(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コイル部は、前記一方向に積層された第1コイルパターン及び第2コイルパターンと、前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを連結するビアと、を含み、
前記コイル部品は、
前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとの間に配置され、前記ビアが貫通する内部絶縁層をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明で用いられた用語は、特定の実施形態を説明するために用いられたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を事前に排除するものではないと理解されるべきである。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0028】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間において物理的に直接接触する場合のみを意味するのではなく、他の構成が各構成要素の間に介在し、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合も包括する概念で用いられる。
【0029】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたものに限定されるものではない。
【0030】
図面において、L方向は第1方向または長さ方向、W方向は第2方向または幅方向、T方向は第3方向または厚さ方向と定義されることができる。
【0031】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付け、これについての重複説明は省略する。
【0032】
電子機器には種々の電子部品が用いられるが、かかる電子部品の間には、ノイズの除去などを目的として種々のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0033】
すなわち、電子機器において、コイル部品は、パワーインダクター(Power Inductor)、高周波インダクター(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0034】
以下では、本発明の実施形態によるコイル部品を説明するにあたり、便宜上、コイル部品がパワーインダクター(Power Inductor)であることを例として説明するが、このような説明が、インダクター部品以外のコイル部品が本発明の範囲から排除されることを意味するわけではない。
【0035】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態によるコイル部品を概略的に示した斜視図である。
図2aは
図1のI−I'線に沿った断面を示す図である。
図2bは
図1のII−II'線に沿った断面を示す図である。
【0036】
図1、
図2a及び
図2bを参照すると、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000は、本体100と、コイル部200と、外部電極300、400と、遮蔽層500と、絶縁層600と、を含み、カバー層700、内部絶縁層IL、及び絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0037】
本体100は本実施形態によるコイル部品1000の外観を成すものであって、内部にコイル部200が埋設される。
【0038】
本体100は、全体的に六面体形状を有することができる。
【0039】
以下では、例示的に、本体100が六面体形状であることを前提として本発明の第1実施形態を説明する。しかし、このような説明は、六面体以外の形状を有する本体を含むコイル部品を本実施形態の範囲から除外するものではない。
【0040】
本体100は、長さ方向(L)に互いに向かい合う第1面と第2面、幅方向(W)に互いに向かい合う第3面と第4面、厚さ方向(T)に向かい合う第5面及び第6面を含む。
【0041】
本体100は、例示的に、後述する外部電極300、400、絶縁層600、遮蔽層500、及びカバー層700が形成された本実施形態によるコイル部品1000が2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0042】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的に、本体は、磁性物質が樹脂に分散された磁性複合シートを1層以上積層することで形成されることができる。
【0043】
磁性物質は、フェライトまたは金属磁性粉末であることができる。
【0044】
フェライトは、例えば、Mg−Zn系、Mn−Zn系、Mn−Mg系、Cu−Zn系、Mg−Mn−Sr系、Ni−Zn系などのスピネル型フェライト、Ba−Zn系、Ba−Mg系、Ba−Ni系、Ba−Co系、Ba−Ni−Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの少なくとも1つ以上であることができる。
【0045】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Si−Cu−Nb系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Al系合金粉末の少なくとも1つ以上であることができる。
【0046】
金属磁性粉末は非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末はFe−Si−B−Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0047】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm〜30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0048】
本体100は、樹脂に分散された2種以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質の異なる種類とは、樹脂に分散された磁性物質が、平均直径、組成、結晶性、及び形状の何れか1つにより互いに区別されることを意味する。
【0049】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独でまたは混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
本体100は、後述のコイル部200を貫通するコア110を含むことができる。コア110は、磁性複合シートがコイル部200の貫通孔に充填されることで形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0051】
コイル部200は本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態によるコイル部品1000は、上述のようにパワーインダクターであることができる。この場合、コイル部200は、電場を磁場として貯蔵して出力電圧を維持することで、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0052】
コイル部200は、第1コイルパターン211と、第2コイルパターン212と、ビア220と、を含む。
【0053】
第1コイルパターン211、第2コイルパターン212、及び後述の内部絶縁層ILは、本体100の厚さ方向(T)に沿って順次積層された形態で形成されることができる。
【0054】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212はそれぞれ、平面螺旋状に形成されることができる。例えば、第1コイルパターン211は、内部絶縁層ILの一面において、本体100の厚さ方向(T)を軸として少なくとも1つのターン(turn)を形成することができる。
【0055】
ビア220は、第1コイルパターン211と第2コイルパターン212を電気的に連結するように、内部絶縁層ILを貫通して第1コイルパターン211と第2コイルパターン212にそれぞれ接触する。結果として、本実施形態に適用されるコイル部200は、本体100の厚さ方向(T)に磁場を発生させる1つのコイルとして形成されることができる。
【0056】
第1コイルパターン211、第2コイルパターン212、及びビア220の少なくとも1つは、少なくとも1つ以上の導電層を含むことができる。
【0057】
例えば、第2コイルパターン212とビア220をめっきにより形成する場合、第2コイルパターン212とビア220はそれぞれ、無電解めっき層のシード層と電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、何れか1つの電解めっき層を他の1つの電解めっき層が覆うコンフォーマルな膜構造で形成されてもよく、何れか1つの電解めっき層の一面のみに他の1つの電解めっき層が積層された形態で形成されてもよい。第2コイルパターン212のシード層とビア220のシード層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。第2コイルパターン212の電解めっき層とビア220の電解めっき層は一体に形成され、相互間に境界が形成されないことができるが、これに制限されるものではない。
【0058】
他の例として、第1コイルパターン211と第2コイルパターン212をそれぞれ別に形成した後、内部絶縁層ILに一括して積層することでコイル部200を形成する場合、ビア220は、高融点金属層と、高融点金属層の融点より低い融点を有する低融点金属層と、を含むことができる。ここで、低融点金属層は、鉛(Pb)及び/またはスズ(Sn)を含む半田で形成されることができる。低融点金属層は、一括積層時の圧力及び温度によって少なくとも一部が溶融され、低融点金属層と第2コイルパターン212との間の境界には金属間化合物層(Inter Metallic Compound Layer、IMC Layer)が形成されることができる。
【0059】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212は、例えば、それぞれ内部絶縁層ILの下面及び上面に突出形成されることができる。他の例として、第1コイルパターン211は、内部絶縁層ILの下面に埋め込まれて下面が内部絶縁層ILの下面に露出し、第2コイルパターン212は、内部絶縁層ILの上面に突出形成されることができる。この場合、第1コイルパターン211の下面には凹部が形成され、内部絶縁層ILの下面と第1コイルパターン211の下面は同一平面上に位置しないことができる。さらに他の例として、第1コイルパターン211は、内部絶縁層ILの下面に埋め込まれ、下面が内部絶縁層ILの下面に露出し、第2コイルパターン212は、内部絶縁層ILの上面に埋め込まれ、上面が内部絶縁層ILの上面に露出することができる。
【0060】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212のそれぞれの端部は、本体100の第1面及び第2面に露出することができる。第1コイルパターン211は、本体100の第1面に露出した端部が後述の第1外部電極300と接触することで、第1外部電極300と電気的に連結される。第2コイルパターン212は、本体100の第2面に露出した端部が後述の第2外部電極400と接触することで、第2外部電極400と電気的に連結される。
【0061】
第1コイルパターン211、第2コイルパターン212、及びビア220はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0062】
内部絶縁層ILは、エポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性絶縁樹脂、または感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラーなどの補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例えば、内部絶縁層ILは、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)などの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0063】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)からなる群から選択される少なくとも1つ以上が使用できる。
【0064】
内部絶縁層ILが補強材を含む絶縁材料で形成される場合、内部絶縁層ILは、より優れた剛性を提供することができる。内部絶縁層ILがガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、内部絶縁層ILは、コイル部200の全体の厚さの薄型化において有利である。内部絶縁層ILが感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、工程数が減少して生産コストの低減において有利であり、微細孔の加工が可能である。
【0065】
絶縁膜IFは、第1コイルパターン211、内部絶縁層IL、及び第2コイルパターン212の表面に沿って形成される。絶縁膜IFは、各コイルパターン211、212を保護し、且つ絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁物質を含む。絶縁膜IFに含まれる絶縁物質はいかなるものであってもよく、特に制限されない。絶縁膜IFは気相蒸着などの方法により形成されることができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを第1及び第2コイルパターン211、212が形成された内部絶縁層ILの両面に積層することで形成されてもよい。
【0066】
一方、図示していないが、第1コイルパターン211及び第2コイルパターン212の少なくとも1つは複数で形成されることができる。例えば、コイル部200は、複数の第1コイルパターン211が形成され、何れか1つの第1コイルパターンの下面上に他の1つの第1コイルパターンが積層された構造を有することができる。この場合、複数の第1コイルパターン211の間に追加絶縁層が配置されることができる。
【0067】
外部電極300、400は本体100の一面に配置され、コイルパターン211、212と連結される。外部電極300、400は第1コイルパターン211と連結される第1外部電極300と、第2コイルパターン212と連結される第2外部電極400と、を含む。具体的に、第1外部電極300は、本体100の第1面に配置され、第1コイルパターン211の端部と連結される第1連結部310と、第1連結部310から本体100の第6面に延びた第1延長部320と、を含む。第2外部電極400は、本体100の第2面に配置され、第2コイルパターン212の端部と連結される第2連結部410と、第2連結部410から本体100の第6面に延びた第2延長部420と、を含む。第1外部電極300と第2外部電極400が互いに接触しないように、本体100の第6面にそれぞれ配置された第1延長部320と第2延長部420は互いに離隔している。
【0068】
外部電極300、400は、本実施形態によるコイル部品1000が印刷回路基板などに実装される際に、コイル部品1000を印刷回路基板などと電気的に連結させる。例えば、本実施形態によるコイル部品1000は、本体100の第6面が印刷回路基板の上面に向かうように実装されることができるが、本体100の第6面に配置された外部電極300、400の延長部320、420と印刷回路基板の接続部とが電気的に連結されることができる。
【0069】
外部電極300、400は、導電性樹脂層及び電解めっき層の少なくとも1つを含むことができる。導電性樹脂層は、ペースト印刷などにより形成されることができ、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び銀(Ag)からなる群から選択される何れか1つ以上の導電性金属と熱硬化性樹脂を含むことができる。電解めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。
【0070】
遮蔽層500は、本体100の第1〜第5面の少なくとも1つ以上に配置され、本発明によるコイル部品1000から外部に漏れる放射ノイズを低減することができる。
【0071】
遮蔽層500は、10nm〜100μmの厚さで形成されることができる。遮蔽層500の厚さが10nm未満である場合には、EMI遮蔽効果が殆どなく、遮蔽層500の厚さが100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加するため、薄型化において不利である。
【0072】
本実施形態の場合、遮蔽層500は、本体100の一面と向かい合う本体の他面に配置されたキャップ部510と、キャップ部510と連結され、本体100の一面と本体の他面とを連結する本体の壁面に配置された側壁部521、522、523、524と、を含む。すなわち、遮蔽層500は、本体100の第5面に配置されたキャップ部510と、本体の壁面である第1〜第4面にそれぞれ配置された第1〜第4側壁部521、522、523、524と、を含む。本実施形態に適用される遮蔽層500は、本実施形態によるコイル部品1000の実装面である本体100の第6面を除いた本体100の全ての表面に配置される。
【0073】
第1〜第4側壁部521、522、523、524は互いに一体に形成されることができる。すなわち、第1〜第4側壁部521、522、523、524は同一の工程により形成され、相互間に境界が形成されないことができる。例えば、絶縁フィルム及び遮蔽フィルムを含む単一の遮蔽シートを本体100の第1〜第5面に積層することで、第1〜第4側壁部521、522、523、524が一体に形成されることができる。ここで、遮蔽シートの絶縁フィルムは後述の絶縁層600に対応することができる。一方、上記の例において、遮蔽シートの物理的加工により、何れか1つの側壁部と他の1つの側壁部とが連結される領域の断面(cross section)は曲面を成すことができる。他の例として、本体100の第1〜第4面に、スパッタリングなどの気相蒸着により第1〜第4側壁部521、522、523、524を形成する場合、第1〜第4側壁部521、522、523、524が一体に形成されることができる。
【0074】
キャップ部510と側壁部521、522、523、524は一体に形成されることができる。すなわち、キャップ部510と側壁部521、522、523、524は、同一の工程により形成され、相互間に境界が形成されないことができる。例えば、キャップ部510と側壁部521、522、523、524は、絶縁フィルム及び遮蔽フィルムを含む単一の遮蔽シートを本体100の第1〜第5面に付着することで一体に形成されることができる。ここで、遮蔽シートの絶縁フィルムは、後述の絶縁層600に対応することができる。他の例として、キャップ部510と側壁部521、522、523、524は、絶縁層600が形成された本体100の第1〜第5面に、スパッタリングなどの気相蒸着により遮蔽層500を形成することで一体に形成されることができる。
【0075】
キャップ部510と側壁部521、522、523、524は曲面で連結されることができる。例えば、遮蔽シートを本体の形状に対応するように加工した後、遮蔽シートを本体100の第1〜第5面に付着する場合、キャップ部510と側壁部521、522、523、524とが連結される領域の断面(cross−section)は曲面を成すことができる。他の例として、絶縁層600が形成された本体100の第1〜第5面にスパッタリングなどの気相蒸着により遮蔽層500を形成する場合、キャップ部510と側壁部521、522、523、524とが連結される領域の断面(cross−section)は曲面を成すことができる。
【0076】
第1〜第4側壁部521、522、523、524はそれぞれ、キャップ部510と連結される一端と、上記一端と向かい合う他端と、を含むが、本体100の第6面から第1〜第4側壁部521、522、523、524のうち何れか1つの他端までの距離は、本体の第6面から第1〜第4側壁部521、522、523、524のうち他の1つの他端までの距離と異なることができる。例えば、上述の遮蔽フィルムを付着して遮蔽層500を形成する場合、公差または設計上の必要に応じて、側壁部521、522、523、524のそれぞれの他端から本体100の第6面までの距離は互いに異なることができる。
【0077】
遮蔽層500は導電体及び磁性体の少なくとも1つを含むことができる。例えば、導電体は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される何れか1つ以上を含む金属または合金であることができ、Fe−SiまたはFe−Niであることができる。また、遮蔽層500は、フェライト、パーマロイ、非晶質リボンからなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。遮蔽層500は、導電体を含む層と、磁性体を含む層との二重層構造を有してもよいが、導電体及び/または磁性体を含む単一層構造で形成されてもよい。
【0078】
遮蔽層500は、互いに分離された2以上の微細構造を含むことができる。例えば、キャップ部510と側壁部521、522、523、524のそれぞれを複数の片に分離形成された非晶質リボンシートで形成する場合、キャップ部510と側壁部521、522、523、524はそれぞれ、互いに分離された複数の微細構造を含むことができる。
【0079】
絶縁層600は本体100と遮蔽層500との間に配置され、遮蔽層500を本体100と外部電極300、400から電気的に絶縁させる。本実施形態の場合、絶縁層600は、本体100の第1〜第5面に配置される。一方、本実施形態の場合、本体100の第1及び第2面に外部電極300、400の連結部310、410が形成されるため、本体100の第1及び第2面のそれぞれには、外部電極300、400の連結部310、410、絶縁層600、及び遮蔽層500の側壁部521、522が順次配置される。
【0080】
絶縁層600は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂を含むことができる。
【0081】
絶縁層600は接着機能を有することができる。例えば、絶縁フィルムと遮蔽フィルムを含む遮蔽シートで絶縁層600と遮蔽層500を形成する場合、遮蔽シートの絶縁フィルムが接着成分を含んでいて、遮蔽フィルムを本体100の表面に接着することができる。このような場合、絶縁層600の一面には、本体100との間に接着層が別に形成されていることができる。但し、半硬化状態(B−stage)の絶縁フィルムを用いて絶縁層600を形成する場合などのように、絶縁層600の一面に別の接着層が形成されていなくてもよい。
【0082】
絶縁層600は、10nm〜100μmの厚さ範囲で形成されることができる。絶縁層600の厚さが10nm未満である場合には、Q特性(Q factor)などのコイル部品の特性が低下し得て、絶縁層600の厚さが100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加して薄型化において不利である。
【0083】
カバー層700は遮蔽層500を覆うように遮蔽層500に配置され、絶縁層600と接触する。すなわち、カバー層700は、絶縁層600とともに遮蔽層500を内部に埋設する。本実施形態の場合、カバー層700は、本体100の第1〜第5面上に配置され、第1〜第4側壁部521、522、523、524のそれぞれの他端を覆って絶縁層600と接触するように形成される。カバー層700は、第1〜第4側壁部521、522、523、524のそれぞれの他端を覆うことで、側壁部520と外部電極300、400の延長部320、420との電気的連結を防止する。尚、カバー層700は、遮蔽層500が外部の他の電子部品と電気的に連結されることを防止する。
【0084】
カバー層700は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、及び感光性絶縁樹脂の少なくとも1つを含むことができる。
【0085】
カバー層700は、例えば、絶縁フィルム、遮蔽フィルム、及びカバーフィルムで構成された遮蔽シートの絶縁フィルムが本体100に向かうように配置した後、遮蔽シートを本体100に積層することで、絶縁層600及び遮蔽層500と同時に形成されることができる。他の例として、カバー層700は、絶縁フィルム及び遮蔽フィルムで構成された遮蔽シートを本体に積層した後、遮蔽層500を覆うように本体100にカバーフィルムを積層することで形成されることができる。他の例として、カバー層700は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)などの気相蒸着により遮蔽層500に絶縁物質を形成することで、本体100の第1〜第5面に形成されて遮蔽層500を覆うことができる。
【0086】
カバー層700は接着機能を有することができる。例えば、絶縁フィルム、遮蔽フィルム、及びカバーフィルムで構成された遮蔽シートにおいて、カバーフィルムは遮蔽フィルムと接着されるように接着成分を含むことができる。
【0087】
カバー層700は10nm〜100μmの厚さ範囲で形成されることができる。カバー層700の厚さが10nm未満である場合には、絶縁特性に劣るため、外部電極300、400との電気的短絡(Short)が発生し得る。また、カバー層700の厚さが100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加して薄型化において不利である。
【0088】
絶縁層600、遮蔽層500、及びカバー層700の厚さの和は30nm超過100μm以下であることができる。絶縁層600、遮蔽層500、及びカバー層700の厚さの和が30nm未満である場合には、電気的短絡(Short)の問題や、Q特性(Q factor)などのコイル部品の特性低下の問題などが発生し得る。また、絶縁層600、遮蔽層500、及びカバー層700の厚さの和が100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加して薄型化において不利である。
【0089】
一方、
図1、
図2a、及び
図2bには示していないが、本体100の第1〜第6面のうち外部電極300、400が形成されていない領域には、絶縁層600と区別される別の追加絶縁層が形成されていることができる。すなわち、本体100の第3〜第5面、第6面のうち延長部320、420が形成されていない領域には、絶縁層600と区別される別の追加絶縁層が形成されていることができる。この場合、本実施形態の絶縁層600は、追加絶縁層と接触するように本体100の表面に形成されることができる。追加絶縁層は、外部電極300、400をめっきにより形成する際に、めっきレジストとして機能するものであることができるが、これに制限されるものではない。
【0090】
本発明の絶縁層600及びカバー層700はコイル部品自体に配置されるものであるため、コイル部品を印刷回路基板に実装する段階でコイル部品と印刷回路基板をモールディングするモールディング材とは区別される。例えば、本発明の絶縁層600とカバー層700は、モールディング材と異なり、印刷回路基板がなくとも形成領域を定義することができる。したがって、本発明の絶縁層600は印刷回路基板と接触せず、モールディング材と異なって印刷回路基板によって支持または固定されるものではない。また、コイル部品と印刷回路基板を連結する半田ボールなどの連結部材を囲むモールディング材と異なって、本発明の絶縁層600とカバー層700は連結部材を囲む形態で形成されない。また、本発明の絶縁層600は、EMC(Epoxy Molding Compound)などを加熱して印刷回路基板上に流動させて硬化させることで形成するモールディング材ではないため、モールディング材の形成時におけるボイドの発生及びモールディング材と印刷回路基板との熱膨張係数差による印刷回路基板の反りの発生などを考慮する必要がない。
【0091】
また、本発明の遮蔽層500は、コイル部品自体に配置されるものであるため、コイル部品を印刷回路基板に実装した後にEMIなどの遮蔽のために印刷回路基板に結合されるシールドカンとは区別される。例えば、本発明の遮蔽層500は、シールドカンとは異なって、印刷回路基板のグランド層との連結を考慮しなくてもい。
【0092】
本実施形態によるコイル部品は、コイル部品自体に遮蔽層500を形成することで、コイル部品で発生する漏れ磁束をより効率的に遮断することができる。すなわち、電子機器の薄型化及び高性能化に伴い、電子機器に含まれる電子部品の総数及び隣接した電子部品間の距離が減少しているが、各コイル部品自体を遮蔽することで、各コイル部品で発生する漏れ磁束をより効率的に遮断するため、電子機器の薄型化及び高性能化においてより有利である。尚、シールドカンを用いる場合に比べて、遮蔽領域内の実効磁性体の量が増加するため、コイル部品の特性が向上することができる。
【0093】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
【0094】
図1から
図3を参照すると、本実施形態によるコイル部品2000は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000と比較して、キャップ部510が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態と異なるキャップ部510のみについて説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態についての説明がそのまま適用可能である。
【0095】
図3を参照すると、キャップ部510は、中央部の厚さT
1が外側部の厚さT
2より厚く形成される。これについて具体的に説明する。
【0096】
本実施形態のコイル部200を構成する各コイルパターン211、212は、内部絶縁層ILの両面において、それぞれ内部絶縁層ILの中央から内部絶縁層ILの外側に複数のターンを形成し、各コイルパターン211、212は本体100の厚さ方向(T)に積層されてビア220によって連結される。結果として、本実施形態によるコイル部品2000は、本体100の厚さ方向(T)に垂直な本体100の長さ方向(L)−幅方向(W)の平面中央部で磁束密度が最も高い。したがって、本実施形態の場合、本体100の長さ方向(L)−幅方向(W)の平面と実質的に平行な本体100の第5面に配置されたキャップ部510を形成するにあたり、本体100の長さ方向(L)−幅方向(W)の平面における磁束密度の分布を考慮し、キャップ部510の中央部の厚さT
1を外側部の厚さT
2より厚く形成する。
【0097】
このように、本実施形態によるコイル部品2000は、磁束密度の分布に対応してキャップ部510の厚さを異ならせて形成することで、より効率的に漏れ磁束を減少させることができる。
【0098】
(第3実施形態)
図4は本発明の第3実施形態によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
図5は本発明の第3実施形態の変形例によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
【0099】
図1から
図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品3000は、本発明の第1及び第2実施形態によるコイル部品1000、2000と比較して、キャップ部510と側壁部521、522、523、524が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1及び第2実施形態と異なるキャップ部510と側壁部521、522、523、524のみについて説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1または第2実施形態についての説明がそのまま適用可能である。
【0100】
図4を参照すると、キャップ部510の厚さT
3は、側壁部521、522、523、524の厚さT
4より厚いことができる。
【0101】
上述のように、コイル部200は、本体100の厚さ方向(T)に磁場を発生させる。その結果、本体100の厚さ方向(T)に漏れる磁束が、それ以外の方向に漏れる磁束より大きい。したがって、本体100の厚さ方向(T)に垂直な本体100の第5面に配置されたキャップ部510の厚さを、本体100の壁面に配置された側壁部521、522、523、524の厚さより厚く形成することで、漏れ磁束をより効率的に減少させることができる。
【0102】
例えば、絶縁フィルム及び遮蔽フィルムを含む遮蔽シートで本体100の第1〜第5面に仮遮蔽層を形成し、本体100の第5面上のみに遮蔽物質を追加形成することで、キャップ部510の厚さを側壁部521、522、523、524の厚さより厚く形成することができる。他の例として、本体100の第5面がターゲットと向かい合うように本体100を配置した後、遮蔽層500を形成するためのスパッタリングを行うことで、キャップ部510の厚さを側壁部521、522、523、524の厚さより厚く形成することができる。但し、上述の例に本実施形態の範囲が制限されるものではない。
【0103】
図4及び
図5を参照すると、キャップ部510の厚さT
3を側壁部521、522、523、524の厚さT
4より厚く形成した場合において、側壁部520の一端の厚さT
5は側壁部520の他端の厚さより厚いことができる。
【0104】
例えば、キャップ部510と側壁部521、522、523、524をめっきにより形成する場合、本体100の第5面と本体100の第1〜第4面とが連結される本体100の角部、すなわち、側壁部520の一端が形成される領域には、該当領域の角ばった形状によって電流密度が集中され得る。したがって、側壁部520の一端は、側壁部520の他端より相対的に厚い厚さで形成されることができる。他の例として、本体100の第5面がターゲットと向かい合うように本体100を配置した後、遮蔽層500を形成するためのスパッタリングを行うことで、側壁部520の一端が側壁部520の他端より相対的に厚い厚さで形成されることができる。但し、上述の例に本変形例の範囲が制限されるものではない。
【0105】
このようにすることで、本実施形態によるコイル部品3000は、コイル部200が形成した磁場の方向を考慮して効率的に漏れ磁束を減少させることができる。
【0106】
(第4実施形態)
図6は本発明の第4実施形態によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
【0107】
図1から
図6を参照すると、本実施形態によるコイル部品4000は、本発明の第1〜第3実施形態によるコイル部品1000、2000、3000と比較して、カバー層700と外部電極300、400が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1〜第3実施形態と異なるカバー層700と外部電極300、400のみについて説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1〜第3実施形態についての説明がそのまま適用可能である。
【0108】
図6を参照すると、本実施形態に適用されるカバー層700は、遮蔽層500を覆うように本体100の第1〜第6面に形成されることができる。すなわち、カバー層700は外部電極300、400の延長部320、420を覆うことができる。また、
図6を参照すると、本実施形態に適用される外部電極300、400は、カバー層700を貫通して延長部320、420と連結される貫通部330、430をさらに含むことができる。
【0109】
カバー層700は感光性絶縁樹脂を含むことができるが、これに制限されるものではない。カバー層700が感光性絶縁樹脂を含む場合、貫通部330、430が形成される孔は、フォトリソグラフィ工法により形成されることができる。
【0110】
本実施形態の場合、外部電極300、400において、連結部310、410と延長部320、420が銅めっき層を含んで一体に形成され、貫通部330、430がスズとニッケルの少なくとも1つを含むことができる。例えば、貫通部330、430は、延長部320、420と接触するニッケルめっき層と、ニッケルめっき層に形成されたスズめっき層と、を含むことができる。
【0111】
このようにすることで、本実施形態によるコイル部品4000は、遮蔽層500が外部電極300、400及び/または外部電子部品と電気的に連結されることをより効率的に防止することができる。
【0112】
(第5実施形態)
図7aは本発明の第5実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図7bは
図7aのLT平面に沿った断面を示す図である。
【0113】
図1から
図7bを参照すると、本実施形態によるコイル部品5000は、本発明の第1〜第4実施形態によるコイル部品1000、2000、3000、4000と比較して、遮蔽層500の構造が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1〜第4実施形態と異なる遮蔽層500のみについて説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1〜第4実施形態についての説明がそのまま適用可能である。
【0114】
具体的に、本実施形態の場合、遮蔽層500がキャップ部510のみで構成される。
【0115】
本発明の他の実施形態で説明したように、コイル部300は、本体100の厚さ方向(T)に漏れ磁束が最も多く発生する。したがって、本実施形態の場合、本体100の厚さ方向(T)と垂直な本体100の第5面のみに遮蔽層500を形成することで、より簡便且つ効率的に漏れ磁束を遮断することができる。
【0116】
(第6実施形態)
図8aは本発明の第6実施形態によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
図8bは本発明の第6実施形態の変形例によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
【0117】
図1から
図8bを参照すると、本実施形態及び本実施形態の変形例によるコイル部品6000、6000Aは、本発明の第1〜第5実施形態によるコイル部品1000、2000、3000、4000、5000と比較して、遮蔽層500A、500Bが異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1〜第5実施形態と異なる遮蔽層500A、500Bのみについて説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1〜第5実施形態についての説明がそのまま適用可能である。
【0118】
本実施形態の場合、遮蔽層500A、500Bが絶縁層620によって互いに分離された複数の層で構成される。具体的に、遮蔽層500A、500Bは、第2絶縁層620によって互いに分離された第1遮蔽層500Aと第2遮蔽層500Bを含む。
【0119】
第1遮蔽層500Aは本体100の他面である本体の第5面上に配置される。本体100の他面と第1遮蔽層500Aとの間に第1絶縁層610が配置される。
【0120】
第1遮蔽層500Aは磁性体を含むことができる。例えば、第1遮蔽層500Aは、フェライト、パーマロイ、非晶質リボンからなる群から選択される何れか1つ以上を含むことができる。
【0121】
第2遮蔽層500Bは第1遮蔽層500A上に配置され、本体100の複数の壁面のそれぞれ上に配置される。すなわち、第2遮蔽層500Bは上述の本体100の5つの面を遮蔽する構造を有する。
【0122】
第2遮蔽層500Bは導電体を含むことができる。例えば、第2遮蔽層500Bは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される何れか1つ以上を含む金属または合金であることができ、Fe−SiまたはFe−Niであることができる。
【0123】
第2絶縁層620は、第1遮蔽層500Aと第2遮蔽層500Bとの間に配置されるため、第2遮蔽層500Bと同様に、本体100の第1〜第5面上にそれぞれ配置される。すなわち、第2絶縁層620は本体100の6つの面のうち5つの面を覆うように形成される。
【0124】
本実施形態の場合、磁性体を含む第1遮蔽層500Aによる吸収遮蔽効果と、導電体を含む第2遮蔽層500Bによる反射遮蔽効果を両方とも有することができる。すなわち、1MHz以下の低周波数帯では、第1遮蔽層によって漏れ磁束を吸収遮蔽し、1MHz超過の高周波数帯では、第2遮蔽層によって漏れ磁束を反射遮蔽する。したがって、本実施形態によるコイル部品6000は、相対的に広い周波数帯で漏れ磁束を遮蔽することができる。
【0125】
一方、
図8aでは、磁性体を含む遮蔽層が、第1遮蔽層500Aであって導電体を含む遮蔽層500Bの内側に配置されることを示しているが、これは例示的なものに過ぎない。すなわち、
図8bに示された本実施形態の変形例のように、磁性体を含む遮蔽層は、導電体を含む遮蔽層500Aの外側に配置されてもよい。この場合、磁性体を含む遮蔽層は、第2遮蔽層500Bになる。
【0126】
(第7実施形態)
図9は本発明の第7実施形態によるコイル部品の断面を示す図であって、
図1のI−I'断面に対応する図である。
【0127】
図1から
図9を参照すると、本実施形態によるコイル部品7000は、本発明の第1〜第6実施形態によるコイル部品1000、2000、3000、4000、5000、6000と比較して、遮蔽層500の構造が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1〜第6実施形態と異なる遮蔽層500のみについて説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1〜第6実施形態についての説明がそのまま適用可能である。
【0128】
図9を参照すると、本実施形態に適用される遮蔽層500は二重層の構造で形成される。
【0129】
本実施形態の場合、遮蔽層500A、500Bが二重層構造で形成されるため、相対的に本体100に近接して配置された第1遮蔽層500Aを透過した漏れ磁束が、相対的に本体100から離隔配置された第2遮蔽層500Bで遮蔽されることができる。したがって、本実施形態によるコイル部品7000は、漏れ磁束をより効率的に遮断することができる。
【0130】
また、本実施形態の場合、遮蔽層500A、500Bが両方とも本体100の第1〜第5面上にそれぞれ形成された構造で形成される。すなわち、本実施形態の二重の遮蔽層は、両方とも本体の5つの面にわたって形成される。
【0131】
第1及び第2遮蔽層500A、500Bはそれぞれ導電体で形成されることがより好ましいが、これに制限されるものではない。
【0132】
また、本実施形態の場合、絶縁層610、620も複数で形成される。第1絶縁層610は本体100と第1遮蔽層500Aとの間に形成され、第2絶縁層620は第1遮蔽層500Aと第2遮蔽層500Bとの間に形成される。第1及び第2遮蔽層500A、500Bのそれぞれが本体100の第1〜第5面上に形成されるため、第1及び第2絶縁層610、620は両方とも本体100の第1〜第5面上に配置される。
【0133】
第1遮蔽層500Aと第2遮蔽層500Bとの間に形成された第2絶縁層620は、第2遮蔽層500で反射されたノイズのウェーブガイドとして機能することができる。
【0134】
(変形例)
図10aから
図12は本発明の第1〜第3変形例を概略的に示した図である。具体的に、
図10aは第1変形例によるコイル部品の斜視図であり、
図10bは
図10aのLT平面に沿った断面を示す図であり、
図10cは
図10aのWT平面に沿った断面を示す図である。
図11aは第2変形例によるコイル部品の斜視図であり、
図11bは
図11aのLT平面に沿った断面を示す図であり、
図11cは
図11aのWT平面に沿った断面を示す図である。
図12は第3変形例によるコイル部品を概略的に示す図であって、
図1のI−I'線に沿った断面に対応する図である。
【0135】
図10aから
図12を参照すると、本発明によるコイル部品は、外部電極の形状が変更された様々な第1〜第3変形例1000A、1000B、1000Cを有することができる。
【0136】
具体的に、
図10aから
図10cを参照すると、本発明の第1変形例によるコイル部品1000Aは、外部電極300、400が、連結部310、410から本体100の第5面に延びたバンド部340、440をさらに含む。例えば、第1外部電極300は、第1連結部310から本体100の第5面に延びた第1バンド部340をさらに含む。すなわち、本変形例の場合、外部電極300、400が「コ」字状に形成される。
【0137】
図11aから
図11cを参照すると、本発明の第2変形例によるコイル部品1000Bは、外部電極300、400が連結部310、410から本体100の第3〜第5面のそれぞれに延びたバンド部340、440を含む。例えば、第1外部電極300は、第1連結部310から本体100の第3〜第5面のそれぞれに延びた第1バンド部340をさらに含む。すなわち、本変形例の場合、外部電極300、400が5面の電極で形成される。
【0138】
図12を参照すると、本発明の第3変形例によるコイル部品1000Cは、外部電極300、400が本体100の第6面のみに形成される。この場合、第1コイルパターン211と第2コイルパターン212の各端部は、本体100の第1及び第2面に露出するのではなく、本体100の第6面にそれぞれ露出して第1及び第2外部電極300、400と連結される。第2コイルパターン212の端部は、内部絶縁層IL及び本体100を貫通して本体100の第6面に露出することができる。
【0139】
図13は本発明の第4変形例を概略的に示した図である。
【0140】
本発明によるコイル部品は、コイル部200の形態が変更された第4変形例1000Dを有することができる。
【0141】
具体的に、
図13を参照すると、本変形例によるコイル部200は、複数のコイルパターン211、212、213が本体の厚さ方向(T)に沿って積層された構造で形成される。ここで、複数のコイルパターン211、212、213は、本体の厚さ方向(T)に形成された連結ビア(不図示)によって連結されて1つのコイル部200を構成する。
【0142】
本変形例は、本発明の第1実施形態の内部絶縁層と絶縁膜を含まないことができる。
【0143】
本変形例において、本体100は、後述のコイル部200を形成する導電性ペーストが塗布された磁性複合シートを複数積層することで形成されることができる。この際、本体を構成する磁性複合シートの少なくとも一部には、連結ビアを形成するためのビアホールが加工されることができる。ビアホールには、コイル部と同様に導電性ペーストが塗布されて形成されることができる。
【0144】
一方、図示していないが、本発明の変形例には、本体の第6面に垂直に形成された各コイルパターンが本体の長さ方向または幅方向に順次積層されて形成されたコイル部を有するコイル部品も含まれる。
【0145】
また、
図10aから
図13では、本発明の変形例1000A、1000B、1000C、1000Dを示すにあたり、本発明の第1実施形態を基準として示したが、本発明の第2〜第7実施形態にも上述の変形例が同様に適用可能である。
【0146】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想から外れない範囲内で、構成要素の付加、変更、または削除などによって本発明を多様に修正及び変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれるとすべきである。