(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る半導体光導波路の平面図であり、
図1Bは半導体光導波路の断面図である。半導体の一例として、シリコンを用いた場合について述べる。シリコン基板10、シリコン酸化層下層11、そしてシリコン層12からなるSOI(Silicon On Insulator)基板に、シリコン酸化層上層13が積層されている。シリコン層12には、シリコン光導波路構造40のコアパターンであるコア20、および、格子状のダミー構造31が形成されている。
【0018】
シリコン光導波路構造40は、シリコン膜厚が薄く平板状のスラブ21と、シリコン膜厚が厚く狭幅のコア20とによって光導波路の伝搬層が形成される、リッジ型の光導波路である。
図1AのA−A’を切断線とする
図1Bの断面図において、コア20およびスラブ21部分の断面には、リッジ型の光導波路の凸型形状が現れている。
【0019】
ダミー構造31は、コア20と略同一の厚さであって導波光を伝搬させない複数のダミーパターンを含む。このダミー構造31を構成する個々のダミーパターンは、ウェハ面内に一様に設けられ、例えば、略等間隔で格子状に配置されている(
図1Aの実線部分)。つまり、ダミー構造31は周期構造を含んでいる。そして、ダミー構造31を構成する個々のダミーパターンのうち、光導波路のコア近傍領域におけるダミーパターンは、光導波路を伝搬する導波光に影響を与えないように、所定の範囲内のものが除去される。
図1Aの破線部分は、除去されたダミーパターンの除去跡34である。
【0020】
続いて、このリッジ型のシリコン光導波路の作用について説明する。コア20に導波光が閉じ込められて伝搬する。リッジ型光導波路において、光導波路断面内の上下方向に対する導波光の閉じ込めは、クラッド層であるシリコン酸化層11、13によって実現される。また、光導波路断面内の左右方向に対する光の閉じ込めは、コア20とスラブ21によって形成される凸形状によって実現される。このように導波光の伝搬モードはリッジ型光導波路の凸形状によって左右される。
【0021】
光導波路の設計においては、一般的に、伝搬モードが1つであるシングルモード導波路として設計を行う。例えば、リッジ型光導波路は、高さ1.5μm、リッジ幅1.2μm、スラブ厚0.5μmの凸形状である場合、シングルモード伝搬の光導波路として機能する。このようなシングルモード条件の光導波路は、導波光の十分な閉じ込めが可能であり、導波光の界分布はコアのリッジ近傍に大部分が収まる。光導波路コア断面内での界分布の広がりは、全幅で6μm程度と見積っておけば充分である。この界分布が広がっている範囲(以後、安全距離範囲と呼ぶ)が、ダミーパターンが除去される所定の範囲であるか否かを判断する目安となる。
【0022】
そして、ダミー構造31を構成する個々のダミーパターンの中で、安全距離範囲内に位置するダミーパターンが、光導波路を伝搬する導波光に影響を与えることを抑制するために除去される。一方、安全距離範囲よりも離れた位置には、ダミーパターンが配置される。そして、本実施形態においては、ダミーパターンのパターン密度およびエッチング面積ができる限り一定値になるように設計する。
【0023】
ダミー構造31を構成する個々のダミーパターンの形状は、例えば、矩形状に設計される。そして、複数のダミーパターンを周期的に配置することによって、例えば、格子状のダミー構造31が形成される。なお、ダミー構造31を形成する個々のダミーパターンの形状は、矩形に限らず、円形や多角形など任意の形状でよい。
【0024】
ここで、留意すべきことは、複数のダミーパターンを含むダミー構造を、光導波路コアの中心線(以後、コア中心線と呼ぶ)に対し、線対称に配置することである。その理由は、光導波路コアに対してダミー構造を対称に配置することで、導波路コアの近傍における局所的なエッチング条件を均一にできるからである。例えば、光導波路コアに対するダミー構造の配置対称性は、少なくともコア中心線から、10μm〜100μmまでの領域において維持することが望ましい。一方、導波光の位相を高精度に制御する必要が低い領域では、光導波路コアに対するダミー構造の配置対称性を必ずしも備える必要はなく、ダミー構造を構成する個々のダミーパターンを、全体のパターン密度が均一となるように配置してもよい。
【0025】
このように、光導波路パターンを設計する場合、リッジ型光導波路のコアの凸形状を形成する領域と安全距離範囲を除く領域に、ダミー構造を構成する複数のダミーパターンを配置する。この時、複数のダミーパターンを、コア中心線を中心に線対称に配置する。例えば、一辺10μmの正方形状のダミーパターンを、15μmピッチで等間隔に配置する。なお、ダミー構造を構成する個々のダミーパターンの形状は、例えば、プラズマとエッチングガスを用いたドライエッチング装置など、使用している製造プロセスに応じて決定すれば良い。
【0026】
次に、上述した半導体光導波路の製造方法について説明する。半導体コア層をエッチング加工するためのフォトリソグラフィ工程において使用されるフォトマスクは、上述したダミーパターンを含む導波路パターンの設計に基づいて形成される。まず、複数のダミーパターンを全面に周期的に配置したフォトマスクデータを作成する。次に、導波路コアパターンを配置する領域において、コア中心線を中心に安全距離範囲のダミーパターンをフォトマスクデータから除去する。さらに、導波路の幅を精密に制御したい導波路パターン領域、例えば、コア中心線から安全距離以上、かつコア中心線から10μm〜100μmまでの領域において、既に配置してある複数のダミーパターンをフォトマスクデータから除去する。その後、フォトマスクデータのこの領域内に、コア中心線を中心に線対称となるように、複数のダミーパターンを新たに配置する。最後に、導波路コアパターンとダミーパターンを同じフォトマスクデータ上に合成する。上記のように用意されたフォトマスクデータを使用して作製されたフォトマスクを用いて、フォトリソグラフィ工程でエッチングマスクを基板上に形成し、基板をエッチング加工等することにより、光導波路が作製される。
【0027】
具体的には、基板上に第1クラッド層(例えば、SiO
2層)およびコア層(例えば、Si層)を配置し、コア層に上記のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程を経ることによってコアパターンを形成し、形成したコアパターンの上に第2クラッド層(例えば、SiO
2層)を配置する、ことによって本実施形態に係る光導波路が作製される。上記のように形成されたマスクパターンを用いて複数の光導波路を試作したところ、光位相等は設計値からのずれが小さく、所望の特性が実現できていることが確認された。
【0028】
上述した半導体光導波路の構成およびその製造方法によって、光導波路コアの製造プロセスの一つであるエッチングプロセスにおける光導波路コア幅のずれやゆらぎの発生を抑制でき、光導波路幅の高精度な形成が可能となる。これにより、半導体電子回路の製造プロセスを用いて、所望の特性を有する半導体光導波路を均一に実現することができる。
【0029】
次に、本実施例と関連技術との比較検証結果について説明する。関連技術として、エッチングを行うウェハ面内に、本来必要なパターンに加えて、捨てパターン(ダミーパターン)を設ける方法がある。このような捨てパターンを設ける例が、特許文献2に記載されている。特許文献2に記載のドライエッチング方法および薄膜パターンでは、ガラス基板上に形成されたシリコン薄膜をドライエッチングする際、ウェハ全面にわたって300μm以内に開口部が存在するようなパターンが使用されている。そして、ウェハ全面に対するエッチングの均一化を図ることができるとしている。上記の関連技術を、そのままシリコン光導波路の作製に適用する場合、下記の問題が発生する。
【0030】
図6Aは、関連するドライエッチング方法を適用した、半導体光導波路の平面図、
図6Bはその断面図である。関連技術を用いて形成されたダミー半導体において、個々のパターンはウェハ全面にわたって周期的に配置される。一方、シリコン光導波路構造40を構成するコアパターンは、光回路設計に応じたウェハ面内の所定の位置に配置される。周期的に配置されたダミー構造30のうち、シリコン光導波路コアパターンと重なった領域およびシリコン光導波路コアパターンの近傍領域に配置されたダミーパターン(
図6Aの破線部分)は、光回路の設計段階において予め除去される。この場合、除去後のパターンは、光導波路のコア中心線に対して非線対称になる。
【0031】
ダミーパターンがコア中心線に対して非線対称になることにより、光導波路コア近傍の局所的なエッチング領域が非対称になる。ここで、ウェハ面内のパターン密度はダミーパターンの配置によってほぼ一定に保たれているため、ウェハ全体の平均エッチングレートは一定に保たれる。しかしながら、導波路コア近傍においては、局所的なエッチング状態に変化が発生し、導波路パターンの形状が設計値から変化する。導波路パターン形状が設計値からずれることによって、高い加工精度が必要とされる領域が広範囲にわたる光導波路において、所望の特性が実現できないという問題が発生する。
【0032】
図7Aは、関連するドライエッチング方法を適用した、別のシリコン光導波路の平面図、
図7Bはその断面図である。
図7A、
図7Bにおいて、シリコン光導波路構造における2つのシリコン光導波路パターン40Cと40Dとが近接して配置されている。そして、周期的に配置されたダミー構造30のうち、各光導波路パターンと重なった領域および各光導波路パターンの近傍領域に配置されているダミーパターンが除去される(
図7Aの破線部分)。この場合、2つのシリコン光導波路パターン40Cと40Dとによって挟まれた領域にはダミーパターンが全く配置されない。つまり、ダミーパターンは、光導波路40Dの右側にしか配置されない。その結果、ダミーパターンの配置が光導波路のコア中心線に対して非線対称となる。
【0033】
周期的に配置されたダミーパターンから、光導波路領域およびその近傍領域に配置されたダミーパターンを除去し、残ったダミーパターンが光導波路パターンに対して非対称な配置となる場合、光導波路コアの左右のエッチング領域が非対称となる。この場合、導波路コア近傍においては局所的なエッチング状態に変化が発生し、導波路パターンの形状が設計値からずれる。これにより、伝搬光の光位相を高精度で制御する必要がある光導波路等において、所望の特性が実現できないという問題が発生する。特に、光導波路が複数並列配置された場合には、この問題が顕著となる。
【0034】
以上のように、シリコン光導波路の製造プロセスにおいて、関連する半導体電子回路のドライエッチング工程で用いられるダミーパターン配置をそのまま適用する場合、設計を反映した所望の特性を有するシリコン光導波路を実現することはできない。
【0035】
一方、本実施形態では、上述したように、光導波路の近傍領域においても、ダミーパターンの対称配置が維持される。すなわち、シリコン光導波路構造に含まれる光導波路パターンが線対称軸を有しており、ダミーパターンが光導波路パターンに対して線対称に配置される。従って、高い加工精度が必要とされる領域が広範囲わたるような光導波路や、伝搬光の光位相を高精度に制御する必要がある光導波路等に対しても、半導体電子回路の製造プロセスを用いて所望の特性が実現できる。以上のように、本実施形態は関連技術と比較して優れた効果を有する。
【0036】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体光導波路の構成を示す平面図である。
図2に示す平面図の構成と
図1Aに示す平面図の構成とは、対称性を維持する領域に配置されたダミーパターン形状が異なる。すなわち、
図2において、シリコン光導波路構造40の近傍領域に配置された複数のダミーパターンは、一部が欠けた形状を有することによって、疑似格子状のダミー構造32を構成する。その他の構成は
図1Aの半導体光導波路と同様に構成される。
【0037】
すなわち、
図2に示すように、一部が欠けた形状のダミーパターンは、シリコン光導波路構造40のコアパターンの中心線に対して、線対称に配置される。本実施形態においても、光導波路コアの近傍領域にダミーパターンが線対称に配置されることにより、エッチングの均一性が得られる。
【0038】
以上のように、光導波路近傍領域に配置されるダミーパターンは、そのパターンの一部が欠けた形状であってもよい。このようなダミーパターンの形状およびその配置によって、光導波路コアのエッチングプロセスにおいて、高精度の光導波路形成が維持される。すなわち、半導体電子回路の製造プロセスを用いて、所望の特性を有する半導体光導波路を形成することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る半導体光導波路の構成を示す平面図である。
図3に示す平面図の構成と
図1Aに示す平面図の構成とは、シリコン光導波路構造40の近傍領域に配置されたダミーパターンの形状が異なる。すなわち、
図3において、ダミー構造を構成するダミーパターンは、半導体光導波路のコア中心線の伸長方向に連続しており、離間していない。そして、この長尺のダミー構造33が、シリコン光導波路構造40のコアパターンの中心線に対して、線対称に配置されている。その他の構成は
図1Aに示す構成と同様である。
【0040】
例えば、光導波路の小型化や集積化の設計においては、光導波路の曲がりパターンが多く発生する。その円弧状の光導波路パターンの左右近傍に格子状のダミーパターンを配置すると、小さなパターン残留が発生するなど、製造プロセスにおいて問題となる場合がある。方形状のダミーパターンを格子状に配置する必要はなく、ダミーパターンと導波路パターンとの重なりが複雑な形状となるような領域では、ダミーパターンを導波路パターンと同様にダミーパターンを長尺に形成し、その密度が一定となるように配置することができる。
【0041】
なお、前述のように、光導波路のエッチング状態により強い影響を与えるのは、導波路パターンのコア中心から近い距離のダミーパターンである。そこで、導波路コア中心から例えば60μm程度までの距離内に長尺のダミーパターンを配置し、60μm以上離れた領域に、格子状に配置したダミーパターンを配置することもできる。なお、外側領域に格子状に配置されたダミーパターンについては、コア中心線に対して線対称に配置する必要は必ずしもない。
【0042】
長尺のダミーパターンを配置することで、例えば、三角関数やクロソイド曲線などの複雑な形状に設計された曲がり導波路であっても、ダミーパターンのコア中心に対する線対称性を確保することができ、導波光の光位相の制御を安定化することができる。
【0043】
以上のように、光導波路近傍領域に配置されるダミーパターンは、個々のパターンをコア中心線方向に連続的に配置させることによって形成することができる。このような長尺のダミーパターンを配置することによって、エッチングプロセスにおいて高精度な設計を維持することができる。すなわち、半導体電子回路の製造プロセスを用いて、所望の特性を有する半導体光導波路を実現することができる。
【0044】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る半導体光導波路の構成を示す平面図である。
図4に示す平面図の構成と
図1Aに示す平面図の構成とは、光導波路の数およびその配置方法が異なる。すなわち、
図4のシリコン光導波路構造において、隣接する2つのシリコン光導波路パターン40Aと40Bとの距離が変化する。そして、
図4において、隣接する2つの光導波路パターン40A、40Bによって挟まれている領域には、方形状のダミーパターンが配置されている。その他の構成は
図1Aに示す構成と同様である。
【0045】
複数の光導波路パターンが並行配置される場合において、光導波路間における光位相差が生じない高精度の光位相設計が要求される場合がある。その一方で、2つの光導波路の距離が小さい場合には、個々の光導波路に対してダミーパターンをコア中心に対して線対称に配置できなくなる。そこで、複数の光導波路パターンをひとつのグループとして捉え、このグループの中心線(以後、パターン中心線と呼ぶ)に対して線対称となるように、ダミーパターンを配置する。このような配置とすることで、個々の光導波路のコア形状は、
図1Aのようにコア中心線に対する対称性を実現した場合に比べて変化するが、2つの光導波路にはパターン中心線対称に同じようにコア形状変化が発生し、光位相変化は同じとなる。すなわち、複数の光導波路間における光位相変化量は、対称性を有することから等しくなり、光位相差は発生しない。従って、非対称マッハツェンダ干渉計などの相対位相差を用いる光回路における性能低下を防止することができる。
【0046】
上述のように、シリコン光導波路構造に挟まれた領域におけるダミー構造35を構成する複数のダミーパターンも、2つの光導波路40A、40Bをグループ化した時の中心線(パターン中心)に対して線対称に配置される。これにより、光導波路コアに対するダミーパターンの配置対称性が保たれ、エッチングにおいて面内分布が維持される。
【0047】
以上のように、隣接する2つの光導波路パターンの間隔が変化している領域の近傍領域において、グループ化された光導波路パターンの中心線に対する対称性を維持する。これによって、光導波路コアのエッチングプロセスにおいて高精度の設計を維持することができる。そして、半導体電子回路の製造プロセスを用いて、所望の特性を有する半導体光導波路を実現することができる。
【0048】
(第5の実施形態)
図5Aは、本発明の第5の実施形態に係るシリコン光導波路の構成を示す平面図であり、
図5Bはその断面図である。
図5Aに示す構成と
図1Aに示す構成とは、シリコン光導波路が、リッジ型ではなくチャネル型である点が異なる。すなわち、
図5AのB−B’を切断線とする
図5Bの断面図において、光導波路コア20の断面形状は、リッジ型光導波路の凸形状ではなく、チャネル型光導波路の矩形形状となっている。別の言い方をすると、
図5Bにおいては、シリコン酸化層下層11とシリコン酸化層上層13とが互いに接する領域が存在する。その他の構成は
図1A及び
図1Bの構成と同様である。
【0049】
そして、
図5A、
図5Bにおいても、シリコン光導波路構造40のコア中心線に対して、格子状のダミー構造を構成する複数のダミーパターンが線対称に配置されている。このように、本実施例においても、光導波路コアに対するダミーパターンの配置対称性が維持されることで、導波路コアの配置位置の影響が小さくなり、エッチングの局所的な面内分布が小さくなると言う効果を奏する。
【0050】
なお、本実施形態に係る配置パターンは、直線状の光導波路パターンに限らず、非対称マッハツェンダ干渉計やAWG(Arrayed Waveguide Grating)、光遅延回路、グレーティング、リング共振器、光90度ハイブリッドミキサーなどのパターンにも適用できる。これらの導波光の位相状態が重要となる光導波路設計に適用でき、同様の効果が期待できる。
【0051】
ここで、シリコン光導波路は、リッジ型ではなく、チャネル型であってもよい。ダミーパターンの断面形状は、凸型でなく、矩形形状であってもよい。以上のように、ダミーパターンを光導波路パターンのコア中心線あるいはパターン中心線に対して線対称に配置することによって、エッチングプロセスにおいて高精度の設計を維持することが可能となる。これによって、半導体電子回路の製造プロセスを用いて、所望の特性を有する半導体光導波路を実現することができる。
【0052】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0053】
(付記1)
基板と、
前記基板上に配置した半導体光導波路構造と、
前記基板上に前記半導体光導波路構造と離間して配置した半導体ダミー構造と、を有し、
前記半導体光導波路構造は、前記基板と平行な面上において線対称パターンを有し、
前記半導体ダミー構造は、前記基板と平行な面上におけるパターン形状が前記線対称パターンの対称軸に対称である領域を含む
ことを特徴とする半導体光導波路。
【0054】
(付記2)
前記パターン形状は周期構造を含む
ことを特徴とする付記1に記載の半導体光導波路。
【0055】
(付記3)
前記パターン形状は、前記半導体光導波路構造の近傍においては、前記パターン形状を構成する個々のパターンの一部または全部が欠けた状態である
ことを特徴とする付記2に記載の半導体光導波路。
【0056】
(付記4)
前記近傍は、前記半導体光導波路構造を伝搬する導波光の界分布が存在する領域を含むことを特徴とする付記3に記載の半導体光導波路。
【0057】
(付記5)
前記半導体ダミー構造を構成する個々のパターン形状は、矩形形状である
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体光導波路。
【0058】
(付記6)
前記パターン形状は、前記パターン形状を構成する個々のパターン形状が前記対称軸に沿った方向に連続している領域を含む
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体光導波路。
【0059】
(付記7)
前記対称軸は、前記半導体光導波路構造の形状が単一の直線形状である場合における前記直線形状の中心線である
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体光導波路。
【0060】
(付記8)
前記半導体光導波路構造は、複数の光導波路構造を有し、
前記複数の光導波路構造に挟まれた領域の近傍における前記パターン形状は、前記パターン形状を構成する単位パターンを少なくとも一個備える
ことを特徴とする付記3乃至5のいずれか1項に記載の半導体光導波路。
【0061】
(付記9)
付記1乃至8のいずれか1項に記載の半導体光導波路を含む光通信用デバイス。
【0062】
(付記10)
半導体層をエッチング加工する際に使用するマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンを用いて半導体層をエッチング加工することにより半導体光導波路構造を形成する工程を有し、
前記マスクパターンを形成する工程は、周期構造のダミー構造パターンを前記エッチング加工する対象の領域全面に配置し、
前記対象領域に線対称軸を有する光導波路構造パターンを形成し、
前記ダミー構造パターンが前記線対称軸に対称となるように、前記ダミー構造パターンを前記光導波路構造パターンに重畳し、
前記光導波路構造パターン近傍の前記ダミー構造パターンを除去する工程を含む半導体光導波路の製造方法。
【0063】
この出願は、2013年12月18日に出願された日本出願特願2013−261096を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。