(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
以下、添付の図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の外観を概略的に示す斜視図である。また、
図2は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【0020】
この共振装置1は、共振子10と、共振子10を挟んで設けられた上蓋30及び下蓋20と、を備えている。すなわち、共振装置1は、下蓋20と、共振子10と、上蓋30とがこの順で積層されて構成されている。
また、共振子10と下蓋20及び上蓋30とが接合され、これにより、共振子10が封止され、また、共振子10の振動空間が形成される。共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれSi基板を用いて形成されている。そして、共振子10、下蓋20及び上蓋30は、Si基板同士が互いに接合されて、互いに接合される。共振子10及び下蓋20は、SOI基板を用いて形成されてもよい。
【0021】
共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS共振子である。なお、共振子10は水晶共振子であってもよい。
以下、共振装置1の各構成について詳細に説明する。
【0022】
(1.上蓋30)
上蓋30はXY平面に沿って平板状に広がっており、その裏面に例えば平たい直方体形状の凹部31が形成されている。凹部31は、側壁33に囲まれており、共振子10が振動する空間である振動空間の一部を形成する。
【0023】
(2.下蓋20)
下蓋20は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板22と、底板22の周縁部からZ軸方向(すなわち、下蓋20と共振子10との積層方向)に延びる側壁23とを有する。下蓋20には、共振子10と対向する面において、底板22の表面と側壁23の内面とによって形成される凹部21が設けられる。凹部21は、共振子10の振動空間の一部を形成する。上述した上蓋30と下蓋20とによって、この振動空間は気密に封止され、真空状態が維持される。この振動空間には、例えば不活性ガス等の気体が充填されてもよい。
【0024】
図3は、本実施形態に係る下蓋20の構造を概略的に示す平面図である。
図3では、下蓋20の長辺方向をY軸方向、短辺方向をX軸方向、厚さ方向をZ軸方向とする。凹部21は、共振子10側から視た平面視において、矩形Sにより規定される空間(以下、単に「矩形S」とも呼ぶ。)と、2つの弓形Rにより規定される空間(以下、単に「弓形R」とも呼ぶ。)とから構成される形状となっている。なお、凹部21は、矩形Sと弓形Rとの間が仕切られておらず、1つの連続した空間で形成されている。
【0025】
矩形Sは、Y軸方向に長辺M、M´を、X軸方向に短辺N、N´を有している。矩形Sは、後述する振動部120(
図4参照)の面積よりも大きく、振動部120に対して相似な形状であることが望ましい。
【0026】
弓形Rは、その弦において、矩形Sの一対の辺と接合する。弓形Rが接合する矩形Sの辺は、後述する保持部140(
図4参照)において、保持腕112A、112Bに接続される辺と、Z軸方向において対向する辺(すなわち、1対の長辺MM´、又は短辺NN´)である。本実施形態では、保持部140は、保持部140におけるX軸方向に平行な辺において、保持腕112A、112Bを介して振動部120に接続する。矩形Sにおいて、保持部140におけるX軸方向に平行な辺と、Z軸方向において対向する辺は、短辺NN´である。従って、2つの弓形Rは、その弦が、矩形Sにおける、X軸方向に平行な2つの短辺(
図3における点線N、N´)と一致するように位置する。
【0027】
弓形Rの円弧が形成する円の半径は、後述するノード生成部130A、130B(
図4参照)の円弧が形成する円の半径よりも大きい。また、弓形Rは、ノード生成部130A、130Bに対して相似な形状であることが望ましい。本実施形態において、弓形Rは、半円の形状である。
【0028】
本実施形態において、弓形Rの弦は矩形Sの短辺に一致し、弓形Rは半円の形状であるため、弓形Rの円弧が形成する円の中心CM、CNは、矩形Sの辺NN´上に位置する。また、円の中心CM、CNは、後述する
接続腕111A、111Bと
ノード生成部130A、130Bとの接続箇所に位置することが好ましい。
【0029】
凹部21が弓形Rを備えることによって、後述する振動部120の振動が、保持腕112A、112Bを伝搬して保持部140(
図4参照)に漏れた場合であっても、弓形Rにおける円弧部分の側壁23によって、漏れた振動を、弓形Rの中心CM、CNに向けて反射させることができる。これによって、本実施形態に係る共振装置1は、共振子10による振動の閉じ込め性を高めることができる。
【0030】
(3.共振子10)
図4は、本実施形態に係る、共振子10の構造を概略的に示す平面図である。
図4を用いて本実施形態に係る共振子10の各構成について説明する。共振子10は、振動部120(圧電振動部の一例である。)と、保持部140と、ノード生成部130A、130B(それぞれ「第1のノード生成部」、「第2のノード生成部」の一例である。)と、接続腕111A、111B(それぞれ、「第1の接続腕」、「第2の接続腕」の一例である。)と、保持腕112A、112B(それぞれ、「第1の保持腕」、「第2の保持腕」の一例である。)とを備えている。
【0031】
(a)振動部120
振動部120は、
図4の直交座標系におけるXY平面に沿って平板状に広がる略直方体の輪郭を有している。なお、振動部120は、平板状に限らず、例えば一定の厚みを有する四角柱であってもよい。振動部120には、点線で示す領域に、長さ方向と幅方向とを有する矩形板状の金属層E1(振動部120上に形成される金属層E1を、「上部電極E1」とも呼ぶ。)が設けられている。上部電極E1の下方には、上部電極E1と対向して金属層E2(振動部120上に形成される金属層E2を、「下部電極E2」とも呼ぶ。)が設けられている。
【0032】
図4において、振動部120は、X軸方向に沿って伸びる1対の短辺121a、121b、Y軸方向に沿って伸びる1対の長辺121c、121dを有している。本実施形態では、例えば、短辺121a、121bの長さが100μm程度、長辺121c、121dの長さが150μm程度に設定される。
【0033】
上部電極E1及び下部電極E2は、Y軸方向に長辺、X軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。また上部電極E1は、振動部120から、接続腕111A、ノード生成部130A、保持腕112Aを介して、保持部140における、振動部120の短辺121aと対向する領域に引き出される。さらに、下部電極E2は、、振動部120から、接続腕111B、ノード生成部130B、保持腕112Bを介して、保持部140における振動部120の短辺121bと対向する領域に引き出される。
【0034】
振動部120と保持部140との間には、所定の間隔で空間が形成されている。
図4の例では、振動部120は、1対の短辺121a、121bにおいて、それぞれ、接続腕111A、111Bに接続され、さらに、ノード生成部130A、130B及び保持腕112A、112Bを介して保持部140に接続され、保持部140に保持されている。他方で、振動部120は、1対の長辺121c、121dにおいて、保持部140に接続されていない。
【0035】
(b)保持部140
保持部140は、その外形が、XY平面に沿って、例えば矩形の枠状に形成される。また、保持部140は、その内形が、XY平面に沿って振動部120及びノード生成部130A、130Bの外側を囲むように形成される。本実施形態では、保持部140は、矩形の平板から、振動部120とノード生成部130A、130Bの外縁に沿ってくり抜いた枠形状を有している。また、保持部140と振動部120及びノード生成部130A、130Bとの間に形成される空間(隙間)は、一定の間隔を有する。
なお、保持部140は、振動部120の周囲の少なくとも一部に設けられていればよく、枠状の形状に限定されない。
【0036】
(c)ノード生成部130A、130B
ノード生成部130Aは、振動部120の短辺121aと、保持部140における、短辺121aと対向する領域との間に設けられる。ノード生成部130Aは、当該ノード生成部130Aにおける、振動部120の短辺121aと対向する接続辺131aを有し、接続辺131aにおいて、接続腕111Aに接続されている。また、接続辺131aは、短辺121aに対して一定の間隔で、略平行に設けられている。
【0037】
ノード生成部130Aは、X軸方向(第2方向の一例である。)の幅WAが、接続腕111Aから保持腕112Aへと向かうにつれて狭まる形状を有する。また、ノード生成部130Aは、接続辺131aの垂直二等分線を軸として、線対称の形状を有する。ノード生成部130Aは、X軸方向に沿った長さが最大となる箇所を、Y軸方向(第1方向の一例である。)における中心よりも接続腕111A側に有している。本実施形態においては、ノード生成部130Aの幅WAは、接続辺131aにおいて最大であり、接続腕111Aから保持腕112Aへと向かうにつれて、徐々に狭くなり、当該軸上において最も狭くなる。なお、幅WAは、連続的に狭まる必要はなく、例えば、段階的に狭まったり、一部に広がる部分を有したりしていても、全体として徐々に狭まっていればよい。例えば、ノード生成部130Aは下蓋20の弓形Rと相似な形状である。また、ノード生成部130Aの周縁は、滑らかな形状に限らず、凹凸を有してもよい。また、ノード生成部130Aは、幅WAが最も狭い箇所(以下、「頂点TA」とも呼ぶ。)において、保持腕112Aに接続されている
【0038】
接続辺131aの長さは、接続腕111AのX軸方向の幅よりも大きい。さらに、接続辺131aの長さは、振動部120のX軸方向の幅よりも短いことが好ましい。より好ましくは、接続辺131aの長さは、振動部120のX軸方向の幅の6割程度である。
なお、ノード生成部130Bは、ノード生成部130Aと同様の構成を有する。
【0039】
本実施形態において、ノード生成部130A、130Bは、接続辺131a、131bを直径とする、半径30μm程度の半円の形状をしている。この場合、ノード生成部130A、130Bの円弧を形成する円の中心は、例えば、接続辺131a、131bの中点に位置する。なお、ノード生成部130A、130Bの円弧を形成する円の中心は、振動部120における、接続腕111A、111Bとの接続箇所であってもよい。なお、接続辺131a、131bは、直線に限らず、円弧形状であってもよい。この場合、接続腕111A、111Bは、接続辺131a、131bの頂点と接続する。また、この場合、接続辺131a(131b)の円弧を形成する円の中心は、接続腕111A(111B)側にあってもよいし、保持腕112A(112B)側にあってもよい。
【0040】
(d)接続腕111A、111B
接続腕111Aは、略矩形の形状をしている。接続腕111Aは、一端が振動部120における短辺121aの中央付近に接続されており、そこからノード生成部130Aに向かって、短辺121aに対して垂直に延びている。接続腕111Aの他端は、ノード生成部130Aの接続辺131aに接続している。本実施形態においては、接続腕111AのX軸方向の幅は10μm程度である。
なお、接続腕111Bは、接続腕111Aと同様の構成を有する。
【0041】
(e)保持腕112A、112B
保持腕112Aは、略矩形の形状をしている。保持腕112Aは、一端が、ノード生成部130Aの頂点TAに接続しており、そこから保持部140における、ノード生成部130Aに対向する領域に向かって、Y軸方向に延びている。保持腕112Aの他端は、保持部140における、ノード生成部130Aに対向する領域に接続している。保持腕112Aの幅の大きさは、接続腕111Aの幅の大きさ以下であることが望ましい。本実施形態においては、保持腕112AのX軸方向の幅は、接続腕111Aの幅より狭く、5μm程度である。保持腕112Aの幅を接続腕111Aの幅よりも小さくすることで、ノード生成部130Aから保持部140へと振動が伝搬されることを抑制することができる。
なお、保持腕112Bは、保持腕112Aと同様の構成を有する。
【0042】
(4.積層構造)
図5(A)及び(B)を用いて共振装置1の積層構造(断面構造)について説明する。
図5(A)は、
図1のAA´断面図、
図5(B)は、
図1のBB´断面図である。
【0043】
図5(A)及び(B)に示すように、本実施形態に係る共振装置1では、下蓋20の側壁23と共振子10の保持部140が接合され、さらに共振子10の保持部140と上蓋30の側壁33が接合される。このようにして、下蓋20と上蓋30との間に共振子10が保持され、下蓋20と上蓋30との間に、振動部120が振動する振動空間が形成される。
【0044】
下蓋20の底板22及び側壁23は、Si(シリコン)により、一体的に形成されている。側壁23の上面には酸化ケイ素(例えばSiO
2)膜F1が形成されており、この酸化ケイ素膜F1によって、下蓋20が共振子10の保持部140と接合される。Z軸方向に規定される下蓋20の厚みは、例えば150μm、凹部21の深さは、例えば50μmである。
【0045】
上蓋30は、所定の厚みのSi(シリコン)ウエハにより形成されている。
図5に示すように、上蓋30はその周辺部(側壁33)で共振子10の保持部140と接合されている。上蓋30の周縁部と保持部140との間には、接合層Hが形成されており、この接合層Hによって、上蓋30が保持部140と接合される。接合層Hは、例えばAu(金)膜及びSn(錫)膜から形成されている。
【0046】
共振子10では、保持部140、振動部120、ノード生成部130A、130B、接続腕111A、111B、及び保持腕112A、112Bは、同一プロセスで形成される。具体的には、まず、Si(シリコン)層F2の上に、金属層E2が積層される。そして、金属層E2の上に、金属層E2を覆うように圧電薄膜F3が積層され、さらに、圧電薄膜F3の上に、金属層E1が積層され、さらに、金属層E1の上には、再度、圧電薄膜F3が積層される。
【0047】
Si層F2は、例えば、厚さ30μm程度の縮退したn型Si半導体から形成されており、n型ドーパントとしてP(リン)やAs(ヒ素)、Sb(アンチモン)などを含む。Si層F2として用いられる縮退Siの抵抗値は、0.5mΩ・cm以上0.9mΩ・cm以下であることが望ましい。本実施形態で用いられる縮退Siの抵抗値は、たとえば0.63mΩ・cmである。なお、Si層F2の下面には、酸化ケイ素(例えばSiO
2層)層が形成されてもよい。これにより、振動部120の温度特性を向上させることが可能になる。
【0048】
また、金属層E2、E1は、例えば厚さ0.1μm程度のMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等を用いて形成される。なお、Si層F2に縮退したSiを用いた場合には、金属層E2に代えて、Si層F2を下部電極として用いてもよい。
【0049】
金属層E2、E1は、エッチング等により、所望の形状に形成される。金属層E2は、振動部120上においては、下部電極として機能するように形成される。また、金属層E2は、ノード生成部130B、接続腕111B、保持腕112B、保持部140上においては、共振子10の外部に設けられた交流電源に下部電極を接続するための配線として機能するように形成される。
【0050】
他方で、金属層E1は、例えば振動部120上においては、上部電極E1として機能するように形成される。また、金属層E1は、ノード生成部130A、接続腕111A、保持腕112A、及び保持部140上においては、例えば共振子10の外部に設けられた交流電源に上部電極E1を接続するための配線として機能するように形成される。
【0051】
なお、交流電源から下部配線または上部配線への接続にあたっては、上蓋30の外面に電極を形成して、当該電極が交流電源と下部配線または上部配線とを接続する構成や、上蓋30内にビアを形成し、当該ビアの内部に導電性材料を充填して配線を設け、当該配線が交流電源と下部配線または上部配線とを接続する構成が用いられてもよい。
【0052】
圧電薄膜F3は、印加された電圧を振動に変換する圧電体の薄膜であり、例えば、AlN(窒化アルミニウム)等の窒化物や酸化物を主成分とすることができる。具体的には、圧電薄膜F3は、ScAlN(窒化スカンジウムアルミニウム)により形成することができる。ScAlNは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部をスカンジウムに置換したものである。また、圧電薄膜F3は、例えば、1μmの厚さを有する。
【0053】
圧電薄膜F3は、金属層E2、E1によって圧電薄膜F3に印加される電界に応じて、XY平面の面内方向に伸縮する。この圧電薄膜F3の伸縮によって、振動部120は、X軸方向に輪郭振動する。振動部120の振動は、接続腕111A、111Bを介してノード生成部130A、130Bへ伝搬される。
【0054】
図6(A)〜(C)は、本実施形態に係る共振子10の振動による変位を、X軸、Y軸、及びZ軸それぞれの成分に分解した分布を模式的に示す図である。
図6の各図では、共振子10を、白から濃いグレーに段階的に着色しているが、その略中央の階調である薄いグレーで表されている箇所は、その変位が略ゼロの箇所を示し、当該薄いグレーを基点として、それよりも濃く表されている箇所は各軸の正の方向への変位を示し、それよりも薄く(白く)表されている箇所は各軸の負の方向への変位を示している。
【0055】
図6(A)は、X軸方向の変位を示している。
図6(A)に示すように、振動部120において、X軸方向における変位方向は、振動部120のY軸方向に沿った中心線CYを中心に逆転している。また、ノード生成部130A、130BにおけるX軸方向の変位は、中心線CYを中心に逆転している。さらに、ノード生成部130A、130Bの頂点周縁の変位は、振動部120における、接続辺131a、131bに対向する箇所の変位と、逆転している。これによって、ノード生成部130A、130Bにおいて、変位が大きい領域に隣接して、変位が少ない箇所が発生する。
【0056】
この結果、ノード生成部130A、130Bの頂点においては、頂点周縁で発生するX軸方向の変位は、頂点周縁に隣接する変位の少ない領域よって、低減される。この変位が低減されて最小になる箇所をノード点と呼ぶ。本実施形態においては、X軸方向の振動に対するノード点は、中心線CY上に発生する。
【0057】
図6(B)は、Y軸方向の変位を示している。
図6(B)に示すように、振動部120におけるY軸方向の変位は、振動部120のX軸方向に沿った中心線CXを中心に逆転している。また、ノード生成部130A、130BにおけるY軸方向の変位は、中心線CYに対して、線対称となっている。さらに、ノード生成部130A、130BにおけるY軸方向の変位は、X軸方向の端部と中心部とで逆転している。これによって、ノード生成部130A、130Bにおいて、変位が大きい端部と中心部とに隣接して、変位が少ない箇所が発生する。また、振動部120を中心線CXに沿って2等分すると、振動部120におけるノード生成部130A側の変位は、ノード生成部130Aの中心部の変位と、その方向が逆転している。また、振動部120におけるノード生成部130B側の変位は、ノード生成部130Bの中心部における変位と、その方向が逆転している。
【0058】
この結果、ノード生成部130A、130Bの端部及び中心部で発生する振動が、端部及び中心部に隣接する変位の少ない領域において低減されることによって、ノード生成部130A、130Bの頂点周辺においては、Y軸方向の変位が少なくなる。これにより、ノード生成部130A、130Bの頂点にY軸方向の振動におけるノード点が発生する。本実施形態においては、Y軸方向の振動に対するノード点は、中心線CY上に発生する。
【0059】
図6(C)は、Z軸方向の変位を示している。
図6(C)に示すように、振動部120はZ軸方向にも振動する。
図5に示したように、共振子10は、音速の異なる材料を積層させて形成されている。そのため共振子10における、各層の弾性特性は異なる。この結果、振動部120が面内振動をする場合であっても、振動部120において、Z軸方向への振動が発生することになる。
【0060】
振動部120は、中心部がZ軸正の方向へ変位し、四隅がZ軸負の方向へ変位する。
【0061】
ノード生成部130A、130BにおけるZ軸方向の変位は、中心線CYに対して、線対称となっている。さらに、ノード生成部130A、130BにおけるZ軸方向の変位は、端部と中心部とで逆転している。これによって、ノード生成部130A、130Bにおいて、変位が大きい端部と中心部に隣接して、変位が少ない箇所が発生する。
【0062】
この結果、ノード生成部130A、130Bの頂点においては、ノード生成部130A、130Bの端部及び中心部に発生する変位が、端部及び中心部に隣接する変位の少ない領域において低減されることによって、Z軸方向の振動が打ち消される。これにより、ノード生成部130A、130Bの頂点にZ軸方向の振動におけるノード点が発生する。本実施形態においては、Z軸方向の振動に対するノード点は、中心線CY上に発生する。
【0063】
このように、ノード生成部130A、130Bの外周近傍には、X軸、Y軸、Z軸いずれの方向にも、変位が最も大きい部位に隣接して変位が小さい部位が形成される。本実施形態に係る共振子10では、ノード生成部130A、130Bにおいて、接続腕111A、111Bよりも幅が広い接続辺131a、131bの幅が、当該接続辺131a、131bから保持腕112A、112Bに向かうにつれて連続的に小さくなるように構成されている。これによって、ノード生成部130A、130Bにおいて、その幅が小さくなる部分(円弧部分)のどこかで、変位が大きい部分ができ、さらにその変位が大きい部分に隣接する箇所に変位が小さい部分が形成される。
【0064】
このように、ノード生成部130A、130Bの幅は接続腕111A、111Bから保持腕112A、112Bへ向かうにつれて徐々に狭まっているため、振動部120からの振動の伝搬状態が変わった場合であっても、ノード生成部130A、130Bには変位が大きい部分に隣接して変位が小さい部位が形成される。これによって、ノード生成部130A、130Bは、振動部120から漏えいした振動に対し、変位部位を調整してノード生成部130A、130B上においてノードを形成することができる。この形成したノードにおいて保持腕112A、112Bと接続することによって、振動部120からの振動を保持部140へ伝搬されることを抑制することができる。
【0065】
本実施形態において、保持腕112A、112Bは、ノード生成部130A、130Bの頂点、即ちノード点に形成される。この結果、振動部120で発生した振動は、保持腕112A、112Bにおいて打ち消され、保持部140に伝搬されない。これによって、共振子10のアンカーロスを低減させることができ、Q値を向上させることが可能になる。
【0066】
図7は、振動部120の幅に対するノード生成部130A、130Bの半径と、ESR(等価直列抵抗値)との関係を示すグラフである。縦軸はESRの値を表している。また、横軸は、振動部120の短辺121aの長さに対するノード生成部130A、130Bの半径の比を表している。
図7においては、インピーダンスアナライザを用いて、共振装置1の入出力端子に任意の周波数の微小交流電界を印加して、各周波数におけるインピーダンスを測定し、そのうちの最小のインピーダンスをESRとした。
図7のグラフから、短辺121aの長さに対してノード生成部130A、130Bの半径が約0.35の場合を除いて、Q値が最も向上することが分かる。
【0067】
[第2の実施形態]
第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0068】
図8は、第2の実施形態に係る、共振子10の平面図の一例を示す図である。以下に、本実施形態に係る共振装置1の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0069】
本実施形態では、ノード生成部130A、130Bは、接続辺131a、131bを底辺とする二等辺三角形の形状を有する。ノード生成部130A、130Bのその他の構成は第1の実施形態と同様である。また、その他の構成、作用効果は第1の実施形態と同様である。
【0070】
[第3の実施形態]
図9は、本実施形態に係る、共振子10の平面図の一例を示す図である。以下に、本実施形態に係る共振装置1の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0071】
(3−1)振動部120
本実施形態では、振動部120は、X軸方向に沿って伸びる1対の長辺121c、121d、Y軸方向に沿って伸びる1対の短辺121a、121bを有する四角柱の形状をしている。また、上部電極E1、下部電極E2は、Y軸方向に短辺、X軸方向に長辺を有している。本実施形態における振動部120は、長手方向に面内振動する。その他の振動部120の構成は第1の実施形態と同様である。
【0072】
(3−2)接続腕111A、111B
本実施形態では、接続腕111Aは、一端が振動部120における長辺121cの中央付近に接続しており、そこからノード生成部130Aに向かって延びている。また、接続腕111Bは、一端が振動部120における長辺121dの中央付近に接続しており、そこからノード生成部130Bに向かって延びている。その他の接続腕111A、111Bの構成は第1の実施形態と同様である。
その他の構成、効果は第1の実施形態と同様である。
【0073】
[第4の実施形態]
図10は、本実施形態に係る、共振子10の平面図の一例を示す図である。以下に、本実施形態に係る共振装置1の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0074】
(4−1)振動部120
本実施形態では、振動部120上には、長さ方向と幅方向とを有する矩形板状の2つの上部電極E1a、E1bが設けられている。また、上部電極E1a、E1bの下方には、上部電極E1a、E1bに対向して下部電極E2aが設けられている。
図10において、振動部120は、X軸方向に1対の長辺121c、121d、Y軸方向に1対の短辺121a、121bを有している。
【0075】
上部電極E1a、E1bは、Y軸方向に長辺、X軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。
上部電極E1aは、振動部120から、接続腕111B、ノード生成部130B、及び保持腕112Bを介して、保持部140における長辺121dと対向する辺に引き出される。他方、上部電極E1bは、振動部120から、接続腕111A、ノード生成部130A、及び保持腕112Aを介して、保持部140における長辺121cと対向する領域に引き出される。
【0076】
また、下部電極E2aは、X軸方向に長辺、Y軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。下部電極E2aは、振動部120から、接続腕111A、111B、ノード生成部130A、130B、及び保持腕112A、112Bを介して、保持部140における長辺121cと対向する領域、及び121dと対向する領域に引き出される。
その他の振動部120の構成は第1の実施形態と同様である。
【0077】
(4−2)接続腕111A、111B
本実施形態では、接続腕111Aは、4つの腕111Aa(第1腕の一例である。)、111Ab、111Ac(それぞれ第2腕の一例である。)、及び111Ad(第3腕の一例である。)を有している。腕111Aaは、振動部120とノード生成部130Aの間の空間において、X軸方向に平行に上部電極E1a、E1bに亘って、振動部120の長辺121cに対向して設けられている。
【0078】
腕111Adは、Y軸方向に平行に設けられる。腕111Adは、ノード生成部130Aの接続辺131aの中央付近においてノード生成部130Aに接続し、ノード生成部130Aと腕111Aaとを接続する。
【0079】
腕111Abは、Y軸方向に平行に設けられる。腕111Abは、下端が上部電極E1aの上側の短辺の中央付近において振動部120の長辺121cと接続し、上端が腕111Aaの一端と接続する。
【0080】
腕111Acは、Y軸方向に平行に設けられる。腕111Acは、下端が上部電極E1bの上側の短辺の中央付近において振動部120の長辺121cと接続し、上端が腕111Aaの他端と接続する。接続腕111Aのその他の構成については、第1の実施形態と同様である。
なお、接続腕111Bの構成は、接続腕111Aの構成と同様である。
【0081】
本実施形態において、ノード生成部130A、130Bは、第1の実施形態に記載した機能に加え、腕111Ad、111Bdにおけるねじれ変位に対して緩衝材として機能する。この結果、保持腕112A、112Bにおける変位が軽減し、アンカーロスを軽減させることが可能になる。
その他の構成、効果は第1の実施形態と同様である。
【0082】
[第5の実施形態]
図11は、本実施形態に係る、共振子10の平面図の一例を示す図である。以下に、本実施形態に係る共振装置1の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0083】
(5−1)下蓋20
本実施形態では、下蓋20の凹部21は、矩形Sの1対の長辺それぞれに2つずつ弓形Rが接合する構成となっている。その他の下蓋の構成は第1の実施形態と同様である。
【0084】
(5−2)共振子10
本実施形態においては、共振子10は、第1の実施形態におけるノード生成部130A、130B、接続腕111A、111B、及び保持腕112A、112Bに対応する構成として、ノード生成部130A1、130A2、130B1、130B2、接続腕111A1、111A2、111B1、111B2、及び保持腕112A1、112A2、112B1、112B2を備えている。
【0085】
(5−2−1)振動部120
本実施形態では、振動部120上には、長さ方向と幅方向とを有する矩形板状の2つの上部電極E1a、E1bが設けられている。上部電極E1a、E1bの下方には、上部電極E1a、E1bに対向して下部電極E2aが設けられている。
図11において、振動部120は、X軸方向に1対の長辺121c、121d、Y軸方向に1対の短辺121a、121bを有している。
【0086】
上部電極E1a、E1bは、Y軸方向に長辺、X軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。
上部電極E1aは、振動部120から、接続腕111B1、ノード生成部130
B1、及び保持腕112B1を介して、保持部140における長辺121dと対向する辺に引き出される。他方、上部電極E1bは、振動部120から、接続腕111A
2、ノード生成部130A
2、及び保持腕112A
2を介して、保持部140における長辺121cと対向する領域に引き出される。
【0087】
また、下部電極E2aは、X軸方向に長辺、Y軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。下部電極E2aは、振動部120から、接続腕111A1、111A2、111B1、111B2、ノード生成部130A1、130A2、130B1、130B2、及び保持腕112A1、112A2、112B1、112B2を介して、保持部140における長辺121cと対向する領域、及び121dと対向する領域に引き出される。その他の振動部120の構成は第1の実施形態と同様である。
【0088】
(5−2−2)ノード生成部130A1、130A2、130B1、130B2
ノード生成部130A1、130A2はそれぞれ上部電極E1a、E1bの上側の短辺と対向して設けられる。
【0089】
ノード生成部130A1、130A2は、当該ノード生成部130A1、130A2における、振動部120の長辺121cと対向する接続辺131a1、131a2において、接続腕111A1、111A2にそれぞれ接続されている。また、ノード生成部130A1、130A2は、X軸方向の幅WAが最も狭まる頂点において、保持腕112A1、112A2にそれぞれ接続されている。
なお、ノード生成部130B1、130B2の構成は、ノード生成部130A1、130A2の構成と同様である。
【0090】
(5−2−3)接続腕111A1、111A2、111B1、111B2
本実施形態では、接続腕111A1、111A2は、Y軸方向に沿って設けられている。
【0091】
接続腕111A1、111A2は、一端が振動部120における長辺121cに接続しており、そこからそれぞれノード生成部130A1、130A2に向かって延びている。接続腕111A1は、上部電極E1aの上側の短辺の中央付近において長辺121cと接続する。接続腕111A2は、上部電極E1bの上側の短辺の中央付近において長辺121cと接続する。接続腕111A1、111A2の他端は、それぞれノード生成部130A1、130A2の接続辺131a1、131b1に略垂直に接続している。その他の接続腕111A1、111A2の構成は、第1の実施形態と同様である。
なお、接続腕111B1、111B2の構成は、接続腕111A1、111A2の構成と同様である。
【0092】
(5−2−4)保持腕112A1、112A2、112B1、112B2
本実施形態では、保持腕112A1、112A2は、Y軸方向に沿って設けられている。
【0093】
保持腕112A1、112A2は、一端が、ノード生成部130A1、130A2における頂点に接続しており、そこから保持部140におけるノード生成部130A1、130A2に対向する領域に向かって延びている。保持腕112A1、112A2の他端は、保持部140におけるノード生成部130A1、130A2に対向する領域に接続している。その他の保持腕112A1、112A2の構成は、第1の実施形態と同様である。
なお、保持腕112B1、112B2の構成は、保持腕112A1、112A2の構成と同様である。
その他の構成、効果は第1の実施形態と同様である。
【0094】
[第6の実施形態]
図12は、本実施形態に係る、共振子10の平面図の一例を示す図である。以下に、本実施形態に係る共振装置1の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0095】
(6−1)下蓋20
本実施形態では、下蓋20の凹部21は、弓形Rが矩形Sの1対の長辺に接合する構成となっている。その他の下蓋の構成は第1の実施形態と同様である。
【0096】
(6−2)共振子10
(6−2−1)振動部120
本実施形態では、振動部120上には、長さ方向と幅方向とを有する矩形板状の3つの上部電極E1a、E1b、E1cが設けられている。上部電極E1a、E1b、E1cの下方には、上部電極E1a、E1b、E1cに対向して下部電極E2aが設けられている。
図12において、振動部120は、Y軸方向に沿って伸びる1対の短辺121a、121b、X軸方向に沿って伸びる1対の長辺121c、121dを有している。
【0097】
上部電極E1a、E1b、E1cは、Y軸方向に長辺、X軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。
上部電極E1a、E1cは、バスバーB1によって電気的に接続している。バスバーB1は、上部電極E1bに対向して、振動部120におけるノード生成部130A側の端部に設けられている。バスバーB1は、接続腕111A、ノード生成部130A、及び保持腕112Aを介して、保持部140における、振動部120の長辺121cと
対向する辺に引き出される。
【0098】
他方、上部電極E1bは、接続腕111B、ノード生成部130B、及び保持腕112Bを介して、保持部140における、振動部120の長辺121dと対向する領域に引き出される。
【0099】
また、下部電極E2aは、X軸方向に長辺、Y軸方向に短辺を有し、振動部120上に形成されている。下部電極E2aは、振動部120から、接続腕111A、111B、ノード生成部130A、130B、及び保持腕112A、112Bを介して、保持部140における長辺121cと対向する辺、及び121dと対向する辺に引き出される。
その他の振動部120の構成は第1の実施形態と同様である。
【0100】
(6−2−2)接続腕111A、111B
本実施形態では、接続腕111Aは、
Y軸方向に沿って設けられている。
接続腕111Aは、一端が、バスバーB1の中央付近において、振動部120における長辺121cに接続しており、そこからノード生成部130Aに向かって延びている。接続腕111Aの他端は、ノード生成部130Aの接続辺131aに略垂直に接続している。
【0101】
本実施形態では、接続腕111Bは、
Y軸方向に沿って設けられている。
接続腕111Bは、一端が、上部電極E1bの短辺中央付近において、振動部120における長辺121dに接続しており、そこからノード生成部130Bに向かって延びている。接続腕111Bの他端は、ノード生成部130Bの接続辺131bに略垂直に接続している。
接続腕111A、111Bのその他の構成については、第1の実施形態と同様である。
【0102】
(6−3)積層構造
図13を用いて共振装置1の積層構造(断面構造)について説明する。
図13は、
図12のCC´断面図である。
【0103】
本実施形態において、金属層E2は、
図13に示すように、振動部120上においては、例えば下部電極
E2aとして機能するように形成される。また、金属層E2は、ノード生成部130B、接続腕111B、保持腕112B上においては、引き出し線として機能するように形成される。
【0104】
他方、金属層E1は、振動部120上においては、例えば上部電極E1b、及びバスバーB1として機能するように形成される。また、金属層E1は、ノード生成部130A、接続腕111A、保持腕112A上においては、引き出し線として機能するように形成される。
その他の構成、機能については第1の実施形態と同様である。
【0105】
[第7の実施形態]
図14は、本実施形態に係る、共振子10の平面図の一例を示す図である。以下に、本実施形態に係る共振装置1の詳細構成のうち、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0106】
本実施形態においては、共振子10は、第1の実施形態におけるノード生成部130A、130B、接続腕111A、111B、及び保持腕112A、112Bに対応する構成として、ノード生成部130A1、130A2、130B1、130B2、接続腕111A1、111A2、111B1、111B2、及び保持腕112A1、112A2、112B1、112B2を備えている。
【0107】
(7−1)下蓋20
本実施形態では、下蓋20の凹部21は、振動部120及びノード生成部130A1、130A2、130B1、130B2と相似な形状となるように、矩形Sの1対の長辺それぞれに2つずつ弓形Rが接合する構成となっている。その他の下蓋の構成は第1の実施形態と同様である。
【0108】
(7−2)共振子10
(7−2−1)振動部120
本実施形態では、振動部120上には、長さ方向と幅方向とを有する矩形板状の4つの上部電極E1a、E1b、E1c、E1dが設けられている。上部電極E1a、E1b、E1c、E1dの下には、上部電極E1a、E1b、E1c、E1dと対向して下部電極E2aが設けられている。
図14において、振動部120は、Y軸方向に沿って伸びる1対の短辺121a、121b、X軸方向に沿って伸びる1対の長辺121c、121dを有している。
【0109】
上部電極E1a、E1b、E1c、E1dは、Y軸方向に長辺、X軸方向に短辺を有している。
上部電極E1b、E1cは、バスバーB1によって接続している。バスバーB1は、上部電極E1aに対向して、振動部120におけるノード生成部130A1、130A2側の端部に設けられている。バスバーB1は、接続腕111A1、ノード生成部130A1、及び保持腕112A1を介して、保持部140における、振動部120の長辺121cと対向する領域に引き出される。
【0110】
他方、上部電極E1a、E1dは、バスバーB2によって接続している。バスバーB2は、上部電極E1bに対向して、振動部120におけるノード生成部130B1、130B2側の端部に設けられている。バスバーB2は、接続腕111B2、ノード生成部130B2、及び保持腕112B2を介して、保持部140における、振動部120の長辺121dと対向する領域に引き出される。
【0111】
また、下部電極E2aは、X軸方向に長辺、Y軸方向に短辺を有している。下部電極E2aは、振動部120に形成され、振動部120から、接続腕111A1、111A2、111B1、111B2、ノード生成部130A1、130A2、130B1、130B2、及び保持腕112A1、112A2、112B1、112B2を介して、保持部140における長辺121c、121dと対向する領域に引き出される。
その他の振動部120の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0112】
(7−2−2)接続腕111A1、111A2、111B1、111B2
本実施形態では、接続腕111A1、111A2は、
Y軸方向に沿って設けられている。
接続腕111A1は、一端が、バスバーB1の中央付近において、振動部120における長辺121cに接続しており、そこからノード生成部130A1に向かって延びている。接続腕111A1の他端は、ノード生成部130A1の接続辺131a1に略垂直に接続している。なお、接続腕111A2の構成は、第5の実施形態と同様である。その他の接続腕111A1、111A2の構成は第1の実施形態と同様である。
【0113】
なお、接続腕111B2の構成は、接続腕111A1の構成と同様である。また、接続腕111B1の構成は、接続腕111A2の構成と同様である。
【0114】
(7−2−3)保持腕112A1、112A2、112B1、112B2
保持腕112A1、112A2、112B1、112B2の構成は、第5の実施形態と同様である。
その他の構成、機能については第1の実施形態と同様である。
【0115】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0116】
また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。