特許第6589524号(P6589524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6589524
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】複写機、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20191007BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20191007BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 303
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-194691(P2015-194691)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-69832(P2017-69832A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】南川 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】李 トニー
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−103600(JP,A)
【文献】 特開2011−191513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J29/38
G03G21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部に載置された原稿と、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置とを、当該第1方向と直行する第2方向において相対的に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、
画像を記録用紙に記録する記録部と、
前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、
前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部と、
ユーザ操作に応じた入力を行う操作部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像が、前記記録部によって記録用紙に記録される際の、当該原稿の画像の拡大、又は縮小の比率である拡縮率に関する入力を、前記操作部により受け付ける第1受付手段と、
記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記載置部に載置された原稿の前記第2方向における寸法を推定し、当該2方向における寸法と、前記取得手段によって取得された第1寸法と、前記第1受付手段によって受け付けられた拡縮率とに基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、
前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定し、前記第1推定手段によって1種類の用紙サイズが推定された場合に、当該1種類の用紙サイズが、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致することを条件として、当該1種類の用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、
を有することを特徴とする複写機。
【請求項2】
前記複写機は、
複数の前記用紙収容部をさらに備え、
前記記憶部は、
前記複数の用紙収容部の各々に収容された記録用紙の用紙サイズと、当該複数の用紙収容部に対して設定された優先順位とを記憶可能であり、
前記第1設定手段は、
前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定され、当該複数種類の用紙サイズのうちの2種類以上の用紙サイズが、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する場合に、当該2種類以上の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている優先順位が示す優先度の高い用紙収容部に収容されている記録用紙の用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定することを特徴とする請求項1に記載の複写機。
【請求項3】
前記複写機は、 表部をさらに備え、
前記制御部は、
記録対象の記録用紙の用紙サイズを、前記操作部により受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段により受付けた記録対象の用紙サイズを記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第2設定手段を有し、
前記第1設定手段は、
少なくとも、前記第2受付手段により記録対象の記録用紙の用紙サイズを受け付けていないことを条件として、記録対象の記録用紙の用紙サイズを設定し、
前記制御部は、
前記第1設定手段によって設定された用紙サイズに関する情報を、前記表示部に表示させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の複写機。
【請求項4】
記記憶部は、
前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズと、当該記録用紙の種類とを関連付けて記憶し、
前記制御部は、
前記記録部による記録対象の記録用紙の種類を、前記操作部により受け付ける第3受付手段を有し、
前記第1設定手段は、
前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する、前記第1推定手段によって推定された用紙サイズを、当該用紙サイズと関連付けて前記記憶部に記憶された記録用紙の種類と、前記第3受付手段により受け付けられた記録用紙の種類とが一致することを条件として、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の複写機。
【請求項5】
前記読取部は、
前記載置部に載置された原稿に対して、前記撮像素子の読み取り位置を前記第2方向に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成されており、
前記複写機は、
ユーザ操作に応じた入力を行う操作部をさらに備え、
前記制御部は、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像が、前記記録部によって記録用紙に記録される際の、当該原稿の画像の拡大、又は縮小の比率である拡縮率に関する入力を、前記操作部により受け付ける第1受付手段と、
前記第1設定手段によって設定された記録用紙の用紙サイズと、前記第1受付手段によって受け付けられた拡縮率と、前記取得手段により取得した第1寸法とに基づいて、前記載置部に載置された原稿の原稿サイズ、及び前記載置部に対する載置方向を推定する第2推定手段と、
前記第2推定手段により推定された原稿サイズと載置方向とにより算出される、前記載置部に載置された原稿の前記第2方向における寸法に対応する距離だけ前記撮像素子を移動させるようにして、前記読取部に原稿に記録された画像を読み取らせる読取手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の複写機。
【請求項6】
記制御部は、 前記読取部によって読み取られた原稿の画像が、前記記録部によって記録用紙に記録される際の、当該原稿の画像の拡大、又は縮小の比率である拡縮率に関する入力を、前記操作部により受け付ける第1受付手段を有し、
前記第1受付手段は、原稿及び記録用紙の大きさを指定することで自動的に算出される値を拡縮率とする指示と拡縮率を示す値とのいずれかを受け付け、
前記制御部は、
前記第1受付手段が自動的に算出される値を拡縮率とする指示を受け付けている場合に、前記載置部に載置された原稿の載置方向に関する情報を、前記操作部により受け付ける第4受付手段と、
前記第4受付手段によって受け付けられた情報と、前記取得手段によって取得された第1寸法とに基づいて、前記載置部に載置された原稿の原稿サイズを推定し、当該推定された原稿サイズに対する、予め指定された用紙サイズの比率を、前記拡縮率として演算する演算手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の複写機。
【請求項7】
載置部に載置された原稿と、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置とを、当該第1方向と直行する第2方向において相対的に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、
画像を記録用紙に記録する記録部と、
前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、
前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部と、
ユーザ操作に応じた入力を行う操作部と、 表示部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
記録対象の記録用紙の用紙サイズを、前記操作部により受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段により受付けた記録対象の用紙サイズを記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第2設定手段と、
前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、
少なくとも前記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、
少なくとも、前記第2受付手段により記録対象の記録用紙の用紙サイズを受け付けていないことを条件として、前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、
前記第1設定手段によって設定された用紙サイズに関する情報を、前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする複写機。
【請求項8】
載置部に載置された原稿に対して、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置を、当該第1方向と直行する第2方向に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、
画像を記録用紙に記録する記録部と、
前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、
前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部と、
ユーザ操作に応じた入力を行う操作部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、
少なくとも前記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、
前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像が、前記記録部によって記録用紙に記録される際の、当該原稿の画像の拡大、又は縮小の比率である拡縮率に関する入力を、前記操作部により受け付ける第1受付手段と、
前記第1設定手段によって設定された記録用紙の用紙サイズと、前記第1受付手段によって受け付けられた拡縮率と、前記取得手段により取得した第1寸法とに基づいて、前記載置部に載置された原稿の原稿サイズ、及び前記載置部に対する載置方向を推定する第2推定手段と、
前記第2推定手段により推定された原稿サイズと載置方向とにより算出される、前記載置部に載置された原稿の前記第2方向における寸法に対応する距離だけ前記撮像素子を移動させるようにして、前記読取部に原稿に記録された画像を読み取らせる読取手段と、
を有することを特徴とする複写機。
【請求項9】
載置部に載置された原稿と、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置とを、当該第1方向と直行する第2方向において相対的に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、
画像を記録用紙に記録する記録部と、
前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、
前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部と、
ユーザ操作に応じた入力を行う操作部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、
少なくとも前記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、
前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像が、前記記録部によって記録用紙に記録される際の、当該原稿の画像の拡大、又は縮小の比率である拡縮率に関する入力を、前記操作部により受け付ける第1受付手段と、
を有し、
前記第1受付手段は、原稿及び記録用紙の大きさを指定することで自動的に算出される値を拡縮率とする指示と拡縮率を示す値とのいずれかを受け付け、
前記制御部は、
前記第1受付手段が自動的に算出される値を拡縮率とする指示を受け付けている場合に、前記載置部に載置された原稿の載置方向に関する情報を、前記操作部により受け付ける第4受付手段と、
前記第4受付手段によって受け付けられた情報と、前記取得手段によって取得された第1寸法とに基づいて、前記載置部に載置された原稿の原稿サイズを推定し、当該推定された原稿サイズに対する、予め指定された用紙サイズの比率を、前記拡縮率として演算する演算手段と、
を有することを特徴とする複写機。
【請求項10】
載置部に載置された原稿と、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置とを、当該第1方向と直行する第2方向において相対的に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、画像を記録用紙に記録する記録部と、前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部と、ユーザ操作に応じた入力を行う操作部とを備えた複写機のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿の画像が、前記記録部によって記録用紙に記録される際の、当該原稿の画像の拡大、又は縮小の比率である拡縮率に関する入力を、前記操作部により受け付ける第1受付手段と、
記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記載置部に載置された原稿の前記第2方向における寸法を推定し、当該2方向における寸法と、前記取得手段によって取得された第1寸法と、前記第1受付手段によって受け付けられた拡縮率とに基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、
前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定し、前記第1推定手段によって1種類の用紙サイズが推定された場合に、当該1種類の用紙サイズが、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致することを条件として、当該1種類の用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、
して機能させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置部に載置された原稿の画像を読み取り、読み取った画像を記録用紙に記録する複写機、および、その複写機のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機では、載置部に載置された原稿の画像を読み取り、読み取った画像を記録用紙に記録することで、画像の複写処理が行われる。このような複写機では、原稿の画像の読み取りに要する時間の短縮、1枚の原稿の画像の読み取りが完了する前に、その原稿の読み取りと、印刷用紙への画像の記録とを並行して行うことで、複写処理に要する時間の短縮等が望まれている。このため、画像の読み取りが完了する前に、原稿の原稿サイズ,原稿の載置方向に関する情報が揃っていることが望ましい。そこで、種々のセンサを複写機に設けることで、原稿の原稿サイズ,原稿の載置方向に関する情報を取得できるが、廉価機では、コストの増加は好ましくないため多くのセンサを設けることができない。このため、廉価機では、下記特許文献に記載されているように、原稿の載置方向を限定することで、原稿サイズの特定を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−85203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の技術では、ユーザが、限定されている原稿の載置方向を認識していない場合には、原稿を適切な方向で載置できず、適切な複写処理を行えない虞がある。また、複写処理毎に、ユーザに、原稿の載置方向の問合せを行っていては、ユーザビリティが低下する。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、センサ等を多用することなく、記録処理の際のユーザビリティを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の複写機は、載置部に載置された原稿と、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置とを、当該第1方向と直行する第2方向において相対的に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、画像を記録用紙に記録する記録部と、前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、少なくとも前記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の制御プログラムは、載置部に載置された原稿と、第1方向に沿って配置された撮像素子の読み取り位置とを、当該第1方向と直行する第2方向において相対的に移動させることで、当該原稿に記録された画像を読み取るように構成された読取部と、画像を記録用紙に記録する記録部と、前記記録部によって画像が記録される記録用紙を収容する用紙収容部と、前記用紙収容部に収容された記録用紙の用紙サイズを記憶可能な記憶部とを備えた複写機のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記載置部に載置された原稿の前記第1方向における寸法である第1寸法を取得する取得手段と、少なくとも前記取得手段によって取得された第1寸法に基づいて、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズを推定する第1推定手段と、前記第1推定手段によって複数種類の用紙サイズが推定された場合に、当該複数種類の用紙サイズのうちの、前記記憶部に記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズを、前記記録部による記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定する第1設定手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の複写機等では、用紙収容部に収容されている記録用紙の用紙サイズが記憶されている。また、原稿の所定の方向における寸法に基づいて、記録用紙の用紙サイズが推定される。そして、複数種類の用紙サイズが推定された場合に、それら複数種類の用紙サイズのうちの、記憶されている用紙サイズと一致する用紙サイズが、記録対象の記録用紙の用紙サイズとして設定される。これにより、センサを多用することなく、記録対象の記録用紙の用紙サイズを設定することが可能となり、ユーザビリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】MFP10のブロック図である。
図2】MFP10を側方からの視点に示す図である。
図3】メニュー画面50を示す図である。
図4】用紙トレイ毎に記憶された優先順位,用紙サイズ,用紙タイプを概念的に示す図である。
図5】コピー処理実行画面70を示す図である。
図6】設定変更画面100を示す図である。
図7】ショートカット画面120を示す図である。
図8】透明板33に載置される原稿位置を示す図である。
図9】原稿寸法と拡縮率と推定用紙サイズとの関係を概念的に示す図である。
図10】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図11】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図12】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図13】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
図14】MFP10の動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<MFPの構成>
図1に、本願に係る実施形態として例示されるMFP(Multifunction Peripheralの略)(本発明の複写機の一例)10のブロック図を示す。
【0010】
MFP10は、CPU(本発明の制御部およびコンピュータの一例)12、記憶部14、ディスプレイ(本発明の表示部の一例)16、入力I/F(本発明の操作部の一例)18、記録部(本発明の記録部の一例)20、読取部(本発明の読取部の一例)22、検出センサ24、モデム26、電話回線接続部28を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート30を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
ディスプレイ16は、MFP10の各種機能を表示する表示面を備える。ディスプレイの一例としては、例えば、LCD、有機EL、プラズマディスプレイ等が挙げられる。入力I/F18は、例えば、ディスプレイ16と一体的に構成されているタッチパネルであってよく、ディスプレイ16上に表示されたボタンへのユーザ操作を受け付ける。また、タッチパネル以外にも、ハードキー等であってもよい。
【0012】
記録部20は、印刷機構であり、例えば、インクジェット方式、電子写真方式のものが挙げられる。CPU12は、用紙トレイ(図示省略)(本発明の用紙収容部の一例)に収容された印刷用紙(本発明の記録用紙の一例)を記録部20に搬送し、記録部20へ駆動信号を入力する。これにより、記録部20がインクジェットヘッドである場合は入力された駆動信号に応じて、ノズルからインクを吐出することで、印刷用紙に画像が印刷される。なお、MFP10は、3個の用紙トレイを有しており、記録部20は、3個の用紙トレイのうちの任意の1の用紙トレイから搬送される印刷用紙に画像を印刷する。
【0013】
読取部22は、MFP10の内部に配設されており、画像の読み取りを行う。詳しくは、MFP10は、図2に示すように、筐体32と透明板(本発明の載置部の一例)33とカバー34とを含む。筐体32は、上面が開口しており、その上面には、透明板33が嵌めこまれている。そして、その透明板33を覆うように、カバー34が、開閉可能に配設されている。また、読取部22は、読取装置35を有している。読取装置35は、透明板33の下方に配設され、矢印36に向かう方向(本発明の第2方向の一例)、所謂、副走査方向に移動可能とされている。読取装置35は、光源37、レンズ38、CIS(Contact Image Sensorの略)(本発明の撮像素子の一例)39を有している。光源37は、透明板33に向かって光を照射する。そして、光源37から透明板33に向かって照射され、透明板33により反射した光が、レンズ38を通過し、その反射光を、CIS39が受光する。なお、CIS39は、図2の紙面垂直方向、つまり、副走査方向に直行する方向(本発明の第1方向の一例)、所謂、主走査方向(以下、単に主走査方向と称する)に向かって延びるように配設されている。そして、透明板33に原稿が載置され、カバー34が閉じられた状態で、読取装置35が矢印36に向かう方向に移動されることで、原稿の画像がCIS39によって読み取られる。このため、読取部22は、透明板33とカバー34と読取装置35とによって構成されると考えられる。なお、MFP10では、CIS39が採用されているが、CCDイメージセンサを採用することが可能である。ただし、CCDイメージセンサが採用される場合は、光源からの照射光がミラーにより反射され、その反射光がセンサにより受光される。そして、CCDイメージセンサは、固定されており、少なくともミラーが副走査方向に移動される。このため、CIS39が採用された場合では、CIS39の配設位置が、画像の読み取り位置となるが、CCDイメージセンサが採用された場合は、ミラーの位置が読み取り位置となる。
【0014】
検出センサ24は、カバー34の開状態、及び閉状態のそれぞれを示す信号を出力する。これにより、CPU12はカバーの開閉状態を検知することができる。
【0015】
CPU12は、記憶部14内の制御プログラム(本発明の制御プログラムの一例)40に従って処理を実行する。制御プログラム40は、MFP10においてコピー処理等を実行するためのプログラムである。なお、記憶部14は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリー、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、記憶部14は、データ記憶領域(本発明の記憶部の一例)42を備える。データ記憶領域42は、制御プログラム40の実行に必要なデータなどを記憶する領域であり、パーマネント設定領域42a、テンポラリ設定領域42bを備える。
【0016】
モデム26は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線網46に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部28を介して送信したり、電話回線網46から電話回線接続部28を介して入力された信号を受信し、原稿データを復調するものである。
【0017】
<MFP10によるコピー処理の実行>
MFP10では、上述した構成により、コピー処理,スキャン処理,ファックス処理の各種処理を実行することが可能である。詳しくは、MFP10では、通常、ディスプレイ16に、図3に示すメニュー画面50が表示されている。メニュー画面50には、ファックス選択ボタン52、コピー選択ボタン54、スキャン選択ボタン56、設定ボタン58、ショートカット選択ボタン60が表示されている。
【0018】
ファックス選択ボタン52は、ファックス処理を選択するためのボタンである。コピー選択ボタン54は、透明板33にセットされた原稿の画像データを読み取り、その画像データに基づく画像のコピー処理を選択するためのボタンである。スキャン選択ボタン56は、透明板33にセットされた原稿の画像データを読み取り、その画像データをデータ記憶領域42に記憶するスキャン処理を選択するためのボタンである。設定ボタン58は、各種処理を実行する際に用いられる設定値を設定するためのボタンである。ショートカット選択ボタン60は、後に説明するショートカット機能を用いて各種処理を実行するためのボタンである。
【0019】
MFP10でのコピー処理では、透明板33にセットされた原稿の原稿サイズが推定され、その原稿サイズおよび、拡縮率に応じた印刷用紙の用紙サイズが特定される。そして、その特定されたサイズの印刷用紙への印刷が行われる。なお、拡縮率は、原稿の画像が印刷用紙に印刷される際の原稿の画像の拡大率、若しくは、縮小率である。つまり、拡縮率は、原稿の原稿サイズに対する印刷用紙の用紙サイズの比率である。なお、本実施形態では、コピー処理において読み取り可能な原稿サイズ、及び印刷可能な用紙サイズはそれぞれA3サイズ、A4サイズ、A5サイズとする。さらに、A4サイズの原稿については、長辺寸法を主走査方向に沿うように配置する所謂縦置きと、短辺寸法を主走査方向に沿うように配置するいわゆる横置きの両方が許容され、A3サイズ、A5サイズについては横置きのみが許容される。以下に、MFP10でのコピー処理について詳しく説明する。
【0020】
まず、パーマネネント設定について説明する。パーネント設定は、コピー処理を含む複数の処理におけるデフォルト値の設定である。メニュー画面50の設定ボタン58へのユーザ操作によって、ディスプレイ16に設定画面(図示省略)が表示される。そして、その設定画面において、3個の用紙トレイの各々に収容されている印刷用紙の用紙サイズおよび、印刷用紙の用紙タイプが入力される。なお、印刷用紙の用紙タイプは、印刷用紙の種類を示すものであり、例えば、光沢紙、普通紙等である。具体的には、例えば、3個の用紙トレイのうちの1の用紙トレイ(以下、「トレイA」と記載する)に、A4サイズの光沢紙が収容され、3個の用紙トレイのうちのトレイAと異なる1の用紙トレイ(以下、「トレイB」と記載する)に、A3サイズの普通紙が収容され、3個の用紙トレイのうちのトレイA及びトレイBと異なる1の用紙トレイ(以下、「トレイC」と記載する)に、A5サイズの普通紙が収容されている場合に、その旨の情報が設定画面において入力される。
【0021】
これにより、図4に示すように、各用紙トレイと、各用紙トレイに収容されている用紙サイズ及び用紙タイプとが関連付けられて、パーマネント設定領域42aに記憶される。また、設定画面では、3個の用紙トレイのうちの何れかの用紙トレイを、使用対象の用紙トレイとして設定することが可能である。詳しくは、トレイAとトレイBとトレイCとの各々を選択するための選択ボタンが、設定画面に表示され、操作された選択ボタンに応じた用紙トレイが、使用対象の用紙トレイとして設定されてパーマネント設定領域42aに記憶される。つまり、例えば、トレイAに応じた選択ボタンが操作された場合には、トレイAが使用対象の用紙トレイとして設定される。なお、設定画面において入力された設定値は、ファックス処理、コピー処理の全ての印刷を伴う処理に共通する設定値となる。このため、トレイAが使用対象の用紙トレイとして設定された場合には、各種処理で印刷用紙が使用される際に、トレイAに収容されたA4の光沢紙に画像が印刷される。なお、用紙トレイの選択により、用紙サイズが選択されることから、用紙トレイの選択は、用紙サイズの選択に含まれる。
【0022】
また、MFP10では、コピー処理等の印刷を伴う処理において、使用対象の用紙トレイの設定を“自動”とすることが可能である。詳しくは、設定画面には、使用対象の用紙トレイの設定を“自動”とするための選択ボタンが表示され、その選択ボタンが操作されることで、使用対象の用紙トレイが後述する条件に従い自動で設定される。また、設定画面では、用紙トレイの設定を“自動”とした場合、用紙トレイの優先順位がユーザ操作により受付けられ、図4に示すように、各用紙トレイと、各用紙トレイに設定された優先順位とが関連付けられて、パーマネント設定領域42に記憶される。この優先順位は、各処理において使用される用紙トレイの優先度を特定するためのものであり、優先度が高い順番である。このため、使用対象の用紙トレイ設定が“自動”とされている際に、図4に示すように用紙トレイと優先順位とがパーマネント設定領域42aに記憶されている場合には、トレイBが使用対象の用紙トレイとして設定される可能性が高くなる。このように、設定画面では、トレイ設定として、トレイA〜Cのうちの何れかのトレイの、若しくは、“自動”を選択することが可能である。つまり、設定画面では、印刷を伴う各種処理実行時における使用対象の用紙トレイが、優先順位に応じた用紙トレイ、若しくは、ユーザ操作により特定された用紙トレイに設定される。
【0023】
また、MFP10においてコピー処理が実行される際に、ユーザは、メニュー画面50においてコピー選択ボタン54を操作する。これにより、ディスプレイ16に、図5に示すコピー処理実行画面70が表示される。コピー処理実行画面70には、印刷枚数選択ボタン72と、設定値表示欄74と、設定変更ボタン76と、モノクロコピー開始ボタン78と、カラーコピー開始ボタン80と、登録ボタン82とが表示される。
【0024】
設定値表示欄74には、コピー処理の設定値が表示される。詳しくは、コピー処理時の拡縮率,両面印刷の有無,コピー処理時に用いられる用紙トレイ及びトレイに収容されている印刷用紙の用紙サイズ、印刷品質が、コピー処理の設定値として、設定値表示欄74に表示される。なお、設定値表示欄74の用紙トレイ及び用紙サイズは、設定画面で設定され、パーマネント設定領域42aに記憶された設定値が表示される。つまり、設定画面で、ユーザ操作により用紙トレイが特定されている場合には、その特定された用紙トレイ及び、そのトレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズが、設定値表示欄74に表示される。具体的には、例えば、ユーザ操作によりトレイAが設定された場合には、トレイA及び、トレイAと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されているA4サイズが、設定値表示欄74に表示される。また、設定画面で、“自動”が設定されている場合には、設定された優先順位に従い自動で選択された用紙トレイ及び、そのトレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズが、設定値表示欄74に表示される。具体的には、例えば、図4に示す優先順位が設定されている場合には、トレイB及び、そのトレイBと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されているA3サイズが、設定値表示欄74に表示される。なお、用紙トレイが自動で設定された場合は、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合と区別するために、用紙トレイの後ろに“優先”の文字が表示される。
【0025】
ただし、コピー処理の設定値は、設定変更ボタン76の操作により変更することが可能である。詳しくは、設定変更ボタン76の操作により、ディスプレイ16に、図6に示す設定変更画面100が表示される。設定変更画面100には、用紙タイプ変更ボタン102と、用紙サイズ変更ボタン104と、トレイ変更ボタン106と、拡縮率変更ボタン108と、拡縮率自動設定ボタン110と、OKボタン112とが表示される。用紙タイプ変更ボタン102は、印刷対象の印刷用紙の用紙タイプを変更するためのボタンである。用紙サイズ変更ボタン104は、印刷対象の印刷用紙の用紙サイズを変更するためのボタンである。トレイ変更ボタン106は、使用対象の用紙トレイを変更するためのボタンである。なお、トレイ変更ボタン106の操作により、トレイA〜Cのうちの何れかのトレイの設定、若しくは、使用対象の用紙トレイの自動設定を選択することが可能である。拡縮率変更ボタン108は、拡縮率を変更するためのボタンである。そして、各種変更ボタンの操作後に、OKボタン112が操作されることで、ディスプレイ16に、図5に示すコピー処理実行画面70が表示され、そのコピー処理実行画面70の設定値表示欄74には、各種変更ボタンの操作に応じた設定値が表示される。なお、拡縮率自動設定ボタン110は、拡縮率を自動で設定するためのボタンであるが、このことについては、後程、詳しく説明する。
【0026】
つまり、例えば、設定画面において、使用対象の用紙トレイの自動設定が選択されている場合であっても、設定変更画面100において、トレイ変更ボタン106が操作され、特定のトレイがユーザ操作により設定された場合は、そのユーザ操作により設定された用紙トレイ及び、そのトレイに収容されている用紙サイズが、設定値表示欄74に表示される。また、例えば、設定画面において、使用対象の用紙トレイの自動設定が選択されている場合であっても、設定変更画面100において、用紙サイズ変更ボタン104が操作され、印刷用紙の用紙サイズが設定された場合は、そのユーザ操作により設定された用紙サイズ及び、その用紙サイズの印刷用紙を収容している用紙トレイが、設定値表示欄74に表示される。なお、設定値表示欄74に表示されている設定値は、テンポラリ設定領域42bに記憶されている。つまり、テンポラリ設定領域42bは、コピー選択ボタン54がユーザ操作により選択され、コピー処理実行画面70が表示されると、設定値表示欄74に表示される設定値が記憶され、設定変更画面100において各種設定値が変更されることで上書きされ、コピー処理が完了すると、そこに記憶された設定値がクリアされる領域である。
【0027】
また、コピー処理実行画面70において、モノクロコピー開始ボタン78若しくは、カラーコピー開始ボタン80が操作されると、設定値表示欄74に表示されているコピー処理の設定値に応じたコピー処理が実行される。ただし、MFP10では、上述したように、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合と、用紙トレイの自動設定が選択されている場合とがあり、それぞれの場合に応じてコピー処理の手法が異なっている。このため、以下に、それぞれの場合に応じたコピー処理について詳しく説明する。
【0028】
まず、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合のコピー処理について説明する。なお、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合とは、設定変更画面100での用紙サイズ変更ボタン104へのユーザ操作により、印刷用紙の用紙サイズが設定された場合、設定変更画面100でのトレイ変更ボタン106へのユーザ操作により、特定の用紙トレイが設定された場合である。また、設定画面で特定の用紙トレイが設定され、設定変更画面100において、用紙サイズ若しくは、用紙トレイの変更が行われなかった場合も、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合に該当する。
【0029】
ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合には、設定画面又は設定変更画面でユーザ操作により特定された用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプが、テンポラリ設定領域42bに記憶される。ただし、設定変更画面100の用紙タイプ変更ボタン102への操作により、用紙タイプが変更されている場合は、その変更された用紙タイプが、テンポラリ設定領域に上書き記憶される。
【0030】
また、透明板33にセットされた原稿の寸法が検出される。詳しくは、透明板33に原稿がセットされ、カバー34が閉じられると、読取装置35が僅かに移動され、CIS39による読取が行われる。これにより、透明板33にセットされた原稿の、主走査方向の寸法が検出される。
【0031】
次に、テンポラリ設定領域42bに記憶された用紙サイズと、コピー処理の設定値として設定されている拡縮率とに基づいて、原稿の原稿サイズが推定される。詳しくは、原稿の原稿サイズに対する印刷用紙の用紙サイズの比率が、拡縮率であるため、原稿サイズは、用紙サイズを拡縮率で除することで演算される。次に、演算された原稿サイズと、検出された主走査方向の原稿寸法とに基づいて、原稿の載置方向が推定される。そして、読取装置35が、その載置方向で載置された原稿の副走査方向での寸法に相当する距離、移動されることで、推定された方向で載置された原稿サイズに応じた領域が、CIS39によって読み取られる。つまり、例えば、原稿サイズがA4と推定され、主走査方向の原稿寸法がA4サイズの原稿の長辺に相当する寸法である場合は、A4サイズの原稿が縦方向に延びる姿勢で載置されていると推定される。この際、縦方向に延びるように載置されたA4サイズの原稿の副走査方向の寸法は、A4サイズの原稿の短辺に相当する寸法となる。このため、読取装置35が、A4サイズの原稿の短辺に相当する距離、移動されることで、縦方向に載置されたA4サイズの原稿に相当する領域が、CIS39によって読み取られる。
【0032】
そして、その読み取られた画像データが、拡縮率に応じた印刷用の画像データに変換される。つまり、例えば、原稿がA4サイズであり、拡縮率が141%である場合には、A4サイズに相当する画像データを、縦方向及び横方向に141%、拡大させる。これにより、A3サイズに相当する印刷用の画像データが作成される。また、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙トレイから、印刷用紙が給紙される。そして、給紙された印刷用紙に、印刷用の画像データに基づく画像が、記録部20によって印刷される。これにより、ユーザの意思に従って設定された印刷用紙に、画像が印刷される。
【0033】
次に、自動設定が選択されている場合のコピー処理について説明する。用紙トレイの自動設定が選択されている場合においても、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合と同様に、用紙サイズ及び用紙タイプが、テンポラリ設定領域42bに記憶される。また、用紙トレイについては、設定が“自動”であることと、自動で選択された用紙トレイが記憶される。また、透明板33にセットされた原稿の主走査方向の寸法が検出される。
【0034】
次に、主走査方向の原稿寸法が検出されると、その原稿寸法と拡縮率とに基づいて、印刷用紙の用紙サイズが推定される。詳しくは、まず、原稿寸法に基づいて、原稿の原稿サイズが推定される。この際、例えば、原稿寸法が、A5サイズの原稿の短辺に相当する寸法であれば、原稿サイズはA5であると推定される。ただし、原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当する寸法であれば、原稿サイズはA3サイズ若しくはA4サイズであると推定される。具体的には、例えば、図8に示す形状の透明板33において、矢印142の方向が主走査方向である場合には、点線144で示す位置に、A3サイズの原稿が載置されると、原稿寸法は、A3サイズの原稿の短辺に相当する寸法となり、1点鎖線146で示す位置に、A4サイズの原稿が載置されると、原稿寸法は、A3サイズの原稿の短辺に相当する寸法となる。このため、原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当する寸法である場合には、原稿サイズはA3サイズ若しくはA4サイズと推定される。
【0035】
次に、推定された原稿サイズと拡縮率とに基づいて、印刷用紙の用紙サイズが推定される。詳しくは、拡縮率は、原稿の原稿サイズに対する印刷用紙の用紙サイズの比率であるため、用紙サイズは、推定された原稿サイズに拡縮率を乗じることで演算される。このため、例えば、原稿寸法がA3サイズの短辺に相当する寸法である場合には、図9に示すように、拡縮率に応じて用紙サイズが推定される。図から解るように、原稿寸法がA3サイズの短辺に相当する寸法であり、拡縮率が141%である場合には、推定される用紙サイズ(以下、「推定用紙サイズ」と記載する)として、A3サイズの1種類の用紙サイズが推定される。また、拡縮率が69%である場合には、A4サイズとA5サイズとの2種類の用紙サイズが、推定用紙サイズとして推定され、拡縮率が100%である場合には、A3サイズとA4サイズとの2種類の用紙サイズが、推定用紙サイズとして推定される。
【0036】
そして、推定用紙サイズが1種類の用紙サイズとして推定された場合には、その推定用紙サイズ及び、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致する印刷用紙が、MFP10内に収容されているか否かが判断される。つまり、用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプのなかに、推定用紙サイズ及び、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致するものが存在するか否かが判断される。この際、用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプに、推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致するものが存在する場合には、その推定用紙サイズが、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズに上書きされる。また、推定用紙サイズと関連づけてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙トレイも、自動で選択されたトレイとしてテンポラリ設定領域42bに記憶される。一方、用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプのなかに、推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致するものが存在しない場合には、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズが維持される。
【0037】
また、推定用紙サイズが複数種類、推定された場合には、それら複数種類の推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプが、複数の用紙トレイ毎に設定されている優先順位に従って、用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプと一致するか否かが判断される。用紙サイズ及び用紙タイプが一致する場合に、複数種類の推定用紙サイズのうちのパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズと一致するものが、テンポラリ設定領域42bの用紙サイズに上書きされる。また、一致した用紙サイズの用紙と関連づけてパーマネント設定領域に記憶されている用紙トレイも、自動で選択されたトレイとしてテンポラリ設定領域42bに記憶される。
【0038】
つまり、例えば、A3サイズとA4サイズとの2種類の用紙サイズが、推定用紙サイズとして推定され、図4に示す優先順位が設定されている場合には、まず、優先順位が1位のトレイBと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズと、推定用紙サイズとが一致するか否かが判断される。この結果、トレイBと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズがA3であり、推定用紙サイズがA3サイズとA4サイズとであり、パーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズと、推定用紙サイズとが一致する。このため、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプが、トレイBに関連付けられている用紙タイプ(普通紙)と一致する場合に、推定用紙サイズのA3サイズが、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズに上書きされる。
【0039】
また、例えば、A4サイズとA5サイズとの2種類の用紙サイズが、推定用紙サイズとして推定され、図4に示す優先順位が設定されている場合には、まず、優先順位が1位のトレイBと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズと、推定用紙サイズとが一致するか否かが判断される。この結果、トレイBと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズがA3であり、推定用紙サイズがA4サイズとA5サイズと一致しない。このため、優先順位が2位のトレイAと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズと、推定用紙サイズとが一致するか否かが判断される。この結果、トレイAと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズがA4であり、推定用紙サイズがA4サイズとA5サイズとであり、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズと、推定用紙サイズとが一致する。このため、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプが、トレイAに関連付けられている用紙タイプ(光沢紙)と一致する場合に、推定用紙サイズのA4サイズが、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズに上書きされる。なお、推定された複数種類の推定用紙サイズ及び、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプが、全ての用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプと一致しない場合には、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズが維持される。
【0040】
続いて、モノクロコピー開始ボタン78若しくは、カラーコピー開始ボタン80が操作されると、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合と同様に、テンポラリ設定領域42bに記憶された用紙サイズと、拡縮率と、原稿寸法とに基づいて、原稿の原稿サイズおよび、原稿の載置方向が推定される。そして、推定された原稿サイズに応じた領域を、CIS39によって読み取り、その読み取られた画像データが、拡縮率に応じた印刷用の画像データに変換される。
【0041】
また、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズ及び、用紙タイプの印刷用紙が、MFP10に収容されているか否かが判断される。つまり、用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプのなかに、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズ及び、用紙タイプと一致するものが存在するか否かが判断される。そして、一致する用紙サイズ及び用紙タイプが存在する場合に、その一致する用紙サイズ及び用紙タイプと関連付けられている用紙トレイから、印刷用紙が給紙される。そして、給紙された印刷用紙に、印刷用の画像データに基づく画像が、記録部20によって印刷される。これにより、ユーザが印刷用紙のサイズ等を設定しなくても、適切な印刷用紙に画像を印刷することが可能となる。
【0042】
また、一致する用紙サイズ及び用紙タイプが存在しない場合には、ディスプレイ16に選択画面(図示省略)が表示される。選択画面には、トレイ設定を変更するためのボタンと、最優先トレイからの給紙を選択するためのボタンとが表示される。トレイ設定を変更するためのボタンが操作されると、トレイ設定を選択するための画面が表示され、その画面において、ユーザは、所定の用紙トレイを選択する。これにより、その選択された用紙トレイから印刷用紙が給紙され、その印刷用紙に画像が印刷される。また、最優先トレイからの給紙を選択するためのボタンが操作されると、最優先トレイ、つまり、優先順位が1位の用紙トレイから印刷用紙が給紙され、その印刷用紙に画像が印刷される。
【0043】
また、MFP10では、ショートカット機能を利用したコピー処理を実行することが可能である。詳しくは、図3に示すメニュー画面50において、ショートカット選択ボタン60が操作されると、ディスプレイ16に、図7に示すショートカット画面120が表示される。ショートカット画面120には、複数のショートカットボタン122,124が表示される。各ショートカットボタン122,124には、コピー処理の設定値が関連付けられており、ショートカットボタン122,124が操作されると、操作されたショートカットボタン122,124に応じた設定値に従って、コピー処理が実行される。なお、各ショートカットボタン122,124は、ユーザ操作により作成される。詳しくは、図5に示すコピー処理実行画面70において、登録ボタン82が操作されると、そのコピー処理実行画面70の設定値表示欄74に表示されている設定値に応じたショートカットボタンが作成される。このため、ショートカット機能を利用したコピー処理では、ユーザの意思に応じた用紙サイズの印刷用紙に画像が印刷されることから、ユーザの意思に従って用紙トレイが設定されている場合と同様のコピー処理が実行される。
【0044】
また、MFP10では、拡縮率を自動で設定することが可能である。詳しくは、図6に示す設定変更画面100での拡縮率自動設定ボタン110への操作により、拡縮率自動設定が選択される。なお、拡縮率自動設定では、印刷用紙の用紙サイズの設定が必須であるため、設定画面でのユーザ操作により用紙トレイが設定されることと、設定変更画面100での用紙サイズ変更ボタン104の操作により用紙サイズが設定されることと、設定変更画面100でのトレイ変更ボタン106の操作により用紙トレイが設定されることとの何れが行われることが前提である。そして、用紙サイズの設定、若しくは、用紙トレイの設定により、設定された用紙サイズ、若しくは、設定された用紙トレイと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズが、テンポラリ設定領域42bに記憶される。
【0045】
また、拡縮率自動設定時には、原稿が透明板33にセットされると、原稿寸法が検出される。なお、原稿寸法の検出手法は、上記手法と同じである。そして、検出された原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当するか否かが判断される。これは、原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当する場合には、原稿の原稿サイズが複数種類、推定され、原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当しない場合には、推定される原稿の原稿サイズが1種類に限定されるためである。このため、原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当しない場合には、1種類の原稿サイズが推定される。そして、その推定された原稿サイズと、テンポラリ設定領域42bに記憶された用紙サイズとに基づいて、拡縮率が演算される。詳しくは、拡縮率は、原稿の原稿サイズに対する印刷用紙の用紙サイズの比率である。このため、拡縮率は、テンポラリ設定領域42bに記憶された用紙サイズを推定された原稿サイズで除することで、演算される。これにより、ユーザが拡縮率を入力することなく、拡縮率が設定される。
【0046】
また、原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当する場合には、上述したように、原稿の原稿サイズが複数種類、推定されるため、ディスプレイ16に問い合わせ画面(図示省略)が表示される。問い合わせ画面には、透明板33にセットされた原稿の原稿サイズを問い合わせる旨のコメントと、ユーザ操作により原稿サイズを選択するための選択ボタンとが表示される。そして、問い合わせ画面において、原稿サイズを選択するための選択ボタンが操作されると、選択ボタンに応じた原稿サイズと、テンポラリ設定領域42bとに基づいて、拡縮率が演算される。つまり、テンポラリ設定領域42bに記憶された用紙サイズを、選択ボタンに応じた原稿サイズで除することで、拡縮率が演算される。これにより、ユーザが拡縮率を入力することなく、拡縮率が設定される。
【0047】
次に、拡縮率が設定されると、選択ボタンに応じた原稿サイズ、若しくは、推定された原稿サイズに応じた領域が、CIS39によって読み取られ、その読み取られた画像データが、拡縮率に応じた印刷用の画像データに変換される。また、テンポラリ設定領域42bに記憶されている用紙サイズ及び用紙タイプと関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙トレイから、印刷用紙が給紙される。そして、給紙された印刷用紙に、印刷用の画像データに基づく画像が、記録部20によって印刷される。これにより、ユーザが拡縮率を入力することなく、適切なサイズの印刷用紙に画像が印刷される。
【0048】
<制御プログラム>
上記コピー処理は、MFP10のCPU12において制御プログラム40が実行されることによって行われる。以下に、CPU12で制御プログラム40が実行される際のフローを、図10乃至図14を用いて説明する。
【0049】
CPU12により制御プログラム40が実行されると、図10に示すように、テンポラリ設定領域42bに用紙トレイ、用紙サイズ及び用紙タイプが記憶される(S100)。次に、透明板33に原稿が載置されているか否かが、CPU12によって判断される(S102)。なお、原稿が載置されているか否かは、次の様に判断される。すなわち、検出センサ24によりカバーが開状態から閉状態へと変化したことをCPU12が検知すると、CISをわずかに走査し読み取りを行う。そして原稿のエッジを検出した場合、原稿が載置されていると判断し、検出しなかった場合は原稿が載置されていないと判断する。つまり、S102以前に原稿が載置されていたか否かに基づき判断を行うことができる。なお、1度のコピー処理では本判定で一度Yesとなり、再度S102が実行される場合は、原稿が引き続き載置されていてもNoとして判断される。透明板33に原稿が載置されている場合(S102:YES)には、原稿寸法が検出される(S104)。続いて、用紙トレイを自動で設定するための条件(以下、「設定条件」と記載する場合がある)を充足しているか否かが、CPU12によって判断される(S106)。
【0050】
設定条件は、ショートカット機能を利用したコピー処理でないこと、拡縮率が自動設定でないことに加えて、1)パーマネント設定領域に記憶された使用対象の用紙トレイの設定が“自動”に設定されており、設定変更画面100において用紙トレイ、用紙サイズの設定が変更されていないこと2)パーマネント設定領域に記憶された使用対象の用紙トレイの設定に特定の用紙トレイが記憶されているが、設定変更画面100において用紙トレイの設定が“自動”に変更されたことのいずれかを満たすことである。
【0051】
そして、設定条件を充足する場合(S106:YES)には、第1推定処理サブルーチンが実行される(S108)。第1推定処理サブルーチンでは、図11に示すように、検出された原稿寸法と、拡縮率とに基づいて、印刷対象の印刷用紙の用紙サイズが推定される(S130)。次に、推定された用紙サイズが1種類であるか否かが、CPU12によって判断される(S132)。推定された用紙サイズが1種類である場合(S132:YES)には、推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致する設定の用紙トレイが存在するか否かが、CPU12によって判断される(S134)。つまり、推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプが、用紙トレイ毎に関連付けてデータ記憶領域42に記憶されている用紙サイズ及び用紙トレイと一致するか否かが判断される。
【0052】
そして、推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致する設定の用紙トレイが存在する場合(S134:YES)には、一致する用紙トレイ、とその用紙サイズ、つまり推定用紙サイズがテンポラリ設定領域42bの用紙サイズに反映される(S136)。そして、第1推定処理サブルーチンが終了する。また、推定された用紙サイズが1種類でない場合(S132:NO)および、推定用紙サイズ及びテンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致する設定の用紙トレイが存在しない場合(S134:NO)にも、第1推定処理サブルーチンが終了する。
【0053】
第1推定処理サブルーチンが終了すると、メインルーチンに戻り、図10に示すように、推定用紙サイズが複数種類あるか否かが、CPU12によって判断される(S110)。そして、推定用紙サイズが複数種類ある場合(S110:YES)には、第2推定処理サブルーチンが実行される。第2推定処理サブルーチンでは、図12に示すように、カウンタNの値が1とされる(S140)。次に、N番目に優先度が高い用紙トレイに設定された用紙サイズが、推定用紙サイズに含まれるか否かが、CPU12によって判断される(S142)。N番目に優先度が高い用紙トレイに設定された用紙サイズが、推定用紙サイズに含まれる場合(S142:YES)には、N番目に優先度が高い用紙トレイに設定された用紙タイプが、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致するか否かが、CPU12によって判断される(S144)。N番目に優先度が高い用紙トレイに設定された用紙タイプが、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致する場合(S144:YES)には、N番目に優先度が高い用紙トレイ及びその用紙トレイに関連付けてパーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズがテンポラリ設定領域42bに上書き記憶される。(S146)。そして、第2推定処理サブルーチンが終了する。
【0054】
また、S142でN番目に優先度が高い用紙トレイに設定された用紙サイズが、推定用紙サイズに含まれない場合(S142:NO)、若しくは、S144でN番目に優先度が高い用紙トレイに設定された用紙タイプが、テンポラリ設定領域42bの用紙タイプと一致しない場合(S144:NO)には、カウンタの値Nに1加算される(S148)。続いて、全ての用紙トレイに対して判断が実行されたか否かが、CPU12によって判断される(S150)。全ての用紙トレイに対して判断が実行されていない場合(S150:NO)には、S142に戻る。一方、全ての用紙トレイに対して判断が実行されている場合(S150:YES)には、第2推定処理サブルーチンが終了する。
【0055】
第2推定処理サブルーチンが終了すると、メインルーチンに戻り、図10に示すように、S114に進む。また、S102で透明板33に原稿が載置されていない場合(S102:NO)、若しくは、S106で設定条件を充足していない場合(S106:NO)、若しくは、S110で推定用紙サイズが複数種類ない場合(S110:NO)にも、S114に進む。次に、S114では、コピー設定の受付が有るか否かが、CPU12によって判断される(S114)。コピー設定の受付が有る場合(S114:YES)には、受け付けたコピー設定が、コピー処理の設定値に反映される(S116)。そして、S118に進む。また、コピー設定の受付が無い場合(S114:NO)にも、S118に進む。
【0056】
S118では、モノクロコピー開始ボタン78若しくは、カラーコピー開始ボタン80が操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S118)。モノクロコピー開始ボタン78若しくは、カラーコピー開始ボタン80が操作されていない場合(S118:NO)には、S102に戻る。一方、モノクロコピー開始ボタン78若しくは、カラーコピー開始ボタン80が操作された場合(S118:YES)には、コピー処理サブルーチンが実行される。
【0057】
コピー処理サブルーチンでは、図13に示すように、拡縮率の自動設定が選択されているか否かが、CPU12によって判断される(S160)。拡縮率の自動設定が選択されていない場合(S160:NO)には、テンポラリ設定領域42bの用紙サイズと、拡縮率と、主走査方向の原稿寸法とに基づいて、原稿の原稿サイズ及び、載置方向が推定される(S162)。そして、原稿サイズに応じた領域をCIS39によって読み取り、読み取られた画像データに基づいて、拡縮率に応じた印刷用の画像データを作成する(S164)。次に、使用対象の用紙トレイの自動設定が選択されているか否かが、CPU12によって判断される(S166)。使用対象の用紙トレイの自動設定が選択されている場合(S166:YES)には、テンポラリ設定領域42bの用紙サイズ及び用紙トレイと一致する用紙トレイが存在するか否かが、CPU12によって判断される(S168)。
【0058】
テンポラリ設定領域42bの用紙サイズ及び用紙トレイと一致する用紙トレイが存在する場合(S168:YES)には、一致する用紙トレイから印刷用紙が給紙される(S170)。そして、給紙された印刷用紙のサイズと、S164で作成された画像データに基づく画像のサイズとが比較され、画像サイズと印刷用紙のサイズとが異なるか否かが、CPU12によって判断される(S172)。画像サイズと印刷用紙のサイズとが同じ場合(S172:YES)には、印刷用紙に画像が印刷される(S174)。そして、コピー処理サブルーチンが終了する。一方、画像サイズと印刷用紙のサイズとが異なる場合(S174:NO)には、ディスプレイ16にエラー画面(図示省略)が表示される。なお、S176が実行されるのは、パーマネント設定領域42aに記憶されている用紙サイズと、実際の用紙サイズが異なる場合である。そして、コピー処理サブルーチンが終了する。
【0059】
また、S168でテンポラリ設定領域42bの用紙サイズ及び用紙トレイと一致する用紙トレイが存在しない場合(S168:NO)には、ディスプレイ16に選択画面が表示される。選択画面は、トレイ設定を現在の設定から変更することと、パーマネント設定領域42aに記憶されている優先度が最も高いトレイを設定することのいずれを選択するかをユーザに問い合わせるための画面である。そして、選択画面において、トレイ設定を変更するためのボタンが操作されたか否かが、CPU12によって判断される(S180)。この際、トレイ設定を変更するためのボタンが操作された場合(S180:YES)には、ディスプレイ16にトレイ設定を選択するための画面が表示され、その画面において、所定の用紙トレイが選択される(S182)。そして、S168に戻る。
【0060】
一方、トレイ設定を変更するためのボタンが操作されていない場合、すなわち優先度が最も高いトレイを設定するためのボタンが操作された場合(S180:NO)には、優先順位が1位に設定されている用紙トレイから、印刷用紙が給紙される(S184)。そして、S172に進み、以降の処理が実行される。また、S166で使用対象の用紙トレイの自動設定が選択されていないと判断された場合(S166:NO)には、ユーザ操作により設定されている用紙トレイから、印刷用紙が給紙される。そして、S172に進み、以降の処理が実行される。
【0061】
また、S160で拡縮率の自動設定が選択されている場合(S160:YES)には、検出された原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当するか否かが、CPU12によって判断される(S188)。検出された原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当する場合(S188:YES)には、ディスプレイ16に問い合わせ画面が表示される(S190)。そして、問い合わせ画面に表示された選択ボタンへの操作により原稿サイズを取得する(S192)。続いて、原稿サイズと、テンポラリ設定領域42bの用紙サイズとに基づいて、拡縮率が演算される(S194)。そして、S164に進み、以降の処理が実行されることで、コピー処理サブルーチンが終了する。
【0062】
また、S188で検出された原稿寸法が、A3サイズの原稿の短辺に相当しない場合(S188:NO)には、原稿寸法に基づいて原稿サイズが推定される(S196)。そして、S194に進み、以降の処理が実行されることで、コピー処理サブルーチンが終了する。
【0063】
コピー処理サブルーチンが終了すると、メインルーチンに戻り、図10に示すように、制御プログラム40が終了する。
【0064】
なお、S104を実行するCPU12は、取得手段の一例である。S114を実行するCPU12は、第1受付手段、第2受付手段、第3受付手段の一例である。S116を実行するCPU12は、第2設定手段の一例である。S130を実行するCPU12は、第1推定手段の一例である。S136及びS146を実行するCPU12は、第1設定手段の一例である。S162を実行するCPU12は、第2推定手段の一例である。S164を実行するCPU12は、読取手段の一例である。S192を実行するCPU12は、第4受付手段の一例である。S194を実行するCPU12は、演算手段の一例である。
【0065】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、上記実施形態では、A3、A4、A5サイズの原稿及び印刷用紙を使用可能なMFP10が採用されているが、種々のサイズ、具体的には、例えば、B4等のB判サイズ,Letterサイズ,Ledgerサイズ等の原稿及び印刷用紙を使用可能な装置を採用することが可能である。
【0066】
また、上記実施形態では、A4サイズの原稿だけに対して、横置き及び縦置きが許容されていたが、A4サイズ以外の原稿に対しても、横置き及び縦置きを許容することが可能である。ただし、その場合には、上記フローチャートにおいて、S188及びS196の処理がスキップされ、S190において、原稿が横置きと縦置きとの何れであるかが問われる。
【0067】
また、上記実施形態では、拡縮率自動設定時に原稿サイズが複数種類推定される場合に、原稿サイズが問い合わされているが、原稿の載置方向を問い合わせてもよい。そして、問い合わせにより取得した原稿の載置方向と、原稿寸法とに基づいて、原稿サイズを推定してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、CPU12によって図10乃至図14に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:MFP(複写機)、12:CPU(制御部)(コンピュータ)、16:ディスプレイ(表示部)、18:入力I/F(操作部)、20:記録部、22:読取部、33:透明板(載置部)、39:CIS(撮像素子)、40:制御プログラム、42:データ記憶領域(記憶部)、
図1
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