【実施例】
【0082】
実施例1:キメラチャネルロドプシン変異形C1V1の開発
この実施例では、皮質のE/I上昇の駆動および皮質切片でのγ振動の監視、ならびに生きた動物でのインビボ実験を可能にするであろう手段を、1)用量反応の調査を可能にする、さらにより高い力価、2)E/Iバランスの段階様の変化を可能にする低い脱感作、および3)同じ調製物内での異なる集団の相対的な駆動を可能にする、赤方偏移した励起、の3つの主要な特性とともに、模索した。
【0083】
これらの実験を、まず、赤方偏移および低下した脱感作の両方を示す
14、VChR1に試みたが、以前の調査は、VChR1を発現する細胞における光電流が小さい(−100〜150pA
14)ことを示唆し、下流細胞(示されない)では強いシナプス活性を誘発しなかった。実際に、細胞にVChR1を発現することを初めて試みたとき、以前の発見と一致する、小さな光電流のみが観察された(
図1A)。VChR1−is−EYFPを生成するために、Kir2.1チャネルから導出される膜輸送シグナルを付加することは、VChR1−EYFPと比較して、ごく限られた光電流の強化傾向をもたらした(
図1B)。しかしながら、ChR2において、膜貫通セグメントをChR1からの相同領域で置換することは、膜の標的化を増加させ、光電流を強化したことに留意し、VChR1のヘリックスと、他のChRからの対応するヘリックスとの間の類似の系統的交換が、同様に、HEK細胞において強化された膜発現をもたらすという仮説を立てた。
【0084】
材料および方法
キメラチャネルロドプシン変異形C1V1を、重複伸長PCRにより、野生型またはヒトコドン最適化のいずれかのチャネルロドプシン−1を、ヒトコドン適応VChR1(GenBankTM受託番号ACD70142.1)と融合させることによって生成した。C1V1スプライス変異形を、重複PCRによって生成した。変異形1は、ChR1の最初の145のアミノ酸およびVChR1のアミノ酸102〜316を含有していた。変異形2は、ChR1の最初の162のアミノ酸およびVChR1のアミノ酸119〜316を含有していた。結果として得られたキメラPCRフラグメントを、CaMKIIαプロモータ下で、pECFP−N1(Clonetech,Mountain View,CA)およびレンチウイルス発現ベクターにクローニングした。膜輸送シグナルは、Kir2.1チャネル1から導出した。突然変異は、コード配列およびスプライス部位のシークエンシングによって確認した。AAV仲介の遺伝子送達については、CaMKIIαプロモータとともに、オプシン−EYFP融合体を、pAAV2−MCSベクターの修飾形にサブクローニングした。Cre依存性オプシンの発現は、オプシン−EYFPカセットを、伸長因子1a(EF−1α)プロモータの制御下で、互換性のないlox部位(loxPおよびlox2722)の対の間に逆向きにクローニングして、二重floxの逆位オープンリーディングフレーム(D10)を生成することによって、達成した。全ての構築物は、Deisseroth Lab(www.optogenetics.org)から入手可能である。
【0085】
HEK293細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン(Biochrome,Berlin,Germany)、および1%(w/w)ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したダルベッコ基礎培地で培養した。細胞を、0.175×106細胞/mlの濃度でカバースリップに播種し、1μMのオールトランスレチナールを補充した。一過的なトランスフェクションを、Fugene 6(Roche,Mannheim,Germany)を用いて行い、20〜28時間後に記録を行った。一過的にトランスフェクトしたHEK293細胞内の光電流を、従来の全細胞パッチクランプにより記録した。外部溶液は、140 NaCl、2 CaCl
2、2 MgCl
2、2 KCl、10 HEPES(pH7.2)を含有した[mM]。内部溶液は、110 NaCl、10 EGTA、2 MgCl
2、1 CaCl
2、5 KCl、10 HEPES(pHは、CsOHまたはHClのいずれかを使用して、7.2に調節した)を含有した[mM]。パッチピペットを、微小ピペット引具モデルP−97(Sutter Instrument Co.,Novato,CA)を使用して、1.5〜2MΩの抵抗でマイクロヘマトクリット管(Hecht−Assistant,Sondheim,Germany)から引き出した。HEK細胞の全細胞パッチクランプを、EPC 7(HEKA,Elektronik GmbH,Lambrecht,Germany)増幅器を用いて行った。アナログデータを、20kHzでサンプリングし、Digidata1440(Molecular Devices,Foster City,CA)を用いてデジタル化し、pClamp10.1ソフトウェア(Molecular Devices,Foster City,CA)を使用して、表示した。波長依存性を記録するために、Polychrome Vユニット(TILL Photonics,Planegg,Germany)からの光導体を、Olympus IX70顕微鏡の落射蛍光ポートに載置した。対物レンズに光を反射させるためにビーム分割器(70%R/30%T)を使用し、カバースリップ上において、470nmで約1×10
22光子m
−2s
−1の最終光子密度をもたらした。作用スペクトルの記録には、50%の強度の光のみを使用した。polychrome Vユニットを、pClampソフトウェアと同期させたTillvisionソフトウェア(TILL Photonics,Planegg,Germany)で制御した。
【0086】
結果
興味深いことに、キメラにおける最も強い改善は、ヘリックス1および2が、ChR1からの相同体で置換された場合に見られた(
図1C〜D)。膜標的化および光電流の大きさについて、2つのキメラChR1−VChR1チャネルを、培養HEK293細胞において試験した。第1のものを、ChR1のA1a145後の第2の細胞内ループに結合させ、第2のものを、ChR1のTrp163後のヘリックス3内に結合させた(
図1C)。いずれの変異形も、HEK293細胞で同程度に十分に発現したが(
図1D)、培養ニューロンにおいては、第2の変異形がより強く発現し(
図1E)、VChR1−EYFPと比較して、非常に強化されたピーク光電流(888±128pA、n=11個の細胞、p<0.0005)を示した(
図1B)。作用スペクトルピークは、ChR2に対して強く赤方偏移したままであり(表1、
図1F)、キメラのイオン選択性は、ChR2およびVChR1について以前に報告されたものと類似していた(
図1G)。Kir2.1輸送配列を、このハイブリッドに付加することは、さらに増加した光電流をもたらす傾向を見せた(1104±123pA、n=12個の細胞、VChR1−EYFPと比較してp<0.0005、C1V1−EYFPと比較してp=0.23、
図1B、表1〜2)。結果として得られるハイブリッドChR1/VChR1キメラは、ChR2配列を全く含まず、単独では十分に発現しない2つのオプシン遺伝子から顕著に誘導され、本明細書にC1V1と称される(
図1A、H)。
【0087】
実施例2:C1V1の光電流動態の最適化
この赤方偏移したオプシンの速い非活性化特性
28は、可視スペクトルの青色末端の方向に位置する波長によって活性化される、他のオプシンからの最大限の時間的ならびにスペクトル的な分離に必要となるであろう。しかしながら、C1V1−ts−EYFPによって提示される光電流は、ChR2よりも10倍を上回って遅い減衰、およびもともとのVChR1よりもさらに遅い減衰を示し(
図2A、To
ffが、それぞれ、C1V1−ts−EYFP(n=4)およびVChR1−EYFP(n=5)に対して、156±12msおよび132±12ms、表1)、速い発火レートを要する用途へのC1V1の使用を排除する可能性があることが見出された。C1V1の光電流動態を補正するために、発色団領域に、既知の構造モデル
22、28を使用して、より速い光周期動態、減少した不活性化、および減少した青色吸収を有する突然変異を探した(
図1H)。次に、この突然変異が不活性化を減少させることを示す、ヘリックス2におけるグルタミン酸塩が豊富なモチーフの研究に基づいて
3、グルタミン酸塩−122をスレオニンに突然変異させた。
【0088】
材料および方法
C1V1ベクターでの全ての点突然変異は、部位特異的な突然変異生成(Agilent Technologies,Palo Alto,CA)によってプラスミドにおいて生成した。膜輸送シグナルは、K
ir2.1チャネルから導出した。突然変異は、コード配列およびスプライス部位のシークエンシングによって確認した。
【0089】
結果
ChETA−相同突然変異E162T
28は、光周期を、ほぼ3倍、著しく加速させた(To
ff 58±4.7ミリ秒、n=7個の細胞、
図2A、表1)。驚くべきことに、ChR2または他の微生物オプシンにおける類似の突然変異は、赤方偏移をもたらし
28,29、C1V1においては、この突然変異は、望ましくない方向にある作用スペクトルを、浅色から530nmに偏移させた(
図1F、表1)。C1V1−E122Tは、ChR2の46%の非活性化と比較して、26%不活性化しただけであり(
図2B、表1)、加えて、スペクトルは、さらに546nmまで赤方偏移され(
図1F、表1)、C1V1作用スペクトルの厄介な青色ショルダーの顕著な損失を示した。最終的に、二重変異E122T/E162Tにおいては、作用スペクトルの赤方偏移および青色ショルダーの非存在を保持しながらも、電流の不活性化は、E122T変異のものよりもさらに低くさえあり、光周期は、E162Tと比較してもさらに速かった(To
ff34±4.9ミリ秒、n=7個の細胞、
図2A、
図2C、表1)。さらに、E122変異が、光電流の振幅を大幅に減少させる一方で(
図2D)、二重変異は、本来のC1V1−tsの非常に高い電流特性を再現した。したがって、個々の突然変異の複数の驚くべきかつ有用な特性は、二重変異の輸送強化されたC1V1キメラにおいて保存された。
【0090】
表1:ChR2、VChR1、およびC1V1変異形のスペクトル/動態特性
2ミリ秒の光パルスをピーク活性化波長に使用して、HEK細胞におけるピーク活性化波長を記録した。2ミリ秒の光パルスを最大活性化波長に使用して、非活性化動態(τ
off)およびピーク光電流を培養海馬ニューロンにおいて記録した。ChR2とのコンビナトリアル活性化に最適な変異形を識別するために、405nmおよび560nmでの反応率をHEK細胞において記録した。光電流の脱感作を、300ミリ秒の光パルスを使用して記録し、ピーク光電流(I
max)の減衰を定常状態に対して定量化した。
【表1】
表2:表1に示される全オプシンにわたるピーク光電流の振幅に対する、対応のないt検定からのP値比較の概要。光電流は、540nm(VChR1およびC1V1変異形)または470nm(ChR2(H134R))で2ミリ秒の光パルスを使用して、培養ニューロンにおいて記録した。
【表2】
【0091】
このように、個々の突然変異の複数の有用な特性は、二重変異体において、ともに保存された。
【0092】
実施例3:前頭前皮質ニューロンにおける新規なC1V1キメラの使用
これらの新規なC1V1オプシン遺伝子をニューロンにおいて試験するために、C1V1−ts−EYFPを符号化するレンチウイルスベクターおよび点突然変異の組み合わせを生成した。これらのオプシンを、次いで、培養海馬ニューロンに発現させ、同一な刺激条件下(2ミリ秒のパルス、542nmの光、5.5mW mm
−2)で全細胞光電流を記録して、光電流振幅における改善が、VChR1と比較して、増加したC1V1の発現から直接的にもたらされたかどうかを判定した。
【0093】
材料および方法
動物
野生型またはトランスジェニックのパルブアルブミン::Cre C57/BL6J雄性マウスを、3〜5匹の群でケージに収容し、餌および水を自由に摂取させて12時間の逆明/暗周期で保管した。実験プロトコルは、Stanford University IACUCに認可されており、National Institutes of Health基準のCare and Use of Laboratory Animalsについての指針を満たす。
【0094】
海馬および皮質ニューロンにおける全細胞パッチクランプ電気生理学
初代海馬培養物を、POスプラーグドーリーラットから単離し、Matrigel(Invitrogen)コーティングしたガラスのカバースリップに蒔き、FUDRで処理して、神経膠の過剰成長を阻害した。内毒素不含プラスミドDNAを、HEPES緩衝化した生理食塩水/CaPO4混合物を使用して、培養ニューロンにトランスフェクトした。蛍光タンパク質発現によって識別される個々のニューロンからの電気生理学的記録を、3〜5MΩのガラスピペット中の標準的な内部溶液([mM]130 Kグルコン酸塩、10 KCl、10 HEPES、10 EGTA、2 MgC12、KOHでpH7.3)を使用して、タイロード培地([mM] 150 NaCl、4 KCl、2 MgC12、2 MgC12、10 D−グルコース、10 HEPES、NaOHでpH7.35)において取得した。皮質切片の生理学については、8〜9週齢の野生型C57BL/6Jまたは事前にウイルスを注入したPV::Creマウスからの300gmの急性冠状切片を、ビブラトーム(Leica)を使用して、氷冷スクロース切断溶液([mM]11 D−グルコース、234スクロース、2.5 KCl、1.25 NaH2PO4、10 MgSO4、0.5 CaC12、26 NaHCO3)に得た。切片を、32℃で1時間、酸素化した人工脳脊髄液(ACSF;[mM] 124 NaC1、3 KC1、1.3 MgC12、2.4 CaC12、1.25 NaH2PO4、26 NaHCO3、10 D−グルコース)中で回復させた。蛍光タンパク質の発現を識別した後、一定なACSF灌流下で、示される前頭前皮質層から個々のニューロンパッチを取得した。広い波長のキセノンランプ源(Sutter Instruments DG−4)からフィルタ処理した光を、顕微鏡(Leica DM−LFSA)の蛍光ポートに結合させた。バンドパスフィルタ(Semrock)は、20nmのバンド幅を有し、追加の減光フィルタ(ThorLabs)で調節して、スペクトル全体にわたって光パワーの出力を均一化した。
【0095】
培養細胞の画像を、露出100ミリ秒、感度30でRetiga Exi CCDカメラ(Qimaging,Inc.)を使用して、同じ顕微鏡において取得した。照射パワー密度は、標準的なEYFPフィルタセットで、500nmにおいて12mW mm
−2であった。蛍光の定量化は、ImageJソフトウェアを用いて、体細胞および近位神経突起を含む領域を標識化し、光電流は面積あたりの平均チャネル発現ではなく膜結合チャネルの総数と関連する傾向にあるため、平均蛍光ではなく、その領域の全統合ピクセル強度を各細胞に対して計算することによって、行った。
【0096】
ウイルスの調製および注入
レンチウイルス仲介およびAAV仲介の両方の遺伝子送達を、マウスにおけるオプシンの異種発現に使用した。示されるオプシンを、皮質の興奮性ニューロンを標的とするヒトカルモジュリン依存性タンパク質キナーゼIIα(CaMKIIα)プロモータ、またはCre誘発性カセットおよび続くウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節要素(WPRE)と併用した伸長因子1a(EF−1a)のいずれかによって、駆動した。Cre誘発性組み換えAAVベクターは、University of North Carolina Vector Core(Chapel Hill,NC,USA)によって生成し、パルブアルブミン::Creトランスジェニックマウスと併せて使用して、パルブアルブミン陽性の介在ニューロンを標的化した。簡単にいうと、University of North Carolinaにおいて、AAV構築物をpAAV2−MCSの修飾形にサブクローニングし、AAV5コーティングしたタンパク質で血清型にして、ウイルスベクターコアによってパッケージ化した。AAVベクターの最終的なウイルス濃度は、1×10
12ゲノム複製(gc)/mLであった。レンチウイルス構成物を、報告した通りに生成した。全ての構築物は、Deisseroth Lab(www.optogenetics.org)から入手可能である。定位ウイルス注入を、Stanford Universityに認可されたプロトコルのもとに実行した。イソフルラン麻酔下に保った若齢(4〜6週齢)のマウスを、定位フレーム(Kopf Instruments)に配置し、ブレグマおよびラムダ頭蓋計測点を使用して高さを合わせた。皮質組織への損傷が最小となるように、開頭術を実行した。10uLのシリンジおよび35gの勾配付きの針(Word Precision Instruments)を使用して、辺縁系前頭前皮質(Infralimbic prefrontal cortex)(IL、ブレグマから前方1.8mm、側方0.35mm、腹側−2.85mm)を標的とした。ウイルスを0.1μL/分の速度で注入した。挙動研究のため、ウイルスを注入した対象に、さらに、局所送達用に付属の貫通性脳線維ありまたはなしのいずれかで、光の送達を促進するための慢性光ファイバー結合装置を埋め込み、記載のように皮質領域を標的化した(Doric Lenses,Canada)。貫通性線維を、同じ前方および側方の座標から−2.5mmの深さに定位挿入し、頭皮の接着閉鎖(Vetbond,3M)の前に接着性合着用セメント(C&B MetaBond)を使用して付着させた。手術からの回復後、動物に鎮痛剤を投与した。
【0097】
結果
個々の構築物を発現する培養海馬ニューロンからの記録および統合された蛍光読み出しを、それぞれの個々の細胞から得た。個々の細胞において、蛍光レベルは、構築物全体で、測定された光電流振幅と緊密に相関していた(
図3A)。したがって、強く増加したC1V1の光電流は、主として、ニューロンにおける改善された発現からもたらされたと結論付けた。二重変異C1V1−E122T/E162Tは、試験した全ての範囲(光電流の大きさ、不活性化動態、および作用スペクトル)にわたって優れた能力を示したため、ChR2(H134R)に対する能力もまた、統合された体細胞YFP蛍光およびピーク光電流を測定することによって直接比較した。驚くべきことに、C1V1−E122T/E162T細胞は、同等の蛍光レベルで、ChR2−H134R細胞よりも強い光電流を示し(
図3B)、単位コンダクタンスが増加した可能性を示唆した。
【0098】
C1V1−E122T/E162Tが、錐体ニューロン内でスパイクを光学的に駆動するために好適であるかどうかを調べるために、CaMKIIaプロモータ下で、C1V1−E122T/E162T−ts−EYFP遺伝子を含むアデノ随伴ウイルスベクター(AAV5−CaMKIIa−C1V1−E122T/E162T−ts−EYFP)を生成し、そのウイルスをマウスの前頭前皮質に注入した。2ミリ秒の光パルス列で、急性切片内の発現ニューロンからの反応を記録し、同じ周波数で一連の電流注入(10ミリ秒、200pA)に対する反応と比較した。560nmのパルス列に対するニューロンの周波数反応は、同じ周波数での電流注入に対する反応と区別がつかないことが見出され(
図3C、2つの切片においてn=6個の細胞)、C1V1動態ではなく、細胞の固有特性が、高レートでスパイク性能を制限することを示唆する。類似の性能特性が、緑色、黄色、および琥珀色の照射範囲にわたって見られ、中程度の光強度(<10mW/mm
2)で、哺乳動物におけるインビボ用途に好適な強い能力を有した(
図3D)。実際に、540nmおよび590nmでの反応は、予想通り、低い光パワーで低い忠実度を有し、時間が正確な活動電位を誘起するという点で、同様に効果的であった(
図3D)。
【0099】
著しく赤方偏移した作用スペクトルにより、C1V1が、これまでいずれのオプシンにも報告されておらず、改善されたスペクトル分離ならびにより深い組織でのニューロンの制御を可能にするために重要な可能性のある、赤色光でのスパイクを駆動するためすら使用できる可能性を、考慮した。したがって、あらゆるC1V1変異形が、遠赤色光を使用してスパイクを駆動するために使用可能であるかどうかを試験した。C1V1−E122Tの動態は、C1V1−El22T/E162Tのものよりも遅かったが、その作用スペクトルは、全ての変異形の中で最も赤方偏移し(
図1F)、実際に、C1V1−E122Tを発現する細胞は、二重変異体を発現する細胞よりも強く赤色光(630nm)に反応した(
図3E、上)。動態上の630nmでのE122T変異は、545nmでのものよりも遅かったが(
図3F)、光電流は、定義されたスパイク列を誘発するには十分な(
図3H、
図3E下)、より長いパルスの630nmの光を中程度の強度で使用して動員した(
図3G)。
【0100】
実施例4:マウスの前頭前皮質ニューロンからの生体脳切片における新規なC1V1キメラの使用
本研究により、同じ微小回路内に存在する抑制性および興奮性ニューロンを、C1V1変異形を導入することにより標的化できるかどうかを判定することにした。生体脳切片内の2つのニューロン集団の独立した活性化を調査し、この場合、CaMKIIα−C1V1−E122T/E162Tts eYFPおよびEF1a−DIO−ChR2−H134R−EYFPを、PV::CreマウスのmPFCに発現させた。
材料および方法
【0101】
8〜9週齢の野生型C57BL/6Jまたはウイルスを事前に注入したPV::Creマウスから単離した300μmの急性冠状切片を、ビブラトーム(Leica)を使用して、氷冷スクロース切断溶液([mM]11 D−グルコース、234スクロース、2.5 KCl、1.25 NaH
2PO
4、10 MgSO
4、0.5 CaCl
2、26 NaHCO
3)に得た。切片を、32℃で1時間、酸素化した人工脳脊髄液(ACSF、[mM] 124 NaCl、3 KCl、1.3 MgCl
2、2.4 CaCl
2、1.25 NaH
2PO
4、26 NaHCO
3、10 D−グルコース)中で回復させた。蛍光タンパク質の発現を識別した後、一定なACSF灌流下で、示される前頭前皮質層から個々のニューロンパッチを取得した。広い波長のキセノンランプ源(Sutter Instruments DG−4)からフィルタ処理した光を、顕微鏡(Leica DM−LFSA)の蛍光ポートに結合させた。切片の生理学データを、Matlabからインポートし、特注のソフトウェアを使用して分析した。Sohalら
55によって記載のように、ウェーブレット法を使用してパワースペクトルを計算した。簡単にいうと、各周波数fに対して、記録されたトレースを、まずf±5Hzの間のバンドパスフィルタでフィルタ処理した。フィルタ処理したトレースを、次に、ウェーブレット関数で畳み込みを行い、
【数1】
式中、*は、畳み込みを意味する、σ=5/(6f)。次に、500ミリ秒枠にわたるW(f,t)の振幅の二乗を、種々の周波数でのパワーを測定するために使用した。切片記録からの全てのパワースペクトルを、1/fに対して正規化した。
【0102】
培養細胞画像を、露出100ミリ秒、感度30でRetiga Exi CCDカメラ(Qimaging inc.)を使用して取得した。照射パワー密度は、標準的なEYFPフィルタセットで、500nmにおいて12mW mm
−2であった。蛍光の定量化は、ImageJソフトウェアを用いて、体細胞および近位神経炎を含む領域を標識化し、光電流は面積あたりの平均チャネル発現ではなく膜結合チャネルの総数と関連する傾向にあるため、平均蛍光発光ではなく、その領域の全統合ピクセル強度を各細胞に対して計算することによって、行った。
【0103】
電流クランプを使用して、単一の錐体細胞を一連のシミュレーションEPSC波形で刺激した。個々のsEPSCイベントは、200pAのピーク電流量を有し、2ミリ秒の時定数で減衰した。各実験は、ランダウンを最小化させるために、それぞれ長さ10秒で、5秒間隔の10個の掃引に分割した。各掃引を、500ミリ秒のセグメントに分割した。各500ミリ秒のセグメント中のsEPSCの総数は、0〜250の間で均一な分布から無作為に選択した。次に、500ミリ秒のセグメント内のsEPSCの時間を、全セグメントに及ぶ均一な分布から無作為に選択し、非同期ニューロンの集団からの興奮性入力をシミュレートした。実験的に、これらの刺激パラメータは、0〜30Hzの発火レートで、錐体ニューロンを確実に駆動した。ベースラインとして示される条件において、590nmの光の10秒のパルスを、sEPSCプロトコルを実行する前に、オプシンを完全に不活性化するために送達した。オプシンが活性化された条件では、470nmの光の1秒のパルスを、sEPSCプロトコルより先に行う。
【0104】
改変されたE/Iバランスが情報処理に与える正味の影響を理解するために、I−O曲線の形状および反応の変動性における関連変化を捉える、各ニューロンの入力sEPSCレートと出力スパイクレートとの間の相互情報量をコンピュータで算出した。まず、時間ビンで区切ることによりsEPSCレートおよびスパイクレートの結合分布、sEPSCレート、およびスパイクレートを推定し、結合ヒストグラムを構築した。時間ビンは、125ミリ秒幅であり、sEPSCレートを、等間隔の10個の0〜500Hzのビンに分割したが、相互情報量の結果は、広範なビンパラメータにわたり一貫していた。スパイクレートを、時間ビン幅が得られる最小の有意なビン幅を使用して、ビンに区切った(例えば、125ミリ秒の時間ビンに対して8Hzのビン幅)。この結合ヒストグラムから、前述のように、コンピュータ相互情報量を、コンピュータ計算し、反応エントロピーとノイズエントロピーとの間の差異を等しくした。
【0105】
反応エントロピーにより、ニューロンの出力スパイクレートにおける不確実性の合計量を定量化する。ノイズエントロピーにより、入力レートが得られる出力スパイクレートに残る不確実性を定量化する。神経反応が伝達する入力刺激についての最大情報は、刺激セットのエントロピーであることに留意されたい。等間隔の10個の入力sEPSCレートビンおよびこれらのビンにわたる均一な入力レートの分布に対して、入力レートのエントロピーは、log
2(10)=3.322ビットである。
【0106】
不十分なサンプリングの確率分布から計算した相互情報量は、上方にバイアスされ得る。結果として、相互情報量、反応エントロピー、およびノイズエントロピーの全ての報告値は、不十分なサンプリングのため、バイアスを補正した。この補正は、全データのより小さい分数(2分の1から8分の1)から値をコンピュータ計算し、無限データの限界を外挿することによって行う。125ミリ秒の時間枠を使用して、補正係数は、常に0.07ビット未満であった。
【0107】
ベクターを上述のように作製し、注入を行った。
【0108】
結果
この一連の多重改変オプシン遺伝子を使用して、細胞のコンビナトリアル制御の可能性およびインタクトな哺乳動類系における投射を調査した。まず、同じ微小回路内に存在する興奮性および抑制性ニューロンが、C1V1変異形および従来のChRをこれらの2つの細胞集団内へ個別に導入することよって別々に標的化することができるかどうかを調べた。C1V1−E122T/E162Tを発現する培養海馬ニューロンは、2ミリ秒の緑色光パルス(560nm)に反応してスパイクするが、紫色光パルスではスパイクしないことが見出された。対照的に、ChR2−H134Rを発現する細胞は、2ミリ秒の405nmの光パルスに反応してスパイクするが、2ミリ秒の561nmの光パルスには反応しなかった(
図4A)。したがって、この原理を生体脳切片内で試験し、この場合、AAV5−EFla−DIO::ChR2−H134R−EYFPとともに、AAV5−CaMKIIa::C1V1−E122T/E162T−ts−mCherryを、PV::CreマウスのmPFCに発現させた(
図4B)。いずれのオプシンをも発現しない錐体ニューロンにおいて、405nmの光パルスは、PV細胞の直接的な活性化のため、強く早い抑制性シナプス後電流を引き起こした(
図4C)が、一方で、561nmの光パルスは、短潜EPSC(
図4D)、および局所的な抑制性ニューロンを駆動するC1V1発現錐体細胞から生じることが予測される長潜の多シナプスIPSC(
図4C)の両方を引き起こした。
【0109】
オプトロード記録を用いて、インビボでのこれらの独立した細胞要素の励起を調査した(
図4E、左)。錐体ニューロンのスパイクに対するPV細胞活性の抑制性効果を試験するために、種々のパルス間間隔で、5Hzの紫色光パルス(PV細胞内でChR2を活性化するため)を、5Hzの緑色光パルス(興奮性錐体ニューロンでC1V1を活性化するため)より先に行う実験プロトコルを設計した。紫色光および緑色光のパルスが、100ミリ秒離れていた場合(
図4E、上トレース)、緑色光パルスに対する反応は、紫色パルスによって影響されなかった。しかしながら、紫色パルスと緑色パルスとの間の遅延が減少するにつれて、緑色光に誘発されるイベントは、より容易に阻害されるようになり、光パルスが十分な同期性を示したときに完全に無効となった(
図4E、下のトレース、要約データは
図4F)。これらのデータは、インタクトな哺乳動物内でのコンビナトリアル光遺伝的活性化(1つの集団を単独で、または別のものとの正確な時間の組み合わせで駆動する)を示し、オプシンの速度および送達される光パルスの特性を利用する。
【0110】
実施例5:視床網様核のニューロンに影響を及ぼす皮質視床(CT)および視床皮質(TC)のグルタミン酸軸索の独立した活性化の効果
直接的な細胞の体細胞刺激の代わりに、軸索投射に対するコンビナトリアル制御特性を検証するために、視床網様核のニューロン(nRT)に影響を及ぼす皮質視床(CT)および視床皮質(TC)のグルタミン酸軸索の独立した活性化の効果(
図5A)を、視床切片において試験した。
【0111】
材料および方法
C57BL/6Jの野生型(出生後90〜120日)を、ペントバルビタール(100mg/kg、腹腔内)で麻酔し、頭部を切除した。視床切片の調製および全細胞パッチクランプ記録を行った。記録は、Zeiss(Oberkochen, Germany)、Axioskop顕微鏡、および赤外線カメラを有する微分コントラスト光学を使用して視覚的に識別した、nRT(視床網様)およびTC(中継視床皮質)ニューロンから取得した。EPSCおよび電流クランプ記録については、内部溶液は、(mM単位で)120 K−グルコン酸塩、11 KCl、1 MgCl
2、1 CaCl
2、10 Hepes、1 EGTAを含有した。pHは、KOH(290mOsm)で7.4に調節した。E
Cl−は、ネルンストの式に基づいて約−60mVと推定した。電位は、−15mVの液体注入電位に補正した。電圧クランプ実験については、ニューロンを、−80mVでクランプし、EPSCを、GABAA受容体アンタゴニストピクロトキシン(50μM,Tocris)の浴適用(bath application)によって薬理学的に単離した。全ての記録条件において、アクセス抵抗を監視し、細胞は、実験過程にわたってアクセス抵抗が<18MΩであり、抵抗の変化が<25%であった場合にのみ分析に含めた。
【0112】
600nLのrAAV5/CamKIIα−hChR2(H134R)−EYFPまたは900nLのrAAV5−CaMKIIαC1V1(E122T/E162T)−TS−mCherryウイルスを、それぞれ、出生30〜35日後に、インビボでC57BL/6J野生型マウスの底腹側視床(VB)またはバレル皮質に定位注入した。皮質内および視床内(VB)注入を、同じマウスに行った(n=6)。(ブレグマから)皮質表面の後方1.3mm、側方3mm、下方1.15mmに、皮質内注入を行った。視床内注入は、皮質表面の後方1.7mm、側方1.5mm、下方3.5mmであった。注入後約2〜3ヶ月でマウスを屠殺し、水平方向の脳視床切片を、上述のように、光学刺激およびインビトロ記録のために作製した。CT−TC−nRT経路を介したnRTニューロンの2シナプス性活性化を避けるために、VB視床を除去した。VB視床を切片から切断することで、全ての光感受性細胞体を除去し、CTnRTおよびTC−nRT投射の直接的な試験を可能にし、nRTニューロンの電気的な膜特性に影響を及ぼすことがなかった(示されない)。ChR2発現TCおよびC1V1発現CTの軸索の光学的活性化を、それぞれ、光ファイバー(BFL37−300,ThorLabs)でnRTに突出するCTおよびTC経路に沿って上流に送達される、40nmおよび560nmのレーザー刺激(5ミリ秒期間の光パルス、2〜3mW)(OEM Laser Systems,MI)で行った。50〜70%の失敗(30〜50%の成功)、固定された反応動態、および低い反応振幅変動性をもたらす光パワーとして定義される、最小の刺激強度を使用した。結果として生じる最小の誘起EPSCは、おそらく、記録した細胞に対するシナプス前の単一のCT軸索またはTC軸索の選択的な光学的活性化からもたらされたものである。刺激光パワーは、失敗の数が0になるまで、わずかに増加した(最小刺激より約5%上回る)。CTおよびTC入力を(同時に)刺激し、最小の誘起EPSCおよびEPSP(それぞれ独立して活動電位発火の閾値下)を、nRT細胞において記録した。
【0113】
統計的有意性を、適宜、対応t検定または対応のない両側t検定を使用して計算した。データを、Matlab StatisticsツールボックスまたはMicrosoft Excelを使用して分析した。
【0114】
結果
TC軸索の最小刺激は、nRTニューロンに大きく速い興奮性シナプス後電流(EPSC)を誘起し、一方で、CT軸索の最小刺激は、nRTニューロンに小さく遅いEPSCを誘起し(
図5B)、いずれもこれらの経路に典型的であった。
【0115】
次に、CTおよびTC入力のシナプス統合を、これらの2つの入力の間で可変の遅延条件下において調査した。各経路からの閾値下のEPSPは、5ミリ秒以内で同時に起こる場合にのみ、活動電位発火が閾値上になった(
図5C〜D)。C1V1およびChR2活性化の時間の正確性は、TCおよびCT入力間の遅延の確実な制御を可能にし、したがって、皮質および視床の相互結合性、ならびにCTおよびTCの軸索の近似性のため、これまで、既存の電気的、薬理学的、または光遺伝的技術では観察不可能であった、nRT細胞における効果的なシナプス統合の狭い枠(−5ミリ秒)の決定を可能にした。これらの結果は、同じインタクトな調製物での異なる軸索投射の独立した活性化を初めて実証し、同じ標的細胞に対するそれらのコンビナトリアル効果を調べる。
【0116】
実施例6:同じ回路内で神経活性化の時間スペクトル分離を達成するためのC1V1およびSSFOの使用
上の2つの調製物の両方において、可視スペクトルの紫色(405nm)および緑色(560nm)レーザーを使用して、2つのオプシンの分離可能な活性化を達成した。405nmのレーザーは、安全な非紫外光を送達するが、470nmの光は、より深く組織を貫通し、散乱が少なく、より容易かつ経済的に一般的な青色光源から送達されるため、多くの用途については、青色応答性オプシンに470nmのレーザー光を使用することが好ましい場合がある。これは、470nmの光が、C1V1(
図1G)、ならびにChR2を部分的に活性化させることになるため、不可能に思われる場合があるが、コンビナトリアル制御は、470nmの光でさえも達成可能であり、SSFOの時間特性およびC1V1の赤方偏移性質の両方を利用して、インタクトな哺乳動物組織内での「時間スペクトル分離」を達成することができる。この可能性を検証するために、同じ調製物内で、安定して増強する興奮性または抑制性いずれかの細胞の律動的活性への影響を直接比較することが決定された(
図6A)。
【0117】
材料および方法
ChR2−D156AおよびSSFOを、部位特異的な突然変異生成(Quikchange II XL、Stratagene)を使用してpLenti−CaMKIIα−ChR2−EYFP−WPREベクターに点突然変異を挿入することによって、生成した。ウイルス遺伝子送達、冠状脳の区分化、およびパッチクランプの記録を、上述のように行った。CaMKIIa::C1V1およびDIO−SSFOをPV::CreマウスのmPFCに発現させるため、二重ウイルス注入を行った。
【0118】
SSFOを発現する細胞または組織を扱う際、周辺光による活性化を阻止するために、露光を最小化するように注意を払った。各実験の前に、SSFOチャネルの全てを暗状態に変換し、光電流の減少を阻止するために、20秒のパルスの590nmの光を適用した。SSFOの活性化および非活性化スペクトルを取得するために、培養ニューロンからの記録は、電圧クランプモードで行った。活性化スペクトルの記録のために、1秒のパルスの種々の波長を適用し、続いて10秒の590nmパルスを適用した。非活性化スペクトルは、まず、1秒の470nmパルスを適用してSSFOを活性化し、続いて10秒のパルスの種々の波長を適用することによって取得した。正味の活性化または非活性化は、それぞれ、第1または第2のパルスの後の光電流を、その細胞に対するピーク波長によって誘発された最大限の光電流変化で除することによる計算した。非活性化スペクトルの負の値は、例えば、10秒の470nmパルスが、チャネルを非活性化するのではなく光電流にわずかな増加をもたらした、トレースからもたらされた。これは、Sutter DG−4でのこれらの記録に使用した、比較的広い(20nm)バンドパスフィルタ幅の結果であり得る。中間波長(470nm〜520nm)は、同じ理由から、チャネル集団に対して入り混じった効果を有することが予想される。
【0119】
SSFOの統合特性についての光束計算は、各光パワーにおいて顕微鏡対物レンズを通る光束を計算し、続いて、記録された細胞の直径に基づいて細胞表面全体に光束に到達させるように分割し、細胞の形状を球状に近づけることによって、行った。
【0120】
結果
SSFOは、C1V1を活性化させるものと同じ波長で効果的に非活性化することができ、強化された光感受性を有し、数分間わたるニューロンの双安定興奮を可能にする、29分の減衰定数を有する新規な多重改変チャネルロドプシンである。SSFOに関する情報は、国際特許出願公開第WO2010/056970号、ならびに米国特許出願第61/410,704号、同第61/410,711号に見出すことができ、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。CaMKIIa::C1V1およびDIO::SSFOを、PV::CreマウスのmPFCからの急性切片に発現させるために、二重ウイルス注入を行った。これらの条件下では、興奮性錐体細胞は赤方偏移した光に、抑制性PV細胞は青色光に応答するはずである。実際に、PV細胞においてSSFOを活性化させるための1秒の470nmの光パルスに応答して、進行中のIPSCレートは、ベースラインでの8.5±1.2Hz(期間3、
図6B)から青色光パルスの後の16.8±2.1Hz(期間2、n=4回の記録、p<0.005、対応t検定、
図6C)に安定して増加し、SSFO発現抑制性細胞の持続的な活性化を示した。470nmの光もまた一過的にC1V1を活性化するとはいえ、この活性化は、点火後の非常に速いC1V1の非活性化のため、光パルス自体の間にのみに生じ得、点火後の持続期間は、SSFO活性のみによって特徴付けられ(
図6B)、光遺伝学的制御モードの時間的分離を示す。興味深いことに、この長期間のPVニューロン活性の増加中に、IPSCパワースペクトルに著しい上昇ピークの誘発はなく、この減少した調製物におけるPVニューロン単独の直接的な活性化が、ネットワークにおけるγ同期性の誘発には不十分であることを示唆する。しかしながら、非常に対照的に、470nmの光パルス自体の間に、同じレベルのPVニューロン活性化だけでなく、C1V1発現錐体細胞の部分的な活性化もまた予測される場合、顕著なγピークが一貫して観察され(ピーク周波数39.2±3.5Hz、n=4回の記録)、高γ範囲(>60Hz)に及んだ。
【0121】
さらに、同じ実験において(実際は、同じ記録された掃引の後半)、このC1V1錐体細胞単独の場合の590nmの光(PY細胞内のC1V1の活性化およびPV細胞内のSSFOの非活性化を同時に行う)での直接的活性化は、より低い周波数ピーク(26.6±1Hz、n=6回の記録)で、堅調なγ同調性をもたらした。PV細胞での前のSSFO活性化歴に関連するあらゆる残留PVニューロン活性は、この作用には必要ではないことを示し、錐体細胞でのC1V1活性化の履歴のみを用いた、他の点では同一であり、IPSCレートが上昇した前歴のない掃引は、同じ結果を誘発した)。これらの結果は、時間スペクトルのコンビナトリアル制御の総合的な原理を示し、さらに、錐体ニューロンにおける活性の上昇が、ネットワーク特性からγ振動を通じて生じ得ることを示唆する
31。興味深いことに、470nmの光パルスの最中に、PVおよび錐体細胞の両方の活性化が予測され、γ同期性が、興奮性ニューロンのみが活性化された場合よりも高い周波数で一貫して観察され、γ振動の誘発におけるPVおよび錐体細胞の両方の協調的な重要性についての情報を支持および拡大する
31−33。
【0122】
結論
本研究の過程において、C1V1変異形と称される、新しい手段の系統がもたらされた。C1V1は、注目すべきことに、単独ではニューロンに十分に発現しないが、初期のゲノム研究で特定されていた他のオプシン遺伝子(VChR1およびChR1)が結集された、赤方偏移されたオプシン遺伝子である。C1V1は、ChR2配列を全く有さないが、それにもかかわらず、ここで本明細書に報告されたその多重改変された変異形は、最も強力で、最も赤方偏移した、最も安定した既知のチャネルロドプシンを代表する。レチナール結合ポケット全体で重要なアミノ酸位置における突然変異生成は、(1)ChETA突然変異の高速相同体として生成される、高発現の赤方偏移したオプシン遺伝子であるC1V1(E162T)、(2)最も赤い作用スペクトルショルダーを示し、赤色光で活動電位を発火させるために使用可能ですらあるC1V1(E122T)、(3)最も低い脱感作、最も速い非活性化、ChR2との最小限の交差活性化のための最も少ない紫色活性化、および強い発現を有する組み合わせの変異体であるC1V1(E122T/E162T)の生成をもたらした。実際に、C1V1変異形は、電流の大きさ、非活性化動態、および作用スペクトルの検討(表1)に基づいて、異なる用途に選択することができ、例えば、二光子作業では、ChR2の2P活性化が、電流の大きさおよび速いチャネル閉鎖動態のために困難であるため、C1V1(E162T)が目的のものである可能性が高い。C1V1変異形は、細胞のE/Iバランスの上昇のレベルを増加させることが、以前は統合失調症および自閉症の両方に関連していた現象である、γ周期性の強度を増加させることにつながるという仮説の直接的な検証を可能にした。当然ながら、異なる手段もまた相乗効果があり、C1V1変異形をChR2と一緒に使用することにより、この研究で取り組む2つの異なるニューロン集団である、興奮性錐体ニューロン、および高速スパイクのパルブアルブミン発現抑制性介在ニューロンにおいてスパイクの確実で別々な駆動を可能にし、安定して上昇した細胞のE/Iバランスが、γバンド回路活性の生成に効果的であり、光遺伝学的手段における動態およびスペクトルの両方の差異を十分に利用していることを確認する。この種類のコンビナトリアル活性化は、複数の細胞型を越えて複数の神経経路型にまで及び得、例えば、システム神経科学の念願の目標である、単一の脳領域内で、異なる位置から生じる2つの軸索求心性集中経路における分離可能なスパイクの活性化にまで及び得る。
【0123】
本発明を純粋に例示することを目的とし、したがって、決して本発明を限定すると見なされるべきではない実施例はまた、上記で論議される本発明の態様および実施形態を説明および詳述する。先述の実施例および詳細な説明は、限定ではなく例証として提供される。本明細書で引用される出版物、特許出願、および特許は、各個別出版物、特許出願、または特許が、参照することにより組み込まれると特異的および個別に示されたかのように、参照することにより本明細書に組み込まれる。上に記載された、および添付の付属書類に説明される種々の実施形態は、一緒におよび/または他の様式で実施されてもよい。本開示および付属文書における態様の1つ以上はまた、明らかなはずであり、有用である、特定の目的の用途にしたがって、さらに分離または統合された様式で実装されてもよい。具体的には、本明細書で引用される全ての出版物および付属文書は、本発明と関連して使用され得る組成物および方法を説明および開示する目的で、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。先述の発明は、理解を明確にする目的で、例証および一例として、いくらか詳細に説明されているが、本発明の教示に照らして、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、ある変更および修正が行われてもよいことが、当業者に容易に明白となるであろう。
【0124】
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【0125】
配列
配列番号1(ヒト化C1V1アミノ酸配列)
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWEEIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYAEWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED
配列番号2(ヒト化C1V1ヌクレオチド配列)
atgtcgcgacgcccgtggctccttgctctcgcattggcggtggcgcttgcagcgggatcggcaggagcgtcaaccggaagcgatgcgaccgtccccgtggctacgcaagacggaccagattacgtgttccacagagcccacgagcggatgttgtttcagacatcatacacacttgaaaacaatggtagcgtcatttgcatccctaacaatgggcagtgtttttgcctggcctggttgaaatcgaacggtacgaacgccgagaagctggcggcgaacattctgcagtggatcacattcgcactctcggcgctctgccttatgttctatggctaccagacttggaaatccacgtgtggttgggaagagatctacgtagcaaccattgaaatgatcaagtttatcattgagtatttccatgagtttgacgaaccggccgtaatctactcatcgaatgggaataagacagtctggttgaggtatgcggagtggctcctcacctgcccggtccttctgatccatctgagcaacctcacaggcctgaaggacgattatagcaaaaggactatgggcctgttggtttctgatgtgggatgcatcgtgtggggcgcaaccagcgccatgtgtacggggtggacgaagatcctgttcttcctcatctcattgagctatggtatgtatacctattttcatgctgctaaagtttatatcgaagcattccacacagttccaaaagggatttgtcgagaactggtccgagtgatggcctggacattctttgtggcttggggaatgtttccagtcctgtttctgctgggcacggaaggattcggtcatatcagcccttatggatctgccattgggcactccatcctcgacctgattgcaaagaacatgtggggtgtgctggggaattacctgcgcgtcaaaatccacgagcacatcctgttgtatggcgacatcagaaagaagcagaaaattacgatcgccggccaagagatggaggttgagacactggtggctgaagaggaggactaa
配列番号3(ヒト化C1V1 E122Tアミノ酸配列)
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWETIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYAEWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED
配列番号4(ヒト化C1V1 E122Tヌクレオチド配列)
atgtcgcgacgcccgtggctccttgctctcgcattggcggtggcgcttgcagcgggatcggcaggagcgtcaaccggaagcgatgcgaccgtccccgtggctacgcaagacggaccagattacgtgttccacagagcccacgagcggatgttgtttcagacatcatacacacttgaaaacaatggtagcgtcatttgcatccctaacaatgggcagtgtttttgcctggcctggttgaaatcgaacggtacgaacgccgagaagctggcggcgaacattctgcagtggatcacattcgcactctcggcgctctgccttatgttctatggctaccagacttggaaatccacgtgtggttgggaaaccatctacgtagcaaccattgaaatgatcaagtttatcattgagtatttccatgagtttgacgaaccggccgtaatctactcatcgaatgggaataagacagtctggttgaggtatgcggagtggctcctcacctgcccggtccttctgatccatctgagcaacctcacaggcctgaaggacgattatagcaaaaggactatgggcctgttggtttctgatgtgggatgcatcgtgtggggcgcaaccagcgccatgtgtacggggtggacgaagatcctgttcttcctcatctcattgagctatggtatgtatacctattttcatgctgctaaagtttatatcgaagcattccacacagttccaaaagggatttgtcgagaactggtccgagtgatggcctggacattctttgtggcttggggaatgtttccagtcctgtttctgctgggcacggaaggattcggtcatatcagcccttatggatctgccattgggcactccatcctcgacctgattgcaaagaacatgtggggtgtgctggggaattacctgcgcgtcaaaatccacgagcacatcctgttgtatggcgacatcagaaagaagcagaaaattacgatcgccggccaagagatggaggttgagacactggtggctgaagaggaggactaa
配列番号5(ヒト化C1V1 E162Tアミノ酸配列)
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWEEIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYATWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED
配列番号6(ヒト化C1V1 E162Tヌクレオチド配列)
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配列番号7(ヒト化C1V1 E122T/E162Tアミノ酸配列)
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配列番号8(ヒト化C1V1 E122T/E162Tヌクレオチド配列)
atgtcgcgacgcccgtggctccttgctctcgcattggcggtggcgcttgcagcgggatcggcaggagcgtcaaccggaagcgatgcgaccgtccccgtggctacgcaagacggaccagattacgtgttccacagagcccacgagcggatgttgtttcagacatcatacacacttgaaaacaatggtagcgtcatttgcatccctaacaatgggcagtgtttttgcctggcctggttgaaatcgaacggtacgaacgccgagaagctggcggcgaacattctgcagtggatcacattcgcactctcggcgctctgccttatgttctatggctaccagacttggaaatccacgtgtggttgggaaaccatctacgtagcaaccattgaaatgatcaagtttatcattgagtatttccatgagtttgacgaaccggccgtaatctactcatcgaatgggaataagacagtctggttgaggtatgcgacgtggctcctcacctgcccggtccttctgatccatctgagcaacctcacaggcctgaaggacgattatagcaaaaggactatgggcctgttggtttctgatgtgggatgcatcgtgtggggcgcaaccagcgccatgtgtacggggtggacgaagatcctgttcttcctcatctcattgagctatggtatgtatacctattttcatgctgctaaagtttatatcgaagcattccacacagttccaaaagggatttgtcgagaactggtccgagtgatggcctggacattctttgtggcttggggaatgtttccagtcctgtttctgctgggcacggaaggattcggtcatatcagcccttatggatctgccattgggcactccatcctcgacctgattgcaaagaacatgtggggtgtgctggggaattacctgcgcgtcaaaatccacgagcacatcctgttgtatggcgacatcagaaagaagcagaaaattacgatcgccggccaagagatggaggttgagacactggtggctgaagaggaggactaa
配列番号9(オルターナティブヒト化C1V1アミノ酸配列(C1V1_25))
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配列番号10(オルターナティブヒト化C1V1ヌクレオチド配列(C1V1_25))
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配列番号11 ChR2アミノ酸配列
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配列番号12 ChR2(H134R)
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配列番号13 SFO
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配列番号14(SSFO)
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