(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、第一方向に並ぶ複数の蓄電素子を備えていても、加速度が生じたときの第一方向の端部に配置された蓄電素子に加わる前記加速度に起因する力を抑えることができる蓄電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る蓄電装置は、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
隣り合う蓄電素子の間に配置される少なくとも一つのスペーサと、
第一方向と直交する第二方向において前記スペーサと対向し、且つ取り付けの対象機器に対して直接又は間接的に固定される対向部材と、を備え、
前記スペーサ及び前記対向部材の少なくとも一方は、第二方向に突出する挿入部を有し、
前記スペーサ及び前記対向部材の少なくとも他方は、前記挿入部が入り込む方向に開放する開放部を画定し且つ前記挿入部が入り込む少なくとも一つの被挿入部を有し、
前記挿入部と前記被挿入部とのそれぞれは、第一方向に対向する部位を有し、
前記挿入部の第一方向における外寸は、前記開放部の第一方向における開放寸法よりも小さい。
【0007】
かかる構成によれば、蓄電装置に積層方向の加速度(加速度成分を含む)が生じたときに、被挿入部と、該被挿入部に入り込んでいる挿入部とが第一方向において当接する(又は当接している)ことで、挿入部又は被挿入部を有するスペーサより加速度方向側に配置された蓄電素子によって生じる力(例えば、慣性力)を、対向部材に受けさせることができ、これにより、第一方向の端部に配置された蓄電素子に加わる力(前記加速度に起因する力)を抑えることができる。
【0008】
しかも、第一方向において、挿入部の外寸が開放部(被挿入部によって画定される開放部)の開放寸法より小さいため、蓄電装置の組み立て時において、蓄電素子の膨張、収縮等による挿入部と被挿入部との第一方向における相対位置が予定されていた相対位置(設計値等)よりずれていても、被挿入部に挿入部を入れ込むことができる。
【0009】
前記蓄電装置では、
前記挿入部は、第一方向を向いた伝達面を有し、
前記被挿入部は、前記伝達面と第一方向において対向し且つ前記開放部の一部を画定する被伝達面であって、該被挿入部に入り込んだ前記挿入部の前記伝達面の当接によって該伝達面から力が伝達される被伝達面を有することが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、蓄電装置に積層方向の加速度(加速度成分を含む)が生じたときに、挿入部の伝達面と被挿入部の被伝達面とが当接する(又は当接している)ことで、挿入部と被挿入部との接触面積が十分に確保され、これにより、挿入部又は被挿入部を有するスペーサより加速度方向側に配置された蓄電素子によって生じる力(例えば、慣性力)を、対向部材により確実に受けさせることができる。
【0011】
また、前記蓄電装置では、
前記挿入部は、単一の凸部であり、
前記凸部の基端部の第一方向における両面のそれぞれは、前記伝達面を含み、
前記凸部の先端部の第一方向における両面は、前記伝達面とそれぞれ連続し且つ該凸部の基端側から先端に向かうにつれて互いに近づいていてもよい。
【0012】
かかる構成によれば、該蓄電装置の組み立て時等において挿入部と被挿入部との第一方向における相対位置が設計値等の予定されていた相対位置よりずれていても、挿入部(凸部)の先端が被挿入部(開放部)に入れば、スペーサと対向部材とを第二方向に接近させることで、挿入部(凸部)の前記両面によって挿入部(凸部)が被挿入部(開放部)内へ案内される。このように、上記構成によれば、挿入部の先端形状(前記両面)によって、蓄電装置の組み立て時に挿入部と被挿入部との第一方向における相対位置のずれを修正して組み立て効率の向上を図りつつ、前記両面に連続する伝達面と、被挿入部の被伝達面とによって、蓄電装置に積層方向の加速度が生じたときに挿入部又は被挿入部を有するスペーサより加速度方向側に配置された蓄電素子によって生じる力を対向部材に受けさせる接触面積を確保することができる。
【0013】
また、前記蓄電装置では、
前記挿入部は、第一方向に並び且つ共通の前記被挿入部に入り込む二つの凸部を有し、
前記二つの凸部の基端部の第一方向において互いに離れる向きを向く外側面のそれぞれは、前記伝達面を含み、
前記二つの凸部の先端部の第一方向において互いに離れる向きを向く外側面は、前記伝達面とそれぞれ連続し且つ該凸部の基端側から先端に向かうにつれて互いに近づいていてもよい。
【0014】
かかる構成によれば、該蓄電装置の組み立て時等において挿入部と被挿入部との第一方向における相対位置が予定されていた相対位置よりずれていても、各凸部の先端が被挿入部(開放部)に入れば、スペーサと対向部材とを第二方向に接近させることで、何れか一方の凸部の前記外側面によって挿入部(二つの凸部)が被挿入部(開放部)内へ案内される。このように、上記構成によれば、挿入部の先端形状(二つの凸部の各外側面)によって、蓄電装置の組み立て時に挿入部と被挿入部との第一方向における相対位置のずれを修正して組み立て効率の向上を図りつつ、前記両面に連続する伝達面と、被挿入部の被伝達面とによって、蓄電装置に積層方向の加速度が生じたときに挿入部又は被挿入部を有するスペーサより加速度方向側に配置された蓄電素子によって生じる力を対向部材に受けさせる接触面積を確保することができる。
【0015】
また、前記蓄電装置では、
前記挿入部は、第一方向の異なる位置に一対設けられ、
前記被挿入部は、前記挿入部に対応して一対設けられ、
前記一対の挿入部の第一方向において互いに離れる向きを向く外側面のぞれぞれは、基端側から先端に向かうにつれて互いに近づいてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、各挿入部の先端形状(各挿入部の外側面)によって、蓄電装置の組み立て時において、各挿入部と、該挿入部に対応する被挿入部との第一方向における相対位置のずれが修正されため、組み立て効率を向上させることができる。即ち、上記構成によれば、蓄電装置の組み立て時等において一対の挿入部とこれら一対の挿入部に対応する一対の被挿入部との第一方向における相対位置が予定されていた相対位置よりずれていても、各挿入部の先端が被挿入部(開放部)に入れば、スペーサと対向部材とを第二方向に接近させることで、何れか一方の挿入部の外側面によって各挿入部が対応する被挿入部内へ入り込む。
【0017】
この場合、前記蓄電装置において、
前記一対の挿入部の第一方向において互いに近づく向きを向く内側面のそれぞれは、第二方向に延びる伝達面であり、
前記一対の被挿入部のそれぞれは、対応する前記挿入部の前記伝達面と第一方向において対向し且つ前記開放部の一部を画定する被伝達面であって、該被挿入部に入り込んだ前記挿入部の前記伝達面の当接によって該伝達面から力が伝達される被伝達面を有することが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、蓄電装置に積層方向の加速度(加速度成分を含む)が生じたときに、一対の挿入部のうちのいずれか一方の挿入部の伝達面と該挿入部と対応する被挿入部の被伝達面とが当接する(又は当接している)ことで、該挿入部と該被挿入部との接触面積が十分に確保され、これにより、該挿入部又は該被挿入部を有するスペーサより加速度方向側に配置された蓄電素子によって生じる力(例えば、慣性力)を、対向部材により確実に受けさせることができる。
【0019】
前記蓄電装置では、
第一方向において前記複数の蓄電素子を挟む一対のエンドプレートと、
前記一対のエンドプレートを連結する金属製の連結部材と、を備え、
前記対向部材は、前記連結部材と前記スペーサ及び前記蓄電素子との間に配置される絶縁材であり、且つ前記連結部材と係合してもよい。
【0020】
かかる構成によれば、対向部材が受けた力(具体的には、蓄電装置に第一方向の加速度が生じたときに挿入部又は被挿入部を有するスペーサより加速度方向側に配置された蓄電素子によって生じる力(例えば、慣性力))を、該対向部材が係合している金属製の連結部材に受けさせることができるため、前記力が第一方向の端部に配置された蓄電素子に加わることをより確実に抑えることができる。
【0021】
この場合、
前記被挿入部は、第一方向及び第二方向と直交する第三方向において、該被挿入部に入り込んだ前記挿入部と対向していてもよい。
【0022】
かかる構成によれば、第三方向が垂直方向に沿う姿勢で蓄電装置が配置されたときに、第一方向に並ぶ複数の蓄電素子のうちの途中位置に配置され、且つ挿入部又は被挿入部を有するスペーサと隣り合う蓄電素子が、対向部材を介して金属製の連結部材によって支持されるため、エンドプレートによって挟まれた蓄電素子の列(第一方向に並ぶ複数の蓄電素子)の途中位置の下方への垂れを抑えることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上より、本発明によれば、第一方向に並ぶ複数の蓄電素子を備えていても、加速度が生じたときの第一方向の端部に配置された蓄電素子に加わる前記加速度に起因する力を抑えることができる蓄電装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について、
図1〜
図14を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0026】
蓄電装置は、
図1及び
図2に示すように、所定の方向(第一方向)に並ぶ複数の蓄電素子10と、隣り合う蓄電素子10の間に配置される内部スペーサ(スペーサ)2Aと、前記所定の方向と直交する方向(第二方向)において内部スペーサ2Aと対向し、且つ取り付け対象機器に対して直接又は間接に固定されるインシュレータ(対向部材)4と、を備える。また、蓄電装置1は、前記所定の方向における複数の蓄電素子10の両側に配置される一対の外部スペーサ2Bと、複数の蓄電素子10、複数の内部スペーサ2A、一対の外部スペーサ2B、及びインシュレータ4をひとまとめに保持する保持部材3と、を備える。この保持部材3は、導電性部材により形成されている。このため、インシュレータ4は、蓄電素子10と保持部材3との絶縁を図るために、絶縁性を有する絶縁材によって形成されている。また、蓄電装置1は、隣り合う二つの蓄電素子10(詳しくは、隣り合う二つの蓄電素子10の外部端子13)同士を電気的に接続するバスバ5等も備える。
【0027】
蓄電素子10は、
図3及び
図4にも示すように、正極及び負極を含む電極体11と、電極体11を収容するケース12と、ケース12の外面上に配置された一対の外部端子13とを備える。また、蓄電素子10は、電極体11と外部端子13とを導通させる集電体14、電極体11とケース12との間に配置される絶縁部材15等も有する。
【0028】
ケース12は、開口を有するケース本体120と、ケース本体120の開口を閉じる蓋板121であって、外面上に一対の外部端子13が配置される蓋板121とを有する。
【0029】
ケース本体120は、矩形板状の閉塞部123と、閉塞部123を取り囲むように、該閉塞部123の周縁に接続された扁平な角筒状の胴部124と、を有する。
【0030】
胴部124は、間隔をあけて互いに対向する一対の第一壁125と、一対の第一壁125を挟んで互いに対向する一対の第二壁126とを備える。
【0031】
第一壁125及び第二壁126のそれぞれは、矩形状に形成される。第一壁125及び第二壁126は、互いの端縁を突き合わせた状態で配置される。そして、隣り合う第一壁125の端縁及び第二壁126の端縁同士は、全長に亘って接続される。これにより、胴部124は、角筒状に形成される。胴部124の一端は、閉塞部123によって閉塞され、他端は、開口する。この開口は、蓋板121によって閉塞される。
【0032】
本実施形態において、第一壁125のY軸方向の長さは、第二壁126のX軸方向の長さより大きい。このため、胴部124は、扁平角筒状に形成される。
【0033】
本実施形態の蓄電装置1では、複数の蓄電素子10のそれぞれが、ケース12の第一壁125を前記所定の方向に向けて整列している。
【0034】
尚、以下の説明において、便宜上、蓄電素子10の整列する方向(第一方向)を直交座標系におけるX軸方向とする。また、蓄電素子10の整列する方向(X軸方向)と直交する二軸方向のうちの一つの方向(インシュレータ4と、蓄電素子10及び内部スペーサ2Aとが対向する方向:第二方向)を直交座標系におけるY軸方向とし、残りの一つの方向(第三方向)を直交座標系におけるZ軸方向とする。
【0035】
蓄電装置1は、隣り合う蓄電素子10間に配置される内部スペーサ2Aと、複数の蓄電素子10のうちの最も端にある蓄電素子10に隣り合う外部スペーサ2Bと、の二種類のスペーサを有する。本実施形態に係る蓄電装置1は、上述のように、複数の蓄電素子10を備え、内部スペーサ2Aは、隣り合う蓄電素子10の間のそれぞれに配置されている。即ち、本実施形態の蓄電装置1は、複数の内部スペーサ2Aを備える。また、本実施形態の蓄電装置1は、X軸方向において複数の蓄電素子10の両側に配置される一対の外部スペーサ2Bを備える。
【0036】
内部スペーサ2Aは、
図2、
図5〜
図7、
図9及び
図10に示すように、蓄電素子10(ケース本体120の第一壁125)に隣り合うベース20Aと、該ベース20Aと隣り合う二つの蓄電素子10のY−Z面(Y軸方向とZ軸方向とを含む面)方向の位置ずれ(相対位置のずれ)を規制(防止)する規制部21Aとを有する。また、内部スペーサ2Aは、Y軸方向に突出する挿入部22Aを有する。
【0037】
ベース20Aは、Y―Z面方向に広がり且つ二つの蓄電素子10に挟み込まれる部位である。このベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子10のうちの一方の蓄電素子10と対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面であって、二つの蓄電素子10のうちの他方の蓄電素子10と対向する第二面とを有する。
【0038】
ベース20Aは、蓄電素子10の蓋板121に対応する位置の第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子10の閉塞部123に対応する位置の第二端とを有する。また、ベース20Aは、蓄電素子10のY軸方向における一方の第二壁126に対応する位置の第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子10のY軸方向における他方の第二壁126に対応する位置の第四端とを有する。第一端及び第二端は、Y軸方向にそれぞれ延び、第三端及び第四端は、Z軸方向にそれぞれ延びる。
【0039】
ベース20Aは、該ベース20Aの第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、ベース20Aは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
【0040】
以上のベース20Aは、X軸方向視において略矩形状であり、隣り合う蓄電素子10と略同等の大きさである。ベース20Aは、隣り合う蓄電素子10との間に、流体(冷却用の流体)を通過させるための通風路を形成する。具体的には、以下の通りである。
【0041】
ベース20AのX−Z面(X軸方向とZ軸方向とを含む面)方向の断面形状は、矩形波形状である。より具体的に説明する。ベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子10のうちの一方の蓄電素子10のみに当接する第一当接部200Aと、隣り合う二つの蓄電素子10のうちの他方の蓄電素子10のみに当接する第二当接部201Aと、第一当接部200Aと第二当接部201Aとを接続する連接部202Aと、を有する。
【0042】
第一当接部200Aは、Y−Z方向に広がり且つY軸方向に長尺な矩形板状の部位である。第二当接部201Aは、第一当接部200AとX軸方向にずれた位置においてY−Z方向に広がり且つY軸方向に長尺な矩形板状の部位である。ベース20Aは、複数の第一当接部200Aと、複数の第二当接部201Aとを有する。そして、各第一当接部200Aと各第二当接部201Aとは、Z軸方向において交互に配置される。各連接部202Aは、X軸方向に延び、且つ、第一当接部200AのZ軸方向の端部と、該端部とX軸方向において対向する第二当接部201AのZ軸方向の端部とを接続する。
【0043】
規制部21Aは、内部スペーサ2Aに隣り合う二つの蓄電素子10のY−Z面に沿った相対移動を規制すべく、ベース20Aから、該ベース20Aの第一面と隣り合う蓄電素子10と、該ベース20Aの第二面と隣り合う蓄電素子10とに向かって延びる。
【0044】
より具体的に説明する。規制部21Aは、ベース20Aの周縁における各角部を含む位置に形成される。規制部21Aは、ベース20Aの第一角部に形成される第一規制部211Aと、ベース20Aの第二角部に形成される第二規制部212Aと、ベース20Aの第三角部から第四角部にかけて形成される第三規制部213Aと、を有する。
【0045】
第一規制部211Aは、ベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子10と、ベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子10とに向かって延び、ベース20Aの両側に配置される蓄電素子10のそれぞれの蓋板121と胴部124の一方の第二壁126とに当接する。具体的に、第一規制部211Aは、ベース20AからX軸方向の両側に向けて蓋板121と当接するように延びる第一部位2111Aと、ベース20AからX軸方向の両側に向けて前記一方の第二壁126と当接するように延びる第二部位2112Aと、を有する(
図6参照)。本実施形態の第一部位2111A及び第二部位2112Aのそれぞれは、板状である。これにより、第一規制部211AにおけるY−Z面方向の断面形状は、L字状となる。
【0046】
第二規制部212Aは、ベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子10と、ベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子10とに向かって延び、ベース20Aの両側に配置される蓄電素子10のそれぞれの蓋板121と胴部124の他方の第二壁126とに当接する。具体的に、第二規制部212Aは、ベース20AからX軸方向の両側に向けて蓋板121と当接するように延びる第一部位2121Aと、ベース20AからX軸方向の両側に向けて前記他方の第二壁126と当接するように延びる第二部位2122Aと、を有する(
図7参照)。本実施形態の第一部位2121A及び第二部位2122Aのそれぞれは、板状である。これにより、第二規制部212AにおけるY−Z平面方向の断面形状は、第一規制部211Aと同様に、L字状となる。
【0047】
第三規制部213Aは、ベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子10とベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子10とに向かって延び、ベース20Aの両側に配置される蓄電素子10の閉塞部123と胴部124の各第二壁126とにそれぞれ当接する。即ち、第三規制部213Aは、ベース20Aの両側に配置される蓄電素子10の閉塞部123側の端部に沿って、一方の第二壁126から閉塞部123を経て他方の第二壁126まで連続して延びている。
【0048】
挿入部22Aは、インシュレータ4の一部に入り込む。この挿入部22Aは、第一規制部211A及び第二規制部212A(詳しくは、第二部位2112A、2122A)のそれぞれからY軸方向の外側(蓄電素子10と反対側)に向けて延びる。本実施形態の挿入部22Aは、一つの第二部位2112A、2122Aにおいて、X軸方向の異なる位置に一対設けられている。これら一対の挿入部22AのX軸方向において互いに離れる向きを向く外側面220Aのそれぞれは、基端側(第二部位2112A、2122A側)から先端に向かうにつれて互いに近づく。一方、一対の挿入部22AのX軸方向において互いに近づく向きを向く内側面221Aのそれぞれは、Y軸方向に延びる。詳しくは、以下の通りである。尚、以下では、X軸方向の一方側(
図6及び
図7の前方側)の挿入部22Aを第一挿入部23A、他方側(
図6及び
図7の後方側)の挿入部22Aを第二挿入部24A、と称するときもある。
【0049】
一対の挿入部22A(第一挿入部23A及び第二挿入部24A)のそれぞれは、共通の(一つの)第二部位2112A、2122Aにおいて互いにX軸方向に異なり且つZ軸方向に異なる位置に配置されている。各挿入部22Aは、Y軸方向を中心軸とする円柱の先端部を、Y軸方向に対して傾斜し且つX軸方向を向いた傾斜面となるように切り欠いた形状を有する。この傾斜面が外側面220Aである。一方、X軸方向において外側面220Aと反対側の面(内側面)221Aは、被挿入部45に入り込んだ状態で該被挿入部45と当接することにより、内部スペーサ2Aにおいて生じたX軸方向の力(前記力のX軸方向の成分を含む)及び隣り合う蓄電素子10等から内部スペーサ2Aに加わるX方向の力(前記力のX軸方向の成分を含む)を、インシュレータ4に伝達する。即ち、本実施形態の内側面221Aは、伝達面を構成する。
【0050】
外部スペーサ2Bは、
図8に示すように、蓄電素子10(ケース本体120の第一壁125)に対向する第一面、及び該第一面とは反対側の第二面を有するベース20Bと、該ベース20Bと隣り合う蓄電素子10のY−Z面方向の位置ずれを規制する規制部21Bとを有する。
【0051】
また、本実施形態のベース20Bは、保持部材3の終端部材30と対向する。即ち、本実施形態の外部スペーサ2Bは、蓄電素子10と終端部材30との間に配置される。
【0052】
外部スペーサ2Bは、ベース20Bの第二面から終端部材30に向けて突出し、且つ終端部材30に当接する第一突出部24Bを有する。また、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの第一面から蓄電素子10に向けて突出し、且つ該蓄電素子10に当接する第二突出部201Bを有する。
【0053】
ベース20Bは、Y−Z面方向に広がった板状に形成される。ベース20Bは、蓄電素子10の蓋板121に対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子10の閉塞部123に対応する位置に配置される第二端とを有する。また、ベース20Bは、蓄電素子10の一方の第二壁126に対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子10の他方の第二壁126に対応する位置に配置される第四端とを有する。
【0054】
ベース20Bは、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、ベース20Bは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
【0055】
尚、ベース20Bの第一端及び第二端は、Y軸方向にそれぞれ延び、第三端及び第四端は、Z軸方向にそれぞれ延びる。これにより、ベース20Bは、X軸方向視において、略矩形状である。また、ベース20Bは、蓄電素子10と略同等の大きさである。
【0056】
ベース20Bの第一面には、該ベース20Bの第一面と蓄電素子10との間に流体を通過させるための通風路が形成される。詳しくは、以下の通りである。
【0057】
ベース20Bは、上述のように、当該ベース20Bの第一面から該ベース20Bと隣り合う蓄電素子10のケース12(ケース本体120の第一壁125)に向かって延びる第二突出部201Bを有する。
【0058】
第二突出部201Bは、Y軸方向に延びる凸条である。本実施形態のベース20Bは、複数の第二突出部201Bを有する。そして、複数の第二突出部201Bのそれぞれは、Z軸方向に間隔をあけて配置される。これにより、ベース20Bと、該ベース20Bと隣り合う蓄電素子10との間には、上述の通風路(採番しない)が形成される。
【0059】
規制部21Bは、ベース20Bと、該ベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子10のY−Z面方向の相対移動を規制すべく、前記隣り合う蓄電素子10に向かって延びる。
【0060】
より具体的に、規制部21Bは、第一角部に形成される第一規制部211Bと、第二角部に形成される第二規制部212Bと、ベース20Bの第三角部から第四角部にかけて形成される第三規制部213Bと、を有する。
【0061】
第一規制部211B及び第二規制部212Bは、ベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子10に向かってそれぞれ延びる。第一規制部211Bは、ベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子10の蓋板121と胴部124の一方の第二壁126とに当接する。そして、第二規制部212Bは、ベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子10の蓋板121と胴部124の他方の第二壁126とに当接する。
【0062】
第三規制部213Bは、ベース20Bと隣り合う蓄電素子10に向かって延びる。第三規制部213Bは、ベース20Bの隣に配置される蓄電素子10の閉塞部123と、胴部124の各第二壁126とに当接する。即ち、第三規制部213Bは、内部スペーサ2Aの第三規制部213Aと同様に、ベース20Bの隣に配置される蓄電素子10の閉塞部123側の端部に沿って、一方の第二壁126から閉塞部123を経て他方の第二壁126まで連続して延びている。
【0063】
上述のように、第一突出部24Bは、ベース20Bから終端部材30に向けて突出し、終端部材30に当接している。これにより、蓄電装置1では、外部スペーサ2Bと、終端部材30との間に隙間が形成されている。
【0064】
以上の外部スペーサ2Bは、蓄電素子10を介して該内部スペーサ2Aと隣り合う。
【0065】
保持部材3は、金属製である。保持部材3は、
図1及び
図2に示すように、X軸方向において複数の蓄電素子10を挟む一対の終端部材30と、該一対の終端部材30を連結する一対のフレーム(連結部材)31とを備える。本実施形態の保持部材3は、蓄電装置1が電池パック(複数の蓄電装置1を備える電源装置)等の取り付けの対象機器に配置されるときに、該対象機器に対して固定される部位である。
【0066】
一対の終端部材30のそれぞれは、外部スペーサ2Bと対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。一対の終端部材30のそれぞれは、外部スペーサ2Bのベース20Bから延びる第一突出部24Bに当接する圧接部300を有する。
【0067】
終端部材30は、蓄電素子10の蓋板121と対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子10の閉塞部123と対応する位置に配置される第二端とを有する。また、終端部材30は、蓄電素子10の一方の第二壁126と対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子10の他方の第二壁126と対応する位置に配置される第四端とを有する。
【0068】
これに伴い、終端部材30は、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、終端部材30は、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
【0069】
各フレーム31は、一対の終端部材30を連結するように延びる第一接続部310と、第一接続部310とZ軸方向の異なる位置において一対の終端部材30を連結するように延びる第二接続部311とを有する。第一接続部310は、X軸方向に延び且つZ軸方向において蓄電素子10の蓋板121と対応する位置に配置される。第二接続部311は、X軸方向に延び且つZ軸方向において蓄電素子10の閉塞部123と対応する位置に配置される。
【0070】
また、フレーム31は、Z軸方向に延び且つ第一接続部310と第二接続部311との端部同士を接続する一対の支持部312を有する。本実施形態のフレーム31は、Z軸方向に延び、且つ第一接続部310と第二接続部311との中間部位同士を接続する補強部313も有する。
【0071】
以上のように、本実施形態に係るフレーム31は、第一接続部310と第二接続部311との端部同士を支持部312が接続することによって枠体状に形成されている。このフレーム31は、蓄電素子10とY軸方向の一方側において隣り合う位置と、他方側において隣り合う位置とにそれぞれ配置される。
【0072】
インシュレータ4は、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10及び複数の内部スペーサ2Aとフレーム31(保持部材3)との間に配置される。このインシュレータ4は、フレーム31に沿った溝が形成され、該溝にフレーム31が嵌め込まれることで該フレーム31と係合している(
図9参照)。そして、インシュレータ4は、フレーム31を含む保持部材3が取り付けの対象機器に固定されることによって、該対象機器に対して固定される。即ち、インシュレータ4は、取り付けの対象機器に対して間接に(具体的には、保持部材3を介して)固定される。
【0073】
具体的に、インシュレータ4は、X軸方向に延び且つ第一接続部310と蓄電素子10及び内部スペーサ2Aとの間に配置される第一絶縁部41と、X軸方向に延び且つ第二接続部311と蓄電素子10及び内部スペーサ2Aとの間に配置される第二絶縁部42とを有する。また、インシュレータ4は、Z軸方向に延び且つ第一絶縁部41と第二絶縁部42とを接続する一対の第三絶縁部43を有する。この一対の第三絶縁部43のそれぞれは、フレーム31の支持部312と、蓄電素子10及び外部スペーサ2Bの少なくとも一方との間に配置される。さらに、インシュレータ4は、Z軸方向に延び且つ第一絶縁部41と第二絶縁部42との中間部位同士を接続する第四絶縁部44を有する。この第四絶縁部44は、フレーム31の補強部313と蓄電素子10及び内部スペーサ2Aの少なくとも一方との間に配置される。
【0074】
第一絶縁部41は、内部スペーサ2Aの一部(本実施形態の例では、挿入部22A)が入り込む(挿入される)被挿入部45を有する。
【0075】
被挿入部45は、
図9〜
図11に示すように、挿入部22Aが入り込む方向に開放する開放部450を画定し(
図11参照)且つ挿入部22Aが入り込む。本実施形態の被挿入部45は、第一絶縁部41における第二部位2112A、2122Aを向いた部位(面)に形成されたY軸方向に凹む凹部であり、開放部450は、前記凹部(被挿入部45)の内面(以下、「凹部内面」と称する。)451によって画定されている。本実施形態の被挿入部45は、Y軸方向視においてX軸方向に長い長円形状(いわゆるレーストラック型)の内周面452を有する凹部である。そして、挿入部22Aの外寸S1が、被挿入部45のX軸方向の内寸(即ち、開放部450のX軸方向における開放寸法:内周面452の長径方向の内寸)S2よりも小さい。即ち、X軸方向において、内周面452の一方側の端部(端面)、及び他方側の端部(端面)の少なくとも一方と、挿入部22Aとの間には、隙間が形成されている。この被挿入部45(詳しくは、内周面452)は、Z軸方向において、該被挿入部45に入り込んだ挿入部22Aと対向している。尚、本実施形態の挿入部22Aの外寸S1は、外側面220Aより基部側の円柱状の部位における外寸であり、被挿入部45の内寸S2は、内周面452の長径方向の内寸である。
【0076】
被挿入部45は、一対の挿入部22Aのそれぞれに対応して一対設けられる。以下では、第一挿入部23Aが挿入される被挿入部45を第一被挿入部45A、第二挿入部24Aが挿入される被挿入部45を第二被挿入部45B、と称するときもある。
【0077】
各被挿入部45は、対応する挿入部(詳しくは、該被挿入部45に挿入されている挿入部)22AとX軸方向に対向する部位を有する。この部位は、内周面452に含まれる被伝達面453である。具体的に、被伝達面453は、挿入部22Aの内側面(伝達面)221AとX軸方向において対向し且つ開放部450の一部を画定する。本実施形態の被伝達面453は、挿入部22Aの内側面221Aと平行な面である。この被伝達面453は、被挿入部45に入り込んだ挿入部22Aの内側面221Aの当接によって該内側面221Aから力が伝達される部位(面)である。
【0078】
被伝達面453と内側面(伝達面)221Aとは、X軸方向において所定の間隔(上述の隙間)を開けて対向している(
図10参照)。この所定の間隔は、最も大きい場合で、S2とS1との差となる。そして、この所定の間隔は、蓄電装置1にX軸方向の加速度(X軸方向の加速度成分を含む)が生じたときに、蓄電素子10及び内部スペーサ2AのX軸方向の移動(
図15参照)が許容される範囲内に設定されていることが好ましい。即ち、前記移動が許容される範囲は、前記移動によってX軸方向の端部に配置された蓄電素子10が損傷しない範囲に設定されていることが好ましい。前記S2とS1との差は、2mm以下が好ましい。また、前記S2とS1との差は、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がさらに好ましい。
【0079】
以上の蓄電装置1によれば、蓄電装置1にX軸方向の加速度(加速度成分を含む)が生じたときに、被挿入部45と、該被挿入部45に入り込んでいる挿入部22AとがX軸方向において当接する(又は当接している)ことで、被挿入部45を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力(例えば、慣性力)を、インシュレータ4に受けさせることができる。これにより、X軸方向の端部に配置された蓄電素子10に加わる力(前記加速度に起因する力)を抑えることができる。
【0080】
しかも、X軸方向において、挿入部22Aの外寸が開放部(被挿入部45の内面451によって画定される開放部)450の開放寸法より小さい。このため、蓄電装置1の組み立て時において、蓄電素子10の膨張、収縮等による挿入部22Aと被挿入部45とのX軸方向における相対位置が予定されていた相対位置(設計値等)よりずれていても、被挿入部45に挿入部22Aを入れ込むことができる。
【0081】
本実施形態の蓄電装置1では、一対の挿入部22AのX軸方向において互いに離れる向きを向く外側面220Aのぞれぞれは、基端側から先端に向かうにつれて互いに近づいている。このような挿入部22Aの先端形状(各挿入部22Aの外側面220A)によれば、
図12〜
図14に示すように、蓄電装置1の組み立て時において、各挿入部22Aと、該挿入部22Aに対応する被挿入部45とのX軸方向における相対位置のずれが修正される。これにより、組み立て効率を向上させることができる。即ち、蓄電装置1の組み立て時等において一対の挿入部22Aとこれら一対の挿入部22Aに対応する一対の被挿入部45とのX軸方向における相対位置が予定されていた相対位置よりずれていても(
図12参照)、各挿入部22Aの先端が被挿入部45(開放部450)に入れば(
図13参照)、挿入部22Aの外側面220Aが被挿入部45の周縁と当接した状態で内部スペーサ2Aとインシュレータ4とをY軸方向に接近させることで、内部スペーサ2Aとインシュレータ4とがX軸方向において相対移動する(前記ずれを解消する方向に相対移動する:
図13の矢印α参照)。このように、挿入部22Aの外側面220Aによって前記ずれが解消し、その結果、各挿入部22Aが対応する被挿入部45内へ入り込む(
図14参照)。
尚、
図12〜
図14は、内部スペーサ2Aが第一挿入部23A側にずれた状態から、第一挿入部23Aの外側面220Aが第一被挿入部45Aの縁部に当接することで前記ずれが解消することを示しているが、内部スペーサ2Aは、反対側にずれていてもよい。即ち、内部スペーサ2Aが反対側(第二挿入部24A側)にずれていても第二挿入部24Aの外側面220Aが第二被挿入部45Bの縁に当接することで前記ずれを解消することができる。
【0082】
また、本実施形態の蓄電装置1では、一対の挿入部22AのX軸方向における互いに近づく向きを向く内側面221Aのそれぞれが、Y軸方向に延びる伝達面であり、一対の被挿入部45のそれぞれが、対応する挿入部22Aの内側面221AとX軸方向において対向し且つ開放部450の一部を画定する被伝達面453を有している。このため、
図15に示すように、X軸方向の一方側(
図15に示す例では第一挿入部23A側)への加速度(即ち、他方側(
図15における第二挿入部24A側)へのマイナスの加速度)が生じたときに、一対の挿入部22Aのうちの一方の挿入部22A(
図15に示す例では第一挿入部23A)の内側面(伝達面)221Aと該挿入部22Aと対応する被挿入部45(
図15に示す例では第一被挿入部45A)の被伝達面453とが当接する(又は当接している)。これにより、該挿入部22Aと該被挿入部45との接触面積が十分に確保され、その結果、被挿入部45を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力(例えば、慣性力)を、インシュレータ4により確実に受けさせることができる。また、X軸方向の他方側(
図15に示す例では第二挿入部24A側)への加速度が生じたときも、同様に、被挿入部45を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力(例えば、慣性力)を、インシュレータ4により確実に受けさせることができる。
【0083】
本実施形態の蓄電装置1では、インシュレータ4が、金属製のフレーム31と係合している。これにより、インシュレータ4が受けた力(具体的には、蓄電装置1にX軸方向の加速度が生じたときに被挿入部45を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力(例えば、慣性力))を、該インシュレータ4が係合している金属製のフレーム31に受けさせることができる。その結果、前記力が蓄電装置1におけるX軸方向の端部に配置された蓄電素子10に加わることをより確実に抑えることができる。
【0084】
また、本実施形態の蓄電装置1では、被挿入部45(内周面452)が、Z軸方向において、該被挿入部45に入り込んだ挿入部22Aと対向している。このため、Z軸方向が垂直方向に沿う姿勢で蓄電装置1が配置されたときに、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10のうちの途中位置に配置され、且つ挿入部22Aを有する内部スペーサ2Aと隣り合う蓄電素子10が、インシュレータ4を介して金属製のフレーム31によって支持される。これにより、終端部材30によって挟まれた蓄電素子10の列(X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10)の途中位置の下方への垂れを抑えることができる。
【0085】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0086】
上記実施形態の蓄電装置1では、内部スペーサ2Aが挿入部22Aを有し、インシュレータ4が被挿入部45を有しているが、この構成に限定されない。例えば、内部スペーサ2Aが被挿入部45を有し、インシュレータ4が挿入部22Aを有していてもよい。
【0087】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、一対の挿入部22Aが内部スペーサ2Aに設けられ、該一対の挿入部22Aに対応する一対の被挿入部45がインシュレータ4に設けられているが、この構成に限定されない。一対の挿入部22Aのうちの一方の挿入部22Aが内部スペーサ2Aに設けられ、他方の挿入部22Aがインシュレータ4における前記一方の挿入部22AとX軸方向に異なる位置に設けられてもよい。即ち、内部スペーサ2AにおいてX軸方向の異なる位置に挿入部22Aと被挿入部45とが設けられ、インシュレータ4に内部スペーサ2Aの挿入部22Aが入り込む被挿入部45と、内部スペーサ2Aの被挿入部45に入り込む挿入部22Aとが設けられてもよい。
【0088】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、一対の挿入部22Aと、この一対の挿入部22Aに対応する一対の被挿入部45によって、蓄電装置1にX軸方向の加速度が生じたときに、挿入部22Aを有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力(例えば、慣性力)を、インシュレータ4に受けさせているが、この構成に限定されない。
【0089】
例えば、蓄電装置1は、
図16に示すように、挿入部22Aが単一の凸部であり、且つ、被挿入部45が、前記凸部を挿入される構成であってもよい。この場合、挿入部22Aは、基端部のX軸方向における両面が伝達面221Aを含み、挿入部22Aの先端部のX軸方向における両面が、伝達面221Aとそれぞれ連続し、且つ、該挿入部22Aの基端側から先端に向かうにつれて互いに近づく外側面220Aであってもよい。かかる構成によれば、該蓄電装置1の組み立て時等において挿入部22Aと被挿入部45とのX軸方向における相対位置が設計値等の予定されていた相対位置よりずれていても、挿入部(凸部)22Aの先端が被挿入部45(開放部450)に入れば、内部スペーサ2Aとインシュレータ4とをY軸方向に接近させることで、挿入部(凸部)22Aの両面(詳しくは、両外側面)220Aによって挿入部(凸部)22Aが被挿入部45(開放部450)内へ案内される。このように、上記構成によれば、挿入部22Aの先端形状(両面220A)によって、蓄電装置1の組み立て時に挿入部22Aと被挿入部45とのX軸方向における相対位置のずれを修正して組み立て効率の向上を図りつつ、両面220Aに連続する伝達面221Aと、被挿入部45の被伝達面453とによって、蓄電装置1にX軸方向の加速度が生じたときに挿入部22A又は被挿入部45(上記実施形態の例では被挿入部45)を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力をインシュレータ4に受けさせる接触面積を確保することができる。
【0090】
また、蓄電装置1では、
図17に示すように、挿入部22Aが、X軸方向に並び且つ共通の被挿入部45に入り込む二つの凸部25Aを有し、二つの凸部25AのX軸方向において互いに離れる向きを向く外側面のそれぞれが、伝達面221Aを含む構成であってもよい。かかる構成によっても、蓄電装置1にX軸方向の加速度が生じたときに、被挿入部45と、該被挿入部45に入り込んでいる挿入部22A(詳しくは、二つの凸部25Aのいずれか一方)とがX軸方向において当接する(又は当接している)ことで、被挿入部45を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力(例えば、慣性力)を、インシュレータ4に受けさせることができる。
【0091】
この場合、二つの凸部25Aのそれぞれが基端部に伝達面221Aを有し、二つの凸部25Aの先端部のX軸方向において互いに離れる向きを向く外側面220Aが、伝達面221Aとそれぞれ連続し且つ該凸部25Aの基端側から先端に向かうにつれて互いに近づいている構成が好ましい。かかる構成によれば、該蓄電装置1の組み立て時等において挿入部22Aと被挿入部45とのX軸方向における相対位置が予定されていた相対位置よりずれていても、各凸部25Aの先端が被挿入部45(開放部450)に入れば、内部スペーサ2Aとインシュレータ4とをY軸方向に接近させることで、何れか一方の凸部25Aの外側面220Aによって挿入部22A(二つの凸部25A)が被挿入部45(開放部450)内へ案内される。このように、上記構成によれば、挿入部22Aの先端形状(二つの凸部25Aの各外側面220A)によって、蓄電装置1の組み立て時に挿入部22Aと被挿入部45とのX軸方向における相対位置のずれを修正して組み立て効率の向上を図りつつ、前記両面220Aに連続する伝達面221Aと、被挿入部45の被伝達面453とによって、蓄電装置1にX軸方向の加速度が生じたときに被挿入部45を有する内部スペーサ2Aより加速度方向側に配置された蓄電素子10によって生じる力をインシュレータ4に受けさせる接触面積を確保することができる。
【0092】
上記実施形態の蓄電装置1では、内部スペーサ2Aの第一規制部211A及び第二規制部212Aと、インシュレータ4の第一絶縁部41とに、挿入部22Aと被挿入部45とが設けられているが、この構成に限定されない。例えば、内部スペーサ2Aの第三規制部213Aと、インシュレータ4の第二絶縁部42とに、挿入部22Aと被挿入部45とが設けられてもよい。
【0093】
上記実施形態の蓄電装置1では、挿入部22A(凸部25A)がY軸方向に突出し、且つ開放部450がY軸方向に突出する挿入部22A(凸部25A)の入り込む方向に開放しているが、この構成に限定されない。例えば、挿入部22A(凸部25A)がZ軸方向に突出し、且つ開放部450がZ軸方向に突出する挿入部22A(凸部25A)の入り込む方向に開放していてもよい。
【0094】
上記実施形態の蓄電装置1では、挿入部22Aは、Y軸方向に対して傾斜する外側面220Aを有しているが、該外側面220Aのない構成でもよい。即ち、挿入部22Aは、柱状であってもよい。
【0095】
被挿入部45の具体的形状は、限定されない。例えば、上記実施形態の被挿入部45は、インシュレータ4に設けられた凹部であるが、貫通孔であってもよい。また、上記実施形態の被挿入部45の内周面452は、長円形状の筒状(周方向に閉じた)の面であるが、
図18に示すように、周方向の一部が開放されていてもよい。即ち、被挿入部45は、X軸方向における内寸S2が挿入部22Aの外寸S1より大きく、且つ被伝達面453を含む構成であればよい。
【0096】
上記実施形態の蓄電装置1では、インシュレータ4は、保持部材3を介して、取り付けの対象機器等に固定されるが、この構成に限定されない。インシュレータ4が取り付け対象機器等に直接固定されてもよい。