(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定ジョブの受信時刻と前記操作パネルにより前記特定操作を受け付けた特定操作時刻とを前記特定ジョブの作成ユーザーに関連付けて記憶する特定ジョブ履歴記憶部を有し、
前記画面生成部は、
前記特定ジョブ検出部により検出された前記特定ジョブの前記作成ユーザーにおける前記特定ジョブ履歴記憶部に記憶された前記受信時刻と前記特定操作時刻との差分時間に基づいて、前記操作予定を通知する前記操作予定通知画面を生成して前記操作パネルに表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付してある。
【0010】
図1に示すように、本実施の形態の文字校正システム100は、画像形成装置1と、外部端末2と、携帯端末3とを備えている。画像形成装置1と外部端末2とは、LAN(Local Area Network)ケーブル等の有線ネットワークで接続されている。画像形成装置1と携帯端末3とは、無線ネットワークで接続されている。なお、外部端末2が画像形成装置1と無線ネットワークで接続されてもよいし、携帯端末3が画像形成装置1と有線ネットワークで接続されてもよい。
【0011】
画像形成装置1は、複写機、複合機等であり、操作パネル11と、原稿読取部12と、記憶部13と、画像処理部14と、印刷部15と、通信部16と、制御部17とを備えている。
【0012】
操作パネル11は、各種情報を表示するタッチパネル111と各種操作キーを有する操作部112とを備えたユーザーインターフェースである。タッチパネル111は、表示パネルの表面に透明の感圧センサーが設けられた表示手段及び入力手段として機能する。
【0013】
原稿読取部12は、図示しない原稿給紙装置により給紙されてきた原稿や、ユーザーによってプラテンガラスに載置された原稿に対して光を照射し、その反射光等を受光して原稿画像を読み取るスキャナーである。
【0014】
記憶部13は、半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部12によって読み取られた画像データや、通信部16によって受信された画像データ等が蓄積される記憶手段である。他にも、記憶部13には、ユーザーの管理情報であるユーザー情報131と、文字抽出部171が画像データに対して文字認識の対象とするエリアを設定した文字エリア情報132とが記憶されている。ユーザー情報131としては、ユーザー名、ユーザーID、パスワード、ユーザーが所持する携帯端末3のメールアドレス等が登録される。
【0015】
画像処理部14は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段である。画像処理部14では、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0016】
印刷部15は、記憶部13に記憶された画像データを印刷する印刷手段である。印刷部15は、例えば、記憶部13から読み出した画像データに基づき感光体ドラムの表面に潜像を形成し、トナーによってその潜像をトナー像とする画像形成を行い、その感光体ドラムから記録紙にトナー像を転写させ、そのトナー像を記録紙に定着させて排紙する。
【0017】
通信部16は、無線ネットワークを介して携帯端末3と各種データを送受信する機能を有する。また、通信部16は、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してパーソナルコンピューター等の外部端末2と各種データを送受信する機能を有する。
【0018】
制御部17は、操作パネル11、原稿読取部12、記憶部13、画像処理部14、印刷部15及び通信部16にそれぞれ接続されている。制御部17は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部17は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、装置全体の制御を行う。また、制御部17は、文字抽出部171と、画面生成部172と、校正処理部173と、特定ジョブ検出部174として機能する。
【0019】
文字抽出部171は、原稿読取部12により読み取られた画像データに対して、文字エリア情報132で設定された文字エリアに光学的文字認識を行い、文字エリアから文字列を抽出する機能を有する。
【0020】
画面生成部172は、文字抽出部171によって取得された文字列の誤りを正す校正操作を受け付ける校正画面G80(
図4を参照)を生成して、タッチパネル111に表示する機能を有する。また、画面生成部172は、校正画面G80における校正操作に応じて、校正作業ユーザーにより指定された校正対象文字を正しく修正するための入力を受け付ける校正入力画面G81(
図5を参照)を生成してタッチパネル111に表示する。また、画面生成部172は、校正画面G80をタッチパネル111に表示しているときに、特定ジョブ検出部174によって操作パネル11に対する特定操作を実行条件とする印刷ジョブが検出された場合に、特定ジョブにより操作パネル11に操作予定がある旨を通知して携帯端末3で操作するか確認する操作予定通知画面G90を生成してタッチパネル111に表示する。他にも、画面生成部172は、ユーザーID及びパスワードの入力を受け付ける認証画面を生成してタッチパネル111に表示する。
【0021】
校正処理部173は、操作パネル11を用いた校正モードと携帯端末3を用いた校正モードとを有し、操作パネル11又は携帯端末3に表示される校正画面G80を介して受け付けられる校正操作に基づいて、文字抽出部171により取得された文字列の誤りを正しく修正する機能を有する。
【0022】
特定ジョブ検出部174は、通信部16が外部端末2から受信した印刷ジョブの内、操作パネル11に対する特定操作を実行条件とする印刷ジョブを特定ジョブとして検出する機能を有する。これにより、操作パネル11に操作予定が入ったことが検出される。
【0023】
なお、操作パネル11に対する特定操作を実行条件とする印刷ジョブとは、いわゆるセキュアプリントやプライベートプリント等が設定されたジョブである。制御部17は、通信部16により特定ジョブを受信すると、記憶部13に記憶させて特定ジョブを待機させる。特定ジョブ作成ユーザーが外部端末2を介して印刷設定で設定したパスワードや、特定ジョブ作成ユーザーのユーザー情報(例えば、ユーザーID及びパスワード)が操作パネル11を介して入力されると、制御部17は、記憶部13に待機された特定ジョブを印刷部15により実行する。特定ジョブは、出力物の放置や紛失を防ぐことができ、セキュリティー対策として使用される。
【0024】
次に、
図2を参照して、携帯端末3の概略構成を説明する。携帯端末3は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等であり、校正作業ユーザーが所持している。携帯端末3は、タッチパネル31と、記憶部32と、通信部33と、制御部34とを備えている。
【0025】
タッチパネル31は、各種情報を表示する表示部と各種操作キーを備えたユーザーインターフェースである。タッチパネル31は、表示パネルの表面に透明の感圧センサーが設けられた表示手段及び入力手段として機能する。
【0026】
記憶部32は、半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、校正支援APP321が記憶されている。校正支援APP321は、操作パネル11で行っていた校正作業を携帯端末3で引き継いで操作するためのアプリケーションプログラムであり、携帯端末3にインストールされている。校正作業ユーザーは、通信部33を介してインターネットなどから校正支援APP321をダウンロードして、携帯端末3にインストールすることができる。
【0027】
通信部33は、無線ネットワークを介して、画像形成装置1と各種データを送受信する機能を有する。
【0028】
制御部34は、タッチパネル31、記憶部32及び通信部33にそれぞれ接続され、タッチパネル31から入力された所定の指示情報に応じて携帯端末3全体の動作制御を実行する。制御部34は、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには携帯端末3の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部34は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、タッチパネル31から入力された所定の指示情報に応じて端末全体の制御を行う。
【0029】
また、制御部34は、記憶部32に記憶された校正支援APP321を読み出して、RAMに展開させて、校正支援APP321を起動させる。これにより、制御部34は、校正支援APP321の機能を実現する校正支援処理部341として動作する。
【0030】
校正支援処理部341は、文字認識の対象となった画像データと文字認識された文字列とを通信部33経由で画像形成装置1から受信し、図に示す校正画面G80をタッチパネル31に表示する。そして、校正支援処理部341は、校正画面G80を介して校正作業ユーザーによる校正操作に応じて、文字認識された文字列の誤りを正しく修正し、修正した文字列を通信部33経由で画像形成装置1に送信する。
【0031】
次に、
図3を参照して、画像形成装置1の操作パネル11を用いた校正作業の流れを説明する。
【0032】
制御部17は、タッチパネル111に表示された認証画面を介して校正作業ユーザーがログインし(ステップs11)、操作パネル11を介して原稿の読取指示が出されると(ステップs12)、記憶部13から文字認識の対象とする文字エリア情報132を取得する(ステップs13)。
【0033】
つづいて、制御部17は、原稿読取部12によって原稿をスキャンさせる(ステップs14)。原稿読取部12によるスキャンにより原稿の各ページの画像データが生成されると、制御部17は、文字抽出部171として機能する。文字抽出部171は、原稿読取部12により生成された原稿の各ページの画像データについて、それぞれ文字エリア情報132で設定された文字エリアの文字認識を行って、文字エリアから文字列を抽出する(ステップs15)。なお、原稿読取部12によりスキャンされた原稿の各ページの画像データと、文字抽出部171により抽出された原稿の各ページの文字列とは、関連付けて記憶部13に記憶される。
【0034】
つづいて、校正処理部173は、操作パネル11を用いた校正モードとなり(ステップs16)、画面生成部172によって
図4に示す校正画面G80が生成されタッチパネル111に表示される。
【0035】
校正画面G80は、文字認識の対象となった画像データと、画像データ内の文字エリアA82から抽出された文字列とを並べて1ページずつ表示する表示領域A81が設けられている。さらに、校正画面G80は、表示領域A81に表示された文字列の文字を正しく修正するための校正ボタンB81と、表示領域A81内の画像データと文字列とを次ページのものに更新するための次ページボタンB82と、校正作業を終了するための校正終了ボタンB83とが設けられている。校正作業ユーザーは、誤って認識された文字を修正する場合、表示領域A81に表示された文字列から修正したい文字をタッチして校正対象文字として指定し、校正ボタンB81を押す。すると、画面生成部172は、
図5に示すように、正しい文字の入力を受け付ける校正入力画面G81を生成してタッチパネル111に表示する。
【0036】
校正入力画面G81には、校正対象文字に対して正しい文字を入力するための入力欄A83が設けられている。
図5では、校正対象文字をハイライト表示(図中の黒ベタ塗り)により示している。校正作業ユーザーが、ソフトウェアキーボードや操作部112を用いて入力欄A83に正しい文字を入力してOKボタンB84を押すと、校正処理部173は、表示領域A81に表示されている校正対象文字を入力欄A83に入力された文字に置換する。これにより、誤って認識された文字を正しい文字に修正することができる。校正入力画面G81を介して次ページボタンB82が押されると、画面生成部は、表示領域A81に表示されている現ページの画像データと文字列とを次ページの画像データと文字列とに更新した校正画面G80を生成し、タッチパネル111に表示する。また、校正処理部173は、次ページボタンB82が押されたときに、表示領域A81に表示されている文字列を校正後文字列としてバッファー等に保存する。
【0037】
校正終了ボタンB83が押された場合(ステップs17)、校正処理部173は、表示領域A81に表示されている現ページの文字列とバッファーに保存しておいた現ページ以前の校正後文字列とを記憶部13に記憶された対応するページの文字列にそれぞれ反映させる。そして、校正処理部173は、反映させた各ページの文字列を校正後データとして原稿の各ページの画像データに関連付けて保存し(ステップs18)、本処理を終了する。
【0038】
一方、校正終了ボタンB83が押される前に(ステップs17でNo)、特定ジョブ検出部174によって特定ジョブが検出された場合(ステップs19でYes)、画面生成部は、
図6に示す操作予定通知画面G90を生成してタッチパネル111に表示することで、校正作業ユーザーに特定ジョブにより操作パネル11に操作予定がある旨を通知する(ステップs20)。なお、特定ジョブ検出部174によって特定ジョブが検出されていない場合には(ステップs19でNo)、ステップs16に処理が戻り、校正処理部173は、引き続き操作パネル11からの校正操作を受け付ける。
【0039】
操作予定通知画面G90には、「他ユーザーが画像形成装置1を使おうとしています。作業内容を保存して携帯端末3で操作をしますか?」という操作予定通知と共に、操作を行う携帯端末3のメールアドレスを指定するアドレス指定欄A91と、携帯端末3での操作を指示するはいボタンB91と、操作予定通知を無視するいいえボタンB92とが設けられている。ユーザー情報131に校正作業ユーザーのメールアドレスが含まれている場合には、アドレス指定欄A91に校正作業ユーザーのメールアドレスが入力された状態で操作予定通知画面G90が表示される。
【0040】
操作予定通知画面G90のはいボタンB91が押された場合、校正処理部173は、携帯端末3での操作が指示されたものと判断する(ステップs21でYes)。この場合、校正処理部173は、最後に(操作予定通知画面G90を表示する直前に)校正画面G80の表示領域A81に表示されていた文字列とバッファーに保存しておいた各ページの校正後文字列とを記憶部13に記憶された対応するページの文字列にそれぞれ反映させると共に、最後に校正画面G80の表示領域A81に表示されていた原稿のページ情報を含めて校正途中データとして記憶部13に保存する(ステップs22)。
【0041】
つづいて、校正処理部173は、通信部16を介して、操作予定通知画面G90で指定されたメールアドレスにアクセス用のURL(Uniform Resource Locator)が記載されたメールを生成して送信し(ステップs23)、本処理を終了する。アクセス用のURLは、校正処理部173を、携帯端末3を用いた校正モードにして、携帯端末3からの校正操作を開始可能にするためのURLであり、記憶部13に保存された校正途中データにアクセス可能に関連付けられている。このように、特定ジョブ検出部174が外部端末2から受信した印刷ジョブに基づいて特定ジョブを検出した場合に、操作予定通知画面G90により校正作業ユーザーに特定ジョブより操作パネル11に操作予定があることを通知できるので、校正作業ユーザーは、落ち着いて操作パネル11による校正作業を終了することができる。また、特定ジョブ作成ユーザーが実際に画像形成装置1に来る前に操作パネル11による校正作業を終了し、携帯端末3に校正操作を引き継げるので、特定ジョブ作成ユーザーと操作パネル11の取り合いになることを避けることができる。
【0042】
一方、操作予定通知画面G90のいいえボタンB92が押された場合、校正処理部173は、携帯端末3で操作しないことが指示されたものと判断して(ステップs21でNo)、ステップs16に処理を戻す。この場合、校正作業ユーザーは、特定ジョブ作成ユーザーが実際に画像形成装置1に来るまで操作パネル11を使用して校正作業を継続することができる。
【0043】
次に、
図7を参照して、携帯端末3を用いた校正作業の流れを説明する。なお、
図7では、画像形成装置1及び携帯端末3のそれぞれの状態について、処理を待機中の場合を点線で示し、処理を実行中の場合を実線で示している。
【0044】
携帯端末3の制御部34は、通信部33を介して画像形成装置1からアクセス用のURLが記載されたメールを受信すると(ステップs30)、記憶部32に記憶された校正支援APP321を読み出して、RAMに展開させ、校正支援APP321を起動させ、校正支援処理部341として機能する。
【0045】
校正作業ユーザーが、メールに記載されたアクセス用のURLにタッチパネル31を介してアクセスすると(ステップs31)、校正支援処理部341は、通信部33経由で画像形成装置1にアクセス要求を送信する(ステップs32)。つづいて、画像形成装置1の校正処理部173は、携帯端末3からのアクセス要求を受信すると、認証要求を携帯端末3に送信する(ステップs33)。
【0046】
通信部33を介して画像形成装置1から認証要求を受信すると、校正支援処理部341は、ユーザーID及びパスワードの入力を受け付ける認証画面をタッチパネル31に表示する(ステップs34)。タッチパネル31を介して校正作業ユーザーがユーザー情報131に登録された自身のユーザーID及びパスワードを入力すると(ステップs35)、校正支援処理部341は、入力されたユーザーID及びパスワードを通信部33経由で画像形成装置1に送信する(ステップs36)。
【0047】
画像形成装置1の校正処理部173は、通信部16経由で携帯端末3から受信したユーザーID及びパスワードがユーザー情報131に登録されたユーザーID及びパスワードと合致することで、校正作業ユーザーのログインを受け付ける(ステップs37)。つづいて、校正処理部173は、携帯端末3を用いた校正モードとなり(ステップs38)、記憶部13に記憶された校正作業ユーザーの校正途中データに基づいて、最後に校正操作されたページの画像データと文字列とを通信部33経由で携帯端末3に送信する(ステップs39)。
【0048】
携帯端末3の校正支援処理部341は、通信部33経由で受信した画像データと文字列とを表示領域A81に表示した校正画面G80をタッチパネル31に表示する(ステップs40)。これにより、校正作業ユーザーは操作パネル11で行っていた校正操作の続きから携帯端末3のタッチパネル31で校正操作を行うことができる。
【0049】
校正作業ユーザーが校正対象文字を指定して校正ボタンB81を押すと(ステップs41でYes)、校正支援処理部341は、校正入力画面G81をタッチパネル31に表示して、校正作業ユーザーによって入力欄A83に入力された文字によって表示領域A81に表示されている校正対象文字を修正し(ステップs42)、ステップs39に処理を戻す。
【0050】
校正ボタンB81ではなく、次ページボタンB82が押されると(ステップs43でYes)、校正支援処理部341は、校正画面G80の表示領域A81に表示されている文字列を校正後文字列として次ページ取得要求と共に通信部33経由で画像形成装置1に送信する(ステップs44)。
【0051】
画像形成装置1の校正処理部173は、通信部16経由で携帯端末3から校正後文字列と次ページ取得要求とを受信すると、記憶部13に記憶された対応するページの文字列を携帯端末3から受信した校正後文字列に修正する(ステップs45)。つづいて、校正処理部173は、記憶部13から次ページの画像データと文字列とを取得して通信部16経由で携帯端末3に送信する(ステップs46)。
【0052】
このように、画像形成装置1からは原稿のページ毎に画像データと文字列とを携帯端末3に送信し、携帯端末3からは校正後文字列と次ページ取得要求又は後述の校正終了通知を画像形成装置1に送信するように構成することで、携帯端末3の通信速度や通信量に与える影響を減らすことができる。なお、校正支援処理部341は、校正ボタンB81が押されることなく次ページボタンB82が押された場合には、次ページ取得要求のみを画像形成装置1に送信してもよい。そして、校正処理部173は、次ページ取得要求のみを受信した場合、記憶部13に記憶された対応するページの文字列を校正後文字列として確定すればよい。
【0053】
携帯端末3の校正支援処理部341は、通信部33経由で画像形成装置1から次ページの画像データと文字列とを受信すると、携帯端末3の記憶容量に影響を与えないように、現ページの画像データと文字列とを消去し(ステップs47)、ステップs40に処理を戻す。この場合、校正画面G80の表示領域A81は、画像形成装置1から受信した次ページの画像データと文字列とに表示が更新される。
【0054】
一方、校正ボタンB81ではなく、次ページボタンB82でもなく、校正終了ボタンB83が押された場合(ステップs48でYes)、校正支援処理部341は、校正画面G80の表示領域A81に表示されている文字列を校正後文字列として校正終了通知と共に通信部33経由で画像形成装置1に送信する(ステップs49)。この場合も、校正支援処理部341は、校正画面G80の表示領域A81に表示されているページに対して校正ボタンB81が押されることなく校正終了ボタンB83が押された場合には、校正終了通知のみを画像形成装置1に送信してもよい。なお、校正終了ボタンB83も押されていない場合には、ステップs41に処理が戻る。
【0055】
つづいて、画像形成装置1の校正処理部173は、通信部16経由で携帯端末3から校正後文字列と校正終了通知とを受信すると、記憶部13に記憶された対応するページの文字列を携帯端末3から受信した校正後文字列に修正する(ステップs50)。つづいて、校正処理部173は、記憶部13に記憶された原稿の各ページの文字列を校正後データとして、原稿の各ページの画像データに関連付けて保存する(ステップs51)。つづいて、校正処理部173は、通信部16を介して携帯端末3に校正後データの保存が完了したことを示す保存完了通知を送信する(ステップs52)。
【0056】
携帯端末3の校正支援処理部341は、通信部33を介して画像形成装置1から保存完了通知を受信すると、残っている画像データと文字列、すなわち最後に校正画面G80の表示領域A81に表示された画像データと文字列とを消去し(ステップs53)、本処理を終了する。なお、校正処理部173は、通信部33において画像形成装置1との通信がタイムアウトした場合も、記憶している画像データと文字列を消去してもよい。
【0057】
このように、本実施形態の画像形成装置1は、受信した印刷ジョブを実行する画像形成装置1であって、原稿を1ページずつ読み取って各ページの画像データを取得する原稿読取部12と、各ページの画像データをそれぞれ文字認識して文字列を抽出する文字抽出部171と、画像データと文字列を表示して、文字列に対する校正操作を受け付ける操作パネル11と、操作パネル11を用いた校正モードと携帯端末3を用いた校正モードを有し、操作パネル11による校正操作又は携帯端末3による校正操作に基づいて文字列を修正する校正処理部173と、操作パネル11に対する特定操作を実行条件とする印刷ジョブを特定ジョブとして検出する特定ジョブ検出部174と、操作パネル11を用いた校正モードの状態で、特定ジョブ検出部174により特定ジョブが検出された場合に、特定ジョブによる操作パネル11の操作予定を通知して、携帯端末3で操作するか確認する操作予定通知画面G90を生成して操作パネル11に表示する画面生成部172と、携帯端末3と通信する通信部16とを備え、校正処理部173は、操作予定通知画面G90を介して携帯端末3による操作を指示された場合に、携帯端末3を用いた校正モードになり、通信部16を介して携帯端末3に画像データと文字列とを送信し、携帯端末3からの校正操作に基づいて文字列を修正することを特徴とする。
【0058】
これにより、校正作業ユーザーが、操作パネル11上で校正作業を行っているときに、操作パネル11を使用する他ユーザーがいる場合には、操作予定通知画面G90により通知される。したがって、校正作業ユーザーは、他ユーザーが画像形成装置1に来る前に、慌てることなく携帯端末3に校正作業を引き継ぐことができ、落ち着いて校正作業を行うことができる。
【0059】
なお、実際には、特定ジョブ検出部174により特定ジョブが検出されてから、特定ジョブ作成ユーザーが画像形成装置1の前まで来て操作パネル11を操作するまでに時間がかかることが多い。そこで、
図8に示すような、通信部16による特定ジョブの受信時刻と、操作パネル11により特定操作を受け付けた特定操作時刻とを特定ジョブ作成ユーザー毎に記憶する特定ジョブ履歴記憶部133として記憶部13を機能させてもよい。この場合、画面生成部172は、特定ジョブ検出部174により検出された特定ジョブの特定ジョブ作成ユーザーにおける特定ジョブ履歴記憶部133に記憶された受信時刻と特定操作時刻との差分時間に基づいて、操作予定を通知する操作予定通知画面G90を生成して操作パネル11に表示すればよい。これによれば、校正作業ユーザーが操作パネル11による校正作業をタイミング良く切り上げることができる。なお、画面生成部172は、特定ジョブ履歴記憶部133に記憶された直近の受信時刻と特定操作時刻との差分時間を算出してもよいし、複数の受信時刻と複数の特定操作時刻とのそれぞれの差分時間を平滑化した差分時間を算出してもよい。
【0060】
例えば、画面生成部172は、現在時刻が特定ジョブ検出部174により検出された特定ジョブの受信時刻に、特定ジョブ履歴記憶部133に記憶された受信時刻と特定操作時刻との差分時間を足した時刻の特定時間前になったタイミングで、操作予定通知画面G90を操作パネル11に表示してもよい。これによれば、特定ジョブ作成ユーザーが特定操作をするために実際に画像形成装置1に来る時間に近づくまで、操作予定通知画面G90が操作パネル11に表示されず、操作パネル11で校正作業することができる。
【0061】
また、画面生成部172は、特定ジョブ検出部174により検出された特定ジョブの特定ジョブ作成ユーザーにおける特定ジョブ履歴記憶部133に記憶された受信時刻と特定操作時刻との差分時間を残操作可能時間として通知する
図9に示す操作予定通知画面G90を生成して操作パネル11に表示してもよい。
図9に示す操作予定通知画面G90には、残操作可能時間を通知する通知領域A92が設けられている。これにより、校正作業ユーザーは、残操作可能時間によって、特定ジョブ作成ユーザーが操作パネル11を操作しに来るまでの残り時間を知ることができ、操作パネル11による校正作業の継続目安をつけることができる。
【0062】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々様々に変更が可能であることは言うまでもない。