特許第6590189号(P6590189)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6590189-複合型りん具 図000002
  • 特許6590189-複合型りん具 図000003
  • 特許6590189-複合型りん具 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590189
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】複合型りん具
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   A47G33/00 L
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-128289(P2015-128289)
(22)【出願日】2015年6月26日
(65)【公開番号】特開2017-6575(P2017-6575A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0057930(US,A1)
【文献】 特開2003−319869(JP,A)
【文献】 特開2011−101784(JP,A)
【文献】 実開昭50−053094(JP,U)
【文献】 実公昭26−003741(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
G10K 1/07
G10D 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ略椀形状をした第1りんと第2りんとをその開口部を上下に対向させてあり、
前記第1りんと第2りんのうち、一方のりんに他方のりんの周縁部に向けて突出する凸部を形成し、他方のりんに前記凸部が納まる切り欠き形状の凹部を形成し、
前記凸部と凹部との間に所定の隙間部を有するように前記第1りんと第2りんとを連結してあることを特徴とする複合型りん具。
【請求項2】
前記第1りんと第2りんとを着脱自在に連結してあることを特徴とする請求項1記載の複合型りん具。
【請求項3】
前記第1りんと第2りんとの内側に移動調整可能な錘を有することを特徴とする請求項1又は2記載の複合型りん具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仏前において使用されるおりんに関し、特に2つのりんを対向させた複合型りん具に係る。
【背景技術】
【0002】
2つの略椀形状をしたりんを相互に対向連結した複合型りん具としては、例えば特許文献1〜3が公知である。
しかし、いずれもりんの開口周縁端部が側面視でフラットである。
このような複合型りん具は、上側に位置するりんをりん棒等で打りんするのが前提となっていたり、りんを使い分ける場合にはりん棒を大きく上下させなければならないものであった。
また、デザイン性にも劣るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−224118号公報
【特許文献2】特開2003−319869号公報
【特許文献3】実用新案登録第3132463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、打りんしやすく、安定性及びデザイン性に優れた複合型りん具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る複合型りん具は、それぞれ略椀形状をした第1りんと第2りんとをその開口部を上下に対向させてあり、前記第1りん及び第2りんの開口側の周縁部であって、一方のりんの周縁部から突出させた凸部を他方のりんの周縁部に設けた凹部内に配置してあることを特徴とする。
【0006】
ここで、略椀形状した第1,第2りんとは、それぞれが底部(基部)と、この底部から立設して設けた周縁部が開口したものをいい、必ずしも開口部の形状が円形状である必要はない。
本発明において、一方のりんの周縁部から突出させた凸部とは、対向する他方のりんの周縁部側に向けて突出するように延在させたことをいい、その凸部の形状や数に制限はない。
他方のりんの周縁部に設けた凹部は、上記一方のりんの凸部が入り込むように開口周縁部の一部を切り欠くようにして設けたものである。
ここで、第1りんと第2りんとは、打りん音に差があるのが好ましい。
【0007】
本発明において、第1りんと第2りんとを着脱自在に連結してあってもよい。
また、第1りんと第2りんとの内側に移動調整可能な錘を有するようにしてもよい。
このようにすると、錘の位置を調整することで第1りんと第2りんのどちら側を下にしてもよく、その際の安定性に優れる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る複合型りん具は、一方のりんの凸部が他方のりんの凹部内に位置するように相方のりんが配置されているので、りん棒を略水平方向にずらして打りんするだけで上下のりんの使い分けができる。
また、デザイン性にも優れた新規のりん具となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る複合型りん具の構造例を示す。
図2】本発明に係る複合型りん具の分解図を示し、(a)は正面図、(b)は第1,第2りんの分離図、(c)はそれぞれの平面図を模式的に示す。
図3】(a),(b)は錘の移動例、(c)〜(e)はマグネットで連結した例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る複合型りん具10の構造例を図1に示すが、本発明はこれに限定されない。
第1りん11及び第2りん12は、それぞれが略椀形状をしている。
本実施例における椀形状は、底部(基部)11b,12b周囲から断面円形状に側壁部を立設した例になっているが、開口した側壁部を有する限りにおいて、その形状に制限はない。
第1りん11は開口部を下にし、第2りんの開口部を上にし、開口部が対向するように上下に配置してある。
第1りんと第2りんとは、内部又は外部にて連結できるが、本実施例は相互の内側の基部同士を連結した例になっている。
【0011】
本発明において特徴的なのは、りんの開口周縁部が相互にかみ合うように凹凸形状を設けた点にある。
一方のりんに他方のりんの周縁部11c,12cに向けて突出する片状の凸部12aを形成し、他方のりんにこの凸部が納まる切り欠き形状の凹部11aを形成し、相互の周縁部に所定の隙間部15を有するように第1りん11と第2りんとを上下に連結してある。
本発明においてこの凹凸形状に制限はなく、本実施例では波型形状になっている。
この凹凸部は一ヶ所でもよいが、本実施例のように交互に複数配置してもよい。
これにより、図1に示すようにりん棒20を用いて打りんする際に、略水平方向に打りん位置をずらすだけで上下のりんを使い分けることができる。
【0012】
第1りん11と第2りん12との連結構造例を図2,3に示す。
図2(b),(c)に2つのりんを分解した状態を示す。
第2りん12の内側底部(基部)からシャフト状の連結部13を立設し、その先端部に結合凸部13aを形成し、第1りん11の内側底部に結合凹部13bを形成した例で、結合手段は嵌合構造でも螺合構造でもよい。
また、図3(c)〜(e)に示すように棒状の連結部13を鉄製で製作し、上下をマグネット16a,16bで相互に連結してもよい。
【0013】
本実施例では、連結部13に沿って上下に移動可能に錘14を設けてあり、図3(a)に示すように錘の位置を替えることで、第1りん11と第2りん12とのどちら側を下にしても安定して載置できるようになっている。
第1りん11を下にしたいときは、図3(a)に示すように錘14を上に移動し、第1りんの底部に位置させればよく、第2りんを下にしたければ、図3(b)に示すように第2りん12の底部側に錘を移動させればよい。
また、錘14の位置(高さ)を調整することで複合型りん具10に揺らぎを付加することもできる。
錘14の移動手段としては、錘がシャフト状の連結部13に沿って自由に上下移動してもよく、そのシャフト状の連結部13に沿って摩擦力で錘を維持させつつ摺動移動させてもよく、図3(a)に示すように連結部13におねじ部を形成し、錘14を螺着移動させてもよい。
【符号の説明】
【0014】
10 複合型りん具
11 第1りん
11a 凹部
12 第2りん
12a 凸部
13 連結部
14 錘
15 隙間部
20 りん棒
図1
図2
図3