(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る内線電話システムの概略構成図である。
【0014】
図示するように、本実施の形態に係る内線電話システムは、それぞれ異なるプライベートネットワーク(LAN)4−1、4−2(以下、単にプライベートネットワーク4とも呼ぶ)上に構築された複数のサブ内線電話システム1−1、1−2(以下、単にサブ内線電話システム1とも呼ぶ)を備えて構成される。サブ内線電話システム1は、プライベートネットワーク4に帰属する少なくとも1台の無線電話端末2−1〜2−6(以下、単に無線電話端末2とも呼ぶ)と、プライベートネットワーク4を通信パケット網(WAN)5に接続するモバイルルータ3と、を有する。
【0015】
各無線電話端末2は、呼制御サーバ機能およびブリッジ機能を有し、同じプライベートネットワーク4に帰属する無線電話端末2のうち、いずれかの無線電話端末2は、呼制御サーバ機能を有効にしてIP電話網6に接続し、同じプライベートネットワーク4に帰属している無線電話端末2(自無線電話端末2を含む)の呼制御を実施する。これにより、同じプライベートネットワーク4に帰属している無線電話端末2間でサブ内線電話システム1を構築している。
【0016】
図1では、無線電話端末2−1が呼制御サーバ機能を有効にしてIP電話網6に接続し、同じプライベートネットワーク4−1に帰属している無線電話端末2−1〜2−3の呼制御を実施することにより、サブ内線電話システム1−1を構築している。また、無線電話端末2−4が呼制御サーバ機能を有効にしてIP電話網6に接続し、同じプライベートネットワーク4−2に帰属している無線電話端末2−4〜2−6の呼制御を実施することにより、サブ内線電話システム1−2を構築している。
【0017】
また、同じサブ内線電話システム1を構成する無線電話端末2のうち、いずれかの無線電話端末2は、ブリッジ機能を有効にして、他のサブ内線電話システム1のブリッジ機能を有効にした無線電話端末2と通信パケット網5経由でブリッジ接続する。ここで、無線電話端末2は、通信パケット網5に接続されたSTUN(Session Traversal Utilities for NATs)サーバ8から、通信パケット網5におけるアドレス情報を取得し、SMS(Short Message Service)網7を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2と、通信パケット網5におけるアドレス情報を交換する。そして、各サブ内線電話システム1の呼制御サーバ機能を有効にした無線電話端末2は、他のサブ内線電話システム1の無線電話端末2に対する呼を、ブリッジ接続を介して、他のサブ内線電話システム1の呼制御サーバ機能を有効にした無線電話端末2へ中継する。これにより、異なるプライベートネットワーク4に構築されたサブ内線電話システム1を連携させて、内線電話システムを構築している。
【0018】
図1では、無線電話端末2−2、2−5がブリッジ機能を有効にして、通信パケット網5経由で互いにブリッジ接続することにより、サブ内線電話システム1−1、1−2を連携させて内線電話システムを構築している。
【0019】
図2は、本実施の形態におけるサブ内線電話システム1の構築動作例を説明するためのシーケンス図である。ここで、無線電話端末2−1〜2−3は、いずれも初期状態において、サブ内線電話システム1−1に加入しておらず、また、呼制御サーバ機能を無効にしているものとする。なお、ここでは、無線電話端末2−1〜2−3がサブ内線電話システム1−1を構築する場合を説明しているが、無線電話端末2−4〜2−6がサブ内線電話システム1−2を構築する場合も同様である。
【0020】
まず、無線電話端末2−1が、ユーザから内線加入操作を受け付けたとする(S100)。これを受けて、無線電話端末2−1は、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末2から帰属許可通知が送られてくるまで、自無線電話端末2−1が帰属しているプライベートネットワーク4−1に帰属要求を複数回繰り返し同報送信する(S101)。しかし、この時点において、サブ内線電話システム1−1に加入している無線電話端末2は存在しないため、帰属許可通知は送られてこない。
【0021】
つぎに、無線電話端末2−1は、帰属許可通知が送られてくることなく、所定時間の経過によりタイムアウトすると(S102)、呼制御サーバ機能を有効にして(S103)、IP電話網6(具体的にはIP電話網6上の図示していない呼制御サーバ)に、サブ内線電話システム1−1の外線番号および自無線電話端末2−1のアドレス情報を含む登録要求を送信する(S104)。その後、IP電話網6への登録が完了し(S105)、完了通知を受信したならば(S106)、無線電話端末2−1は、自身の内線番号およびプライベートネットワーク4−1上のアドレス情報を含む端末情報を呼制御対象の端末情報として登録するとともに、自無線電話端末2−1が帰属しているプライベートネットワーク4−1にサーバ起動通知を同報送信する(S107)。
【0022】
その後、無線電話端末2−2がユーザから内線加入操作を受け付けたとする(S108)。これを受けて、無線電話端末2−2は、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末2から帰属許可通知が送られてくるまで、自無線電話端末2−2が帰属しているプライベートネットワーク4−1に帰属要求を複数回繰り返し同報送信する(S109)。ここで、無線電話端末2−1は、呼制御サーバ機能を有効にしているので、帰属要求を受信すると、この帰属要求の送信元である無線電話端末2−2に帰属許可通知を送信する(S110)。
【0023】
無線電話端末2−2は、無線電話端末2−1から帰属許可通知を受信すると、この無線電話端末2−1をサブ内線電話システム1−1の呼制御サーバとして登録する。また、自無線電話端末2−2の内線番号およびアドレス情報を含む登録要求を無線電話端末2−1に送信する(S111)。
【0024】
これを受けて、無線電話端末2−1は、無線電話端末2−2の内線番号およびアドレス情報を呼制御対象の端末情報として登録する(S112)。
【0025】
その後、無線電話端末2−3がユーザから内線加入操作を受け付けたとする(S113)。これを受けて、無線電話端末2−3は、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末2から帰属許可通知が送られてくるまで、自無線電話端末2−3が帰属しているプライベートネットワーク4−1に帰属要求を複数回繰り返し同報送信する(S114)。ここで、無線電話端末2−1は、呼制御サーバ機能を有効にしているので、帰属要求を受信すると、この帰属要求の送信元である無線電話端末2−3に帰属許可通知を送信する(S115)。
【0026】
無線電話端末2−3は、無線電話端末2−1から帰属許可通知を受信すると、この無線電話端末2−1をサブ内線電話システム1−1の呼制御サーバとして登録する。また、自無線電話端末2−3の内線番号およびアドレス情報を含む登録要求を無線電話端末2−1に送信する(S116)。
【0027】
これを受けて、無線電話端末2−1は、無線電話端末2−3の内線番号およびアドレス情報を呼制御対象の端末情報として登録する(S117)。
【0028】
以上により、同じプライベートネットワーク4−1に帰属している無線電話端末2−1〜2−3間において、無線電話端末2−1を呼制御サーバとして、サブ内線電話システム1−1が構築される。
【0029】
図3は、本実施の形態におけるサブ内線電話システム1のブリッジ接続動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0030】
サブ内線電話システム1−1において、無線電話端末2−2は、SMS網7における他のサブ内線電話システム1−2の無線電話端末2−5のアドレス情報(例えば電話番号)の指定を伴うブリッジ操作をユーザから受け付けると(S120)、自無線電話端末2−2のブリッジ機能を有効(active設定)にする(S121)。
【0031】
それから、無線電話端末2−2は、通信パケット網5上のSTUNサーバ8に対して、STUNプロトロルに従った手順を実施して(S122)、ブリッジ接続に必要な通信パケット網5上のアドレス情報(グローバルIPアドレス、ポート番号)をSTUNサーバ8から取得する(S123)。
【0032】
その後、無線電話端末2−2は、SMS網7を介して、ユーザのブリッジ操作で指定されたアドレス情報により特定される無線電話端末2−5に、STUNサーバ8から取得した自無線電話端末2−2のアドレス情報と、乱数等を用いて生成した任意の秘密コードと、を含むアドレスアクティブ通知を送信する(S124)。
【0033】
サブ内線電話システム1−2において、無線電話端末2−5は、SMS網7を介して無線電話端末2−2からアドレスアクティブ通知を受信すると、自無線電話端末2−5のブリッジ機能を有効(passive設定)にする(S125)。
【0034】
それから、無線電話端末2−5は、通信パケット網5上のSTUNサーバ8に対して、STUNプロトロルに従った手順を実施して(S126)、ブリッジ接続に必要な通信パケット網5上のアドレス情報(グローバルIPアドレス、ポート番号)をSTUNサーバ8から取得する(S127)。
【0035】
その後、無線電話端末2−5は、SMS網7を介して、アドレスアクティブ通知の送信元である無線電話端末2−2に、STUNサーバ8から取得した自無線電話端末2−5のアドレス情報と、乱数等を用いて生成した任意の秘密コードと、を含むアドレスパッシブ通知を送信する(S128)。
【0036】
つぎに、無線電話端末2−5は、通信パケット網5を介して、SMS網7経由で無線電話端末2−2から取得したアドレスアクティブ通知に含まれているアドレス情報により特定される無線電話端末2−2に、STUNサーバ8から取得した自無線電話端末2−5のアドレス情報と、SMS網7経由で無線電話端末2−2から取得したアドレスアクティブ通知に含まれている秘密コードと、を含むブリッジ接続要求を、無線電話端末2−2からブリッジ接続確認が送られてくるまで送信する(S129)。
【0037】
同様に、無線電話端末2−2は、SMS網7経由で無線電話端末2−5からアドレスパッシブ通知を受信すると、通信パケット網5を介して、この無線電話端末2−5から取得したアドレスパッシブ通知に含まれているアドレス情報により特定される無線電話端末2−5に、STUNサーバ8から取得した自無線電話端末2−2のアドレス情報と、SMS網7経由で無線電話端末2−5から取得したアドレスパッシブ通知に含まれている秘密コードと、を含むブリッジ接続要求を、無線電話端末2−5からブリッジ接続確認が送られてくるまで送信する(S130)。
【0038】
無線電話端末2−2は、通信パケット網5を介して無線電話端末2−5からブリッジ接続要求を受信すると、このブリッジ接続要求に含まれている秘密コードが、自無線電話端末2−2がSMS網7経由で無線電話端末2−5に送信したアドレスアクティブ通知に含めた秘密コードと一致することを確認して、無線電話端末2−5にブリッジ接続確認を送信する(S131)。それから、無線電話端末2−5からブリッジ接続確認が送られてくるのを待つ。
【0039】
一方、無線電話端末2−5は、通信パケット網5を介して無線電話端末2−2からブリッジ接続要求を受信すると、このブリッジ接続要求に含まれている秘密コードが、自無線電話端末2−5がSMS網7経由で無線電話端末2−2に送信したアドレスパッシブ通知に含めた秘密コードと一致することを確認して、無線電話端末2−2にブリッジ接続確認を送信する(S132)。無線電話端末2−5は、無線電話端末2−2からのブリッジ接続確認を送信した後、自無線電話端末2−5が参加するサブ内線電話システム1−2において呼制御サーバとして機能している無線電話端末2−4に、ブリッジ接続に利用するプライベートネットワーク4−2上のアドレス情報(プライベートIPアドレス、ポート番号)を含むブリッジ登録要求を送信する(S133)。これを受けて、無線電話端末2−4は、ブリッジ登録要求に含まれているアドレス情報をブリッジ登録端末のアドレス情報として登録する(S134)。
【0040】
また、無線電話端末2−5からのブリッジ接続確認を所定時間内に受信した無線電話端末2−2は、自無線電話端末2−2が参加するサブ内線電話システム1−1において呼制御サーバとして機能している無線電話端末2−1に、ブリッジ接続に利用するプライベートネットワーク4−1上のアドレス情報(プライベートIPアドレス、ポート番号)を含むブリッジ登録要求を送信する(S135)。これを受けて、無線電話端末2−1は、ブリッジ登録要求に含まれているアドレス情報をブリッジ登録端末のアドレス情報として登録する(S136)。
【0041】
以上により、無線電話端末2−2および無線電話端末2−5を介して、サブ内線電話システム1−1およびサブ内線電話システム1−2がブリッジ接続される。
【0042】
図4は、本実施の形態における内線電話システムの内線発着信動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0043】
サブ内線電話システム1−1において、無線電話端末2−3は、無線電話端末2−6の内線番号の指定を伴う発信操作をユーザから受け付けると(S140)、通話データの送受信に使用するメディアポートを開設してから、この内線番号を発信先番号、自無線電話端末2−3の内線番号を発信元番号とする接続要求を、呼制御サーバである無線電話端末2−1に送信する(S141)。この接続要求は、通話データの送受信に使用するメディア情報として、無線電話端末2−3が開設したメディアポートのアドレス情報を含んでいる。無線電話端末2−1は、無線電話端末2−3から接続要求を受信すると、この接続要求で指定されている発信先番号が、自無線電話端末2−1が管理するサブ内線電話システム1−1の無線電話端末2−1〜2−3以外の内線番号であることを確認し、ブリッジ登録端末である無線電話端末2−2に、この接続要求を送信する(S142)。
【0044】
つぎに、無線電話端末2−2は、ブリッジ登録端末として、呼制御サーバである無線電話端末2−1からの接続要求を受信すると、メディアゲートウェイ(MGW)を起動する(S143)。メディアゲートウェイは、サブ内線電話システム1−1側と通信パケット網5側とにそれぞれメディアポートを開設して、この二つのメディアポートを接続することで通話データを中継する。それから、無線電話端末2−2は、この接続要求内のメディア情報に含まれているアドレス情報を取り出し、これをメディアゲートウェイのサブ内線電話システム1−1側のメディアポートの送受信先アドレス情報として設定するとともに、このメディア情報に含まれているアドレス情報をゲートウェイの通信パケット網5側のメディアポートのアドレス情報に変換する。それから、無線電話端末2−2は、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2−5に、このアドレス情報が変換された接続要求を送信する(S144)。
【0045】
サブ内線電話システム1−2において、無線電話端末2−5は、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2−2から接続要求を受信すると、メディアゲートウェイ(MGW)を起動する(S145)。メディアゲートウェイは、サブ内線電話システム1−2側と通信パケット網5側にそれぞれメディアポートを開設して、この二つのメディアポートを接続することで通話データを中継する。つぎに、無線電話端末2−5は、この接続要求内のメディア情報に含まれるアドレス情報を取り出し、これをメディアゲートウェイの通信パケット網5側のメディアポートの送受信先アドレス情報として設定し、この接続要求のメディア情報に含まれるアドレス情報をゲートウェイのサブ内線電話システム1−2側のメディアポートのアドレス情報に変換する。それから、無線電話端末2−2は、このアドレス情報が変換された接続要求を、呼制御サーバである無線電話端末2−4に送信する(S146)。無線電話端末2−4は、ブリッジ登録端末である無線電話端末2−5から接続要求を受信すると、この接続要求で指定されている発信先番号が、自無線電話端末2−4が管理するサブ内線電話システム1−2の無線電話端末2−6の内線番号であることを確認して、この接続要求を無線電話端末2−6に送信する(S147)。
【0046】
無線電話端末2−6は、呼制御サーバである無線電話端末2−4から接続要求を受信すると着信鳴動を開始する(S148)。それから、無線電話端末2−6は、呼制御サーバである無線電話端末2−4に呼出通知を送信する(S149)。無線電話端末2−4は、無線電話端末2−6から受信した呼出通知を無線電話端末2−5に送信する(S150)。これを受けて、無線電話端末2−5は、この呼出通知を、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2−2に送信する(S151)。
【0047】
サブ内線電話システム1−1において、無線電話端末2−2は、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2−5から呼出通知を受信すると、この呼出通知を、呼制御サーバである無線電話端末2−1に送信する(S152)。無線電話端末2−1は、ブリッジ登録端末である無線電話端末2−2から呼出通知を受信すると、この呼出通知を、接続要求元である無線電話端末2−3に送信する(S153)。これを受けて、無線電話端末2−3は、リングバックトーン(RBT)を出力する(S154)。
【0048】
つぎに、サブ内線電話システム1−2において、無線電話端末2−6は、ユーザから応答操作を受け付けると(S155)、通話データの送受信に使用するメディアポートを開設してから、呼制御サーバである無線電話端末2−4に接続応答を送信する(S156)。この接続応答は、通話データの送受信に使用するメディア情報として、無線電話端末2−6が開設したメディアポートのアドレス情報を含んでいる。無線電話端末2−4は、無線電話端末2−6から受信した接続応答を無線電話端末2−5に送信する(S157)。これを受けて、無線電話端末2−5は、この接続応答内のメディア情報に含まれているアドレス情報を取り出し、これをメディアゲートウェイのサブ内線電話システム1−2側のメディアポートの送受信先アドレス情報として設定するとともに、このメディア情報に含まれているアドレス情報をゲートウェイの通信パケット網5側のメディアポートのアドレス情報に変換する。それから、無線電話端末2−5は、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2−2に、このアドレス情報が変換された接続応答を送信する(S158)。
【0049】
つぎに、サブ内線電話システム1−1において、無線電話端末2−2は、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2−5から接続応答を受信すると、この接続応答内のメディア情報に含まれているアドレス情報を取り出し、これをメディアゲートウェイの通信パケット網5側のメディアポートの送受信先アドレス情報として設定するとともに、このメディア情報に含まれているアドレス情報をゲートウェイのサブ内線電話システム1−1側のメディアポートのアドレス情報に変換する。それから、無線電話端末2−2は、このアドレス情報が変換された接続応答を、呼制御サーバである無線電話端末2−1に送信する(S159)。無線電話端末2−1は、ブリッジ登録端末である無線電話端末2−2から接続応答を受信すると、この接続応答を、接続要求元である無線電話端末2−3に送信する(S160)。
【0050】
以上により、メディアゲートウェイとして機能する無線電話端末2−2、2−5を介して、発信元である無線電話端末2−3と発信先である無線電話端末2−6との間に通話路が確立される(S161、S162)。
【0051】
つぎに、無線電話端末2の詳細を説明する。なお、モバイルルータ3は、既存の装置を利用できるので、その詳細な説明を省略している。
【0052】
図5は、無線電話端末2の概略機能構成図である。
【0053】
図示するように、無線電話端末2は、無線インターフェース部200と、マンマシンインターフェース部201と、PN通信部202と、IP電話網通信部203と、SMS網通信部204と、MGW処理部205と、STUNクライアント処理部206と、IP電話機能部207と、呼制御サーバ機能部208と、ブリッジ機能部209と、主制御部210と、を備えている。
【0054】
無線インターフェース部200は、通信パケット網5、IP電話網6、およびSMS網7と無線通信するためのインターフェースである。
【0055】
マンマシンインターフェース部201は、ユーザが電話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、マイクと、スピーカと、ダイヤルキー等の操作部と、LCD、LED等のディスプレイと、を備える。
【0056】
PN通信部202は、無線インターフェース部200およびモバイルルータ3を介して、自無線電話端末2と同じプライベートネットワーク4に参加している他の無線電話端末2との通信を制御する。
【0057】
IP電話網通信部203は、無線インターフェース部200を介してIP電話網6との通信を制御する。
【0058】
SMS網通信部204は、無線インターフェース部200を介してSMS網7との通信を制御する。
【0059】
MGW処理部205は、自無線電話端末2が参加するサブ内線電話システム1内の無線電話端末2(自無線電話端末2を含む)の通話路を通信パケット網5に接続するための処理を行う。これにより、メディアゲートウェイとしての機能を実現する。
【0060】
STUNクライアント処理部206は、通信パケット網5上のSTUNサーバ8に対してSTUNプロトロルに従った手順を実施して、ブリッジ接続に必要な通信パケット網5上のアドレス情報(グローバルIPアドレス、ポート番号)をSTUNサーバ8から取得する。
【0061】
IP電話機能部207は、IP電話機の機能を実現するために必要な処理を行う。具体的には、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従い、呼制御サーバ経由で通信相手(IP電話網6あるいは他の無線電話端末2)と呼制御メッセージをやり取りすることにより、通話路の確立・解放を実施する。また、RTP(Realtime Transport Protocol)等の伝送プロトコルに従い、マンマシンインターフェース部201を介してユーザにより音声入力された音声信号を通話データに符号化し、この通話データを通話路経由で相手端末に送信するとともに、相手端末から通話路経由で通話データを受信し、この通話データを音声信号に復号してマンマシンインターフェース部201から音声出力する。
【0062】
呼制御サーバ機能部208は、呼制御サーバの機能を実現するために必要な処理を行う。具体的には、IP電話網6(具体的にはIP電話網6上の図示していない呼制御サーバ)に、自無線電話端末2が参加するサブ内線電話システム1の外線番号および自無線電話端末2のアドレス情報を含む登録要求を送信して、自無線電話端末2をIP電話網6に登録する。また、SIP等の呼制御プロトコルに従い、自無線電話端末2を含むいずれかの無線電話端末2と通話相手(IP電話網6あるいは他の無線電話端末2)との間でやり取りされる呼制御メッセージを中継することにより、両者間に通話路を確立、あるいは両者間に確立されている通話路を解放する。
【0063】
ブリッジ機能部209は、SMS網通信部204およびSTUNクライアント処理部206と連携して、自無線電話端末2が参加するサブ内線電話システム1以外のサブ内線電話システム1の無線電話端末2とブリッジ接続するために必要な処理を行う。
【0064】
主制御部210は、自無線電話端末2の各部200〜209を統括的に制御する。また、主制御部210は、自無線電話端末2の内線電話システムへの加入およびブリッジ接続を制御する。
【0065】
図6は、内線電話システムへの無線電話端末2の加入動作を説明するためのフロー図である。このフローは、マンマシンインターフェース部201を介してユーザから内線加入操作を受け付けることにより開始される。
【0066】
まず、主制御部210は、PN通信部202に帰属要求の送信を指示する。これを受けて、PN通信部202は、無線インターフェース部200を介して、自無線電話端末2が帰属するプライベートネットワーク4に帰属要求を同報送信する(S200)。そして、帰属要求に対する応答である帰属許可通知を所定時間内に受信しなかった場合(S201でNO)、帰属要求を所定回数送信していないならば(S202でNO)、S200に戻って帰属要求を再度同報送信する。
【0067】
一方、S201において、帰属許可通知を所定時間内に受信した場合(S201でYES)、PN通信部202は、帰属許可通知の送信元アドレスを主制御部210に通知する。これを受けて、主制御部210は、IP電話機能部207に、帰属許可通知の送信元アドレスを通知して内線電話システムへの加入を指示する。
【0068】
IP電話機能部207は、主制御部210から内線電話システムへの加入を指示されると、主制御部210より受け取った帰属許可通知の送信元アドレスを呼制御サーバ(呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末2)のアドレスとして登録する。また、PN通信部202および無線インターフェース部200を介して、呼制御サーバのアドレスにより特定される無線電話端末2に登録要求を送信する(S204)。
【0069】
また、S202において、帰属要求を所定回数送信していた場合(S202でYES)、PN通信部202は、帰属許可通知の受信待ちのタイムアウトを主制御部210に通知する。これを受けて、主制御部210は、呼制御サーバ機能を有効に設定して(S205)、呼制御サーバ機能部208を起動する。
【0070】
呼制御サーバ機能部208は、主制御部210によって起動されると、まず、IP電話網通信部203および無線インターフェース部200を介してIP電話網6(具体的にはIP電話網6上の図示していない呼制御サーバ)に、サブ内線電話システム1の外線番号および自無線電話端末2のアドレス情報を含む登録要求を送信して、自無線電話端末2をIP電話網6に登録する(S206)。
【0071】
呼制御サーバ機能部208は、IP電話網6から完了通知を受信すると、主制御部210に登録完了を通知し、主制御部210は、PN通信部202および無線インターフェース部200を介して、自無線電話端末2が帰属しているプライベートネットワーク4にサーバ起動通知を同報送信する(S207)。また、主制御部210は、呼制御サーバ機能部208に、自無線電話端末2の内線番号およびプライベートネットワーク4上のアドレス情報を含む端末情報を、呼制御対象の端末情報として登録する(S208)。
【0072】
それから、主制御部210は、IP電話機能部207に、呼制御サーバのアドレスとして、プライベートネットワーク4上の自無線電話端末2のアドレス情報を登録する(S209)。
【0073】
図7は、無線電話端末2のブリッジ接続動作を説明するためのフロー図である。
【0074】
主制御部210は、マンマシンインターフェース部201を介してユーザから、自無線電話端末2が参加しているサブ内線電話システム1以外のサブ内線電話システム1に参加している無線電話端末2(ブリッジ接続相手)のSMS網7上のアドレス情報(例えば電話番号)の指定を伴うブリッジ操作を受け付けると(S220でYES)、ブリッジ機能部209を有効(active設定)にして(S221)、ユーザから受け付けたブリッジ操作で指定されているブリッジ接続相手のSMS網7上のアドレス情報をブリッジ機能部209に渡す。
【0075】
これを受けて、ブリッジ機能部209は、STUNクライアント処理部206にアドレス情報の取得を指示する。STUNクライアント処理部206は、STUNプロトコルに従った手順を実施し、無線インターフェース部200を介して通信パケット網5上のSTUNサーバ8から、自無線電話端末2が通信パケット網5を介してブリッジ接続相手とブリッジ接続するために必要な通信パケット網5上のアドレス情報(グローバルIPアドレス、ポート番号)を取得する(S222)。
【0076】
つぎに、ブリッジ機能部209は、乱数等を用いて任意の秘密コードを生成し、この秘密コードと、STUNクライアント処理部206が取得したアドレス情報と、を含むアドレスアクティブ通知を生成する。そして、ブリッジ接続相手のSMS網7上のアドレス情報とともにSMS網通信部204に渡す。SMS網通信部204は、無線インターフェース部200およびSMS網7を介して、主制御部210より受け取ったアドレス情報により特定されるブリッジ接続相手の無線電話端末2にアドレスアクティブ通知を送信する(S223)。
【0077】
つぎに、SMS網通信部204は、SMS網7および無線インターフェース部200を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2からアドレスパッシブ通知を受信し、このアドレスパッシブ通知をブリッジ機能部209に渡す。また、ブリッジ機能部209は、通信パケット網5および無線インターフェース部200を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続要求を受信する(S224)。
【0078】
それから、ブリッジ機能部209は、無線インターフェース部200および通信パケット網5を介して、アドレスパッシブ通知に含まれているアドレス情報により特定されるブリッジ接続相手の無線電話端末2に、STUNクライアント処理部206が取得したアドレス情報と、アドレスパッシブ通知に含まれている秘密コードを含むブリッジ接続要求を送信する(S225)。
【0079】
また、ブリッジ機能部209は、ブリッジ接続相手の無線電話端末2から受信したブリッジ接続要求に含まれている秘密コードと、ブリッジ接続相手の無線電話端末2に送信したアドレスアクティブ通知に含めた秘密コードと、を用いて検証を実施する(S226)。双方の秘密コードが一致しないならば検証不成立と判断し(S226でNO)、その旨を主制御部210に通知する。これを受けて、主制御部210は、マンマシンインターフェース部201にエラーメッセージを表示するなどの所定のエラー処理を実施する(S231)。一方、双方の秘密コードが一致するならば検証成立と判断し(S226でYES)、無線インターフェース部200および通信パケット網5を介して、ブリッジ接続相手の無線電話端末2にブリッジ接続確認を送信する(S227)。
【0080】
それから、ブリッジ機能部209は、通信パケット網5および無線インターフェース部200を介して、ブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続確認が送られてくるのを待つ(S228)。そして、所定時間内にブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続確認を受信しなかったならば(S228でNO)、その旨を主制御部210に通知する。これを受けて、主制御部210は、マンマシンインターフェース部201にエラーメッセージを表示するなどの所定のエラー処理を実施する(S231)。一方、所定時間内にブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続確認を受信したならば(S228でYES)、ブリッジ接続相手の無線電話端末2から受信したアドレスパッシブ通知に含まれているアドレス情報をブリッジ接続相手のアドレス情報として登録する(S229)。その後、ブリッジ機能部209は、呼制御サーバのプライベートネットワーク4上のアドレス情報をIP電話機能部207から取得し、PN通信部202および無線インターフェース部200を介して、取得したアドレス情報により特定される無線電話端末2に、ブリッジ接続に利用するプライベートネットワーク4上のアドレス情報(プライベートIPアドレスおよびポート番号)を含むブリッジ登録要求を送信する(S230)。
【0081】
また、SMS網通信部204は、無線インターフェース部200を介してSMS網7からアドレスアクティブ通知を受信すると(S232でYES)、このアドレスアクティブ通知を主制御部210に渡す。これを受けて、主制御部210は、ブリッジ機能部209を有効(passive設定)にして(S233)、アドレスアクティブ通知をブリッジ機能部209に渡す。
【0082】
これを受けて、ブリッジ機能部209は、STUNクライアント処理部206にアドレス情報の取得を指示する。そして、STUNクライアント処理部206は、STUNプロトコルに従った手順を実施し、無線インターフェース部200を介して通信パケット網5上のSTUNサーバ8から、自無線電話端末2が通信パケット網5を介してブリッジ接続相手とブリッジ接続するために必要な通信パケット網5上のアドレス情報(グローバルIPアドレス、ポート番号)を取得する(S234)。
【0083】
つぎに、ブリッジ機能部209は、乱数等を用いて任意の秘密コードを生成し、この秘密コードと、STUNクライアント処理部206が取得したアドレス情報と、を含むアドレスパッシブ通知を生成する。そして、このアドレスパッシブ通知をSMS網通信部204に渡す。SMS網通信部204は、無線インターフェース部200およびSMS網7を介して、ブリッジ接続相手の無線電話端末2であるアドレスアクティブ通知の送信元にアドレスパッシブ通知を送信する。また、ブリッジ機能部209は、無線インターフェース部200および通信パケット網5を介して、アドレスアクティブ通知に含まれているアドレス情報により特定されるブリッジ接続相手の無線電話端末2に、STUNクライアント処理部206が取得したアドレス情報と、アドレスアクティブ通知に含まれている秘密コードと、を含むブリッジ接続要求を送信する(S235)。
【0084】
それから、ブリッジ機能部209は、通信パケット網5および無線インターフェース部200を介してブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続要求を受信する(S236)。そして、ブリッジ機能部209は、このブリッジ接続要求に含まれている秘密コードと、ブリッジ接続相手の無線電話端末2に送信したアドレスパッシブ通知に含めた秘密コードと、を用いて検証を実施する(S237)。双方の秘密コードが一致しないならば検証不成立と判断し(S237でNO)、その旨を主制御部210に通知する。これを受けて、主制御部210は、マンマシンインターフェース部201にエラーメッセージを表示するなどの所定のエラー処理を実施する(S242)。一方、双方の秘密コードが一致するならば検証成立と判断し(S237でYES)、無線インターフェース部200および通信パケット網5を介して、ブリッジ接続相手の無線電話端末2にブリッジ接続確認を送信する(S238)。
【0085】
それから、ブリッジ機能部209は、通信パケット網5および無線インターフェース部200を介して、ブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続確認が送られてくるのを待つ(S239)。そして、所定時間内にブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続確認を受信しなかったならば(S239でNO)、その旨を主制御部210に通知する。これを受けて、主制御部210は、マンマシンインターフェース部201にエラーメッセージを表示するなどの所定のエラー処理を実施する(S242)。一方、所定時間内にブリッジ接続相手の無線電話端末2からブリッジ接続確認を受信したならば(S239でYES)、ブリッジ接続相手の無線電話端末2から受信したアドレスアクティブ通知に含まれているアドレス情報をブリッジ接続相手のアドレス情報として登録する(S240)。その後、ブリッジ機能部209は、呼制御サーバのプライベートネットワーク4上のアドレス情報をIP電話機能部207から取得し、PN通信部202および無線インターフェース部200を介して、このアドレス情報により特定される無線電話端末2に、ブリッジ接続に利用するプライベートネットワーク4上のアドレス情報(プライベートIPアドレス、ポート番号)を含むブリッジ登録要求を送信する(S241)。
【0086】
図8は、呼制御サーバ機能が有効に設定されている無線電話端末2の呼制御サーバ動作を説明するためのフロー図である。
【0087】
呼制御サーバ機能部208は、無線インターフェース部200およびPN通信部202を介して、同じプライベートネットワーク4に帰属する無線電話端末2から帰属要求を受信すると(S250でYES)、帰属要求送信元の無線電話端末2に帰属許可通知を送信して(S251)、この無線電話端末2から登録要求が送られてくるのを待つ(S252)。登録要求を受信したならば(S252でYES)、この登録要求に含まれている無線電話端末2の内線番号およびプライベートネットワーク4上のアドレス情報を含む端末情報を呼制御対象の端末情報として登録する(S253)。
【0088】
また、呼制御サーバ機能部208は、無線インターフェース部200およびPN通信部202を介して呼制御対象の無線電話端末2から接続要求を受信すると(S254でYES)、この接続要求で指定されている発信先番号を解析する(S255)。発信先番号が外線番号である場合(S255で「外線番号」)、呼制御サーバ機能部208は、この接続要求を、無線インターフェース部200を介してIP電話網6に送信して、接続要求送信元の無線電話端末2およびIP電話網6間に通話路が形成されるように外線発信処理を実施する(S256)。
【0089】
また、発信先番号が呼制御対象の無線電話端末2の内線番号である場合(S255で「呼制御対象の内線番号」)、呼制御サーバ機能部208は、この接続要求を、PN通信部202および無線インターフェース部200を介して、発信先番号により特定される無線電話端末2に送信して、接続要求送信元の無線電話端末2および発信先番号により特定される無線電話端末2に対して、両者間に通話路が形成されるように呼制御手順を実施する(S257)。
【0090】
また、発信先番号が呼制御対象の無線電話端末2以外の無線電話端末2の内線番号である場合(S255で「呼制御対象外の内線番号」)、呼制御サーバ機能部208は、ブリッジ登録端末が存在するか否かを判断する(S258)。
【0091】
ブリッジ登録端末が存在する場合(S258でYES)、呼制御サーバ機能部208は、PN通信部202および無線インターフェース部200を介して、この接続要求をブリッジ登録端末に送信して、接続要求送信元の無線電話端末2およびブリッジ登録端末に対して、接続要求送信元の無線電話端末2および発信先番号により特定される無線電話端末2間にブリッジ登録端末経由で通話路が形成されるように呼制御手順を実施する(S259)。
【0092】
一方、ブリッジ登録端末が存在しない場合(S258でNO)、呼制御サーバ機能部208は、接続要求送信元の無線電話端末2にビジートーンを返すなどの所定のエラー処理を実施する(S260)。
【0093】
図9は、ブリッジ機能が有効に設定されている無線電話端末2のブリッジ中継動作を説明するためのフロー図である。
【0094】
無線インターフェース部200は、ブリッジ登録端末として、呼制御サーバである無線電話端末2から接続要求を受信すると(S270でYES)、この接続要求をブリッジ機能部209に渡す。これを受けて、ブリッジ機能部209は、MGW処理部205を起動するとともに(S271)、呼制御サーバとブリッジ接続相手として登録された無線電話端末2との間において、この接続要求を含む呼制御手順でやり取りされる一連の呼制御メッセージを中継する(S272)。
【0095】
つぎに、ブリッジ機能部209は、一連の呼制御メッセージの中継において(S272)、ブリッジ接続相手から接続応答を受信したならば(S273でYES)、MGW処理部205に通話路の中継を指示する。これを受けて、MGW処理部205は、一連の呼制御メッセージのやり取りによって確立された通話路を中継する(S274)。
【0096】
その後、ブリッジ機能部209は、一連の呼制御メッセージの中継において(S272)、ブリッジ接続相手に切断応答を送信あるいはブリッジ接続相手から切断応答を受信したならば(S275でYES)、MGW処理部205を停止する(S276)。
【0097】
また、無線インターフェース部200は、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手から接続要求を受信すると(S277でYES)、この接続要求をブリッジ機能部209に渡す。これを受けて、ブリッジ機能部209は、MGW処理部205を起動する(S278)。また、呼制御サーバとして機能する無線電話端末2とブリッジ接続相手との間において、この接続要求および接続応答を含む呼制御手順でやり取りされる一連の呼制御メッセージを中継する(S279)。
【0098】
つぎに、ブリッジ機能部209は、一連の呼制御メッセージの中継において(S279)、ブリッジ接続相手に接続応答を送信したならば(S280でYES)、MGW処理部205に通話路の中継を指示する。これを受けて、MGW処理部205は、一連の呼制御メッセージのやり取りによって確立された通話路を中継する(S281)。
【0099】
その後、ブリッジ機能部209は、一連の呼制御メッセージの中継において(S279)、ブリッジ接続相手に切断応答を送信あるいはブリッジ接続相手から切断応答を受信したならば(S282でYES)、MGW処理部205を停止する(S283)。
【0100】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0101】
本実施の形態では、呼制御サーバ機能およびブリッジ機能を有する複数の無線電話端末2を用いて、異なるプライベートネットワーク4に亘って内線電話システムを構築している。すなわち、プライベートネットワーク4毎に、同じプライベートネットワーク4に帰属する無線電話端末2のうちのいずれかの無線電話端末2の呼制御サーバ機能を有効にして、この無線電話端末2に、同じプライベートネットワーク4に帰属している各無線電話端末2の呼制御を実施させることにより、同じプライベートネットワーク4に帰属している無線電話端末2間でサブ内線電話システム1を構築する。また、サブ内線電話システム1毎に、サブ内線電話システム1を構成する無線電話端末2のうちのいずれかの無線電話端末2のブリッジ機能を有効にして、この無線電話端末2に、他のサブ内線電話システム1のブリッジ機能を有効にした無線電話端末2とブリッジ接続させる。そして、各サブ内線電話システム1の呼制御サーバ機能を有効にした無線電話端末2に、他のサブ内線電話システム1の無線電話端末2に対する呼を、ブリッジ接続を介して、他のサブ内線電話システム1の呼制御サーバ機能を有効にした無線電話端末2へ中継する。これにより、異なるプライベートネットワーク4に構築されたサブ内線電話システム1を連携させて、内線電話システムを構築する。したがって、本実施の形態によれば、呼制御サーバを特別に設置することなく、異なるプライベートネットワーク4に帰属している複数の無線電話端末2間で内線電話システムを構築することができる。
【0102】
また、本実施の形態において、無線電話端末2は、操作者から、異なるプライベートネットワーク4に帰属するブリッジ接続相手の無線電話端末2の指定を伴うブリッジ操作を受け付けた場合に、ブリッジ機能を有効に設定して、SMS網7経由でこのブリッジ操作で指定されたブリッジ接続相手の無線電話端末2に、自無線電話端末2の通信パケット網5上のアドレス情報を含むアドレスアクティブ通知を送信するとともに、同じプライベートネットワーク4に帰属している呼制御サーバ機能が有効に設定された無線電話端末2にブリッジ登録要求を送信する。また、異なるプライベートネットワーク4に帰属する無線電話端末2から、SMS網7経由でアドレスアクティブ通知を受信した場合に、ブリッジ機能を有効に設定して、この無線電話端末2に、自無線電話端末2の通信パケット網5上のアドレス情報を含むアドレスパッシブ通知を送信するとともに、同じプライベートネットワーク4に帰属している呼制御サーバ機能が有効に設定された無線電話端末2にブリッジ登録要求を送信する。したがって、本実施の形態によれば、ユーザは、通信パケット網5上のブリッジ接続相手のアドレスを入力することなく、通信パケット網5を介してブリッジ接続相手とブリッジ接続することができるため、ユーザの負担を軽減できる。
【0103】
また、本実施の形態では、ブリッジ機能を有効にする無線電話端末2がSTUNサーバ8から通信パケット網5における自無線電話端末2のアドレス情報を取得するので、各無線電話端末2に、ブリッジ接続のために通信パケット網5上のアドレス情報を予め取得させておく必要がない。このため、通信パケット網5上のアドレス情報の割当てを節約することができる。
【0104】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0105】
例えば、上記の実施の形態では、サブ内線電話システム1毎にいずれか1台の無線電話端末2のブリッジ機能を有効にして、他のサブ内線電話システム1のブリッジ機能を有効にした無線電話端末2と通信パケット網5経由でブリッジ接続している。しかし、本発明はこれに限定されない。同じサブ内線電話システム1内で複数の無線電話端末2がブリッジ機能を有効にしてもよい。そして、呼制御サーバとして機能する無線電話端末2は、他のサブ内線電話システム1の無線電話端末2に対する呼を、配下のサブ内線電話システム1内のブリッジ機能を有効にしたすべての無線電話端末2に送信する。この場合、複数レスポンスの処理またはループ検出を行う必要があるが、例えばSIPであれば、IETF(Internet Engineering Task Foce)が発行するRFC(Request For Comment)3261の16章に記載されるプロキシの動作により処理することができる。
【0106】
また、上記の実施の形態では、ブリッジ機能を有効にする無線電話端末2がSTUNサーバ8から通信パケット網5における自無線電話端末2のアドレス情報を取得しているが、本発明はこれに限定されない。各無線電話端末2に、ブリッジ接続のために通信パケット網5上のアドレス情報を予め割り当ててもよい。
【0107】
また、上記の実施の形態では、ブリッジ機能を有効にした無線電話端末2がブリッジ接続相手とSMS網7経由で通信パケット網5上のアドレス情報を送受信しているが、本発明はこれに限定されない。携帯電話網、PHS網等の他の通信網を介して、通信パケット網5上のアドレス情報を送受信するものであればよい。
【0108】
また、上記の実施の形態において、無線電話端末2は、操作者からブリッジ操作を受け付けた場合にブリッジ機能を有効にしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、無線電話端末2は、呼制御サーバへの登録が完了したときに自動的にブリッジ機能を有効にして、予め登録されているブリッジ接続相手のアドレス情報(例えば電話番号)を用いてブリッジ接続を開始してもよい。
【0109】
また、上記の実施の形態では、呼制御サーバ機能を有効にした無線電話端末2とブリッジ機能を有効にした無線電話端末2とが異なる場合を例に取り説明したが、本発明はこれに限定されない。同じ無線電話端末2が呼制御サーバ機能およびブリッジ機能の両方を有効にしてもよい。例えば、1台の無線電話端末2により1つのサブ内線電話システム1が構築されるようにしてもよい。
【0110】
また、上記の実施の形態では、内線電話システムを構築する内線電話端末が無線電話端末2である場合を例に取り説明したが、内線電話端末は有線電話端末であってもよい。
【0111】
また、上記の実施の形態において、
図5に示す無線電話端末2の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、および無線LANアダプタ等の無線通信機を備えたPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートホン等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。