(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの運転を停止するときに、現在の冷房能力の低い前記装置本体ブロックから優先して運転を停止することを特徴とする請求項2または3に記載の電算機室空調システム。
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの運転を停止するときに、前記通路の冷却空気の導入部までの経路長が長くなる前記装置本体ブロックから優先して運転を停止することを特徴とする請求項2または3に記載の電算機室空調システム。
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの前記コンプレッサの作動を停止し、当該装置本体ブロックの前記送風ファンの風量を減少させるときに、現在の冷房能力の低い前記装置本体ブロックから優先して前記コンプレッサの作動を停止することを特徴とする請求項6または7に記載の電算機室空調システム。
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの前記コンプレッサの作動を停止し、当該装置本体ブロックの前記送風ファンの風量を減少させるときに、前記通路の冷却空気の導入部までの経路長が長くなる前記装置本体ブロックから優先して前記コンプレッサの作動を停止することを特徴とする請求項6または7に記載の電算機室空調システム。
前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記温熱空気の流通部の前記開口部よりも上流側の温度と検出温度との温度差が大きいほど風量が減少するように送風量を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電算機室空調システム。
前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、検出温度と前記通路内の温度との温度差が小さいほど風量が減少するように送風量を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電算機室空調システム。
前記温度検出部は、前記空気調和装置の吸入側と吐出側の少なくとも一方の温度を検出して空調制御部にフィードバックするフィードバック温度検出部と処理回路を共用することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電算機室空調システム。
【背景技術】
【0002】
電算機室では、電子計算機や情報機器、通信装置等の機器が複数の収容ラックに収容されて高集約化して配置されている。そして、各収容ラックに収容される機器は使用時に熱を発するが、その運用温度は機器の安定作動を得るために低く抑える必要がある。
【0003】
例えば、複数の機器が収容ラックに設置される電算機室では、空気調和装置の冷却空気を収容ラックの前面側の通路に吹き出すようになっている。
ここで採用される電算機室空調システムは、機器を収容する各収容ラックの前面側に冷却空気を取り入れるための吸気面が設けられるとともに、各収容ラックの背面側または上面側に熱を帯びた温熱空気を外部に排気するための排気面が設けられている。電算機室内では、複数の収容ラックが、通路を挟んで吸気面を対向させるようにして配置され、空気調和装置から吹き出された冷却空気がラック間の通路を通って各収容ラックに供給される。そして、各収容ラックで機器を冷却して昇温した空気(温熱空気)は空気調和装置の吸い込み口に再度戻される。
【0004】
この種の電算機室空調システムにおいては、吸気面側への温熱空気の回り込みを招くことなく収容ラック内の機器を効率良く冷却するために、通路の両側の収容ラックの間が、通路の上部を覆う上部遮蔽体と通路の端部を覆う端部遮蔽体とによって閉塞されている。また、各収容ラックには、機器を冷却して熱を帯びた温熱空気を外部に放出するために、背面側や上面側に放熱ファンが設置されている。
【0005】
また、この種の電算機室空調システムでは、排熱側の温熱が各部の隙間を通して冷却側の通路に入り込むのを防ぐために、空気調和装置の冷気供給能力が収容ラックの排熱ファンでの排気能力よりも僅かに高く設定されている。しかし、通路に供給される空気調和装置からの送風量が、何等かの原因によって収容ラック側の放熱ファンの排熱風量を大幅に上回ることがあると、通路の内外の圧力差が大きくなって、通路の周囲を被う遮蔽体や排気ファンに大きな負荷が作用することが懸念される。
【0006】
このため、これに対処し得る電算機室空調システムとして、収容ラック間の冷気導入側の通路の上部を覆う上部遮蔽体に、通路の内外を連通する開口部と、通路の内外の圧力差に応じて前記開口部を開閉する避圧ダンパーが設けられたものが案出されている。この電算機室空調システムにおいては、収容ラック間の冷気導入側の通路の圧力が収容ラックの排気側の圧力よりも大幅に高まると、避圧ダンパーが開口部を開き、それによって冷気導入側の通路内の圧力を減圧する。
さらに、この種の電算機室空調システムとして、避圧ダンパーと開口部の間に接点スイッチが設けられ、接点スイッチの接点が検出回路を介して空気調和装置の風量制御部に接続されたものも案出されている。この電算機室空調システムにおいては、冷気導入側の通路の内外の圧力差が大きくなって避圧ダンパーが開口部を開くと、接点スイッチから検出信号が風量制御部に送られ、風量制御部がその信号を受けて空気調和装置から通路への送風量を減少させる(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の電算機室空調システムにおいては、接点スイッチによって避圧ダンパーが開口部を開いたことを検出し、その検出結果に基づいて空気調和装置から通路への送風量を減少させることができる。しかし、接点スイッチは、接点が接触しているか否かに応じてONかOFFの信号を出力するものであるため、開口部に対する避圧ダンパーの開き度合を容易に検出することができないうえ、経時使用に伴って接点が劣化し易い。このため、上記従来の電算機室空調システムにおいては、空気調和装置からの送風量を避圧ダンパーの開き度合に応じて適切に制御するためには、接点スイッチを複数設ける必要があり、設備の構成が複雑化してしまう。また、接点スイッチの検出結果の信頼性を高めるためには、接点スイッチのメンテナンスを頻繁に行わなければならない。
【0009】
そこでこの発明は、空気調和装置の風量を避圧ダンパーの開き度合に応じて適切に制御することができ、しかも、メンテナンスの頻度を少なくすることができる電算機室空調システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明
の第1態様に係る電算機室空調システムは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
機器を内部に収容し、冷却空気を取り入れる吸気面と熱を帯びた温熱空気を排気する排気面とを有する複数の収容ラックと、温熱空気を吸い込んで冷却空気を送り出す空気調和装置と、前記収容ラックの吸気面に臨む通路の上部を覆って、冷却空気の流通部と温熱空気の流通部を隔成する上部遮蔽体と、を備え、前記上部遮蔽体には、前記通路の内外を連通する開口部と、前記通路の内外の圧力差に応じて前記開口部を開放
または閉止して前記内外の圧力差を低減する避圧ダンパーと、が設けられ、前記通路の外側の
前記上部遮蔽体上であって前記開口部の近傍部には温度検出部が設けられ、前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記通路への送風量を制御するようにした。
この発明の第2態様に係る電算機室空調システムは、機器を内部に収容し、冷却空気を取り入れる吸気面と熱を帯びた温熱空気を排気する排気面とを有する複数の収容ラックと、コンプレッサと送風ファンとを個別に有する複数の装置本体ブロックを有し、温熱空気を吸い込んで冷却空気を送り出す空気調和装置と、前記収容ラックの吸気面に臨む通路の上部を覆って、冷却空気の流通部と温熱空気の流通部を隔成する上部遮蔽体と、複数の前記装置本体ブロックの作動を制御するコントローラと、を備え、前記上部遮蔽体には、前記通路の内外を連通する開口部と、前記通路の内外の圧力差に応じて前記開口部を開放して前記内外の圧力差を低減する避圧ダンパーと、が設けられ、前記通路の外側の前記開口部の近傍部には温度検出部が設けられ、前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記通路への送風量を制御し、前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの運転を停止するようにした。
この発明の第3態様に係る電算機室空調システムは、機器を内部に収容し、冷却空気を取り入れる吸気面と熱を帯びた温熱空気を排気する排気面とを有する複数の収容ラックと、コンプレッサと送風ファンとを個別に有する複数の装置本体ブロックを有し、温熱空気を吸い込んで冷却空気を送り出す空気調和装置と、前記収容ラックの吸気面に臨む通路の上部を覆って、冷却空気の流通部と温熱空気の流通部を隔成する上部遮蔽体と、複数の前記装置本体ブロックの作動を制御するコントローラと、を備え、前記上部遮蔽体には、前記通路の内外を連通する開口部と、前記通路の内外の圧力差に応じて前記開口部を開放して前記内外の圧力差を低減する避圧ダンパーと、が設けられ、前記通路の外側の前記開口部の近傍部には温度検出部が設けられ、前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記通路への送風量を制御し、前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの前記コンプレッサの作動を停止した後に、当該装置本体ブロックの前記送風ファンの風量をさらに減少させるようにした。
【0011】
上記
第1〜第3態様の構成により、冷却空気が導入される通路の内外の圧力差が増大すると、避圧ダンパーが上部遮蔽体の開口部を開き、通路内の冷却空気の一部を開口部を通して外部に逃がすようになる。これにより、開口部から外部に排出された空気が温度検出部の近傍の温度を避圧ダンパーの開き度合に応じて低下させ、その低下した温度が温度検出部によって検出される。空気調和装置は、このとき温度検出部によって検出された温度に基づいて通路への送風量を制御する。
さらに上記の第2態様の構成の場合、通路の内外の圧力差が大きくなって避圧ダンパーが上部遮蔽体の開口部を開くと、コントローラが、温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの装置本体ブロックの運転を停止することにより、通路に導入される冷却空気の風量が減少することになる。
さらに上記の第3態様の構成の場合、通路の内外の圧力差が大きくなって避圧ダンパーが上部遮蔽体の開口部を開くと、コントローラが、温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの装置本体ブロックのコンプレッサの作動を停止した後に、当該装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させることにより、通路に導入される冷却空気の風量をさらに減少させることが可能になる。
【0012】
前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、検出温度が低いほど風量が減少するように送風量を制御するようにしても良い。
この場合、避圧ダンパーの開き度合の増加に伴って温度検出部の検出温度が低下すると、空気調和装置は、避圧ダンパーの開き度合に応じて送風量を減少させるようになる。
【0013】
前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記温熱空気の流通部の前記開口部よりも上流側の温度と検出温度との温度差が大きいほど風量が減少するように送風量を制御するようにしても良い。
この場合、避圧ダンパーの開き度合の増加に伴って、温熱空気の流通部の開口部よりも上流側の温度と検出温度との温度差が増大すると、空気調和装置は、避圧ダンパーの開き度合に応じて送風量を減少させるようになる。
【0014】
前記空気調和装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、検出温度と前記通路内の温度との温度差が小
さいほど風量が減少するように送風量を制御するようにしても良い。
この場合、避圧ダンパーの開き度合の増加に伴って、検出温度と通路内の温度との温度差が減少すると、空気調和装置は、避圧ダンパーの開き度合に応じて送風量を減少させるようになる。
【0015】
前記温度検出部は、前記空気調和装置の吸入側と吐出側の少なくとも一方の温度を検出して空調制御部にフィードバックするフィードバック温度検出部と処理回路を共用するようにしても良い。
この場合、開口部の近傍に設けられる温度検出部がフィードバック温度検出部と処理回路を共用するため、設備コストを削減することができる。
【0017】
前記コントローラは、すべての
前記装置本体ブロックが最小風量の近傍風量で送風制御されている状況で、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記開口部が開口されているものと判定したときに、いずれかの前記装置本体ブロックの運転を停止するようにしても良い。
この場合、各装置本体ブロックの風量が最小風量の近傍風量である場合であっても、いずれかの装置本体ブロックの運転を停止することにより、通路に導入される冷却空気の風量を減少させることが可能になる。
【0018】
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの運転を停止するときに、現在の冷房能力の低い前記装置本体ブロックから優先して運転を停止するようにしても良い。
この場合、現在の冷房能力の低い装置本体ブロックから優先して運転を停止するため、装置本体ブロック全体の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、冷却空気の風量を減少させることが可能になる。
【0019】
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの運転を停止するときに、前記通路の冷却空気の導入部までの経路長が長くなる前記装置本体ブロックから優先して運転を停止するようにしても良い。
この場合、通路の冷却空気の導入部までの経路長が長くなる装置本体ブロックから優先して運転を停止するため、通路の冷却空気の導入部に導入される冷却空気の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、冷却空気の風量を減少させることが可能になる。
【0021】
前記コントローラは、すべての
前記装置本体ブロックが最小風量の近傍風量で送風制御されている状況で、前記温度検出部の検出温度に基づいて前記開口部が開口されているものと判定したときに、いずれかの前記装置本体ブロックの前記コンプレッサの作動を停止した後に、当該装置本体ブロックの前記送風ファンの風量をさらに減少させるようにしても良い。
この場合、各装置本体ブロックの風量が最小風量の近傍風量である場合であっても、いずれかの装置本体ブロックのコンプレッサの作動を停止した後に、当該装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させることにより、通路に導入される冷却空気の風量をさらに減少させることが可能になる。
装置本体ブロックの最小風量は、一般に、冷凍サイクルにおいて冷媒を不具合なく循環させ得る範囲で決定される。即ち、装置本体ブロックの風量が少なくなり過ぎると、送風による装置本体ブロックでの熱処理量が減少して、霜の付着や結露の発生等の不具合が生じ、安定した冷房運転を行えなくなるため、コンプレッサの作動時には、このような状況を考慮して装置本体ブロックの最小風量が決定される。これに対し、コンプレッサの作動を停止させた場合には、上記のような不具合を招くことなく、さらに装置本体ブロックの風量を減少させることができる。上記の構成においては、コントローラが、いずれかの装置本体ブロックのコンプレッサの作動を停止した後に、当該装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させるため、通路に導入される冷却空気の風量を不具合なく減少させることができる。
【0022】
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの前記コンプレッサの作動を停止し、当該装置本体ブロックの前記送風ファンの風量を減少させるときに、現在の冷房能力の低い前記装置本体ブロックから優先して前記コンプレッサの作動を停止するようにしても良い。
この場合、現在の冷房能力の低い装置本体ブロックから優先してコンプレッサの作動を停止し、当該装置本体ブロックの送風ファンの風量を減少させるため、装置本体ブロック全体の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、冷却空気の風量を減少させることが可能になる。
【0023】
前記コントローラは、前記温度検出部の検出温度に基づいて、いずれかの前記装置本体ブロックの前記コンプレッサの作動を停止し、当該装置本体ブロックの前記送風ファンの風量を減少させるときに、前記通路の冷却空気の導入部までの経路長が長くなる前記装置本体ブロックから優先して前記コンプレッサの作動を停止するようにしても良い。
この場合、通路の冷却空気の導入部までの経路長が長くなる装置本体ブロックから優先してコンプレッサの作動を停止し、当該装置本体ブロックの送風ファンの風量を減少させるため、通路の冷却空気の導入部に導入される冷却空気の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、冷却空気の風量を減少させることが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、空気調和装置が、開口部の近傍の温度検出部の検出温度に基づいて風量を制御するため、空気調和装置の風量を避圧ダンパーの開き度合に応じて適切に制御することができる。また、接点スイッチを用いて避圧ダンパーの開き度合を検出する場合に比較して設備コストの高騰を抑えることができる。
さらに、この発明によれば、接触接点を持たない温度検出部の検出結果に基づいて避圧ダンパーの開度を推定するため、接点スイッチを用いる場合に比較してメンテナンスの頻度を少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
最初に、
図1〜
図3に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係る電算機室空調システム100の全体構成を示す図であり、
図2は、同電算機室空調システム100の模式的な断面を示す図である。
図1,
図2に示すように、電算機室空調システム100は、例えば略箱状に形成された電算機室101内において利用されるものである。電算機室101は、床1と図示しない壁と天井とで囲まれている。床1から上方に離間して二重床2が設けられ、その二重床2上に複数台の収容ラック3が例えば2列対向して設置されている。二重床2上には、これらの2列の収容ラック3に挟まれた通路4が形成されている。二重床2の下には内部空間5が設けられ、内部空間5に各収容ラック3の電気配線や後述する空気調和装置6の電気配線などが収容されている。
【0027】
また、二重床2の長手方向に延びる通路4上には多数の吹き出し孔8(冷却空気の導入部)が形成されていている。床下の内部空間5と通路4とは、これら複数の吹き出し孔8を介して通気可能に連通している。
通路4の外側の二重床2上には、空気調和装置6が設置されている。空気調和装置6では、収容ラック3から排気された温熱空気を吸込口6aから吸い込んで冷却し、空気調和装置6内で冷却された空気(冷却空気)を底面の吹出口6bから内部空間5内に送り出す。
【0028】
空気調和装置6から内部空間5に供給された冷却空気は吹き出し孔8を通して通路4上に給気される。各収容ラック3は箱状に形成され、内部に電子計算機や通信機器等の機器7が収容されている。各収容ラック3の筐体3aは、前面側に吸気面3b設けられ、上面側に排気面3dが設けられている。排気面3dには排気ファン3cが設けられている。各収容ラック3は、通路4側から冷却空気が吸気され、その冷却空気によって機器7を冷却する。機器7を冷却した空気は温熱空気となって排気ファン3cから外部に排出される。
【0029】
この電算機室空調システム100では、通路4を挟んで対向して配列された収容ラック3の上面間に上部遮蔽体10が架設されている。この実施形態の場合、上部遮蔽体10は底部のない箱型形状に形成されている。上部遮蔽体10は、通路4内の冷却空気の流通部を、収容ラック3よりも上方側の温熱空気の流通部と隔成する。また、通路4の延出方向の両側の端部には、通路4を挟んで対向する両側の収容ラック3の側端部間を連結する一対の端部遮蔽体11が取り付けられている。これらの端部遮蔽体11は、通路4内の冷却空気の流通部を、端部の収容ラック3よりも外側の温熱空気の流通部と隔成する。この実施形態においては、通路4は、二重床2上において、両側の収容ラック3と上部遮蔽体10と一対の端部遮蔽体11とに囲まれて閉鎖空間Sとされている。
【0030】
図3は、
図2の上部遮蔽体10の設置部を拡大して示した図である。
上部遮蔽体10は、通路4を挟んで対向配置される一方の収容ラック3の上面に締結固定される垂立壁10aと、垂立壁10aの上端部から通路4の上方を横切って他方の収容ラック3の上方に向かって略水平に延出する上部遮蔽壁10bと、を有している。他方の収容ラック3の上面には、上部遮蔽体10の上部遮蔽壁10bの延出端の下面を支持する支持部材12が固定設置されている。したがって、上部遮蔽体10は、通路4を挟んだ一方の収容ラック3の上面に片持ち支持状態で締結固定されている。上部遮蔽体10は、通常使用時には、上部遮蔽壁10bの延出端の下面が支持部材12の上面に当接することにより、他方の収容ラック3との間がほぼ密閉されている。
【0031】
また、上部遮蔽壁10bの垂立壁10a寄り位置には、通路4の内外を連通する略長方形状の開口部13が形成されている。開口部13には、ヒンジ部14を介して略長方形状の蓋体15が開閉可能に取り付けられている。この実施形態においては、蓋体15とヒンジ部14とが、通路4の内外の圧力差に応じて開口部13を開放する避圧ダンパー16を構成している。蓋体15は、上下面に作用する通路4の内外の圧力差による上昇力と、自重とのバランスによって開口部13を開閉する。蓋体15は、通路4の内外の圧力差が設定値に満たない間は開口部13を閉じており、通路4の内外の圧力差が設定値以上になった時点で開口部13を開放する。
【0032】
ヒンジ部14は、開口部13の垂立壁10aと離反する側の辺に取り付けられている。開口部13の垂立壁10a側の辺の下縁部には、開口部13を閉塞した蓋体15の下面を支持するストッパ部材17が取り付けられている。
【0033】
また、開口部13の垂立壁10a側の辺の上縁部には、蓋体15の開放変位を規制する開放規制部材18と、通路4の外側の開口部13の近傍位置の温度を検出する温度センサ19(温度検出部)と、が取り付けられている。
【0034】
温度センサ19は、
図2に示すように、空気調和装置6の空調制御部20の処理回路20aに接続されている。空気調和装置6の空調制御部20は、温度センサ19の検出温度に基づいて通路4への送風量を制御する。空調制御部20は、具体的には、温度センサ19の検出温度が低いほど風量が減少するように通路4への送風量を減少させる。
空調制御部20の処理回路20aには、温度センサ19以外に、空気調和装置6の吸入側と吐出側の各温度を検出してフィードバック制御するための温度センサ21,22(フィードバック温度検出部)が接続されている。
【0035】
なお、この実施形態における上部遮蔽体10は、垂立壁10aと上部遮蔽壁10bを有する複数のピースが通路の長手方向に並べられて構成されている。開口部13と避圧ダンパー16とは、複数のピースのうちの任意のものに設けられている。
【0036】
この実施形態に係る電算機室空調システム100は、上部遮蔽体10を挟んだ通路4の内外の圧力の差が設定値に満たない通常時には、蓋体15が自重によって上部遮蔽体10の開口部13を閉塞している。
この状態から、通路4に流入する冷却空気の風量と、収容ラック3からの排出空気の風量の差が何等かの原因によって大きくなり、上部遮蔽体10を挟んだ通路4の内外の圧力の差が設定値以上になると、避圧ダンパー16の蓋体15がヒンジ部14を中心として上方に持ち上がる。これにより、開口部13が開放され、通路4内の冷却空気の一部が開口部13を通って外部に逃がされる。この結果、通路4内の圧力が減圧される。
【0037】
避圧ダンパー16の蓋体15が開口部13を開くことにより、通路4内の冷却空気が開口部13の外側で温度センサ19の近傍に流入すると、その冷却空気によって温度センサ19の周囲の温度が低下し、温度センサ19による検出温度が低下する。この温度センサ19による検出信号は、空気調和装置6の空調制御部20に入力される。空調制御部20は、通路4に対する送風量を、温度センサ19の検出温度に応じた量に減少させる。
例えば、空調制御部20は、空気調和装置6の送風量と温度センサ19の検出温度の関係を関係づけるデータテーブルを、備える記憶部に記憶させておき、温度センサ19の検出温度が検出されたときにデータテーブルを参照して空気調和装置6の送風量を決定するようにしても良い。また、空調制御部20は、空気調和装置6の送風量と温度センサ19の検出温度の関係を演算式として定義しておき、温度センサ19の検出温度が検出されたときに検出された検出温度の値を定義した式に代入して空気調和装置6の送風量を求めるようにしても良い。
【0038】
以上のように、この実施形態に係る電算機室空調システム100においては、通路4の外側の開口部13の近傍部に温度センサ19が設置され、空気調和装置6が温度センサ19の検出温度に基づいて通路4への送風量を制御する。このため、通路4の内外の圧力差が設定値以上になったときには、空気調和装置6から通路4への送風量を避圧ダンパー16の開き度合に応じて適切に制御することができる。この実施形態に係る電算機室空調システム100では、温度センサ19による検出温度に基づいて避圧ダンパー16の開き度合を検出するため、接点スイッチを用いて避圧ダンパー16の開き度合を検出する場合に比較して設備の複雑化を抑制することができる。
【0039】
また、この実施形態に係る電算機室空調システム100は、接触接点を持たない温度センサ19の検出信号に基づいて避圧ダンパー16による開口部13の開き度合を推定するため、接点スイッチを用いて開口部13の開き度合を推定する場合に比較してメンテナンスの頻度を少なくすることができる。
【0040】
ところで、上述した実施形態においては、温度検出部である温度センサ19の検出温度に基づいて、検出温度が低いほど風量が減少するように空気調和装置6が送風量を制御する構成とされているが、
図2、
図3中に仮想線で示すように温熱空気の流通部の開口部13よりも上流側の温度を検出する温度センサ50を別に設け、この上流側の温度センサ50の検出温度と温度センサ19の検出温度との温度差に応じて空気調和装置6が送風量を制御するようにしても良い。具体的には、例えば、上流側の温度センサ50の検出温度と開口部13の近傍の温度センサ19の検出温度との温度差が大きいほど風量が減少するように、空気調和装置6が送風量を制御する構成とすれば良い。
【0041】
また、通路4内に図示しない温度センサを設け、開口部13の近傍の温度センサ19の検出温度と通路4内の温度センサの検出温度との温度差に応じて空気調和装置6が送風量を制御するようにしても良い。この場合、例えば、開口部13の近傍の温度センサ19の検出温度と通路4内の温度センサの検出温度との温度差が小さいほど風量が減少するように、空気調和装置6が送風量を制御する構成とすれば良い。
【0042】
また、上記の実施形態に係る電算機室空調システム100においては、開口部13の近傍に配置される温度センサ19が温度の検出信号を空調制御部20に出力して、空調制御部20がデータテーブルの参照や演算によって空気調和装置6の風量を制御しているが、温度検出部自体に、データテーブルの参照や演算による風量判定機能を持たせ、その判定結果を指示値として空調制御部20に送信するようにしても良い。
【0043】
図4,
図5は、第2の実施形態に係る電算機空調システム300の模式的な平面図と、ブロック図を示す図である。また、
図6は、第2の実施形態に係る電算機空調システム300の制御の流れを示すフローチャートである。
この第2の実施形態に係る電算機空調システム300は、電算機室301内の二重床2上に、複数台の収容ラック3の列が対向して配置されたラック列の対が二つ並列に配置され、各ラック列の対の間に通路4が形成されている。各通路4を挟んで対向して配置される収容ラック3の上面間には第1の実施形態と同様の上部遮蔽体10が架設されている。通路4を挟んで対向する両側の収容ラック3の側端部間は図示しない端部遮蔽体によって閉塞されている。各通路4は、二重床2上の図示しない吹き出し通路を通して二重床2の下方の内部空間に接続されている。各通路4には、二重床2の下方の内部空間を通して冷却空気が導入される。
各収容ラック3の吸気面は通路4内に臨み、各収容ラック3の排気面は、温熱空気の流通部に臨んでいる。上部遮蔽体10は、通路4内の冷却空気の流通部を、通路4の外側の温熱空気の流通部と隔成している。
【0044】
各上部遮蔽体10の上面には、第1の実施形態と同様に複数の開口部13が形成され、各開口部13には、図示しないヒンジ部を介して蓋体15が開閉可能に取り付けられている。この第2の実施形態の場合も、蓋体15とヒンジ部が避圧ダンパー16を構成している。蓋体15は、上下面に作用する通路の内外の圧力差による上昇力と、自重とのバランスによって開口部13を開閉する。また、各通路4の外側の開口部13の近傍位置には、温度センサ19(温度検出部)が設置されている。
【0045】
この第2の実施形態の場合、空気調和装置306は、二重床2上に離間して設置された3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cを備えている。各装置本体ブロック306A,306B,306Cは、個別に図示しないコンプレッサや送風ファン、熱交換器等を備えている。各装置本体ブロック306A,306B,306Cは、吸込口が温熱空気の流通部に臨み、吹出口が二重床2の下方の内部空間に臨んでいる。
【0046】
また、3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cは、
図5に示すように、共通のコントローラ30によって冷房温度や冷却空気の風量等を制御されるようになっている。コントローラ30の入力部には、各装置本体ブロック306A,306B,306Cの現在の冷房能力(例えば、冷房運転に使用されているコンプレッサ等の電力)に関するフィードバック信号wa,wb,wcが入力されるとともに、各上部遮蔽体10に設置された温度センサ19から検出温度信号Tempが入力されるようになっている。
【0047】
コントローラ30は、基本的に設定された温度や風量で3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cの作動を制御する。コントローラ30は、各通路4の上方の上部遮蔽体10に設置された温度センサ19から、避圧ダンパー16の開度に応じて変化する検出信号が入力された場合には、その検出信号に基づいて各装置本体ブロック306A,306B,306Cから送風される冷却空気の風量を減少させる。
ここで、コントローラ30は、温度センサ19から入力された検出信号に基づいて、例えば、以下のいずれかによって避圧ダンパー16の開度を判定することができる。
(1)予め設定した温度と、温度センサ19の検出信号との温度差に基づいて避圧ダンパー16の開度を判定する。
(2)温熱空気の流通部の開口部よりも上流側の温度と、温度センサ19の検出信号との温度差に基づいて避圧ダンパー16の開度を判定する。
(3)温度センサ19の検出信号と、通路4内の温度との温度差に基づいて避圧ダンパー16の開度を判定する。
【0048】
この実施形態の場合、コントローラ30による装置本体ブロック306A,306B,306Cの冷却空気の風量減少制御は、各装置本体ブロック306A,306B,306Cの送風ファンの風量を減少させることが基本とされているが、装置本体ブロック306A,306B,306Cの送風ファンの風量が最小に近い設定風量である場合には、3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cのいずれかの運転を停止することにより、装置本体ブロック306A,306B,306Cの冷却空気の総風量を減少させるようになっている。
【0049】
コントローラ30は、3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cのいずれを停止するかを、例えば、以下の(a)や(b)のような優先順位で決定する。
(a)3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cのうちの、現在の冷房能力の低いものから優先して順次停止する。
(b)3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cのうちの、通路4の冷却空気の導入部までの経路長が長いものから優先して順次停止する。
【0050】
図6のフローチャートは、装置本体ブロック306A,306B,306Cの送風ファンの風量が最小に近い設定風量で運転されている場合に、上記の(a)の優先順位で装置本体ブロック306A,306B,306Cの作動を停止するときの制御の流れを示している。なお、
図6のフローチャートの例では、避圧ダンパー16の開度の判定については上記の(1)を採用している。
この制御について説明すると、ステップS101においては、コントローラ30は、開口部13の外側のいずれかの温度センサ19の検出温度が設定温度C1Temp以下であるか否か、つまり、開口部13が避圧ダンパー16によって開かれているか否かを判定する。
温度センサ19の検出温度が設定温度C1Temp以下である場合にはステップS102に進み、検出温度が設定温度C1Tempよりも高い場合には、ステップS103に進む。ステップS103に進んだ場合には、避圧ダンパー16が閉じられているため、コントローラ30は、装置本体ブロック306A,306B,306Cの作動をそのまま継続してリターンする。
ステップS102に進んだ場合には、コントローラ30は、現在稼働している3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cの冷房能力wa,wb,wcを比較し、冷房能力の最小のものを判定する。
つづくステップS104においては、コントローラ30は、現在の冷房能力が最小である装置本体ブロック306A,306B,306Cの作動を停止してリターンする。
この後、ステップS101に戻ったときに温度センサ19の検出温度が設定温度C1Temp以下である場合には、ステップS102に進んで、コントローラ30は、現在稼働している2つの装置本体ブロックの冷房能力を比較して、冷房能力の小さいものを判定する。つづくステップS104においては、コントローラ30は、現在の冷房能力が小さい装置本体ブロックの作動を停止する。
【0051】
以上のように、この第2の実施形態に係る電算機空調システム300においては、第1の実施形態と基本構成がほぼ同様であるため、第1の実施形態と同様の基本的な効果を得ることができる。ただし、この第2の実施形態に係る電算機空調システム300においては、3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cが最小風量の近傍で運転している状況においても、いずれかの装置本体ブロック306A,306B,306Cを停止することにより、装置本体ブロック306A,306B,306Cの総風量を減少させ、通路4の内外の圧力差を減少させることができる。
【0052】
また、特に、上記の(a)の優先順位で装置本体ブロック306A,306B,306Cを停止する場合には、装置本体ブロック306A,306B,306C全体の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、通路4に導入される冷却空気の風量を減少させることができる。即ち、この形態の場合、現在の冷房能力の低いものを優先して装置本体ブロック306A,306B,306Cを順次停止するようにしているため、通路4内の冷却空気の温度に影響する冷房能力の低下は最小となり、かつ、通路4内に導入される冷却空気の風量は減少する。
【0053】
また、上記の(b)の優先順位で装置本体ブロック306A,306B,306Cを停止する場合には、通路4に導入される冷却空気の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、通路4に導入される冷却空気の風量を減少させることができる。即ち、この形態の場合、通路4の冷却空気の導入部までの経路長が長いものから優先して装置本体ブロック306A,306B,306Cを順次停止するようにしているため、通路4の冷却空気の導入部に到達するまでの間に温度上昇し易い装置本体ブロックから停止することになり、その結果、通路4に導入される冷却空気の冷房能力の低下を最小限に抑えることが可能になる。
【0054】
次に、第3の実施形態に係る電算機空調システムについて、
図4〜
図6を援用して説明する。
第3の実施形態に係る電算機空調システムは、
図4,
図5に示した第2の実施形態に係る電算機空調システムと同様の機械的構成とされているが、通路4の温度センサ19から避圧ダンパー16の開度に応じて変化する検出信号が入力された場合におけるコントローラ30の制御が第2の実施形態に係る電算機空調システムと異なっている。
【0055】
第3の実施形態の場合も、コントローラ30による装置本体ブロック306A,306B,306Cの冷却空気の風量減少制御は、各装置本体ブロック306A,306B,306Cの送風ファンの風量を減少させることが基本とされている。この実施形態では、装置本体ブロック306A,306B,306Cの送風ファンの風量が最小に近い設定風量である場合には、コントローラ30は、3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cのいずれかのコンプレッサの作動を停止した後に、その装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させるようになっている。
なお、コントローラ30は、温度センサ19から入力された検出信号に基づいて、例えば、第2の実施形態について説明した上記の(1)〜(3)のいずれかによって避圧ダンパー16の開度を判定することができる。また、コントローラ30は、3つの装置本体ブロック306A,306B,306Cのいずれのコンプレッサを停止するかを、例えば、第2の実施形態について説明した上記の(a)や(b)のような優先順位で決定する。
【0056】
第3の実施形態のコントローラ30による制御の場合、
図6のステップS104においては、現在の冷房能力が最小である装置本体ブロック306A,306B,306Cのコンプレッサの作動を停止し、その後にコンプレッサの作動を停止した装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させる。他のステップについては、第2の実施形態の場合と同じとなる。
【0057】
以上のように、第3の実施形態に係る電算機空調システムでは、各装置本体ブロック306A,306B,306Cの風量が最小風量の近傍風量で運転している状況においても、いずれかの装置本体ブロック306A,306B,306Cのコンプレッサの作動を停止した後に、その装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させることにより、通路に導入される送風量をさらに減少させることができる。したがって、通路の内外の圧力差を確実に減少させることができる。
【0058】
いずれかの装置本体ブロック306A,306B,306Cのコンプレッサの作動を停止した後に、その装置本体ブロックの送風ファンの風量をさらに減少させることができるのは以下の理由による。
即ち、いずれかの装置本体ブロックのコンプレッサの作動を停止させると、その後には風量をある程度以上(今までの最小風量以上)減少させても、その装置本体ブロック内の配管等が過剰に冷却されにくくなるため、霜の付着や結露の発生等が生じにくくなる。このため、通路4に導入される冷却空気の風量を不具合なく減少させることができる。
【0059】
この第3の実施形態に係る電算機空調システムにおいても、上記の(a)の優先順位で装置本体ブロック306A,306B,306Cのコンプレッサの作動を停止して、その装置本体ブロックの風量を減少させる場合には、装置本体ブロック306A,306B,306C全体の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、通路4に導入される冷却空気の風量を減少させることができる。
【0060】
また、この第3の実施形態に係る電算機空調システムにおいても、上記の(b)の優先順位で装置本体ブロック306A,306B,306Cを停止して、その装置本体ブロックの風量を減少させる場合には、通路4に導入される冷却空気の冷房能力の低下を最小限に抑えつつ、通路4に導入される冷却空気の風量を減少させることができる。
【0061】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の各実施形態においては、空気調和装置6から吹出された冷却空気が二重床2の下方の内部空間5を通って通路4内に導入されているが、
図7に示すように、空気調和装置6は、吹出口6bが通路4に直接臨むように任意の収容ラック3に隣接して配置するようにしても良い。
図7においては、
図1〜
図3に示す実施形態と同一部分に同一符号を付してある。
また、第2,第3の実施形態に係る電算機室空調システムにおいても、空気調和装置306の各装置本体ブロック306A,306B,306Cを、吹出口が通路4に直接臨むように任意の収容ラック3に隣接して配置するようにしても良い。