(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遮断解除時間は、前記搬送波信号で搬送されるデータ量及び前記副搬送波信号で搬送されるデータ量に比例して、長く設定される請求項1に記載のリーダーライター。
装置本体と、この装置本体に着脱自在に装着されるとともに、トナーを収容するトナーコンテナと、前記装置本体に設けられたリーダーライターと、前記トナーコンテナに設けられるとともに、前記リーダーライターとの間でデータ通信を行うタグとを備えた画像形成装置であって、
前記リーダーライターには、請求項1または請求項2に記載のリーダーライターが用いられている画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような従来の無線タグ通信システムでは、静電気などの外来ノイズがアンテナから入力することがあり、この入力された外来ノイズによってリーダーライターに含まれた回路を破損させる恐れがある。具体的にいえば、アンテナは一般的に剥き出しの状態である。このため、画像形成装置において、例えばトナーコンテナを抜きさしする際に作業者等の手がアンテナに触れることがある。この結果、この従来の無線タグ通信システムでは、静電気などの外来ノイズがアンテナから入力して、リーダーライター内の回路を破損する可能性がある。特に、リーダーライターにおいて、倍電圧回路を用いた包絡線検波部がタグからの副搬送波信号を復調する復調回路に用いられている場合には、僅かな外来ノイズが入力されたときでも、その外来ノイズが倍電圧回路により増幅されて、当該復調回路を破損させる可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、タグとリーダーライターとの間での通信において、復調回路に、アンテナから入力される静電気などの外来ノイズに起因する悪影響が及ぶことを回避することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係るリーダーライターは、タグとの間でデータ通信を行うリーダーライターであって、
搬送波信号を生成する搬送波生成部と、
前記タグに対し搬送波信号を送信するとともに、前記タグからの副搬送波信号を受信するアンテナと、
倍電圧回路を用いた包絡線検波部を具備するとともに、前記アンテナで受信された副搬送波信号を復調する復調回路と、
前記アンテナと前記復調回路との間に設けられて、これらのアンテナと復調回路との間の経路を遮断する遮断回路と、
前記遮断回路を制御する制御部と、
前記遮断回路による前記経路の遮断を解除する遮断解除時間を予め記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記アンテナから搬送波信号の送信を開始するときに、前記アンテナから搬送波信号の送信を開始する時点から、前記記憶部に記憶されている前記遮断解除時間の間、前記遮断回路に前記経路の遮断を解除させ、かつ、前記遮断解除時間以外の時間は、前記遮断回路に前記経路の遮断を行わせるものである。
【0010】
また、本発明の他の一局面に係る画像形成装置は、装置本体と、この装置本体に着脱自在に装着されるとともに、トナーを収容するトナーコンテナと、前記装置本体に設けられたリーダーライターと、前記トナーコンテナに設けられるとともに、前記リーダーライターとの間でデータ通信を行うタグとを備えた画像形成装置であって、
前記リーダーライターには、上記リーダーライターが用いられているものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、タグとリーダーライターとの間での通信において、復調回路に、アンテナから入力される静電気などの外来ノイズに起因する悪影響が及ぶことを回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかるリーダーライターについて図面を参照して説明する。尚、以下の説明では、リーダーライターを無線タグ通信システム並びに画像形成装置に適用した場合を例示して説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る画像形成装置の構造を示した模式的な部分断面正面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、操作部47、原稿給送部6、原稿読取部5、及び画像形成部12を含んで構成されている。
【0015】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付けるものであり、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。
【0016】
画像形成装置1が原稿読取動作を行う場合、原稿給送部6により給送されてくる原稿の画像等を原稿読取部5が光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0017】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。上記原稿読取動作により生成された画像データや、内蔵HDDに記憶されている画像データ、ネットワーク接続されたコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部から給紙される記録紙(記録媒体)としての用紙Pにトナー像を形成する。すなわち、画像形成部12は、記録媒体に対して、画像形成処理を行う。
【0018】
画像形成部12は、ブラック(Bk)用の画像形成ユニット、イエロー(Y)用の画像形成ユニット、シアン(C)用の画像形成ユニット、及びマゼンタ(M)用の画像形成ユニットを含んで構成されている。また、画像形成部12では、各色用の画像形成ユニットが、対応する色のトナー像を形成した後、これら4色のトナー像を合成することにより、カラーのトナー像を形成する。そして、画像形成部12では、形成したカラーのトナー像を用紙Pに定着させることによって、カラー印刷(画像形成)が行われる。
【0019】
また、画像形成部12には、ブラック用、イエロー用、シアン用、マゼンタ用のトナーをそれぞれ収容したトナーコンテナ17Bk,17Y,17C,17Mが設けられている。これらのトナーコンテナ17Bk,17Y,17C,17Mは、装置本体11に設けられたトナーコンテナ装着部(図略)によって当該装置本体11に対して着脱自在に装着されている。すなわち、各トナーコンテナ17Bk,17Y,17C,17Mは、装置本体11に対して、
図1の紙面に垂直な方向に抜きさし自在に取り付けられている。また、これらの各トナーコンテナ17Bk,17Y,17C,17Mに対して、本実施形態に係る無線タグ通信システム20(
図2)が適用されており、当該無線タグ通信システム20を介して下記のトナー情報の管理が行われている。
【0020】
具体的にいえば、
図2に例示するように、トナーコンテナ17Bkが装置本体11(
図1)に装着されている場合では、装置本体11に設けられた無線タグ通信システム20のリーダーライター21と、トナーコンテナ17Bkに設けられた無線タグ通信システム20のタグ22とが互いに近接して配置される。すなわち、リーダーライター21は、プリント回路基板(RFID基板)211と、このプリント回路基板211上に設けられたアンテナ27及びこのアンテナ27以外のリーダーライター21の構成要素を集積したICチップ212を備えている。また、リーダーライター21では、アンテナ27がタグ22に対して既定の離間距離(例えば、5mm)をおいて互いに対向するように、プリント回路基板211が装置本体11に取り付けられている。そして、無線タグ通信システム20では、トナーコンテナ17Bk内のトナーの種別やトナーの残量などのトナー情報がリーダーライター21とタグ22との間で送受信されるとともに、このトナー情報は、無線タグ通信システム20と装置本体11の図略の制御部との間でも送受信されて、当該制御部が装置本体11の記憶部(図示せず)に記憶させることで当該トナー情報の管理が行われる。
【0021】
尚、他のトナーコンテナ17Y,17C,17Mに対しても、各々トナーコンテナ17Bkと同様に、無線タグ通信システム20が適用されており、対応する色のトナー情報の管理が行われている。
【0022】
次に、
図3を用いて、本実施形態のリーダーライター21及びこれを用いた無線タグ通信システム20について具体的に説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係るリーダーライターとこれを用いた無線タグ通信システムの要部構成を示すブロック図である。
【0023】
無線タグ通信システム20は、本実施形態のリーダーライター21と、パッシブ型又はアクティブ型のタグ22とを備えている。リーダーライター21は、タグ22との間でデータ通信を行う。
【0024】
具体的にいえば、無線タグ通信システム20では、リーダーライター21は外部からの送信対象とするデータに応じて搬送波信号を変調して、この変調された搬送波信号をタグ22に送信し、また、タグ22から受信した副搬送波信号を復調して、データを生成し外部に出力する。
【0025】
タグ22では、リーダーライター21への送信対象とするデータに応じて副搬送波信号を変調して、この変調された副搬送波信号をリーダーライター21に送信し、また、リーダーライター21から受信した搬送波信号を復調して、データを生成する。
【0026】
図3に示すように、本実施形態のリーダーライター21は、通信制御ユニット23を具備する。通信制御ユニット23は、制御部231と、記憶部232とを備えており、図略の送受信部を介して外部(つまり、画像形成装置1の上記制御部)からデータを入力するとともに、当該送受信部を介して外部(つまり、画像形成装置1の上記制御部)にデータを出力する。また、この通信制御ユニット23には、遮断回路26による経路の遮断を解除する遮断解除時間が上記送受信部を介して外部(つまり、画像形成装置1の上記制御部)から予め設定されている。また、本実施形態の通信制御ユニット23では、複数の遮断解除時間が予め設定されている。
【0027】
制御部231は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU、ASIC等のプロセッサーを用いて構成されており、リーダーライター21の全体的な動作制御を司る。
【0028】
記憶部232は、RAM(Random Access Memory)等を用いて構成されており、通信制御ユニット23に対し、上記遮断解除時間が予め設定されたときに当該遮断解除時間を予め記憶する。また、記憶部232には、複数の遮断解除時間が予め記憶されている。
【0029】
また、本実施形態のリーダーライター21は、搬送波生成部24、増幅器25、遮断回路26、アンテナ27、包絡線検波部28、オペアンプ29、及び各コンデンサC1、C2等を備えて構成されている。また、リーダーライター21では、包絡線検波部28、オペアンプ29、及びコンデンサC2によって、タグ22からの副搬送波信号を復調する復調回路30が構成されている。
【0030】
搬送波生成部24は、制御部231からの指示信号に基づいて、規定の周波数(例えば、13.56MHz)の搬送波信号を発振して増幅器25に出力する。
【0031】
増幅器25は、制御部231からの指示信号に基づいて、搬送波生成部24からの搬送波信号を振幅変調して出力する。具体的には、制御部231は、例えば外部から入力したデータに応じて、増幅器25への指示信号を生成して、当該増幅器25に出力する。また、増幅器25では、制御部231からの指示信号に基づいて、増幅率が制御され、遮断回路26に出力される搬送波信号が変調される。
【0032】
遮断回路26は、アンテナ27と復調回路30との間に設けられている。また、遮断回路26は、例えば双方向のデータ通信(つまり、タグ22への搬送波信号及びタグ22からの副搬送波信号)を遮断可能なスイッチング素子を用いて構成されており、制御部231からの指示信号に基づいて、アンテナ27と復調回路30との間の経路を遮断する。
【0033】
アンテナ27は、送受信兼用であり、遮断回路26から出力された搬送波信号を送信するとともに、タグ22から送信されてきた副搬送波信号を受信する。
【0034】
増幅器25から出力された搬送波信号及びアンテナ27で受信された副搬送波信号は、コンデンサC1を介して包絡線検波部28に入力される。包絡線検波部28は、倍電圧回路281を用いて構成されており、搬送波信号及び副搬送波信号を受信信号として入力して、この受信信号の包絡線を抽出し、この包絡線に対応するアナログ信号を出力する。
【0035】
包絡線検波部28から出力された包絡線に対応するアナログ信号の高周波成分(包絡線の立ち上がり及び立下りに対応する信号)は、コンデンサC2を通じてオペアンプ29に加えられる。オペアンプ29の一対の入力端子には、その包絡線の立ち上がり及び立下りに対応する信号及び分圧によるDCオフセット電圧vfが加えられ、オペアンプ29の出力端子からは、包絡線に対応するデジタル信号が出力される。
【0036】
また、本実施形態のリーダーライター21では、タグ22との間でデータ通信を行う場合を除いて、制御部231は遮断回路26を制御して、当該遮断回路26にアンテナ27と復調回路30との間の経路を遮断させる。
【0037】
具体的には、タグ22との間でデータ通信を行う場合のみ、制御部231は遮断回路26を制御して、当該遮断回路26にアンテナ27と復調回路30との間の経路の遮断を解除させて、搬送波信号の送信及び副搬送波信号の受信を許容する。すなわち、制御部231は、アンテナ27から搬送波信号の送信を開始するときに、アンテナ27から搬送波信号の送信を開始する時点からアンテナ27で副搬送波信号の受信を終了する時点までの間の時間に対して、記憶部232に記憶されている遮断解除時間を設定して、遮断回路26にアンテナ27と復調回路30との間の経路の遮断を解除させる。これにより、タグ22に対しアンテナ27から搬送波信号が出力され、かつ、タグ22からの副搬送波信号がアンテナ27を介して復調回路30に入力される。更に、制御部231は、遮断解除時間(データ通信)以外の時間は、遮断回路26に上記経路の遮断を行わせる。
【0038】
ここで、上記遮断解除時間は、搬送波信号で搬送されるデータ量(バイト量)及び副搬送波信号で搬送されるデータ量(バイト量)に比例して、長く設定される。具体的にいえば、画像形成装置1では、無線タグ通信システム20でのデータ通信として、リーダーライター21からタグ22に上記トナー情報を書き込む書き込み動作と、タグ22からリーダーライター21にトナー情報を読み取る読み取り動作とが行われる。これらの書き込み動作及び読み取り動作は、各々複数種類存在している。また、各書き込み動作では、その書き込み動作で搬送されるトナー情報のデータ量や書き込み動作を指示するコマンド等の等のデータ量は画像形成装置1の製造者等に予め把握されている。また、各読み取り動作では、読み取り動作を指示するコマンド等のデータ量は画像形成装置1の製造者等に予め把握されている。すなわち、画像形成装置1では、書き込み動作及び読み取り動作の種類毎のデータ量が予め把握されており、各書き込み動作及び各読み取り動作に必要な通信時間も製造者等に予め把握されている。そして、本実施形態のリーダーライター21では、製造者等により、各書き込み動作及び各読み取り動作に必要な通信時間に対応した(つまり、搬送波信号で搬送されるデータ量及び副搬送波信号で搬送されるデータ量に比例した)複数の遮断解除時間が設定されている。そして、製造者等は、画像形成装置1の操作部47を操作することにより、予め定めた複数の遮断解除時間を、通信制御ユニット23に予め設定して、制御部231が記憶部232に予め複数の遮断解除時間を記憶させる。このように、本実施形態のリーダーライター21では、搬送波信号で搬送されるデータ量及び副搬送波信号で搬送されるデータ量に比例して、長く設定される遮断解除時間が定められているので、遮断回路26の制御を適切に行うことができ、タグ22との間でデータ通信を行う場合を除いて、アンテナ27と復調回路30との間の経路を確実に遮断させることができる。
【0039】
尚、タグ22がパッシブ型である場合には、上記遮断解除時間内でタグ22に送信される搬送波信号の電力によりタグ22がプリチャージされ、当該タグ22は動作可能な状態とされる。
【0040】
以下、上記のように構成された本実施形態のリーダーライター21の動作について
図4を参照して具体的に説明する。
図4(a)、
図4(b)、及び
図4(c)は、本実施形態のリーダーライターにおける、アンテナから送信される搬送波信号、アンテナで受信される副搬送波信号、及び遮断回路の動作状態をそれぞれ示すタイミングチャートである。
【0041】
本実施形態のリーダーライター21では、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、タグ22との間でデータ通信が行われていない時点t0から時点t1までの間においては、制御部231は、遮断回路26に対して指示信号を出力することにより、遮断回路26によってアンテナ27と復調回路30との間の経路を遮断状態としている(
図4(c)参照)。
【0042】
[書き込み動作]
そして、時点t1において、画像形成装置1の上記制御部から通信制御ユニット23に対して、例えばトナー情報の書き込み動作の指示(データ)が入力されると、制御部231は、タグ22へのデータ通信が開始されると判断して、指示された書き込み動作の種類に対応した遮断解除時間を記憶部232から読み出し、読み出した遮断解除期間を、アンテナ27から搬送波信号の送信を開始する(予定の)時点t2から適用する。
【0043】
更に、制御部231は、画像形成装置1の上記制御部からのトナー情報の書き込み動作の指示に基づいて、その書き込み動作を指示するコマンドや書き込み動作の対象のトナー情報等に対応する増幅器25での増幅率を決定して、その決定した増幅率を増幅器25に指示するための指示信号を生成する。
【0044】
その後、制御部231は、時点t2において、当該時点t2が遮断解除時間の開始時点であると判断して、遮断回路26に対し指示信号を出力することにより、当該遮断回路26に上記経路の遮断を解除させる(
図4(c)参照)。尚、時点t1から時点t2までの間は、制御部231からの指示信号が遮断回路26に入力されていないので、当該遮断回路26に上記経路の遮断を行わせている(
図4(c)参照))。
【0045】
更に、制御部231は、搬送波生成部24に指示信号を出力することにより、搬送波信号を生成させて時点t2から出力させるとともに、増幅器25に対し増幅率を指示するための指示信号を出力する。これにより、外部からのトナー情報の書き込み動作の指示に応じて変調された搬送波信号が、
図4(a)に示すように、時点t2から時点t3までの間に遮断回路26及びアンテナ27を介してタグ22に送信される。
【0046】
その後、
図4(b)に示すように、時点t3から時点t4までの間では、タグ22からの副搬送波信号がアンテナ27で受信され、この受信された副搬送波信号は遮断回路26及びコンデンサC1介して復調回路30に入力される。尚、この副搬送信号には、トナー情報の書き込み動作を完了したことを通知するデータ等が含まれている。
【0047】
続いて、制御部231は、時点t2から上記遮断解除時間が経過した時点t4において、当該時点t4が遮断解除時間の終了時点であると判断して、指示信号を遮断回路26に出力することにより、当該遮断回路26にアンテナ27と復調回路30との間の経路を遮断させる(
図4(c)参照)。
【0048】
[読み取り動作]
また、本実施形態のリーダーライター21では、時点t1において、画像形成装置1の上記制御部から通信制御ユニット23に対して、例えばトナー情報の読み取り動作の指示(データ)が入力されると、制御部231は、タグ22へのデータ通信が開始されると判断して、指示された読み取り動作の種類に対応した遮断解除時間を記憶部232から読み出し、読み出した遮断解除期間を、アンテナ27から搬送波信号の送信を開始する(予定の)時点t2から適用する。
【0049】
更に、制御部231は、画像形成装置1の上記制御部からのトナー情報の読み取り動作の指示に基づいて、読み取り動作を指示するコマンドや読み取り動作の対象のトナー情報等に対応する増幅器25での増幅率を決定して、その決定した増幅率を増幅器25に指示するための指示信号を生成する。
【0050】
その後、制御部231は、時点t2において、当該時点t2が遮断解除時間の開始時点であると判断して、遮断回路26に対し指示信号を出力することにより、当該遮断回路26に上記経路の遮断を解除させる(
図4(c)参照)。尚、時点t1から時点t2までの間は、制御部231からの指示信号が遮断回路26に入力されていないので、当該遮断回路26に上記経路の遮断を行わせている(
図4(c)参照))。
【0051】
更に、制御部231は、搬送波生成部24に指示信号を出力することにより、搬送波信号を生成させて時点t2から出力させるとともに、増幅器25に対し増幅率を指示するための指示信号を出力する。これにより、外部からのトナー情報の読み取り動作の指示に応じて変調された搬送波信号が、
図4(a)に示すように、時点t2から時点t3までの間に遮断回路26及びアンテナ27を介してタグ22に送信される。
【0052】
その後、
図4(b)に示すように、時点t3から時点t4までの間では、タグ22からの副搬送波信号がアンテナ27で受信され、この受信された副搬送波信号は遮断回路26及びコンデンサC1を介して復調回路30に入力される。尚、この副搬送波信号には、読み取られたトナー情報などのデータ等が含まれている。
【0053】
続いて、制御部231は、時点t2から上記遮断解除時間が経過した時点t4において、当該時点t4が遮断解除時間の終了時点であると判断して、指示信号を遮断回路26に出力することにより、当該遮断回路26にアンテナ27と復調回路30との間の経路を遮断させる(
図4(c)参照)。
【0054】
このように、本実施形態に係るリーダーライター21では、制御部231は、アンテナ27から搬送波信号の送信を開始するときに、アンテナ27から搬送波信号の送信を開始する時点から、記憶部232に記憶されている上記遮断解除時間の間、遮断回路26にアンテナ27と復調回路30との間の経路の遮断を解除させる。更に、制御部231は、遮断解除時間以外の時間は、遮断回路26に上記経路の遮断を行わせる。このため、本実施形態に係るリーダーライター21では、タグ22との間でデータ通信を行っていない場合、静電気などの外来ノイズがアンテナ27から入力されたとしても、その外来ノイズが復調回路30に入力されるのを遮断回路26によって阻止することができる。この結果、本実施形態に係るリーダーライター21では、タグ22とリーダーライター21との間での通信において、復調回路30に、アンテナ27から入力される静電気などの外来ノイズによって復調回路30が破損されるのを防ぐことができ、アンテナ27から入力される静電気などの外来ノイズに起因する悪影響が及ぶことを回避することができる。
【0055】
また、本実施形態のリーダーライター21では、タグ22との間のデータ通信期間に対して記憶部232に予め記憶されている遮断解除時間を設定した遮断回路26の制御が行われているので、例えば包絡線検波部28の前段または後段にコイルなどを用いた共振回路等のノイズ低減部材を設けて、外来ノイズを低減する比較例に比べ、本実施形態のリーダーライター21では、外来ノイズに起因する悪影響が及ぶことを確実に回避することができる。
【0056】
具体的にいえば、例えば作業者が画像形成装置1のトナーコンテナ17Bkを抜きさし作業を行っている場合において、作業者がアンテナに触れると、比較例では、当該作業者での帯電電荷の大きさなどによっては上記ノイズ低減部材で静電気などの外来ノイズを適切に低減することができずに、復調回路を破損させる可能性がある。
【0057】
これに対して、本実施形態のリーダーライター21では、トナーコンテナ17Bkを抜きさし作業を行っている場合はタグ22との間のデータ通信期間ではないので、アンテナ27と復調回路30との間の経路は遮断回路26によって遮断されている。それ故、本実施形態のリーダーライター21では、どのような大きさの外来ノイズがアンテナ27に入力されたとしても、遮断回路26から前段に設けられた復調回路30等の構成部材に対してアンテナ27に入力された外来ノイズが悪影響を及ぼすことがなく、復調回路30が破損するのを確実に防ぐことができる。
【0058】
上記の説明では、本発明のリーダーライターを備えた無線タグ通信システムを4色分のトナーコンテナを有する画像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば1色分のトナーコンテナを有する画像形成装置、または他の装置や機器等に適用することができる。
【0059】
また、上記の説明では、複数の遮断解除時間を予め記憶部に記憶する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複数種類の各書き込み動作及び複数種類の各読み取り動作に必要な通信時間のうち、最長の通信時間に対応した遮断解除時間のみを記憶部に予め記憶させる構成でもよい。
【0060】
また、
図1乃至
図4を用いて説明した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。