(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記飛行許可条件情報には、前記無人飛翔体の飛行が許可される位置情報、日時情報、および前記無人飛翔体が運ぶ荷物情報の少なくとも一つが含まれる、請求項4に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る無人飛翔体の飛行制御システムの一例を示す図である。飛行制御システムは、無人飛翔体100と制御装置200と管理サーバ300とを備える。
制御装置200と管理サーバ300とは、無線LAN、インターネットなどの通信網50を介して通信を行う。無人飛翔体100と制御装置200とは、携帯電話通信網などを介して通信を行う。
【0011】
管理サーバ300は、電力設備の接続構成を示す電力設備接続構成情報と無人飛翔体の飛行が許可される条件を示す飛行許可条件情報とを記憶する。管理サーバ300は、制御装置200からの要求に応じて、電力設備接続構成情報と飛行許可条件情報とを含む飛行情報を、制御装置200へ送信する。
さらに、管理サーバ300は、制御装置200からの要求に応じて、該制御装置200が制御する無人飛翔体100が飛行を開始する出発点の位置と飛行を終了する目的点の位置との間に存在する電力設備の環境状況を示す環境状況情報を取得し、取得した環境状況情報を、制御装置200へ送信する。
以下、飛行を開始する出発点の位置を「出発点の位置」と記載し、飛行を終了する目的点の位置を「目的点の位置」と記載する。ここで、出発点の位置および目的点の位置は、経度と緯度と高度とで表される。
【0012】
制御装置200は、無人飛翔体100の飛行制御を行う。
制御装置200は、無人飛翔体100の飛行制御を行う際に、管理サーバ300へ、飛行情報と環境状況情報とを要求する。制御装置200は、管理サーバ300が送信した飛行情報と環境状況情報とを取得し、取得した飛行情報に基づいて、出発点の位置から目的点の位置へ、無人飛翔体100を飛行させる飛行経路の候補を演算する。
制御装置200は、演算することによって得られた飛行経路の候補から、環境状況情報に基づいて、絞り込みを行う。
さらに、制御装置200は、飛行経路の候補を絞り込んだ結果から、予め設定される選択基準に基づいて、一つの飛行経路を選択し、選択した飛行経路を設定する。
制御装置200は、設定した飛行経路で、無人飛翔体100を飛行させるための命令である飛行制御情報を作成し、作成した飛行制御情報を、無人飛翔体100へ送信する。
【0013】
(管理サーバ)
図2は、実施形態に係る管理サーバの一例を示す機能ブロック図である。
管理サーバ300は、通信部302と記憶部304と制御部306とを備える。
通信部302は、通信網50を介して、制御装置200との間で通信を行う。具体的には、通信部302は、制御装置200が送信した飛行情報要求を受信し、受信した飛行情報要求を制御部306へ出力する。ここで、飛行情報要求は、制御装置200が、無人飛翔体100が飛行すると想定される飛行経路の電力設備接続構成情報と飛行許可条件情報とを取得することを要求する信号である。飛行情報要求には、制御装置200の識別情報と出発点の位置情報と目的点の位置情報とが含まれる。
【0014】
通信部302は飛行情報要求に対して、制御部306が出力した電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを取得し、取得した電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを含む飛行情報を、制御装置200へ送信する。
電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046との詳細については、後述する。
さらに、通信部302は、制御装置200が送信した環境状況情報要求を受信し、受信した環境状況情報要求を制御部306へ出力する。ここで、環境状況情報要求は、制御装置200が、出発点の位置と目的点の位置とを含む所定の領域における環境状況情報を取得する要求である。環境状況情報の詳細については、後述する。
通信部302は、制御部306が出力した環境状況情報取得要求を取得し、取得した環境状況情報取得要求を、電力設備へ送信する。ここで、環境状況情報取得要求は、管理サーバ300が、出発点の位置と目的点の位置の近傍の電力設備に取り付けらえたアクセスポイントへ、電力設備の近傍の環境状況情報を取得する要求である。
通信部302は、環境状況情報取得要求に対して、電力設備のアクセスポイントが送信した電力状況情報を取得し、取得した電力状況情報を、制御部306へ出力する。 通信部302は環境状況情報要求に対して、制御部306が出力した環境状況情報を取得し、取得した環境状況情報を、制御装置200へ送信する。
記憶部304は、プログラム3042と電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを記憶する。プログラム3042は、制御部306を、取得部308として機能させる。
【0015】
(電力設備接続構成情報)
電力設備接続構成情報3044は、送電線、変電所などの電力設備の接続状況を、ノードとブランチとで、地図上に表したものである。電力設備の接続状況を、ノードとブランチとで、地図上に表したものは、ノードブランチ図とも呼ばれる。
図3は、電力設備接続構成情報の一例を示す図である。
図3には、一例として、埼玉県の電力設備接続構成情報を示す。電力設備接続構成情報の一例は、電力系統図である。
管理サーバ300の記憶部304の電力設備接続構成情報3044には、都道府県などの所定の地域毎に、電力設備接続構成情報が記憶される。
図3において、「○」は変電所(ノード)であり、「−」は送電線(ブランチ)である。
この一例では、変電所には、無人飛翔体100を駐機する駐機場が設置される。つまり、駐機場は、北熊谷、埼玉、上尾、岩槻、西越谷、東八潮、京北、鳩ヶ谷、笹目、南狭山、新坂戸、中東京、および奥秩父に設置される。無人飛翔体100は、送電線の近傍を飛行する。
【0016】
(飛行許可条件情報)
飛行許可条件情報3046は、無人飛翔体100の飛行が許可される条件を示す情報である。
図4は、飛行許可条件情報の一例を説明するための図である。
図4には、2本の送電線鉄塔STと送電線鉄塔STが支持する送電線WRとが示される。
さらに、
図4には、送電線鉄塔STが敷設される鉄塔用地(2)と(4)、送電線WRの線下用地(1)と(3)と(5)とが示されている。例えば、鉄塔用地(2)と(4)とについては土地売買契約が締結され、線下用地(1)と(3)と(5)とについては地役権設定契約もしくは上空使用に関する架線契約が締結されている。
さらに、鉄塔用地と線下用地に関して、無人飛翔体100の飛行が許可される位置情報、日時情報、無人飛翔体100が運ぶ荷物情報などの情報が設定される。ここで、位置情報には、水平方向の位置情報および垂直方向の位置情報のいずれか一方または両方が含まれる。
【0017】
制御部306は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置によって実現される。制御部306は、記憶部304に記憶されたプログラム3042を実行することによって、取得部308として機能する。
取得部308は、通信部302が出力した飛行情報要求を取得する。取得部308は、飛行情報要求に含まれる出発点の位置情報と目的点の位置情報とに基づいて、記憶部304から、出発点の位置情報と目的点の位置情報とを含む電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを取得し、取得した電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを、通信部302へ出力する。
さらに、取得部308は、通信部302が出力した環境状況情報要求を取得する。取得部308は、環境状況情報要求に含まれる出発点の位置情報と目的点の位置情報とに基づいて、出発点と目的点とを含む所定の範囲に含まれる電力設備に取り付けられたアクセスポイントへ、環境状況情報の取得を要求するための環境状況情報取得要求を作成し、作成した環境状況情報取得要求を、通信部302へ出力する。取得部308は、環境状況情報取得要求に対して、通信部302が出力した環境状況情報を取得し、取得した環境状況情報を、通信部302へ出力する。環境状況情報には、風向き、風速、天候、気温、視界、給電情報などが含まれる。給電情報には、通電電流を示す情報が含まれる。
【0018】
(電力設備)
図5は、電力設備の一例を示す図である。
実施形態に係る無人飛翔体100は、電力設備の上空などの電力設備の近傍を飛行する。電力設備の一例は、送電設備である。
送電設備は、前述したように、送電線鉄塔STと送電線鉄塔STが支持する送電線WRとを含む。
図5に示される例では、2本の送電線鉄塔STと送電線鉄塔STが支持する送電線WRとが示される。
また、送電設備には、カメラなどの撮像装置10と風向き・風速センサ20と雨量計30とアクセスポイント40とが取り付けられる。
撮像装置10は、近傍の風景を撮像し、撮像することによって得られた画像情報を、アクセスポイント40を介して、管理サーバ300へ送信する。
風向き・風速センサ20は、配電線用電柱UPの近傍の風向きと風速とを計測し、計測することによって得られた風向きを示す情報と風速を示す情報とを、アクセスポイント40を経由して、管理サーバ300へ送信する。
雨量計30は、配電線用電柱UPの近傍の雨量を計測し、計測することによって得られた雨量を示す情報を、アクセスポイント40を経由して、管理サーバ300へ送信する。
アクセスポイント40は、撮像装置10が送信した画像情報、風向き・風速センサ20が送信した風向きを示す情報と風速を示す情報、雨量計30が送信した雨量を示す情報、電力設備の給電情報などを、管理サーバ300へ送信する。
【0019】
(無人飛翔体)
図6は、実施形態に係る無人飛翔体の外観模式図の一例を示す図である。無人飛翔体100は、架空地線OGWの上方や、配電線WRの近傍を飛行する。
無人飛翔体100は、モータ102aとモータ102bとモータ102cとモータ102dとロータ104aとロータ104bとロータ104cとロータ104dとを備える。
モータ102a、モータ102b、モータ102c、およびモータ102dは、対応するロータ104a、ロータ104b、ロータ104c、およびロータ104dを、それぞれ回転させることにより、無人飛翔体100に揚力および推進力を与える。
また、モータ102a、モータ102b、モータ102c、およびモータ102dの各々に供給する駆動電流を制御することにより、無人飛翔体100の飛行高度、方位、進行方向を制御することができる。
【0020】
無人飛翔体100は、カメラなどの撮像部108を備える。撮像部108は、無人飛翔体100の周辺の風景を撮像する。実施形態に係る無人飛翔体100は、撮像部108の撮像方向と、無人飛翔体100の機首方位HDGとが一致している。この場合、撮像部108は、無人飛翔体100の前方の風景を撮像する。
また、無人飛翔体100には、荷物を固定するための固定具が取り付けられる。無人飛翔体100に荷物を運搬させるときには、固定具に荷物を固定し、制御装置200から飛行制御情報を、無人飛翔体100へ送信する。
以下、モータ102a、モータ102b、モータ102c、およびモータ102dのうち、任意のモータをモータ102と記載する。
また、ロータ104a、ロータ104b、ロータ104c、およびロータ104dのうち、任意のロータをロータ104と記載する。
【0021】
(無人飛翔体)
図7は、実施形態に係る無人飛翔体の一例を示す機能ブロック図である。
実施形態に係る無人飛翔体100は、モータ102と通信部103とロータ104と測位部105と撮像部108と電源部112と制御部114とを備える。
この一例では、モータ102と通信部103とロータ104と測位部105と撮像部108と電源部112は、専用のハードウェアによって実現される。
制御部114は、飛行制御部116として機能する。制御部114は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)およびメモリにより構成され、飛行制御部116などの機能を実現するためのプログラムをCPUが実行することによりその機能を実現させる。
【0022】
通信部103は、無人飛翔体100を制御する制御装置200との間で通信を行う。例えば、通信部103は、LTE(Long Term Evolution)等の通信方式の携帯電話ネットワークの基地局と通信を行い、該携帯電話ネットワークのバックボーンネットワーク回線を介して、制御装置200と通信を行う。通信部103は、制御装置200が送信した飛行制御情報を受信し、受信した飛行制御情報を、制御部114へ出力する。
測位部105は、GPS(Global Positioning System)、準天頂衛星(quasi−zenith satellites: QZS)などの全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s): GNSS)を備え、水平方向の位置を測位する。
測位部105は、高度計を備え、高度計によって、垂直方向の位置を測位する。
測位部105は、測位命令にしたがって無人飛翔体100の測位を行い、測位結果を、制御部114へ出力する。測位結果には、水平方向の位置(緯度と経度)と、垂直方向の位置(高度)とが含まれる。
電源部112は、無人飛翔体100の電源であるバッテリーと、該バッテリーの充電残量を監視する電源監視部とを備える。電源部112は、バッテリーの充電残量を示す情報を制御部114へ出力する。
飛行制御部116は、モータ102に供給する駆動電流を制御することにより、無人飛翔体100の飛行を制御する。飛行制御部116は、制御装置200が送信した飛行制御情報を、通信部103から取得すると、取得した飛行制御情報に基づいて、無人飛翔体100の飛行を制御する。
【0023】
(制御装置)
図8は、実施形態に係る制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
制御装置200の一例は、端末装置であり、通信部202と通信部203と記憶部204と制御部206とを備える。
通信部202は、通信網50を介して、管理サーバ300との間で通信を行う。具体的には、通信部202は、管理サーバ300へ飛行情報要求を送信し、送信した飛行情報要求に応じて管理サーバ300が送信した飛行情報を受信する。通信部202は、受信した飛行情報を、制御部206へ、出力する。
さらに、通信部202は、管理サーバ300へ環境状況情報要求を送信し、送信した環境状況情報要求に応じて管理サーバ300が送信した環境状況情報を受信する。通信部202は、受信した環境状況情報を、制御部206へ、出力する。
通信部203は、無人飛翔体100との間で通信を行う。例えば、通信部203は、LTEなどの通信方式の携帯電話ネットワークの基地局と通信を行い、該携帯電話ネットワークのバックボーンネットワーク回線を介して、無人飛翔体100と通信を行う。通信部203は、無人飛翔体100へ、飛行制御情報を送信する。
記憶部204は、プログラム2042と衝突回避離間距離テーブル2044と電磁界影響回避離間距離テーブル2046とを記憶する。
【0024】
(衝突回避離間距離テーブル)
衝突回避離間距離テーブル2044は、無人飛翔体100が送電線に衝突することを回避するために、送電線との間の離間距離(衝突回避離間距離)を求めるときに参照するテーブルである。
図9は、衝突回避離間距離テーブル2044の一例を示す図である。
衝突回避離間距離テーブル2044は、風速情報と気温情報と横振れ角情報と衝突回避離間距離情報とを関連付けて記憶する。
ここで、横振れ角情報とは、電線支持点と電線との間の長さを半径として電線の軌跡が描く円弧の中心角を示す情報という。横振れ角情報は、電線支持点と電線のなす曲線の最低点を0度として求められる。
衝突回避離間距離は、無人飛翔体100が、送電線に衝突することを回避するために離れる距離をいう。
図9に示される例では、風速情報「aa」[m/s]と気温情報「xy」[℃]と横振れ角情報「αβ」[°]と衝突回避離間距離情報「kl」[m]とが関連付けられている。
図10は、衝突回避離間距離の一例を示す。
図10には、風速が「0m/s」、「10m/s」、「20m/s」、「30m/s」、および「40m/s」の場合の送電線の軌跡と、衝突回避離間距離とが示される。
衝突回避離間距離は、気温、風速などによって算出される。送電線の弛度は気温に基づいて推測され、送電線の横振れ角は送電線の弛度の推測結果と風速とに基づいて推測される。離間距離は、送電線の横振れ角の推測結果に基づいて、推測される。
【0025】
(電磁界影響回避離間距離テーブル)
電磁界影響回避離間距離テーブル2046は、無人飛翔体100が、送電線が通電されることによって生じる静電誘導作用による影響を回避するために、送電線との間の離間距離(電磁界影響回避離間距離)を求めるときに参照するテーブルである。
図11は、電磁界影響回避離間距離テーブル2046の一例を示す図である。
電磁界影響回避離間距離テーブル2046は、通電電流情報と電磁界影響回避離間距離情報とを関連付けて記憶する。ここで、通電電流情報とは、送電線に流れている電流を示す情報である。電磁界影響回避離間距離は、送電線が通電されることによって生じる静電誘導作用による影響を所定の値以下とするために離れる距離をいう。
図11に示される例では、通電電流情報「ca」[A]と電磁界影響回避離間距離「lk」[m]とが関連付けられている。
【0026】
送電線などの電力設備から発生する磁界の強さは、式(1)に示されるビオ・サバールの法則によって求められる。
【0028】
式(1)において、Hは磁界の強さ[A/m]であり、Iは電流[A]であり、rは距離[m]である。式(1)によれば、発生する磁界は電流が大きくなるほど、また距離が近づくほど強くなるが、電圧が関係しないことが分かる。
【0029】
制御部206は、CPUなどの演算装置によって実現される。制御部206は、記憶部204に記憶されたプログラム2042を実行することによって、取得部208と演算部210と設定部212と作成部214として機能する。
取得部208は、飛行情報要求を作成し、作成した飛行情報要求を、通信部202へ出力する。前述したように、飛行情報要求には、制御装置200の識別情報と出発点の位置情報と目的点の位置情報とが含まれる。
取得部208は、飛行情報要求に対して、管理サーバ300が送信した飛行情報を、通信部202から取得する。取得部208は、取得した飛行情報を、演算部210へ出力する。
さらに、取得部208は、環境状況情報要求を作成し、作成した環境状況情報要求を、通信部202へ出力する。前述したように、環境状況情報要求には、制御装置200の識別情報と出発点の位置情報と目的点の位置情報とが含まれる。
取得部208は、環境状況情報要求に対して、管理サーバ300が送信した環境状況情報を、通信部202から取得する。取得部208は、取得した環境状況情報を、設定部212へ出力する。
【0030】
演算部210は、取得部208が出力した飛行情報に基づいて、飛行経路を演算する。演算部210は、電力設備接続構成情報に出発点の位置と目的点の位置とを設定し、設定した出発点の位置から目的点の位置へ向かう一または複数の飛行経路の候補を設定する。
各飛行経路の候補は、飛行経路に含まれる所定の地点の緯度情報、経度情報および高度情報を含む。また、各飛行経路の候補は、経路地図(ルートマップ)に表される。さらに、各飛行経路の候補は、無人飛翔体100が飛行する日時情報を含む。
演算部210は、飛行許可条件情報に基づいて、飛行経路の候補から、飛行できない経路を除外する。具体的には、演算部210は、飛行経路の候補が、飛行許可条件情報に含まれる位置情報以外の位置情報を含む場合、その飛行経路の候補を除外する。
また、演算部210は、飛行経路の候補が、飛行許可条件情報に含まれる日時情報以外の日時情報を含む場合、その飛行経路の候補を除外する。
また、演算部210は、飛行許可条件情報に含まれる荷物情報以外の荷物情報で表される荷物を、飛行経路の候補で運搬することになる場合、その飛行経路の候補を除外する。
演算部210は、飛行できない経路を除外した残りの飛行経路の候補を示す情報を、設定部212へ出力する。ここで、演算部210は、飛行できない経路を除外した残りの飛行経路の候補が無い場合には、所定のエラー処理を実行するようにしてもよい。
【0031】
設定部212は、演算部210が出力した飛行経路の候補を示す情報から、環境状況情報に基づいて、飛行経路を除外する。具体的には、設定部212は、環境状況情報に含まれる風速情報と気温情報とを取得し、記憶部204に記憶された衝突回避離間距離テーブル2044から、取得した風速情報と気温情報との組み合わせに関連付けられた衝突回避離間距離情報を取得する。
さらに、設定部212は、環境状況情報に含まれる通電電流情報を取得し、記憶部204に記憶された電磁界影響回避離間距離テーブル2046から、取得した通電電流情報に関連付けられた電磁界影響回避離間距離情報を取得する。
設定部212は、取得した衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離とに基づいて、衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離との両方を満足するように飛行経路を設定する。具体的には、設定部212は、衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離とのうち、大きい方の離間距離以上、送電線から離れるように飛行経路を設定する。
【0032】
さらに、設定部212は、環境状況情報に含まれる風向き情報と風速情報とに基づいて、飛行経路を除外する。具体的には、設定部212は、飛行経路の候補に、向い風となる経路と追い風となる経路がある場合には、向い風となる飛行経路を除外する。
また、設定部212は、飛行経路の候補に、向い風となる経路しかない場合には、風速が強い飛行経路を除外する。
また、設定部212は、飛行経路の候補に、追い風となる経路しかない場合には、風速が弱い飛行経路を除外する。
設定部212は、飛行経路を除外した残りの飛行経路が複数ある場合には各飛行経路を飛行するために消費される電力消費量や、所要時間を推定する。そして、設定部212は、予め設定される飛行経路の選択基準に基づいて、複数の飛行経路から一つの飛行経路を選択し、選択した飛行経路を示す情報を設定する。飛行経路の選択基準の一例は、所要時間が最短となる飛行経路や、電力消費量が最小となる飛行経路である。
設定部212は、設定した飛行経路を示す情報を、作成部214へ出力する。
【0033】
図12は、実施形態に係る制御装置における飛行経路の設定例を示す図である。
図12に示される例では、設定部212には、演算部210から、四個の飛行経路を示す情報(飛行経路A、飛行経路B、飛行経路C、飛行経路D)が出力された例を示す。
図12において、北熊谷は出発点の位置であり、鳩ヶ谷は目的点の位置であり、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、出発点の位置と目的点の位置との間における所定の地点を示す。
以下に、四個の飛行経路を示す。
飛行経路A:北熊谷(出発点)→埼玉→上尾→鳩ヶ谷(目的点)
飛行経路B:北熊谷(出発点)→新坂戸→鳩ヶ谷(目的点)
飛行経路C:北熊谷(出発点)→新坂戸→笹目→鳩ヶ谷(目的点)
飛行経路D:北熊谷(出発点)→埼玉→新坂戸→鳩ヶ谷(目的点)
設定部212は、環境状況情報に基づいて、飛行経路を除外する。具体的には、設定部212は、環境状況情報に含まれる風速情報と天候情報とを取得する。
設定部212は、取得した風速情報と天候情報とに基づいて、飛行経路Aは、地点(a)と地点(f)との間で、強風および落雷が観測されているため、飛行経路Aを除外する。
【0034】
また、設定部212は、環境状況情報に含まれる風向き情報と風速情報とを取得する。設定部212は、取得した風向き情報と風速情報とに基づいて、飛行経路Bは、出発点と地点(b)との間で向い風となるため、飛行経路Bを除外する。
また、環境状況情報に含まれる風向き情報と風速情報とを取得する。設定部212は、取得した風向き情報と風速情報とに基づいて、飛行経路Cは、出発点と地点(b)との間で向い風となり、且つ笹目を経由するため飛行距離が長くなるため、飛行経路Cを除外する。
また、設定部212は、環境状況情報に含まれる風向き情報と風速情報とを取得する。設定部212は、取得した風向き情報と風速情報とに基づいて、飛行経路Dは、地点(a)と地点(c)との間で向い風となるが、弱いため、飛行経路Dを設定する。
【0035】
作成部214は、設定部212が出力した飛行経路を示す情報を取得し、取得した飛行経路を示す情報を含む飛行制御情報を作成する。作成部214は、作成した飛行制御情報を、通信部203へ出力する。
通信部203は、作成部214が出力した飛行制御情報を、無人飛翔体100へ、送信する。
【0036】
(飛行制御システムの動作)
図13は、実施形態に係る無人飛翔体の飛行制御システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
(ステップS102)制御装置200の取得部208は、飛行情報要求を作成し、作成した飛行情報要求を、通信部202へ出力する。
(ステップS104)制御装置200の通信部202は、取得部208が出力した飛行情報要求を、管理サーバ300へ送信する。
(ステップS106)管理サーバ300の通信部302は、制御装置200が送信した飛行情報要求を受信し、受信した飛行情報要求を、制御部306へ出力する。
制御部306の取得部308は、通信部302が出力した情報要求を取得し、取得した情報要求に基づいて、記憶部304に記憶されている電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを取得する。
取得部308は、取得した電力設備接続構成情報3044と飛行許可条件情報3046とを含む飛行情報を、通信部302へ出力する。
通信部302は、取得部308が出力した飛行情報を、制御装置200へ送信する。
(ステップS108)制御装置200の通信部202は、管理サーバ300が送信した飛行情報を受信し、受信した飛行情報を制御部206へ出力する。
制御部206の取得部208は、通信部202が出力した飛行情報を取得し、取得した飛行情報を、演算部210へ出力する。
(ステップS110)制御装置200の取得部208は、環境状況情報要求を作成し、作成した環境状況情報要求を、通信部202へ出力する。
【0037】
(ステップS112)制御装置200の通信部202は、取得部208が出力した環境状況情報要求を、管理サーバ300へ送信する。
(ステップS114)管理サーバ300の通信部302は、制御装置200が送信した環境状況情報要求を受信し、受信した環境状況情報要求を、制御部306へ出力する。
制御部306の取得部308は、通信部302が出力した環境状況情報要求を取得し、取得した環境状況情報要求に基づいて、電力設備から環境状況情報を取得する。
具体的には、取得部308は、環境状況情報要求に含まれる出発点の位置と目的点の位置の近傍のアクセスポイント40を宛先とする環境状況情報取得要求を作成し、通信部302へ出力する。通信部302は、取得部308が出力した環境状況情報取得要求を取得し、取得した環境状況情報取得要求を、アクセスポイント40へ送信する。
管理サーバ300が送信した環境状況取得要求を受信したアクセスポイント40は、撮像装置10が送信した画像情報、風向き・風速センサ20が送信した風向きを示す情報と風速を示す情報、雨量計30が送信した雨量を示す情報、電力設備の給電情報などを取得し、取得した画像情報、風向きを示す情報と風速を示す情報、雨量を示す情報、電力設備の給電情報などを含む環境状況情報を作成する。
アクセスポイント40は、作成した環境状況情報を、管理サーバ300へ、送信する。
管理サーバ300の通信部302は、アクセスポイント40が送信した環境状況情報を受信し、受信した環境状況情報を制御部306へ出力する。
制御部306の取得部308は、通信部302が出力した環境状況情報を取得し、取得した環境状況情報を、環境状況情報要求に対する応答として、通信部302へ出力する。
通信部302は、取得部308が出力して環境状況情報要求を、制御装置200へ送信する。
【0038】
(ステップS116)制御装置200の通信部202は、管理サーバ300が送信した環境状況情報を受信し、受信した環境状況情報を制御部206へ出力する。
制御部206の取得部208は、通信部202が出力した環境状況情報を取得し、取得した環境状況情報を、演算部210へ出力する。
(ステップS118)制御装置200の演算部210は、取得部208が出力した飛行情報に含まれる電力設備接続構成情報と飛行許可条件情報とに基づいて、出発点の位置から目的点の位置へ向かう飛行経路の候補を演算する。演算部210は、飛行経路の候補の演算結果を、設定部212へ出力する。
(ステップS120)制御装置200の設定部212は、演算部210が演算することによって得られた飛行経路の候補から、環境状況情報に基づいて、一つの飛行経路を選択し、選択した飛行経路を設定する。設定部212は、設定した飛行経路を示す情報を、作成部214へ出力する。
【0039】
(ステップS122)制御装置200の作成部214は、設定部212が設定した飛行経路で、無人飛翔体100を飛行させる制御情報である飛行制御情報を作成する。作成部214は、作成した飛行制御情報を、通信部203へ出力する。
(ステップS124)制御装置の通信部203は、作成部214が出力した飛行制御情報を取得し、取得した飛行制御情報を、無人飛翔体100へ送信する。
(ステップS126)無人飛翔体100の通信部103は、制御装置200が送信した飛行制御情報を受信し、受信した飛行制御情報を、制御部114へ出力する。
制御部114の飛行制御部116は、通信部103が出力した飛行制御情報を取得し、取得した飛行制御情報に基づいて、無人飛翔体100の飛行制御を行う。
【0040】
前述した実施形態では、制御装置200は、管理サーバ300へ、飛行情報と環境状況情報とを別々に要求する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、飛行情報と環境状況情報とを一度に要求してもよい。
前述した実施形態では、出発点の位置および目的点の位置が、経度と緯度と高度で表される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、出発点および目的点が、無人飛翔体100が駐機する駐機場の名称で表されてもよい。
前述した実施形態では、電力設備の一例として、送電設備について説明したが、この例に限られない。例えば、電力設備には、発電所、変電所などが含まれる。
前述した実施形態では、無人飛翔体100と制御装置との間で、携帯電話ネットワークを介して通信を行う場合について説明したが、この例に限られない。例えば、無人飛翔体100と制御装置との間で、無線LAN、インターネットなどを介して通信を行うようにしてもよい。
【0041】
前述した実施形態では、飛行情報に基づいて、飛行経路の候補を演算し、飛行経路の候補の演算結果から、環境状況情報に基づいて、一の飛行経路を選択する場合について説明した。つまり、前述した実施形態では、飛行情報に基づいて、飛行経路の候補を演算する処理と、飛行経路の候補から一の飛行経路を選択する処理との二回の処理が行われる。この例に限られず、例えば、飛行情報と環境状況情報とに基づいて、一の飛行経路を、一度に演算するようにしてもよい。
前述した実施形態では、制御装置200が、現在の環境状況情報に基づいて、無人飛翔体100の飛行経路を設定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、制御装置200は、現在の環境状況情報に基づいて、将来の環境状況を予測するようにしてもよい。そして、制御装置200は、将来の環境状況の予測結果に基づいて、飛行経路を設定するようにしてもよい。
前述した実施形態では、制御装置200が、撮像装置10が送信した画像情報、風向き・風速センサ20が送信した風向きを示す情報と風速を示す情報、雨量計30が送信した雨量を示す情報、電力設備の給電情報などを取得する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、制御装置200は、発雷が発生したか否かを示す情報などを取得するようにしてもよい。
【0042】
実施形態に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、電力設備の接続構成を示す電力設備接続構成情報と電力設備の近傍の環境状況を示す環境状況情報とを取得し、取得した電力設備接続構成情報と環境状況情報とに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を設定する。
このように構成することによって、電力設備接続構成情報に基づいて、電力設備の近傍の飛行経路を演算でき、さらに、飛行経路の演算結果から、環境状況情報に基づいて、一の飛行経路を選択し、選択した飛行経路を設定できる。
実施形態に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、送電線への通電状況を示す通電状況情報を取得し、取得した通電状況情報にさらに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を設定する。このように構成することによって、無人飛翔体と送電線との間の離間距離を最小限にすることができる。
実施形態に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、風向き情報、天候情報、気温情報、および前記視界情報のいずれか一つにさらに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を設定する。このように構成することによって、風の影響や、天候の影響、気温の影響、視界の影響が小さい飛行経路を設定できる。
実施形態に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、飛行が許可される条件を示す飛行許可条件情報を取得し、取得した飛行許可条件情報にさらに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を演算する。このように構成することによって、飛行が許可されていない飛行経路を除外することができる。
【0043】
(変形例)
変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムの一例は、
図1を適用できる。ただし、制御装置200の代わりに、制御装置400を備える。
【0044】
(制御装置)
図14は、変形例に係る制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
制御装置400は、通信部402と通信部403と記憶部404と制御部406とを備える。
通信部402、通信部403、および記憶部404は、実施形態に係る制御装置200の通信部202、通信部203、および記憶部204を適用できる。
制御部406は、CPUなどの演算装置によって実現され、記憶部404に記憶されたプログラム4042を実行することによって、取得部408と演算部410と提示部411と設定部412と作成部414として機能する。
取得部408、演算部410、設定部412、および作成部414は、実施形態に係る制御装置200の取得部208、演算部210、設定部212、および作成部214をそれぞれ適用できる。
ただし、設定部412は、衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離とに基づいて、衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離との両方を満足するように飛行経路を設定する。
さらに、設定部412は、環境状況情報に含まれる風向き情報と風速情報とに基づいて、飛行経路を除外する。設定部412は、飛行経路を除外した残りの飛行経路が複数ある場合には、その複数の飛行経路を示す情報を、提示部411へ出力する。
【0045】
提示部411は、設定部412が出力した飛行経路の候補を示す情報を取得すると、取得した飛行経路の候補を、無人飛翔体100の使用者へ提示する。具体的には、提示部411は、制御装置400が備える表示部(図示なし)に、飛行経路の候補を表示する。
図15は、飛行経路の候補の提示例を示す図である。
図15に示される飛行経路の提示画面には、飛行経路名と飛行経路とが関連付けられて表示される。
飛行経路1は、出発点の位置から、AとBとを経由して、目的点の位置へ向かう経路である。
飛行経路2は、出発点の位置から、BとCとを経由して、目的点の位置へ向かう経路である。
飛行経路3は、出発点の位置から、AとCとを経由して、目的点の位置へ向かう経路である。
さらに、飛行経路1、飛行経路2、および飛行経路3の各々に対応して、チェックボックス502、504、および506が表示される。
無人飛翔体100の使用者は、飛行経路の提示画面を参照し、無人飛翔体100を飛行させる飛行経路を選択し、選択した飛行経路に対応するチェックボックス上でクリックすることでレ点を表示させる。無人飛翔体を飛行させる飛行経路の選択が終了すると、操作する者は、OKボタン508を押す。これによって、操作する者が選択した飛行経路を示す情報は、提示部411から、設定部412へ出力される。
設定部412は、提示部411が出力した飛行経路を示す情報を取得し、取得した飛行経路を示す情報を設定する。設定部412は、設定した飛行経路を示す情報を、作成部414へ出力する。
【0046】
(飛行制御システムの動作)
図16は、変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ステップS202−S218は、前述した実施形態に係る飛行制御システムの動作のステップS102−S118を適用できる。
(ステップS220)制御装置400の設定部412は、衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離とに基づいて、衝突回避離間距離と電磁界影響回避離間距離との両方を満足するように飛行経路の候補を設定する。
さらに、設定部412は、環境状況情報に含まれる風向き情報と風速情報とに基づいて、飛行経路の候補を除外する。設定部412は、飛行経路の候補を除外した残りの飛行経路の候補が複数あるか否かを判定する。ここでは、残りの飛行経路の候補が複数ある場合について説明を続ける。残りの飛行経路の候補が一つである場合には、その一つの飛行経路の候補を設定する。
残りの飛行経路の候補が複数である場合には、その複数の飛行経路の候補を示す情報を、提示部411へ出力する。提示部411は、設定部412が出力した複数の飛行経路の候補を示す飛行経路の候補の提示画面を表示する。これによって、無人飛翔体100を操作する者へ、飛行経路の候補を提示する。
無人飛翔体100の使用者は、提示された飛行経路の候補を参照し、無人飛翔体100を飛行させる飛行経路の選択し、選択した飛行経路に関連するチェックボックスにレ点を表示させて、OKボタンを押す。これによって、無人飛翔体100を操作する者が選択した飛行経路を示す情報が、設定部412へ出力される。
【0047】
(ステップS222)制御装置400の設定部412は、提示部411が出力した飛行経路を示す情報を設定する。設定部412は、設定した飛行経路を示す情報を、作成部414へ出力する。
(ステップS224)制御装置400の作成部414は、設定部412が設定した飛行経路を示す情報を取得し、取得した飛行経路を示す情報で、無人飛翔体100を飛行させる制御情報である飛行制御情報を作成する。作成部414は、作成した飛行経路情報を、通信部403へ出力する。
(ステップS226)制御装置の通信部403は、作成部414が出力した飛行制御情報を取得し、取得した飛行制御情報を、無人飛翔体100へ送信する。
(ステップS228)無人飛翔体100の通信部103は、制御装置400が送信した飛行制御情報を受信し、受信した飛行制御情報を、制御部114へ出力する。制御部114の飛行制御部116は、通信部103が出力した飛行制御情報に基づいて、無人飛翔体100の飛行制御を行う。
【0048】
変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、電力設備の接続構成を示す電力設備接続構成情報と電力設備の近傍の環境状況を示す環境状況情報とを取得し、取得した電力設備接続構成情報と環境状況情報とに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を設定する。
このように構成することによって、電力設備接続構成情報に基づいて、電力設備の近傍の飛行経路を演算でき、さらに、飛行経路の演算結果から、環境状況情報に基づいて、一の飛行経路を選択し、選択した飛行経路を設定できる。
変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、送電線への通電状況を示す通電状況情報を取得し、取得した通電状況情報にさらに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を設定する。このように構成することによって、無人飛翔体と送電線との間の離間距離を最小限にすることができる。
変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、風向き情報、天候情報、および前記視界情報のいずれか一つにさらに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を設定する。このように構成することによって、風の影響や、天候の影響、視界の影響が小さい飛行経路を設定できる。
【0049】
変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、飛行が許可される条件を示す飛行許可条件情報を取得し、取得した飛行許可条件情報にさらに基づいて、無人飛翔体の飛行経路を演算する。このように構成することによって、飛行が許可されていない飛行経路を除外することができる。
変形例に係る無人飛翔体の飛行制御システムによれば、無人飛翔体100の飛行経路の候補を提示し、提示した飛行経路の候補のうち、無人飛翔体100の使用者が選択した飛行経路の候補に基づいて、無人飛翔体の飛行を制御する。
このように構成することによって、無人飛翔体100の使用者は、飛行経路の候補から希望する飛行経路を選択することができる。そして、制御装置400は、使用者が選択した飛行経路で、無人飛翔体100を飛行させるための飛行制御情報を、無人飛翔体100へ送信することができる。
【0050】
以上、実施形態およびその変形例を説明したが、これらの実施形態およびその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態およびその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態およびその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0051】
なお、上述した管理サーバと制御装置と無人飛翔体とは、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。
【0052】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0053】
なお、上述の管理サーバと制御装置と無人飛翔体とは内部にコンピュータを有している。そして、上述した管理サーバと制御装置と無人飛翔体との各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
前述した実施形態および変形例において、取得部208と取得部408は取得部の一例であり、演算部210と演算部410は演算部の一例であり、設定部212と設定部412は設定部の一例であり、作成部214と作成部414は作成部の一例であり、提示部411は提示部の一例である。
また、制御装置の動作は、飛行制御方法の一例である。