(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリントシステムを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なサーバーを提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリント制御方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリント制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、プリントシステムは、サーバーと、サーバーと通信可能な画像形成装置および複数の携帯情報装置とを含むプリントシステムであって、サーバーは、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信手段と、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定手段と、対象装置に画像形成装置によ
るプリントに関する情報を通知する通知手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、サーバーが、
指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信すると、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせ、かつ画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置に、プリント
に関する情報を通知する。これにより、画像形成装置から所定の距離に存在する対象装置
にプリントに関する情報を通知するので、
対象装置を所持するユーザーは、
通知を受けてから画像形成装置まで短時間で移動でき、プリントされた記録媒体を短時間で受け取ることができる。その結果、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリントシステムを提供することができる。
【0011】
この発明の他の局面によれば、プリントシステムは、サーバーと、サーバーと通信可能な画像形成装置および複数の携帯情報装置とを含むプリントシステムであって、サーバーは、複数の携帯情報装置ごとに、当該携帯情報装置を操作するユーザーを関連付ける関連付手段と、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信手段と、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定手段と、対象装置に関連付けられたユーザーに画像形成装置によりプリント
に関する情報を通知する通知手段と、を備える。
【0012】
この局面に従えば、サーバーが、指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信すると、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせ、かつ画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置に関連付けられたユーザーに、プリント
に関する情報を通知する。これにより、画像形成装置から所定の距離に存在する対象装置を所持するユーザーに
プリントに関する情報を通知するので、通知を受けたユーザーは、画像形成装置まで短時間で移動でき、プリントされた記録媒体を短時間で受け取ることができる。その結果、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリントシステムを提供することができる。
【0013】
この発明のさらに他の局面によれば、サーバーは、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーであって、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信手段と、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定手段と、対象装置に画像形成装置によりプリント
に関する情報を通知する通知手段と、を備える。
【0014】
この局面に従えば、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なサーバーを提供することができる。
【0015】
この発明のさらに他の局面によれば、サーバーは、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーであって、複数の携帯情報装置ごとに、当該携帯情報装置を操作するユーザーを関連付ける関連付手段と、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信手段と、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定手段と、対象装置に関連付けられたユーザーに画像形成装置によりプリント
に関する情報を通知する通知手段と、を備える。
【0016】
この局面に従えば、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なサーバーを提供することができる。
【0017】
この発明のさらに他の局面によれば、サーバーは、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーであって、複数の携帯情報装置ごとに、当該携帯情報装置を操作するユーザーを関連付ける関連付手段と、画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信手段と、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定手段と、対象装置に関連付けられたユーザーに画像形成装置によるプリントに関する情報を通知する通知手段と、ユーザーを認証する認証手段と、複数の携帯情報装置にそれぞれ関連付けられた複数のユーザーのうち認証手段により認証された指示ユーザーに対して所定の関係を有する1以上のユーザーを候補ユーザーとして特定する候補ユーザー特定手段と、を備え、対象装置決定手段は、1以上の候補ユーザーにそれぞれ関連付けられた1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する装置を対象装置に決定する。
【0018】
この局面に従えば、サーバーが、認証した指示ユーザーに対して所定の関係を有するユーザーを候補ユーザーとして特定し、候補ユーザーに関連付けられた携帯情報装置から対象装置を決定する。そのため、指示ユーザーと所定の関係を有するユーザーにのみ、プリントされた記録媒体の情報が通知されるので、プリントされた記録媒体を無関係なユーザーが受け取ることが防止される。
【0019】
好ましくは、1以上の候補ユーザーにそれぞれ関連付けられた1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する1以上の装置を仮対象装置として特定する仮対象装置特定手段をさらに備え、対象装置決定手段は、1以上の仮対象装置にそれぞれ関連付けられた1以上の仮対象ユーザーのうちから指示ユーザーにより選択された1以上の仮対象ユーザーにそれぞれ関連付けられた1以上の仮対象装置を対象装置に決定する。
【0020】
この局面に従えば、サーバーが、候補ユーザーに関連付けられた携帯情報装置のうち、画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する装置を仮対象装置として特定し、さらに、仮対象装置に関連付けられた仮対象ユーザーのうちから指示ユーザーにより選択された仮対象ユーザーに関連付けられた仮対象装置を対象装置に決定する。このため、指示ユーザーは、画像形成装置の近くにいる候補ユーザーのうちからプリントされた記録媒体の情報を通知するユーザーを限定することができ、プリントされた記録媒体を所望のユーザーに受け取らせることができる。
【0021】
好ましくは、プリント指示をした指示ユーザーのメッセージをプリント指示とともに受信するメッセージ受信手段を、さらに備え、
プリントに関する情報は、メッセージ受信手段により受け付けられたメッセージを含む。
【0022】
この局面に従えば、サーバーが、指示装置から受信したメッセージを記録媒体の情報として対象装置に通知するので、指示装置を操作するユーザーが、プリントされた記録媒体を受け取るユーザーに対して、メッセージを伝達することができる。
【0023】
好ましくは、複数の携帯情報装置それぞれの位置を取得する位置取得手段を、さらに備え、対象装置決定手段は、画像形成装置に対して予め決定された位置と、位置取得手段により複数の携帯情報装置それぞれに対応して取得された位置との間の距離を算出する。
【0024】
この局面に従えば、サーバーが、画像形成装置に対して予め決定された位置と、複数の携帯情報装置それぞれに対応して取得された位置との間の距離を算出するので、サーバーは、算出された距離に基づいて、画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する携帯情報装置を決定することができる。
【0025】
好ましくは、画像形成装置が、複数の携帯情報装置のいずれかと通信する際の電波強度に基づいて決定した複数の携帯情報装置それぞれとの間の距離を画像形成装置から取得する距離取得手段をさらに備える。
【0026】
この局面に従えば、画像形成装置が、携帯情報装置のいずれかと通信する際の電波強度に基づいて、複数の携帯情報装置それぞれとの間の距離を決定するので、サーバーは、決定された距離に基づいて、画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する携帯情報装置を決定することができる。
【0027】
この発明のさらに他の局面によれば、プリント制御方法は、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーで実行されるプリント制御方法であって、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信ステップと、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定ステップと、対象装置に画像形成装置によ
るプリントに関する情報を通知する通知ステップと、を含む。
【0028】
この局面に従えば、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリント制御方法を提供することができる。
【0029】
この発明のさらに他の局面によれば、プリント制御方法は、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーで実行されるプリント制御方法であって、複数の携帯情報装置ごとに、当該携帯情報装置を操作するユーザーを関連付ける関連付ステップと、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信ステップと、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御ステップと、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定ステップと、対象装置に関連付けられたユーザーに画像形成装置によ
るプリントに関する情報を通知する通知ステップと、を含む。
【0030】
この局面に従えば、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリント制御方法を提供することができる。
【0031】
この発明のさらに他の局面によれば、プリント制御プログラムは、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーを制御するコンピューターで実行されるプリント制御プログラムであって、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信ステップと、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御手段と、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定ステップと、対象装置に画像形成装置によ
るプリントに関する情報を通知する通知ステップと、をコンピューターに実行させる。
【0032】
この局面に従えば、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリント制御プログラムを提供することができる。
【0033】
この発明のさらに他の局面によれば、プリント制御プログラムは、画像形成装置および複数の携帯情報装置と通信可能なサーバーを制御するコンピューターで実行されるプリント制御プログラムであって、複数の携帯情報装置ごとに、当該携帯情報装置を操作するユーザーを関連付ける関連付ステップと、
複数の携帯情報装置のいずれかの指示装置から画像形成装置にプリントさせるプリント指示を受信する指示受信ステップと、プリント指示に基づいて画像形成装置にプリントさせるプリント制御ステップと、複数の携帯情報装置
から指示装置を除いた残りの1以上の携帯情報装置のうち画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定する対象装置決定ステップと、対象装置に関連付けられたユーザーに画像形成装置によ
るプリントに関する情報を通知する通知ステップと、をコンピューターに実行させる。
【0034】
この局面に従えば、プリントされた記録媒体が画像形成装置に放置されるのを防止することが可能なプリント制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施の形態の1つにおけるプリントシステムの全体概要の一例を示す図である。
図1を参照して、プリントシステム1は、クラウドサーバー300,300Aと、ゲートウェイ(G/W)装置400と、複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bと、携帯情報装置200,200A,200Bと、を含む。クラウドサーバー300,300A、携帯情報装置200,200A,200Bおよびゲートウェイ装置400それぞれは、インターネット5に接続されており、インターネット5を介して互いに通信可能である。さらに、クラウドサーバー300,300A、携帯情報装置200,200A,200B、およびゲートウェイ装置400それぞれは、インターネット5に接続された他のコンピューターと通信可能である。
【0038】
携帯情報装置200,200A,200Bは、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)など、ユーザーが携帯して使用するコンピューターである。また、携帯情報装置200,200A,200Bと同様に、インターネット5に接続可能であれば、携帯情報装置200,200A,200Bの代わりにパーソナルコンピューターが用いられてもよい。
【0039】
ゲートウェイ装置400は、さらに、ローカルエリアネットワーク(LAN)3と接続されており、そのLAN3に、MFP100,100A,100Bが接続されている。ゲートウェイ装置400は、LAN3に接続されたMFP100,100A,100Bと通信可能である。さらに、ゲートウェイ装置400およびMFP100,100A,100Bそれぞれは、LAN3に接続された他のコンピューターと通信可能である。
【0040】
ゲートウェイ装置400は、LAN3と、インターネット5とを接続する。このため、クラウドサーバー300,300Aは、MFP100,100A,100Bとのいずれかと通信が可能である。ゲートウェイ装置400のハードウェア構成および機能は周知なので、ここでは説明を繰り返さない。
【0041】
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、クラウドサーバー300は、ファイルサーバーとして機能するとともに、ユーザーAの指示に基づいてユーザーAのために記憶したデータを、MFP100,100A,100BのうちユーザーAが出力先に指定した出力先装置、例えば、MFP100にプリントさせるサービスを提供する。具体的には、クラウドサーバー300が提供するサービスは、ユーザーAにより指定されたデータを、ユーザーAにより指定されたプリント条件でプリントするためのプリントデータを、ユーザーAにより出力先として指定されたMFP100にプリントさせる処理である。より具体的には、ユーザーAが、例えば携帯情報装置200を操作して、クラウドサーバー300にアクセスし、クラウドサーバー300に記憶されているデータとMFP100とプリント条件とを指定すると、クラウドサーバー300は、ユーザーAにより指定されたデータをプリントするためのプリントデータをMFP100に送信する。MFP100は、クラウドサーバー300から受信されるプリントデータをプリントする。以下の説明では、クラウドサーバー300が提供するサービスを利用してプリントを指示するユーザーAを指示ユーザーという。また、特に言及しない限り、指示ユーザーは携帯情報装置200を操作し、かつ出力先としてMFP100を指定する例を説明する。
【0042】
MFP100,100A,100Bのハードウェア構成および機能は、基本的に同じである。したがって、以下の説明では特に言及しない限りMFP100を例に説明する。また、クラウドサーバー300,300Aのハードウェア構成および機能は、基本的に同じである。したがって、以下の説明では特に言及しない限りクラウドサーバー300を例に説明する。さらに、携帯情報装置200,200A,200Bのハードウェア構成および機能は、基本的に同じである。したがって、以下の説明では特に言及しない限り携帯情報装置200を例に説明する。
【0043】
図2は、本実施の形態の一つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。
図3は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図2および
図3を参照して、画像形成装置として機能するMFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0044】
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
【0045】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ155に排出する。
【0046】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0047】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙に画像を形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0048】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0049】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取画像を一時的に記憶する。
【0050】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0051】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0052】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0053】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
【0054】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD−ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM102に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0055】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0056】
図4は、本実施の形態におけるクラウドサーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
図4を参照して、クラウドサーバー300は、クラウドサーバー300の全体を制御するためのCPU301と、CPU301が実行するためのプログラムを記憶するROM302と、CPU301の作業領域として使用されるRAM303と、データを不揮発的に記憶するHDD304と、CPU301をインターネット5に接続する通信部305と、情報を表示する表示部306と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部307と、外部記憶装置309と、を含む。
【0057】
外部記憶装置309は、CD−ROM309Aが装着される。CPU301は、外部記憶装置309を介してCD−ROM309Aにアクセス可能である。CPU301は、外部記憶装置309に装着されたCD−ROM309Aに記録されたプログラムをRAM303にロードして実行する。なお、CPU301が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM309Aに限られず、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
【0058】
また、CPU301が実行するプログラムは、CD−ROM309Aに記録されたプログラムに限られず、HDD304に記憶されたプログラムをRAM303にロードして実行するようにしてもよい。この場合、インターネット5に接続された他のコンピューターが、クラウドサーバー300のHDD304に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、クラウドサーバー300が、インターネット5に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD304に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU301が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0059】
HDD304は、クラウドサーバー300からサービスの提供を受けることが可能なユーザーとして登録されたユーザーに対応する登録ユーザー情報を記憶する。登録ユーザー情報は、ユーザーを識別するための情報であり、また、ユーザーを認証するための情報である。ここでは、登録ユーザー情報は、ユーザー識別情報および認証情報を含む。ユーザー識別情報は、例えば、ユーザーに付されたユーザーIDであり、認証情報は、例えば、パスワードである。ここでは、ユーザーA、ユーザーB、ユーザーCが登録ユーザーとしてクラウドサーバー300に登録されており、ユーザーA、ユーザーB、ユーザーCにそれぞれ対応する登録ユーザー情報がHDD304に記憶されている場合を例に説明する。
【0060】
図5は、第1の実施の形態における携帯情報装置200のハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
図5を参照して、本実施の形態における携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ204と、情報を表示する表示部205と、ユーザーの操作を受け付ける操作部206と、通信部207と、外部記憶装置208と、位置検出部209と、を含む。
【0061】
フラッシュメモリ204は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ204に記録されたプログラムを、RAM203にロードして実行する。
【0062】
表示部205は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等である。操作部206は、メインキー206Aと、タッチパネル206Bとを備える。タッチパネル206Bは、表示部205の上面または下面に表示部205に重畳して設けられる。メインキー206Aは、例えば接点スイッチで構成されるハードキーである。タッチパネル206Bは、表示部205の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。また、ユーザーが、表示部205の表示面を指示する場合、操作部206は、タッチパネル206Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル206Bによる検出された位置に基づいて、表示部205に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部205に表示されている画面と、タッチパネル206Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部205にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル206Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
【0063】
通信部207は、CPU201をインターネット5に接続する。なお、携帯情報装置200は、無線LANを介して無線局と通信することによりインターネット5に接続されてもよい。
【0064】
外部記憶装置208は、携帯情報装置200に着脱自在であり、表示制御プログラムを記憶したCD−ROM208Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置208を介してCD−ROM208Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置208に装着されたCD−ROM208Aに記録された表示制御プログラムを、RAM203にロードして実行することが可能である。
【0065】
位置検出部209は、携帯情報装置200の現在位置を検出する。具体的には、位置検出部209は、全地球測位システム(Global Positioning System)受信機であり、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、現在位置を測定する。位置検出部209は、測定した現在位置を示す値、たとえば、緯度と経度とをCPU201に出力する。
【0066】
なお、CPU201が実行するプログラムとして、ROM202、フラッシュメモリ204またはCD−ROM208Aに記録されたプログラムについて説明したが、LAN3またはインターネット5に接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ204に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、携帯情報装置200が、LAN3またはインターネット5に接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0067】
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM208Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
【0068】
図6は、第1の実施の形態におけるクラウドサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
図6に示す機能は、クラウドサーバー300が備えるCPU301が、ROM302、HDD304またはCD−ROM309Aに記憶されたプログラムを実行することにより、CPU301に形成される機能である。
図6を参照して、クラウドサーバー300が備えるCPU301は、登録ユーザー情報取得部351と、認証部353と、候補ユーザー特定部355と、関連付部357と、位置取得部359と、指示受信部361と、対象装置決定部363と、通知部365と、メッセージ受信部369と、プリント制御部371とを、含む。
【0069】
登録ユーザー情報取得部351は、HDD304から登録ユーザー情報を取得して認証部353および候補ユーザー特定部355に出力する。
【0070】
認証部353は、クラウドサーバー300を操作するユーザーを認証する。クラウドサーバー300を操作するユーザーは、クラウドサーバー300が提供するサービスを利用するユーザーである。ここでは、指示ユーザーであるユーザーAが、携帯情報装置200を操作し、クラウドサーバー300が提供するサービスを利用する場合を例に説明する。認証部353は、通信部305が携帯情報装置200から接続要求を受信すると、通信部305を制御して、携帯情報装置200との間で通信経路を確立し、通信部305を介してログイン画面を携帯情報装置200に返信する。指示ユーザーが、携帯情報装置200に表示されたログイン画面に従って、携帯情報装置200にユーザーIDおよびパスワードを入力すると、携帯情報装置200は、ユーザーIDおよびパスワードを含む認証要求を、クラウドサーバー300に送信する。認証部353は、通信部305が携帯情報装置200から認証要求を受信すると、受信した認証要求、および登録ユーザー情報取得部351から入力された登録ユーザー情報に基づいて、指示ユーザーを認証する。具体的には、認証部353は、認証要求に含まれるユーザーIDおよびパスワードが登録ユーザー情報として予め登録されていれば認証するが、登録されていなければ認証しない。
【0071】
認証部353は、携帯情報装置200を操作する指示ユーザーを認証する場合、指示ユーザーを識別するためのユーザー識別情報を候補ユーザー特定部355に出力し、携帯情報装置200との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報を指示受信部361に出力する。認証部353は、携帯情報装置200を操作する指示ユーザーを認証しない場合、通信部305を制御して、携帯情報装置200にエラーメッセージを送信し、携帯情報装置200との間で確立された通信経路を切断する。
【0072】
候補ユーザー特定部355は、認証部353から認証された指示ユーザーのユーザー識別情報が入力される。候補ユーザー特定部355は、指示ユーザーと所定の関係にあるユーザーを候補ユーザーに特定する。ここでは、所定の関係を、指示ユーザーと同様にクラウドサーバー300のサービスの提供を受け付けることが可能なユーザーとして登録された登録ユーザーとしている。この場合、候補ユーザー特定部355は、登録ユーザー情報取得部351から入力される登録ユーザー情報に基づいて、登録ユーザーの全てを候補ユーザーとして特定する。ここでは、登録ユーザーは、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCであり、ユーザーAは指示ユーザーなので、ユーザーBおよびユーザーCが候補ユーザーに決定される。候補ユーザー特定部355は、特定した候補ユーザーそれぞれのユーザー識別情報を位置取得部359に出力する。
【0073】
関連付部357は、登録ユーザーに、そのユーザーが使用する装置を関連付ける。例えば、クラウドサーバー300を管理するユーザーが、登録ユーザーのユーザー識別情報と、その登録ユーザーが使用する装置の装置識別情報とを入力する場合に、関連付部357は、ユーザー識別情報と装置識別情報との組を受け付け、ユーザー識別情報と装置識別情報とを含む関連付レコードを生成し、HDD304に記憶された関連付テーブルに関連付レコードを追加して記憶する。ここでは、HDD304に、ユーザーAと携帯情報装置200とを関連付けた関連付レコードと、ユーザーBと携帯情報装置200Aとを関連付けた関連付レコードと、ユーザーBと携帯情報装置200Bとを関連付けた関連付レコードと、を含む関連付テーブルが記憶されている場合を例に説明する。ユーザーAと携帯情報装置200とを関連付けた関連付レコードは、ユーザーAのユーザー識別情報と携帯情報装置200の装置識別情報とを含む。ユーザーBと携帯情報装置200Aとを関連付けた関連付レコードは、ユーザーBのユーザー識別情報と携帯情報装置200Aの装置識別情報とを含む。ユーザーCと携帯情報装置200Bとを関連付けた関連付レコードは、ユーザーCのユーザー識別情報と携帯情報装置200Bの装置識別情報とを含む。装置識別情報は、限定するものではないが、装置に割り当てられたネットワークアドレスとするのが好ましい。ネットワークアドレスは、例えば、IP(Internet Protocol)である。関連付部357は、HDD305に記憶された関連付テーブルを位置取得部359および通知部365に出力する。
【0074】
位置取得部359は、候補ユーザー特定部355から候補ユーザーのユーザー識別情報が入力され、関連付部357から関連付テーブルが入力される。位置取得部359は、関連付テーブルを参照して、候補ユーザーが使用する装置の位置を取得する。具体的には、位置取得部359は、関連付部357から入力される関連付テーブルを参照して、候補ユーザーが使用する装置を特定し、特定した装置からその装置が現在位置する地点を示す位置情報を取得する。位置取得部359は、候補ユーザーのユーザー識別情報と、その候補ユーザーが使用する装置から取得された位置情報との組を、対象装置決定部363に出力する。ここでは、ユーザーBとユーザーCとが候補ユーザーに決定されているので、位置取得部359は、ユーザーBのユーザー識別情報とユーザーBが使用する携帯情報装置200Aから取得された位置情報との組と、ユーザーCのユーザー識別情報とユーザーCが使用する携帯情報装置200Bから取得された位置情報との組と、を対象装置決定部363に出力する。
【0075】
なお、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれの位置情報を、定期的に収集する位置管理サーバーを用いる場合には、位置取得部359は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれの位置情報を位置管理サーバーから取得するようにすればよい。
【0076】
指示受信部361は、指示ユーザーが操作する携帯情報装置200からのプリント指示を受信する。プリント指示は、例えば、処理対象のデータの指定、出力先となる出力先装置の指定およびプリント条件の指定を含む。
【0077】
HDD304は、クラウドサーバー300が提供するサービスを利用可能なユーザーとして登録された登録ユーザーごとに、その登録ユーザーのみがアクセス可能な領域を有する。例えば、HDD304は、指示ユーザーのみがアクセス可能な領域を有する。この領域には、指示ユーザー以外のユーザーはアクセスすることができない。指示受信部361は、指示ユーザーのみがアクセス可能な領域に記憶されたデータの指定を受け付ける。例えば、指示受信部361は、通信部305を制御して、HDD304の指示ユーザーのみがアクセス可能な領域に記憶されたデータを識別するためのデータ識別情報を列挙したリストを、認証部353から入力される経路識別情報で特定される通信経路を介して携帯情報装置200に送信する。携帯情報装置200を操作する指示ユーザーが、携帯情報装置200に表示されたリストからデータ識別情報を選択すれば、携帯情報装置200は、選択されたデータ識別情報を、クラウドサーバー300に送信する。指示受信部361は、通信部305が指示装置からデータ識別情報を受信すると、受信したデータ識別情報を処理対象のデータのデータ識別情報として受け付ける。
【0078】
また、指示受信部361は、通信部305を制御して、出力先として指定可能な装置として予め登録された装置を識別するための装置識別情報を列挙したリストを、認証部353から入力される経路識別情報で特定される通信経路を介して携帯情報装置200に送信する。ここでは、出力先として指定可能な装置としてMFP100,100A,100Bが登録されている場合を例に説明する。携帯情報装置200を操作する指示ユーザーが、携帯情報装置200に表示されたリストから1つの装置識別情報を選択すれば、携帯情報装置200は、選択された装置識別情報を、クラウドサーバー300に送信する。指示受信部361は、通信部305が携帯情報装置200から装置識別情報を受信すると、受信した装置識別情報を出力先装置として受け付ける。
【0079】
また、指示受信部361は、通信部305を制御して、プリント条件を設定するための設定画面を、認証部353から入力される経路識別情報で特定される通信経路を介して携帯情報装置200に送信する。携帯情報装置200を操作する指示ユーザーが、携帯情報装置200に表示された設定画面に従ってプリント条件を設定すれば、携帯情報装置200は、設定されたプリント条件を、クラウドサーバー300に送信する。指示受信部361は、通信部305が携帯情報装置200からプリント条件を受信すると、受信したプリント条件を受け付ける。
【0080】
指示受信部361は、プリントの対象となるデータのデータ識別情報と、出力先装置の装置識別情報と、プリント条件とを含むプリント指示を通知部365およびプリント制御部371に出力する。また、指示受信部361は、出力先装置の装置識別情報を対象装置決定部363に出力する。
【0081】
プリント制御部371は、指示受信部361からプリント指示が入力される。プリント指示は、処理対象のデータのデータ識別情報、出力装置であるMFP100の装置識別情報およびプリント条件と、を含む。プリント制御部371は、プリント指示に含まれるデータ識別情報で特定されるデータを、HDD304が有する指示ユーザーのみがアクセス可能な領域から読み出し、読み出したデータとプリント指示に含まれるプリント条件とに基づいて、プリントデータを生成する。プリント制御部371は、生成したプリントデータを、通信部305を制御して、プリント指示に含まれる装置識別情報で特定される出力先装置に送信する。ここでは、出力先装置は、MFP100としているので、MFP100にプリントデータを出力する。また、プリント制御部371は、プリント条件にセキュリティプリントが有効に設定されている場合、プリントデータにパスワードを付与し、パスワードが付与されたプリントデータを、通信部305を制御して、プリント指示に含まれる装置識別情報で特定される出力先装置に送信するとともに、プリントデータに付与したパスワードを、通知部365に出力する。パスワードは、任意の値を用いることができる。また、パスワードは、予め定められた値であってもよい。
【0082】
対象装置決定部363は、指示受信部361から出力先装置の装置識別情報が入力され、位置取得部359から1以上の候補ユーザーそれぞれのユーザー識別情報と位置情報との組が入力される。対象装置決定部363は、候補ユーザーのうち出力先装置から所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーが使用する装置を対象装置に決定する。出力先装置からから所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーが複数の場合には、複数の候補ユーザーがそれぞれ使用する複数の装置を対象装置に決定する。対象装置決定部363は、出力先装置の位置情報と、候補ユーザーの位置情報とから出力先装置と候補ユーザーとの間の距離を算出する。出力先装置の位置情報を、HDD304に予め記憶しておくようにしてもよいし、出力先装置に問い合わせることにより出力先装置から取得するようにしてもよい。
【0083】
ここでは、出力先装置は、MFP100であり、候補ユーザーは、ユーザーBおよびユーザーCである。対象装置決定部363は、出力先装置であるMFP100の位置情報をHDD304から読出し、MFP100の位置情報とユーザーBのユーザー識別情報と組になる位置情報とからユーザーBとMFP100との間の距離L1を算出し、MFP100の位置情報とユーザーCの位置情報とからユーザーCとMFP100との間の距離L2を算出する。算出された距離L1が予め定められたしきい値LH以下ならば、ユーザーBが使用する携帯情報装置200Aを対象装置に決定し、算出された距離L2が予め定められたしきい値LH以下ならば、ユーザーCが使用する携帯情報装置200Bを対象装置に決定する。しきい値LHは、予め定められた値であり、任意に定めることができる。しきい値LHは、出力先装置が配置されるフロア―、または部屋の最大長さとするのが好ましい。
【0084】
対象装置決定部363は、決定した対象装置を識別するための装置識別情報を通知部365に出力する。ここでは、携帯情報装置200A,200Bが対象装置に決定される場合を例に説明する。この場合、対象装置決定部363は、携帯情報装置200Aの装置識別情報と、携帯情報装置200Bの装置識別情報と、を通知部365に出力する。
【0085】
メッセージ受信部369は、通信部305を制御して、指示ユーザーであるユーザーAが操作する携帯情報装置200から送信されるメッセージ情報を受信する。メッセージ情報は、指示ユーザーによって携帯情報装置200に入力される情報であり、出力先装置によってプリントされる用紙を受け付けとるユーザーに伝達すべき内容を表す文字情報または音声情報である。メッセージ情報は、例えば、プリントされる用紙に対する処理内容を含む。処理内容の具体例としては、プリントされる用紙が契約書や見積書である場合に、プリントされる書類への押印を依頼する文字情報であり、より具体的には、「課長の押印をお願いします。」である。
【0086】
メッセージ受信部369は、通信部305を制御して、メッセージを入力するための入力画面を、認証部353から入力される経路識別情報で特定される通信経路を介して携帯情報装置200に送信する。携帯情報装置200を操作する指示ユーザーが、携帯情報装置200に表示された入力画面に従ってメッセージを入力すれば、携帯情報装置200は、指示ユーザーにより入力されたメッセージを含むメッセージ情報を、クラウドサーバー300に送信する。メッセージ受信部369は、通信部305が携帯情報装置200からメッセージ情報を受信すると、受信したメッセージ情報を受け付ける。メッセージ受信部369は、携帯情報装置200から受信されるメッセージ情報を通知部365に出力する。
【0087】
通知部365は、指示受信部361からプリント指示が入力され、対象装置決定部363から対象装置の装置識別情報が入力される。通知部365は、プリント指示に基づいて通知情報を生成し、通知情報を対象装置に送信する。具体的には、プッシュ通知が可能な専用のアプリケーションプログラムを実行し、通知情報を対象装置に通信部305を介して送信する。ここでは、通知部365は、携帯情報装置200A,200Bそれぞれの装置識別情報が対象装置決定部363から入力されるので、通知情報を携帯情報装置200A,200Bそれぞれに送信する。
【0088】
通知情報は、出力先装置によりプリントされる用紙を示す情報であり、少なくとも出力先装置を示す情報と処理対象のデータを示す情報を含む。これにより、通知情報を見るユーザーは、出力装置であるMFP100と、そのMFP100により出力される用紙を特定することができる。出力先装置を示す情報は、出力先装置の装置識別情報または出力先装置に付された名称である。処理対象のデータを示す情報は、処理対象のデータをプリント条件で形成するための画像である。また、処理対象のデータを示す情報は、処理対象のデータをプリント条件でプリントするための画像が複数ページの場合には第1ページの画像と総頁数との組としてもよい。通信情報は、指示ユーザーを示す情報を含んでもよい。指示ユーザーを示す情報は、具体的には、指示ユーザーのユーザー識別情報または氏名等の名称である。
【0089】
また、通知部365は、プリント制御部371からパスワードが入力される場合には、通知情報に、パスワードを追加し、パスワードを含む通知情報を、対象装置に送信する。プリント条件にセキュリティプリントが設定されている場合、出力装置であるMFP100は、プリントデータを受信しても直ちにプリントすることなく一時記憶し、プリントデータに含まれるパスワードが入力されることを条件に、プリントデータをプリントする。このため、通知情報を見るユーザーが出力装置であるMFP100にプリントデータをプリントさせることができるように、通知情報にパスワードを含める。
【0090】
また、通知部365は、メッセージ受信部369からメッセージ情報が入力される場合、通知部365は、通知情報にメッセージ情報を追加し、送信する。これにより、通知情報を見るユーザーは、メッセージを見て、出力装置であるMFP100により出力される用紙に対して、次に進める作業を進めることができる。例えば、メッセージ情報が「課長の押印をお願いします。」の場合には、MFP100により出力される用紙を、課長に渡して押印を依頼する作業を進めることができる。
【0091】
また、通知部365は、関連付部357から入力される関連付けテーブルを参照して、対象装置に関連付けられた対象ユーザーを決定し、通信部305を制御して、対象ユーザーに通知情報を送信するようにしてもよい。例えば、通知部365は、対象ユーザーの電子メールアドレスを宛先に設定し、通知情報を含む電子メールを生成し、生成した電子メールを予め定められた電子メールサーバーに送信する。ここでは、携帯情報装置200A,200Bそれぞれの装置識別情報が対象装置決定部363から入力されるので、通知部365は、携帯情報装置200Aを使用するユーザーBと携帯情報装置200Bを使用するユーザーCそれぞれに、同じ電子メールを送信する。
【0092】
図7は、第1の実施の形態における携帯情報装置が備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。
図7に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU201が、ROM202、フラッシュメモリ204、CD−ROM208Aに記憶された表示制御プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
図7を参照して、CPU201は、指示受付部251と、メッセージ受付部253と、指示送信部255と、位置取得部257と、位置送信部259と、通知情報受信部261と、通知画面表示部263と、を含む。
【0093】
指示受付部251は、指示ユーザーが操作部206を操作して入力するプリント指示を受け付ける。例えば、クラウドサーバー300が、指示ユーザーがアクセス可能なデータのデータ識別情報のリスト、出力先装置として予め登録されたMFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報のリスト、およびプリント条件の設定画面を送信する場合、通信部207がこれらのリスト、および設定画面受信する。指示受付部251は、表示部205に受信したリストおよび設定画面を順にまたは同時に表示する。
【0094】
指示受付部251は、指示ユーザーが操作部206に入力する操作に基づいて、データ識別情報のリストから選択されたデータ識別情報を受け付け、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報のリストから選択された装置識別情報を受け付け、設定画面に従って入力されるプリント条件を受け付ける。指示受付部251は、受け付けられた処理対象となるデータのデータ識別情報と、出力先装置の装置識別情報と、プリント条件とを含むプリント指示を指示送信部255に出力する。
【0095】
メッセージ受付部253は、指示ユーザーが操作部206を操作して入力するメッセージを受け付ける。例えば、クラウドサーバー300が、メッセージを受け付けるためのメッセージ入力画面を送信する場合、通信部207がメッセージ受付画面を受信する。メッセージ受付部253は、受信されたメッセージ受付画面を表示部205に表示し、メッセージの入力画面に従ってユーザーが操作部206に入力するメッセージを受け付ける。メッセージ受付部253は、受け付けられたメッセージを含むメッセージ情報を指示送信部255に出力する。
【0096】
指示送信部255は、指示受付部251から入力されるプリント指示と、メッセージ受付部253から入力されるメッセージ情報とを、通信部207を介して、クラウドサーバー300に送信する。
【0097】
位置取得部257は、位置検出部209による検出結果に基づいて携帯情報装置200の現在位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報を位置送信部259に出力する。位置送信部259は、通信部207を制御して、クラウドサーバー300からの要求に応じて、位置取得部257から入力された位置情報をクラウドサーバー300に送信する。
【0098】
通知情報受信部261は、携帯情報装置200が対象装置として機能する場合、通信部207を制御して、クラウドサーバー300から通知情報を受信する。通知情報受信部261は、受信された通知情報を通知画面表示部263に出力する。通知画面表示部263は、通知情報に基づいて通知画面を生成し、通知画面を表示部205に表示する。
【0099】
図8は、通知画面の一例を示す図である。
図8を参照して、通知画面500は、指示ユーザーのユーザー識別情報「ユーザーA」が表示される領域501と、出力先装置の装置識別情報「MFP−A」が表示される領域503と、プリントの対象となるデータのデータ識別情報「契約書A」が表示される領域504と、プリントされる用紙の枚数「5」が表示される領域505と、メッセージ「課長の押印をお願いします。」が表示される領域506と、第1ページの画像が表示される領域507と、を含む。ここでは、MFP100の装置識別情報を「MFP−A」としている。
【0100】
携帯情報装置200のユーザーは、携帯情報装置200に表示される通知画面の領域503を見て、出力先装置の装置識別情報「MFP−A」で特定されるMFP100によって画像が形成されたことを察知することができる。また、携帯情報装置200のユーザーは、領域501に表示されるユーザー識別情報「ユーザーA」を見て、ユーザー識別情報がユーザーAのユーザーによって、領域504に表示されたデータ識別情報「契約書A」のデータをプリントした用紙が、領域503に表示される装置識別情報「MFP−A」で特定されるMFP100に存在することを知ることができる。また、領域507に表示される画像から、MFP100により排紙された複数の用紙のうちから通知画面で特定される用紙を特定することができる。さらに、ユーザーは、領域505に表示される枚数「5」から、通知画面で特定される5枚の用紙を、MFP100が排紙する複数枚の用紙のうちから選別することができる。さらに、ユーザーは、領域506に表示されるメッセージ「課長の押印をお願いします。」を見て、通知画面で特定される5枚の用紙に対して、次に実行するための処理を認識することができ、その処理を進めることができる。
【0101】
図9は、第1の実施の形態におけるプリントサービス処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリントサービス処理は、クラウドサーバー300が備えるCPU301が、ROM302、HDD304またはCD−ROM309Aに記憶されたプリントサービスプログラムを実行することにより、CPU301により実行される処理である。
【0102】
ここでは、ユーザーが携帯情報装置200を操作して、クラウドサーバー300によるサービスの提供を受ける場合を例に説明する。
図9を参照して、CPU301は、指示ユーザーの認証に成功したか否かを判断する(ステップS01)。具体的には、ユーザーがクラウドサーバー300によるサービスの提供を受ける操作を携帯情報装置200に入力する場合、携帯情報装置200は、ログイン要求をクラウドサーバー300に送信する。CPU301は、通信部207が、携帯情報装置からログイン要求を受信すると、ログイン要求を送信してきた携帯情報装置200に、ログイン画面を送信する。ログイン画面を受信する携帯情報装置200は、ログイン画面を表示し、指示ユーザーが、ログイン画面に従ってユーザー識別情報およびパスワードを入力すると、ユーザー識別情報およびパスワードをクラウドサーバー300に返信する。CPU301は、HDD304に記憶された登録ユーザー情報を参照して、携帯情報装置200から受信されたユーザー識別情報およびパスワードが登録ユーザー情報として予め登録されていれば、携帯情報装置200を操作するユーザーを認証するが、登録されていなければ認証しない。ユーザーの認証に成功する場合、処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。
【0103】
ステップS02においては、通信部305を制御して、携帯情報装置200に認証成功情報を送信し、処理をステップS03に進める。ステップS12においては、通信部305を制御して、携帯情報装置200に認証エラーを送信し、処理をステップS01に戻す。ここでは、携帯情報装置200を操作するユーザーAが認証された場合を例に説明する。以下の説明では、認証されたユーザーAを指示ユーザーといい、ユーザーAが使用する携帯情報装置200を指示装置という。
【0104】
ステップS03においては、指示情報を受信したか否かを判断する。指示情報は、プリント指示およびメッセージ情報を含む。プリント指示は、処理対象のデータのデータ識別情報と、出力先装置の装置識別情報と、プリント条件とを含む。通信部305が指示情報を受信するまで待機状態となり(ステップS03でNO)、通信部305が指示情報を受信したならば(ステップS03でYES)、処理をステップS04に進める。
【0105】
ステップS04においては、ステップS03で受信した指示情報に含まれる装置識別情報で特定される装置を出力先装置に特定し、処理をステップS05に進める。ここでは、出力先装置としてMFP100が特定される場合を例に説明する。
【0106】
ステップS05においては、プリントデータを生成し、処理をステップS06に進める。具体的には、ステップS03で受信された指示情報に含まれるプリント指示に基づいて、プリントデータを生成する。プリントデータは、プリント指示に含まれるデータ識別情報で特定されるデータをプリント指示に含まれるプリント条件に従ってプリント指示に含まれる装置識別情報で特定される出力先装置が画像形成するためのデータであり、出力先装置が解釈可能なデータである。
【0107】
ステップS06においては、通知情報を生成し、処理をステップS07に進める。具体的には、ステップS05において生成されたプリントデータおよびステップS03で受信された指示情報に含まれるメッセージ情報に基づいて通知情報を生成する。より具体的には、CPU301は、プリントデータから画像形成される画像を抽出し、抽出された画像の全部、または、その画像が複数ページの場合には第1ページの画像と総頁数との組を通知情報に追加する。また、CPU301は、プリント指示に含まれる装置識別情報またはその装置識別情報で特定される出力先装置に付された名称を通知情報に追加する。さらに、CPU301は、指示ユーザーのユーザー識別情報または氏名等の名称を通知情報に追加するようにしてもよい。
【0108】
ステップS07においては、プリント条件にセキュリティプリントが有効に設定されているか否かを判断する。セキュリティプリントが有効に設定されているならば、処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS13に進める。
【0109】
ステップS08においては、ステップS05において生成されたプリントデータにパスワードを付与し、パスワードを付与したプリントデータを、通信部305を制御して、出力先装置であるMFP100に送信し、処理をステップS09に進める。ステップS13においては、ステップS05において生成されたプリントデータを、パスワードを含まない通常のプリントデータとして、通信部305を制御して、出力先装置であるMFP100に送信し、処理をステップS09に進める。
【0110】
ステップS09においては、対象装置決定処理を実行し、処理をステップS10に進める。対象装置決定処理の詳細については後述するが、通知情報を通知すべき対象装置を決定する処理である。ここでは、携帯情報装置200A,200Bが対象装置に決定される場合を例に説明する。ステップS10においては、プッシュ通知が可能な専用のアプリケーションプログラムを実行し、通信部305を制御して、ステップS06で生成した通知情報を携帯情報装置200A,200Bそれぞれに送信し、処理をステップS11に進める。また、対象装置に関連付けられた対象ユーザーに、ステップS06で生成した通知情報を通知するようにしてもよい。具体的には、関連付テーブルを参照して、対象装置に関連付けられた対象ユーザーを決定し、通知情報を含む電子メールを送信する。ここでは、携帯情報装置200A,200Bが対象装置に決定されているので、携帯情報装置200Aを使用するユーザーBと携帯情報装置200Bを使用するユーザーCそれぞれに、同じ電子メールを送信する。
【0111】
ステップS11においては、通信部305を制御して、指示装置に、完了情報を送信し、処理を終了する。完了情報は、指示ユーザーによる指示に従った一連の処理が完了したことを示す情報である。完了情報は、対象ユーザーのユーザー識別情報を含んでもよい。
【0112】
なお、
図9に示したプリントサービス処理においては、ステップS03が実行されたのちにステップS09を実行するようにして、指示ユーザーが指示装置にメッセージを入力した後に、クラウドサーバー300が対象装置を決定するようにしたが、対象装置を決定した後に指示ユーザーが指示装置にメッセージを入力するようにしてもよい。例えば、クラウドサーバー300が、対象装置を決定した後、対象装置に関連付けられた対象ユーザーのユーザー識別情報を指示装置に送信するようにして、指示装置は、クラウドサーバー300から受信する対象ユーザーのユーザー識別情報を表示するようにすれば、指示ユーザーは、対象ユーザーのユーザー識別情報を確認した後に、メッセージを指示装置に入力することができる。このようにすれば、指示ユーザーは、メッセージを入力する前に対象ユーザーを知ることができるので、実際にメッセージが通知されるユーザーが誰であるかを考慮して、メッセージの内容を決定することができる。
【0113】
図10は、対象装置決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。対象装置決定処理は、
図9に示したプリントサービス処理のステップS09において実行される処理である。
図10を参照して、CPU301は、候補ユーザーを特定する(ステップS21)。候補ユーザーは、出力先装置で画像形成された用紙を受け取る候補となるユーザーである。例えば、クラウドサーバー300のサービスの提供を受けることが可能なユーザーとして登録される全てのユーザーを候補ユーザーに特定する。次のステップS22においては、特定された候補ユーザーに対して関連付けられた候補装置の位置情報を取得する。HDD304に記憶された関連付テーブルを参照して、候補装置を特定し、特定した候補装置から位置情報を取得する。具体的には、候補装置に位置情報の送信を要求し、通信部305が候補装置により返信される位置情報を受信すると、位置情報を取得する。候補装置が複数の場合には、複数の候補装置のそれぞれから位置情報を取得する。
【0114】
次のステップS23においては、取得された位置情報で特定される位置と、予め登録された出力先装置の位置とから出力先装置と候補装置との間の距離を算出する。候補装置が複数の場合には、複数の候補装置それぞれと出力先装置との間の距離を算出する。例えば、出力先装置にMFP100が指定されている場合には、MFP100の位置を示す位置情報が予めHDD304に記憶されており、そのMFP100の位置情報と、候補装置から取得された位置情報とに基づいて、出力先のMFP100と候補装置との間の距離を算出する。
【0115】
次のステップS23においては、ステップS22における算出結果に基づいて対象装置に決定し、処理をプリントサービス処理に戻す。具体的には、出力先装置であるMFP100からしきい値LH以内に存在する候補装置を対象装置に決定する。候補装置が複数の場合に、MFP100からしきい値LHの範囲内に存在する候補装置が対象装置に決定され、MFP100からしきい値LHより長い距離だけはなれた候補装置は対象装置に決定されない。
【0116】
図11は、第1の実施の形態におけるプリント指示処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリント指示処理は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれが備えるCPU201が、ROM202、フラッシュメモリ204またはCD−ROM208Aに記憶されたプリント指示プログラムを実行することにより、CPU201によって実行される処理である。また、プリント指示処理は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれが指示装置として機能する場合に実行される処理である。ここでは、携帯情報装置200が指示装置として機能する場合を例に説明する。
【0117】
図11を参照して、CPU201は、ユーザーIDおよびパスワードを受け付けたか否かを判断する(ステップS31)。指示ユーザーがクラウドサーバー300によるサービスの提供を受ける操作を携帯情報装置200に入力する場合、CPU201は、ログイン要求をクラウドサーバー300に送信する。ログイン要求を受信するクラウドサーバー300は、ログイン画面を返信するので、表示部205が、クラウドサーバー300から受信されるログイン画面を表示する。指示ユーザーは、操作部206を操作して、ログイン画面に従ってユーザーIDおよびパスワードを入力可能となる。CPU201は、操作部206がユーザーIDおよびパスワードを受け付けるまで待機状態となり(ステップS31でNO)、ユーザーIDおよびパスワードを受け付けたならば処理をステップS32に進める。
【0118】
ステップS32においては、通信部207を制御して、クラウドサーバー300に、受け付けられたユーザーIDおよびパスワードを含む認証要求を送信し、処理をステップS33に進める。認証要求を受信するクラウドサーバー300は、認証に成功すると認証成功情報を送信し、認証に失敗すると認証エラーを送信する。
【0119】
ステップS33においては、クラウドサーバー300から認証成功情報を受信したか否かを判断する。通信部207が認証成功情報を受信すれば、処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS39に進める。ステップS39においては、クラウドサーバー300から認証エラーを受信したか否かを判断する。通信部207が認証エラーを受信したならば、処理をステップS31に戻すが、そうでなければ処理をステップS33に戻す。
【0120】
ステップS34においては、プリント指示を受け付けたか否かを判断する。例えば、表示部205が、クラウドサーバー300から受信したデータ識別情報のリスト、装置識別情報のリストおよびプリント条件を設定するための設定画面を表示し、指示ユーザーが操作部206を操作して、データ識別情報の選択、装置識別情報の選択、プリント条件を設定すると、プリント指示を受け付ける。プリント指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS34でNO)、プリント指示を受け付けたならば(ステップS34でYES)、処理をステップS35に進める。
【0121】
ステップS35においては、メッセージを受け付けたか否かを判断する。例えば、通信部207がクラウドサーバー300から送信されるメッセージ入力画面を受信する場合、受信されたメッセージ入力画面を表示部205に表示し、指示ユーザーがメッセージ入力画面に従って操作部206に入力するメッセージを受け付ける。メッセージを受け付けるまで待機状態となり(ステップS35でNO)、メッセージを受け付けたならば(ステップS35でYES)、処理をステップS36に進める。
【0122】
ステップS36においては、通信部207を制御して、受け付けたプリント指示およびメッセージ情報を含む指示情報をクラウドサーバー300に送信し、処理をステップS37に進める。メッセージ情報は、ステップS35において受け付けられたメッセージを含む。ステップS37においては、クラウドサーバー300から完了情報を受信したか否かを判断する。クラウドサーバー300は、出力先装置であるMFP100へのプリントデータの送信および対象装置への通知情報の送信が完了すると、携帯情報装置200に完了情報を送信するので、通信部207が完了情報を受信したか否かを判断する。通信部207が完了情報を受信するまで待機状態となり(ステップS37でNO)、通信部207が完了情報を受信したならば(ステップS37でYES)、処理をステップS38に進める。ステップS38においては、受信された完了情報を表示部205に表示し、処理を終了する。指示ユーザーは、完了情報を見て、処理が完了したことを確認することができる。また、完了情報が、対象ユーザーのユーザー識別情報を含む場合には、通知情報の送信先であるユーザーを確認することができる。
【0123】
図12は、第1の実施の形態におけるプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリント処理は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶されたプリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100がプリントプログラムを実行する場合を例に説明する。
図12を参照して、CPU111は、クラウドサーバー300からプリントデータを受信したか否かを判断する(ステップS41)。通信I/F部112がクラウドサーバー300からプリントデータを受信するまで待機状態となり(ステップS41でNO)、通信I/F部112がプリントデータを受信したならば(ステップS41でYES)、処理をステップS42に進める。
【0124】
ステップS42においては、受信されたプリントデータにパスワードが付与されているか否かを判断する。プリント条件としてセキュリティプリントが設定されている場合には、プリントデータにセキュリティのためのパスワードが付与されている。パスワードが付与されているならば、処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をS43に進める。ステップS44においては、プリントデータをHDD115に一時記憶し、処理をステップS45に進める。ステップS45においては、付与されたパスワードが入力されたか否かを判断する。操作部163がパスワードを受け付けるとパスワードが入力されたと判断する。操作されてパスワードが入力されるまで待機状態となり(ステップS45でNO)、パスワードが入力されたならば(ステップS45でYES)、処理をステップS43に進める。ステップS43においては、画像形成部140を制御して、ステップS41において受信されたプリントデータの画像を形成させ、処理をステップS41に戻す。
【0125】
以上説明したように本実施の形態におけるプリントシステム1において、クラウドサーバー300は、指示ユーザーが指示装置である携帯情報装置200を操作して、MFP100,100A,100Bのうちから出力先装置、例えばMFP100を指定したプリント指示を受信すると、プリント指示に基づいてMFP100にプリントさせ、携帯情報装置200,200A,200BのうちMFP100から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定し、対象装置にMFP100によりプリントされた用紙の情報を送信する。例えば、携帯情報装置200Aが,MFP100から所定の距離の範囲に存在する場合には、携帯情報装置200AにMFP100によりプリントされた用紙の情報を送信する。携帯情報装置200Aで、MFP100によりプリントされた用紙の情報を表示するようにすれば、携帯情報装置200Aを所持するユーザーBに、MFP100がプリントしたことを通知することができる。このため、通知を受けたユーザーBは、MFP100まで短時間で移動でき、プリントされた用紙を短時間で受け取ることができ、プリントされた用紙がMFP100に放置されるのを防止することができる。
【0126】
また、クラウドサーバー300は、携帯情報装置200,200A,200Bにそれぞれ対応してユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCを、その装置を操作するユーザーとして関連付けておき、例えばMFP100にプリントさせるプリント指示を、指示装置である例えば携帯情報装置200から受信すると、プリント指示に基づいてMFP100にプリントさせ、携帯情報装置200,200A,200BのうちMFP100から所定の距離の範囲に存在する対象装置を決定し、対象装置に関連付けられたユーザーにMFP100によりプリントされた用紙の情報を通知する。例えば、携帯情報装置200Aが,MFP100から所定の距離の範囲に存在する場合には、携帯情報装置200Aに関連付けられたユーザーB宛ての電子メールであって、MFP100によりプリントされた用紙の情報を含む電子メールを送信する。ユーザーBは、携帯情報装置200Aで受信される電子メールを閲覧することにより、MFP100がプリントしたことを知ることができる。このため、通知を受けたユーザーBは、MFP100まで短時間で移動でき、プリントされた用紙を短時間で受け取ることができ、プリントされた用紙がMFP100に放置されるのを防止することができる。
【0127】
また、通知情報は、指示装置である携帯情報装置200により受け付けられたメッセージを含むので、指示装置である携帯情報装置200を操作するユーザーAが、プリントされた用紙を受け取るユーザー、例えば、ユーザーBまたはユーザーCに対して、メッセージを伝達することができる。
【0128】
また、クラウドサーバー300は、出力装置であるMFP100に対して予め決定された位置と、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれから取得された位置との間の距離を算出するので、クラウドサーバー300は、算出された距離に基づいて、携帯情報装置200,200A,200BのうちからMFP100から所定の距離の範囲に存在する装置を、決定することができる。
【0129】
<第1の変形例>
第1の変形例におけるクラウドサーバー300は、CPU301が有する候補ユーザー特定部355を変更したものである。第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、指示ユーザーと所定の関係にあるユーザーを、候補ユーザーとして選択する。第1の変形例におけるクラウドサーバー300は、サービスの提供を受けることが可能なユーザーとして登録されたユーザーを複数のグループのいずれかに分類する。具体的には、HDD304に記憶された登録ユーザー情報は、そのユーザー識別情報で特定されるユーザーが分類されたグループを表すグループ識別情報を、ユーザー識別情報に関連付ける。グループは、ユーザーが所属する部門としてもよい。さらに、グループは、最も上位の部、部よりも下位の階層の課、および課よりも下位の階層の係のように、階層を構成するようにしてもよい。
【0130】
第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、指示装置にグループ識別情報の一覧を含むグループ選択画面を送信する。グループ選択画面を受信する指示装置は、受信されたグループ選択画面を表示し、指示ユーザーがグループ選択画面に含まれるグループ識別情報の一覧のうちから1以上のグループ識別情報を選択する場合、選択された1以上のグループ識別情報を含む指示情報をクラウドサーバー300に送信する。第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、指示受信部361により受信された指示情報が1以上のグループ識別情報を含む場合、指示情報に含まれる1以上のグループ識別情報でそれぞれ特定される1以上のグループにそれぞれ所属するユーザーを候補ユーザーに特定する。
【0131】
また、第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、指示ユーザーと同じグループに所属するユーザーを候補ユーザーとして特定してもよい。この場合、クラウドサーバー300を管理するユーザーによって、予め同一グループ設定が設定される。第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、同一グループ設定がされている場合、HDD304が記憶する登録ユーザー情報を参照して、認証部353により認証された指示ユーザーが属するグループを特定し、特定したグループに所属するユーザーを候補ユーザーに特定する。候補ユーザーを、指示ユーザーが属するグループと同じグループに属するユーザーとすれば、指示ユーザーと同じグループに属するユーザーにのみプリントされた用紙の情報が通知される。指示ユーザーは、グループまたは候補ユーザーを指定する必要がない。
【0132】
また、第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、指示ユーザーが選択したユーザーを候補ユーザーとして特定してもよい。具体的には、第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、HDD304に記憶された登録ユーザー情報を参照して、サービスの提供を受けることが可能なユーザーとして登録されたユーザーのユーザー識別情報の一覧を含むユーザー選択画面を指示装置に送信する。ユーザー選択画面を受信する指示装置は、ユーザー選択画面を表示し、指示ユーザーがユーザー選択画面に含まれるユーザー識別情報の一覧のうちから1以上のユーザー識別情報を選択すると、選択された1以上のユーザー識別情報を含む指示情報をクラウドサーバー300に送信する。第1の変形例における候補ユーザー特定部355は、指示受信部361により受信された指示情報が1以上のユーザー識別情報を含む場合、1以上のユーザー識別情報で特定されるユーザーを候補ユーザーに特定する。
【0133】
図13は、第1の変形例における対象装置決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13を参照して、CPU301は、ステップS51において、候補ユーザーを特定し、処理をステップS52に進める。指示情報がユーザー識別情報を含む場合には、そのユーザー識別情報で特定されるユーザーを候補ユーザーに特定する。指示情報がグループ識別情報を含む場合には、HDD304に記憶された登録ユーザー情報に基づいて、グループ識別情報で特定されるグループに所属するユーザーを候補ユーザーに特定する。また、同一グループ設定がれている場合には、HDD304に記憶された登録ユーザー情報に基づいて、指示ユーザーが属するグループと同じグループに所属するユーザーを候補ユーザーに特定する
ステップS52においては、特定された候補ユーザーに対して関連付けられた候補装置の位置情報を取得し、処理をステップS53に進める。ステップS53においては、取得した位置情報に基づいて、出力先装置と候補装置との間の距離を算出し、処理をステップS54に進める。
【0134】
ステップS54においては、算出した距離に基づいて、いずれかの候補装置がMFP100から所定の距離の範囲内に存在するか否かを判断する。出力先装置から所定の距離の範囲内に存在する候補装置が存在するならば処理をステップS55に進め、そうでなければ処理をステップS56に進める。出力装置であるMFP100から所定の距離の範囲内に候補装置が存在するならば、その候補装置と関連付けられた候補ユーザーが出力装置であるMFP100によりプリントされた用紙を受取可能であると判断する。出力装置であるMFP100から所定の距離の範囲内に候補装置が存在しないならば、出力装置であるMFP100によりプリントされた用紙を受取可能な候補ユーザーがいないと判断する。
【0135】
ステップS56においては、通信部305を制御して、指示装置に不在情報を送信し、処理をステップS57に進める。不在情報は、出力先装置によりプリントされた用紙を受取可能な候補ユーザーがいないことを表す。指示装置は、不在情報を受信すると、ユーザー識別情報またはグループの再選択を受け付け、ユーザー識別情報またはグループ識別情報を再送信する場合がある。ステップS57においては、指示装置からユーザー識別情報またはグループ識別情報を受信したか否かを判断する。通信部305がユーザー識別情報またはグループ識別情報を受信するまで待機状態となり(ステップS57でNO)、通信部305がユーザー識別情報またはグループ識別情報を受信したならば(ステップS57でYES)、処理をステップS51に戻す。ステップS55においては、出力先装置から所定の距離の範囲内に存在する候補装置を対象装置に決定し、処理をプリントサービス処理に戻す。
【0136】
図14は、第1の変形例におけるプリント指示処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。ここでは、指示ユーザーが候補ユーザーを選択する場合を例に説明する。
図14を参照して、第1の変形例における対象装置決定処理が
図11に示した処理と異なる点は、ステップS35とステップS36との間にステップS61が追加された点、ステップS37の後に、ステップS62〜ステップS64が追加された点である。その他の処理は、
図11に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0137】
ステップS61においては、候補ユーザーの選択を受け付けたか否かを判断する。例えば、クラウドサーバー300から受信されるユーザー選択画面を表示部205に表示し、指示ユーザーが操作部206を操作して、ユーザー選択画面に従ってユーザー識別情報を選択すると、候補ユーザーの選択を受け付ける。候補ユーザーの選択を受け付けるまで待機状態となり(ステップS61でNO)、候補ユーザーの選択を受け付けたならば(ステップS61でYES)、処理をステップS37に進める。ステップS37においては、通信部207を制御して、受け付けたプリント指示、メッセージ情報およびユーザー識別情報を含む指示情報をクラウドサーバー300に送信し、処理をステップS37に進める。
【0138】
ステップS37においては、クラウドサーバー300から完了情報を受信したか否かを判断する。通信部207が完了情報を受信したならば、処理をステップS38に進めるが、そうでなければ、処理をステップS62に進める。ステップS62においては、クラウドサーバー300から不在情報を受信したか否かを判断する。通信部207が不在情報を受信したならば処理をステップS63に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に戻す。
【0139】
ステップS63においては、候補ユーザーの再選択を受け付けたか否かを判断する。例えば、通信部207が不在情報を受信すると、表示部205が、前回受け付けた候補ユーザーが出力先装置の近くにいないことを表示するとともに、他の候補ユーザーを再選択するためのユーザー選択画面を表示する。指示ユーザーが操作部206を操作して、ユーザー選択画面に従ってユーザー識別情報を選択すると、候補ユーザーの再選択を受け付けたと判断する。候補ユーザーの再選択を受け付けるまで待機状態となり(ステップS63でNO)、候補ユーザーの再選択を受け付けたならば(ステップS63でYES)、処理をステップS64に進める。ステップS64においては、クラウドサーバー300に、再選択されたユーザー識別情報を候補ユーザーのユーザー識別情報として送信し、処理をステップS37に戻す。
【0140】
図15は、第1の変形例におけるプリント指示処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。ここでは、指示ユーザーがグループを選択する場合を例に説明する。
図15を参照して、
図14に示した第1の変形例におけるプリント指示処理と異なる点は、ステップS61、ステップS63、ステップS64が、ステップS61A、ステップS63A、ステップS64Aにそれぞれ変更された点である。その他の処理は、
図14に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0141】
ステップS61Aにおいては、グループの選択を受け付けたか否かを判断する。例えば、クラウドサーバー300から受信されるグループ選択画面を表示部205に表示し、指示ユーザーが操作部206を操作して、ユーザー選択画面に従ってグループ識別情報を選択すると、グループの選択を受け付ける。グループの選択を受け付けるまで待機状態となり(ステップS61AでNO)、グループの選択を受け付けたならば(ステップS61AでYES)、処理をステップS36に進める。ステップS36においては、通信部207を制御して、受け付けたプリント指示、メッセージ情報およびグループ識別情報を含む指示情報をクラウドサーバー300に送信し、処理をステップS37に進める。
【0142】
ステップS63Aにおいては、グループの再選択を受け付けたか否かを判断する。例えば、ステップS62において通信部207が不在情報を受信すると、表示部205が、前回受け付けた候補グループに属するユーザーが出力先装置の近くにいないことを表示するとともに、グループ選択画面を表示する。指示ユーザーが操作部206を操作して、グループ選択画面に従ってグループ識別情報を選択すると、グループの再選択を受け付けたと判断する。グループの選択を受け付けるまで待機状態となり(ステップS63AでNO)、グループの選択を受け付けたならば(ステップS63AでYES)、処理をステップS64Aに進める。ステップS64Aにおいては、クラウドサーバー300に、再選択されたグループを識別するためのグループ識別情報を送信し、処理をステップS37に戻す。
【0143】
以上説明したように第1の変形例におけるプリントシステム1において、クラウドサーバー300は、認証された指示ユーザーに対して所定の関係を有する1以上のユーザーを候補ユーザーとして特定し、候補ユーザーに関連付けられた候補装置のうちから対象装置を決定する。そのため、指示ユーザーと所定の関係を有するユーザーにのみ、プリントされた記録媒体の情報が通知されるので、プリントされた記録媒体を無関係なユーザーが受け取ることを防止することができる。候補ユーザーを、指示ユーザーが指定したユーザーとすれば、指示ユーザーが指定したユーザーにのみプリントされた用紙の情報が通知される。また、候補ユーザーを、指示ユーザーが指定したグループに属するユーザーとすれば、指示ユーザーが指定したグループに属するユーザーにのみプリントされた用紙の情報が通知される。指示ユーザーは、グループを指定すればよく、候補ユーザーを指定する必要がない。さらに、候補ユーザーを、指示ユーザーが属するグループと同じグループに属するユーザーとすれば、指示ユーザーと同じグループに属するユーザーにのみプリントされた用紙の情報が通知される。指示ユーザーは、指示ユーザーと同じグループに属するユーザーが出力装置であるMFP100から所定の距離の範囲内に存在しない場合に、グループを指定すればよい。
【0144】
<第2の変形例>
第2の変形例におけるクラウドサーバー300は、候補ユーザーのうち出力先装置から所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーであって、指示ユーザーによって選択されたユーザーが使用する装置を対象装置に特定する。以下、上述した実施の形態と異なる点を主に説明する。
【0145】
図16は、第2の変形例におけるクラウドサーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図16を参照して、第2の変形例におけるクラウドサーバー300が備えるCPU301が有する機能が
図5に示した機能と異なる点は、仮対象装置決定部360、仮対象ユーザー情報送信部362および対象ユーザー情報受信部364が追加された点、関連付部357および対象装置決定部363が関連付部357Aおよび対象装置決定部363Aにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、
図5に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0146】
関連付部357Aは、関連付部357と同様の機能に加えて、HDD305に記憶された関連付テーブルを、対象装置決定部363Aおよび仮対象ユーザー情報送信部362に出力する。
【0147】
仮対象装置決定部360は、位置取得部359から候補ユーザーのユーザー識別情報と、その候補ユーザーが使用する装置から取得された位置情報との組が入力され、指示受信部361から出力先装置の装置識別情報が入力される。ここでは、ユーザーBとユーザーCとが候補ユーザーに決定されている場合を例に説明する。この場合、位置取得部359は、ユーザーBのユーザー識別情報とユーザーBが使用する携帯情報装置200Aから取得された位置情報との組と、ユーザーCのユーザー識別情報とユーザーCが使用する携帯情報装置200Bから取得された位置情報との組と、を仮対象装置決定部360に出力する。
【0148】
仮対象装置決定部360は、候補ユーザーのうち出力先装置から所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーが使用する候補装置を仮対象装置に決定する。出力先装置からから所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーが複数の場合には、複数の候補ユーザーがそれぞれ使用する複数の装置を仮対象装置に決定する。仮対象装置決定部360は、決定した仮対象装置を識別するための装置識別情報を対象装置決定部363Aに出力する。
【0149】
対象装置決定部363Aは、仮対象装置決定部360から仮対象装置の装置識別情報が入力され、仮対象装置を操作するユーザーのうちから指示ユーザーにより選択されたユーザーが使用する装置を対象装置に決定する。対象装置決定部363Aは、仮対象装置決定部360から入力される仮対象装置の装置識別情報を、仮対象ユーザー情報送信部362に出力する。
【0150】
仮対象ユーザー情報送信部362は、仮対象装置決定部360から仮対象装置の装置識別情報が入力されることに応じて、入力された装置識別情報により特定される仮対象装置に関連付けられたユーザーを仮対象ユーザーとして特定し、通信部305を制御して、対象ユーザー選択画面を指示装置に送信する。対象ユーザー選択画面は、特定された仮対象ユーザーを識別するためのユーザー識別情報を選択可能に表示する画面である。指示装置は、対象ユーザー選択画面を受信すると、対象ユーザー選択画面を表示部205に表示し、指示ユーザーが対象ユーザー選択画面に従ってユーザー識別儒情報を選択すると、指示装置は、選択されたユーザー識別情報を返信する。
【0151】
対象ユーザー情報受信部364は、通信部305が指示装置からのユーザー識別情報を受信することに応じて、受信されたユーザー識別情報を対象装置決定部363Aに出力する。対象装置決定部363Aは、対象ユーザー情報受信部364から入力されたユーザー識別情報により特定されるユーザーを対象ユーザーに決定し、対象ユーザーに関連付けられた装置を対象装置に決定する。
【0152】
図17は、第2の変形例における対象装置決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17を参照して、第2の変形例における対象装置決定処理が
図13に示した処理と異なる点は、ステップS54とステップS55との間にステップS58〜S60が追加された点、ステップS55がステップS55Aに変更された点である。その他の処理は、
図13に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0153】
ステップS58においては、候補装置のうち、出力先装置であるMFP100から所定の距離の範囲内に存在する候補装置を仮対象装置として特定する。次のステップS59においては、通信部305を制御して、対象ユーザー選択画面を、指示装置に送信し、処理をステップS60に進める。対象ユーザー選択画面は、仮対象装置に関連付けられたユーザーを識別するためのユーザー識別情報を選択可能な画面である。
【0154】
ステップS60においては、指示装置からユーザー識別情報を受信したか否かを判断する。通信部305がユーザー識別情報を受信するまで待機状態となり(ステップS60でNO)、通信部305がユーザー識別情報を受信したならば(ステップS60でYES)、処理をステップS55Aに進める。ステップS55Aにおいては、指示装置から受信したユーザー識別情報により特定されるユーザーに関連付けられた装置を対象装置に決定し、処理をプリントサービス処理に戻す。
【0155】
なお、ステップS51に代えて、
図10のステップS21と同様に、登録された全てーのユーザーを候補ユーザーに特定してもよい。この場合、指示ユーザーは、候補ユーザーを指定する必要がないので、より簡単にプリント指示を行うことができる。また、指示ユーザーは、出力先装置の近くにいる仮対象ユーザーから対象ユーザーを選択することができるので、無関係なユーザーに通知情報が送信されることが防止される。
【0156】
図18は、第2の変形例におけるプリント指示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18を参照して、第2の変形例におけるプリント指示処理が
図14に示した処理と異なる点は、ステップS36と、ステップS37との間に、ステップS71〜S74が追加された点である。その他の処理は、
図14に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0157】
ステップS71においては、クラウドサーバー300から対象ユーザー選択画面を受信したか否かを判断する。通信部207が対象ユーザー選択画面を受信したならば処理をステップS72に進めるが、そうでなければ処理をステップS62に進める。ステップS72においては、表示部205を制御して、通信部207が受信した対象ユーザー選択画面を表示し、処理をステップS73に進める。ステップS73においては、対象ユーザーの選択を受け付けたか否かを判断する。対象ユーザーの選択を受け付けるまで待機状態となり(ステップS73でNO)、対象ユーザーの選択を受け付けたならば(ステップS73でYES)、処理をステップS74に進める。例えば、指示ユーザーが操作部206を操作して、対象ユーザー選択画面に含まれるユーザー識別情報のリストから1以上のユーザー識別情報を選択すると、選択されたユーザー識別情報で特定されるユーザーを対象ユーザーとして選択する。
【0158】
ステップS74においては、通信部207を制御して、クラウドサーバー300に対象ユーザーのユーザー識別情報を送信し、処理をステップS37に進める。ステップS37においては、クラウドサーバー300から完了情報を受信したか否か判断する。通信部207が完了情報を受信するまで待機状態となり(ステップS37でNO)、通信部207が完了情報を受信したならば(ステップS37でYES)、処理を終了する。
【0159】
第2の変形例におけるプリントシステム1において、クラウドサーバー300が、候補ユーザーに関連付けられた携帯情報装置200A,200Bのうち、出力装置であるMFP100から所定の距離の範囲に存在する装置を仮対象装置として特定し、さらに、仮対象装置に関連付けられた仮対象ユーザーのうちから指示ユーザーにより選択された仮対象ユーザーに関連付けられた仮対象装置を対象装置に決定する。このため、指示ユーザーは、出力先装置であるMFP100の近くにいる候補ユーザーのうちからプリントされた用紙の情報を通知するユーザーを限定することができるので、プリントされた用紙を所望のユーザーに受け取らせることができる。
【0160】
<第3の変形例>
上述した実施の形態においては、クラウドサーバー300は、候補装置から受信した位置情報と、出力先装置に対して予め記憶された位置情報とに基づいて、候補装置と出力先装置との間の距離を取得するが、他の方法により候補装置と出力先装置との間の距離を取得してもよい。
【0161】
ここでは、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれが、短距離無線通信機能を有する無線通信部を備える場合を例に説明する。短距離無線通信機能を有する無線通信部は、例えば、IrDA(Infrared Data Association)の通信規格、またはBluetooth(登録商標)等の通信規格を用いることができる。この場合、MFP100,100A,100Bそれぞれは、無線通信部が、携帯情報装置200,200A,200Bのうち通信可能な装置との間の通信に用いる電波の強度に基づいて、通信相手の装置との間の距離を取得する。
【0162】
図19は、第3の変形例におけるクラウドサーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図19を参照して、第3の変形例におけるクラウドサーバー300が備えるCPU301が有する機能が
図5に示した機能と異なる点は、位置取得部359および対象装置決定部363が距離取得部359Aおよび対象装置決定部363Aにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、
図5に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0163】
図19を参照して、第3の変形例における距離取得部359Aは、候補ユーザー特定部355から候補ユーザーのユーザー識別情報が入力され、関連付部357から関連付テーブルが入力され、指示受信部361から出力先装置の装置識別情報が入力される。第3の変形例における距離取得部359Aは、指示受信部361から入力される装置識別情報から出力先装置を特定し、出力先装置に距離情報の送信を依頼する。例えば、MFP100が出力先装置に指定されている場合、距離取得部359Aは、通信部305を介して出力先装置であるMFP100に距離情報を要求する。MFP100は、距離情報が要求されると、無線通信部を介して、通信可能な装置を探索し、通信可能な装置との間の距離を取得し、通信可能な装置の装置識別情報と取得された距離との組を、クラウドサーバー300に返信する。例えば、MFP100は、が携帯情報装置200A,200Bと通信可能な場合、MFP100は、携帯情報装置200Aの装置識別情報と距離との組と、携帯情報装置200Bの装置識別情報と距離との組と、を返信する。距離取得部359Aは、通信部305が出力先装置であるMFP100から受信する装置識別情報と距離との組を取得する。
【0164】
距離取得部359Aは、関連付部357から入力される関連付テーブルを参照して、候補ユーザーが使用する装置を特定し、出力先装置であるMFP100から受信された装置識別情報と距離との組のうちから候補ユーザーのユーザー識別情報を含む組を抽出することにより、候補ユーザーと出力先装置との間の距離を決定する。距離取得部359Aは、出力先装置であるMFP100から受信された装置識別情報と距離との組のうちに、候補ユーザーのユーザー識別情報を含む組が存在しない場合には、その候補ユーザーと出力先装置との間の距離を決定しない。距離取得部359Aは、出力先装置との間の距離が決定された候補ユーザーのユーザー識別情報と、決定された出力先装置との間の距離との組を、対象装置決定部363に出力する。ここでは、ユーザーBとユーザーCとが候補ユーザーに決定されているので、距離取得部359Aは、ユーザーBのユーザー識別情報とユーザーBが使用する携帯情報装置200Aと組になる距離との組と、ユーザーCのユーザー識別情報とユーザーCが使用する携帯情報装置200Bと組になる距離との組と、を対象装置決定部363に出力する。
【0165】
対象装置決定部363Aは、指示受信部361から出力先装置の装置識別情報が入力され、距離取得部359Aから1以上の候補ユーザーそれぞれのユーザー識別情報と距離との組が入力される。対象装置決定部363Aは、候補ユーザーのうち出力先装置から所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーが使用する装置を対象装置に決定する。出力先装置からから所定の距離の範囲に位置する候補ユーザーが複数の場合には、複数の候補ユーザーがそれぞれ使用する複数の装置を対象装置に決定する。
【0166】
ここでは、出力先装置は、MFP100であり、候補ユーザーは、ユーザーBおよびユーザーCである。対象装置決定部363Aは、距離取得部359Aから入力されるユーザー識別情報と距離との組のうちから距離が予め定められたしきい値LH以下ならば、その組に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーに関連付けた装置をユーザーBが使用する携帯情報装置200Aを対象装置に決定する。対象装置決定部363Aは、決定した対象装置を識別するための装置識別情報を通知部365に出力する。
【0167】
第3の変形例におけるプリントシステム1において、出力先装置であるMFP100が、携帯情報装置200,200A,200Bのうち通信可能な装置と通信する際の電波強度に基づいて通信可能な装置との間の距離を決定し、クラウドサーバー300は、MFP100から所定の距離の範囲に存在する装置と、その装置とMFP100との間の距離の組とをMFP100から取得する。このため、クラウドサーバー300は、MFP100によって決定された距離に基づいて、携帯情報装置200,200A,200BのうちでMFP100から所定の距離の範囲に存在する装置を容易に決定することができる。
【0168】
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、指示ユーザーが、例えば、顧客先等の外出先で携帯情報装置200を用いてクラウドサーバー300に記憶されたデータを変更して契約書を作成し、社内のMFP100を出力先装置に指定したプリント指示をクラウドサーバー300に送信すると、MFP100において、指示ユーザーが指定したデータの画像が形成されるとともに、MFP100からしきい値LH以内の距離に存在する対象装置、例えば、携帯情報装置200A,200Bをそれぞれ使用するユーザーBおよびユーザーCに、クラウドサーバー300から通知情報が通知される。ユーザーBは携帯情報装置200Aが表示する通知画面を確認し、ユーザーCは携帯情報装置200Bが表示する通知画面を確認する。ユーザーBおよびユーザーCは、通知画面が表示された時点でMFP100からしきい値LH以内に位置するので、MFP100が画像形成した契約書の用紙を即座に受け取ることができる。また、通知画面は、指示ユーザーのユーザー識別情報を含むので指示ユーザーが誰であるかを即座に認識することができる。また、通知画面は、メッセージを含むのでメッセージとして、契約書への押印の指示があれば、対象ユーザーが、そのメッセージに従って、契約書への押印を即座に行うことができる。したがって、指示ユーザーであるユーザーAは、社内に戻った際に押印済みの契約書を遅滞なく受け取ることができ、契約手続きを効率良く進めることができる。
【0169】
あるいは、社内で会議が行われている際に、社外にいる指示ユーザーが、指示装置を用いてクラウドサーバー300に記憶された会議資料の修整を行い、出力先装置を社内のMFP100に指定して、クラウドサーバー300にプリント指示を送信する。この場合、社内にいる対象ユーザーは、MFP100がプリントした会議資料を即座に受け取り、会議の参加者に、修整後の会議資料を配布することができる。これにより、会議の進行を妨げることなく会議資料の差し替えを円滑に行うことができる。
【0170】
なお、本実施の形態におけるプリントシステム1においては、クラウドサーバー300が、プリントサーバーとして機能する場合を例に説明したが、クラウドサーバー300Aをプリントサーバーとして機能させ、クラウドサーバー300は、プリントサーバーであるクライドサーバー300Aからプリント指示を受信するようにしてもよい。この場合には、クラウドサーバー300は、プリントデータを生成する機能を有する必要はない。
【0171】
なお、上述した実施の形態においては、クラウドサーバー300に記憶されたデータを、MFP100,100A,100Bのいずれでプリントさせる場合を例に説明したが、携帯情報装置200,200A,200Bのいずれか、または、LAN3またはインターネット5に接続されたPCに記憶されたデータを、MFP100,100A,100Bのいずれでプリントさせるようにしてもよい。この場合には、データをプリントさせる指令は、携帯情報装置200,200A,200B、または、PCからMFP100,100A,100Bに送信される。また、画像形成装置の一例として、MFPを例に説明したが、プリンターまたはファクシミリ装置であってもよい。
【0172】
さらに、上述した実施の形態においては、プリントシステム1について説明したが、
図9、
図10、
図13、
図17に示した処理をクラウドサーバー300,300Aに実行させ、
図11、
図14、
図15、
図18に示した処理を携帯情報装置200,200A,200Bに実行させ、
図12に示した処理をMFP100,100A,100Bに実行させるプリント制御方法および、そのプリント制御方法をクラウドサーバー300,300A、携帯情報装置200,200A,200B、MFP100,100A,100Bが備えるCPUに実行させるプリント制御プログラムとして捉えることができるのは言うまでもない。
【0173】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0174】
<付記>
(1) 前記サーバーは、
ユーザーを認証する認証手段と、
前記複数の携帯情報装置にそれぞれ関連付けられた複数のユーザーのうち前記認証手段により認証された指示ユーザーに対して所定の関係を有する1以上のユーザーを候補ユーザーとして特定する候補ユーザー特定手段と、を備え、
前記対象装置決定手段は、前記複数の携帯情報装置のうち前記1以上の候補ユーザーにそれぞれ関連付けられた1以上の携帯情報装置であって前記画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する装置を前記対象装置に決定する、請求項2に記載のプリントシステム。
(2) 前記サーバーは、前記1以上の候補ユーザーにそれぞれ関連付けられた1以上の携帯情報装置のうち前記画像形成装置から所定の距離の範囲に存在する1以上の装置を仮対象装置として特定する仮対象装置特定手段をさらに備え、
前記対象装置決定手段は、前記1以上の仮対象装置にそれぞれ関連付けられた1以上の仮対象ユーザーのうちから前記指示ユーザーにより選択された1以上の仮対象ユーザーにそれぞれ関連付けられた1以上の仮対象装置を前記対象装置に決定する、請求項3に記載のプリントシステム。
(3) 前記指示装置は、メッセージを受け付けるメッセージ受付手段と、
前記受け付けられたメッセージを前記プリント指示とともに前記サーバーに送信するメッセージ送信手段と、を備え、
前記記録媒体の情報は、前記メッセージ受付手段により受け付けられたメッセージを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のプリントシステム。
(4) 前記複数の携帯情報装置それぞれの位置を取得する位置取得手段を、さらに備え、
前記対象装置決定手段は、前記画像形成装置に対して予め決定された位置と、前記位置取得手段により前記複数の携帯情報装置それぞれに対応して取得された位置との間の距離を算出する、請求項1〜5のいずれかに記載のプリントシステム。
(5) 前記画像形成装置は、前記複数の携帯情報装置のいずれかと通信する通信手段と、
前記通信手段が前記複数の携帯情報装置のいずれかと通信する際の電波強度に基づいて、前記複数の携帯情報装置それぞれとの間の距離を決定する距離決定手段と、を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のプリントシステム。