ送信先を電話帳から選択する場合の選択画面(
図11)が表示される。
図11の選択画面では、相手先リスト欄に送信先リストが表示されている。この送信先リストから所望の宛先をマウスなどにより選択することで選択状態となり、ダブルクリックすることで選択が確定され、
図10の送信先選択画面に戻る。電話帳画面については、
図11で説明する。
【0066】
FAX番号エディットボックス1004は、送信先のFAX番号を入力する。姓エディットボックス1005は、送信先の姓を入力する。名エディットボックス1006には、送信先の名を入力する。会社名エディットボックス1007には、送信先の会社名を入力する。
【0067】
ここで入力されたFAX番号1004に対して、例えばヘッダ情報として姓1005、名1006、および会社名1007を付加してファクシミリ送信を行うことが可能である。
【0068】
また、電話帳1003を利用して送信先が設定された場合には、ユーザが入力した内容を上書きするようにしてもよい。
【0069】
送信ボタン1008(送信制御手段)が押下されると選択した送信先(FAX番号1004)にファクシミリの送信が行われ、キャンセルボタン1009が押下されるとファクシミリの送信を行わずに元の画面に戻る。
【0070】
図4の説明に戻る。ステップS403では、送信画面を表示した状態でFAX番号の入力を待つ。その間、ステップS404とステップS405の処理がループされる。また、送信画面がキャンセルなどにより終了するとステップS401のファクシミリ用プリンタドライバ画面に戻る。
【0071】
ステップS404では、電話帳が起動されたかどうかを判定し、起動した場合はステップS406に進み、起動していない場合は、ステップS405でオペレータにより直接入力されたかどうかを判定する。直接入力された場合はステップS411に進み、入力がなかった場合は、ステップS403に戻る。
【0072】
なお、ステップS403〜ステップS405は、送信画面への入力を検知するループ処理となっているので、ステップS404とステップS405の処理順は問わない。
【0073】
ステップS406では、電話帳を表示するべく電話帳に登録された全てのFAX番号を電話帳DBに問い合わせる。
【0074】
ステップS407で送信サーバは、電話帳に登録されたFAX番号の通信履歴(送受信の履歴)を確認する。通信履歴は、送信サーバに記憶されているものを利用する。確認した通信履歴は、通信先ごとにステータスが決定される。詳細については
図5を利用して説明する。ステップS408では、受付けたFAX番号のステータスを電話帳に通知する。
【0075】
ステップS409では、通知を受けたステータスを利用してアドレス帳に表示される宛先に対する通信履歴のステータスを識別可能に表示する(通信履歴取得手段)。詳細については、
図6および
図11を利用して説明する。
【0076】
ステップS410では、電話帳上でFAX送信宛先が選択されたかどうかの判定を行い(ループ処理)、選択があった場合は、ステップS411に進む。
【0077】
ステップS411では、オペレータに直接入力された宛先、または、電話帳によって選択された宛先をFAX送信宛先であるFAX番号(
図10の1004)として設定する。
【0078】
ステップS412では、送信ボタン(
図10の1008)が押下されたかどうかを判定し、押下された場合は、ステップS413に進む。押下されない場合、すなわちキャンセルが押下された場合は処理を終了する。
【0079】
ステップS413では、宛先に入力されたFAX番号の通信履歴の問い合わせを送信サーバに対して行う。送信サーバはステップS414にてFAX番号の履歴を確認し、ステップS415でFAX番号のステータスを通知する。
【0080】
ステップS416では、通知されたFAX番号の通信履歴の確認処理を行う。詳細については、
図7および
図12で説明するが、本ステップでは、送信前に宛先に対する通信履歴を、メッセージボックスなどを利用してユーザに警告(注意)を行う。
【0081】
ステップS417では、宛先FAX番号に対してメッセージボックスの表示があるかどうかを判定し、ない場合は、ステップS419に進む。
【0082】
メッセージがあった場合は、ステップS418に進み、ユーザの確認である「はいボタン」の押下を待ち押下があればステップS419に進みファクシミリの送信要求を送信サーバに対して行う。「いいえボタン」が押下された場合は、ステップS403に戻る。
【0083】
ステップS420で、送信サーバは、ファクシミリの送信要求を受付けると、ステップS421で公共回線網にファクシミリ送信を行い、ステップS422で通信履歴の更新処理を行い、処理を終了する。ここで更新された通信履歴は、ステップS407およびステップS414で利用される。
【0084】
図5は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの履歴確認処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図4のステップS407およびステップS414のFAX番号の履歴を確認する処理に対応する。ステップS407の場合は、電話帳に登録された全番号について処理をするか、電話帳に表示される宛先リストの番号について処理を行い、ステップS414については、宛先欄に入力された宛先に関する履歴を確認する。
【0086】
ステップS501では、履歴を確認すべく受付けたFAX番号が送信履歴に存在するかを確認する。送信履歴は
図13に示す通信履歴テーブルの送信履歴を利用する。詳細については後述する。存在する場合は、ステップS505に進み、存在しない場合は、ステップS502に進む。
【0087】
ステップS502では、該当するFAX番号のステータスを「送信履歴なし」とし、FAX送信時間を「なし」とする。FAX送信時間とは、送信履歴に残っている時間(成功時間や失敗時間)のことであるので、送信履歴のないFAX番号は「なし」となる。
【0088】
ステップS503では、対象のFAX番号が受信履歴に存在するかどうか確認する。受信履歴は
図13に示す通信履歴テーブルの受信履歴を利用する。
【0089】
受信履歴に存在する場合には、ステップS504に進み、受信履歴から「受信成功日時」を取得し、FAX受信時間とし、存在しない場合には処理を終了する。本処理によって、送信履歴のないFAX番号であっても(初めて送信する宛先であっても)、受信履歴の有無を知ることができるので、誤送信の可能性を減らすことができる。
【0090】
なお、ステップS503およびステップS504の処理は、必須な処理ではなく、システムや管理者の設定により実行するようにも実行しないようにも設定することが可能な処理である。
【0091】
ステップS505では、ステップS501で送信履歴に存在したFAX番号の送信成功日時があるかどうかを判定する。送信成功日時が記憶されていれば、過去に送信に成功したことになり、送信成功日時がない場合は、失敗日時が記憶されており、送信に失敗したことになる。
【0092】
成功日時がない場合、すなわち失敗している場合はステップS506に進み、該当するFAX番号のステータスを「送信失敗履歴あり」とし、ステップS507に進み、送信履歴から送信失敗日時を取得し、FAX送信時間とし処理を終了する。
【0093】
一方、ステップS505で送信成功日時がある場合は、ステップS508に進み、本ステップを処理している現在時刻と送信成功日時の差が所定期間内かどうかの判定を行う。所定期間を超えている場合はステップS509に進み、所定期間を超えていない(所定期間内に送信履歴がある)場合はステップS511に進む。
【0094】
所定期間(一定期間)とは、管理者などが予め設定可能な期間であって、所定期間以内に送信したかどうかを知らせることができる。
【0095】
ステップS509では、該当のFAX番号のステータスを「一定期間経過(所定期間経過)」とし、ステップS510に進み、送信履歴から送信成功日時を取得し、FAX送信時間として設定し、処理を終了する。
【0096】
ステップS511では、該当のFAX番号のステータスを「送信成功履歴あり」とし、ステップS512に進み、送信履歴から送信成功時間を取得し、FAX送信時間として設定し、処理を終了する。
【0097】
図6は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの通信履歴表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0098】
図11は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの電話帳画面の一例を示す図である。
【0099】
図4のステップS409の通信履歴表示処理に対応する。通信履歴は電話帳画面に表示される(アドレス帳表示制御手段)。電話帳画面の一例については、
図11を利用して説明する。
【0100】
ステップS601では、開かれている電話帳に表示していない番号があるか、つまり、電話帳に表示すべきFAX番号で、通信履歴のステータス確認が済んでいない件がないかを確認する。(表示対象の全てのFAX番号に対して処理が完了するまでループする。表示対象とは、電話帳に登録されている案件全部や、上位10件や、検索条件に合致した宛先などである。)
【0101】
電話帳画面(起動時)1101は、ステップS409の処理で起動された電話帳画面である。
【0102】
相手先選択画面1102および受信者リスト1103が表示されている。相手先1102には、相手先として選択可能な送信先が表示されている。
【0103】
送信先には、名前1104、会社1105、送信成功履歴1106、および送信失敗履歴1107が表示されている。
【0104】
名前1104および会社1105は送信先のニックネームであって、これには、FAX番号や電子メールアドレスが関連づいて記憶されている。記憶されたFAX番号や電子メールアドレスを本画面にて同時に表示するようにしてもよい。
【0105】
送信成功履歴1106には、対応する送信先に対する通信履歴が表示される。具体的には、送信先に対する送信成功履歴、送信成功した場合は成功してからの経過日数、および対応する送信先からの受信履歴が表示される。
【0106】
送信失敗履歴1107には、対応する送信先に対する送信の失敗履歴が表示される。
【0107】
また、通信履歴のステータスを識別が容易になるように所定の色を付けて表示することも可能である。
【0108】
例えば、会社BのBさん宛ての送信は、「2015/06/01 9:30」に送信が成功していて、かつ送信が成功してから30日(所定期間)が経過していて、送信の失敗履歴がないことがわかる。また、背景色が[黄色]に表示される。背景色はその他、赤色や青色などユーザが任意に設定できるようになっている。
【0109】
例えば、相手先1102で送信先としてAさんとBさんと選択すると、電話帳画面(宛先選択後)1109の受信者リストに、AさんとBさんが送信先として表示される。
図6の説明に戻る。
【0110】
ステップS601で未処理(未確認)のFAX番号がある場合は、ステップS602に進み、処理対象のFAX番号を決定し、ステップS603で処理対象のFAX番号の名前1104および会社1105を表示する。
【0111】
ステップS604では、該当するFAX番号の通信ステータスが「送信成功履歴あり」であるかどうかの判定を行う。なお、本フローチャートで利用する通信ステータスは、
図4のステップS408で、通信サーバから受信したものである。
【0112】
ステータスが「送信成功履歴あり」の場合(
図5のS511に対応)は、ステップS605に進み、それ以外の場合(
図5のS502,S506,S509に対応)は、ステップS610に進む。
【0113】
ステップS605では、
図11の送信成功履歴1106にFAX送信成功時間を表示し、送信失敗履歴1107に「なし」を表示し(
図11の例ではAさん)、次の宛先の処理をすべくステップS601に戻る。
【0114】
ステップS610では、該当するFAX番号の通信ステータスを確認する。本実施例によれば、ここでのステータスは「一定期間超過(S509)」、「送信履歴なし(S502)」および「送信失敗履歴あり(S506)」である。
【0115】
「一定期間超過」の場合、ステップS607に進み、「送信履歴なし」の場合、ステップS611に進み、「送信失敗履歴あり」の場合、ステップS617に進む。
【0116】
ステップS607では、送信成功履歴1107にFAX送信成功時間と超過した日数を表示し、ステップS608では、送信失敗履歴1107に「なし」を表示し、ステップS609で背景色を所定の色(黄色)に設定し(
図11の例ではBさん・Xさん)、次の宛先の処理をすべくステップS601に戻る。
【0117】
ステップS611では、該当するFAX番号からの受信履歴があるかどうかの判定を行い、受信履歴がある場合は、ステップS612に進み、受信履歴がない場合は、ステップS615に進む。
【0118】
ステップS612およびステップS615では、送信成功履歴1106にそれぞれ、「なし(受信は成功)」(
図11の例ではZさん)、「なし」(
図11の例ではYさん)を表示し、ステップS613では、送信失敗履歴1107に「なし」を表示し、ステップS614およびS616では、背景色を所定の色に設定し、次の宛先の処理をすべくステップS601に戻る。
【0119】
ステップS617では、送信成功履歴1106に「なし」を表示し、ステップS618では、送信失敗履歴1107に送信失敗時間を表示し、背景色を所定の色に設定し(
図11の例ではCさん)、次の宛先の処理をすべくステップS601に戻る。
【0120】
図7は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの宛先との通信履歴確認処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
図4のステップS416で送信先として設定された宛先FAX番号との通信履歴を確認する処理に対応する。
【0122】
ステップS701で、通知されたFAX番号との通信履歴が送信成功ありであった場合は、何もせず処理を終了する。
【0123】
一方、ステータスが「送信成功履歴あり」でなかった場合は、ステップS702に進み、通知された送信履歴のステータスを確認する。
【0124】
「一定期間経過」の場合、ステップS703に進み、メッセージボックス1201を表示して処理を終了する。メッセージボックス(警告画面)の表示例について
図12を利用して説明する。
【0125】
図12は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムの送信確認画面の一例を示す図である。
【0126】
図10の送信画面のFAX番号1004が入力された状態で送信1008が押下された後に表示されるポップアップ画面であり、送信する/しないの選択項目が表示される。「はい」項目が選択され押下されると設定された宛先に対して送信され、「いいえ」項目が選択され押下されると送信処理がキャンセルされる。
【0127】
ステップS702で「送信失敗履歴あり」のステータスであった場合には、ステップS707に進み、メッセージボックス1203が表示され処理を終了する。
【0128】
ステップS702で「送信履歴なし」のステータスであった場合、該当するFAX番号の受信時間に時間が入っているか、即ち、受信履歴があるかどうかの判定を行い、受信履歴がある場合は、ステップS705に進みメッセージ1204を表示し、受信履歴がない場合は、ステップS706に進みメッセージ1202を表示して処理を終了する。
【0129】
図8は、本発明の実施形態におけるファクシミリサーバの送信履歴更新処理の一例を示すフローチャートである。
図4のステップS422の通信履歴の更新処理に対応する。
【0130】
ステップS801でFAX送信の実行を行い、ステップS802で送信が完了すると、送信状況の確認を行う。
【0131】
ステップS803でFAX送信に成功したと判定された場合は、ステップS804に進み、送信履歴に「送信成功したFAX番号」、「送信成功日時」、および「送信失敗日時」の登録を行う。送信成功日時は送信の成功した時間(現在時刻)を登録し、送信失敗時刻を空に更新する。
【0132】
一方、FAX送信に失敗したと判定された場合は、ステップS805に進み、送信履歴に「送信失敗したFAX番号」、「送信成功日時」、および「送信失敗日時」の登録を行う。送信成功日時を空にし、送信失敗日時には、送信の失敗した時間(現在時刻)をに更新する。
【0133】
図13は、本発明の実施形態におけるファクシミリシステムのデータテーブルの一例を示す図である。
【0134】
通信履歴テーブル1300は、送信サーバの通信履歴が記録されている。通信履歴として、送信履歴1301および受信履歴1302が記録されている。
【0135】
送信履歴1301は、
図8で説明した送信履歴更新処理(通信履歴管理手段)によって登録、更新され、受信履歴1302は、
図9に示す受信履歴更新処理によって登録更新される。
【0136】
図9は、本発明の実施形態におけるファクシミリサーバの受信履歴更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0137】
ファクシミリサーバがファクシミリを受信したときに処理が開始される。
【0138】
ステップS901でFAXの受信が開始されると、FAXの受信が成功したか否かの判定を行い、成功した場合はステップS903に進み、失敗した場合は、処理を終了する。
【0139】
ステップS903では、受信履歴に受信したFAX番号および受信を成功した日時として現在時刻と登録する。なお、受信したFAX番号はナンバーディスプレイ情報により取得する。
【0140】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0141】
また、本発明におけるプログラムは、実施例に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体はフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0142】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0143】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0144】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0145】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0146】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0147】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0148】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0149】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。