特許第6590380号(P6590380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590380
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】芳香剤の触媒拡散のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/03 20060101AFI20191007BHJP
   B65D 51/18 20060101ALI20191007BHJP
   B65D 41/04 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   A61L9/03
   B65D51/18
   B65D41/04
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-545225(P2017-545225)
(86)(22)【出願日】2015年11月30日
(65)【公表番号】特表2018-507726(P2018-507726A)
(43)【公表日】2018年3月22日
(86)【国際出願番号】FR2015053267
(87)【国際公開番号】WO2016135388
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】1551583
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514217521
【氏名又は名称】プロデュイ ベルジェ
【氏名又は名称原語表記】PRODUITS BERGER
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】ショレ,ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラール,コリンヌ
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−111199(JP,A)
【文献】 特表2010−503441(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0153519(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0291400(US,A1)
【文献】 特開平10−318539(JP,A)
【文献】 特開平07−275335(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第02166653(FR,A5)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00− 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置(1)であって、基部(8)を有するとともに芳香剤または活性物質を含む液体(3)を収容するボトル(2)と、前記基部に装着された触媒燃焼バーナ(6)と、前記バーナに取り付けられるとともに前記液体に部分的に浸された毛管芯(4)と、前記基部に取り外し可能に装着されるとともに前記バーナを覆う閉鎖キャップ(7;700;710)とを含み、前記キャップが、前記基部の頂部(81)の周縁に当接するシール手段(12;1200;1131;1022)を含み、
前記シール手段が、前記基部の頂部の周縁に合致する形状を有するシール(12;1200)を含み、
前記キャップが、
耐熱材料で作製されたカバーと、
前記耐熱材料から成る前記カバーに内嵌されたインサート(11;1100;1120;1130;1140)であって、前記シールを受け入れて保持するためのハウジング(112;1102)を有するインサートと、
を含む
ことを特徴する、装置。
【請求項2】
前記インサートが、中空であるとともにバーナ頭部の下から前記ボトルに向かって延びることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記キャップが、段付きフランジ(71;701、702)を含むことを特徴とする、請求項またはに記載の装置。
【請求項4】
前記キャップが、前記インサートの上面と耐熱材料から成る前記カバーとの間にシール要素(10;100)を含むことを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記バーナと前記基部との間に位置決めされたバーナ支持体(13)を更に含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲環境調整の分野に関する。より詳細には、本発明は、触媒作用による芳香剤または活性物質(例えば、殺虫剤など)の拡散のための可搬型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雰囲気芳香剤または活性物質を拡散させるための、触媒燃焼ランプとしても公知な、触媒作用による芳香剤の拡散のための装置の使用が公知である。従来、このようなランプは、
−芳香剤を含む液体材料を受け入れるのにもしくは活性物質を収容するのに好適な容器またはボトルと、
−毛管現象により液体材料が引き上げられる芯を含む触媒燃焼バーナと、
−バーナを基部に位置決めできるようにバーナと共に組み付けられた支持体と、
−容器と一体であり得る、バーナを位置決めするための金属基部と、
−ランプに外嵌された時点でバーナへのアクセスを防ぐとともにバーナの周りに換気をもたらす孔開き保護具と、
−バーナ及び基部上に載置されるように位置決めされたスナッファであって、これにより触媒燃焼が停止され得る、スナッファを含む。
【0003】
したがって、このようなランプは、毛管現象により芯を上る液体材料の触媒作用により環境芳香剤または活性物質を拡散させる。
【0004】
しかしながら、これらのランプは、ランプに液体材料が充填された場合に輸送が困難であるという欠点を有し、これは思わしくない。実際に、バーナおよび基部の上に載置されるように位置決めされたスナッファは、装置に漏れがないことを確実にするものではなく、また、ランプを大気圧下に置くために基部が孔を有しかつ基部上にバーナ支持体を位置決めすることにより隙間嵌めが形成されるので、液体材料がスナッファ内に溜まり、スナッファと基部との間を流れ、次いで、基部およびランプに沿って流出する場合がある。この材料は可燃性であり得るので、そのような可能性を、安全上の理由から、また清潔さの観点から構想に入れることはできない。
【0005】
更に、触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のためのそのようなランプは、充填された時点でランプが収容する液体材料を流出させないようにランプを略平坦な水平面に位置決めしなければならないので、輸送可能ではない。それゆえ、当然ながら、ランプを横積みすることができず、さもなければ収容された液体が流出し、これは思わしくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特に、従来技術の欠点を少なくとも部分的に克服するという目的を有する。
【0007】
特に、本発明の少なくとも一実施形態の1つの目的は、(作動時にのみ装置に漏れがあるので)装置の輸送中には比較的漏れがなくかつ使用者に十分な安全性をもたらす、触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置を提供することである。
【0008】
少なくとも一実施形態の別の目的は、充填された時点で液体の流出のリスクを全く伴わずに容易に輸送できかつ使用中に液体の流出なしに輸送後に全く安全に使用できるような装置を提供することである。
【0009】
別の目的は、使用が簡単でかつ実装が安価であるような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的、および以下で明らかになるその他の目的は、触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置であって、基部を有するとともに芳香剤または活性物質を含む液体を収容するボトルと、基部に装着された触媒燃焼バーナと、バーナに取り付けられるとともに液体に部分的に浸された毛管芯と、基部に取り外し可能に装着されるとともにバーナを覆う閉鎖キャップとを含み、キャップが、基部の頂部の周縁に当接するシール手段を含む、装置により達成される。
【0011】
したがって、基部の頂部の周縁に当接するシール手段を設けることにより、基部とバーナとの間の芳香剤または活性物質を含む液体の流出がキャップ内に留められ、その後、装置が垂直な作動位置に戻された時点で液体がボトルに戻されるという効果がもたらされる。結果として、キャップが開放されたときに、基部のおよびバーナの外側に液体の残留がなく、これにより、基部およびバーナが清潔であることを確実にするとともに、装置が点火されたときのリスクを回避する。
【0012】
有利には、但し任意選択で、本発明に係る装置は、以下の追加の技術的特徴の少なくとも1つを有する。
−シール手段は、基部の頂部の周縁に合致する形状を有するシールを含む。
−キャップは、シールを受け入れて保持するためのハウジングを含む。
−シール手段は、基部の頂部の周縁に当接するシールリップを含む。
−キャップは、耐熱材料で作製されたカバーを含む。
−キャップは、耐熱材料から成るカバーに内嵌されたインサートを含む。
−インサートは、中空であるとともにバーナ頭部の下からボトルに向かって延びる。
−外筒は段付きフランジを含む。
−キャップは、インサートの上面と耐熱材料から成るカバーとの間にシール要素を含む。
−装置は、バーナと基部との間に位置決めされたバーナ支持体を更に含む。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、単に簡単な例示的かつ非限定的な例として与えられた実施形態および変形例の以下の説明と添付図面とを読み取ることでより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る、触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置の断面図である。
図2図1の詳細IIの断面図である。
図3】本発明に係る装置用のキャップの変形形態の断面図である。
図4図2または図3のキャップ用のインサートの変形形態の断面図である。
図5】本発明に係る装置用のキャップの第2の変形形態の断面図である。
図6】本発明に係る装置用のキャップの第3の変形形態の断面図である。
図7図6のキャップの変形形態の断面図である。
図8】本発明に係る装置用のキャップの第4の変形形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照しながら、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1について説明する。本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1は、所定量の液体3を収容するように意図されたボトル2を含む。液体3は、好適な溶媒中に混合された、分子の形態の芳香剤または活性物質を含む。本発明に係る
触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1のための液体は、それ自体が公知である。本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1は、ボトル2の首部において、シール9を備えたボトルの首部に装着された基部8を含む。本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1は、基部8の頂部に触媒燃焼バーナ6を含む。バーナは、毛管芯4の一端に外嵌され、毛管芯4の他端はボトル2内に収容された液体3に浸される。本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1を閉鎖するために、装置は、バーナ6を覆うように基部8に取り外し可能に装着されたキャップ7を更に含む。最後に、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1は、本発明に係る触媒作用による芳香剤の拡散のための装置1が作動しているときにバーナ6を保護する孔開きフード5を含む。
【0016】
図2を参照しながら、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1の頭部についてより詳細に説明する。基部8は、ボトル2の首部21に取り付けられる。基部8は、肩部84とボトル2の首部21の上面との間に嵌合された環状シール9に当たる肩部84を含む。そして、基部8の一端85は、ボトル2の首部21に折り重ねられる。肩部84には、ねじ山86を含む回転円筒状の第1の部分が上に載せられ、次いで、回転円筒状の第1の部分の直径よりも小さな直径を有する回転円筒状の第2の部分が上に載せられる。回転円筒状の第2の部分は、ここでは径方向外側にある周縁であって、それゆえ、回転円筒状の第2の部分の壁に沿って位置する周縁を有する頂部81で終端する。頂部81は、丸みを帯びた凸形状を有する。基部8は、回転円筒状の第1および第2の部分と同軸である回転円筒状の第3の部分83を接合するための、頂部81から始まって基部8の内部に向かって延びる円錐台形状部分82を有する。回転円筒状の第3の部分83の下端は、ボトル2内に延びる。したがって、液体3が円錐台形状部分82に存在する場合に、液体3は、重力によりこの円錐台形状部分82に沿って内部に向かい、次いで、回転円筒状の第3の部分83に沿って流れ、最終的にボトル2内に落下する。
【0017】
基部2は、ここでは、アルミニウムまたはアルミニウムの合金などの金属薄板を変形させることにより作製される。
【0018】
本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1の頭部は、基部8に取り外し可能に装着されたキャップ7を含む。キャップ7は、回転円筒状の一般的な形状を有するとともに、内向きフランジ75で終端する下部分74と、キャップ7の回転円筒状の形状を上から閉鎖する平坦面72で終端する上部分71とを含む。図2に図示する実施形態では、2つの部分、下部分74と上部分71の直径が同じではない(上部分71の直径が下部分74の直径よりも小さい)ので、下部分74は、肩部73を介して上部分71に連結される。上部分71および下部分74は、基部8と同じ耐熱材料から成る薄い変形したシートで作製される。この耐熱材料から成るシートは、耐熱材料から成るシートとバーナとの間の距離に応じて、金属またはアルミニウムまたはアルミニウムの合金である。変形例として、上部分71および下部分74は、キャップとバーナとの間の距離が熱可塑性材料での製造を許容する場合には、熱可塑性材料で製造される。したがって、組立体は、耐熱材料から成るカバーを形成する。
【0019】
キャップ7は、キャップ7の下部分74に内嵌されたインサート11を更に含む。インサート8は、底部では内向きフランジ75によりかつ頂部では第1のシール10を介して肩部73によりキャップ7内に保持される。この第1のシール10は、キャップ7の金属部とインサート11との間の液体3のいかなる漏れも防止する。インサート11は、回転円筒状であるとともに上端から下端まで中空である形状を有する。上端から、インサートは、カップの形態の凹状円形開口部111と、円形溝112を含む首部と、ねじ部分116とを含む。ねじ部分116は、図2に図示するように、本発明に係る触媒作用による芳香剤の拡散のための装置1の頭部における適所にキャップ7を保持するために基部8のね
じ山86と嵌合するように意図される。インサート11は、熱可塑性材料などの、熱耐性があるプラスチック材料であって、使用される液体3に耐性があるプラスチック材料で作製される。
【0020】
溝112は、第2のシール12を収納する。第2のシール12は、環状形状を有するとともに、丸みを帯びた帽子の形態の凸状径方向内側部分121と、水平フランジを形成する径方向外側部分122とを含む。溝112は、水平フランジ122と径方向内側部分121の上面とに合致する形状を有する。したがって、キャップ7が基部8に装着されたときに、径方向内側部分121の下面は、基部8の丸みを帯びた頂部81上に載置されて丸みを帯びた頂部81に合致し、丸みを帯びた頂部81の形状は、第2のシール12の径方向内側部分121の下面に合致する。キャップ7が基部8に螺合された時点で、容積が、キャップ7の上部分71と、第1のシール10と、インサート11の上部分と、第2のシール12とにより境界が定められる。この容積は、バーナ頭部6を収納するとともに、外部に対してシールされる。したがって、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1がひっくり返されたかまたは水平位置に配置された場合に、液体3が前記容積内を流れ、設けられたシールによって容積内に留められる。本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1が垂直な使用位置に戻された時点で、前記容積内に存在する液体3は、ボトル2の筐体内に戻る、つまり、重力により基部8の円錐台形状部分82に沿って内部に向かい、次いで、基部8の回転円筒状の第3の部分83に沿って流れ、最終的にボトル2内に落下する。したがって、使用者は、キャップ7を取り外して、危険を伴うことなくバーナに点火することができる。
【0021】
図2に図示するように、バーナ6は、基部8に差し込まれるとともに、基部8により保持される。バーナ6は、ここでは、バーナ6と基部8との間の境界として機能するバーナ支持体13内に位置決めされる。バーナ6およびバーナ支持体13は、これら自体が当業者には周知であるので、ここでは更に説明しない。同じことが孔開き保護具5にも当てはまる。本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1が垂直な使用位置に戻された時点で、液体の一部がバーナ支持体13とバーナ6との間をボトル2の筐体に向かって流れることができることに留意すべきである。
【0022】
ここで図3を参照しながら、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1のキャップ700の第1の変形形態について説明する。キャップ700は、下部分74を上部分71に連結する部分においてのみ先述のキャップ7と異なる。つまり、キャップ700は、環状でもある凸状突起702により取り囲まれた水平な環状リム71を含む。突起702は内部に、第1のシールの変形形態100を受け入れるための溝を形成する。キャップ700の他の要素はキャップ7の要素と同一であり、これら要素について繰り返し説明しない。キャップ700は、先述のインサート11を含む。
【0023】
ここで図4を参照しながら、インサート1100および第2のシール1200の変形形態について説明する。インサート1100はまた、キャップ7およびキャップ700の両方に装着されてもよい。インサート1100は、溝112が逆さまのカップの形態の中空凹部1102に置き換えられる点において、先述のインサート11とは異なる。第2のシール1200は、相補的な形状を有するとともに、先述の第2のシール12の丸みを帯びた帽子の形態の凸状径方向内側部分121と同様の、丸みを帯びた帽子の形態の上凸部分1201が上に載せられた回転円筒状の壁1202を含む。キャップ7または700内に装着されるインサート1100が使用される場合に、第2のシール1200の内面は、基部の丸みを帯びた頂部81上に載置されて丸みを帯びた頂部81に合致し、回転円筒状の壁1202は、頂部81の真下に位置する基部8の径方向外側壁の径方向外側面と接触する。
【0024】
ここで図5を参照しながら、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1のキャップ710の第2の変形形態について説明する。キャップ710は、下部分と上部分の直径が同じであるので、2つの部分を連結する部分なしに上部分の延在部にある上部分を含む。キャップ710はインサート1120を有し、このインサート1120の下部分は先述のインサート11と同一である(変形例として、この下部分が先述のインサート1100と同様であってもよい)。インサート1120は、インサート11の凹状円形開口部111と同様の形状の凹状カップ1121を含む。ここでは、このカップ1121は、回転円筒状の壁1124により上方に延出されるとともに、水平な壁1122により頂部が閉鎖される。溝1123は、回転円筒状の壁1124に水平な壁1122の真下に位置する。スリーブ1000は、溝1123に内嵌される。この目的で、スリーブ1000は、溝1123に収納されたリム1003を有する。スリーブ1000は、回転円筒状の壁1002であって、回転円筒状の壁1124に対向して延びるとともに壁1124と接触する壁1002を含む。キャップ710のこの変形形態の使用は、キャップ7および700のこれまでの使用と同一である。
【0025】
ここで、図6に図示する本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1のキャップ710に用いることを意図されたインサート1130の変形形態について説明する。この変形形態において、インサート1130は、基部8のねじ山86と協働するように意図されたねじ山116を含む下部分を含む。このねじ山116の上方に、インサート1130は、内部に向かって求心的に突出するように延びる環状形状の変形可能なシールリップ1131を含む。このシールリップ1131の上方に、インサートは、回転円筒状の壁1124であって、水平な閉鎖壁1122が上に載せられた溝1123で終端する壁1124を含む。スリーブ1010は、溝1123に内嵌される。この目的で、スリーブ1010は、溝1123に収納されたリム1003を含む。
【0026】
スリーブ1010は、回転円筒状の壁1002であって、インサート1130の回転円筒状の壁に対向して延びるとともに壁と接触する壁1002を含む。スリーブ1010の回転円筒状の壁1002は、カップの形態の凹状リム1011を介して、次いで回転円筒状の第2の壁1012を介して下方に延びる。回転円筒状の第2の壁1012の下端に、スリーブ1010は、環状ストッパ1013を含む。
【0027】
インサート1130を含むキャップ710が基部8に螺合されたときに、シールリップ1131がインサート8の丸みを帯びた頂部81に当たる。螺合が続くにつれて、シールリップ1131は、シールリップ1131がスリーブ1010の環状ストッパ1013と接触するまで、頂部81との当接の結果として変形する。したがって、シールは、シールリップ1131と基部8との間に作成される。
【0028】
図7は、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1のキャップ710に用いることを意図された、先述のインサートの変形形態1140を図示している。この変形形態のインサート1140は、同じ材料から成る単一片を形成するようにインサート1140が先のインサート1130とスリーブ1010とを一体的に含む点において、図6に図示した先のインサートとは異なる。他の特徴も同じである。
【0029】
図8を参照しながら、本発明に係る触媒作用による芳香剤または活性物質の拡散のための装置1のキャップ710用に意図されたインサート1150の別の変形形態について説明する。この変形形態において、インサート1150は、基部8のねじ山86と協働するように意図された、ねじ山116を含む下部分を含む。このねじ山116の上方に、インサート1150は、回転円筒状の壁1124であって、水平な閉鎖壁1122が上に載せられた溝1123で終端する壁1124を含む。スリーブ1020は、溝1123内に装着される。この目的で、スリーブ1020は、溝1123に収納されたリム1003を有
する。リム1003の平面において、スリーブ1020は、インサート1150の水平な壁1122に対向して延びるとともに壁1122と接触する水平な閉鎖壁1021を含む。スリーブ1020は、回転円筒状の壁1002であって、インサート1150の回転円筒状の壁1124に対向して延びるとともに壁1124と接触する壁1002を含む。スリーブ1020の回転円筒状の壁1002は、シールリップを形成する求心性の環状リム1022において下端が底部側で終端する。
【0030】
インサート1150を含むキャップ710が基部8に螺合されたときに、環状リム1022が基部8の丸みを帯びた頂部81に当たる。したがって、シールは、環状リム1022と基部8との間に設けられる。また、キャップ710が螺合されると、スリーブ1020の水平な壁1021が、図8に図示するように、バーナ6の頂部に当たる。
【0031】
説明してきた全ての実施形態において、インサートは、以下の方法のうちの1つでキャップ内に装着されてもよい。
−インサートがキャップ内に接着される。
−インサートがキャップ内に押し込まれる。
−キャップにインサートが圧着される。
【0032】
変形形態として、キャップおよびインサートは、これらが装着された時点で一方の他方に対するいかなる回転運動も防止するためのリブを有する。
【0033】
追加の変形形態として、キャップが熱可塑性材料で作製される状況では、インサートは、キャップと同じ材料を有し、これにより単一の連続片を形成する。
【0034】
当然ながら、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変更が本発明に加えられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8