(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遠隔操作対象の接続された顧客のネットワーク環境または遠隔操作サービスの提供者のネットワーク環境または第三者機関のネットワーク環境の何れか一つに、前記顔画像を用いた顔認証を行う認証部を備えた情報処理装置が接続された、
を備える請求項4または請求項5に記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態による情報処理システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による情報処理システムの構成を示す図である。
情報処理システム100は遠隔操作サービスを行う保守業者が構築した保守業者ネットワーク1と、保守業者に情報処理装置の保守作業を依頼する顧客が構築した顧客ネットワーク2とが通信接続されて構成される。
【0014】
保守業者ネットワーク1は、通信ネットワークを介して接続された保守サービス提供サーバ11、遠隔操作端末12、カメラ13、中継装置14により構成される。遠隔操作端末12、カメラ13は保守業者ネットワーク1に複数接続されてよい。
顧客ネットワーク2は、通信ネットワークを介して接続された保守管理サーバ21、保守作業記録サーバ22、遠隔操作対象装置23、中継装置24により構成される。遠隔操作対象装置23は顧客ネットワーク2に複数接続されてよい。
【0015】
図2は各情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
保守サービス提供サーバ11、遠隔操作端末12、中継装置14、保守管理サーバ21、保守作業記録サーバ22、遠隔操作対象装置23、中継装置24は情報処理装置の一態様である。これら情報処理装置は、
図2で示すようにCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、インタフェース105、通信モジュール106の各ハードウェア構成を一例として備える。
【0016】
<第一実施形態>
図3は第一実施形態による保守サービス提供サーバの機能ブロック図である。
第一実施形態による保守サービス提供サーバ11は、予め記憶する保守サービス提供プログラムを実行する。これにより保守サービス提供サーバ11は、制御部110、操作者選別部111、操作許可部112、操作者記録部113、操作履歴記録部114、認証部115の各機能を備える。
【0017】
制御部110は各機能部を制御する。
操作者選別部111は、遠隔操作対象装置23を遠隔操作できる操作者を選別する。
操作許可部112は、選別された前記操作者の前記遠隔操作対象を遠隔操作する際の顔画像を用いた認証結果に基づいて、当該操作者による遠隔操作対象装置23の操作許可を遠隔操作端末12に送信する。
操作者記録部113は、遠隔操作端末12を用いて遠隔操作対象装置23を操作する操作者の顔画像を遠隔操作対象装置23の操作時間帯において繰り返し記録する。
操作履歴記録部114は、操作者による遠隔操作端末12を用いた遠隔操作対象装置23の操作履歴を操作時間帯において繰り返し記録する。
認証部115は顔画像を用いた顔認証を行う。
【0018】
(第一実施形態)
図4は第一実施形態による情報処理システムの処理フローを示す図である。
次に第一実施形態による情報処理システムの処理フローについて順を追って説明する。
まず顧客ネットワーク2に接続されている遠隔操作対象装置23は自装置に異常が発生した場合に保守管理サーバ21へ異常を通知する。保守管理サーバ21は異常の通知を受信する。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の異常内容を検出する(ステップS101)。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDと異常内容とを含む遠隔操作要求情報を、中継装置24を介して保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS102)。遠隔操作要求情報には異常内容の代わりに異常内容に応じた遠隔操作における操作種別情報やスキルレベル、操作レベルが含まれるようにしてもよい。スキルレベルは遠隔操作対象装置23毎の操作習熟度等の情報を示す。操作レベルは遠隔操作対象装置23毎の操作許可されたソフトウェア(OS、アプリケーションソフトウェア等)を示す情報を示す。なお保守管理サーバ21は上述のステップS101において、異常内容の検出ではなく予め設定された所定のタイミングにおいて定期メンテンナンス等の保守作業の開始を検出して、その検出の後にステップS102において保守内容を含む遠隔操作要求情報を送信してもよい。
【0019】
複数の遠隔操作対象装置23のうちの異常の発生している装置の検出を保守管理サーバ21が行うようにしてもよい。保守管理サーバ21が異常内容を検出する処理の具体例は省略するが、どのように検出してもよく、公知の技術を用いてよい。一例としては遠隔操作対象装置23が異常内容を保守管理サーバ21へ出力してもよいし、保守管理サーバ21が遠隔操作対象装置23にアクセスしてその遠隔操作対象装置23に対して各種命令を実行させた結果に基づいて異常内容を検出してもよい。
【0020】
保守サービス提供サーバ11は中継装置14を介して遠隔操作要求情報を受信する。
保守サービス提供サーバ11の操作者選別部111は遠隔操作要求情報から遠隔操作対象装置の装置ID、当該遠隔操作要求情報に含まれる異常内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルのうちの何れか一つまたは複数を取得する。異常内容、スキルレベル、操作レベルは操作種別を特定するための情報であるため、操作種別情報の一態様である。保守管理データベース15には予め作業者を示す作業者ID、その作業者が遠隔操作することのできる装置種別を示す装置ID、その作業者が作業することのできる異常内容、保守内容、操作種別、異常内容の異常を解消することのできるスキルレベル、操作レベルなどが対応付けて記録されている。
【0021】
操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに紐づいて保守管理データベース15に記録されている一つまたは複数の作業者IDから一つの作業者IDを選別する(ステップS103)。例えば操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容や保守内容とに紐づいて保守管理データベース15に記録されている作業者IDが複数ある場合には、その中からランダムに一つの作業者IDを選別してよい。操作者選別部111は選別した作業者IDと取得した装置IDと異常内容や保守内容とを含む作業指示情報を操作許可部112へ出力する。
【0022】
操作許可部112は作業指示情報を取得すると、作業者IDの作業者が利用する遠隔操作端末12を特定する(ステップS104)。例えば、作業者IDと遠隔操作端末12のIDとが、保守管理データベース15に保持される端末テーブルに記録されており、このテーブルに基づいて操作許可部112は作業者IDが利用する遠隔操作端末12のIDを特定すればよい。操作許可部112は遠隔操作端末12のIDに基づいて当該遠隔操作端末12のネットワークアドレスを取得する。また操作許可部112は遠隔操作対象装置23の装置IDに紐づいて保守管理データベース15に記録されているログインIDとパスワードを取得する。このログインIDとパスワードは装置IDで示される遠隔操作対象装置23にアクセスするためのアクセスキーである。操作許可部112は作業者が利用する遠隔操作端末12のネットワークアドレス宛に、遠隔操作対象装置23の装置IDとログインID、パスワード、異常内容や保守内容、作業者IDを含む操作許可情報を送信する(ステップS105)。当該操作許可情報に含まれるパスワードはワンタイムパスワードであってもよい。また操作許可情報にはログインIDやパスワードの代わりとなるアクセスキーが含まれていてもよい。
【0023】
遠隔操作端末12は操作許可情報を受信する。遠隔操作端末12は操作許可情報に基づいて操作開始画面をモニタに出力する(ステップS106)。操作開始画面には遠隔操作対象装置23の装置ID、そのIDに紐づいて保守管理データベース15に記録されている顧客名、装置名、その装置で稼働しているOS名、その装置で動作しているアプリケーション名、ログインID、パスワード、異常内容や保守内容、作業者ID、作業者名などが表示されてよい。操作許可情報は電子メールの文面により遠隔操作端末12に送信されてもよい。この場合操作開始画面に表示される情報が電子メールの文面として表示され遠隔操作端末12のモニタに出力されてよい。
【0024】
作業者は遠隔操作端末12に表示された操作開始画面を確認する。作業者は遠隔操作端末12を操作して操作開始画面に表示されている装置ID、顧客名、装置名で特定される遠隔操作対象装置23のアクセス開始指示を入力する。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出する(ステップS107)。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出すると、カメラ13を起動させる。カメラ13は作業者を撮影してその顔画像を生成する。遠隔操作端末12は作業者の顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS108)。
【0025】
保守サービス提供サーバ11の認証部115は認証要求情報を受信する。認証部115は認証要求情報に含まれる顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成する。認証部115は保守管理データベースに作業者IDに紐づいて記録されている複数の作業者の特徴情報と、顔画像に基づいて生成した特徴情報とを順に比較する。認証部115は複数の作業者の特徴情報のうち、顔画像に基づいて生成した特徴情報との一致度が所定の閾値以上であって最も一致度の高い特徴情報を特定する。認証部115はその特徴情報に紐づく作業者IDを特定する。認証部115は特定した作業者IDと、認証要求情報に含まれる作業者IDとが一致するかを判定する。認証部115は作業者IDが一致する場合には認証成功と判定して、認証成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する(ステップS109)。認証部115は認証不成功と判定した場合には認証不成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する。
【0026】
遠隔操作端末12は認証成功を示す認証結果情報を受信すると、操作許可情報に含まれる装置IDの遠隔操作対象装置23に遠隔操作要求を送信する(ステップS110)。遠隔操作要求は中継装置14、中継装置24を介して遠隔操作対象装置23が受信する。これにより遠隔操作対象装置23と遠隔操作端末12とが通信接続する。遠隔操作端末12は遠隔操作対象装置23から当該遠隔操作対象装置23を操作するための操作画面情報を受信する(ステップS111)。遠隔操作端末12は操作画面情報をモニタに出力する。これにより作業者は操作画面情報を用いて遠隔操作対象装置23を遠隔操作することができる。遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23と通信接続して遠隔操作するための処理は公知の技術を用いてよい。作業者は操作画面を用いて遠隔操作対象装置23の遠隔操作を開始する。
【0027】
遠隔操作端末12は遠隔操作の開始を検出する(ステップS112)。遠隔操作端末12は遠隔操作の開始後、カメラ13から所定の間隔で顔画像を取得する。遠隔操作端末12は顔画像を受信する度に、顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS113)。また遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の内容を検出する。遠隔操作端末12は遠隔操作の内容を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS114)。遠隔操作の内容は遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23に送信したコマンドなどの情報であってよい。操作者記録部113は認証要求に含まれる顔画像と、遠隔操作の内容とを、作業者ID、遠隔操作対象装置23の装置ID、時刻、などに紐づけた作業結果情報を保守管理データベース15の作業結果テーブルに記録する(ステップS115)。
【0028】
保守サービス提供サーバ11の認証部115は認証要求を受信する度に、上述の処理と同様に作業者の顔画像に基づく認証処理を行う。認証部115は認証が成功する度に認証成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する(ステップS116)。認証部115は認証が不成功の場合には認証不成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する。
【0029】
遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の間、認証成功を所定の間隔で受信している場合、その遠隔操作の継続を許可する。遠隔操作端末12は遠隔操作を終了するかを判定する(ステップS117)。遠隔操作端末12は認証結果情報が認証不成功を示す場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12は作業者の操作に基づいて遠隔操作終了の情報を取得した場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12が遠隔操作終了と判定しない場合には、ステップS113〜ステップS117の処理が繰り返される。遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作が終了すると、遠隔操作終了を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS118)。遠隔操作終了を受信した場合、保守サービス提供サーバ11の操作履歴記録部114は、ステップS115で記録された作業結果情報を保守管理データベース15から読み取り、保守管理サーバ21へ送信する(ステップS119)。
【0030】
保守管理サーバ21は作業結果情報を受信する。保守管理サーバ21は作業結果情報を保守作業記録サーバ22へ出力する。保守作業記録サーバ22は作業結果情報をデータベース等に記録する(ステップS119)。
【0031】
上述の処理によれば、保守サービス提供サーバ11は、遠隔操作要求情報に含まれる装置IDと異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベル等に基づいて、当該装置IDが示す遠隔操作対象装置23を操作でき、さらに異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに対応する遠隔操作を行うことのできる作業者を保守の遠隔操作を行う作業者として選別する。これにより情報処理装置を運用する運用者は、当該情報処理装置の保守作業を行う作業者の信頼性を適切に把握することができる。
また保守業者で行われた保守作業の作業結果情報を顧客側で記録することができる。この作業結果情報には作業者の顔画像が記録されるため、顧客は保守業者のどの担当者が作業を行ったかを確認することができる。
また作業結果情報には保守作業の遠隔操作の開始から終了までの作業者の顔画像と作業内容とが記録されるため、情報処理装置を運用する運用者は、だれが、どのような操作を自身が運用する情報処理装置に対して行ったかを確認することができる。
【0032】
(第二実施形態)
図5は第二実施形態による情報処理システムの処理フローを示す図である。
次に第二実施形態による情報処理システムの処理フローについて順を追って説明する。
第二実施形態による情報処理システムの処理は第一実施形態による情報処理システムの処理と比較して、顧客ネットワークに接続されている情報処理装置が認証処理を行う点で異なる。
【0033】
まず顧客ネットワーク2に接続されている遠隔操作対象装置23は自装置に異常が発生した場合に保守管理サーバ21へ異常を通知する。保守管理サーバ21は異常の通知を受信する。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の異常内容を検出する(ステップS201)。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDと異常内容とを含む遠隔操作要求情報を、中継装置24を介して保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS202)。遠隔操作要求情報には異常内容の代わりに異常内容に応じた遠隔操作における操作種別情報やスキルレベル、操作レベルが含まれるようにしてもよい。なお保守管理サーバ21は上述のステップS201において、異常内容の検出ではなく予め設定された所定のタイミングにおいて定期メンテンナンス等の保守作業の開始を検出して、その検出の後にステップS202において保守内容を含む遠隔操作要求情報を送信してもよい。
【0034】
複数の遠隔操作対象装置23のうちの異常の発生している装置の検出を保守管理サーバ21が行うようにしてもよい。保守管理サーバ21が異常内容を検出する処理の具体例は省略するが、どのように検出してもよく、公知の技術を用いてよい。一例としては遠隔操作対象装置23が異常内容を検知して保守管理サーバ21へ出力してもよいし、保守管理サーバ21が遠隔操作対象装置23にアクセスしてその遠隔操作対象装置23に対して各種命令を実行させた結果に基づいて異常内容を検出してもよい。
【0035】
保守サービス提供サーバ11は中継装置14を介して遠隔操作要求情報を受信する。保守サービス提供サーバ11の操作者選別部111は遠隔操作要求情報から遠隔操作対象装置の装置IDと、当該遠隔操作要求情報に含まれる異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルのうちの何れか一つまたは複数を取得する。異常内容や保守内容、スキルレベル、操作レベルは操作種別を特定するための情報であるため、操作種別情報の一態様である。
【0036】
操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容、保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに紐づいて保守管理データベース15に記録されている一つまたは複数の作業者IDから一つの作業者IDを選別する(ステップS203)。例えば操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容や保守内容と操作レベルとに紐づいて保守管理データベース15に記録されている作業者IDが複数ある場合には、その中からランダムに一つの作業者IDを選別してよい。操作者選別部111は選別した作業者IDと取得した装置IDと異常内容や保守内容とを含む作業指示情報を操作許可部112へ出力する。
【0037】
保守サービス提供サーバ11の操作許可部112は作業指示情報を取得すると、操作者選別部111から取得した作業指示情報に含まれる作業者IDを取得し、この作業者IDの作業者が利用する遠隔操作端末12を特定する(ステップS204)。例えば、作業者IDと遠隔操作端末12のIDとが、保守管理データベース15に保持される端末テーブルに記録されており、このテーブルに基づいて操作許可部112は作業者IDが利用する遠隔操作端末12のIDを特定すればよい。操作許可部112は遠隔操作端末12のIDに基づいて当該遠隔操作端末12のネットワークアドレスを取得する。操作許可部112は作業者が利用する遠隔操作端末12のネットワークアドレス宛に、作業指示情報を送信する(ステップS205)。
【0038】
遠隔操作端末12は作業指示情報を取得すると認証開始画面をモニタに出力する(ステップS206)。認証開始画面には認証開始ボタンが設けられており、作業者は認証開始ボタンを押下する。遠隔操作端末12は認証開始ボタンの押下に基づく認証開始を検出する(ステップS207)。すると遠隔操作端末12はカメラ13を起動させる。カメラ13は作業者を撮影してその顔画像を生成する。遠隔操作端末12は作業者の顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS208)。保守サービス提供サーバ11の認証部115は認証要求情報を、顧客ネットワーク2の保守管理サーバ21へ送信する(ステップS209)。
【0039】
保守管理サーバ21は認証要求情報を受信する。保守管理サーバ21は認証要求情報に含まれる顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成する。保守管理サーバ21は自サーバで記憶する保守管理データベースに作業者IDに紐づいて記録されている保守業者に在籍する複数の作業者の特徴情報と、顔画像に基づいて生成した特徴情報とを順に比較する。保守管理サーバ21は複数の作業者の特徴情報のうち、顔画像に基づいて生成した特徴情報との一致度が所定の閾値以上であって最も一致度の高い特徴情報を特定する。保守管理サーバ21はその特徴情報に紐づく作業者IDを特定する。保守管理サーバ21は特定した作業者IDと、認証要求情報に含まれる作業者IDとが一致するかを判定する。保守管理サーバ21は作業者IDが一致する場合には認証成功と判定する。保守管理サーバ21は作業者IDが一致しない場合には認証不成功と判定する。
【0040】
保守管理サーバ21は認証成功と判定した場合には、異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDに紐づいて自サーバ内の保守管理データベースに記録されているログインIDとパスワードを取得する。このログインIDとパスワードは装置IDで示される遠隔操作対象装置23にアクセスするためのアクセスキーである。保守管理サーバ21は保守サービス提供サーバ11に、遠隔操作対象装置23の装置IDとログインID、パスワードと、認証成功を示す情報とを含む認証結果情報を送信する(ステップS210)。当該認証結果情報に含まれるパスワードはワンタイムパスワードであってもよい。また認証結果情報にはログインIDやパスワードの代わりとなるアクセスキーが含まれていてもよい。保守管理サーバ21は認証不成功と判定した場合には認証不成功を示す認証結果情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する。
【0041】
保守サービス提供サーバ11の操作許可部112は認証成功を示す認証結果情報を取得すると、遠隔操作端末12に、作業指示情報から得た装置IDと、異常内容や保守内容、作業者IDと、認証結果情報で得たログインID、パスワードとを含む操作許可情報を送信する(ステップS211)。
【0042】
遠隔操作端末12は操作許可情報を受信する。遠隔操作端末12は操作許可情報に基づいて操作開始画面をモニタに出力する(ステップS212)。操作開始画面には遠隔操作対象装置23の装置ID、そのIDに紐づいて保守管理データベース15に記録されている顧客名、装置名、その装置で稼働しているOS名、その装置で動作しているアプリケーション名、ログインID、パスワード、異常内容や保守内容、作業者ID、作業者名などが表示されてよい。操作許可情報は電子メールの文面により遠隔操作端末12に送信されてもよい。この場合操作開始画面に表示される情報が電子メールの文面として表示され遠隔操作端末12のモニタに出力されてよい。
【0043】
作業者は遠隔操作端末12に表示された操作開始画面を確認する。作業者は遠隔操作端末12を操作して操作開始画面に表示されている装置ID、顧客名、装置名で特定される遠隔操作対象装置23のアクセス開始指示を入力する。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出する(ステップS213)。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出すると、操作許可情報に含まれる装置IDの遠隔操作対象装置23に遠隔操作要求を送信する(ステップS214)。遠隔操作要求は中継装置14、中継装置24を介して遠隔操作対象装置23が受信する。これにより遠隔操作対象装置23と遠隔操作端末12とが通信接続する。遠隔操作端末12は遠隔操作対象装置23から当該遠隔操作対象装置23を操作するための操作画面情報を受信する(ステップS215)。遠隔操作端末12は操作画面情報をモニタに出力する。これにより作業者は操作画面情報を用いて遠隔操作対象装置23を遠隔操作することができる。遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23と通信接続して遠隔操作するための処理は公知の技術を用いてよい。作業者は操作画面を用いて遠隔操作対象装置23の遠隔操作を開始する。
【0044】
遠隔操作端末12は遠隔操作の開始を検出する(ステップS216)。遠隔操作端末12は遠隔操作の開始後、カメラ13から所定の間隔で顔画像を取得する。遠隔操作端末12は顔画像を受信する度に、顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS217)。保守サービス提供サーバ11に認証部115は認証要求情報を顧客ネットワーク2の保守管理サーバ21へ送信する(ステップS218)。また遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の内容を検出する。遠隔操作端末12は遠隔操作の内容を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS219)。保守サービス提供サーバ11は遠隔操作の内容を保守管理サーバ21へ送信する(ステップS220)。遠隔操作の内容は遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23に送信したコマンドなどの情報であってよい。保守管理サーバ21は認証要求情報に含まれる顔画像と、遠隔操作の内容とを作業者ID、遠隔操作対象装置23の装置ID、時刻、などに紐づけた作業結果情報を保守管理データベースの作業結果テーブルに記録する(ステップS221)。なお保守サービス提供サーバ11の操作者記録部113も同様に、認証要求情報に含まれる顔画像と、遠隔操作の内容とを、作業者ID、遠隔操作対象装置23の装置ID、時刻、などに紐づけた作業結果情報を保守管理データベース15の作業結果テーブルに記録してよい。
【0045】
保守管理サーバ21は認証要求情報を受信する度に、上述の処理と同様に作業者の顔画像に基づく認証処理を行う。保守管理サーバ21は認証が成功する度に認証成功を示す認証結果情報を、保守サービス提供サーバ11を介して遠隔操作端末12へ送信する(ステップS222、S223)。操作許可部112は認証が不成功の場合には認証不成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する。
【0046】
遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の間、認証成功を所定の間隔で受信している場合、その遠隔操作の継続を許可する。遠隔操作端末12は遠隔操作を終了するかを判定する(ステップS224)。遠隔操作端末12は認証結果情報が認証不成功を示す場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12は作業者の操作に基づいて遠隔操作終了の情報を取得した場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12が遠隔操作終了と判定しない場合には、ステップS217〜ステップS223の処理が繰り返される。遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作が終了すると、遠隔操作終了を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS225)。遠隔操作終了を受信した場合、保守サービス提供サーバ11の制御部110は遠隔操作終了を保守管理サーバ21へ送信する(ステップS226)。
【0047】
上述の処理によれば、保守サービス提供サーバ11は、遠隔操作要求情報に含まれる装置IDと異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベル等に基づいて、当該装置IDが示す遠隔操作対象装置23を操作でき、さらに異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに対応する遠隔操作を行うことのできる作業者を保守の遠隔操作を行う作業者として選別する。これにより情報処理装置を運用する運用者は、当該情報処理装置の保守作業を行う作業者の信頼性を適切に把握することができる。
また保守業者で行われた保守作業の作業結果情報を顧客側と保守業者側で共に記録することができる。この作業結果情報には作業者の顔画像が記録されるため、顧客は保守業者のどの担当者が作業を行ったかを確認することができる。
また作業結果情報には保守作業の遠隔操作の開始から終了までの作業者の顔画像と作業内容とが記録されるため、情報処理装置を運用する運用者は、だれが、どのような操作を自身が運用する情報処理装置に対して行ったかを確認することができる。
【0048】
(第三実施形態)
図6は第三実施形態による情報処理システムの処理フローを示す図である。
次に第三実施形態による情報処理システムの処理フローについて順を追って説明する。
第三実施形態による情報処理システムの処理は第一実施形態による情報処理システムの処理と比較して、遠隔操作対象装置23を遠隔する際に作業者が利用するアクセスキーが顧客ネットワーク2側から保守業者ネットワーク1側へ送信される点で異なる。
【0049】
まず顧客ネットワーク2に接続されている遠隔操作対象装置23は自装置に異常が発生した場合に保守管理サーバ21へ異常を通知する。保守管理サーバ21は異常の通知を受信する。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の異常内容を検出する(ステップS301)。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDと異常内容とを含む遠隔操作要求情報を、中継装置24を介して保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS302)。遠隔操作要求情報には異常内容の代わりに異常内容に応じた遠隔操作における操作種別情報やスキルレベル、操作レベルが含まれるようにしてもよい。なお保守管理サーバ21は上述のステップS301において、異常内容の検出ではなく予め設定された所定のタイミングにおいて定期メンテンナンス等の保守作業の開始を検出して、その検出の後にステップS302において保守内容を含む遠隔操作要求情報を送信してもよい。
【0050】
複数の遠隔操作対象装置23のうちの異常の発生している装置の検出を保守管理サーバ21が行うようにしてもよい。保守管理サーバ21が異常内容を検出する処理の具体例は省略するが、どのように検出してもよく、公知の技術を用いてよい。一例としては遠隔操作対象装置23が異常内容を検知して保守管理サーバ21へ出力してもよいし、保守管理サーバ21が遠隔操作対象装置23にアクセスしてその遠隔操作対象装置23に対して各種命令を実行させた結果に基づいて異常内容を検出してもよい。
【0051】
保守サービス提供サーバ11は中継装置14を介して遠隔操作要求情報を受信する。保守サービス提供サーバ11の操作者選別部111は遠隔操作要求情報から遠隔操作対象装置の装置IDと、当該遠隔操作要求情報に含まれる異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルのうちの何れか一つまたは複数を取得する。異常内容や保守内容、スキルレベル、操作レベルは操作種別を特定するための情報であるため、操作種別情報の一態様である。
【0052】
操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容、保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに紐づいて保守管理データベース15に記録されている一つまたは複数の作業者IDから一つの作業者IDを選別する(ステップS303)。例えば操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容や保守内容と操作レベルとに紐づいて保守管理データベース15に記録されている作業者IDが複数ある場合には、その中からランダムに一つの作業者IDを選別してよい。操作者選別部111は選別した作業者IDと取得した装置IDと異常内容や保守内容とを含む作業指示情報を操作許可部112へ出力する。
【0053】
保守サービス提供サーバ11の操作許可部112は作業指示情報を取得すると、操作者選別部111から取得した作業指示情報に含まれる作業者IDを取得し、この作業者IDの作業者が利用する遠隔操作端末12を特定する(ステップS304)。例えば、作業者IDと遠隔操作端末12のIDとが、保守管理データベース15に保持される端末テーブルに記録されており、このテーブルに基づいて操作許可部112は作業者IDが利用する遠隔操作端末12のIDを特定すればよい。操作許可部112は遠隔操作端末12のIDに基づいて当該遠隔操作端末12のネットワークアドレスを取得する。操作許可部112は作業者が利用する遠隔操作端末12のネットワークアドレス宛に、作業指示情報を送信する(ステップS305)。
【0054】
遠隔操作端末12は作業指示情報を取得すると認証開始画面をモニタに出力する(ステップS306)。認証開始画面には認証開始ボタンが設けられており、作業者は認証開始ボタンを押下する。遠隔操作端末12は認証開始ボタンの押下に基づく認証開始を検出する(ステップS307)。すると遠隔操作端末12はカメラ13を起動させる。カメラ13は作業者を撮影してその顔画像を生成する。遠隔操作端末12は作業者の顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS308)。
【0055】
保守サービス提供サーバ11の認証部115は認証要求情報を受信する。認証部115は認証要求情報に含まれる顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成する。認証部115は保守管理データベースに作業者IDに紐づいて記録されている複数の作業者の特徴情報と、顔画像に基づいて生成した特徴情報とを順に比較する。認証部115は複数の作業者の特徴情報のうち、顔画像に基づいて生成した特徴情報との一致度が所定の閾値以上であって最も一致度の高い特徴情報を特定する。認証部115はその特徴情報に紐づく作業者IDを特定する。認証部115は特定した作業者IDと、認証要求情報に含まれる作業者IDとが一致するかを判定する。認証部115は作業者IDが一致する場合には認証成功と判定して、異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDを含む操作許可要求情報を保守管理サーバ21へ送信する(ステップS309)。
【0056】
保守管理サーバ21は操作許可要求情報を受信した場合には、異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDに紐づいて自サーバ内の保守管理データベースに記録されているログインIDとパスワードを取得する。このログインIDとパスワードは装置IDで示される遠隔操作対象装置23にアクセスするためのアクセスキーである。保守管理サーバ21は保守サービス提供サーバ11に、遠隔操作対象装置23の装置IDとログインID、パスワードと、認証成功を示す情報とを含む操作許可情報を送信する(ステップS310)。当該操作許可情報に含まれるパスワードはワンタイムパスワードであってもよい。また操作許可情報にはログインIDやパスワードの代わりとなるアクセスキーが含まれていてもよい。
【0057】
保守サービス提供サーバ11の認証部115は操作許可情報を受信すると、当該操作許可情報をと認証成功を示す情報を含む認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する(ステップS311)。認証部115は認証不成功と判定した場合には認証不成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する。
【0058】
遠隔操作端末12は認証成功を示す認証結果情報を受信すると認証結果情報に含まれる操作許可情報を取得する。遠隔操作端末12は操作許可情報に基づいて操作開始画面をモニタに出力する(ステップS312)。操作開始画面には遠隔操作対象装置23の装置ID、そのIDに紐づいて保守管理データベース15に記録されている顧客名、装置名、その装置で稼働しているOS名、その装置で動作しているアプリケーション名、ログインID、パスワード、異常内容、保守内容、作業者ID、作業者名などが表示されてよい。操作許可情報は電子メールの文面により遠隔操作端末12に送信されてもよい。この場合操作開始画面に表示される情報が電子メールの文面として表示され遠隔操作端末12のモニタに出力されてよい。
【0059】
作業者は遠隔操作端末12に表示された操作開始画面を確認する。作業者は遠隔操作端末12を操作して操作開始画面に表示されている装置ID、顧客名、装置名で特定される遠隔操作対象装置23のアクセス開始指示を入力する。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出する(ステップS313)。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出すると、操作許可情報に含まれる装置IDの遠隔操作対象装置23に遠隔操作要求を送信する(ステップS314)。遠隔操作要求は中継装置14、中継装置24を介して遠隔操作対象装置23が受信する。これにより遠隔操作対象装置23と遠隔操作端末12とが通信接続する。遠隔操作端末12は遠隔操作対象装置23から当該遠隔操作対象装置23を操作するための操作画面情報を受信する(ステップS315)。遠隔操作端末12は操作画面情報をモニタに出力する。これにより作業者は操作画面情報を用いて遠隔操作対象装置23を遠隔操作することができる。遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23と通信接続して遠隔操作するための処理は公知の技術を用いてよい。作業者は操作画面を用いて遠隔操作対象装置23の遠隔操作を開始する。
【0060】
遠隔操作端末12は遠隔操作の開始を検出する(ステップS316)。遠隔操作端末12は遠隔操作の開始後、カメラ13から所定の間隔で顔画像を取得する。遠隔操作端末12は顔画像を受信する度に、顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS317)。また遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の内容を検出する。遠隔操作端末12は遠隔操作の内容を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS318)。遠隔操作の内容は遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23に送信したコマンドなどの情報であってよい。操作者記録部113は認証要求に含まれる顔画像と、遠隔操作の内容とを、作業者ID、遠隔操作対象装置23の装置ID、時刻、などに紐づけた作業結果情報を保守管理データベース15の作業結果テーブルに記録する(ステップS319)。
【0061】
保守サービス提供サーバ11の認証部115は認証要求を受信する度に、上述の処理と同様に作業者の顔画像に基づく認証処理を行う。認証部115は認証が成功する度に認証成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する(ステップS320)。認証部115は認証が不成功の場合には認証不成功を示す認証結果情報を遠隔操作端末12へ送信する。
【0062】
遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の間、認証成功を所定の間隔で受信している場合、その遠隔操作の継続を許可する。遠隔操作端末12は遠隔操作を終了するかを判定する(ステップS321)。遠隔操作端末12は認証結果情報が認証不成功を示す場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12は作業者の操作に基づいて遠隔操作終了の情報を取得した場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12が遠隔操作終了と判定しない場合には、ステップS317〜ステップS321の処理が繰り返される。遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作が終了すると、遠隔操作終了を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS322)。遠隔操作終了を受信した場合、保守サービス提供サーバ11の操作履歴記録部114は、ステップS319で記録された作業結果情報を保守管理データベース15から読み取り、保守管理サーバ21へ送信する(ステップS323)。
【0063】
保守管理サーバ21は作業結果情報を受信する。保守管理サーバ21は作業結果情報を保守作業記録サーバ22へ出力する。保守作業記録サーバ22は作業結果情報をデータベース等に記録する(ステップS324)。
【0064】
上述の処理によれば、保守サービス提供サーバ11は、遠隔操作要求情報に含まれる装置IDと異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベル等に基づいて、当該装置IDが示す遠隔操作対象装置23を操作でき、さらに異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに対応する遠隔操作を行うことのできる作業者を保守の遠隔操作を行う作業者として選別する。これにより情報処理装置を運用する運用者は、当該情報処理装置の保守作業を行う作業者の信頼性を適切に把握することができる。
また保守業者で行われた保守作業の作業結果情報を顧客側で記録することができる。この作業結果情報には作業者の顔画像が記録されるため、顧客は保守業者のどの担当者が作業を行ったかを確認することができる。
また作業結果情報には保守作業の遠隔操作の開始から終了までの作業者の顔画像と作業内容とが記録されるため、情報処理装置を運用する運用者は、だれが、どのような操作を自身が運用する情報処理装置に対して行ったかを確認することができる。
【0065】
(第四実施形態)
図7は第四実施形態による情報処理システムの処理フローを示す図である。
次に第四実施形態による情報処理システムの処理フローについて順を追って説明する。
第四実施形態による情報処理システムの処理は第三者機関のサーバにおいて遠隔操作を行う作業者の認証処理が行われる点で他の実施形態と異なる。
【0066】
まず顧客ネットワーク2に接続されている遠隔操作対象装置23は自装置に異常が発生した場合に保守管理サーバ21へ異常を通知する。保守管理サーバ21は異常の通知を受信する。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の異常内容を検出する(ステップS401)。保守管理サーバ21は異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDと異常内容とを含む遠隔操作要求情報を、中継装置24を介して保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS402)。遠隔操作要求情報には異常内容の代わりに異常内容に応じた遠隔操作における操作種別情報やスキルレベル、操作レベルが含まれるようにしてもよい。なお保守管理サーバ21は上述のステップS401において、異常内容の検出ではなく予め設定された所定のタイミングにおいて定期メンテンナンス等の保守作業の開始を検出して、その検出の後にステップS402において保守内容を含む遠隔操作要求情報を送信してもよい。
【0067】
保守サービス提供サーバ11は中継装置14を介して遠隔操作要求情報を受信する。保守サービス提供サーバ11の操作者選別部111は遠隔操作要求情報から遠隔操作対象装置の装置IDと、当該遠隔操作要求情報に含まれる異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルのうちの何れか一つまたは複数を取得する。
【0068】
操作者選別部111は遠隔操作要求情報から取得した装置IDと異常内容、保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに紐づいて保守管理データベース15に記録されている一つまたは複数の作業者IDから一つの作業者IDを選別する(ステップS403)。操作者選別部111は選別した作業者IDと取得した装置IDと異常内容や保守内容とを含む作業指示情報を操作許可部112へ出力する。
【0069】
保守サービス提供サーバ11の操作許可部112は作業指示情報を取得すると、操作者選別部111から取得した作業指示情報に含まれる作業者IDを取得し、この作業者IDの作業者が利用する遠隔操作端末12を特定する(ステップS404)。操作許可部112は遠隔操作端末12のIDに基づいて当該遠隔操作端末12のネットワークアドレスを取得する。操作許可部112は作業者が利用する遠隔操作端末12のネットワークアドレス宛に、作業指示情報を送信する(ステップS405)。
【0070】
遠隔操作端末12は作業指示情報を取得すると認証開始画面をモニタに出力する(ステップS406)。認証開始画面には認証開始ボタンが設けられており、作業者は認証開始ボタンを押下する。遠隔操作端末12は認証開始ボタンの押下に基づく認証開始を検出する(ステップS407)。すると遠隔操作端末12はカメラ13を起動させる。カメラ13は作業者を撮影してその顔画像を生成する。遠隔操作端末12は作業者の顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS408)。保守サービス提供サーバ11の認証部115は認証要求情報を、第三者機関が運用する第三者機関サーバ3へ送信する(ステップS409)。
【0071】
第三者機関サーバ3は認証要求情報を受信する。第三者機関サーバ3は認証要求情報に含まれる顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成する。第三者機関サーバ3は自サーバで記憶する保守管理データベースに作業者IDに紐づいて記録されている保守業者に在籍する複数の作業者の特徴情報と、顔画像に基づいて生成した特徴情報とを順に比較する。第三者機関サーバ3は複数の作業者の特徴情報のうち、顔画像に基づいて生成した特徴情報との一致度が所定の閾値以上であって最も一致度の高い特徴情報を特定する。第三者機関サーバ3はその特徴情報に紐づく作業者IDを特定する。第三者機関サーバ3は特定した作業者IDと、認証要求情報に含まれる作業者IDとが一致するかを判定する。第三者機関サーバ3は作業者IDが一致する場合には認証成功と判定する。第三者機関サーバ3は作業者IDが一致しない場合には認証不成功と判定する。
【0072】
第三者機関サーバ3は認証成功と判定した場合には、異常の発生した遠隔操作対象装置23の装置IDに紐づけて自サーバ内の保守管理データベースに記録されているログインIDとパスワードを取得する。このログインIDとパスワードは装置IDで示される遠隔操作対象装置23にアクセスするためのアクセスキーであり、遠隔操作対象装置23を運用する運用者(顧客)から事前に預け受けた情報である。第三者機関サーバ3は保守サービス提供サーバ11に、遠隔操作対象装置23の装置IDとログインID、パスワードと、認証成功を示す情報とを含む認証結果情報を送信する(ステップS410)。当該認証結果情報に含まれるパスワードはワンタイムパスワードであってもよい。また認証結果情報にはログインIDやパスワードの代わりとなるアクセスキーが含まれていてもよい。第三者機関サーバ3は認証不成功と判定した場合には認証不成功を示す認証結果情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する。
【0073】
保守サービス提供サーバ11の操作許可部112は認証成功を示す認証結果情報を取得すると、遠隔操作端末12に、作業指示情報から得た装置IDと、異常内容や保守内容、作業者IDと、認証結果情報で得たログインID、パスワードとを含む操作許可情報を送信する(ステップS411)。
【0074】
遠隔操作端末12は操作許可情報を受信する。遠隔操作端末12は操作許可情報に基づいて操作開始画面をモニタに出力する(ステップS412)。操作開始画面には遠隔操作対象装置23の装置ID、そのIDに紐づいて保守管理データベース15に記録されている顧客名、装置名、その装置で稼働しているOS名、その装置で動作しているアプリケーション名、ログインID、パスワード、異常内容や保守内容、作業者ID、作業者名などが表示されてよい。操作許可情報は電子メールの文面により遠隔操作端末12に送信されてもよい。この場合操作開始画面に表示される情報が電子メールの文面として表示され遠隔操作端末12のモニタに出力されてよい。
【0075】
作業者は遠隔操作端末12に表示された操作開始画面を確認する。作業者は遠隔操作端末12を操作して操作開始画面に表示されている装置ID、顧客名、装置名で特定される遠隔操作対象装置23のアクセス開始指示を入力する。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出する(ステップS413)。遠隔操作端末12はアクセス開始指示を検出すると、操作許可情報に含まれる装置IDの遠隔操作対象装置23に遠隔操作要求を送信する(ステップS414)。遠隔操作要求は中継装置14、中継装置24を介して遠隔操作対象装置23が受信する。これにより遠隔操作対象装置23と遠隔操作端末12とが通信接続する。遠隔操作端末12は遠隔操作対象装置23から当該遠隔操作対象装置23を操作するための操作画面情報を受信する(ステップS415)。遠隔操作端末12は操作画面情報をモニタに出力する。これにより作業者は操作画面情報を用いて遠隔操作対象装置23を遠隔操作することができる。遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23と通信接続して遠隔操作するための処理は公知の技術を用いてよい。作業者は操作画面を用いて遠隔操作対象装置23の遠隔操作を開始する。
【0076】
遠隔操作端末12は遠隔操作の開始を検出する(ステップS416)。遠隔操作端末12は遠隔操作の開始後、カメラ13から所定の間隔で顔画像を取得する。遠隔操作端末12は顔画像を受信する度に、顔画像と作業者IDとを含む認証要求情報を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS417)。保守サービス提供サーバ11に認証部115は認証要求情報を第三者機関サーバ3へ送信する(ステップS418)。また遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の内容を検出する。遠隔操作端末12は遠隔操作の内容を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS419)。保守サービス提供サーバ11は遠隔操作の内容を保守管理サーバ21へ送信する(ステップS420)。遠隔操作の内容は遠隔操作端末12が遠隔操作対象装置23に送信したコマンドなどの情報であってよい。保守管理サーバ21は認証要求情報に含まれる顔画像と、遠隔操作の内容とを作業者ID、遠隔操作対象装置23の装置ID、時刻、などに紐づけた作業結果情報を保守管理データベースの作業結果テーブルに記録する(ステップS421)。なお保守サービス提供サーバ11の操作者記録部113も同様に、認証要求情報に含まれる顔画像と、遠隔操作の内容とを、作業者ID、遠隔操作対象装置23の装置ID、時刻、などに紐づけた作業結果情報を保守管理データベース15の作業結果テーブルに記録してよい。
【0077】
第三者機関サーバ3は認証要求情報を受信する度に、上述の処理と同様に作業者の顔画像に基づく認証処理を行う。第三者機関サーバ3は認証が成功する度に認証成功を示す認証結果情報を、保守サービス提供サーバ11を介して遠隔操作端末12へ送信する(ステップS422、ステップS423)。操作許可部112は認証が不成功の場合には認証不成功を示す認証結果情報を、保守サービス提供サーバ11を介して遠隔操作端末12へ送信する。
【0078】
遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作の間、認証成功を所定の間隔で受信している場合、その遠隔操作の継続を許可する。遠隔操作端末12は遠隔操作を終了するかを判定する(ステップS424)。遠隔操作端末12は認証結果情報が認証不成功を示す場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12は作業者の操作に基づいて遠隔操作終了の情報を取得した場合には遠隔操作終了と判定する。遠隔操作端末12が遠隔操作終了と判定しない場合には、ステップS417〜ステップS4244の処理が繰り返される。遠隔操作端末12は作業者による遠隔操作が終了すると、遠隔操作終了を保守サービス提供サーバ11へ送信する(ステップS425)。遠隔操作終了を受信した場合、保守サービス提供サーバ11の制御部110は遠隔操作終了を保守管理サーバ21へ送信する(ステップS426)。
【0079】
上述の処理において第三者機関サーバ3が最初の認証処理を行った後に、ログインIDやパスワードなどの遠隔操作対象装置23にアクセスするためのアクセスキー情報を第三者機関サーバ3が保守サービス提供サーバ11へ送信している。しかしながら第三者機関サーバ3の認証処理において認証が成功した場合に、認証成功の情報を保守管理サーバ21が受信し、保守管理サーバ21がアクセスキー情報を保守サービス提供サーバ11へ送信するようにしてもよい。または第三者機関サーバ3の認証処理において認証が成功した場合に、認証成功の情報を保守サービス提供サーバ11が受信し、保守サービス提供サーバ11がアクセスキー情報を発行して遠隔操作端末12へ送信するようにしてもよい。
【0080】
上述の処理によれば、保守サービス提供サーバ11は、遠隔操作要求情報に含まれる装置IDと異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベル等に基づいて、当該装置IDが示す遠隔操作対象装置23を操作でき、さらに異常内容や保守内容、操作種別、スキルレベル、操作レベルに対応する遠隔操作を行うことのできる作業者を保守の遠隔操作を行う作業者として選別する。これにより情報処理装置を運用する運用者は、当該情報処理装置の保守作業を行う作業者の信頼性を適切に把握することができる。
また保守業者で行われた保守作業の作業結果情報を顧客側と保守業者側で共に記録することができる。この作業結果情報には作業者の顔画像が記録されるため、顧客は保守業者のどの担当者が作業を行ったかを確認することができる。
また作業結果情報には保守作業の遠隔操作の開始から終了までの作業者の顔画像と作業内容とが記録されるため、情報処理装置を運用する運用者は、だれが、どのような操作を自身が運用する情報処理装置に対して行ったかを確認することができる。
また第三者機関により認証処理が行われるため、遠隔操作を行う作業者の信頼性を向上させることができる。
【0081】
上述の処理においては顔画像の特徴情報を用いて認証処理が行われている。しかしながら顔画像以外の生体情報、例えば虹彩、指紋などの情報を用いて認証処理が行われてもよい。ただし、遠隔操作中の作業者の顔画像はカメラ13で生成されて、遠隔操作の内容を示す情報とともに保守サービス提供サーバ11や保守作業記録サーバ22に記録される。これにより顧客は作業者の顔を確認してだれが遠隔操作を行ったかを容易に認識することができる。
【0082】
図9は保守サービス提供サーバの最小構成を示す図である。
情報処理装置の一態様である保守サービス提供サーバ11は少なくとも操作者選別部111と、操作許可部112とを備えればよい。
操作者選別部111は、遠隔操作対象装置を操作できる操作者を選別する。
操作許可部112は、選別された操作者の遠隔操作対象を遠隔操作する際の顔画像を用いた認証結果に基づいて当該操作者による遠隔操作対象の操作許可を操作者に用いられる操作端末に送信する。
【0083】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0084】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【解決手段】遠隔操作対象を操作できる操作者を選別する。選別された操作者の遠隔操作対象を遠隔操作する際の顔画像を用いた認証結果に基づいて当該操作者による遠隔操作対象の操作許可を操作者に用いられる操作端末に送信する。