特許第6590166号(P6590166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590166
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】鼻腔挿入型マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20191007BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   A41D13/11 Z
   A62B18/02 C
   A41D13/11 M
   A41D13/11 A
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-558414(P2017-558414)
(86)(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公表番号】特表2018-517857(P2018-517857A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】KR2015013369
(87)【国際公開番号】WO2017003050
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年11月10日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0093857
(32)【優先日】2015年7月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517383124
【氏名又は名称】エアラボ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヒョ−グァン
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−531570(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/045251(WO,A1)
【文献】 特開平10−216254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/11
A62B18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻中に挿入されて、呼吸の際に吸入される外気をろ過する鼻腔挿入型マスクにおいて、
鼻腔に深く挿入され得るように、上部方向に直径が次第に狭くなる円錘形で形成され、
空気の円滑な通過のために、上部、下部、側面が開放された形態からなる本体(100)と、
前記本体(100)の外面から脱着可能に備えられるものであって、外気に含まれた異物をろ過させるフィルタ(200)と、
前記本体(100)の外面を囲んで配置されたフィルタ(200)が本体(100)から離脱されないように、フィルタ(200)の一部分を本体(100)に密着固定させるものであって、内壁部(320)と外壁部(330)とを含む二重壁構成を提供し、外壁部(330)が内壁部(320)より高さが高く形成されることにより、鼻腔内壁の鼻水がフィルタ(200)に触れることを防止し、鼻腔内壁に沿って流れる鼻水を収容できる鼻水収容部(340)を含んでなる固定チューブ(300)と、
を備えて構成されたことを特徴とする鼻腔挿入型マスク。
【請求項2】
前記本体(100)は、
下部に位置し、内側は、空気の円滑な通過のための空気通過孔(112)が垂直に貫通された円筒状からなり、外側は、固定チューブ(300)を嵌合できるように、周りに嵌合溝部(111)が形成された支持下部(110)と、
前記支持下部(110)から上部方向に所定距離離間した位置に形成されるものであって、中央が貫通されたリング状からなる支持上部(120)と、
前記支持下部(110)と支持上部(120)との間を連結し、各構成を支持する少なくとも1つ以上の連結バー(130)と、
を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻腔挿入型マスク。
【請求項3】
前記本体(100)の支持上部(120)は、支持下部(110)より直径が小さく形成されることを特徴とする請求項2に記載の鼻腔挿入型マスク。
【請求項4】
鼻中に挿入されて、呼吸の際に吸入される外気をろ過する鼻腔挿入型マスクにおいて、
鼻腔に深く挿入され得るように、上部方向に直径が次第に狭くなる円錘形で形成され、空気の円滑な通過のために、上部、下部、側面が開放された形態からなる本体(100)と、
前記本体(100)の外面から脱着可能に備えられて、外気に含まれた異物をろ過させるものであって、綿糸と韓紙糸とが混合されてなるフィルタ(200)と、
前記本体(100)の外面を囲んで配置されたフィルタ(200)が本体(100)から離脱されないように、フィルタ(200)の一部分を本体(100)に密着固定させるものであって、内壁部(320)と外壁部(330)とを含む二重壁構成と、鼻腔内壁に沿って流れる鼻水を収容できる鼻水収容部(340)とを含んでなる固定チューブ(300)と、
を備えて構成され、
前記フィルタは、楮を主原料として製造された韓紙と天然木綿とを各々7:3の重量割合で混合して韓紙を主成分とする第1の繊維を形成し、天然木綿から製造された天然綿糸を抗菌水に浸漬させた後、乾燥過程を介してなされる第2の繊維を形成した後、前記第1の繊維と第2の繊維とを製織加工してフィルタ(200)を形成するものであって、製織加工された第1の繊維と第2の繊維とは5:5の重量比で形成されており、
前記抗菌水は、紫竹塩を水に希釈した紫竹塩水と、フィトンチッド原液のうち、いずれか1つを適用するか、紫竹塩をフィトンチッド原液に希釈したものが適用されることを特徴とする鼻腔挿入型マスク。
【請求項5】
前記固定チューブ(300)は、
中央部が垂直に貫通されて本体(100)に嵌合され得るようにした嵌合通孔(310)と、本体(100)外部に挟まれたフィルタ(200)を本体(100)に密着固定させるための内壁部(320)と、鼻腔内の皮膚に密着固定されることで離脱を防止するように構成された外壁部(330)と、内壁部(320)と外壁部(330)との間で離間した空間を形成し、下部は、遮断された「U」字型断面の空間部を形成した鼻水収容部(340)と、
を備えて構成されたことを特徴とする請求項4に記載の鼻腔挿入型マスク。
【請求項6】
前記内壁部(320)において嵌合通孔(310)に向けた内側面は、本体(100)の嵌合溝部(111)の形状に対応するように曲面形からなる嵌合突出部(321)が嵌合通孔(310)の方向に突出形成されたことを特徴とする請求項5に記載の鼻腔挿入型マスク。
【請求項7】
鼻中に挿入されて、呼吸の際に吸入される外気をろ過する鼻腔挿入型マスクにおいて、
鼻腔に深く挿入され得るように、上部方向に直径が次第に狭くなる円錘形で形成され、空気の円滑な通過のために、上部、下部、側面が開放された形態からなる本体(100)と、
前記本体(100)の外面から脱着可能に備えられるものであって、外気に含まれた異物をろ過させるフィルタ(200)と、
前記本体(100)の外面を囲んで配置されたフィルタ(200)が本体(100)から離脱されないように、フィルタ(200)の一部分を本体(100)に密着固定させるものであって、内壁部(320)と外壁部(330)とを含む二重壁構成を提供し、外壁部(330)が内壁部(320)より高さが高く形成されることによって鼻腔内壁の鼻水がフィルタ(200)に触れることを防止し、鼻腔内壁に沿って流れる鼻水を収容できる鼻水収容部(340)を含んでなる固定チューブ(300)と、
を備え、
前記本体(100)と固定チューブ(300)とのうち、少なくとも1つ以上は、シリコンと機能性組成物との混合物からなるものであって、前記本体(100)と固定チューブ(300)とのうち、少なくとも1つ以上は、シリコンが93〜96重量%、硬化剤が1〜3重量%、機能性組成物が2〜5重量%を含んでなり、機能性組成物の粒度サイズは200〜1000mesh範囲に微細に粉砕された形態が適用され
前記機能性組成物は、銀(Ag)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭、磁石のうち、少なくとも1つ以上が含まれてなることを特徴とする鼻腔挿入型マスク。
【請求項8】
前記菌水は、紫竹塩とフィトンチッド原液の混合物が使用されるものであって、その割合は、全体混合物100重量%に対して、紫竹塩が40〜60重量%と、フィトンチッド原液が40〜60重量%を混合して紫竹塩を溶解させた混合物が適用されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の鼻腔挿入型マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻腔挿入型マスクに関し、より詳細には、鼻中に挿入し、呼吸の際に鼻に吸入される外気に含まれた各種微細なほこりをろ過し、抗菌効果及び遠赤外線放出効果を提供して、呼吸器官の健康を増進させることができる鼻腔挿入型マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、花粉、黄砂、細菌など、人体に有害なほこりが口や鼻を介して流入することを防止するように、種々の形態と構造を有したマスクを使用している。
【0003】
最近は、中国の砂漠などから吹く強い黄砂が子供やお年寄り、そして室外で活動する多くの人々に呼吸器障害を起こしており、重金属を多量含有した強い黄砂は、人々の室外活動を制限するため、室外で行われる経済活動などに大きく悪影響を与えている。
【0004】
このように、公害が酷い都心や強い黄砂がある環境に置かれている人、例えば、都心で長時間を運転する人、室外で活動する人、農薬散布作業をする人などの場合には、ほこりや塗料粉塵、農薬、自動車排出ガス、黄砂、大気中の重金属などに容易に露出するので、そういう有害物質等が体の中に入ることを防止するために、所定のマスクを着用する。
【0005】
しかしながら、一般的に使用する従来のマスクは、鼻と口とを共に覆う形態で提供されるものであって、外観を無視した形態とサイズで製作されたマスクは、着用の際、周囲の人から耳目が集中され、着用を忌避する現象があり、マスク締付け手段としてヘアバンドやイヤリング式の紐や絆創膏などを用いたので、着用上、不便さがあったし、口を覆うので、マスクを着用した状態で話による意志伝達が難しいという問題などがあった。
【0006】
また、このような従来のマスクを着用するようになると、鼻の両側の凹んだ部分が浮き立つようになるので、その隙間を介してほこりや異物及び病菌が浸透する恐れが高かったので、完壁な対処方案になり得なかった。
【0007】
このような問題を解決するための技術の一例が下記の特許文献1に開示されている。
【0008】
下記の特許文献1には、携帯が簡便かつ迅速に鼻に挿入することができ、鼻孔に挿入されて楽な呼吸が可能でありつつ、ウイルスと微細ほこりを除去できる鼻腔マスクを提供するものであって、これは、十分な通気性を与えて一次的に外部の有害空気をろ過する第1のフィルタ部と、前記第1のフィルタ部でろ過された空気に含まれた微細ほこり及び有機物を吸着させるとともに、ウイルスの除去及び殺菌のための充填物を含むろ過部と、前記ろ過部を通過した空気の有害性分を最終的にろ過して鼻内部に排出する第2のフィルタ部とを備えることを特徴とする鼻孔に挿入される鼻腔マスクについて開示されている。
【0009】
しかし、上述したような従来の技術は、マスクの形態が一字である円筒形カプセル形態からなり、鼻から容易に離脱されるという問題があり、複数のフィルタ部及びろ過部はいずれもフィルタからなり、これらが順次連結されることによって所定時間の間使用した後には交替し難く、一度使用した後に捨てられるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第1132000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、鼻中に挿入し、呼吸の際に鼻に吸入される外気に含まれた各種微細ほこりをろ過し、鼻腔内抗菌効果を増進させて呼吸器疾患を予防する一方、マスクが鼻腔内から容易に離脱されないように構成され、ハウジングに嵌合された異物ろ過フィルタだけを交替可能であって、ろ過性能を維持及び経済的使用が可能なように構成された鼻腔挿入型マスクを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明に係る挿入型マスクは、鼻腔に深く挿入され得るように、上部方向に直径が次第に狭くなる円錘形で形成され、空気の円滑な通過のために、上部、下部、側面が開放された形態からなる本体と、前記本体の外面から脱着可能に備えられるものであって、外気に含まれた異物をろ過させるフィルタと、前記本体の外面を囲んで配置されたフィルタが本体から離脱されないように、フィルタの一部分を本体に密着固定させるものであって、内壁部と外壁部とを含む二重壁構成と、鼻腔内壁に沿って流れる鼻水を収容できる鼻水収容部とを含んでなる固定チューブとを備えて構成されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記本体は、内側は、空気の円滑な通過のための空気通過孔が垂直に貫通された円筒状からなり、外側は、固定チューブを嵌合できるように、周りに嵌合溝部が形成された支持下部と、前記支持下部から上部方向に所定距離離間した位置に形成されるものであって、中央が貫通されたリング状からなる支持上部と、前記支持下部と支持上部との間を連結し、各構成を支持する少なくとも1つ以上の連結バーとを備えて構成されたことを特徴とする。また、前記本体の支持上部は、支持下部より直径が小さく形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記フィルタは、綿糸と韓紙糸(Korean paper yarn)との混合からなることを特徴とする。
【0015】
また、前記フィルタは、楮を主原料として製造された韓紙と天然木綿が各々7:3の重量割合で混合されて韓紙を主成分とする第1の繊維を形成し、天然木綿から製造された天然繊維に該当する綿糸を抗菌水に浸漬させた後、乾燥過程を介してなされる第2の繊維を形成した後、前記第1の繊維と第2の繊維とを製織加工してフィルタを形成するものであって、製織加工において第1の繊維と第2の繊維とは5:5の重量比で形成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記固定チューブは、中央部が垂直に貫通されて本体に嵌合され得るようにした嵌合通孔と、本体外部に挟まれたフィルタを本体に密着固定させるための内壁部と、鼻腔内の皮膚に密着固定されることで離脱を防止するように構成された外壁部と、内壁部と外壁部との間で離間した空間を形成し、下部は、遮断された「U」字形断面の空間部を形成した鼻水収容部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0017】
また、前記外壁部は、前記内壁部より高さが高く形成されて、鼻腔内壁の鼻水がフィルタに触れることを防止した構成であることを特徴とする。
【0018】
また、前記内壁部において嵌合通孔に向けた内側面は、本体の嵌合溝部形状に対応するように曲面形からなる嵌合突出部が嵌合通孔方向に突出形成されたことを特徴とする。
【0019】
また、前記本体と固定チューブとのうち、少なくとも1つ以上は、シリコンと機能性組成物との混合物からなることを特徴とする。
【0020】
また、前記本体と固定チューブとのうち、少なくとも1つ以上は、シリコンが93〜96重量%、硬化剤が1〜3重量%、機能性組成物が2〜5重量%を含んでなり、機能性組成物の粒度サイズは200〜1000mesh範囲に微細に粉砕された形態が適用されることを特徴とする。
【0021】
また、前記機能性組成物は、銀(Ag)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭磁石のうち、少なくとも1つ以上が含まれてなることを特徴
とする。
【0022】
また、前記菌水は、紫竹塩を水に希釈した紫竹塩水と、フィトンチッド原液のうち、いずれか1つを適用するか、紫竹塩をフィトンチッド原液に希釈したものが適用されることを特徴とする。
【0023】
また、菌水は、全体混合物100重量%に対して、紫竹塩が40〜60重量%と、フィトンチッド原液が40〜60重量%を混合して紫竹塩を溶解させた混合物が適用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明に係る鼻腔挿入型マスクは、鼻に吸入される外気に含まれた各種細菌及び微細ほこりを浄化することによって呼吸器疾患を予防する一方、マスクが鼻から容易に離脱されないようにして着用性能を向上させるという効果がある。
【0025】
また、本発明に係る鼻腔挿入型マスクは、フィルタ機能が失われた場合、ユーザが容易にろ過フィルタを交替可能なように構成されて、本体及び固定チューブの再使用が可能であり、ろ過フィルタをユーザの望む時点で容易に交替使用することによって空気ろ過機能を着実に維持できるという効果もある。
【0026】
また、本体と固定チューブには、各種機能性組成物が含まれて、菌効果を介しての細菌増殖を防止し、遠赤外線放出を介しての細胞活性効果から血液循環を促進して呼吸器官の健康を守るという効果もある。
【0027】
また、天然繊維である綿糸と韓紙糸とを素材としたフィルタにより鼻腔内部の生理作用(例:温度、湿度、ろ過等)を調節するので、特に、冬季に吸入される空気に対する保温効果を有し、湿気を調節して呼吸機関の健康を増進させるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクを示した全体構成斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクに対する全体構成組立断面図であ る。
図3】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクの各構成を示した分離図である。
図4】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクの各構成を示した分離断面図であ る。
図5】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクの本体を示した斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクの固定チューブを示した斜視図で ある。
図7】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクにおいて空気の流れを示した使用 状態図である。
図8】本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクを着用した状態を示した使用状態 図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る鼻腔挿入型マスクは、鼻腔に深く挿入され得るように、上部方向に直径が次第に狭くなる円錘形で形成され、空気の円滑な通過のために、上部、下部、側面が開放された形態からなる本体と、前記本体の外面から脱着可能に備えられるものであって、外気に含まれた異物をろ過させるフィルタと、前記本体の外面を囲んで配置されたフィルタが本体から離脱されないようにフィルタの一部分を本体に密着固定させるものであって、内壁部と外壁部とを含む二重壁構成と、鼻腔内壁に沿って流れる鼻水を収容できる鼻水収容部とを含んでなる固定チューブとを備えることを特徴とする。
【0030】
前記フィルタは、綿糸と韓紙糸との混合からなることを特徴とする。
【0031】
前記本体と固定チューブのうち、少なくとも1つ以上は、シリコンと機能性組成物の混合物からなり、前記機能性組成物は、銀(Ag)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭磁石のうち、少なくとも1つ以上が含まれてなることを特徴とする。
【0032】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付された図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0033】
図1図6は、本発明の実施形態に係る鼻腔挿入型マスクを示したものであって、図1及び図2は、鼻腔挿入型マスクの全体組立構成を示したものであり、図3及び図4は、鼻腔挿入型マスクの分離された構成を示したものであり、図5は、鼻腔挿入型マスクにおいて本体の形状を示したものであり、図6は、鼻腔挿入型マスクにおいて固定チューブの形状を示したものである。
【0034】
図1図6に示されたように、本発明に係る鼻腔挿入型マスクは、鼻中に挿入されて、呼吸の際に吸入される外気をろ過するものであって、本体100、フィルタ200、固定チューブ300を備えて構成する。
【0035】
本体100は、鼻腔内に挿入されたフィルタ200の形態を維持し、固定チューブ300を固定するための目的を有するものであって、上端、下端、側面が共に開放された形態からなり、空気通過効率を向上させた構成的特徴を有し、大きくは、支持下部110と、支持上部120と、連結バー130とを備えて構成される。
【0036】
上記において支持下部110は、本体100の下部に位置するものであって、内側は、空気の円滑な通過のための空気通過孔112が垂直に貫通された円筒状からなり、外側は、固定チューブ300を嵌合できるように周りに嵌合溝部111が形成される。
【0037】
上記において支持上部120は、本体100の上部に位置するものであって、空気の円滑な通過のために、中央が貫通されたリング状からなり、前記支持下部110から上部方向に所定距離離間した位置に形成されるが、これは、側方向にも空気の円滑な通過がなされ得るようにするためである。
【0038】
上記において連結バー130は、支持下部110と支持上部120との間を連結して各構成を支持するものであって、少なくとも1つ以上の連結バー130が適用され得るし、支持下部110と支持上部120とに連結される各端部には、耐久性向上のための補強部がさらに形成されることが好ましい。
【0039】
また、前記支持上部120は、支持下部110より直径が小さく形成されるものであって、本体100の全体的な形状は、上部に向けて直径が次第に小さくなる円錘状を有するものであり、これは、鼻腔に深く挿入され得るようにしたものであり、鼻腔の内部構造を考慮して鼻腔マスクが挿入されたときの着用感向上のための形状でありつつ、鼻腔内部に挿入された鼻腔マスクを取り出す過程も容易なように構成されたものである。
【0040】
上記のような形状からなる本体100は、合成樹脂からなり、鼻腔内の着用感を考慮してシリコン素材で形成されることが好ましい。
【0041】
また、前記本体100には、抗菌効果を向上させ、遠赤外線及び陰イオン放出効果から血液循環促進効果がある機能性組成物が含まれるが、このような機能性組成物は、銀(Ag)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭磁石のうち、少なくとも1つ以上が含まれ得る。上記において、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭は、遠赤外線放出による血液循環及び細胞活性促進と、菌機能の他に、脱臭及び湿度調節効果があるものと知られている。
【0042】
上記において磁石は、血液循環促進機能の他に、各種産業現場で空気中に浮かんでいる微細金属粉塵を磁力によって一部吸着させることもできる。
【0043】
前記本体100を構成するそれぞれの組成比は、全体100重量%に対して、シリコンが93〜96重量%、硬化剤が1〜3重量%、機能性組成物が2〜5重量%を含んでなり、機能性組成物の粒度サイズは、200〜1000mesh範囲に微細に粉砕された形態が適用されることが好ましい。
【0044】
このとき、シリコンが93重量%未満に含有されるか、機能性組成物が5重量%を超過して含有されれば、成形された本体100の弾性力が低下して着用感が良くなく、機能性組成物との嵌合力が低下して製品にクラックが発生したり、製品成形性が良くないという問題がある。
【0045】
それに対し、シリコンが96重量%を超過して含有されれば、相対的に機能性組成物の含量が少なくなるが、シリコンが96重量%を超過したり、機能性組成物が2重量%未満に含有されれば、機能性組成物による菌及び遠赤外線放出効果などが低下して良くない。
【0046】
また、機能性組成物の粒度サイズが200mesh未満であれば、粒子が太くて着用感が悪くなり、製品にクラック発生の恐れがあったり、成形性が良くないという問題があり、機能性組成物の粒度サイズが1000meshを超過すれば、粉砕過程が難しくなり、
製品生産性が低下するという問題がある。
【0047】
フィルタ200は、前記本体100の外面に脱着可能に備えられて、外気に含まれた有害物質をろ過させる機能を果たす。特に、前記フィルタ200は、フィルタのろ過機能が失われた場合、ユーザが容易にフィルタ200を交替可能なように構成されて、本体100及び固定チューブ300の再使用が可能であり、フィルタ200をユーザの望む時点で容易に交替使用することで空気浄化機能を着実に維持することができる。
【0048】
前記フィルタ200は、前記本体100の外部に備えられるものであるから、前記本体100の形態と類似した形態で形成されることが好ましい。
【0049】
前記フィルタ200は、天然繊維である綿糸と、楮を主成分として製造された韓紙から繊維形態の糸を形成した韓紙糸との混合からなるが、前記韓紙糸は、抗菌性に優れ、空気透過率が良く、多孔性構造による脱臭効果及び遠赤外線放射率が高く、速い乾燥性能を有するという特徴がある。
【0050】
より詳細に、本発明に係るフィルタ200は、楮を主原料として製造された韓紙と天然木綿とを各々7:3の重量割合で混合して韓紙を主成分とする第1の繊維(韓紙糸)を形成し、天然木綿を用いて製造された天然綿糸を菌水に浸漬させた後、乾燥過程を介してなされる第2の繊維を形成した後、前記第1の繊維と第2の繊維とを製織加工してフィルタ200を形成する。このとき、製織加工された第1の繊維と第2の繊維とは、5:5の重量比で形成されることが好ましい。
【0051】
前記菌水は、紫竹塩を水に希釈した紫竹塩水と、フィトンチッド原液のうち、いずれか1つを使用するか、紫竹塩をフィトンチッド原液に希釈して使用することができる。
【0052】
紫竹塩とは、天日塩を竹とともに高温で9回焼き上げる過程を介して紫色を帯びながら形成された竹塩に関するものであって、これは、菌作用に優れ、その他、消炎作用及び血液循環促進にも良いものと知られている。本発明において使用された紫竹塩水は、前記紫竹塩を水に希釈させて飽和溶液を作った後、使用することが好ましい。
【0053】
フィトンチッドは、植物が病原菌、害虫、かびに抵抗するために噴き出したり、分泌する物質であって、森林浴を介してフィトンチッドを飲めばストレスが解消され、殺菌作用があるものと知られている。本発明において使用されるフィトンチッドは、植物からフィトンチッド成分だけを抽出した抽出液を用いるか、市中で販売されるフィトンチッド抽出液を用いることができる。
【0054】
また、前記紫竹塩とフィトンチッド原液とを混合して使用する場合、その割合は、全体混合物100重量%に対して、紫竹塩が40〜60重量%と、フィトンチッド原液が40〜60重量%を混合して紫竹塩を溶解させた混合物を使用する。
【0055】
上記において全体混合物100重量%に対して紫竹塩が40重量%未満に混合されるか、フィトンチッド原液が60重量%を超過して混合されれば、紫竹塩の効能が僅かに作用して好ましくないし、上記において全体混合物100重量%に対して紫竹塩が60重量%を超過して混合されるか、フィトンチッド原液が40重量%未満に混合されれば、紫竹塩がフィトンチッド原液に混合される希釈量が飽和状態を超過するので、好ましくない。
【0056】
前記フィルタ200の第1の繊維は、韓紙と天然木綿との混合からなり、韓紙が前記加工条件より少なく含有されれば、韓紙を主成分とする韓紙糸が提供する各種効果が僅かになり、フィルタ200が全体的に揺れ動く形態で維持されて形状維持が難しいという問題がある。それに対し、韓紙が前記加工条件より多く含有されれば、フィルタ200が固くて着用感が低下し、フィルタ200の表面が粗くなるという問題があって良くない。
【0057】
上記のような方法で製造されたフィルタ200は、抗菌作用だけでなく、韓紙糸と綿糸との組み合わせで形成されて、鼻中の生理作用(例:温度、湿度、ろ過等)を調節でき、特に、冬季に吸入される空気に対する保温効果を有し、湿気を調節して鼻の健康を増進させることができる。
【0058】
固定チューブ300は、前記本体100の外面に結合されて、前記フィルタ200が本体100から離脱されないように密着固定させ、本発明に係る鼻腔挿入型マスクが鼻腔内の皮膚に密着されて外部に離脱されることを防止し、そして、フィルタ200を鼻腔内の皮膚から離間してフィルタ200が鼻水に濡れることを防止し、鼻水を別に収容する機能をする。
【0059】
上記のような固定チューブ300は、全体的な形状がリングタイプからなるが、具体的な構成では、嵌合通孔310と、内壁部320と、外壁部330と、鼻水収容部340とを備えて構成する。
【0060】
前記嵌合通孔310は、中央部が垂直に貫通されて本体100に嵌合され得るようにしたものである。
【0061】
前記内壁部320は、本体100外部に挟まれたフィルタ200を本体100に密着固定させるための構成であって、内壁部320で嵌合通孔310に向けた内側面は、本体100の嵌合溝部111形状に対応するように曲面型からなる嵌合突出部321が嵌合通孔310方向に突出形成される。
【0062】
前記外壁部330は、鼻腔内の皮膚に密着固定されることで離脱を防止するものであって、前記内壁部320より高さが高く形成されて、鼻腔内の鼻水などの水分がフィルタ200に触れることを防止することによってフィルタ200のろ過性能を維持させる。
【0063】
前記鼻水収容部340は、鼻腔内の壁に沿って流れる鼻水のため、フィルタ200が濡れてろ過性能が低下することを防止するために、流れる鼻水を収容できる別の空間部を形成したものであって、内壁部320と外壁部330との間で離間した空間を形成し、下部は、遮断された「U」字型断面の空間部を形成する。また、前記鼻水収容部340は、内壁部320と外壁部330とが離間した空間を形成しながらなされた構成であるが、これは、外壁部330が内側に伸縮され得る空間を提供するものでもあり、このような構成は、ユーザによって互いに異なる鼻腔サイズに対応して外壁部330が伸縮され得るようにしたものである。
【0064】
上記のような形状からなる固定チューブ300は、着用感を考慮してシリコン素材で形成されることが好ましい。
【0065】
また、前記固定チューブ300は、抗菌効果を向上させ、遠赤外線及び陰イオンを放出する効果のために、血液循環促進効果のある機能性組成物が含まれるが、このような機能性組成物には、銀(Ag)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭のうち、少なくとも1つ以上が含まれ得る。上記において、炭、麦飯石、絹雲母、活性炭は、遠赤外線放出による血液循環及び細胞活性の促進と、菌機能の他に、脱臭及び湿度調節効果があることと知られている。
【0066】
前記固定チューブ300を構成するそれぞれの組成比は、全体100重量%に対して、シリコンが93〜96重量%、硬化剤が1〜3重量%、機能性組成物が2〜5重量%を含んでなり、機能性組成物の粒度サイズは200〜1000mesh範囲に微細に粉砕された形態が適用されることが好ましい。
【0067】
このとき、シリコンが93重量%未満に含有されるか、機能性組成物が5重量%を超過して含有されれば、成形された固定チューブ300の弾性力が低下して着用感が良くないし、機能性組成物との嵌合力が低下して製品にクラックが発生したり、製品成形性が良くないという問題がある。
【0068】
それに対し、シリコンが96重量%を超過して含有されれば、相対的に機能性組成物の含量が少なくなるが、シリコンが96重量%を超過したり、機能性組成物が2重量%未満に含有されれば、機能性組成物による菌及び遠赤外線放出効果などが低下して良くない。
【0069】
また、機能性組成物の粒度サイズが200mesh未満であれば、粒子が太くて着用感が粗くなり、製品にクラック発生の恐れがあるか、成形性が良くないという問題があり、機能性組成物の粒度サイズが1000meshを超過すれば、粉砕過程が難しくなり、製品生産性が低下するという問題がある。
【0070】
<実施例:韓紙糸と綿糸との混合フィルタの製造>
第1の段階:楮を主成分として製造された韓紙と天然木綿とを各々7:3の重量割合で混合して韓紙を主成分とする第1の繊維(韓紙糸)を形成した。
【0071】
第2の段階:紫竹塩が50重量%と、フィトンチッド原液が50重量%を混合して製造された菌水を用意した。
【0072】
第3の段階:天然木綿を用いて製造された天然綿糸を用意した後、第2の段階で用意された菌水に浸漬してから、乾燥して第2の繊維を形成した。
【0073】
第4の段階:上記において製造された第1の繊維と第2の繊維とを製織し、繊維厚さが0.4〜0.8mmの通孔サイズが300〜600meshに該当するフィルタを製造した。
【0074】
<比較例1:合成樹脂フィルタ>
既に市中で販売されているマスク用フィルタであって、合成樹脂(PE、PP)を主原料として製造されたものであり、通孔サイズが300〜600meshに該当するフィルタを用意した。
【0075】
<比較例2:不織布フィルタ>
既に市中で販売されているマスク用フィルタであって、菌処理された不織布を主原料として製造されたものであり、通孔サイズが300〜600meshに該当するフィルタを用意した。
【0076】
<実験例1>
本発明の実施例によって製造された韓紙糸と綿糸との混合フィルタと、比較例1のような合成樹脂フィルタ、比較例2のような不織布フィルタとを対象として空気透過度を実験した結果、次のような結果を得ることができた。このとき、実施例及び比較例1、比較例2においてフィルタの通孔サイズはいずれも同様なので、微細ほこりのろ過性能は実験対象から除外した。
【0077】
【表1】
【0078】
<実験例2>
本発明の実施例によって製造された韓紙糸と綿糸との混合フィルタと、比較例1のような合成樹脂フィルタ、比較例2のような不織布フィルタを対象として抗菌性を実験した結果、次のような結果を得ることができた。
【0079】
【表2】
【0080】
上記のように、本発明の実施例によって製造された韓紙糸と綿糸との混合フィルタは、市中で販売される比較例1によるフィルタ及び比較例2によるフィルタとともに、各々比較実験した結果、微細ほこりろ過性能は同様に維持しながら、韓紙糸及び綿糸が有する素材の特性により、空気透過率ははるかに高くて着用感が良いことが確認できた。
【0081】
さらに、本発明の実施例によって製造されたフィルタと比較例1によるフィルタ及び比較例2によるフィルタとの菌試験においても、本発明の実施例によって製造されたフィルタは、細菌減少率が99.9%であることに対し、他の比較対象は、細菌減少率に対する効果がほとんどなかった。
【0082】
上記実験例1及び実験例2を介して確認することができるように、本願発明によって製造された鼻腔挿入型マスクに適用されるフィルタは、優れた空気透過率による楽な着用感を提供し、抗菌性も極めて高いことが確認できた。
【0083】
本発明は、添付された図面を参照して好ましい実施例を中心に記述されたが、当業者であれば、このような記載から本発明の範疇を逸脱することなく、様々な自明な変形が可能であるということは明らかである。したがって、本発明の範疇は、このような多くの変形の例等を含むように記述された請求の範囲によって解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0084】
100 本体
110 支持下部
111 嵌合溝部
112 空気通過孔
120 支持上部
130 連結バー
200 フィルタ
300 固定チューブ
310 嵌合通孔
320 内壁部
321 嵌合突出部
330 外壁部
340 鼻水収容部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8