特許第6590139号(P6590139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590139
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   G06T1/00 510
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-56458(P2015-56458)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-177476(P2016-177476A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101948
【弁理士】
【氏名又は名称】柳澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】田島 真吾
【審査官】 ▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−048132(JP,A)
【文献】 特開2014−182410(JP,A)
【文献】 特開2014−146163(JP,A)
【文献】 特開2004−030007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 − 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像のうち前記特色で描画される画像領域に対して、前記画像領域外で使用されている色のうち前記画像領域に対して使用される色との色差が予め決められた範囲にある色が存在する場合に、光による視覚効果が得られるように加工を施す加工手段と、前記加工手段で加工された画像領域を含み表示手段に表示させる表示画像を生成する生成手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記加工手段は、画像に対して仮想的に設定された光源と前記画像領域の各画素との距離に従って画素値を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記加工手段は、前記画像領域の大きさ及び画像中の配置をもとに前記光源の位置を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
さらに、利用者からの前記光源の位置の指定を受け付ける受付手段を有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記加工手段は、前記画像領域に対して時間の経過とともに変化させた加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記加工手段は、画像に対して仮想的に設定された光源と前記画像領域の各画素との距離に従って画素値を補正するとともに、前記光源の位置を時間の経過とともに変更することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記加工手段は、前記画像領域中に明度を周囲の画素よりも高めた画素を散在させるとともに、時間の経過とともに該画素を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像を形成する画像形成装置や印刷装置などでは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)といった基本色とともに、特色を用いる場合がある。特色としては様々な色が用いられるが、金、銀、メタリック色などの光沢を有する特色や、蛍光色の特色が用いられる場合がある。また、特許文献1に記載されているように、特色として透明な色材を用いて光沢を現出させようとする試みも行われている。
【0003】
画像を形成する前に、表示装置に画像を表示させて確認する場合がある。上述の光沢を有する特色や蛍光色の特色が使用された画像では、これらの特色の光沢や蛍光が表示装置で再現されないことから、対応する代替色により表示している。例えば金の特色については黄土色で代替し、銀の特色については灰色で代替している。また、透明な特色を用いて光沢を再現する場合も、透明が表示装置で再現されないことから、例えば特許文献2では、透明な特色部分に指定された特定色で着色し、他の色の画像と重ね合わせて表示している。
【0004】
光沢を有する特色がもつ光沢感は、その特色の色材自体の特性によって生じるものであり、特色を代替色で一律に再現した場合、表示された画像には再現されていない。また、蛍光色の特色についても、その特色の色材自体の特性によって蛍光が発せられているものであり、特色を代替色で一律に再現しても、表示された画像には蛍光は再現されない。さらに、透明な特色を用いる場合には、下地の色に光沢が付加されることから、特定色で着色することは、当該領域の本来の色とは異なってしまう。
【0005】
また、画像中に特色の代替色と類似する色が使用されていると、表示された際に利用者が両者を混同する場合がある。例えば、金の特色の領域と黄土色の領域が存在すると、表示画面で金の特色の領域と黄土色の領域とを利用者が混同する場合がある。また、画像中に銀の特色の領域と灰色の領域が存在する場合も、表示画面で銀の特色の領域と灰色の領域とを利用者が混同する場合がある。黄色の蛍光色の場合も、表示画面で蛍光色の特色の領域と黄緑色の領域とを利用者が混同する場合がある。
【0006】
一方、特色を用いるものではないが、特許文献3では、被写体中に光沢のようなハイライト光を含む物体が存在する場合、その物体の領域に対して階調補正を行い、物体の質感を再現しようとする試みもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−251722号公報
【特許文献2】特開2008−145784号公報
【特許文献3】特開2005−010902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像を表示手段に表示させる際に、それらの特色が用いられている画像領域が他の画像領域と区別して利用者に認識される表示画像を得ることができる画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願請求項1に記載の発明は、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像のうち前記特色で描画される画像領域に対して、前記画像領域外で使用されている色のうち前記画像領域に対して使用される色との色差が予め決められた範囲にある色が存在する場合に、光による視覚効果が得られるように加工を施す加工手段と、前記加工手段で加工された画像領域を含み表示手段に表示させる表示画像を生成する生成手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0010】
本願請求項2に記載の発明は、本願請求項1に記載の発明における前記加工手段が、画像に対して仮想的に設定された光源と前記画像領域の各画素との距離に従って画素値を補正することを特徴とする画像処理装置である。
【0011】
本願請求項3に記載の発明は、本願請求項2に記載の発明における前記加工手段が、前記画像領域の大きさ及び画像中の配置をもとに前記光源の位置を設定することを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
本願請求項4に記載の発明は、本願請求項2に記載の発明の構成に、さらに、利用者からの前記光源の位置の指定を受け付ける受付手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
本願請求項5に記載の発明は、本願請求項1に記載の発明における前記加工手段が、前記画像領域に対して時間の経過とともに変化させた加工を行うことを特徴とする画像処理装置である。
【0014】
本願請求項6に記載の発明は、本願請求項5に記載の発明における前記加工手段が、画像に対して仮想的に設定された光源と前記画像領域の各画素との距離に従って画素値を補正するとともに、前記光源の位置を時間の経過とともに変更することを特徴とする画像処理装置である。
【0015】
本願請求項7に記載の発明は、本願請求項5に記載の発明における前記加工手段が、前記画像領域中に明度を周囲の画素よりも高めた画素を散在させるとともに、時間の経過とともに該画素を変更することを特徴とする画像処理装置である。
【0016】
本願請求項8に記載の発明は、コンピュータに、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本願請求項1に記載の発明によれば、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像を表示手段に表示させる際に、特色が用いられた画像領域以外で使用されている色にかかわらず、それらの特色が用いられている画像領域が他の画像領域と区別して利用者に認識される表示画像を得ることができるという効果がある。
【0019】
本願請求項2に記載の発明によれば、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像領域が光源からの光を受けて光っているような視覚効果を与えることができる。
【0020】
本願請求項3に記載の発明によれば、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像領域の大きさや画像中の配置などから、仮想的に設ける光源の位置を設定することができる。
【0021】
本願請求項4に記載の発明によれば、仮想的に設ける光源の位置を、利用者が設定することができる。
【0022】
本願請求項5に記載の発明によれば、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像領域に対して、時間の経過とともに変化する視覚効果を与えることができる。
【0023】
本願請求項6に記載の発明によれば、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像領域が光源からの光を受け、さらにその光源が動いてゆくような視覚効果を与えることができる。
【0024】
本願請求項7に記載の発明によれば、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられた画像領域がきらきらするような視覚効果を与えることができる。
【0025】
本願請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
図2】本発明の実施の一形態を含む画像形成システムの一例を示す構成図である。
図3】本発明の実施の一形態における動作の一例を示す流れ図である。
図4】本発明の実施の一形態における動作の一例を示す具体例の説明図である。
図5】光沢画像領域に対する加工処理の一例を示す流れ図である。
図6】光沢特色の代替色の近似色が使用されているか否かを判定する処理の一例を示す流れ図である。
図7】光源位置の設定処理の一例を示す流れ図である。
図8】光源位置の設定処理の具体例の説明図である。
図9】光源との距離に応じた補正処理の一例の説明図である。
図10】光源との距離に応じた補正処理の別の例の説明図である。
図11】光源との距離に応じた補正処理の別の例における具体例の説明図である。
図12】光沢画像領域に対する加工処理の一例による具体例の説明図である。
図13】光源の位置を変化させた場合の表示画像の一例の説明図である。
図14】時間の経過とともに表示画像を変更する場合の動作の一例を示す流れ図である。
図15】時間の経過とともに表示画像を変化させる場合の表示画像の別の例の説明図である。
図16】本発明の実施の形態で説明した装置の機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の実施の一形態を示す構成図である。図中、1は加工部、2は生成部、3は受付部、4は表示装置である。一般にカラー画像には、基本色、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色あるいはK(ブラック)を加えた4色や、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色が用いられる。この実施の一形態において与えられる画像は、基本色に加えて、光沢あるいは蛍光を現出させる特色が用いられる。例えば、金、銀、メタリック色などの色材自体が光沢を有する特色や、透明であるが光沢を現出させる特色、蛍光色の特色などが用いられる。これらの光沢あるいは蛍光を現出させる特色を、以下の説明では光沢特色と呼ぶことにする。
【0029】
画像としては基本色ごと及び特色ごとの版として与えられていてもよいし、描画命令の集合として与えられ、各描画図形に対する色の指定で特色が指定されていて、描画処理を行いながら実施の一形態で説明する処理を行ってもよいし、あるいは他の形式の画像であってもよい。
【0030】
加工部1は、与えられた光沢特色が用いられた画像中の、光沢特色で描画される領域(以下、光沢画像領域と呼ぶことにする)に対して光による視覚効果が得られるように加工を施す。加工は、光沢画像領域以外で使用されている色のうち、光沢画像領域に対して使用される色との色差が予め決められた範囲にある色が存在する場合に行うようにしてもよい。光沢画像領域の色との色差が予め決められた範囲の色がほかに使用されていない場合には、加工を施さなくても光沢画像領域の色が他の色と区別して識別されるものとし、加工しないように構成してもよい。
【0031】
加工の一例としては、画像に対して仮想的に設定された光源と、加工を施す光沢画像領域の各画素との距離に従って画素値を補正し、例えば光源に近いほど明度を高め、あるいは淡い色に加工し、あたかも光が当たっているかのような視覚効果が得られるように加工するとよい。光源は、画像上の予め設定されている位置に固定しておいてもよいし、加工を施す光沢画像領域の大きさや、光沢画像領域の画像中の配置をもとに、光源の位置を設定してもよい。あるいは、受付部3が利用者から受け付けた光源の位置を使用してもよい。なお、加工に際して利用者からの指示を受け付けなくてもよい場合には、受付部3を設けずに構成してもよい。
【0032】
加工の別の例としては、光沢画像領域に対して時間の経過とともに変化させた加工を行ってもよい。例えば、画像に対して仮想的に設定された光源と光沢画像領域の各画素との距離に従って画素値を補正する上述の加工とともに、光源の位置を時間の経過とともに変更する。光沢画像領域については光源の移動とともに変化する画像が得られることになる。あるいは、光沢画像領域中に明度を周囲の画素よりも高めた画素を散在させるとともに、時間の経過とともに該画素を変更する加工を施してもよい。光沢画像領域に星がまたたくような、光による視覚効果が得られる。
【0033】
もちろん、加工部1で光沢画像領域に対して施す加工は、これらの例に限られるものではなく、光による視覚効果が得られる種々の加工を施してよい。
【0034】
生成部2は、加工部1で加工された光沢画像領域を含み、表示装置4に表示させる表示画像を生成する。例えば、光沢特色以外で形成される画像を生成して光沢画像領域をマスクし、加工部1で加工された画像を合成し、表示画像を生成すればよい。あるいは、マスクせずに、加工部1で加工された光沢画像領域を上書きして表示画像を生成してもよい。表示画像は表示装置4へ出力され、表示される。なお、加工部1で光沢画像領域に対して時間の経過とともに変化させた加工を行っている場合、この生成部2でも時間の経過とともに変化する表示画像を生成して表示装置4に表示させる。この場合、表示装置4には画像が動画表示あるいはアニメーション表示などと呼ばれる、時間の経過とともに変化する画像が表示されることになる。
【0035】
図2は、本発明の実施の一形態を含む画像形成システムの一例を示す構成図である。図中、11は利用者端末、12は通信路、13は画像形成サーバ、14は表示装置、15は通信路、16は画像形成装置、21は通信部、22は画像受付部、23は画像記憶部、24は画像メモリ、25は画像処理部、26は画像送信部、27は通信部、28は表示画像生成部、29は表示制御部、30は指示装置、31は指示受付部、32は制御部である。
【0036】
図2に示す画像形成システムでは、利用者端末11から通信路12を通じて画像の形成を指示すると、画像形成サーバ13がこれを受け取り、指示された画像を生成し、生成した画像を通信路15を通じて画像形成装置16へ送り、送られてきた画像を画像形成装置16で用紙などの媒体上に形成して出力する。画像形成サーバ13は、画像形成装置16で画像を形成する前に表示装置14に画像を表示させ、形成される画像を利用者が確認する機能も有している。
【0037】
画像形成サーバ13は、この例では、通信部21、画像受付部22、画像記憶部23、画像メモリ24、画像処理部25、画像送信部26、通信部27、表示画像生成部28、表示制御部29、指示装置30、指示受付部31、制御部32などを含んで構成されている。
【0038】
通信部21は、通信路12を通じて利用者端末11を含む他の装置と通信を行う。画像受付部22は、利用者端末11からの画像形成の指示を受け付け、指示された形成する画像の情報を利用者端末11あるいは他の装置から取得し、画像メモリ24あるいは画像記憶部23に記憶させる。
【0039】
画像記憶部23には、描画前の画像の情報が蓄積される。描画された画像や描画途中の画像、その他の情報が記憶されていてよい。画像メモリ24は、画像処理部25が描画処理を行う際に用いられ、描画された画像や、描画の際に用いる画像の情報、その他各種の情報が記憶される。
【0040】
画像処理部25は、制御部32の制御に従い、画像の情報から画像形成装置16で形成する画像を生成する。画像の生成の際には、画像受付部22で受け付けた画像形成の指示や、指示装置30から利用者により行われ指示受付部31で受け付けた各種の指示などに従って行われる。生成する画像はビットマップの画像であり、一例としては画像形成装置16で使用する色材の色毎に分版された画像である。ここでは、基本色とともに光沢特色が使用されるものとし、これらの各色の版からなる画像が生成されるものとする。
【0041】
通信部27が通信路15を通じて画像形成装置16と通信を行い、画像処理部25で生成された画像は、画像送信部26から画像形成装置16へと送られて、用紙等の媒体上に画像が形成される。
【0042】
この画像形成サーバ13では、画像形成装置16で画像を形成する前に、表示装置14に画像を表示させて確認する機能を有している。表示画像生成部28は、画像処理部25で生成された画像をもとに、表示装置14に表示させる画像を生成して表示制御部29を通じて表示装置14に送る。これにより、画像形成装置16で形成する画像が表示装置14に表示される。利用者は、表示された画像により、画像形成装置16で形成される画像を確認すればよい。なお、表示装置14は、図1における表示装置4に対応するものである。
【0043】
この表示画像生成部28として、図1に示した本発明の実施の一形態における加工部1及び生成部2を有している。光沢特色により描画される光沢画像領域に対しては、光による視覚効果が得られるように加工を施した画像を生成し、表示装置14に表示させる。光沢画像領域以外で光沢特色の代替色の類似色が使用されていたり、光沢特色として透明な特色を用いたりしていた場合でも、光沢画像領域では光による視覚効果が得られ、光沢画像領域とそれ以外の領域とが区別される。なお、加工の際に利用者からの指示を受ける場合には、図1の受付部3に対応する指示受付部31で、利用者が指示装置30を用いて行った指示を受け付けて、加工の際に使用すればよい。
【0044】
図2に示した例では、画像形成サーバ13と画像形成装置16とを別に示しているが、これらが一体となった装置であってもよい。また、画像読取手段を有する構成や、ファクシミリ機能を有する構成など、種々の変形を行ってもよいことは言うまでもない。
【0045】
図3は、本発明の実施の一形態における動作の一例を示す流れ図である。ここでは、基本色及び光沢特色が使用された画像を表示装置に表示させる動作の一例を示している。なお、基本色をCMYK、光沢特色をSとして示し、表示装置はRGBの画像を受け取るものとしている。例えば図2に示した例では画像処理部25で描画し、画像形成装置16で形成する画像を受け取ればよい。
【0046】
基本色の画像については、S101において色空間変換、例えばCMYK色空間からRGB色空間への変換を行う。変換の際に、表示装置に応じた色補正を行ってもよい。
【0047】
また、光沢特色の画像については、S102においてRGB色空間の代替色への置換を行う。代替色は、光沢特色がそのまま表示装置で再現されないことから、類似した色により表示するものである。例えば金色であれば黄色や黄土色、銀色であれば灰色などが代替色として用いられる。光沢特色が透明の場合には、色空間変換後の基本色の画像において、透明の光沢特色が使用されている位置の画素で用いられている基本色の色を代替色として取得すればよい。
【0048】
S103において、代替色に置換された光沢特色の画像について、光沢特色が使用されている光沢画像領域に対して光による視覚効果が得られるように加工を施す。この具体例については後述する。
【0049】
一方、この動作例ではS104において、S102で代替色に置換された光沢特色の画像を二値化し、S105において、S104で二値化した画像をマスクとして用い、S101で色空間変換した基本色の画像に対してマスク処理を行い、基本色の画像から光沢画像領域を抜く。
【0050】
そしてS106において、S105で基本色の画像から抜いた光沢画像領域に、S103で光による視覚効果が得られように加工された光沢特色の画像を合成して表示画像を生成する。表示画像は表示装置に送られ、表示装置に表示される。
【0051】
図4は、本発明の実施の一形態における動作の一例を示す具体例の説明図である。図4(A)には基本色の画像を、図4(B)には光沢特色の画像を、それぞれ示している。図4(A)に示した基本色の画像は、表示装置が受け取る画像の色空間に変換された画像である。また、図4(B)に示した光沢特色の画像は、光沢特色に対応する代替色に置換された画像である。置換後の色空間は表示装置が受け取る画像の色空間である。
【0052】
図4(B)に示した光沢特色の画像は、光沢特色が使用されている光沢画像領域に対して光による視覚効果が得られるように加工が施される。加工後の画像を図4(C)に示している。
【0053】
一方、図4(B)に示した光沢特色の画像を二値化して、図4(D)に示す二値画像を得る。ここでは、二値を白と黒で示し、黒の領域が光沢特色を使用する光沢画像領域を示している。この二値画像をマスクとして用い、図4(A)に示した基本色の画像に対してマスク処理を行う。ここでは図4(D)に示した二値画像のうち、黒の領域を抜く処理を行う。これにより、図4(E)に示すように光沢画像領域が抜けた画像が得られる。
【0054】
得られた図4(E)に示す画像と、図4(C)に示した加工後の光沢特色の画像とを合成し、図4(F)に示す表示画像を得る。表示画像では、光沢特色が使用される光沢画像領域について、光による視覚効果が得られるように加工が施されており、光沢特色と類似する色が光沢画像領域以外で用いられていても、両者が混同されることはない。例えば図4(A)に示した基本色の画像中に存在する文字の色が、光沢特色の代替色と類似している場合でも、図4(F)に示した表示画像では、光沢画像領域に対して光による視覚効果が得られるように加工が施されており、基本色の文字部分と色が混同されることはない。
【0055】
なお、この動作例ではマスク処理を行ってから合成の処理を行っているが、例えば合成の際に、光沢画像領域を基本色の画像に上書きして合成し、表示画像を生成してもよい。この場合には、図3におけるS104の二値化及びS105のマスクの処理は不要である。図4の例で言えば、図4(A)に示す基本色の画像に、図4(C)に示す加工後の光沢特色の画像の光沢画像領域を上書きすればよい。
【0056】
次に、光沢特色の画像に対して行う加工処理の一例について説明する。ここでは、光沢画像領域にあたかも光源からの光が当たっているかのような視覚効果が得られるように加工する場合について示す。
【0057】
図5は、光沢画像領域に対する加工処理の一例を示す流れ図である。S111において、光沢特色の代替色について、当該代替色や代替色の近似色が、基本色の画像のうち光沢画像領域以外の領域に使用されているか否かを判定する。使用されていなければ、光沢画像領域の代替色が他の色と区別されることから、ここでは加工しないものとして、図5の処理を終了している。もちろん、基本色の画像で使用されている色にかかわらず、光沢画像領域に対して加工を施してもよく、その場合にはS111を設けなくてもよい。
【0058】
S112において、仮想的に設ける光源の位置を設定する。光源の位置は、例えば、加工を施す光沢画像領域の大きさや、光沢画像領域の画像中の配置をもとに設定するとよい。あるいは、利用者から受け付けた指示に従って光源の位置を設定してもよい。光源の位置を 画像上の予め設定されている位置に固定しておいてもよく、その場合にはS112の処理は不要である。
【0059】
S113において、S112で設定された光源の位置と、加工を施す光源画像領域の各画素の位置との距離に応じて画素値を補正する。例えば、光源に近いほど輝度を高め、あるいは淡い色に加工するとよい。このような加工を施すと、設定された光源の位置からあたかも光が当たっているかのような視覚効果が得られる。
【0060】
図6は、光沢特色の代替色の近似色が使用されているか否かを判定する処理の一例を示す流れ図である。この処理は、図5のS111において行われる処理の一例である。S121において、基本色の画像中の1つの画素について、使用されている色を抽出する。そしてS122において、抽出した色と、光沢特色の代替色との色差ΔEを算出する。S123において、基本色の画像中の全画素について処理を行ったか否かを判定し、未処理の画素が残っている場合にはS121へ戻って残りの画素についての処理を繰り返す。
【0061】
基本色の画像中の全画素について色差ΔEを算出したら、S124において、色差ΔEが、予め設定されている閾値以下の画素の数が、予め決められた規定数以上存在するか否かを判定する。色差ΔEが閾値以下の画素の数が、予め決められた規定数以上存在している場合には、S125において、近似色が使用されていると判定する。この場合、図5に示した処理では、光沢画像領域に対して、あたかも光源からの光が当たっているかのような視覚効果が得られるように加工を施す。また、色差ΔEが閾値以下の画素の数が、予め決められた規定数よりも少ない場合には、それらの画素が存在していても光沢画像領域は利用者により識別されるものと判断し、この場合にはS126において、近似色は使用されていないと判定する。この場合、図5に示した処理では、光沢画像領域に対する加工は行われない。
【0062】
図7は、光源位置の設定処理の一例を示す流れ図である。この処理は、図5のS112において行われる処理の一例である。ここでは、光沢画像領域の中央に光源を配置する場合の処理例を示している。S131において、光沢特色の画像に原点を設定し、X,Y軸を設定する。例えば画像の左上に原点を設定すればよい。また、X軸は左右方向、Y軸は上下方向に設定すればよい。
【0063】
S132において、光沢特色の値を有する各画素、すなわち光沢画像領域の各画素について、X軸方向の最大及び最小の値と、Y軸方向の最大及び最小の値を求める。X軸方向の最大の値をXmax 、最小の値をXmin とする。また、Y軸方向の最大の値をYmax 、最小の値をYmin とする。それぞれの求める方法としては、周知の方法を使用すればよく、例えばX軸方向及びY軸方向への射影を生成すれば、それぞれの値が得られる。
【0064】
S133において、S132で求めたX軸方向の最大及び最小の値とY軸方向の最大及び最小の値から、P1(Xmin ,Ymin )、P2(Xmax ,Ymax )、P3(Xmax ,Ymin )、P4(Xmin ,Ymax )の4つの座標値を求める。これらは、光沢画像領域を内包する矩形領域の頂点の座標となる。
【0065】
S134において、P1とP2、P3とP4をそれぞれ直線で結んだ場合の交点の座標を求める。この交点の座標を光源の位置とすればよい。
【0066】
図8は、光源位置の設定処理の具体例の説明図である。図7に示した処理を、具体例を用いて説明する。図8(A)に示す例では、中央部に光沢特色で描かれる円形の図形が存在している。この図形が光沢画像領域となる。例えば左上に原点を設け、X軸方向、Y軸方向に最小値及び最大値を求め、光沢画像領域を含む矩形領域の頂点P1、P2、P3、P4を求める。頂点P1、P2、P3、P4は、図示のように求められる。頂点P1とP2、P3とP4をそれぞれ直線で結び、その交点を求める。この交点の座標を光源の位置とすればよい。図8(A)では、白丸で示した点が光源の位置となる。
【0067】
図8(B)に示した例では、光沢特色で描かれる図形が離れて2つ存在している。図7で説明した処理では、この2つの図形を含む矩形領域の頂点がそれぞれP1、P2、P3、P4となる。頂点P1とP2、P3とP4をそれぞれ直線で結び、その交点の座標を光源の位置とすればよい。白丸で示した点が光源の位置となる。
【0068】
この図8(B)に示した例のように、光沢特色で描かれている図形が複数存在する場合、上述のように共通した光源の位置を設定するほか、図形ごとに光源を設定してもよい。
【0069】
上述の例では光沢画像領域を内包する矩形領域の中心を光源の位置とする例を示したが、もちろん、この例に限らず光源の位置を設定してもよい。例えば得られた光源の位置を右上や左上にずらした位置としてもよい。また、点P1や点P3を光源の位置としてもよい。もちろん、例えば画像の右上や左上、中央など、光沢画像領域の配置にかかわらず、固定した位置に設けてもよい。あるいは、利用者からの指示に従ってもよい。例えば、マウスなどの指示装置を用いて表示画面上の点を指示し、指示された点の位置から光源の位置を設定すればよい。
【0070】
図9は、光源との距離に応じた補正処理の一例の説明図である。この処理は、図5のS113において行われる処理の一例である。ここでは一例として、光源に近いほど輝度を高める補正処理を行う場合について示している。例えば、光源からの距離と輝度とが負の相関関係にあることを利用し、図9(A)に示すような光源からの距離と輝度の関係を用いて光沢特色の画像の各画素値を補正する。図9(A)に示す関係では、光源に近いほど輝度を高くする補正を行い、光源から遠いほど輝度の補正を少なくしている。
【0071】
例えば図9(B)に示した円形の図形が光沢特色で描かれており、その中心に光源の位置が設定されている場合、光源に近いほど輝度を高くする補正を行う。すると、図9(C)に示すように補正される。なお、図示の都合上、輝度の違いは斜線の間隔により示している。
【0072】
具体例として示した、光沢特色で描かれた円形の図形は、光沢特色に対応する代替色に変換され、加工を施さなければ図9(B)に示すように表示装置に表示される。表示装置では代替色で表示されていることから、光沢特色が有する光沢感などは反映されず、平面的な表示がなされる。上述のような加工を施すと、図9(B)では平面的に見える図形が、図9(C)に示すように、あたかも中心に設けられた光源からの光を図形上で反射しているかのような視覚効果が得られる。光沢特色で描かれた円形の図形は、代替色での表示となるものの、視覚効果により光沢特色で形成されることが、利用者により確認されることになる。
【0073】
図10は、光源との距離に応じた補正処理の別の例の説明図である。図9に示した例では、光沢特色を用いて実際に形成した画像から得られる光沢感が、表示された画像で表現されていない場合がある。このような場合、輝度を変更するだけでなく、他の色を代替色とともに用いると表示された画像で光沢感が得られることがある。例えば、金色の光沢特色を用いる場合、代替色として黄土色を用いるが、黄土色だけで輝度を変更しても光沢感を再現しきれない場合がある。このような場合に、黄色を加えることで光沢感を出すとよい。この場合の補正処理の例を図10に示している。
【0074】
図10(A)には、光沢特色の代替色に対して補正する際に用いる関係の一例を示している。図9(A)に示した例に比べて、設定されている光源の位置から予め決められた第1の距離d1までの範囲については最大輝度とするように補正し、従って代替色を使用しない、あるいは代替色の使用量を、補正を行わない領域に比べて減らしている。第1の距離d1よりも距離が長くなるにつれて、輝度の補正量を減らし、代替色の使用量を増やしている。
【0075】
また図10(B)には、光源からの距離と、代替色とともに用いる色の混入率との関係の一例を示している。光源の位置から予め決められた第1の距離d1までは混入率を高めて行き、予め決められた第1の距離d1からは混入率を減らして、予め決められた第2の距離d2で混入率が0となるようにしている。
【0076】
これらにより、光源の位置から第1の距離d1へ向けて、代替色は増やさずに、代替色とともに用いる色を増やして行く。第1の距離d1から第2の距離d2へ向けて、代替色を増やしてゆくとともに、代替色とともに用いる色を減らしてゆき、第2の距離d2で代替色とともに用いる色を0にしている。以後、代替色を増やしてゆく。
【0077】
図11は、光源との距離に応じた補正処理の別の例における具体例の説明図である。図11(A)及び(B)には図9(B)及び(C)に示した例を再掲している。図11(C)には、図10(A)に示した関係を用いて代替色の輝度補正を行った例を示している。また、図11(D)には、図10(B)に示した関係を用いて代替色とともに用いる色を図11(C)に示した例に追加した例を示している。最大輝度とする範囲が図11(B)に示した例よりも広くなっている。なお、ここでは図示の都合上、それぞれの色を斜線で示している。
【0078】
例えば金色の光沢特色を用いる場合、代替色として黄土色を用い、図11(B)に示す画像を生成しても、光沢感を再現しきれない場合がある。このような場合に、黄土色とともに黄色を用い、光源からの光が強いように加工する領域に使用することで光沢感を出している。図11(D)に示す例では、光源から遠ざかるに従い第1の距離d1までは黄色で再現し、さらに光源から遠ざかるに従って黄色から黄土色に変化させている。実際の金色の面に光を照射した場合に生じる、光源からの光による輝きを模擬的に再現させて、光による視覚効果を得ている。
【0079】
代替色とともに使用する色は、代替色とともに予め決めておくとよい。金色の特色では、上述のように黄土色の代替色とともに黄色を用いるとよい。また、銀色の特色では、灰色の代替色とともに、水色がかった灰色を用いるとよい。他の光沢特色についても、予め決めておけばよい。
【0080】
また、どのような関係を用いて輝度の補正や混入率の制御を行うかは、予め決めておけばよく、この例に限らず、使用する特色の特性などを勘案して決めればよい。
【0081】
図12は、光沢画像領域に対する加工処理の一例による具体例の説明図である。図12中、顔のような円形の領域aに光沢特色を用いている。この領域aが光沢画像領域となる。また、この光沢特色の代替色の類似色が、光沢画像領域外の文字の領域bに用いられている。図12(A)には、光沢画像領域に加工を施さない場合を示しており、領域aと領域bの色の違いが利用者には区別されず、よって、光沢特色が使用されていても表示画像からは分からない。
【0082】
光沢特色を用いる光沢画像領域に対して上述の加工を施した場合を図12(B)に示している。ここでは領域aの円の中心に光源を配置したものと仮定して加工した例を示している。加工は、図10で説明した、代替色とは異なる色を代替色とともに用いた場合を示している。ここでは図示の都合上、斜線の間隔を変更して明るさの違いを示している。このような加工を行うと、光沢画像領域では、光源に近いほど強く光が照射され、光沢特色により反射されているかのような視覚効果が得られている。一方、領域bについては光沢特色を使用しておらず、従って加工は施されずに一律な色再現となる。従って、領域aと領域bとが利用者により区別されることになる。
【0083】
上述の光沢画像領域に対する加工の例では、1枚の表示画像を生成する例であったが、表示装置に表示させる表示画像を、時間の経過とともに変化させてもよい。いわゆる動画やアニメーションによる表示としてもよい。
【0084】
その一例として、上述の光源からの距離に応じた補正処理を行う例で、光源の位置を時間の経過とともに変化させるとよい。図13は、光源の位置を変化させた場合の表示画像の一例の説明図である。図13(A)には、ある時点での表示画像の例を示している。この時点では光源はaの位置に設定されているものとして、円形の光沢画像領域に対して加工を施している。
【0085】
図13(A)に示した光源の位置aから、時間の経過とともに光源の位置を変化させて行き、例えば位置bに光源の位置が設定された状態の表示画像の例を図13(B)に示している。表示装置に表示されている画像を参照している利用者には、時間の経過とともに光沢画像領域が変化してゆくことが視認され、変化しない光沢画像領域以外との区別がなされることになる。
【0086】
時間の経過とともに、どのように光源を移動するかは、予め決められた方法により行えばよい。例えば図13に示した例では、ある点を中心にして、時計方向に回転移動させるものとして図示している。もちろん、この例に限られるものでないことは言うまでもない。また、表示画像を変更する時間間隔についても、予め設定しておけばよい。
【0087】
また、光源の移動を、利用者の指示に従って行ってもよい。例えばマウスなどの位置指示装置を用い、指示された画像上の位置の変化に従って表示画像を生成し、表示装置に表示させてもよい。例えば図13(A)の点aを位置指示装置で指示している状態から、図13(B)の点bに位置指示装置を移動させると、その移動に従って、図13(A)に示した表示画像から図13(B)に示した表示画像へ変化させるとよい。この場合、利用者の操作に従って変化する表示画像を参照すれば、変化する光沢画像領域と変化しないその他の領域とが区別されることになる。
【0088】
図14は、時間の経過とともに表示画像を変更する場合の動作の一例を示す流れ図である。上述した、利用者からの指示を受けずに時間の経過とともに表示画像を変更する場合を自動モード、利用者の操作に従って表示画像を変更する場合を手動モードとして、表示画像を変化させる場合の処理例を図14に示している。
【0089】
S141において、設定されているモードを判定する。モードは、利用者が受付部3などに対して設定の指示を行えばよい。予め設定しておいてもよいし、表示画像を参照している途中でも設定を受け付けるようにしてもよい。
【0090】
設定されているモードが自動モードである場合には、S142において、予め決められた時間が経過したか否かを判定する。経過していなければS141へ戻る。予め決められた時間が経過した場合には、S143において、光源の位置を変更する。変更方法は、予め決めておけばよい。S146において、S143で設定した光源の位置をもとに光沢画像領域に対して加工を施して表示画像を生成し、表示手段に表示されている表示画像を更新する。
【0091】
一方、設定されているモードが手動モードである場合には、S144において、利用者により指示されている位置が移動したか否かを判定する。移動していなければ表示画像の更新は不要であり、S141へ戻る。指示されている位置が移動した場合には、S145において、指示されている位置を光源の位置として設定する。そしてS146において、S145で設定した光源の位置をもとに光沢画像領域に対して加工を施して表示画像を生成し、表示手段に表示されている表示画像を更新する。
【0092】
いずれの場合も、S147において表示画像の表示を終了するか否かを判定し、終了しない場合にはS141へ戻る。表示の終了とともに、この処理を終了する。この動作例では、自動モードと手動モードを切り換えて用いる場合の例を示したが、もちろん、いずれか一方で構成されていてもよい。また、動きを伴わないモードを含め、他のモードを有していてもよい。
【0093】
図15は、時間の経過とともに表示画像を変化させる場合の表示画像の別の例の説明図である。上述の各例では、仮想的に設定された光源の位置からの距離に応じて光沢画像領域の加工を行う例を示し、さらに光源の位置を変化させて表示画像を変化させる例を示した。しかし、これらの例に限らず、光による視覚効果が得られる加工であればよい。
【0094】
例えば図15(A)、(B)に示す例では、光沢画像領域に、当該領域の輝度よりも高い輝度の点を複数配置する。そして、この点の配置を時間の経過とともに変更する。例えば図15(A)に示した表示画像と図15(B)に示した表示画像とを、時間の経過とともに交互に表示する。あるいは、点の配置をランダムに変更してもよい。
【0095】
図15(C)、(D)に示す例では、図15(A)、(B)に示す例で光沢画像領域に配置した点の代わりに、光っているような図形を配置した例を示している。この例の場合も、時間の経過とともに例えば図15(C)に示した表示画像と図15(D)に示した表示画像とを交互に表示し、あるいは、図形の配置をランダムに変更して表示すればよい。
【0096】
この図15に示した例では、例えばクリスマスツリーなどで用いられる電飾の点滅をイメージして、表示画像を生成して表示している。これにより、光沢画像領域については、光沢特色が光を反射して光っているような視覚効果が得られ、利用者が他の領域と区別して認識することになる。
【0097】
これまで、光っているような視覚効果が得られるいくつかの例を示した。もちろん、これらの例に限られるものではなく、他の領域と区別されるように、光による視覚効果が得られる種々の加工を光沢画像領域に対して施せばよい。
【0098】
図16は、本発明の実施の形態で説明した装置の機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。図中、41はプログラム、42はコンピュータ、51は光磁気ディスク、52は光ディスク、53は磁気ディスク、54はメモリ、61はCPU、62は内部メモリ、63は読取部、64はハードディスク、65はインタフェース、66は通信部である。
【0099】
上述の本発明の実施の形態で説明した構成の機能の全部あるいは部分的に、コンピュータが実行するプログラム41によって実現してもよい。その場合、そのプログラム41およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータによって読み取られる記憶媒体に記憶させておけばよい。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取部63に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取部63にプログラムの記述内容を伝達するものである。例えば、光磁気ディスク51、光ディスク52(CDやDVDなどを含む)、磁気ディスク53、メモリ54(ICカード、メモリカード、フラッシュメモリなどを含む)等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
【0100】
これらの記憶媒体にプログラム41を格納しておき、例えばコンピュータ42の読取部63あるいはインタフェース65にこれらの記憶媒体を装着して、コンピュータからプログラム41を読み出し、内部メモリ62またはハードディスク64(磁気ディスクやシリコンディスクなどを含む)に記憶し、CPU61によってプログラム41を実行し、上述の本発明の実施の形態で説明した構成の機能が全部又は部分的に実現される。あるいは、通信路を介してプログラム41をコンピュータ42に転送し、コンピュータ42では通信部66でプログラム41を受信して内部メモリ62またはハードディスク64に記憶し、CPU61によってプログラム41を実行して実現してもよい。
【0101】
コンピュータ42には、このほかインタフェース65を介して様々な装置を接続してもよい。ここでは、表示装置4、及び、受付部3に対して利用者が指示を行う指示装置を図示している。また、例えば図2に示した画像形成サーバ13として示した各部とともに構成されてもよいし、さらに、画像形成装置16の構成を含めた一体の画像形成装置として構成されていてもよい。この他にも種々の装置がインタフェース65を介して接続されていてもよい。
【0102】
なお、各構成が1台のコンピュータにおいて動作する必要はなく、複数のコンピュータが協働して処理が実行されるように構成してもよい。また、用途に応じて、その用途におけるプログラムと一体として構成してもよい。さらに、部分的にハードウェアによって構成してもよいし、あるいは、すべてをハードウェアで構成してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…加工部、2…生成部、3…受付部、4…表示装置、11…利用者端末、12…通信路、13…画像形成サーバ、14…表示装置、15…通信路、16…画像形成装置、21…通信部、22…画像受付部、23…画像記憶部、24…画像メモリ、25…画像処理部、26…画像送信部、27…通信部、28…表示画像生成部、29…表示制御部、30…指示装置、31…指示受付部、32…制御部、41…プログラム、42…コンピュータ、51…光磁気ディスク、52…光ディスク、53…磁気ディスク、54…メモリ、61…CPU、62…内部メモリ、63…読取部、64…ハードディスク、65…インタフェース、66…通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16