特許第6590725号(P6590725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590725
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ドレンパン汚れ検出装置及び空調機器
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/89 20180101AFI20191007BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   F24F11/89
   F24F1/0007 361F
   F24F13/22 222
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-27956(P2016-27956)
(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-146017(P2017-146017A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 英史
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−118574(JP,A)
【文献】 実開昭63−174592(JP,U)
【文献】 特開2013−2719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00−13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機器の熱交換器から滴下したドレン水を受けるドレンパンからドレン水を吸引するポンプの吸い込み口に取り付けられ、ドレン水を前記ドレンパンから前記吸い込み口まで導く排水路を有する本体部材と、
前記本体部材の前記排水路内に移動可能に設けられたメッシュ状の移動部材と、
水圧による前記移動部材の動きに基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する検出部と、
を含むことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記排水路内に設けられた接点部を更に含み、
前記検出部は、前記接点部に対する前記移動部材の接触又は非接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記検出部は、所定時間内に、前記移動部材が前記接点部に接触した回数、又は、前記移動部材が前記接点部から離れた回数、に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項4】
請求項2に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記検出部は、前記移動部材が前記接点部に継続して接触している時間の長さ、又は、前記移動部材が前記接点部から継続して離れている時間の長さ、に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、
前記移動部材は、前記下側開口部に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ開操作可能な蓋部材であり、
前記接点部は、前記排水路内において前記下側開口部と前記上側開口部との間に設けられており、
前記検出部は、前記接点部に対する前記蓋部材の接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項6】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、
前記移動部材は、前記下側開口部に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ開操作可能な蓋部材であり、
前記接点部は、前記下側開口部に設けられており、
前記検出部は、前記接点部に対する前記蓋部材の非接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項7】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、
前記移動部材は、前記排水路内に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ移動可能な部材であり、
前記接点部は、前記排水路内において前記上側開口部の周囲に設けられており、
前記検出部は、前記接点部への前記移動部材の接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項8】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、
前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、
前記移動部材は、前記排水路内に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ移動可能な部材であり、
前記接点部は、前記排水路内において前記下側開口部の周囲に設けられており、
前記検出部は、前記接点部に対する前記移動部材の非接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、
ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置。
【請求項9】
熱交換器と、
前記熱交換器から滴下したドレン水を受けるドレンパンと、
前記ドレンパンからドレン水を吸引するポンプと、
前記ポンプの吸い込み口よりも前記ドレンパンから離れた位置に設けられ、前記ドレンパン内の異常水位を検出する水位センサと、
前記吸い込み口に取り付けられ、ドレン水を前記ドレンパンから前記吸い込み口まで導く排水路を有する本体部材と、
前記本体部材の前記排水路内に移動可能に設けられたメッシュ状の移動部材と、
水圧による前記移動部材の動きに基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する検出部と、
を含むことを特徴とする空調機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレンパン汚れ検出装置及び空調機器に関し、特に、ドレンパンの汚れを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機器を動作させると、熱交換の際に結露した水滴(ドレン水)が生成される。一般的に、空調機器には、そのドレン水を溜めるためのドレンパンが設けられている。このドレンパンに溜まったドレン水は、ドレンポンプにより吸引されて外部に排水される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−136425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、空調機器は空気中の埃や雑菌等を集塵しやすく、ドレンパンに滞留したドレン水の中で一般細菌が繁殖しやすい。細菌が繁殖すると細菌の生物膜が生成され、その生物膜がドレンポンプの吸い込み口に詰まりやすくなる。生物膜がドレンポンプの吸い込み口に詰まると、ドレン水の排水が困難又は不可能になり、ドレンパン内の水位が上昇する。通常、ドレンパンには、ドレンパン内の異常水位を検出するための水位センサが設けられており、その水位センサによりドレン水が検出されると、水位が異常であるとして、空調機器の動作が異常停止させられる。例えば、空調機器が突発的に停止させられる。空調機器の運転を再開させるためには、ドレンパンの清掃が必要となる。ドレンパンの清掃作業は、設置環境や構造等に起因して専門性の高い作業である。それ故、専門の技術者がドレンパンを清掃する必要があり、その清掃が完了するまで、一般のユーザは、空調機器の運転を再開させることができない。
【0005】
従来においては、ドレンパンの汚れを直接的に検出することができず、そのため、ドレンポンプ詰まりに起因して水位センサが異常水位を検出し、空調機器が突発的に停止する前に、ドレンパンの汚れを把握することができなかった。例えば、特許文献1に記載の装置は、この課題に対処するための手段を備えていない。
【0006】
本発明の目的は、空調機器に設置されたドレンパンの汚れを直接的に検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、空調機器の熱交換器から滴下したドレン水を受けるドレンパンからドレン水を吸引するポンプの吸い込み口に取り付けられ、ドレン水を前記ドレンパンから前記吸い込み口まで導く排水路を有する本体部材と、前記本体部材の前記排水路内に移動可能に設けられたメッシュ状の移動部材と、水圧による前記移動部材の動きに基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する検出部と、を含むことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記排水路内に設けられた接点部を更に含み、前記検出部は、前記接点部に対する前記移動部材の接触又は非接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記検出部は、所定時間内に、前記移動部材が前記接点部に接触した回数、又は、前記移動部材が前記接点部から離れた回数、に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記検出部は、前記移動部材が前記接点部に継続して接触している時間の長さ、又は、前記移動部材が前記接点部から継続して離れている時間の長さ、に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、前記移動部材は、前記下側開口部に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ開操作可能な蓋部材であり、前記接点部は、前記排水路内において前記下側開口部と前記上側開口部との間に設けられており、前記検出部は、前記接点部に対する前記蓋部材の接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、前記移動部材は、前記下側開口部に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ開操作可能な蓋部材であり、前記接点部は、前記下側開口部に設けられており、前記検出部は、前記接点部に対する前記蓋部材の非接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、前記移動部材は、前記排水路内に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ移動可能な部材であり、前記接点部は、前記排水路内において前記上側開口部の周囲に設けられており、前記検出部は、前記接点部への前記移動部材の接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のドレンパン汚れ検出装置において、前記本体部材は、前記ドレンパン側において前記排水路に連通する下側開口部と、前記吸い込み口側において前記排水路に連通する上側開口部と、を含み、前記移動部材は、前記排水路内に設けられた、ドレン水の吸引による水圧により前記上側開口部側へ移動可能な部材であり、前記接点部は、前記排水路内において前記下側開口部の周囲に設けられており、前記検出部は、前記接点部に対する前記移動部材の非接触に基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する、ことを特徴とするドレンパン汚れ検出装置である。
【0015】
請求項9に係る発明は、熱交換器と、前記熱交換器から滴下したドレン水を受けるドレンパンと、前記ドレンパンからドレン水を吸引するポンプと、前記ポンプの吸い込み口よりも前記ドレンパンから離れた位置に設けられ、前記ドレンパン内の異常水位を検出する水位センサと、前記吸い込み口に取り付けられ、ドレン水を前記ドレンパンから前記吸い込み口まで導く排水路を有する本体部材と、前記本体部材の前記排水路内に移動可能に設けられたメッシュ状の移動部材と、水圧による前記移動部材の動きに基づいて、前記ドレンパンの汚れを検出する検出部と、を含むことを特徴とする空調機器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ドレンパンの汚れを直接的に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る空調機器を示す図である。
図2】第1実施形態に係る検出装置を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る検出装置を示す断面図である。
図4】第1実施形態に係る検出装置を示す断面図である。
図5】接点部を示す断面図である。
図6】変形例1に係る検出装置を示す断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る検出装置を示す断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る検出装置を示す断面図である。
図9】変形例2に係る検出装置を示す断面図である。
図10】変形例2に係る検出装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る空調機器の一例が示されている。本実施形態に係る空調機器は、一例として、オフィスビルや工場等の建物の天井裏に設置されている。例えば、空調機器は、建物の天井の図示しない化粧パネルの裏面に設置されている。
【0019】
空調機器は図示しない熱交換器を備え、空気の加熱又は冷却を行う。熱交換器の下方には、熱交換器から滴下したドレン水を受ける容器としてのドレンパン10が配置されている。ドレンパン10には、熱交換器から滴下したドレン水が溜められる。一般的に、ドレン水には、空気中の埃や雑菌等が含まれている。図1には、ドレン水の水面12が破線で示されている。
【0020】
ドレンパン10内には、ドレン水を吸引するドレンポンプ14が配置されている。ドレンポンプ14の吸引力により、ドレンポンプ14の吸い込み口16からドレン水が吸引される。ドレンポンプ14により吸引されたドレン水は、ドレンポンプ14に連通したドレン管を介して空調機器の外部に排水される。
【0021】
ドレンパン10内には、ドレン水の異常水位を検出する水位センサ18が設けられている。水位センサ18は、ドレンポンプ14の吸い込み口16よりもドレンパン10の底面から離れた位置(吸い込み口16よりも上方の位置)に設けられている。一般的に、ドレンパン10に滞留したドレン水の中で細菌が繁殖しやすい。細菌が繁殖すると細菌の生物膜が生成され、その生物膜がドレンポンプ14の吸い込み口16に詰まりやすくなる。生物膜がドレンポンプ14の吸い込み口16に詰まると、ドレン水の排水が困難又は不可能になり、ドレンパン10内の水位が上昇する。上昇した水位が水位センサ18により検出されると、水位が異常であるとして、空調機器の動作が異常停止させられる。例えば、空調機器が突発的に停止させられる。空調機器の運転を再開させるためには、専門の技術者によるドレンパン10の清掃が必要となる。
【0022】
ドレンポンプ14の吸い込み口16には、検出装置20が取り付けられている。検出装置20は、ドレンパン10における生物膜による汚れを検出するセンサ(ドレンパン汚れ検出センサ)として機能する。検出装置20は、空調機器の内部又は外部に設けられた異常検出回路22に接続されている。検出装置20にてドレンパン10の汚れが検出されると、異常検出信号が検出装置20から異常検出回路22に出力される。異常検出回路22により異常検出信号が検出されると、例えば、警告ランプの点灯、スピーカからの警告音の発生、等の処理が実行される。警告ランプやスピーカは空調機器に設置されていてもよいし、制御盤等に設置されていてもよい。また、異常検出信号は、ネットワーク等の通信経路を介して管理センタ等に送信されてもよい。
【0023】
以下、図2から図4を参照して、検出装置20について詳しく説明する。図2は、検出装置20を模式的に示す斜視図である。図3及び図4は、検出装置20を模式的に示す断面図である。
【0024】
検出装置20は、ドレンポンプ14の吸い込み口16に取り付けられる本体部材としてのキャップ24を含む。キャップ24は、吸い込み口16に適合する筒状の形状を有している。一例として、吸い込み口16は円状の形状を有しており、キャップ24は、その円状の形状に適合する円筒状の形状を有している。もちろん、吸い込み口16が矩形状の形状を有し、キャップ24は、その矩形状の形状に適合する角筒状の形状を有していてもよい。
【0025】
キャップ24の内部には、ドレン水をドレンパン10から吸い込み口16まで導くための排水路26が形成されている。キャップ24の吸い込み口16側には、排水路26に連通する円状の上側開口部28が形成されており、キャップ24のドレンパン10側には、排水路26に連通する円状の下側開口部30が形成されている。上側開口部28及び下側開口部30の形状は一例に過ぎず、キャップ24が角筒状の形状を有している場合、上側開口部28及び下側開口部30は矩形状の形状を有することになる。
【0026】
キャップ24は矢印Aで示すように吸い込み口16に取り付けられる。その取付方法は特に限定されない。例えば、キャップ24を吸い込み口16に被せることにより、キャップ24を吸い込み口16に取り付けてもよいし、ねじ留めによりキャップ24を吸い込み口16に取り付けてもよい。もちろん、別の方法によりキャップ24を吸い込み口16に取り付けてもよい。キャップ24が吸い込み口16に取り付けられた状態で、ドレンポンプ14の作用により、ドレンパン10内のドレン水が下側開口部30から排水路26内に吸引され、上側開口部28を介して排水路26から吸い込み口16へドレン水が吸引される。
【0027】
キャップ24の下側開口部30には、下側開口部30を覆うように、移動部材としての蓋部材32が設けられている。蓋部材32は、下側開口部30に適合する形状を有している。図2に示す例では、下側開口部30の形状は円状であるため、蓋部材32の全体の形状は円状となっている。もちろん、下側開口部30及び蓋部材32の形状は、矩形状であってもよい。蓋部材32は、金属又は樹脂により構成されたメッシュ状の部材である。または、蓋部材32は多孔質部材であってもよい。蓋部材32の端部の一部は、固定部材34により、下側開口部30の縁部の一部に固定されている。蓋部材32は、その固定部材34の位置を軸として、矢印Bの方向に開閉することができる。図3には、閉状態の蓋部材32が示されており、図4には、開状態の蓋部材32が示されている。蓋部材32の端部の一部には、爪部材36が設けられている。
【0028】
また、キャップ24の内壁(排水路26の内壁)には、上側開口部28と下側開口部30との間に棒状の支持部材38が設けられており、その支持部材38の先端に接点部40が設けられている。接点部40は防水構造を有しており、図示しない配線により異常検出回路22に接続されている。図4に示すように、接点部40は、蓋部材32が開状態になってキャップ24の内部側に折れ曲がり、その折れ曲がりの角度が所定角度になったときに、爪部材36が接触する高さの位置に設けられている。
【0029】
次に、図5を参照して、接点部40について詳しく説明する。図5は、接点部40を模式的に示す断面図である。接点部40は、金属製のセンサ部材42,44と、センサ部材42,44を覆う防水用のカバー46と、を含む。カバー46は例えば樹脂等の防水機能を有する部材により構成されている。センサ部材42とセンサ部材44は対向して配置されており、それぞれ、図示しない配線により異常検出回路22に接続されている。蓋部材32の爪部材36が接点部40に接触して接点部40を押すと、センサ部材42がセンサ部材44側に移動し、センサ部材42がセンサ部材44に接触する。異常検出回路22は、センサ部材42,44の接触を検出する。この接触を検出することにより、ドレンパン10に汚れが発生したことが検出される。
【0030】
以下、検出装置20の動作について説明する。メッシュ構造を有する蓋部材32が細菌の生物膜に覆われておらず、メッシュに生物膜が詰まっていない場合、蓋部材32を介してドレン水が吸引される。このとき、図3に示すように、蓋部材32は閉状態を維持する。ドレン水内で細菌が繁殖すると、メッシュ構造を有する蓋部材32が細菌の生物膜に覆われる。蓋部材32が生物膜に覆われてメッシュが詰まると、ドレンポンプ14が運転した際に発生する差圧(水圧)により、蓋部材32が、固定部材34の位置を軸として、キャップ24の内側に折れ曲がる(図4参照)。このとき、図4に示すように、その折れ曲がりの角度が所定角度になって爪部材36が接点部40を押すと、異常検出回路22により、ドレンパン10に汚れが発生したことが検出される。この場合、警告ランプの点灯、警告音の発生、等の処理が実行される。蓋部材32が汚れ始めてから差圧(水圧)で折れ曲がっている間は、ドレンポンプ14の吸い込み口16を邪魔することはなく、ドレンポンプ14によりドレン水を排水することができる。吸い込み口16にまで生物膜が繁殖してドレン水の排水が困難又は不可能になり、ドレンパン10内の水位が上昇すると、水位センサ18により異常水位が検出される。この場合、空調機器が異常停止させられるが、水位センサ18により異常水位が検出されるまでの間は、ドレンポンプ14によりドレン水を排水することができる。
【0031】
以上のように、第1実施形態に係る検出装置20によると、水位センサ18がドレン水の異常水位を検出する前に、ドレンパン10の汚れを直接的に検出することが可能となる。これにより、空調機器が異常停止する前に、専門技術者による清掃作業を実施することが可能となる。空調機器が突発的に停止した場合、復旧までに多大な時間を要するが、第1実施形態によると、その突発的な停止の前に汚れを直接的に検出できるので、突発的な停止を回避することが可能となる。
【0032】
ドレン水の中には、一般細菌の他、ユーザの健康を害する可能性のある細菌(例えばレジオネラ菌属等)が含まれる可能性がある。これに対処するために、ドレンパン10の汚れを直接的に検出する機構が設けられていない場合、法律により、フロア、機種及び運用単位毎に月一回のドレンパン点検が義務付けられている。しかし、点検対象の台数が非常に多い場合、設備管理面において多大な労力とコストを要する。第1実施形態によると、ドレンパン10の汚れを直接的に検出することができるので、ドレンパン点検の免除を受けることが可能となり、労力とコストを削減することが可能となる。
【0033】
なお、蓋部材32は、固定部材34を用いずに、自重又は磁石の吸着力により、下側開口部30に設けられていてもよい。蓋部材32が自重により設けられている場合、その自重を超える差圧(水圧)が蓋部材32に発生すると、蓋部材32が開いた状態となり、ドレンパン10の汚れが検出される。蓋部材32が磁石の吸着力により設けられている場合、その吸着力を超える差圧(水圧)が蓋部材32に発生すると、蓋部材32が開いた状態となり、ドレンパン10の汚れが検出される。
【0034】
上記の第1実施形態において、異常検出回路22は、所定期間内に蓋部材32の爪部材36が接点部40に接触した回数に基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、所定期間内に、爪部材36が接点部40を押した回数が所定回数以上の場合、つまり、所定期間内における異常検出信号の出力回数が所定回数以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に爪部材36が接点部40を押してしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定期間及び所定回数は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0035】
別の例として、異常検出回路22は、蓋部材32の爪部材36が接点部40に継続して接触している時間の長さに基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、爪部材36が接点部40を継続して押している時間の長さが所定時間以上の場合、つまり、異常検出信号が継続して出力している時間の長さが所定時間以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に爪部材36が接点部40を押してしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定時間は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0036】
次に、図6を参照して、第1実施形態の変形例1について説明する。図6は、変形例1に係る検出装置20Aを模式的に示す断面図である。変形例1に係る検出装置20Aには、支持部材38と接点部40は設けられていない。それらの代りに、キャップ24の下側開口部30の縁部の一部に、接点部48が設けられている。接点部48は、配線により異常検出回路22に接続されている。接点部48は、防水構造を有し、例えば図5に示されている接点部40と同様の構成を有する。接点部48以外の構成は、第1実施形態に係る検出装置20の構成と同じである。
【0037】
蓋部材32が閉状態の場合、つまり、蓋部材32がキャップ24の内側に折り曲げられていない場合、蓋部材32の端部の一部が接点部48を押す。一方、蓋部材32が開状態の場合、つまり、蓋部材32がキャップ24の内側に折り曲げられた場合、蓋部材32が接点部48から離れる。異常検出回路22は、蓋部材32が接点部48から離れたことを検出することにより、ドレンパン10に汚れが発生したことを検出する。
【0038】
メッシュ構造を有する蓋部材32が細菌の生物膜に覆われておらず、メッシュに生物膜が詰まっていない場合、蓋部材32を介してドレン水が吸引される。このとき、蓋部材32は閉状態を維持する(図6中の実線で示す蓋部材32の状態)。ドレン水内で細菌が繁殖して蓋部材32が細菌の生物膜に覆われると、ドレンポンプ14が運転した際に発生する差圧(水圧)により、蓋部材32が、キャップ24の内側に折れ曲がる(図6中の一点鎖線で示す蓋部材32の状態)。これにより、蓋部材32が接点部48から離れ、その離れたことが異常検出回路22により検出される。これにより、ドレンパン10に汚れが発生したことが検出される。
【0039】
以上のように、変形例1に係る検出装置20Aによると、第1実施形態に係る検出装置20と同様に、水位センサ18がドレン水を検出する前に、ドレンパン10の汚れを直接的に検出することが可能となる。
【0040】
なお、変形例1に係る検出装置20Aにおいても、蓋部材32は、固定部材34を用いずに、自重又は磁石の吸着力により、下側開口部30に設けられていてもよい。
【0041】
また、異常検出回路22は、所定期間内に蓋部材32が接点部48から離れた回数に基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、所定期間内に、蓋部材32が接点部48から離れた回数が所定回数以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に蓋部材32が接点部48から離れてしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定時間及び所定回数は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0042】
別の例として、異常検出回路22は、蓋部材32が接点部48から継続して離れている時間の長さに基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、蓋部材32が接点部48から継続して離れている時間の長さが所定時間以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に蓋部材32が接点部48から離れてしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定時間は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0043】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る空調機器について説明する。第2実施形態に係る空調機器は、第1実施形態に係る検出装置20及び変形例1に係る検出装置20Aの代りに、別の検出装置を備えている。検出装置以外の構成は、第1実施形態に係る空調機器の構成と同じである。
【0044】
図7及び図8には、第2実施形態に係る検出装置20Bが示されている。図7及び図8は、検出装置20Bを模式的に示す断面図である。
【0045】
検出装置20Bは、ドレンポンプ14の吸い込み口16に取り付けられる本体部材としてのキャップ50を含む。キャップ50は、吸い込み口16に適合する筒状の形状を有している。一例として、吸い込み口16は円状の形状を有しており、キャップ50は、その円状の形状に適合する円筒状の形状を有している。もちろん、吸い込み口16が矩形状の形状を有し、キャップ50は、その矩形状の形状に適合する角筒状の形状を有していてもよい。
【0046】
キャップ50の内部には、ドレン水をドレンパン10から吸い込み口16まで導くための排水路52が形成されている。キャップ50の吸い込み口16側には、排水路52に連通する円状又は矩形状の上側開口部54が形成されており、キャップ50のドレンパン10側には、排水路52に連通する円状又は矩形状の下側開口部56が形成されている。
【0047】
吸い込み口16へのキャップ50の取付方法は、第1実施形態と同様に特に限定されない。例えば、キャップ50を吸い込み口16に被せることにより、キャップ50を吸い込み口16に取り付けてもよいし、ねじ留めによりキャップ50を吸い込み口16に取り付けてもよい。もちろん、別の方法によりキャップ50を吸い込み口16に取り付けてもよい。キャップ50が吸い込み口16に取り付けられた状態で、ドレンポンプ14の作用により、ドレンパン10内のドレン水が下側開口部56から排水路52内に吸引され、上側開口部54を介して排水路52から吸い込み口16へドレン水が吸引される。
【0048】
排水路52内には、移動部材としての球状部材58が設けられている。球状部材58は、全体として球状の形状を有し、金属又は樹脂により構成されたメッシュ状の部材である。または、球状部材58は多孔質部材であってもよい。球状部材58の大きさ(直径)は、上側開口部54及び下側開口部56の幅よりも大きい。これにより、球状部材58は排水路52内に閉じ込められ、球状部材58の移動は排水路52内に制限される。球状部材58の代りに、全体として矩形状の形状(例えば立方体の形状)を有する部材が移動部材として用いられてもよい。この場合も、その移動部材の幅は、上側開口部54及び下側開口部56の幅よりも大きい。球状部材58は、自重又は磁石の吸着力により、下側開口部56側に設置されている。球状部材58は、排水路52内において、矢印Cの方向に、上側開口部54と下側開口部56との間で移動可能な部材である。図7には、下側開口部56側に設置された状態の球状部材58が示されており、図8には、上側開口部54側に移動した状態の球状部材58が示されている。
【0049】
また、キャップ50の内壁(排水路52の内壁)において、上側開口部54の周囲に、接点部60が設けられている。接点部60は、図示しない配線により異常検出回路22に接続されている。接点部60は、防水構造を有し、例えば図5に示されている接点部40と同様の構成を有する。なお、接点部60は、上側開口部54の周囲に設けられているが、別の位置として、下側開口部56側に設置されたときの球状部材58と上側開口部54との間に設けられてもよい。
【0050】
以下、検出装置20Bの動作について説明する。メッシュ構造を有する球状部材58が細菌の生物膜に覆われておらず、メッシュに生物膜が詰まっていない場合、球状部材58を介してドレン水が吸引される。このとき、図7に示すように、球状部材58は下側開口部56側に設置された状態を維持する。ドレン水内で細菌が繁殖すると、メッシュ構造を有する球状部材58が細菌の生物膜で覆われる。球状部材58が生物膜で覆われてメッシュが詰まると、ドレンポンプ14が運転した際に発生する差圧(水圧)により、球状部材58が、下側開口部56側から上側開口部54側へ移動する。例えば、球状部材58が自重により設けられている場合、その自重を超える差圧(水圧)が球状部材58に発生すると、球状部材58が上側開口部54側に移動する。球状部材58が磁石の吸着力により設けられている場合、その吸着力を超える差圧(水圧)が球状部材58に発生すると、球状部材58が上側開口部54側に移動する。このとき、図8に示すように、球状部材58が上側開口部54まで移動し、接点部60を押すと、異常検出回路22により、ドレンパン10に汚れが発生したことが検出される。この場合、警告ランプの点灯、警告音の発生、等の処理が実行される。その後、生物膜が繁殖してドレン水の排水が困難又は不可能になり、ドレンパン10内の水位が上昇すると、水位センサ18により異常水位が検出される。この場合、空調機器が異常停止させられるが、水位センサ18により異常水位が検出されるまでの間は、ドレンポンプ14によりドレン水を排水することができる。
【0051】
以上のように、第2実施形態に係る検出装置20Bによると、第1実施形態に係る検出装置20と同様に、水位センサ18がドレン水の異常水位を検出する前に、ドレンパン10内の汚れを直接的に検出することが可能となる。これにより、空調機器が異常停止する前に、専門技術者による清掃作業を実施することが可能となる。それ故、第2実施形態によると、第1実施形態と同様に、空調機器の突発的な停止を回避することが可能となる。また、ドレンパン10の汚れを直接的に検出することができるので、ドレンパン点検の免除を受けることが可能となり、労力とコストを削減することが可能となる。
【0052】
上記の第2実施形態において、異常検出回路22は、所定期間内に球状部材58が接点部60に接触した回数に基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、所定期間内に、球状部材58が接点部60を押した回数が所定回数以上の場合、つまり、所定期間内における異常検出信号の出力回数が所定回数以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に球状部材58が接点部60を押してしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定期間及び所定回数は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0053】
別の例として、異常検出回路22は、球状部材58が接点部60に継続して接触している時間の長さに基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、球状部材58が接点部60を継続して押している時間の長さが所定時間以上の場合、つまり、異常検出信号が継続して出力している時間の長さが所定時間以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に球状部材58が接点部60を押してしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定時間は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0054】
次に、図9及び図10を参照して、第2実施形態に係る変形例2について説明する。図9及び図10は、変形例2に係る検出装置20Cを模式的に示す断面図である。変形例2に係る検出装置20Cには、キャップ50の内壁(排水路52の内壁)において、下側開口部56の周囲に接点部60が設けられている。接点部60は、図示しない配線により異常検出回路22に接続されている。接点部60は、防水構造を有し、例えば図5に示されている接点部40と同様の構成を有する。上述した第2実施形態に係る検出装置20Bと異なり、上側開口部54の周囲には、接点部60は設けられていない。接点部60の設置位置以外の構成は、第2実施形態に係る検出装置20Bの構成と同じである。
【0055】
球状部材58が下側開口部56側に設置されている場合、球状部材58が接点部60を押す。一方、球状部材58が上側開口部54側に移動した場合、球状部材58が接点部60から離れる。異常検出回路22は、球状部材58が接点部60を離れたことを検出することにより、ドレンパン10に汚れが発生したことを検出する。
【0056】
メッシュ構造を有する球状部材58が細菌の生物膜に覆われておらず、メッシュに生物膜が詰まっていない場合、球状部材58を介してドレン水が吸引される。このとき、図9に示すように、球状部材58は下側開口部56側に設置された状態を維持する。ドレン水内で細菌が繁殖すると、球状部材58が細菌の生物膜に覆われる。球状部材58が生物膜に覆われてメッシュが詰まると、ドレンポンプ14が運転した際に発生する差圧(水圧)により、球状部材58が、排水路52内において、上側開口部54側へ移動する。図10には、上側開口部54側へ移動した状態の球状部材58が示されている。球状部材58が上側開口部54側へ移動することにより、球状部材58が接点部60から離れ、その離れたことが異常検出回路22により検出される。これにより、ドレンパン10に汚れが発生したことが検出される。
【0057】
以上のように、変形例2に係る検出装置20Cによると、第2実施形態に係る検出装置20Bと同様に、水位センサ18がドレン水を検出する前に、ドレンパン10内の汚れを直接的に検出することが可能となる。
【0058】
また、異常検出回路22は、所定期間内に球状部材58が接点部60から離れた回数に基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、所定期間内に、球状部材58が接点部60から離れた回数が所定回数以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生したと判定してもよい。これにより、偶発的に球状部材58が接点部60から離れてしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定時間及び所定回数は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【0059】
別の例として、異常検出回路22は、球状部材58が接点部60から継続して離れている時間の長さに基づいて、ドレンパン10の汚れを検出してもよい。例えば、球状部材58が接点部60から継続して離れている時間の長さが所定時間以上の場合、異常検出回路22は、ドレンパン10に汚れが発生していると判定してもよい。これにより、偶発的に球状部材58が接点部60から離れてしまった場合であっても、汚れの誤検出を回避することが可能となり、汚れの検出精度を向上させることが可能となる。所定時間は、予め設定された値であってもよいし、作業者等により変更されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 ドレンパン、14 ドレンポンプ、16 吸い込み口、18 水位センサ、20,20A,20B,20C 検出装置、22 異常検出回路、24,50 キャップ、26,52 排水路、32 蓋部材、36 爪部材、40,48,60 接点部、58 球状部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10