(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の距離画像生成装置は、例えば、広い距離測定範囲が要求される車両前方等に備えられる車両周辺監視システムに使用される場合には、背景光等の外乱に対してもS/N比を高めるために、光出力を増加させることが必要である。しかしながら、光出力を増加させると、消費電力並びに発熱量が増加することに加えて、熱により誘発されるノイズ等の影響が大きくなり、測定距離精度が低下するという問題がある。
【0006】
また、広い距離測定範囲が要求される距離画像生成装置の場合、距離画像生成装置内に複数の光源を設けると、個々の光源の位置の相違によって測定対象物と距離画像生成装置の間で光飛行時間に誤差が生じ易くなり、測定距離精度が劣化するという問題がある。
【0007】
本発明は、投光部に複数の光源を用いる場合でも、消費電力及び発熱量を抑制するとともに、広い測定距離範囲での距離測定精度、特に短距離範囲での距離測定精度を向上させる距離画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明
の距離画像生成装置は、
対象空間に変調光を照射する複数の光源を有する投光部と、
前記複数の光源を駆動する駆動信号を生成する制御部と、
前記投光部から照射され前記対象空間内の対象物で反射した反射光を含む光を受光する受光部と、
前記駆動信号と前記受光部で受光した光とに基づいて前記対象物までの距離値を演算する演算部と、
距離値を画素値とする距離画像を生成する距離画像生成部とを備え、
前記投光部は、前記受光部の周りに少なくとも1つの光源が配置される第1領域と、前記第1領域において前記受光部と反対側の縁部から広がる第2領域とを備え、
前記制御部は、
前記投光部の各光源を駆動する駆動回路を備え、当該駆動回路は、前記第1領域の光源のみを点灯する部分点灯状態とする駆動信号の生成と、前記第1領域及び前記第2領域の光源の全てを点灯し得る全点灯状態とする駆動信号の生成とを、選択的に行えるように構成され、
前記演算部は、
前記全点灯状態で、前記対象物までの概算的な一次距離を算出する一次演算と、
前記一次距離と所定の閾値とを比較した結果に基づいて前記全点灯状態と前記部分点灯状態のいずれの状態で前記投光部を点灯するかを決定する光源点灯状態指示信号を、前記制御部に送信するフィードバックする点灯状態選択処理と、
前記一次演算の後に、前記対象物までの二次距離を前記距離値として算出する二次演算とを行うように構成され、
前記一次演算により算出した前記一次距離が前記閾値を超える場合には、前記光源点灯状態指示信号に基づいて、前記制御部が前記投光部を前記全点灯状態にして、前記演算部が前記二次演算を行い、
前記一次演算により算出した前記一次距離が前記閾値以下の場合には、前記光源点灯状態指示信号に基づいて、前記制御部が前記投光部を前記部分点灯状態にして前記演算部が前記二次演算を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記の構成により次のような作用効果を奏する。まず、測定開始に際し、対象空間における測定対象物の有無を確認すると共に測定対象物までの距離を概算するための一次処理を行う。但し、一次処理は、測定対象物の存在と、測定対象物までの概算的な距離が分かっている場合には、不要である。
【0010】
具体的には、最初に、投光部の複数の光源全てを点灯させ、演算部により対象物までの距離値が演算される。そして、制御部により、距離値が所定の閾値を超える場合(非近距離の場合)は、複数の光源全てを点灯するように駆動信号が生成され、距離値が所定の閾値以下の場合(近距離の場合)は、複数の光源の一部を点灯するように駆動信号が生成される。制御部で生成された駆動信号に基づいて、投光部は、非近距離の場合には、複数の光源全てを点灯し、近距離の場合には、複数の光源の一部を点灯する。
【0011】
本発明によれば、上記のように、測定対象物までの距離が非近距離である場合、複数の光源全てを点灯するので、例えば、背景光が増加する屋外で距離画像生成装置が用いられる場合でも、投光部から照射される光の出力を十分確保でき、S/N比を良好に保つことができる。従って、距離画像生成装置内に複数の光源を設けた広い距離測定範囲を有する距離画像生成装置を提供することができる。一方、測定対象物までの距離が近距離である場合、複数の光源の一部を点灯するので、消費電力及び発熱量を抑制することができ、熱により誘発されるノイズ等の影響を低減し、測定距離精度の低下を抑制するとともに、距離画像生成装置の寿命を長くすることができる。
【0013】
本発明によれば、距離値が所定の閾値以下の場合は、受光部の周りの第1領域内の光源を点灯するので、測定対象物までの距離が近距離であっても、S/N比の低下を抑制できる。
【0014】
さらに、本発明において、前記受光部は撮像素子を含み、前記撮像素子は、前記投光部から照射され前記対象空間内の対象物で反射した反射光を含む光を受光し、受光した光量に応じた電荷に変換する複数の光電変換素子を有し、前記演算部は、前記駆動信号に同期して前記光電変換素子で変換した電荷を複数の電荷蓄積部に振り分け、前記電荷蓄積部に蓄積された電荷に基づいて前記対象物までの距離値を演算することが好ましい。
【0015】
距離画像生成装置は、距離画像の画素毎に対象物までの距離値を生成するために、画素毎に対応して光電変換素子を有する撮像素子を受光部に備える。
【0016】
投光部は、例えば、距離画像生成装置を灯具類と併存させる場合、デザイン及び放熱構造の制約により、受光部の撮像素子近傍で撮像素子を囲むように配置することが困難なことがある。この場合、個々の光源の位置によって、各光源から測定対象物を介して撮像素子までの距離に差異が生じ、測定対象物と距離画像生成装置の間で光飛行時間に誤差が生じ易くなり、測定距離精度が劣化する。
【0017】
本発明によれば、複数の電荷蓄積部を1つの光電変換素子に接続し、高周波で変調した光あるいはパルス発光する光(以下、「変調光」という。)をその変調や発光時間に同期して複数の電荷蓄積部に分離蓄積し、一定時間毎に分離蓄積した電荷を読み出して平均化することによりS/N比を高めることができる。従って、複数の電荷蓄積部に分離蓄積した電荷に基づいて測定距離精度を向上させることができる。
好ましくは、本発明の距離画像生成装置において、
前記一次演算は、前記電荷蓄積部に蓄積される電荷を振り分ける一次電荷蓄積時間が、前記閾値の距離を検出可能なS/N比が得られる時間に設定されており、前記一次電荷蓄積期間経過後に、前記電荷蓄積部に蓄積された電荷に基づいて前記対象物までの距離値を演算し、
前記二次演算は、前記電荷蓄積部に蓄積される電荷を振り分ける二次電荷蓄積時間が、当該距離画像生成装置の最大距離を検出可能なS/N比が得られる時間に設定されており、前記二次電荷蓄積期間経過後に、前記電荷蓄積部に蓄積された電荷に基づいて前記対象物までの距離値を演算する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示されるように、本発明の実施形態の距離画像生成装置100は、複数の光源12を有する投光部10と、複数の光源12を駆動する駆動回路22を有する制御部20と、測定対象物200からの光を受光する受光部30と、対象物200までの距離値を演算する演算部40と、距離値を画素値とする距離画像を生成する距離画像生成部50とを有して構成される、光飛行時間計測法を用いて距離画像を生成する装置である。
【0020】
尚、距離画像生成装置100は、CPU、メモリ、及び記憶装置等を備える。制御部20、受光部30、演算部40、距離画像生成部50は、CPUが、予め記憶装置に格納されたプログラムを、メモリにロードして実行することにより実現される。
【0021】
図2に示されるように、本実施形態の距離画像生成装置100は、光を照射する方向の投光部10の面が、内部、例えば中央部に受光部30が配置されるように矩形状に形成されている。
【0022】
投光部10は、近赤外光を出射するLED等の高速変調が可能な複数の光源12を有する。各光源12は、後述する制御部20で生成される駆動信号と同じ波形の変調光(例えば、正弦波、矩形波等で高速に変調した赤外光又は可視光)101を、対象物が存在する対象空間に照射する発光源である。尚、本実施形態では、制御部20はパルス状の駆動信号を生成するものとして、以下説明する。
【0023】
本実施形態の投光部10は、
図2に示されるように、投光部10内部に配置された受光部30(内部に撮像素子32を含む)に隣接する周囲に6個の光源12が配置された第1領域10A(
図2において、略円形の破線で囲まれた領域)と、第1領域10Aにおいて受光部30と反対側の縁部から広がり、42個の光源12が配置された第2領域10B(破線と投光部10の外周とで挟まれた領域)とに領域分割されている。
【0024】
尚、光を照射する方向の投光部10の面の形状は矩形状に限定されず、円形状、楕円形状、三角形状、台形状等、様々な形状に形成可能である。例えば、距離画像生成装置100を灯具類と併存させることが要求された場合、投光部10に対する灯具デザイン及び放熱構造等の制限を受けるが、当該制限に応じた種々の形状に形成可能である。
【0025】
一例として、
図3に示されるように、光を照射する方向の投光部10’の面を長尺状に形成し、投光部10’及び受光部30’のデザイン制限から、光源12を二列に整列させたライン状に配置してもよい。
【0026】
投光部10’は、受光部30’(受光部30’内部に撮像素子32’を含む)が光を照射する方向の投光部10’の面の略中央部に配置され、受光部30’に隣接する周囲に、8個の光源12が配置された第1領域10A’(
図3において、略円形破線で囲まれた領域)と、受光部30’から離れる方向に第1領域10A’の縁部に隣接し、24個の光源12が配置された第2領域10B’(破線と投光部10’の外周とで挟まれた領域)とに領域分割されている。
【0027】
また、投光部10は、測定対象物までの距離が近距離である場合に、第1領域10Aの光源12から照射される光に基づいて距離値を演算できれば、受光部30の撮像素子32に隣接する周囲の第1領域10A以外の領域を複数の領域に領域分割してもよい。
【0028】
制御部20は、投光部10の各光源12を駆動する駆動回路22を備え、投光部10、受光部30及び演算部40の動作制御を行う。
【0029】
制御部20は、複数の光源12を駆動するパルス状の駆動信号を生成制御するとともに、投光部10内の各光源12を点灯/非点灯接続を決める選択信号を駆動回路22に入力する。パルス状の駆動信号を用いて駆動された各光源12は、パルス状の駆動信号と同じ波形の変調光101を対象空間に照射する。また、制御部20は、受光部30及び演算部40に変調光101の変調周波数に同期する同期信号を送信する。
【0030】
図1に示されるように、駆動回路22は、選択信号により、図示しない駆動電源を投光部10の各光源12に選択的に接続可能に構成されている。従って、制御部20は、選択信号を駆動回路22に入力することによって、投光部10の第1領域10A及び第2領域10Bの光源12を選択的に点灯することができる。例えば、測定対象物までの距離が近距離の場合、第1領域10Aの光源12のみを点灯し(部分点灯状態)、測定対象物までの距離が非近距離の場合、第1領域10A及び第2領域10Bの光源12の全てを点灯し得る(全点灯状態)。
【0031】
受光部30は、光源12から照射された変調光101が対象空間内の測定対象物200で反射された反射光を含む入射光102を受光し、電荷に変換する撮像素子32を備える。撮像素子32は、入射光102を受光し、受光量を画素毎の電荷量に変換する複数の光電変換素子34と、各光電変換素子34により得られた電荷量を光電変換素子34毎に蓄積する2つの電荷蓄積部36A,36Bとを備える。尚、光電変換素子34ごとの電荷蓄積部の数は2つに限定されず、2以上であればよい。
【0032】
光電変換素子34は、測定対象物200により反射された反射光を含む入射光112を電荷量に変換する。そして、得られた電荷量を、制御部20からの同期信号に従って、各光電変換素子34に対応付けて設けられた2つの電荷蓄積部36A,36Bそれぞれに振り分ける。本実施形態では、変調の1周期を2等分した期間毎に、2つの電荷蓄積部36A,36Bに振り分ける。尚、電荷蓄積部36A,36Bには、電荷量そのものを蓄積するだけでなく、電荷量をAD変換後のデータを蓄積してもよい。
【0033】
演算部40は、各電荷蓄積部36A,36Bに振り分けられた電荷に基づいて後述する演算を行い、制御部20からの同期信号を用いて、変調光101と入射光102との位相差を算出し、その位相差に基づいて画素毎に測定対象物までの距離値を演算する。
【0034】
尚、本実施形態の演算部40は、まず、投光部10による全点灯状態で、電荷振り分けによる電荷蓄積期間を短縮し、計測対象物までの概算的な一次距離を測定する一次演算を行う。演算部40は、一次演算により測定された一次距離と、予め設定された一定値(閾値距離)とを比較した結果に基づいて、全点灯状態と部分点灯状態のいずれの状態で点灯するかを決定する光源点灯状態指示信号を、制御部20にフィードバックする。
【0035】
そして、光源点灯状態指示信号に従い、制御部20により一次演算後の光源12の点灯状態を全点灯状態と部分点灯状態のいずれかの状態に設定した後、演算部40は、測定距離の精度を向上させるための電荷振り分けを行う電荷蓄積時間を用いて、計測対象物までの精度向上した二次距離を算出し、画素ごとに算出された二次距離からなる距離情報を生成する二次演算を行う。
【0036】
距離画像生成部50は、演算された距離値を画素値とする距離画像を生成する。
【0037】
次に、
図4を用いて、本実施形態の距離画像生成装置100の距離測定処理を説明する。
【0038】
[一次演算処理]
まず、測定対象物200までの概算的な一次距離を測定する一次演算を行うために、第1領域10A及び第2領域10B内の光源12全てを点灯する全点灯状態で、投光部10から測定対象物200を含む対象空間に変調光101を照射する(S10)。具体的には、制御部20は、光源12を駆動するパルス状の駆動信号を生成し、光源12の点灯状態が全点灯状態になるように選択信号とともに駆動回路22に入力し、対象空間に変調光101を照射する。
【0039】
次に、受光部30の撮像素子32により、全点灯状態で、投光部10から照射された光が測定対象物200で反射した反射光を含む入射光102を受光する。そして、撮像素子32の各画素の光電変換素子34により、電荷に変換され、制御部20から受光部30に入力された同期信号に基づいて、変換された電荷を各電荷蓄積部36A,36Bに振り分ける(S11)。
【0040】
尚、本実施形態では、全点灯状態での電荷振り分けを行う電荷蓄積期間を短縮するため、電荷蓄積部36A,36Bに電荷を振り分ける一次電荷蓄積時間(電荷振り分けを繰り返す時間)が、所定の短距離(閾値距離)を検出可能なS/N比を保証できる短時間に設定されている。
【0041】
次に、演算部40により、測定対象物200までの概算的な一次距離を測定する一次演算が行われる。(S12)。具体的には、一次電荷蓄積期間経過後、受光部30から演算部40に、電荷蓄積部36A,36Bそれぞれに振り分けられて蓄積された電荷の電荷量Q1,Q2が出力される。そして、演算部40により、電荷量Q1,Q2の値と、制御部20から入力された同期信号を用いて、画素ごとに算出された測定対象物200までの距離値からなる距離情報を生成し、測定対象物までの最短距離を一次距離mLとして決定する。
【0042】
尚、距離値は、全電荷量“Q1+Q2”に対するQ1或いはQ2の比率と、パルス状の駆動信号(同期信号)の周期とを乗算することで遅れ時間を算出し、算出した遅れ時間に“光速/2”を乗算することで測定する。
【0043】
尚、本実施形態の距離画像生成装置100の一次演算処理(S12)は、対象空間に近距離の測定対象物200が存在するか否か判定する処理である。従って、一次演算処理(S12)で決定される一次距離は近距離範囲での誤差を含めた概算的な距離であるので、一次演算処理(S12)は、一次電荷蓄積時間を短くして測定空間全領域におけるS/N比が低くなっても、閾値距離Lまでの範囲の測定距離に対して所望の精度が保証されればよい。
【0044】
[点灯状態選択処理]
次に、測定対象物200までの距離が近距離、例えば、1[m]であるか否かにより投光部10の点灯状態を全点灯状態と部分点灯状態のいずれかを選択するために、一次距離mLが所定の閾値距離Lを超えるか否かを判定する(S13)。
【0045】
一次距離mLが所定の閾値距離Lを超える場合(S13/Yes)、投光部10の第1領域10A及び第2領域10B内の光源12全てが点灯する全点灯状態を形成するように、光源点灯状態指示信号を制御部20にフィードバックする。そして、全点灯状態を示す光源点灯状態指示信号が入力された制御部20は、全点灯状態になるように駆動回路22に選択信号を入力し、全点灯状態の投光部10から測定対象物200を含む空間に変調光を照射する(S14)。
【0046】
一方、一次距離mLが所定の閾値距離L以下の場合(S13/No)、投光部10の第1領域10Aのみの光源12全てが点灯する部分点灯状態を形成するように、光源点灯状態指示信号を制御部20にフィードバックする。そして、部分点灯状態を示す光源点灯状態指示信号が入力された制御部20は、部分点灯状態になるように駆動回路22に選択信号を入力し、部分点灯状態の投光部10から測定対象物200を含む空間に変調光を照射する(S15)。
【0047】
[二次演算処理及び距離画像生成処理]
測定対象物までの精度向上した二次距離を算出し、画素毎に算出された二次距離からなる距離情報を生成する二次演算を行うために、受光部30の撮像素子32により、点灯状態選択処理(S13〜S15)により選択された点灯状態で、投光部10から照射されて測定対象物200で反射した光101の反射光を含む入射光102を受光する。
【0048】
そして、本実施形態の距離画像生成装置100の最大距離を検出可能なS/N比を保証できる二次電荷蓄積期間、撮像素子32の各画素の光電変換素子34により、電荷に変換され、制御部20から受光部30に入力された同期信号に基づいて、変換された電荷を各電荷蓄積部36A,36Bに振り分ける(S16)。
【0049】
次に、演算部40により、画素ごとに測定対象物200までの精確な二次距離を測定し、画素ごとに算出された二次距離からなる距離情報を生成する二次演算が行われ、全画素の距離情報を取得する(S17)。S17の距離情報を生成する演算処理は、一次電荷蓄積時間に代えて二次電荷蓄積時間を用いる以外は、S12の距離情報を生成する演算処理と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0050】
そして、距離画像生成部50は、演算部40により生成された全画素の距離情報に基づいて距離画像を生成し(S18)、距離画像生成装置100は測定対象物までの二次距離(距離値)を画素値とする距離画像を生成する。
【0051】
尚、部分点灯状態(S15)で変調光を測定空間に照射した場合、二次演算処理及び距離画像生成処理(S16〜S18)において、距離画像生成装置100から測定対象物200までの距離が近距離であるので、測定対象物までの距離に起因するS/N比の劣化は抑制できる。
【0052】
従って、
図4に示された距離測定処理によれば、屋外においてもS/N比を良好に維持できるので、投光部10のサイズを大きくした場合でも、消費電力及び発熱量を抑制できるとともに、広い測定距離範囲での距離測定精度、特に短距離範囲での距離測定精度を向上させることができる。
【0053】
尚、
図4に示した本実施形態の距離測定処理は、処理の一例であって、これに限定されるものではない。当業者であれば本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な処理が可能である。例えば、測定開始に際し、測定対象物までの概算的な一次距離を事前に把握している場合、一次演算処理を行うことなく、当該一次距離を用いた点灯状態選択処理を行うことも可能である。