(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クラウドソーシングにおいては、実施した作業量と当該作業の単価に基づく報酬を明細形式で作業者に提示することが行われている。しかしながら、マイクロタスクは短時間で実施可能なものであり、一回当たりの報酬が少ないことから、明細形式で示された報酬額を作業者が確認しても、報酬額に対して魅力を感じず、作業の実施に対する作業者の意欲が低下してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、作業の実施に対する作業者の意欲を向上させることができる表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る表示制御装置は、作業の対価として作業者に支払われる報酬の基準時点からの累積額を取得する第1取得部と、商品の価格及び品目を取得する第2取得部と、取得した前記累積額、前記価格、及び前記品目を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0007】
前記第2取得部は、複数の商品の価格及び品目を取得し、前記表示制御装置は、前記複数の商品の品目について、前記表示部に表示させる優先度を算出する算出部をさらに備え、前記表示制御部は、取得した累積額と、前記複数の商品のうち前記優先度が相対的に高い一の商品の価格及び品目とを前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
前記算出部は、前記作業者の前記複数の商品の利用状況に基づいて前記優先度を算出してもよい。
前記算出部は、前記作業者の前記複数の商品に対する購買心理を特定し、当該購買心理に基づいて前記優先度を算出してもよい。
前記算出部は、前記複数の商品と前記作業の内容との関連度に基づいて前記優先度を算出してもよい。
【0009】
前記第2取得部は、複数の商品の価格及び品目を取得し、前記表示制御部は、複数の商品のうち、前記累積額と価格との差分が所定範囲内となる商品の価格及び品目を前記表示部に表示させてもよい。
前記表示制御部は、前記累積額と前記価格との差分を前記表示部に表示させてもよい。
前記作業は、通信ネットワークを介して不特定多数の作業者に依頼される作業であってもよい。
【0010】
本発明の第2の態様に係る表示制御方法は、コンピュータにより実行される、作業の対価として作業者に支払われる報酬の基準時点からの累積額を取得するステップと、商品の価格及び品目を取得するステップと、取得した前記累積額、前記価格、及び前記品目を表示部に表示させるステップと、を備える。
【0011】
本発明の第3の態様に係る表示制御プログラムは、コンピュータを、作業の対価として作業者に支払われる報酬の基準時点からの累積額を取得する第1取得部、商品の価格及び品目を取得する第2取得部、及び取得した前記累積額、前記価格、及び前記品目を表示部に表示させる表示制御部、として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、作業の実施に対する作業者の意欲を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[タスク管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係るタスク管理システムSの概要を示す図である。タスク管理システムSは、表示制御装置としてのタスク管理装置1と、依頼者端末2と、作業者端末3とを備える。タスク管理システムSは、不特定多数の人に仕事等のタスクを依頼するクラウドソーシングを管理するシステムである。ここで、タスクは、インターネット等の通信ネットワークを介して不特定多数の作業者に依頼されるとともに、不特定多数の作業者が短時間で実施可能な作業であるマイクロタスクであるものとする。また、マイクロタスクは、短時間で実施可能な作業であることから、実施に対して支払われる報酬が通常の労働に比べて少ないものとする。
【0015】
タスク管理装置1は、依頼者端末2及び作業者端末3と通信ネットワークを介して接続されるサーバである。依頼者端末2は、タスクの実施を依頼する依頼者が使用するコンピュータであり、パーソナルコンピュータや、スマートフォン等である。作業者端末3は、依頼者から依頼されたタスクを実施する作業者が使用するコンピュータであり、スマートフォン等の携帯端末である。なお、
図1では、依頼者端末2及び作業者端末3は、それぞれ1台ずつ表示されているが、依頼者端末2及び作業者端末3は、複数存在しているものとする。
【0016】
本実施形態において、タスク管理装置1は、依頼者端末2からタスクの登録を受け付ける(
図1の(1))。タスク管理装置1は、作業者端末3から、登録されている1以上のタスクのうち、作業者が実施するタスクの選択を受け付ける(
図1の(2))。作業者が、選択したタスクを実施し(
図1の(3))、タスクの実施結果を作業者端末3に登録すると、作業者端末3は、タスクの実施結果をタスク管理装置1に送信する(
図1の(4))。タスク管理装置1は、依頼者端末2にタスクの実施結果を送信する(
図1の(5))。依頼者は、タスクの実施結果を確認すると(
図1の(6))、依頼者端末2を介して、確認結果をタスク管理装置1に送信する(
図1の(7))。タスク管理装置1は、確認結果が、タスクが問題なく実施されていることを示している場合に、タスクを実施した作業者に報酬を付与するとともに、報酬の累積額を含む報酬画面を生成し、作業者端末3に送信して表示させる(
図1の(8)、(9))。
【0017】
図2は、本実施形態に係る報酬画面の一例を示す図である。
図2(a)に示す報酬画面には、報酬の累積額「1250円」とともに、商品の品目「映画チケット」及び価格「1500円」が含まれていることが確認できる。なお、報酬画面は、
図2(a)に示す表示態様に限らず、
図2(b)に示すように商品の品目を先頭に表示させるようにしてもよい。このように、報酬の累計額(以下、報酬累計額ともいう。)と、商品の品目及び価格とを報酬画面に表示させることにより、作業者は、マイクロタスクを実施したことによる具体的な効果を容易に想像することができ、マイクロタスクのような一回の実施に対する報酬が小さい作業においても、作業の実施に対する意欲を得ることができる。
以下、タスク管理装置1の構成について説明する。
【0018】
[タスク管理装置1の構成例]
図3は、本実施形態に係るタスク管理装置1の構成を示す図である。
タスク管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して外部装置と通信を行う。通信部11は、例えば、依頼者端末2及び作業者端末3と通信を行う。
【0019】
記憶部12は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部12は、タスク管理装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、タスク管理装置1の制御部13を、後述するタスク受付部131、タスク管理部132、及び報酬提示部133として機能させるタスク管理プログラムを記憶する。なお、タスク管理プログラムは、複数のプログラムを含んでいてもよい。例えば、タスク管理プログラムは、制御部13を報酬提示部133として機能させる表示制御プログラムを含んでいてもよい。
また、記憶部12は、報酬画面に表示される商品に関する各種情報を記憶する。
【0020】
制御部13は、例えばCPUである。制御部13は、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、タスク管理装置1に係る機能を制御する。制御部13は、タスク受付部131と、タスク管理部132と、報酬提示部133とを備える。
【0021】
タスク受付部131は、依頼者端末2からタスクの登録を受け付ける。例えば、タスク受付部131は、依頼者端末2から、タスクの内容、実施場所、実施日時、単価、及び実施件数を受け付けることにより、タスクの登録を受け付ける。タスクの内容は、例えば、交通量調査や、地図作成のための建築物確認、店舗調査、通信品質調査等である。タスク受付部131は、受け付けたタスクを示すタスク情報を記憶部12に記憶させる。
図4は、本実施形態に係るタスク情報の一例を示す図である。
図4に示すように、タスク情報には、タスクの内容、実施場所、実施日時、単価、及び実施件数が関連付けられて記憶されていることが確認できる。
【0022】
タスク管理部132は、記憶部12に記憶されているタスク情報に対応するタスクを管理する。具体的には、タスク管理部132は、作業者端末3から、登録されている1以上のタスクのうち、作業者が実施するタスクの選択を受け付ける。また、タスク管理部132は、選択されたタスクの実施結果を示す実施結果情報を作業者端末3から受信し、当該実施結果情報を依頼者端末2に送信する。
【0023】
また、タスク管理部132は、依頼者端末2から、タスクの実施結果に対応する確認結果を示す確認結果情報を受信する。タスク管理部132は、確認結果が、タスクが問題なく実施されていることを示している場合に、タスクを実施した作業者に報酬を付与する。例えば、記憶部12には、
図5に示すように、作業者を識別する作業者IDと、当該作業者に付与されている報酬の累計額とを関連付けた報酬額情報が記憶されている。ここで、報酬累計額は、予め定められた基準時点からの累計額である。基準時点は、例えば、これまでに付与されていた報酬累計額の支払いが行われた時点、現在時刻が属している月の月初日、現在時刻から所定期間前の年月日等である。
【0024】
タスク管理部132は、確認結果が、タスクが問題なく実施されていることを示している場合に、記憶部12に記憶されているタスク情報を参照して当該タスクの単価を特定し、タスクの実施に対して付与される報酬を特定する。そして、タスク管理部132は、記憶部12に記憶されている報酬額情報を参照し、タスクを実施した作業者の作業者IDに関連付けられている報酬累計額に、特定した報酬を加算することにより、タスクを実施した作業者に報酬を付与する。
【0025】
報酬提示部133は、作業者に対応する報酬累計額を特定するとともに、当該報酬累計額とともに報酬画面に表示される商品の品目及び価格を取得する。報酬提示部133は、特定した報酬累計額、商品の品目及び価格を含む報酬画面を生成し、当該報酬画面を作業者端末3に送信することにより、当該報酬画面を作業者端末3の表示部に表示させる。
【0026】
報酬提示部133は、
図3に示すように、第1取得部134と、第2取得部135と、算出部136と、表示制御部137とを備える。以下、これらの機能の詳細について説明する。
第1取得部134は、作業の対価として作業者に支払われる報酬の基準時点からの累計額を取得する。例えば、第1取得部134は、タスクの実施が行われ、タスクに対応する報酬が作業者に付与されたことに応じて、記憶部12に記憶されている報酬額情報を参照し、当該作業者に対応する報酬累計額を取得する。
【0027】
第2取得部135は、複数の商品の品目と価格とを取得する。例えば、記憶部12には、複数の商品の品目と価格とを含む商品情報が記憶されている。
図6は、本実施形態に係る商品情報の一例を示す図である。
図6に示すように、商品情報には、商品の品目と、当該商品が属するカテゴリ(大カテゴリ、中カテゴリ等)と、当該商品の価格とが関連付けられて記憶されている。第2取得部135は、記憶部12に記憶されている商品情報を参照することにより、複数の商品の品目と価格とを取得する。
【0028】
なお、本実施形態では、商品情報は、タスク管理装置1の管理者等によって予め記憶されるものとするが、これに限らない。例えば、作業者が、作業者端末3を介して、商品情報に、各種商品の品目、カテゴリ、及び価格を登録できるようにしてもよい。また、第2取得部135は、記憶部12に記憶されている商品情報から複数の商品の品目と価格とを取得したが、これに限らない。例えば、第2取得部135は、作業者のクレジットカードの利用履歴、各種サービスの契約情報、オンラインショッピングサイトの購買履歴、閲覧履歴等から複数の商品の品目と価格とを取得してもよい。
【0029】
算出部136は、第2取得部135によって取得された複数の商品の品目について、作業者端末3の表示部に表示させる優先度を算出する。具体的には、算出部136は、作業者の複数の商品の利用状況、複数の商品に対する購買心理、複数の商品とタスクの内容との関連度の少なくともいずれかに基づいて優先度を算出する。
【0030】
図7は、優先度を算出するために用いられる優先度情報の一例を示す図である。
図7に示すように、優先度情報には、商品の品目と、当該商品の現在の利用状態を示す情報と、当該商品に対する購買意欲及び心理負担と、作業者が実施しているタスクとの関連を示すタスク関連情報と、当該商品の価格と、優先度とが関連付けられて記憶されていることが確認できる。
【0031】
算出部136は、作業者のクレジットカードの利用履歴、各種サービスの契約情報、オンラインショッピングサイトの購買履歴、閲覧履歴等を取得し、これらの情報に基づいて、作業者が商品の利用状況を推定する。ここで、商品には、実店舗やショッピングサイトにおける購買商品及び閲覧商品、携帯電話の通信サービス、電気、水道、ガス、交通機関等の公共サービス、レストランや娯楽施設やホテル等で提供される各種サービス等が含まれる。
【0032】
なお、算出部136は、作業者端末3に複数の商品の品目を表示させ、当該商品の利用状況の回答を作業者から受け付けてもよい。また、算出部136は、作業者端末3から、作業者端末3の位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて、作業者の商品の利用状況を推定してもよい。例えば、作業者端末3から取得した位置情報に基づいて、作業者がレストラン等の店舗に滞在し、食事に係るサービスの提供を受けていることを特定したり、電車等の交通機関を利用していることを特定したりしてもよい。また、算出部136は、作業者宅に設置されている製品から情報を取得することにより、作業者の商品の利用状況を推定してもよい。例えば、算出部136は、作業者宅における電力計から電力使用量を示す情報を取得し、作業者がエアコンを稼働させているか否かを推定してもよい。
【0033】
算出部136は、複数の商品のそれぞれについて、現在利用していると推定すると、優先度情報に含まれる現在の利用状態を示す情報に、利用中であることを示す「1」を入力し、現在利用していないと推定すると、現在の利用状態を示す情報に、利用していないことを示す「0」を入力する。
【0034】
算出部136は、取得された複数の商品のそれぞれについて、作業者の購買心理を推定する。例えば、算出部136は、オンラインショッピングサイトにおける作業者の購買履歴及び閲覧履歴に基づいて、購買された商品や閲覧頻度の高い商品を、購買意欲が高い商品と推定する。また、算出部136は、作業者端末3に複数の商品の品目を表示させ、当該商品の購買意欲に関する回答を作業者から受け付けてもよい。
【0035】
また、算出部136は、修理費や違反金といった例外的な出費に係る商品や、当該商品に対応するカテゴリに属する他の商品を、作業者の心理的な負担が高い商品と推定する。また、算出部136は、作業者端末3に複数の商品の品目を表示させ、当該商品の心理的な負担に関する回答を作業者から受け付けてもよい。
算出部136は、複数の商品のそれぞれについて、購買意欲及び心理的な負担を数値化し、数値化された購買意欲と心理的な負担との合計値を、優先度情報に含まれる購買意欲及び心理負担に係る項目に入力する。
【0036】
算出部136は、第2取得部135によって取得された複数の商品のそれぞれについて、作業者が実施中のタスク、又は直前まで実施していたタスクと関連しているか否かを特定する。例えば、
図8に示すように、タスクの内容を示す情報と、当該タスクが属するカテゴリとを関連付けて記憶部12に記憶しておく。算出部136は、作業者がタスクを継続して実施している場合には、実施中のタスクの内容を特定し、作業者がタスクを完了している場合には、直前に実施していたタスクの内容を特定する。算出部136は、記憶部12を参照し、特定したタスクの内容に関連付けられているカテゴリを特定し、当該カテゴリを大カテゴリ又は中カテゴリに含んでいる商品を、作業者が実施中のタスク、又は直前まで実施していたタスクと関連している商品と特定する。算出部136は、優先度情報において、特定された商品に関連付けられているタスク関連情報に、当該商品がタスクと関連していることを示す「1」を入力し、特定されなかった商品に関連付けられているタスク関連情報に、当該商品がタスクと関連していないことを示す「0」を入力する。
【0037】
なお、上述の説明では、タスクの内容を示す情報と、当該タスクが属するカテゴリとを関連付けて記憶部12に記憶しておくこととしたが、これに限らない。算出部136は、自然言語処理や機械学習を用いてタスクの内容に対応するカテゴリを推定するようにしてもよい。例えば、算出部136は、タスクの内容について形態素解析を行い、それぞれの語句について、TF−IDF(Term Frequency - Inverse Document Frequency)値を算出し、TF−IDF値が高い語句をタスクの内容に対応するカテゴリとするようにしてもよい。また、予め、タスクの内容と、カテゴリとの教師データに基づいて機械学習のモデルを作成し、当該モデルに基づいて任意のタスク内容に対応するカテゴリを推定するようにしてもよい。
【0038】
算出部136は、
図7に示す優先度情報において、商品の現在の利用状態を示す情報、当該商品に対する購買意欲及び心理負担を示す情報、及びタスク関連情報の入力が行われると、これらの情報に基づいて、複数の商品のそれぞれの優先度を算出する。例えば、商品の現在の利用状態を示す情報を優先度指標a、商品の購買意欲及び心理負担を示す情報を優先度指標b、タスク関連情報を優先度指標c、商品の価格を優先度指標dとした場合に、式(1)に基づいて優先度Pを算出する。ここで、w
a、w
b、w
c、w
dは、各優先度指標の重み付け値である。
P=w
aa+w
bb+w
cc+w
dd・・・(1)
【0039】
表示制御部137は、第1取得部134が取得した報酬累積額と、第2取得部135が取得した商品の価格及び品目とを、作業者端末3の表示部に表示させる。具体的には、表示制御部137は、
図2に示すように、取得した累積額と、複数の商品のうち優先度が相対的に高い一の商品の価格及び品目とを含む報酬画面を生成する。そして、表示制御部137は、生成した報酬画面を作業者端末3に送信することにより、当該報酬画面を作業者端末3の表示部に表示させる。表示制御部137は、
図2に示すように、報酬累積額と、商品の価格との差分を報酬画面に含めることにより、当該差分を作業者端末3の表示部に表示させるようにしてもよい。
【0040】
なお、表示制御部137は、優先度が相対的に高い複数の商品のうち、報酬累積額と商品の価格との差分が所定範囲内となる商品を選択し、当該商品の価格及び品目を含む報酬画面を生成するようにしてもよい。差分が小さい商品を表示させることにより、作業者に、タスクの実施を継続することによって当該商品を購入することができる可能性が高いと判断させ、作業意欲をさらに向上させることができる。
【0041】
[検証事例]
続いて、タスクの実施に対する報酬の表示形式の有効性の検証事例を示す。検証では、被験者180人を、60人ずつ、3つのグループに分けた。そして、第1グループの被験者には、従来の表示形式である、報酬をリスト表示する明細形式で提示し、第2グループの被験者には、商品入手の手段として報酬を提示する入手形式(
図2(a)に示す形式)で提示し、第3グループの被験者には、費用からの減額として報酬を提示する減額形式(
図2(b)に示す形式)で提示することにより、報酬額が同額のマイクロタスクを実施させた。
図9は、検証結果を示す図である。
図9に示すように、明細形式で報酬を提示したグループのタスク実施率に比べて、入手形式で報酬を提示したグループにおけるタスク実施率が5%、減額形式で報酬を提示したグループにおけるタスク実施率が4%増加した。したがって、
図2に示すように、報酬累積額と、商品の価格及び品目とを提示することが効果的であることが確認できた。
【0042】
[本実施形態における効果]
以上のとおり、本実施形態に係るタスク管理システムSでは、タスク管理装置1は、作業の対価として作業者に支払われる報酬の基準時点からの累積額を取得するとともに、商品の品目と価格とを取得し、取得した累積額、価格、及び品目を作業者端末3の表示部に表示させる。このようにすることで、タスク管理装置1は、タスクを実施したことによる具体的な効果を作業者に容易に想像させることができ、マイクロタスクのような1回の実施に対する報酬が低いタスクにおいても、タスクの実施に対する作業者の意欲を向上させることができる。
【0043】
また、作業者に具体的な商品の品目や価格を強く意識させるほど、報酬意欲の向上効果が大きくなることが期待される。これに対して、タスク管理装置1は、作業者の複数の商品の利用状況、複数の商品に対する購買心理、複数の商品とタスクの内容との関連度の少なくともいずれかに基づいて優先度を算出し、当該優先度に基づいて、品目及び価格を表示させる商品を選択するので、作業者に対して効果的に商品の品目や価格を意識させて、作業意欲をさらに向上させることができる。
【0044】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。例えば、上述の実施形態では、算出部136が、複数の商品のそれぞれについて優先度を算出し、当該優先度が相対的に高い商品の品目と価格とを報酬画面に表示させることとしたが、これに限らない。例えば、ユーザに、複数の商品の品目及び価格を示す商品選択リストを表示させ、当該商品選択リストから、報酬画面に品目及び価格を表示させる商品の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0045】
また、算出部136は、複数の優先度指標a〜dのそれぞれに対して所定の重み付け値を乗算することにより、各商品の優先度を算出したが、これに限らない。例えば、過去にユーザが商品選択リストから商品を選択している場合には、当該商品の優先度が高くなるように重み付け値を調整するようにしてもよい。
【0046】
また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上述の実施形態では、タスク管理装置1が報酬提示部133として機能したが、作業者端末3が報酬提示部133の機能を備えるようにしてもよい。例えば、制御部を、第1取得部134、第2取得部135、算出部136、及び表示制御部137として機能させる表示制御プログラムを作業者端末3の記憶部に記憶させておき、当該表示制御プログラムを作業者端末3に実行させるようにしてもよい。