特許第6589835号(P6589835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6589835
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび管理サーバー
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/10 20130101AFI20191007BHJP
   G06F 8/61 20180101ALI20191007BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   G06F21/10 350
   G06F8/61
   H04N1/00 127A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-227784(P2016-227784)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-84964(P2018-84964A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 綺
【審査官】 青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−059110(JP,A)
【文献】 特開2011−170463(JP,A)
【文献】 特開2008−243180(JP,A)
【文献】 特開2005−327196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
G06F 8/61
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
前記情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続された管理サーバーと
を具備し、
前記情報処理装置は、
アプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムを識別するアプリケーションID及び前記アプリケーションプログラムのバージョンを表すアプリケーションバージョンを含むアプリケーションコードファイルとを含むアプリケーションパッケージを、前記情報処理装置にインストールするアプリケーションインストール部と、
インストールされた前記アプリケーションパッケージに含まれる前記アプリケーションコードファイルと、前記情報処理装置を識別するシリアルナンバーとを、前記管理サーバーに送信する認証要求部と
を有し、
前記管理サーバーは、
シリアルナンバーと、アプリケーションIDと、ライセンスキーとが組になって登録されたライセンスキーテーブルを管理するライセンスキーテーブル管理部と、
前記情報処理装置から受信した前記シリアルナンバー及び前記アプリケーションコードファイルに含まれる前記アプリケーションIDと組になったライセンスキーが前記ライセンスキーテーブルに登録されているか否かを判断し、登録されている場合、前記ライセンスキーを前記情報処理装置に入力して前記情報処理装置にインストールされた前記アプリケーションパッケージに含まれる前記アプリケーションプログラムを有効化するライセンスキー認証部と
を有する
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバーは、さらに、
前記情報処理装置から受信した前記アプリケーションコードファイルに含まれる前記アプリケーションバージョンと同じアプリケーションバージョンのアプリケーションパッケージを、前記管理サーバーが有するか否かを判断し、有さない場合、前記情報処理装置から、前記アプリケーションコードファイルに含まれる前記アプリケーションバージョンの前記アプリケーションプログラムを取得して保存するアプリケーション更新部
を有する
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理システムであって、
前記アプリケーションコードファイルは、さらに、ライセンス認証要又はライセンス認証不要を示すライセンス認証要否情報を含み、
前記管理サーバーは、さらに、
前記情報処理装置から受信した前記アプリケーションコードファイルに含まれる前記ライセンス認証要否情報をライセンス認証不要に書き換え、書き換えた前記ライセンス認証要否情報を含むアプリケーションパッケージを再パッケージングし、再パッケージングされた前記アプリケーションパッケージを前記情報処理装置にダウンロードする再パッケージング部
を有し、
前記情報処理装置の前記アプリケーションインストール部は、さらに、再パッケージングされた前記アプリケーションパッケージを前記情報処理装置からダウンロードして上書きインストールする
情報処理システム。
【請求項4】
情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続された管理サーバーであって、
前記情報処理装置は、
アプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムを識別するアプリケーションID及び前記アプリケーションプログラムのバージョンを表すアプリケーションバージョンを含むアプリケーションコードファイルとを含むアプリケーションパッケージを、前記情報処理装置にインストールするアプリケーションインストール部と、
インストールされた前記アプリケーションパッケージに含まれる前記アプリケーションコードファイルと、前記情報処理装置を識別するシリアルナンバーとを、前記管理サーバーに送信する認証要求部と
を有し、
前記管理サーバーは、
シリアルナンバーと、アプリケーションIDと、ライセンスキーとが組になって登録されたライセンスキーテーブルを管理するライセンスキーテーブル管理部と、
前記情報処理装置から受信した前記シリアルナンバー及び前記アプリケーションコードファイルに含まれる前記アプリケーションIDと組になったライセンスキーが前記ライセンスキーテーブルに登録されているか否かを判断し、登録されている場合、前記ライセンスキーを前記情報処理装置に入力して前記情報処理装置にインストールされた前記アプリケーションパッケージに含まれる前記アプリケーションプログラムを有効化するライセンスキー認証部と
を具備する
管理サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置(MFP、Multifunction Peripheral)などの情報処理装置にインストールされるアプリケーションプログラムのライセンスを認証する情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置にアプリケーションプログラムをインストールした際にライセンスキーを入力してアプリケーションプログラムを有効化することが行われてきた。そして、ライセンスキーを便利に使用するための様々な工夫がなされてきた。
【0003】
例えば、特許文献1において開示されている技術では、ライセンスキーを発行するために、アプリケーションプログラムを購入したユーザーは、ライセンス発行サーバーにアクセスし、与えられたライセンスアクセス番号を用いてライセンスキーの発行を行う。
【0004】
また、例えば、特許文献2の技術では、画像形成装置にインストールするアプリケーションプログラムを暗号化するために、データ提供者が指定したライセンスキー(文字列等)を元に作成される共通鍵を用いている。そして、暗号化されたアプリケーションプログラムを復号するための共通鍵としてライセンスキーが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−33561号公報
【特許文献2】特開2008−177683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなアプリケーションプログラムのライセンス認証においては、ライセンスキーは、不正使用を防止するために、非常に長い文字列が用いられる事や、特殊なフォーマットでの入力が要求される事が多く、アプリケーションプログラムのライセンス認証は手間がかかるものであった。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、エンドユーザーがライセンスキーを扱うことなく、アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行うことが出来る情報処理システムおよび情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、ネットワーク接続された、1以上の情報処理装置と、前記1以上の情報処理装置のいずれかにインストールされたアプリケーションプログラムを有効化させるためのライセンスキーを管理する管理サーバーとを含み、前記管理サーバーは、前記1以上の情報処理装置と通信可能な第1の通信部と、前記アプリケーションプログラムをインストールする前記情報処理装置を一意に識別するシリアルナンバーと、インストールする前記アプリケーションプログラムを一意に識別するアプリケーションIDと、インストールするアプリケーションプログラムを有効化するための前記ライセンスキーとが組になって登録されるライセンスキーテーブルを記憶可能な第1の記憶部と、管理者から、前記シリアルナンバーと、前記アプリケーションIDと、前記ライセンスキーとの入力を受け付け、受け付けた前記シリアルナンバー、前記アプリケーションID、および前記ライセンスキーを組にして前記ライセンスキーテーブルに登録するライセンスキーテーブル管理部と、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置から受信した前記アプリケーションIDと前記シリアルナンバーとを用いて前記ライセンスキーテーブルから対応する前記ライセンスキーを抽出し、抽出した前記ライセンスキーを用いて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置にインストールされた前記アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行うライセンスキー認証部とを備え、前記1以上の情報処理装置の各々は、前記管理サーバーと通信可能な第2の通信部と、自装置に対応する前記シリアルナンバーが記憶された第2の記憶部と、エンドユーザーの指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを自装置にインストールするアプリケーションインストール部と、自装置にインストールされた前記アプリケーションプログラムの前記アプリケーションIDと前記第2の記憶部に記憶された前記シリアルナンバーとを前記管理サーバーに送信しライセンスキー認証を要求する認証要求部とを備える。
【0009】
そのため、エンドユーザーがライセンスキーを扱うことなく、アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行うことが出来る。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理方法は、ネットワーク接続された、1以上の情報処理装置と、前記1以上の情報処理装置のいずれかにインストールされたアプリケーションプログラムを有効化させるためのライセンスキーを管理する管理サーバーとを含む情報処理システムにおける情報処理方法であって、前記管理サーバーのライセンスキーテーブル管理部が、管理者から、前記アプリケーションプログラムをインストールする前記情報処理装置を一意に識別するシリアルナンバーと、インストールする前記アプリケーションプログラムを一意に識別するアプリケーションIDと、前記ライセンスキーとの入力を受け付け、前記管理サーバーのライセンスキーテーブル管理部が、受け付けた前記シリアルナンバー、前記アプリケーションID、および前記ライセンスキーを組にしてライセンスキーテーブルに登録し、前記アプリケーションプログラムがインストールされる前記情報処理装置のアプリケーションインストール部が、エンドユーザーの指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを自装置にインストールし、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置の認証要求部が、自装置にインストールされた前記アプリケーションプログラムの前記アプリケーションIDと自装置の記憶部に記憶された前記シリアルナンバーとを前記管理サーバーに送信してライセンスキー認証を要求し、前記管理サーバーのライセンスキー認証部が、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置から受信した前記アプリケーションIDと前記シリアルナンバーとを用いて前記ライセンスキーテーブルから対応する前記ライセンスキーを抽出し、前記管理サーバーのライセンスキー認証部が、抽出した前記ライセンスキーを用いて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置にインストールされた前記アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行う。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、エンドユーザーがライセンスキーを扱うことなく、アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成図である。
図2】管理サーバー10が一般的なコンピューターにより構成される場合の構成図である。
図3】ライセンスキーテーブル17aの例を示す図である。
図4】アプリケーションパッケージ17bの構成図である。
図5】アプリケーションプログラムのアプリケーションIDとバージョンの関係を示す図である。
図6】画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
図7】情報処理システム1における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、アプリケーションプログラムがインストールされ実行される情報処理装置の例として画像形成装置を挙げて説明する。
【0014】
[全体構成]
最初に、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成図である。
【0015】
情報処理システム1は、ネットワーク接続された、管理サーバー10と1以上の画像形成装置20を含んで構成される。
【0016】
管理サーバー10には、管理者が、画像形成装置20にインストールされるアプリケーションプログラムを有効化するためのライセンスキーを登録する。
【0017】
各画像形成装置20では、エンドユーザーがアプリケーションプログラムをインストールした後、管理サーバー10と通信してライセンスキーによる認証を行う。
【0018】
ライセンスキーによる認証は、管理サーバー10に登録してあるライセンスキーにより行われるので、エンドユーザーは、手元の画像形成装置20にインストールしたアプリケーションプログラムの認証に際しては、ライセンスキーの入力を行う必要がない。
【0019】
以上、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成について説明した。
【0020】
[管理サーバーの構成]
次に、管理サーバー10の構成について説明する。管理サーバー10は、専用のハードウェアやソフトウェアにより構成されていてもよいし、一般的なコンピューターにより構成されてもよい。管理サーバー10が一般的なコンピューターにより構成される場合の構成図を図2に示す。
【0021】
同図に示すように、管理サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、操作入力部14、通信部15(第1の通信部)、表示部16、および記憶部17(第1の記憶部)を有し、これら各ブロックがバス18を介して接続されている。
【0022】
ROM12は、各種の処理を実行するためのファームウェア等の複数のプログラムやデータを記憶する。RAM13は、CPU11の作業用領域として用いられ、OS(Operating System)、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0023】
記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリー、その他の不揮発性メモリーである。記憶部17には、OSや各種アプリケーション、各種データ、ライセンスキーテーブル17a、および1以上のアプリケーションパッケージ17bが記憶される。ライセンスキーテーブル17aおよびアプリケーションパッケージ17bについては後述する。
【0024】
通信部15は、画像形成装置20と情報のやりとりを行う為のネットワークと結ばれている。
【0025】
CPU11は、ROM12や記憶部17に格納された複数のプログラムのうち、操作入力部14から与えられる命令に対応するプログラムをRAM13に展開し、この展開されたプログラムにしたがって、表示部16及び記憶部17を適宜制御する。
【0026】
操作入力部14は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。
【0027】
表示部16は、例えば液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等である。
【0028】
次に、CPU11においてプログラムが実行されることにより実現される機能ブロックについて説明する。
【0029】
管理サーバー10のCPU11において実現される機能ブロックは、アプリケーション管理部11a、ライセンスキーテーブル管理部11b、ライセンスキー認証部11c、アプリケーション更新部11d、および再パッケージ部11eである。
【0030】
アプリケーション管理部11aは、記憶部17に記憶されているアプリケーションパッケージ17bを管理する。
【0031】
より具体的には、アプリケーション管理部11aは、記憶部17に記憶されているアプリケーションパッケージ17bを画像形成装置20へダウンロードしたり、画像形成装置20にインストールされているアプリケーションパッケージ17bが管理サーバー10へアップロードされる際のアップロード先となったりする。
【0032】
ライセンスキーテーブル管理部11bは、記憶部17に記憶されているライセンスキーテーブル17aを管理する。
【0033】
より具体的には、ライセンスキーテーブル管理部11bは、管理者から操作入力部14経由で、アプリケーションプログラムをインストールする画像形成装置20のシリアルナンバーと、インストールするアプリケーションプログラムのアプリケーションIDと、インストールするアプリケーションプログラムを有効化するためのライセンスキーとの入力を受け付け、これらの情報をライセンスキーテーブル17aに登録する。なお、ライセンスキーテーブル17aについては後述する。
【0034】
ライセンスキー認証部11cは、ライセンスキーテーブル17aに登録されているライセンスキーを用いて、画像形成装置20にインストールされたアプリケーションプログラムの認証を行う。
【0035】
より具体的には、ライセンスキー認証部11cは、アプリケーションプログラムがインストールされた画像形成装置20から受信したアプリケーションIDとシリアルナンバーを用いてライセンスキーテーブル17aから対応するライセンスキーを抽出し、抽出したライセンスキーを用いて、画像形成装置20にインストールされたアプリケーションプログラムの認証を行う。
【0036】
アプリケーション更新部11dは、ライセンスキー認証部11cがアプリケーションプログラムの認証に成功した場合、画像形成装置20にインストールされたアプリケーションプログラムのバージョンと同じバージョンが管理サーバー10に保存されているかを判断する。同じバージョンが無い場合は、画像形成装置20からアプリケーションプログラムのアップロードを行う。
【0037】
再パッケージ部11eは、ライセンスキー認証部11cがアプリケーションプログラムの認証に成功した場合、アプリケーションプログラムがインストールされた画像形成装置20から受信したアプリケーションコードファイル(後述)に含まれるライセンス認証要否情報を「ライセンス認証要」から「ライセンス認証不要」に書き換えた後、アプリケーションパッケージ17bを再パッケージングして作り直す。
【0038】
再パッケージ部11eは、ライセンス認証要否情報が「ライセンス認証不要」に書き換えられたアプリケーションパッケージ17bをアプリケーションプログラムがインストールされた画像形成装置20にダウンロードさせ、上書きインストールさせる。これにより、再パッケージングされたアプリケーションパッケージ17bがインストールされた画像形成装置20では、今後ライセンス認証を要求されることなく、認証が済んだアプリケーションプログラムを利用することが出来る。
【0039】
以上、管理サーバー10の構成について説明した。
【0040】
[ライセンスキーテーブルについて]
次に、ライセンスキーテーブル17aについて説明する。図3は、ライセンスキーテーブル17aの例を示す図である。
【0041】
この図にあるように、ライセンスキーテーブル17aは、画像形成装置20を一意に識別するシリアルナンバーと、アプリケーションプログラムを一意に識別するアプリケーションIDと、特定の画像形成装置20で特定のアプリケーションプログラムを有効化するためのライセンスキーとが、組になって登録されたテーブルである。
【0042】
ライセンスキーテーブル17aは、ライセンスキーテーブル管理部11bにより管理される。
【0043】
ライセンスキーテーブル17aに登録されるシリアルナンバー、アプリケーションID、およびライセンスキーは、例えば、画像形成装置20への特定のアプリケーションプログラムのインストール計画が判明した時点で、管理サーバー10の管理者により入手され、ライセンスキーテーブル17aに登録されてもよい。
【0044】
特定の画像形成装置20にアプリケーションプログラムがインストールされると、認証のために、画像形成装置20のシリアルナンバーとインストールされたアプリケーションプログラムのアプリケーションIDが管理サーバー10に送られる。
【0045】
管理サーバー10のライセンスキー認証部11cは、シリアルナンバーとアプリケーションIDをきーとしてライセンスキーテーブル17aを検索し、対応するライセンスキーを抽出する。
【0046】
以上、ライセンスキーテーブル17aについて説明した。
【0047】
[アプリケーションパッケージについて]
次に、アプリケーションパッケージ17bについて説明する。図4は、アプリケーションパッケージ17bの構成図である。
【0048】
この図にあるように、1つのアプリケーションパッケージ17bは、アプリケーションプログラムの属性情報をまとめたアプリケーションコードファイルCFと、プログラム本体であるアプリケーションプロジェクトAPを含んで構成される。
【0049】
アプリケーションコードファイルCFには、アプリケーションIDと、アプリケーションのバージョンを表すアプリケーションバージョンと、ライセンス認証が必要か否かを示すライセンス認証要否情報などが含まれる。
【0050】
アプリケーションプロジェクトAPには、画像形成装置20上のJava(登録商標)仮想マシン上でアプリケーションプログラムを実行するための、クラスファイル、リソースファイル、プロパティファイルなどが含まれる。
【0051】
以上、アプリケーションパッケージ17bについて説明した。
【0052】
[アプリケーションIDとバージョンについて]
次に、アプリケーションプログラムのアプリケーションIDとバージョンについて説明する。図5は、アプリケーションプログラムのアプリケーションIDとバージョンの関係を示す図である。
【0053】
この図にあるように、1つのアプリケーションIDには、アプリケーションプログラムのバージョンが複数紐付いている。
【0054】
そのため、アプリケーションプログラムをバージョンまで含めて一意に特定するためには、アプリケーションIDとアプリケーションバージョンを指定する必要がある。
【0055】
以上、アプリケーションプログラムのアプリケーションIDとバージョンについて説明した。
【0056】
[画像形成装置の構成]
次に、画像形成装置20の構成について説明する。図6は画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
【0057】
画像形成装置20は、制御部21を備える。制御部21は、CPU、RAM、ROM、および専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置20の全体的な動作制御を司る。
【0058】
制御部21は、原稿読取部22、画像処理部23、画像メモリー24、画像形成部25、操作部26、表示部26a、ファクシミリ通信部27、通信部28(第2の通信部)、記憶部29(第2の記憶部)等と接続されている。制御部21は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0059】
制御部21は、ユーザーから、操作部26またはネッワーク接続されたPC等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナ機能、印刷機能、コピー機能、およびファクシミリ送受信機能などの各機能についての動作制御を実行するために必要な機構の駆動及び処理を制御する。
【0060】
また、制御部21は、アプリケーションインストール部21aおよび認証要求部21bを有している。アプリケーションインストール部21aおよび認証要求部21bは、ROMなどからRAMにロードされたプログラムがCPUにより実行されることで実現される機能ブロックである。
【0061】
アプリケーションインストール部21aは、エンドユーザーの指示に従い、アプリケーションパッケージ17bを自装置20にインストールする。また、インストールされたアプリケーションに対するライセンスキー認証が管理サーバー10において成功した場合、管理サーバー10にて再パッケージングされたアプリケーションパッケージ17bの上書きインストールを行う。
【0062】
認証要求部21bは、アプリケーションインストール部21aによりインストールされたアプリケーションパッケージ17bが、ライセンスキー認証を必要とするものである場合、記憶部29に記憶されている自装置20のシリアルナンバー29aおよびインストールされたアプリケーションパッケージ17bに含まれるアプリケーションIDを管理サーバー10に送信し、ライセンスキー認証を要求する。
【0063】
原稿読取部22は、原稿から画像を読み取る。
【0064】
画像処理部23は、原稿読取部22で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部23は、原稿読取部22により読み取られた画像が画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の画像処理を行う。
【0065】
画像メモリー24は、原稿読取部22による読み取りで得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部25での印刷対象となるデータを一時的に記憶したりする領域である。
【0066】
画像形成部25は、原稿読取部22で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
【0067】
操作部26は、画像形成装置20が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部および操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部26aを備えている。
【0068】
ファクシミリ通信部27は、図示しない符号化/復号化部、変復調部、およびNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行う。
【0069】
通信部28は、LANボード等の通信モジュールから構成され、通信部28に接続されたLAN等を介して、管理サーバー10などの装置(PC等)と種々のデータの送受信を行う。
【0070】
記憶部29は、原稿読取部22によって読み取られた原稿画像、シリアルナンバー29a、およびアプリケーションパッケージ17bなどを記憶する。記憶部29は、HDDなどの大容量の記憶装置である。なお、シリアルナンバー29aは、画像形成装置20の製造番号など、画像形成装置20を一意に識別可能な番号である。
【0071】
以上、画像形成装置20の構成について説明した。
【0072】
[処理の流れ]
次に、情報処理システム1における処理の流れについて説明する。図7は、情報処理システム1における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0073】
まず、管理者が、管理サーバー10のライセンスキーテーブル17aに、アプリケーションパッケージ17bをインストールする画像形成装置20のシリアルナンバー29aと、インストールされるアプリケーションプログラムのアプリケーションIDとを、ライセンスキーと組にして登録する(ステップS1)。
【0074】
次に、エンドユーザーの指示に従い、画像形成装置20のアプリケーションインストール部21aが、画像形成装置20にアプリケーションパッケージ17bをインストールする(ステップS2)。
【0075】
次に、画像形成装置20の認証要求部21bが、インストールされたアプリケーションパッケージ17bのアプリケーションコードファイルCF(アプリケーションIDおよびアプリケーションバージョンを含む)とシリアルナンバー29aを管理サーバー10に送信してライセンスキー認証を要求する(ステップS3)。
【0076】
次に、管理サーバー10のライセンスキー認証部11cが、受信したアプリケーションIDとシリアルナンバー29aに対応したライセンスキーが、ライセンスキーテーブル17bに存在するかを判断する(ステップS4)。
【0077】
ライセンスキーが存在しない場合(ステップS4のN)、エラー処理を行い(ステップS5)、処理を終了する。
【0078】
ライセンスキーが存在する場合(ステップS4のY)、ライセンスキー認証部11cは、ライセンスキーを用いて認証を行う(ステップS6)。
【0079】
次に、アプリケーション更新部11dが、受信したアプリケーションバージョンのアプリケーションパッケージ17bは、管理サーバー10にあるか否かを判断する(ステップS7)。
【0080】
管理サーバー10に無い場合(ステップS7のN)、アプリケーション更新部11dは、画像形成装置20よりアプリケーションプロジェクトAPを取得し、記憶部17に保存する(ステップS8)。
【0081】
次に、再パッケージング部11eが、受信したアプリケーションコードファイルCF内のライセンス認証要否情報を「不要」に変更し、アプリケーションプログラムを再パッケージングする(ステップS9)。
【0082】
次に、一度アプリケーションパッケージ17bをインストールした画像形成装置20のアプリケーションインストール部21aが、再パッケージングされたアプリケーションパッケージ17bを管理サーバー10からダウンロードし、自装置20に上書きインストールする(ステップS10)。
【0083】
以上、情報処理システム1における処理の流れについて説明した。
【0084】
[補足事項]
以上のように、本発明に係る情報処理システム1は、ネットワーク接続された、1以上の情報処理装置20と、前記1以上の情報処理装置20のいずれかにインストールされたアプリケーションプログラムを有効化させるためのライセンスキーを管理する管理サーバー10とを含み、前記管理サーバー10は、前記1以上の情報処理装置20と通信可能な第1の通信部15と、前記アプリケーションプログラムをインストールする前記情報処理装置20を一意に識別するシリアルナンバーと、インストールする前記アプリケーションプログラムを一意に識別するアプリケーションIDと、インストールするアプリケーションプログラムを有効化するための前記ライセンスキーとが組になって登録されるライセンスキーテーブル17aを記憶可能な第1の記憶部17と、管理者から、前記シリアルナンバーと、前記アプリケーションIDと、前記ライセンスキーとの入力を受け付け、受け付けた前記シリアルナンバー、前記アプリケーションID、および前記ライセンスキーを組にして前記ライセンスキーテーブル17aに登録するライセンスキーテーブル管理部11bと、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置20から受信した前記アプリケーションIDと前記シリアルナンバーとを用いて前記ライセンスキーテーブル17aから対応する前記ライセンスキーを抽出し、抽出した前記ライセンスキーを用いて、前記アプリケーションプログラムがインストールされた前記情報処理装置20にインストールされた前記アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行うライセンスキー認証部11cとを備え、前記1以上の情報処理装置20の各々は、前記管理サーバー10と通信可能な第2の通信部28と、自装置20に対応する前記シリアルナンバーが記憶された第2の記憶部29と、エンドユーザーの指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを自装置20にインストールするアプリケーションインストール部21aと、自装置20にインストールされた前記アプリケーションプログラムの前記アプリケーションIDと前記第2の記憶部29に記憶された前記シリアルナンバーとを前記管理サーバー10に送信しライセンスキー認証を要求する認証要求部21bとを備える。
【0085】
そのため、エンドユーザーがライセンスキーを扱うことなく、アプリケーションプログラムのライセンスキー認証を行うことが出来る。
【0086】
その他、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0087】
1 … 情報処理システム
10 … 管理サーバー
11 … CPU
11a… アプリケーション管理部
11b… ライセンスキーテーブル管理部
11c… ライセンスキー認証部
11d… アプリケーション更新部
11e… 再パッケージ部
12 … ROM
13 … RAM
14 … 操作入力部
15 … 通信部
16 … 表示部
17 … 記憶部
17a… ライセンスキーテーブル
17b… アプリケーションパッケージ
18 … バス
20 … 画像形成装置
21 … 制御部
21a… アプリケーションインストール部
21b… 認証要求部
22 … 原稿読取部
23 … 画像処理部
24 … 画像メモリー
25 … 画像形成部
26 … 操作部
26a… 表示部
27 … ファクシミリ通信部
28 … 通信部
29 … 記憶部
29a… シリアルナンバー
図1
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図3
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図7