(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記二次画像生成部は、前記一次画像における前記複数の目的画像が抽出された位置を表す抽出位置画像をさらに含む前記二次画像のデータを生成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0011】
[第1実施形態:画像処理装置10の構成]
第1実施形態に係る画像処理装置10は、原稿900の画像を読み取り、読み取った画像に対して編集処理を施し、その編集処理によって得られる画像を出力する機能を備える。
【0012】
以下の説明において、原稿900の画像のことを一次画像I1と称する。また、画像処理装置10が原稿900の画像を読み取ることによって得られる一次画像I1のデータのことを一次画像データD01と称する。
【0013】
さらに、以下の説明において、一次画像データD01に対する前記編集処理によって得られる編集後の画像データのことを二次画像データD02と称する。また、二次画像データD02が表す画像のことを二次画像I2と称する。
【0014】
図1に示される画像処理装置10は、原稿900から画像を読み取る機能およびシート901へ画像を形成する画像形成装置の機能を兼ね備えた複合機である。なお、画像処理装置10が、画像送信機能を兼ね備えるファクシミリ装置などであることも考えられる。なお、
図2において、原稿900およびシート901が仮想線で示されている。
【0015】
シート901に形成される画像は、例えば、原稿900から読み取られた一次画像I1、二次画像I2または他の装置から受信される印刷ジョブが表す画像などである。シート901は、紙またはOHPシートなどのシート状の画像形成媒体である。
【0016】
画像処理装置10は、主制御部1、操作表示部2、画像読取部20、読取制御部30、画像形成部40、印刷制御部50、通信部60および画像処理部70などを備える。
【0017】
主制御部1、読取制御部30、印刷制御部50、通信部60および画像処理部70は、それぞれバス9に接続されおり、バス9を通じて相互にデータの受け渡しが可能である。
【0018】
画像読取部20は、原稿900に光を走査する不図示の光学系、および原稿900からの反射光の光量を画素ごとに検出して一次画像データD01を出力する不図示のイメージセンサーなどを備える。画像読取部20は、原稿900の画像を読み取り、原稿画像のデータを生成する。前記原稿画像のデータが一次画像データD01として処理される。
【0019】
本実施形態において、画像読取部20はカラー画像を読み取り可能なカラーイメージセンサーを備える。従って、原稿900にカラー画像が含まれる場合、画像読取部20はカラーの一次画像データD01を生成する。
【0020】
読取制御部30は、画像読取部20を制御して一次画像データD01を取得する。さらに、読取制御部30は、バス9を通じて一次画像データD01を画像処理部70などの他の機器に転送する。
【0021】
画像形成部40は、周知の電子写真方式またはインクジェット方式の画像形成処理によってシート901に画像を形成する。
【0022】
例えば、電子写真方式の画像形成部40は、感光体、帯電装置、レーザースキャニングユニット、現像装置および転写装置などを含む。前記帯電装置は、前記感光体の表面を帯電させ、前記レーザースキャニングユニットは、前記感光体の表面に静電潜像を書き込み、前記現像装置は、前記像担持体の表面の前記静電潜像をトナー像へ現像し、前記転写装置は、前記トナー像を前記感光体の表面からシート901へ転写する。
【0023】
印刷制御部50は、画像処理部70から印刷用画像データを取得し、前記印刷用画像データに基づく画像をシート901に形成する処理を画像形成部40に実行させる。
【0024】
通信部60は、LANなどの通信回線101を通じてパーソナルコンピューターなどの外部装置との間でデータの送受信を行う通信インターフェイスである。MPU11が実行する前記外部装置との間のデータの送受信は、全て通信部60を通じて行われる。さらに、通信部60は、バス9を通じて主制御部1、読取制御部30および印刷制御部50などの各機器とデータの受け渡しを行う。
【0025】
画像処理部70は、バス9を通じて他の機器から得た画像データなどに対する各種のデータ処理を実行する。画像処理部70によるデータ処理の対象は、例えば、読取制御部30から得られる一次画像データD01または通信回線101を通じて前記外部装置から得られる前記印刷ジョブなどである。
【0026】
読取制御部30、印刷制御部50および画像処理部70は、例えばCPU(Central Processing Unit)もしくはDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサー、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成される。
【0027】
操作表示部2は、ユーザーインターフェイスのデバイスであり、操作部2aおよび表示部2bを含む。操作部2aは、ユーザーの操作に従って情報を入力するデバイスであり、例えばタッチパネルおよび操作ボタンなどを含む。表示部2bは、情報を画像として表示する二次元表示デバイスであり、例えば液晶表示パネルなどである。後述するように、表示部2bは、一次画像I1を表示可能である(
図8参照)。
【0028】
主制御部1は、画像処理装置10を統括して制御する。例えば、主制御部1は、表示部2bに操作メニューなどを表示させる。さらに、主制御部1は、操作部2aに対する操作を通じて入力される入力情報および各種センサーの検出結果に応じて他の制御部に制御指令を出力する。
【0029】
図2に示されるように、主制御部1は、MPU(Micro Processor Unit)11、RAM(Random Access Memory)12および二次記憶部13などを備える。
【0030】
MPU11は、各種の演算およびデータ処理を実行するプロセッサーである。RAM12は、MPU11に実行させるためのプログラムを一時記憶する揮発性のコンピューター読み取り可能な主記憶部である。
【0031】
二次記憶部13は、MPU11が参照する各種情報を記憶する不揮発性のコンピューター読取可能な記憶部である。また、二次記憶部13は、MPU11による各種情報の読み書きが可能な記憶部でもある。二次記憶部13は、MPU11に各種の処理を実行させるためのプログラム、MPU11によって参照される情報および書き込まれる情報を記憶する。
【0032】
図2は、一部にマーキングm01〜m03が付された原稿900の一例である。このように、原稿900における重要事項が記載された部分などの複数の目的部分にいわゆるラインマーカーなどによるマーキングm01〜m03が付される場合がある。
【0033】
ところで、前記複数の目的部分のみを集めた新たな文書を作りたい場合がある。さらに、原稿900におけるマーキングm01〜m03が付された前記複数の目的部分を、種類毎にタイトルなどの付加情報を付加することによって複数に分類したい場合がある。
【0034】
画像処理装置10は、後述する画像編集出力処理を実行可能である。これにより、画像処理装置10は、原稿900におけるマーキングm01〜m03が付された複数の部分を、種類毎にタイトルを付加することによって複数に分類した上で新たな文書として出力することができる。
【0035】
図2に示されるように、画像処理装置10によって処理される一次画像I1には、複数種類のマーキングm01〜m03が付されている。
図2の例では、複数種類のマーキングm01〜m03は、それぞれ異なる色で上塗りされた上塗りマーキングである。
【0036】
なお、複数種類のマーキングm01〜m03が、それぞれ線の形態または色が異なる複数種類の下線マーキングであることなども考えられる。
【0037】
以下の説明において、一次画像I1におけるマーキングm01〜m03が付された部分の画像のことを目的画像g0と称する。即ち、目的画像g0は、マーキングm01〜m03によって指示された位置に存在する画像である。一次画像I1は、複数の目的画像g0を含む。
【0038】
マーキングm01〜m03が前記上塗りマーキングである場合、目的画像g0は、マーキングm01〜m03と重複する画像である。一方、マーキングm01〜m03が前記下線マーキングである場合、目的画像g0は、マーキングm01〜m03に対して隣接する領域に存在する画像である。
【0039】
[画像編集出力処理]
前記画像編集出力処理は、
図2に示されるような一次画像I1から複数の目的画像g0を抽出し、抽出した複数の目的画像g0を含む二次画像I2のデータである二次画像データD02を生成および出力する処理である。
【0040】
図3に示されるように、前記画像編集出力処理によって得られる二次画像I2は、複数のタイトル画像g1と複数のタイトル画像g1に対応してそれぞれ配置された複数の目的画像g0とを含む。
【0041】
複数のタイトル画像g1は、複数種類のマーキングm01〜m03に対応して設定されるタイトルの画像である。二次画像I2において、複数の目的画像g0は、複数のタイトル画像g1に対応してそれぞれ配置されることにより、マーキングm01〜m03の種類毎に分類されている。なお、複数のタイトル画像g1は、複数種類のマーキングm01〜m03にそれぞれ対応して分類される複数の目的画像g0のタイトルを表す画像である。
【0042】
以下、
図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記画像編集出力処理の手順の一例について説明する。以下の説明において、S101,S102,…は、前記画像編集出力処理において画像処理装置10が実行する複数の工程の識別符号を表す。
【0043】
前記画像編集出力処理の開始操作が操作部2aに対して行われたときに、主制御部1のMPU11が、前記画像編集出力処理を開始する。
【0044】
<工程S101>
まず、MPU11が、マーキング種類設定処理を実行する。前記マーキング種類設定処理は、操作部2aに対する操作に従って、マーキングm01〜m03の種類を設定する処理である。
【0045】
なお、MPU11が種類設定プログラムPr11を実行することにより、前記マーキング種類設定処理が実現される。工程S101の処理を実行するMPU11は、マーキング種類設定部の一例である。
【0046】
前記マーキング種類設定処理において、MPU11は、例えば
図5に示されるようなマーキング種類設定画面f01を表示部2bに表示させる。マーキング種類設定画面f01は、形態選択アイコンf11、複数の種類選択アイコンf12、確定アイコンf13、保存アイコンf14、呼出アイコンf15および中止アイコンf16などを含む。
【0047】
形態選択アイコンf11は、一次画像I1におけるマーキングm01〜m03の形態が、前記上塗りマーキングおよび前記下線マーキングのいずれであるかを選択する操作を受け付けるアイコンである。なお、前記アイコンは、操作部2aに含まれる前記タッチパネルの一部として機能する。
【0048】
本実施形態において、一次画像I1における全てのマーキングm01〜m03に対して共通の形態が、形態選択アイコンf11によって選択される。なお、マーキングm01〜m03の形態の他の選択候補として、囲み枠マーキングなども考えられる。
【0049】
種類選択アイコンf12は、一次画像I1におけるマーキングm01〜m03の種類を予め定められた選択肢の中から選択する操作を受け付けるアイコンである。MPU11は、形態選択アイコンf11によるマーキングm01〜m03の形態の選択結果に応じて、種類選択アイコンf12により選択可能な選択肢を変更する。
【0050】
図5に示されるように、前記上塗りマーキングがマーキングm01〜m03の形態として選択された場合、形態選択アイコンf11の前記選択肢は、前記上塗りマーキングの色である。例えば、前記上塗りマーキングの色の候補は、ピンク、イエロー、オレンジまたはブルーなどの彩色である。
【0051】
一方、
図6に示されるように、前記下線マーキングがマーキングm01〜m03の形態として選択された場合、形態選択アイコンf11の前記選択肢は、前記下線マーキングの線種である。例えば、前記線種の候補は、一重線、二重線、波線または破線などである。
【0052】
MPU11は、形態選択アイコンf11および種類選択アイコンf12に対する操作に応じて、マーキングm01〜m03の複数の種類を設定する。
図5,6に示される例において、MPU11は、第1パターンから第5パターンまでの最大5つのマーキングm01〜m03の種類を設定可能である。
【0053】
図5に示される例では、それぞれ色の異なる3種類のマーキングm01〜m03が設定されている。3種類のマーキングm01〜m03は、前記第1パターンに対応する種類の第1マーキングm01と、前記第2パターンに対応する種類の第2マーキングm02と、前記第3パターンに対応する種類の第3マーキングm03とを含む。
【0054】
また、前記第1パターンから前記第5パターンにおける第1、第2、第3、第4および第5は、複数種類のマーキングm01〜m03の順番である分類順序mx0を表す。MPU11は、分類順序mx0ごとにマーキングm01〜m03の種類を設定する。
【0055】
換言すれば、工程S101の処理を実行するMPU11は、操作部2aに対する操作に従って、複数種類のマーキングm01〜m03の順番である分類順序mx0を設定していることになる。工程S101の処理を実行するMPU11は、順序設定部の一例である。
【0056】
後述するように、画像処理装置10は、分類順序mx0に従った順番で複数の目的画像g0を分類する。
【0057】
なお、形態選択アイコンf11および種類選択アイコンf12に対する操作は、前記タッチパネルに対する操作であり、操作部2aに対する操作の一例である。
【0058】
前記マーキング種類設定処理において、確定アイコンf13が操作された場合、MPU11は、複数のマーキング種類の設定を確定させる。
【0059】
また、保存アイコンf14が操作された場合、MPU11は、形態選択アイコンf11および種類選択アイコンf12に対する操作に応じて設定された前記複数のマーキング種類を表す登録マーキング種類データD1を二次記憶部13に記憶させる。
【0060】
また、呼出アイコンf15が操作された場合、MPU11は、二次記憶部13に既に記憶されている登録マーキング種類データD1が表す前記複数のマーキング種類を最新値として設定する。
【0061】
なお、中止アイコンf16が操作された場合、MPU11は、前記マーキング種類設定処理を終了させる。
【0062】
<工程S102>
前記マーキング種類設定処理において、複数の前記マーキング種類の設定が確定すると、読取制御部30が、画像読取部20に原稿900の画像の読取処理を実行させる。これにより、画像読取部20は、原稿900から一次画像I1を読み取り、一次画像データD01を生成する。一次画像データD01は、画像読取部20から画像処理部70へ転送される。
【0063】
画像読取部20が、ADF(Auto Document Feeder)によって複数枚の原稿900から複数ページ分の一次画像I1を読み取り、複数ページ分の一次画像データD01を出力する場合もある。
【0064】
<工程S103>
次に、画像処理部70の行方向判定部7aが、一次画像I1に含まれる文字列の行方向が横方向であるか縦方向であるかを判定する。例えば、行方向判定部7aは、一次画像I1から横方向に延びる複数の帯状の空白領域を検出できた場合に、前記行方向が横方向であると判定する。同様に、行方向判定部7aは、一次画像I1から縦方向に延びる複数の帯状の空白領域を検出できた場合に、前記行方向が縦方向であると判定する。
【0065】
また、行方向判定部7aが、一次画像I1に対する文字認識処理により、一次画像I1に含まれる文字を検出し、検出した文字の向きに応じて前記行方向を判定することも考えられる。
【0066】
<工程S104>
次に、画像処理部70のマーキング検出部7bが、マーキング検出処理を実行する。前記マーキング検出処理において、マーキング検出部7bは、一次画像データD01から工程S101で設定された前記複数のマーキング種類に対応する複数種類のマーキングm01〜m03を検出する。これにより、一次画像I1における複数種類のマーキングm01〜m03の全ての位置が特定される。
【0067】
本実施形態において、マーキングm01〜m03の形態が前記上塗りマーキングである場合、複数種類のマーキングm01〜m03が、それぞれ異なる色の前記上塗りマーキングを含む。この場合、マーキング検出部7bは、
図5に示される種類選択アイコンf12の操作により設定された色の画像をマーキングm01〜m03として検出する。
【0068】
マーキングm01〜m03の形態が前記下線マーキングである場合、複数種類のマーキングm01〜m03が、それぞれ前記行方向に沿って延びて形成され、それぞれ線の形状が異なる複数種類の前記下線マーキングを含む。この場合、マーキング検出部7bは、
図6に示される種類選択アイコンf12の操作により設定された形状で前記行方向に延びる線の画像をマーキングm01〜m03として検出する。
【0069】
<工程S105>
さらに、画像処理部70の目的画像抽出部7cが、目的画像抽出処理を実行する。前記目的画像抽出処理において、目的画像抽出部7cは、一次画像データD01から工程S101で設定された複数種類のマーキングm01〜m03が付された複数の目的画像g0を抽出する。これにより、一次画像I1における複数の目的画像g0それぞれの位置座標および画像内容が特定される。
【0070】
工程S105において、目的画像抽出部7cは、複数の目的画像g0をマーキングm01〜m03の種類ごとに区別して抽出する。さらに、工程S105において、目的画像抽出部7cは、抽出した複数の目的画像g0それぞれの位置に対応するページ番号および行番号を特定する。以下の説明において、複数の目的画像g0それぞれに対応する前記ページ番号および前記行番号のことを、それぞれ抽出ページ番号および抽出行番号と称する。
【0071】
前記抽出ページ番号は、複数ページ分の一次画像I1における目的画像g0が位置するページの情報である。前記抽出行番号は、複数行の文字列の画像を含む一次画像I1における目的画像g0が位置する行の情報である。
【0072】
工程S101で設定されたマーキングm01〜m03の種類が前記上塗りマーキングである場合、目的画像抽出部7cは、マーキングm01〜m03と重複する画像を目的画像g0として抽出する。
【0073】
一方、工程S101で設定されたマーキングm01〜m03の種類が前記下線マーキングである場合、目的画像抽出部7cは、マーキングm01〜m03に隣接する領域に存在する画像を目的画像g0として抽出する。
【0074】
<工程S106>
次に、MPU11が、タイトル設定処理を実行する。前記タイトル設定処理は、操作部2aに対する操作に従って、複数種類のマーキングm01〜m03にそれぞれ対応する複数のタイトルを設定する処理である。
【0075】
なお、MPU11がタイトル設定プログラムPr12を実行することにより、前記タイトル設定処理が実現される。前記タイトルは付加情報の一例である。工程S106の処理を実行するMPU11は、付加情報設定部の一例である。
【0076】
前記タイトル設定処理において、MPU11は、例えば
図7に示されるようなタイトル設定画面f02を表示部2bに表示させる。
【0077】
タイトル設定画面f02は、複数のタイトル入力枠f21、複数の引用アイコンf22、確定アイコンf23、保存アイコンf24、呼出アイコンf25および中止アイコンf26を含む。
【0078】
複数のタイトル入力枠f21および複数の引用アイコンf22は、それぞれ複数の分類順序mx0に対応している。即ち、複数のタイトル入力枠f21および複数の引用アイコンf22は、それぞれマーキングm01〜m03の複数の種類に対応している。
【0079】
タイトル入力枠f21は、マーキングm01〜m03の種類毎のタイトルt0を、操作部2aに対する文字入力操作に従って設定する文字列入力処理を開始する操作を受け付けるアイコンである。
【0080】
タイトル入力枠f21が操作されると、MPU11は、表示部2bに仮想キーボードを表示させ、前記仮想キーボードに対するキー入力操作に従って、マーキングm01〜m03の種類毎のタイトルt0を設定する。
【0081】
前記タイトル設定処理において、確定アイコンf23が操作された場合、MPU11は、マーキングm01〜m03の種類毎のタイトルt0の設定を確定させる。
【0082】
また、保存アイコンf24が操作された場合、MPU11は、タイトル入力枠f21または後述する引用アイコンf22に対する操作に応じて設定されたマーキングm01〜m03の種類毎のタイトルt0を表す登録タイトルデータD2を二次記憶部13に記憶させる。
【0083】
また、呼出アイコンf25が操作された場合、MPU11は、二次記憶部13に既に記憶されている登録タイトルデータD2が表すマーキングm01〜m03の種類毎のタイトルt0を最新値として設定する。
【0084】
なお、中止アイコンf26が操作された場合、MPU11は、前記タイトル設定処理を終了させる。
【0085】
引用アイコンf22は、マーキングm01〜m03の種類毎のタイトルt0を、操作部2aに対する操作に従って、表示部2bに表示された一次画像I1の一部を引用することにより設定する引用設定処理をMPU11に実行させる操作を受け付けるアイコンである。
【0086】
前記引用設定処理において、MPU11は、例えば
図8に示されるようなタイトル引用画面f03を表示部2bに表示させる。タイトル引用画面f03は、一次画像表示枠f31、ページ入力枠f32、行番号入力枠f33、更新アイコンf34、始点設定アイコンf35、終点設定アイコンf36、確定アイコンf37および中止アイコンf38を含む。
【0087】
一次画像表示枠f31は、一次画像I1の一部が表示され、表示された一次画像I1における位置を指示するカーソルC0の位置を指などのポインターP0によって設定可能な表示枠である。
【0088】
ページ入力枠f32および行番号入力枠f33は、一次画像表示枠f31に表示させる一次画像I1の一部のページ番号および行番号をそれぞれ設定する操作を受け付ける数値入力枠である。
【0089】
ページ入力枠f32または行番号入力枠f33が操作されると、MPU11は、仮想テンキーを表示部2bに表示させ、前記仮想テンキーに対する数値入力操作に従って、前記ページ番号または前記行番号を設定する。
【0090】
以下の説明において、一次画像I1におけるページ入力枠f32および行番号入力枠f33の操作によって設定される前記ページ番号および前記行番号に対応する部分を含む部分画像のことを指定部分画像と称する。
【0091】
更新アイコンf34は、一次画像表示枠f31に表示させる画像を前記指定部分画像に更新する処理をMPU11に実行させる操作を受け付けるアイコンである。更新アイコンf34が操作されると、MPU11は、一次画像表示枠f31に前記指定部分画像を表示させる。さらに、MPU11は、一次画像表示枠f31のスクロールバーf31xが操作された場合に、その操作に応じて一次画像表示枠f31に表示させる一次画像I1の一部の位置を縦方向または横方向へシフトさせる。
【0092】
始点設定アイコンf35は、一次画像表示枠f31に表示されている一次画像I1の一部におけるカーソルC0の位置を始点位置として設定する処理をMPU11に実行させる操作を受け付けるアイコンである。前記始点位置は、一次画像I1に含まれる複数行の文字列画像における特定の行内の特定の位置を表す。
【0093】
同様に、終点設定アイコンf36は、一次画像表示枠f31に表示されている一次画像I1の一部におけるカーソルC0の位置を、カーソルC0の位置を含む1行の終点位置として設定する処理をMPU11に実行させる操作を受け付けるアイコンである。前記終点位置は、一次画像I1に含まれる複数行の文字列画像における特定の行内の特定の位置を表す。
【0094】
確定アイコンf37は、引用タイトル確定処理をMPU11に実行させる操作を受け付けるアイコンである。前記引用タイトル確定処理において、MPU11は、一次画像I1に含まれる複数行の文字列画像における前記始点位置から前記終点位置までの範囲の文字列画像、または、その文字列画像が表す文字列をタイトルt0として設定する。続いて、MPU11は、タイトル設定画面f02を表示部2bに表示させ、前記タイトル設定処理を継続する。
【0095】
なお、中止アイコンf38が操作された場合、MPU11は、前記引用設定処理を中止し、前記タイトル設定処理の状態を、引用アイコンf22が操作される前の状態に戻す。これにより、
図7に示されるタイトル設定画面f02が再び表示部2bに表示される。
【0096】
<工程S107>
前記タイトル設定処理が終了すると、画像処理部70の二次画像生成部7dが、二次画像生成処理を実行する。前記二次画像生成処理において、二次画像生成部7dは、工程S105で抽出された複数の目的画像g0と工程S106で設定された複数のタイトルt0を表す画像とを含む二次画像I2のデータである二次画像データD02を生成する(
図3参照)。
【0097】
以下の説明において、第1マーキングm01、第2マーキングm02および第3マーキングm03に対応するタイトルt0を表す画像のことを、それぞれ第1タイトル画像g11、第2タイトル画像g12および第3タイトル画像g13と称する(
図3参照)。
【0098】
さらに、複数の目的画像g0のうち、第1マーキングm01に対応するものを第1目的画像g01、第2マーキングm02に対応するものを第2目的画像g02、および第3マーキングm03に対応するものを第3目的画像g03と称する(
図3参照)。
【0099】
二次画像生成部7dは、二次画像I2を生成する過程において、以下のようにして複数のタイトルt0を表す画像と複数の目的画像g0とを配置する。即ち、二次画像生成部7dは、第1タイトル画像g11と、1つまたは複数の第1目的画像g01と、第1目的画像g01に対応する前記抽出ページ番号および前記抽出行番号を表すページ・行画像g2とを対応付けて配置する。
【0100】
同様に、二次画像生成部7dは、二次画像I2を生成する過程において、第2タイトル画像g12と、1つまたは複数の第2目的画像g02と、第2目的画像g02に対応する前記抽出ページ番号および前記抽出行番号を表すページ・行画像g2とを対応付けて配置する。
【0101】
同様に、二次画像生成部7dは、二次画像I2を生成する過程において、第3タイトル画像g13と、1つまたは複数の第3目的画像g03と、第3目的画像g03に対応する前記抽出ページ番号および前記抽出行番号を表すページ・行画像g2とを対応付けて配置する。
【0102】
ページ・行画像g2は、一次画像I1における複数の目的画像g0が抽出された位置を表す抽出位置画像の一例である。即ち、本実施形態において、二次画像生成部7dは、
一次画像I1における複数の目的画像g0が抽出された位置を表すページ・行画像g2を含む二次画像I2のデータを生成する。
【0103】
また、二次画像生成部7dは、
図3に示されるように、複数のタイトル画像g11〜g13および複数の目的画像g0が分類順序mx0に従った順番でマーキングm01〜m03の種類毎に配置された二次画像I2のデータを生成する。
【0104】
以上により、二次画像I2は、複数のタイトル画像g11〜g13と複数のタイトル画像g11〜g13に対応してそれぞれ配置されることによってマーキングm01〜m03の種類ごとに分類された複数の目的画像g0とを含む。
【0105】
図3に示される例では、複数のタイトル画像g11〜g13が、それぞれ対応するマーキングm01〜m03が付された状態で含まれている。これにより、複数のタイトル画像g11〜g13が、それぞれどの種類のマーキングm01〜m03に対応しているかを把握することが容易である。
【0106】
また、
図3に示される例では、複数の目的画像g0は、元々付されていたマーキングm01〜m03が除去された状態で二次画像I2に含められている。なお、複数の目的画像g0が、マーキングm01〜m03が付された状態のままでで二次画像I2に含められることも考えられる。
【0107】
<工程S108>
次に、画像形成部40が、二次画像生成部7dによって生成された二次画像データD02に基づく印刷処理を実行する。即ち、画像形成部40が二次画像I2をシート901に形成する。これにより、
図3に示されるような二次画像I2が形成されたシート901が出力され、前記画像編集出力処理が終了する。
【0108】
画像処理装置10が採用されれば、原稿900におけるマーキングm01〜m03が付された複数の目的画像g0の部分を、種類毎にタイトルt0を付加することによって複数に分類した上で新たな文書として出力することができる。
【0109】
また、MPU11は、前記引用設定処理を実行することにより、一次画像I1の一部を引用することによって複数のタイトルt0の一部または全部を設定可能である(S106)。そのため、簡易な操作によってタイトルt0を設定することが可能になる。
【0110】
また、MPU11は、工程S101において、マーキングm01〜m03の複数の種類と、分類順序mx0との対応関係を設定できる(
図5,6参照)。これにより、二次画像I2におけるマーキングm01〜m03の種類ごとの目的画像g0の配置順序を任意に設定することが可能であり、編集の自由度が高い。
【0111】
また、二次画像I2が、一次画像I1における複数の目的画像g0が抽出された位置を表すページ・行画像g2を含む。そのため、複数の目的画像g0の抽出元を容易に確認することができる。
【0112】
[第2実施形態]
次に、
図9〜12を参照しつつ、第2実施形態に係る画像処理装置における前記画像編集出力処理について説明する。以下、本実施形態の前記画像編集出力処理における第1実施形態における前記画像編集出力処理との違いについて説明する。
【0113】
本実施形態において、第1実施形態におけるマーキングm01〜m03に相当するものをメインマーキングm01〜m03と称する。
【0114】
図11に示されるように、本実施形態において画像処理の対象となる一次画像I1は、複数種類のメインマーキングm01〜m03と、それらとは異なる1種類もしくは複数種類のサブマーキングm1とを含む。
【0115】
図11に示される例では、一次画像I1は2種類のサブマーキングm1を含む。
図11において、メインマーキングm01〜m03は、それぞれ色の異なる前記上塗りマーキングである。また、2種類のサブマーキングm1のうちの一方である第1サブマーキングm11は、二重下線マーキングであり、2種類のサブマーキングm1のうちの他方である第2サブマーキングm12は、一重下線マーキングである。
【0116】
第1サブマーキングm11および第2サブマーキングm12は、それぞれメインマーキングm01〜m03のいずれかが付されている目的画像g0に対して重複して付されている。
【0117】
本実施形態においても、MPU11、読取制御部30、画像処理部70および印刷制御部50は、
図4に示される手順と同様の手順で前記画像編集出力処理を実行する。但し、本実施形態における工程S101、S104、S105およびS107の処理は、第1実施形態における処理と若干異なる。
【0118】
<工程S101>
本実施形態の前記マーキング種類設定処理において、MPU11は、操作部2aに対する操作に従って、メインマーキングm01〜m03の種類と、サブマーキングm1の種類とをそれぞれ設定する(
図4の工程S101参照)。
【0119】
メインマーキングm01〜m03は、第1実施形態におけるマーキングm01〜m03に相当する。従って、一次画像I1において第1メインマーキングm01、第2メインマーキングm02および第3メインマーキングm03が付された画像が、それぞれ第1目的画像g01、第2目的画像g02および第3目的画像g03である。
【0120】
例えば、MPU11は、
図9に示されるようなメインマーキング種類設定画面f01aを表示部2bに表示させた上で、操作部2aに対する操作に従ってメインマーキングm01〜m03の種類を設定する。さらに、MPU11は、
図10に示されるようなサブマーキング種類設定画面f01bを表示部2bに表示させた上で、操作部2aに対する操作に従ってサブマーキングm1の種類を設定する。
【0121】
メインマーキング種類設定画面f01aおよびサブマーキング種類設定画面f01bは、
図5,6に示されるマーキング種類設定画面f01と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0122】
<工程S104>
そして、本実施形態の前記マーキング検出処理において、マーキング検出部7bは、一次画像データD01から工程S101で設定された複数種類のメインマーキングm01〜m03および1種類以上のサブマーキングm1とをそれぞれ検出する(
図4の工程S104参照)。
【0123】
<工程S105>
さらに、本実施形態の前記目的画像抽出処理において、目的画像抽出部7cは、一次画像データD01から工程S101で設定された複数種類のメインマーキングm01〜m03が付された複数の目的画像g0を抽出する(
図4の工程S105参照)。
【0124】
また、本実施形態の前記目的画像抽出処理において、目的画像抽出部7cは、一次画像データD01から、複数の目的画像g0を、さらにサブマーキングm1が付されたものとそうでないものとに区別して抽出する。その際、目的画像抽出部7cは、複数の目的画像g0を、メインマーキングm01〜m03の種類およびサブマーキングm1の種類の組み合わせごとに区別して抽出する。
【0125】
<工程S107>
また、本実施形態の前記二次画像生成処理において、二次画像生成部7dは、例えば
図12に示されるような二次画像I2のデータを生成する。
【0126】
即ち、本実施形態の二次画像生成部7dは、複数の目的画像g0を、対応するメインマーキングm01〜m03の種類毎に分類され、さらに対応するサブマーキングm1の種類毎に分類された状態で含む二次画像I2のデータを生成する。
【0127】
より具体的には、本実施敬愛の二次画像生成部7dは、二次画像I2を生成する過程において、以下のようにして複数のタイトルt0を表す画像と複数の目的画像g0とを配置する。
【0128】
即ち、二次画像生成部7dは、第1タイトル画像g11と、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の第1目的画像g01と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の第1目的画像g01と、第1目的画像g01に対応する前記抽出ページ番号および前記抽出行番号を表すページ・行画像g2とを対応付けて配置する。
【0129】
さらに、二次画像生成部7dは、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の第1目的画像g01と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の第1目的画像g01とを分類して配置する。
【0130】
同様に、二次画像生成部7dは、二次画像I2を生成する過程において、第2タイトル画像g12と、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の第2目的画像g02と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の第2目的画像g02と、第2目的画像g02に対応する前記抽出ページ番号および前記抽出行番号を表すページ・行画像g2とを対応付けて配置する。
【0131】
さらに、二次画像生成部7dは、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の第2目的画像g02と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の第2目的画像g02とを分類して配置する。
【0132】
同様に、二次画像生成部7dは、二次画像I2を生成する過程において、第3タイトル画像g13と、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の第3目的画像g03と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の第3目的画像g03と、第3目的画像g03に対応する前記抽出ページ番号および前記抽出行番号を表すページ・行画像g2とを対応付けて配置する。
【0133】
さらに、二次画像生成部7dは、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の第3目的画像g03と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の第3目的画像g03とを分類して配置する。
【0134】
なお、本実施形態において、一次画像I1が、サブマーキングm1が付されていない目的画像g0を含むことも考えられる。この場合、二次画像生成部7dは、二次画像I2において、第1サブマーキングm11が付された1つまたは複数の目的画像g0と、第2サブマーキングm12が付された1つまたは複数の目的画像g0と、サブマーキングm1が付されていない1つまたは複数の目的画像g0とを分類して配置する。
【0135】
本実施形態によれば、複数の目的画像g0を、メインマーキングm01〜m03の種類毎に分類できるとともに、サブマーキングm1の有無またはサブマーキングm1の種類に応じてさらに階層的に分類することができる。
【0136】
[応用例]
以上に示された各実施形態において、画像形成部40が、二次画像データD02を前記印刷処理によってシート901に出力することの他、通信部60が、二次画像データD02を通信回線101を通じて前記外部装置へ送信することも考えられる。
【0137】
また、各実施形態において、画像読取部20が生成する原稿900からの読み取り画像のデータが、一次画像データD01として処理されることの他、前記外部装置から通信部60通じて受信される画像データが、一次画像データD01として処理されることも考えられる。
【0138】
また、タイトル設定プログラムPr12を実行するMPU11が、複数種類のマーキングm01〜m03にそれぞれ対応する複数の付加情報として、複数のタイトルt0以外の情報を設定することも考えられる。
【0139】
例えば、前記複数の付加情報が、マーキングm01〜m03の種類ごとに設定される複数の補足情報であることなども考えられる。
【0140】
なお、本発明に係る画像処理装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。