【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、光学レンズの製造方法であって、
第1の面と、
該第1の面上の
複数の第1のマーキングとを有するレンズ部材が提供されるレンズ部材提供工程
であって、前記
第1の面の第1の基準系は、
前記複数の第1のマーキングにより認識されるものであり、
機械加工される前記光学レンズの第2の面と、前記第1の面に対する前記第2の面の位置とに対応する面データを提供する面データの提供工程
と、
前記レンズ部材を加工位置にブロックするレンズ部材ブロック工程
と、
前記光学レンズの前記第2の面を前記面データに従って機械加工する機械加工工程
と、
機械加工された前記第2の面
を識別するための複数の第2のマーキングの位置を決定する第2のマーキング決定工程
とを含み、
前記複数の第2のマーキング
は、少なくと
も光学データ
及び観測データとに
基づいて決定され、前記光学データは前記光学レンズの複数の屈折特性を表すものであり
、
前記観測データは、前記第1のマーキングと前記第2のマーキングとが観測されるべき複数の観測条件を表すものであり、
前記観測条件は、観測装置と、該観測装置内の製造された前記光学レンズの位置とを考慮して決定されるものであり、
更に、
前記光学レンズの機械加工された前記第2の面
上に、前記複数の第2のマーキングを提供する第2のマーキング提供工程
を含む、光学レンズの製造方法を提案する。
【0011】
複数の第2のマーキングは光学レンズの屈折特性と観測条件とに応じて
決定され
るので、観測条件における第1の面と第2の面との相対位置の精度の
チェックが直接的かつ容易にされ得る
利点がある。
【0012】
単独で又は組み合わせで考えられ得る別の実施形態によると、
− 本方法は、
前記複数の第1のマーキングと前記複数の第2のマーキングの位置
、及び前記観測データに基づいて、前記第1の面の前記第1
の基準系と、機械加工された前記第2の面の第2の基準系
とを決定する基準系決定工程
と、
前記第1の基準系の位置と前記第2の基準系の位置とが比較され、前記第1の面と前記第2の面との間の位置決め誤差を決定する比較工
程とを更に含み、及び/又は
− 本方法は、製造された前記光学レンズは、前記第1の面と前記第2の面との前記位置決め誤差が閾値以下であれば容認され、前記第1の面と前記第2の面との前記位置決め誤差が前記閾値より大きければ拒絶される選別工程を更に含み、及び/又は
− 前記
基準系決定工程中、前記複数の第1及び第2のマーキング
の位置は測定光学装置を使用して測定され、前記観測データは前記測定光学装置に対する光学レンズの位置を少なくとも表し、及び/又は
− 前記基準系決定工程に、前記複数の第1のマーキングと
前記複数の第2のマーキングとの
相対位置はオペレータにより前記複数の観測条件で決定され、及び/又は
前記第2のマーキング決定工程中、前記複数の第2のマーキングの位置は、前記第2の面が前記第1の面に対して正しく配置されると、前記複数の観測条件において
相対応する前記複数の第1のマーキングと
重畳して現われるように決定され、及び/又は
− 前記第2のマーキング決定工程中、前記複数の第2のマーキングは位置決めの公差を許容するようにして決定され、及び/又は
− 前記光学データは前記第1及び第2の面の設計と、前記第1の面に対する前記第2の面の相対位置とを少なくとも表し、及び/又は
− 前記光学データは、
− 前記第2のマーキング提供工程中、前記光学レンズは前記機械加工工程中と同じ位置にブロックされ、及び/又は
− 前記複数の第1及び/又は
複数の第2のマーキングは暫定的なマーキングであり、及び/又は
−
前記光学データは
前記光学レンズが製造される装着者の処方箋を少なくとも表す。
【0013】
本発明はまた、
製造装置を使用することにより本発明による製造方法に従って光学レンズが製造される光学レンズ製造工程と、
光学レンズの第1の面と第2の面との位置決め誤差が決定される位置決め誤差決定工程と、
位置決め誤差が記録される記録工程とを含むレンズ製造方法制御方法であって、
本方法は、
上記の光学レンズ製造工程、位置決め誤差決定工程、及び記録工程を定期的に反復する工程と、位置決め誤差の
推移を長期にわたってチェックする工程
と、上記光学レンズの製造工程中に使用される製造装置の少なくとも1つのパラメータの
推移を長期にわたってチェック
する工程とを更に含み、
光学レンズの第1の面と第2の面との位置決め誤差の長期にわたる
推移が、製造装置の少なくとも1つのパラメータの長期にわたる
推移に関連付けられる。
【0014】
本発明は更に、
マスタレンズの第1の面と第2の面との位置決め誤差を決定する位置決め誤差決定工程と、
位置決め誤差が記録される記録工程とを含む製造方法制御方法に関し、
本方法は、
上記のマスタレンズ製造工程、位置決め誤差決定工程、及び記録工程を定期的に反復する工程と、
反復する工程における、位置決め誤差の
推移を長期にわたってチェックする工程
と、反復する工程における、マスタレンズ製造工程中に使用される製造装置の少なくとも1つのパラメータの推移を長期にわたってチェックする工程とを更に含み、
マスタレンズの第1の面と第2の面との位置決め誤差の長期にわたる
推移は、製造装置の少なくとも1つのパラメータの長期にわたる
推移に関連付けられる。
【0015】
別の態様によると、本発明は、プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の一連の格納された命令であってプロセッサにより実行されるとプロセッサに
、本発明による方法の工程を実行させる1つ又は複数の一連の格納された命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0016】
本発明は更に、本発明によるコンピュータプログラム製品の1つ又は複数の一連の命令を担持するコンピュータ可読媒体に関する。
【0017】
更に、本発明はコンピュータに本発明の方法を実行させるプログラムに関する。
【0018】
本発明はまた、コンピュータに本発明の方法を実行させる記録されたプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0019】
本発明は更に、1つ又は複数の一連の命令を格納し本発明による方法の工程の少なくとも1つを行うように適応化されたプロセッサを含む装置に関する。
【0020】
特記しない限り、以下の考察から明らかなように、本明細書での考察を通して、「計算する」、「生成する」などの用語を使用する考察は、計算システムのレジスタ及び/又はメモリ内の電子的量などの物理量として表されるデータを、計算システムのメモリ、レジスタ、又は他のこのような情報記憶装置、送信装置、又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ又は計算システム又は同様な電子計算装置の行為及び/又は処理を指すということが理解される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は本明細書における動作を行う装置を含み得る。この装置は、所望の目的のために特に構築され得る、及び/又はコンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムにより選択的に活性化又は再構成される汎用コンピュータ又はデジタル信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)を含み得る。このようなコンピュータプログラムは、限定しないが、フロッピーディスク(登録商標)、光ディスク、CD− ROM、光磁気ディスク、読み出し専用メモリ(ROM:read− only memories)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memories)、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM:electrically programmable read− only memories)、電気的消去可能及びプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM:electrically erasable and programmable read only memories)、磁気又は光カード、又は電子的命令を格納するのに好適でありかつコンピュータシステムバスに結合できる任意の他のタイプの媒体を含む任意のタイプのディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体内に格納され得る。
【0022】
本明細書に提示される処理と表示は、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的には関連付けられない。様々な汎用システムが本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用され得る、又は様々な汎用システムは所望の方法を実行するようにより専用化された装置を構築するのに好都合であるということが分かり得る。多種多様のこれらのシステムの所望の構造は以下の説明から分かる。加えて、本発明の実施形態はいかなる特定のプログラミング言語も参照して記述されない。本明細書に記載される本発明の教示を実施するために様々なプログラミング言語が使用され得るということが理解される。
【0023】
次に本発明の非限定的実施形態について添付図面を参照して説明する。