(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の磁石が、前記回転モーターの駆動軸または前記回転ミラー組立体に連結されており、前記分光器の固定された要素に磁気的に結合することによって、前記駆動軸または前記回転ミラー組立体をそれぞれ固定された位置に整列させるように適合されている、請求項1に記載の分光器。
第1の磁石が、前記アクチュエーター組立体に隣接して前記分光器に物理的に連結されており、前記回転モーターの前記駆動軸または前記回転ミラー組立体に物理的に連結されている要素に磁気的に結合するように適合されており、所定の位置において前記ミラー面表面を整列させるように適合されている、請求項1に記載の分光器。
前記磁気的な位置決めシステムが、直接的にまたは間接的に前記駆動軸を回して前記所定の位置に前記回転ミラー組立体を位置決めするように構成されている、請求項22に記載の分光器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0029]合理的なスペクトル分解能を維持しながら、比較的に大きいスペクトル領域を提供する分光器(たとえば、ラマンまたは発光(たとえば、蛍光、リン光、化学発光)分光器)が提供される。特定のタイプの分光器が下記に説明されているが(たとえば、ラマンおよび蛍光)、これらは、分光器のスペクトル分解能を維持しながら、サンプルの全体に集束ビームを移動させ、より大きいサンプリング領域を提供するのと同様の様式で使用され得る分光器の単なる例である。
【0011】
[0030]1つの実装形態では、たとえば、SERS活性ターゲット(たとえば、繊維)の迅速な認証(たとえば、10秒未満を必要とするポイント&シュート法)を提供する、比較的に低コストのハンドヘルド式ラマン(または、他の)分光器が提供される。たとえば、分光器は、プログラム可能な内蔵式のタガント(taggant)マッチング能力を使用することが可能である。様々な実装形態では、この機器は、SERS活性材料の接触検出および/またはスタンドオフ検出(たとえば0〜2メートルの距離からの織物基材)のために使用され得る。
【0012】
[0031]別の実装形態では、蛍光(または、他の)分光器は、タグ付きのターゲットの表面の全体に集束ビームをラスターする(あるいは、移動させる)。1つの変形例では、たとえば、分光器は、サンプルから受け入れられる信号を平均化する。添付書面に説明されているように、サンプルの全体にラスターされた励起ビームから受け入れられる平均化された信号は、不均一なサンプルの中に分散されたタグまたは他の検出可能な要素の濃度を検出するために使用され得る。したがって、サンプル(たとえば、タグ付きのペイント)の濃度が知られている場合には、平均化された分光器信号が、サンプルが既知の濃度から希釈されたかどうかということを検出するために使用され得る。
【0013】
[0032]
図1は、ターゲットの表面の全体に集束ビームを移動させるように構成されている分光器20の例示的な実施形態を示している。特定の例は、ラマン分光器を示しているが、発光分光器などのような他のタイプの分光器も、本明細書の説明に基づいて容易に設計され得る。
図1に示されているように、分光器20は、励起源22を含む。ラマン分光器では、たとえば、励起源22は、典型的に、レーザー光源を含む。一実施形態では、たとえば、励起源22は、ダイオードレーザーを含む。ダイオードレーザーは、たとえば、励起源22から複数の波長を提供することが可能である。分光器20は、フィルター24をさらに含む。フィルター24は、励起源22からスプリアス発射を除去するなど、励起源22の出力にフィルターをかける。
【0014】
[0033]分光器20は、光学システム25をさらに含む。光学システム25は、サンプル28に向けて入射ビーム26を方向付けし、サンプル28から分光信号を受け入れる。
図1に示されている実施形態では、たとえば、光学システム25は、ダイクロイックビームスプリッターミラー30を含む。しかし、入射ビーム26は、入射ビーム26の経路の中に位置付けされている任意の介在機器コンポーネントを備えることなく、サンプル28に方向付けされてもよい。また、入射ビーム26は、ミラー、ホログラフィック透過要素、ミラーの中に孔部を備えて形成されたミラー、または、当技術分野で知られている入射ビームを方向付けするための任意の他の手段によって方向付けされてもよい。
【0015】
[0034]光学システム25は、サンプル28の表面の全体に入射ビームを移動させるための手段をさらに含む。一実施形態では、たとえば、アクチュエーター組立体31は、光学システム25の1つまたは複数の要素(たとえば、可動ミラー32)を移動させ(たとえば、振動させ)、サンプル28の表面の全体に集束ビームを移動させる。アクチュエーター組立体31は、たとえば、可動ミラー32を制御し、サンプル28の表面の全体に集束入射ビーム26を移動させることが可能である。アクチュエーター組立体31は、たとえば、可動ミラー32を制御し、任意の経路またはパターンで、サンプル28の表面の全体に入射ビームを移動させることが可能である。1つの実装形態では、たとえば、アクチュエーター組立体31は、サンプルの表面の全体に、1つまたは複数の線、円形、楕円形、または他の経路をトレースするような様式で、可動ミラー32を制御することが可能である。下記に説明されている
図2から
図10は、分光器20において使用するための多数の例示的なアクチュエーター組立体31を説明している。
【0016】
[0035]入射ビーム26は、レンズ34を通してさらに方向付けされ得る。一実施形態では、レンズ34は、入射ビーム26の経路の中に集束レンズを含む。集束レンズは、入射ビーム26をサンプル28に結び付け、サンプルから分光信号(たとえば、ラマン散乱光)を収集する。別の実施形態では、2つ以上のレンズ34が、入射ビーム26がサンプル28に衝突する前に、入射ビーム26の経路の中に位置付けされ得る。様々な実施形態では、分光器20は、入射ビーム26をサンプルに向けて方向付けし、サンプルから分光信号を収集するための他の光学要素を含むことが可能である。分光器20の光学システムは、たとえば、コリメートビームチューブまたは光ファイバー導波管などのような要素を含むことが可能である。様々な分光器の光学システムにおいて使用され得るコリメートビームチューブまたは光ファイバー導波管の例として、たとえば、米国特許第7,403,281号を参照されたい。
【0017】
[0036]入射ビーム26は、サンプル28に衝突すると、分光器20によって検出されることとなる分光信号を誘発または発生させる。ラマン分光では、たとえば、入射ビーム26は、サンプル28に衝突すると、散乱放射線を誘発または発生させ、その散乱放射線は、入射ビーム26とは異なるエネルギー差、および、入射ビーム26とは異なる1つまたは複数の波長、または、便宜上、本明細書でラマンビームとして説明されているラマンシフトを有する。上記に述べられているように、また、
図1に示されているように、一実施形態では、分光器20は、ダイクロイックビームスプリッターミラー30などのようなビームスプリッターを含む。分光信号36(たとえば、ラマンビーム)は、180度の後方散乱の幾何学形状で、レンズ34およびダイクロイックビームスプリッターミラー30を通過して戻るように方向付けされる。入射ビーム26も分光信号36も共線的である(co−linear)必要はない。しかし、
図1に示されている実施形態では、分光信号36は、ダイクロイックビームスプリッターミラー30を通過して、次いで、フィルター要素38を通過して戻る。一実施形態では、フィルター要素38は、ロングパスフィルターを含み、ロングパスフィルターは、分光信号36をスペクトルへと分散させる前に、(たとえば、光源22または別の供給源からの)外部からの放射線を除去する。代替的に、フィルター要素38は、ノッチフィルター、または、弾性散乱放射線を拒絶することができる任意の他のフィルターを含むことが可能である。
【0018】
[0037]分光信号36は、入力集束レンズ40をさらに通過することが可能であり、入力集束レンズ40は、分光信号36を空間フィルター41におけるポイントに集束させる。一実施形態では、たとえば、空間フィルター41は、開口、スリット、またはノッチを含み、入力集束レンズ40の焦点に位置付けされている。空間フィルター41は、入力集束レンズの焦点におけるビームに空間的にフィルターをかける。
【0019】
[0038]
図1に示されている分光器20は、コリメーティングレンズ42をさらに含み、コリメーティングレンズ42は、発散する分光信号36が空間フィルター41の開口(たとえば、開口、スリット、またはノッチ)を通過した後に、発散する分光信号36をコリメートする。コリメーティングレンズ42は、再コリメートされたラマンビームを回折格子44に向けてさらに方向付けする。回折格子44は、ラマンビームを空間的に分離された波長へと分割する光学要素を含む。回折格子44は、分割されたラマンビーム46を検出器48に向けてさらに方向付けする。分割されたラマンビーム46は、検出器集束レンズ50を通過し、検出器集束レンズ50は、分割されたラマンビーム46の空間的に分離された波長を検出器48に集束させる。
【0020】
[0039]検出器48は、光学エネルギーを電気信号へ変換する変換器を含む。一実施形態では、たとえば、検出器48は、個々の変換器のアレイを含み、個々の変換器のアレイは、ラマンスペクトルの空間的に分離された波長を表す電気的なパターンを生成させる。CCD(charge-coupled device)アレイは、たとえば、本発明の一実施形態では、検出器48として使用され得る。別の実施形態では、インジウム−ガリウム−ヒ素(InGaAs)検出器48である。また、当技術分野で知られている他の検出器も、本発明の分光器の中で使用され得る。
【0021】
[0040]分光器20は、分光器20の動作を制御するための制御電子機器52をさらに含む。制御電子機器52は、たとえば、光源22、アクチュエーター組立体31、検出器48、(たとえば、光源または検出器のための)温度制御要素、ならびに、分光器への、および/または、分光器からのデータ転送の動作を制御することが可能である。一実施形態では、制御電子機器52は、分光器のハウジングの中の単一のPCボードに統合され得る。また、制御電子機器52は、1つまたは複数の独立したコンポーネントおよび/または1つまたは複数の集積回路コンポーネントを含むことも可能である。
【0022】
[0041]一実施形態では、制御電子機器52は、外部デバイスと通信するための手段を含むことが可能である。通信するための手段は、たとえば、外部コンピューター、PDA(personal data assistant)、またはネットワークなどと通信するための有線または無線の通信ポートを含むことが可能である。有線の通信ポートは、たとえば、パラレル、シリアル、USB(universal serial bus)、ファイヤーワイヤー(登録商標)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、モデム、ケーブルモデム、または、当技術分野で知られている他の有線の通信ポートを含むことが可能である。無線の通信ポートは、たとえば、viaおよび赤外線、Bluetooth、IEEE802.11a/b/g、IrDA、無線モデム、または、当技術分野で知られている他の無線通信ポートなどのような、外部デバイスと無線通信するためのアンテナを含むことが可能である。制御電子機器52は、ポータブルデバイスのためのバッテリーから電力を与えられ、または、当技術分野で知られているような外部供給部から電力を受け入れるための電力入力を含むことが可能である。バッテリーまたは電源回路(たとえば、整流器)は、分光器20のハウジングの中に配置され得る。
【0023】
[0042]ラマン分光では、分光器20は、サンプル28のラマンスペクトルを検出するように動作する。ラマンスペクトルを検出するために、光源22は、レーザー光源の中にレーザー入射ビームを発生させるなど、励起放射線の入射ビーム26を発生させるように活性化される。一実施形態では、たとえば、光源22の温度が、光源22によって発生させられる入射ビーム26の出力周波数を制御するように制御される。励起放射線の入射ビーム26は、フィルター24を通過し、フィルター24は、入射ビームからスプリアス発射を除去する。入射ビーム26は、ビームスプリッターミラー30からサンプル28に向けて反射される。入射ビーム26は、出力集束レンズ34によって、サンプル28に集束させられる。
【0024】
[0043]入射ビーム26は、サンプル28からラマン散乱光を発生させる。ラマン散乱光は、出力集束レンズ34によって受け入れられ、ビームスプリッターミラー30を通して伝送されて戻る。この実施形態では、ビームスプリッターミラー30は、ラマン散乱光を、ミラー30を通してフィルター38へ渡す。フィルター38から、ラマン散乱光は、入力集束レンズ40を通過し、開口、スリット、またはノッチなどのような空間フィルター41に集束させられる。ラマン散乱光は、空間的にフィルターをかけられ、コリメーティングレンズ42に向けて発散する。コリメーティングレンズ42は、発散するラマン散乱光をコリメートし、光を回折格子44へ伝送し、回折格子44は、ラマン散乱光を空間的に分離された波長へと分割し、その波長を検出器要素48に向けて方向付けする。ラマン散乱光の空間的に分離された波長は、検出器集束レンズ50を通過し、そして、ラマン散乱光の空間的に分離された波長を表す放射線の集束バンドへと集束させられる。放射線の集束バンドは、検出器集束レンズ50によって検出器48にさらに方向付けされる。
【0025】
[0044]この特定の実装形態では、検出器48は、個々の変換器のアレイを含み、個々の変換器のアレイは、個々の変換器のそれぞれにおいて受け入れられる放射線の強度に対応する電気信号をそれぞれ発生させる。検出器の個々の変換器において発生させられる電気信号は、サンプル28のラマンスペクトルの空間的に分離された波長を表す。電気信号は、制御電子機器52によって検出器から読み取られる。一実施形態では、たとえば、分光器20は、次いで、分光器自身のディスプレイまたはインジケーターなどを介して、検出されたラマンスペクトルをユーザーに提示することが可能である。別の実施形態では、分光器20の制御電子機器は、データストレージ要素(たとえば、メモリー、テープ、もしくはディスクドライブ、またはメモリースティックなど)に記憶されたルックアップテーブルを含むことが可能である。この実施形態では、制御電子機器52は、検出器からの信号をルックアップテーブルの中に記憶された値と比較し、ラマンスキャンの結果を決定する。次いで、分光器20は、分光器のディスプレイまたはインジケーターなどを介して、結果をユーザーに提示する。結果は、たとえば、サンプルの中の1つまたは複数の化学物質または物質の存在または不存在を示すことが可能であり、分光器によって検出される化学物質または物質の量または濃度をさらに示すことが可能である。
【0026】
[0045]他の実装形態では、検出器48は、1つまたは複数の予想されるスペクトルの特徴(たとえば、ラマン特徴)を迅速にスキャンする1つまたは複数の個々の変換器を含むことが可能である。そのようなシステムの例が、Carronらによって2011年6月15日に出願された「Spectrometer」という表題の米国特許出願第13/161,485号に開示されており、それは、それが教示および示唆するすべてに関して、その全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0027】
[0046]
図2は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体60の例示的な実装形態を示している。アクチュエーター組立体60は、たとえば、分光器の光学システムの1つまたは複数の要素を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいはサンプルの表面の全体に入射ビームを移動させることが可能である。
【0028】
[0047]
図2に示されている特定の実装形態では、ミラー62(または、他の光学要素)が、可撓性の梁64に連結されている。ミラー62は、たとえば、
図1に示されている可動ミラー32に対応するものでありうる。可撓性の梁64の第1の近位端部66は、アンカー固定されており、可撓性の梁64の第2の遠位端部68は、ミラー62に連結されている。可撓性の梁は、第1の近位端部66においてアンカー固定され、第2の遠位端部68においてミラー62に連結されるように示されているが、可撓性の梁64は、可撓性の梁64の長さLに沿って任意のポイントで、アンカー固定され、および/または、ミラー62に連結され得る。梁64は、(たとえば、曲げおよび/または捩じりの力に起因して)撓むので、ミラー62は、集束レンズなどのような、分光器の1つまたは複数の他の光学要素に対して移動させられる。梁64の移動は、たとえば、ミラー62の角度を変更し、定位経路から入射ビームを方向付けし直すことが可能である。コリメートされた入射ビームは、ミラー62に当たり、次いで、固定式の出力レンズ76を通してサンプル78のスポットに集束させられる。照射される領域のサイズおよび形状は、モーター速度、梁形状、および梁剛性などによって変化させられ得る。加えて、モーター70の速度は、照射される領域を最大化するような仕方で変化(たとえば、急激に、または一定の割合で増減、換言すればランプ)させられてもよい。
【0029】
[0048]可撓性の梁64は、任意の比較的に可撓性の材料を含むことが可能である。1つの実装形態では、たとえば、可撓性の梁は、ポリスチレンの1/8”または3/32”チューブを含むことが可能である。また、エネルギーを極度に吸収することなく振動することができる他の比較的に高い弾性率の材料(たとえば、真鍮製のまたは螺旋状の鋼製スプリング)も使用され得る。
【0030】
[0049]可撓性の梁64は、任意の数のアクチュエーターによって移動させられ得る。
図2に示されている特定の実装形態では、たとえば、オフセットウェイト72を含むモーター70(たとえば、携帯電話のバイブレーターモーター)が、可撓性の梁のアンカー点(たとえば、第1の近位端部66)からオフセットされて、可撓性の梁64に連結されている。モーター70が励起されると、オフセットウェイト72は、可撓性の梁64を振動させ、可撓性の梁64に連結されている光学要素を移動させる。この実装形態では、光学要素は、可動ミラー62を含み、可動ミラー62は、分光器からの入射励起ビーム74を出力集束レンズ76に向けて反射し、出力集束レンズ76は、入射ビームをサンプル78に集束させる。ミラー62を移動させることによって、アクチュエーター組立体60は、サンプル78の表面の全体に入射ビーム74を移動させる。入射ビーム76によってサンプルにおいて誘発させられた分光信号は、出力集束レンズ76を介して受け入れられ、可動ミラー74から反射され、分光器のダイクロイックビームスプリッターミラー(たとえば、
図1におけるビームスプリッターミラー30を参照)を通過させられる。
【0031】
[0050]可撓性の梁64に連結されている1つまたは複数の光学要素の移動は、1つまたは複数の制御信号をモーター70に適用することによって制御され得る。下記に説明されている
図11および
図12は、例示的な制御波形を示しており、その制御波形は、(ミラー62などのような)1つまたは複数の光学要素の運動、そして、サンプル78の表面の全体にわたる入射ビーム74の運動を制御するために使用され得る。
【0032】
[0051]アクチュエーター組立体60は、任意の数のパターンまたは経路で、サンプル78の表面の全体に入射ビーム74を移動させるために使用され得る。アクチュエーター組立体60は、たとえば、線、楕円、円形の様式で、または、他の制御されたもしくは制御されていない様式で、ミラー62を移動させ、任意の数のパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させることが可能である。したがって、サンプル78の表面の全体にわたる入射ビーム74の移動は、分光器が、分光器の分解能を低減させることなく、より大きいサンプルの領域をサンプリングすることを可能にする。
【0033】
[0052]
図3は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体80の別の例示的な実装形態を示している。
図2に示されているアクチュエーター組立体60と同様に、
図3に示されているアクチュエーター組立体80は、分光器の1つまたは複数の光学要素を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0034】
[0053]
図3に示されている特定の実装形態では、ミラー82(または、他の光学要素)が、たとえば、
図2に関して上記に説明されているように、可撓性の梁84に連結されている。
図2と同様に、ミラー82は、
図1に示されている可動ミラー32に対応するものでありうる。可撓性の梁84の第1の近位端部86は、アンカー固定されており、可撓性の梁84の第2の遠位端部88は、ミラー82に連結されている。繰り返しになるが、可撓性の梁84は、第1の近位端部86においてアンカー固定され、第2の遠位端部88においてミラー82に連結されるように示されているが、可撓性の梁84は、可撓性の梁84の長さLに沿って任意のポイントで、アンカー固定され、および/または、ミラー82に連結され得る。梁84は、(たとえば、曲げおよび/または捩じりの力に起因して)撓むので、ミラー82は、集束レンズ96などのような、分光器の1つまたは複数の他の光学要素に対して移動させられる。梁84の移動は、たとえば、ミラー82の角度を変更し、定位経路から入射ビームを方向付けし直すことが可能である。(集束レンズ96を介して受け入れられる)収束する入射ビームは、ミラー82に当たり、集束させられたスポットまたは領域をサンプル98に形成するように方向付けし直される。
図2に関して上記に説明されているように、サンプル98に照射される領域のサイズおよび形状は、モーター速度、梁形状、および梁剛性などによって変化させられ得る。加えて、モーター90の速度は、照射される領域を最大化するような仕方で変化(たとえば、急激に、または一定の割合で増減)させられてもよい。
【0035】
[0054]可撓性の梁84は、任意の数のアクチュエーターによって移動させられ得る。
図3に示されている特定の実装形態では、たとえば、オフセットウェイト92を含むモーター90(たとえば、携帯電話バイブレーターモーター)が、可撓性の梁84のアンカー点(たとえば、第1の近位端部86)からオフセットされて、可撓性の梁84に連結されている。モーターが励起されると、オフセットウェイト92は、可撓性の梁84を振動させ、可撓性の梁84に連結されている光学要素を移動させる。この実装形態では、光学要素は、ミラー82を含み、ミラー82は、分光器の出力レンズ96からの入射励起ビーム94をサンプル98に向けて反射させる。ミラー82を移動させることによって、アクチュエーター組立体80は、サンプルの表面の全体に入射ビーム94を移動させる。入射ビーム94によってサンプルにおいて誘発させられた分光信号は、ミラー82を介して受け入れられ、そして、分光器の出力レンズ96に反射されるか、または、ミラー(たとえば、ダイクロイックビームスプリッターミラー、または、分光信号を受け入れるための開口を備えるミラー)を通過させられる。
【0036】
[0055]
図2に関して上記に説明されているように、可撓性の梁84に連結されている1つまたは複数の光学要素の移動は、1つまたは複数の制御信号をモーター90に適用することによって制御され得る。下記に説明されている
図11および
図12は、例示的な制御波形を示しており、その制御波形は、光学要素の運動、そして、サンプル98の表面の全体にわたる入射ビーム94の運動を制御するために使用され得る。
【0037】
[0056]アクチュエーター組立体80は、任意の数のパターンまたは経路で、サンプル98の表面の全体に入射ビームを移動させるために使用され得る。アクチュエーター組立体80は、たとえば、線、楕円、円形の様式で、または、他の制御されたもしくは制御されていない様式で、ミラー82を移動させ、任意の数のパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させることが可能である。したがって、サンプルの表面の全体にわたる入射ビームの移動は、分光器が、分光器の分解能を低減させることなく、より大きいサンプル98の領域をサンプリングすることを可能にする。
【0038】
[0057]
図4および
図5は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体100のさらなる別の例示的な実装形態を示している。
図4は、アクチュエーター組立体100の上面図を示し、
図5は、アクチュエーター組立体100の側面図を示している。
図2および
図3に示されているアクチュエーター組立体60および80と同様に、
図4および
図5に示されているアクチュエーター組立体100は、分光器の1つまたは複数の光学要素(たとえば、可動ミラー)を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0039】
[0058]
図4に示されている実装形態では、たとえば、ミラー102などのような光学要素が、可撓性のシートストック104に連結されている。可撓性のシートストック104は、アンカー固定されている周縁部108に連結されている複数のサポート部材106を含む。サポート部材106は、モーター、磁石/コイル対、または圧電アクチュエーターなどのように、アクチュエーターに応答して移動する(たとえば、揺動する)ことが可能である。また、サポート部材106は、分光器の1つまたは複数の光学要素(たとえば、ミラー102など)を支持する。可撓性のシートストック104は、任意の比較的に可撓性の材料を含むことが可能である。一実施形態では、たとえば、0.040または0.060シートのポリスチレンが使用され得る。また、エネルギーを極度に吸収することなく振動することができる他の比較的に高い弾性率の材料(たとえば、真鍮)も使用され得る。可撓性のシートストック104の中の切欠部は、たとえば、アクチュエーター組立体のサポート部材106を形成することが可能である。切欠部は、モーター110が活性化されると、特定の曲げまたは捩じりプロファイルを生成するように形成されてもよい。
【0040】
[0059]
図2および
図3と同様に、ミラー102は、
図1に示されている可動ミラー32、または、分光器の別のミラーに対応するものでありうる。可撓性のシートストック104の周縁部108は、アンカー固定され、サポート部材106が移動する(たとえば、可撓性のシートストックの中で揺動する)ことを可能にする。様々な実施形態では、任意の数の周縁部108(たとえば、可撓性のシートの1つ、2つ、3つ、または、4つすべての縁部)が、全体にまたは部分的に、アンカー固定され得る。可撓性のシートストック104は、周縁部108に沿ってアンカー固定され、内部サポート部材106においてミラー102に連結されるように示されているが、可撓性のシートストック104は、可撓性のシートストック104の任意の場所において、アンカー固定され、および/または、ミラー102に連結され得る。可撓性のシートストック104のサポート部材106は撓むので、ミラー102が、集束レンズ116などのような、分光器の1つまたは複数の他の光学要素に対して移動させられる。
【0041】
[0060]可撓性のシートストック104は、任意の数のアクチュエーターによって移動させられ得る。
図4および
図5に示されている特定の実装形態では、たとえば、オフセットウェイト112を含むモーター110(たとえば、携帯電話バイブレーターモーター)が、可撓性のシートストック104に連結されている。また、オフセットウェイトを備える2つ以上のモーターも使用され得る。複数のモーターは、たとえば、可撓性のシートストック104のサポート部材の中に、より高いオーダーの揺動を誘発させるために使用され得る。
図4および
図5に示されている特定の実装形態では、たとえば、モーター110は、可撓性のシートストック104に対して、ミラー102と反対側に配設されている。モーター110は、たとえば、
図4に示されているようにミラー102からオフセットされるか、または、ミラー102の正反対にあることが可能である。しかし、他の実装形態では、モーター102は、可撓性のシートストック104の事実上任意の場所に配設され得る。たとえば、モーターは、可撓性のシートストック104に対して、光学要素(たとえば、ミラー102)と同じ側に配設され得る。モーター110が励起されると、オフセットウェイト112が、可撓性のシートストック104を振動させ、可撓性のシートストック104に連結されている光学要素(たとえば、ミラー102)を移動させる。
【0042】
[0061]この実装形態では、光学要素は、ミラー102を含み、ミラー102は、分光器の入射励起ビーム114を反射させる。
図5に示されているように、ミラー102は、
図3の実装形態に示されている配置と同様に、出力集束レンズ116とサンプル118との間に配設され、そして、出力集束レンズ116からの入射ビームをサンプル118に向けて反射させる。しかし別の実装形態では、ミラー102は、
図2に示されている実装形態の配置と同様に、分光器の励起源と出力集束レンズ116との間に配設され、そして、出力集束レンズ116を通して入射ビームをサンプル118に向けて反射させる。
【0043】
[0062]ミラー102を移動させることによって、アクチュエーター組立体100は、サンプル118の表面の全体に入射ビーム114を移動させる。入射ビーム114によってサンプルにおいて誘発させられた分光信号は、ミラー102を介して受け入れられ、そして、分光器の出力レンズ116に反射されるか、または、ミラー(たとえば、ダイクロイックビームスプリッターミラー、または、分光信号を受け入れるための開口を備えるミラー)を通過させられる。
【0044】
[0063]
図2および
図3に関して上記に説明されているように、可撓性のシートストック104に連結されている1つまたは複数の光学要素の移動は、1つまたは複数の制御信号をモーター110に適用することによって制御され得る。下記に説明されている
図11および
図12は、例示的な制御波形を示しており、その制御波形は、光学要素の運動、そして、サンプル118の表面の全体にわたる入射ビーム114の運動を制御するために使用され得る。
【0045】
[0064]アクチュエーター組立体100は、任意の数のパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させるために使用され得る。アクチュエーター組立体100は、たとえば、線、楕円、円形の様式で、または、他の制御されたもしくは制御されていない様式で、ミラー102を移動させ、任意の数のパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させることが可能である。したがって、サンプルの表面の全体にわたる入射ビームの移動は、分光器が、分光器の分解能を低減させることなく、より大きいサンプルの領域をサンプリングすることを可能にする。
【0046】
[0065]
図6は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体120のさらなる別の例示的な実装形態を示している。この実装形態では、多面的かつ多角度の(multi-angled)ミラー組立体122がモーター124に取り付けられており、モーター124は組立体を回転させるように構成されており、ミラー組立体122の異なる面126を分光器の光学システムに提供してサンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
図2〜
図5に示されているアクチュエーター組立体と同様に、
図6に示されているアクチュエーター組立体120は、分光器の1つまたは複数の光学要素(たとえば、ミラー)を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0047】
[0066]
図6に示されているアクチュエーター組立体120は、分光器の集束レンズ128とサンプル130との間に配設されている。アクチュエーター組立体120は、集束レンズ128から入射ビーム132を受け入れ、サンプル130に向けてビームを反射させる。また、アクチュエーター組立体120は、サンプル130から分光信号を受け入れ、それを反射し、集束レンズ128を介して分光器の光学システムに戻す。
【0048】
[0067]多面的かつ多角度のミラーの複数の切子面126がモーター124によって回転させられるので、入射ビーム132(および、それに対応して戻って来る分光信号)は、事実上任意の数のパターンまたは経路で、サンプル130の表面の全体に方向付けされ得る。1つの実装形態では、たとえば、アクチュエーター組立体120の複数の切子面126は、入射ビーム132が、CRT(cathode ray tube)ラスターパターンと同様のラスターパターンで複数のラインをトレースすることを可能にする。ミラー組立体122が回転するとき、たとえば、それぞれのミラー126は、サンプル130の全体に一列に入射ビームを方向付けすることが可能であり、そして次に、異なって角度を付けられたミラーが入射ビーム132に向けて回転させられると、異なる角度のミラーが、サンプル130の表面の全体に連続した列で入射ビーム132を方向付けすることが可能である。また、他のミラー角度および切子面が、異なるパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体に入射ビームを方向付けするために使用され得る。
【0049】
[0068]
図7は、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体140の別の例示的な実装形態を示している。
図6に示されている実装形態と同様に、
図7の実装形態は、多面的かつ多角度のミラー組立体142を含み、多面的かつ多角度のミラー組立体142は、モーター144に取り付けられており、モーター144は、組立体142を回転させるように構成されており、ミラー組立体142の異なる面146を分光器の光学システムに提供し、サンプル150の表面の全体に入射ビーム152を移動させる。
図2〜
図6に示されているアクチュエーター組立体と同様に、
図7に示されているアクチュエーター組立体140は、分光器の1つまたは複数の光学要素(たとえば、ミラー146)を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプル150の表面の全体に入射ビーム152を移動させる。
【0050】
[0069]
図7に示されているアクチュエーター組立体140は、分光器の励起源と分光器の集束レンズ148との間に配設されている。アクチュエーター組立体140は、励起源を介して、直接的にまたは間接的に(たとえば、コリメートビームで)、入射ビーム152を受け入れ、集束レンズ148に向けてビーム152を反射させ、そして、集束レンズ148は、サンプル150に入射ビーム152を集束させる。また、アクチュエーター組立体140は、集束レンズ148を介して分光信号を受け入れ、分光器の光学システムへそれを方向付けし直す。
【0051】
[0070]
図6のアクチュエーター組立体と同様に、
図7のアクチュエーター組立体140は、CRTラスターパターンと同様のラスターパターンなどのような、任意の数のパターンで、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを方向付けするように設計され得る。
【0052】
[0071]
図7Aは、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体120Aのさらなる別の例示的な実装形態を示している。この実装形態では、角度の付けられたミラー組立体122Aが、モーター124Aの駆動軸125Aに取り付けられている。モーター124Aは、たとえば、回転駆動軸を回転させ、そして、角度の付けられたミラー組立体122Aを回転させるように構成され得る。角度の付けられたミラー組立体122Aを回転させることは、角度の付けられたミラー組立体122Aの面126Aを、入射ビーム(たとえば、レーザーまたは他の光ビーム)に対して移動させる。ミラー組立体122Aの面126Aが回転させられるので、入射ビームは、サンプルの表面へ方向付けし直され、サンプルの表面の全体に移動させられる。
図7Aに示されている実装形態では、たとえば、入射ビームは、概して円形、概して楕円形、円形、楕円形、または、他の形状付けされたパターンで、サンプルの表面の全体に方向付けされ得る。
図2〜
図7に示されているアクチュエーター組立体と同様に、
図7Aに示されているアクチュエーター組立体120Aは、分光器の1つまたは複数の光学要素(たとえば、ミラー)を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0053】
[0072]
図7Aに示されている特定の例では、たとえば、角度の付けられたミラー組立体122Aが、モーター124Aの駆動軸125Aに対して垂直ではない角度127Aで配設されている。この例では、入射ビームがミラー組立体122Aの面126Aに対して中心から外れて方向付けされており、ミラー組立体122Aがモーター124Aの駆動軸125Aによって回転させられるので、入射ビームが、サンプルの表面の全体に移動させられる。ミラー組立体122Aが概して剛体であり、駆動軸125Aに固定して装着される場合には、たとえば、入射ビームは、概して円形パターンで、サンプルの表面の全体に移動させられることとなる。しかし、(たとえば、1つもしくは複数のスプリングによって、もしくは、
図4および
図5に関して本明細書で示されて説明されている可撓性の基板もしくはシートストックなどのような他の可撓性のマウントによって)ミラー組立体122Aを駆動軸125Aに柔軟に装着することによって、ミラー組立体122Aが駆動軸125Aに対して動揺し(wobble)、あるいは移動することができるようにミラー組立体122Aを駆動軸125Aに装着することによって、角度127Aを変化させることによってパターンは変更されてもよい。かつ/または、モーター124Aが、1つまたは複数のスプリングまたは他の可撓性のマウントなどを介して、分光器の中にもしくは分光器に、柔軟に装着されてもよい。ミラー組立体122Aおよび/またはモーター124Aが柔軟に装着される場合、ミラー組立体122Aはミラー面126Aが駆動軸に対して概して垂直であるように駆動軸に装着されてもよく、それでもミラー面126Aが入射ビームに対して移動させられる(たとえば、振動させられる)ので、サンプルの表面に対して入射ビームを移動させることが可能である。
【0054】
[0073]また、ミラー組立体122Aは、固定された位置へ自動的にリセットされ、固定された場所でのサンプルのスペクトルをとるために、入射ビームが単一の所定の場所へ信頼性高く方向付けされ得るようになっている。1つの実装形態では、たとえば、1対の磁石127A、129Aが、ミラー組立体122Aおよび/またはモーター124Aの駆動軸125Aに取り付けられ得る。磁石127A、129Aは、たとえば、永久磁石および/または電磁石を含むことが可能であり、永久磁石および/または電磁石は、設定された所定の位置へ、入射ビームに対してミラー組立体122Aを移動させることが可能である。したがって、スペクトルが、サンプルにおいて設定された定位位置でとられるとき、1対の磁石127A、129Aは、互いに引き付け合い、所定の位置にミラー組立体をロックすることが可能である。しかし、駆動軸125Aが回転させられるとき、入射ビームは、また、サンプルの表面に対して移動させられ得る。1つの実装形態では、たとえば、駆動軸125Aがモーター124Aによって回転させられないときに、1対の磁石127A、129Aは、設定された所定の場所へミラー組立体122Aを移動させるのに十分な強度を提供するが、モーター124Aは、1対の磁石127A、129Aの強度に打ち勝つのに十分強力であり、モーター124Aが、駆動軸およびミラー組立体122Aを回転させることができるようになっている。別の実施形態では、磁石127A、129Aのうちの1つまたは両方は、電磁石であることが可能であり、その電磁石は、ミラー組立体122Aが設定された所定の場所にロックされることとなるときに活性化され、ミラー組立体122Aが入射ビームに対して移動させられることとなるときに非活性化される。
【0055】
[0074]別の実装形態では、1対の磁石は、その代わりに、単一の磁石、および、単一の磁石を用いて磁気的に結合され得る別のコンポーネントを含むことが可能である。たとえば、磁石に結合され得る材料(たとえば、鉄)が、上記に説明されている磁石のうちの1つの代わりに使用され得る。1つの実装形態では、たとえば、磁石が、アクチュエーターの駆動軸および/または回転ミラー組立体、ならびに、磁石に磁気的に結合するように構成されている固定された要素に連結され得る。この実装形態では、駆動軸および/または回転ミラー組立体に物理的に連結されている磁石は、磁石が固定された要素に隣接して位置決めされるまで、駆動軸および/または回転ミラー組立体を回し、設定された所定の位置にミラー面および回転ミラー組立体を設定することが可能である。代替的に、磁石は、分光器の中におよび/または分光器に固定され、また、アクチュエーターの駆動軸および/または回転ミラー組立体に物理的に固定された要素に磁気的に結合するように構成され得る。この実装形態では、磁石は、アクチュエーターの固定された要素を、それらが互いに隣接して配設され、ミラー面および/または回転ミラー組立体が設定された所定の位置となるまで磁石に向けて引っ張る。
【0056】
[0075]
図7Bは、別の実装形態を示しており、2つ以上の回転ミラー組立体122B、122Cが、入射ビームをサンプルへ方向付けするために使用されている。回転ミラー組立体は、それぞれ、
図7Aに関して示されて説明されているものなどのような組立体であることが可能であり、任意の数の構成で配置され得る。
図7Bに示されている特定の実装形態では、たとえば、入射ビームが第1の回転ミラー組立体122Bに方向付けされ、次いで第2の回転ミラー組立体122Cに方向付けされ、次いでサンプルに方向付けされるように、2つの回転ミラー組立体122Bおよび122Cが配置されている。この実装形態では、入射ビームは、円形または楕円形などのパターンで第2のミラー組立体122Cのミラー面に対して移動させられるように、第1の回転ミラー組立体122Bによって方向付けし直される。この実装形態では、たとえば、回転ミラー組立体122Bおよび122Cは、角度の付けられたミラー面126B、126Cを含み、角度の付けられたミラー面126B、126Cは、それぞれの組立体の駆動軸に対して非垂直の角度で配設されている。
【0057】
[0076]
図7Bに示されているように、1対の回転ミラー組立体122Β、122Cが上記に説明されているように回転させられるとき、入射ビームが、略円形パターンの中で一連の楕円形パターンで移動させられ、より大きい、この略円形のパターンの中で、サンプルの表面の全体でサンプルを照射する。特定のパターンが示されて説明されているが、任意の数のパターン、または、さらには、パターン化されていない移動も、
図7Aに関して上記に説明されているようなアクチュエーター組立体120Bの構造および配置に応じて実現され得る。アクチュエーター組立体120Bの任意のコンポーネントは、コンポーネントの振動、動揺、または他の移動が、サンプルにおける入射ビームの移動を変更することができるように、柔軟に、あるいは移動可能に装着されている。
【0058】
[0077]
図6および
図7に関して上記に説明されているように、
図7Aおよび
図7Bに示されているアクチュエーター組立体120Aまたは120Bは、(たとえば、
図6に示されているように)分光器の集束レンズ128とサンプル130との間に配設され、または、励起源と分光器の集束レンズとの間に配設され得る。いずれの実装形態でも、アクチュエーター組立体120Aまたは120Bは、(集束レンズまたは励起源からの)入射ビームを受け入れ、サンプルに向けてビームを反射させる。また、アクチュエーター組立体は、サンプルからの分光信号を受け入れ、それを反射し、分光器の光学システムに戻す。
【0059】
[0078]
図7Aに関して説明されているように、アクチュエーター組立体120Bは、設定された所定の位置へ回転ミラー組立体122Bおよび122Cを移動させる1対の磁石をさらに含むことが可能である。同様に、(
図7Aまたは
図7Bのいずれかの)モーターは、そのように行うように構成されたステッパーモーターまたは他のモーターなどを介して、所定の位置へ組立体を移動させるように構成され得る。加えて、
図7Aおよび
図7Bに関して示されているが、同様の磁気的な構成が、本明細書で示されて説明されている他のアクチュエーター組立体に対して使用され得る。
図1〜
図5および
図8〜
図10に示されている様々な可撓性の梁または可撓性のシートストックの実装形態に関して、第1の磁石は(たとえば、可撓性の梁の遠位端部もしくはその近くで)可撓性の梁に、または(たとえば、ミラーが可撓性のシートストックに付着されている場所もしくはその近くで)可撓性のシートストックに取り付けられ、第2の磁石は、設定された所定の位置に可撓性の梁または可撓性のシートストックを引き付け、保持するように、分光器内に、および/または分光器上に固定されてもよい。
図6および
図7に示されている回転する多面的かつ多角度のミラー実装形態に関して、磁石の対は、
図6および
図7に関して示されて説明されているように、実質的に同様の様式で配置され得る。
【0060】
[0079]
図8は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体160のさらなる別の例示的な実装形態を示している。
図2〜
図7に示されているアクチュエーター組立体と同様に、
図8に示されているアクチュエーター組立体160は、分光器の1つまたは複数の光学要素を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0061】
[0080]
図8に示されている特定の実装形態では、ミラー162(または、他の光学要素)が、たとえば、可撓性の梁164に連結されている。ミラー162は、
図1に示されている可動ミラー32に対応するものでありうる。可撓性の梁164の第1の近位端部166は、アンカー固定されており、可撓性の梁164の第2の遠位端部168は、ミラー162に連結されている。繰り返しになるが、可撓性の梁は、第1の近位端部166においてアンカー固定され、第2の遠位端部168においてミラー162に連結されるように示されているが、可撓性の梁164は、可撓性の梁164の長さLに沿って任意のポイントで、アンカー固定され、および/または、ミラー162に連結され得る。梁164は撓むので、ミラー162は、集束レンズ176などのような、分光器の1つまたは複数の他の光学要素に対して移動させられる。
【0062】
[0081]可撓性の梁164は、任意の数のアクチュエーターによって移動させられ得る。
図8に示されている特定の実装形態では、たとえば、磁石/コイル対170が提供されており、可撓性の梁164、および、梁164に連結されている光学要素(たとえば、ミラー162)を移動させる。
図8に示されている実装形態では、たとえば、磁石/コイル対170の磁石172(たとえば、永久磁石)は、可撓性の梁164(たとえば、第1の近位端部166)のアンカー点からオフセットされて、可撓性の梁164に連結されている。磁石/コイル対170のコイル173は、磁石172に隣接して配設され、梁164に連結されている磁石172を反発しおよび/または引き付けるように制御され得る。磁石172が、可撓性の梁164に連結されるように示されており、コイル173が、梁164および磁石172からオフセットされて示されているが、反対のものも提供され得る(すなわち、コイルが、梁164に連結され、磁石172が、梁164およびコイル173からオフセットされ得る)。電流がコイル173に印加されると、対向する磁石172が、反発され、および/または引き付けられ、可撓性の梁164を移動させ、そして可撓性の梁164に連結されている光学要素(たとえば、ミラー162)を移動させる。この実装形態では、光学要素は、ミラー162を含み、ミラー162は、分光器の出力レンズ176からの入射励起ビーム174をサンプル178に向けて反射させる。ミラー162を移動させることによって、アクチュエーター組立体160は、サンプル178の表面の全体に入射ビーム174を移動させる。入射ビーム174によってサンプル178において誘発させられた分光信号は、ミラー162を介して受け入れられ、そして、分光器の出力レンズ176に反射されるか、または、ミラー(たとえば、ダイクロイックビームスプリッターミラー、または、分光信号を受け入れるための開口を備えるミラー)を通過させられる。また、同様に、ミラー162は、
図2に示されているように、励起源と集束レンズ176との間に配設され得る。
【0063】
[0082]
図2〜
図5に関して上記に説明されているように、可撓性の梁164に連結されている1つまたは複数の光学要素の移動は、1つまたは複数の制御信号を磁石/コイル対170に適用することによって制御され得る。下記に説明されている
図11および
図12は、例示的な制御波形を示しており、その制御波形は、光学要素の運動、そして、サンプル178の表面の全体にわたる入射ビーム174の運動を制御するために使用され得る。
【0064】
[0083]
図9は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体180の別の例示的な実装形態を示している。
図2〜
図8に示されているアクチュエーター組立体と同様に、
図9に示されているアクチュエーター組立体180は、分光器の1つまたは複数の光学要素を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0065】
[0084]
図9に示されている特定の実装形態では、ミラー182(または、他の光学要素)が、たとえば、可撓性の梁184に連結されている。ミラー182は、
図1に示されている可動ミラー32に対応するものでありうる。可撓性の梁184の第1の近位端部186は、アンカー固定されており、可撓性の梁184の第2の遠位端部188は、ミラー182に連結されている。繰り返しになるが、可撓性の梁は、第1の近位端部186においてアンカー固定され、第2の遠位端部188においてミラー182に連結されるように示されているが、可撓性の梁184は、可撓性の梁184の長さLに沿って任意のポイントで、アンカー固定され、および/または、ミラー182に連結され得る。梁184は撓むので、ミラー182は、集束レンズ196などのような、分光器の1つまたは複数の他の光学要素に対して移動させられる。
【0066】
[0085]可撓性の梁184は、任意の数のアクチュエーターによって移動させられ得る。
図9に示されている特定の実装形態では、たとえば、圧電アクチュエーター190(たとえば、圧電アクチュエータースタック)が提供されており、可撓性の梁184、および、梁184に連結されている光学要素を移動させる。この実装形態では、たとえば、圧電アクチュエーター190は、可撓性の梁184のアンカー点(たとえば、第1の近位端部186)からオフセットされている場所191において、可撓性の梁184に連結されている。また、圧電アクチュエーター190は、圧電アクチュエーター190が可撓性の梁184に連結されている場所に対向する場所192にアンカー固定されている。圧電アクチュエーター190は、(たとえば、梁184を撓ませることによって)可撓性の梁184を移動させるように制御され得る。そして、可撓性の梁は、可撓性の梁184に連結されている光学要素を移動させる。この実装形態では、光学要素は、ミラー182を含み、ミラー182は、分光器の出力レンズからの入射励起ビーム194をサンプル198に向けて反射させる。ミラー182を移動させることによって、アクチュエーター組立体180は、サンプル198の表面の全体に入射ビーム194を移動させる。入射ビーム194によってサンプル198において誘発させられた分光信号は、ミラー182を介して受け入れられ、そして、分光器の出力レンズ196に反射されるか、または、ミラー(たとえば、ダイクロイックビームスプリッターミラー、または、分光信号を受け入れるための開口を備えるミラー)を通過させられる。また、同様に、ミラー182は、
図2に示されているように、励起源と集束レンズ196との間に配設され得る。
【0067】
[0086]
図2〜
図5に関して上記に説明されているように、可撓性の梁184に連結されている1つまたは複数の光学要素の移動は、1つまたは複数の制御信号を圧電アクチュエーター190に適用することによって制御され得る。下記に説明されている
図11および
図12は、例示的な制御波形を示しており、その制御波形は、光学要素の運動、そして、サンプル198の表面の全体にわたる入射ビーム194の運動を制御するために使用され得る。
【0068】
[0087]
図8および
図9のアクチュエーターは、可撓性の梁に関して示されているが、アクチュエーターは、代替的に、
図4および
図5に関して示されているものなどのような、1つまたは複数の可撓性のシートストックを提供され得る。
【0069】
[0088]
図10は、サンプルの表面の全体に分光器の入射ビームを移動させるためのアクチュエーター組立体200のさらなる別の例示的な実装形態を示している。
図2および
図3に示されているアクチュエーター組立体と同様に、
図10に示されているアクチュエーター組立体200は、分光器の1つまたは複数の光学要素を移動させ、スキャンし、ラスターし、あるいは、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させる。
【0070】
[0089]
図10に示されている特定の実装形態では、集束ミラー202(または、他の光学要素)が、たとえば、
図2および
図3に関して上記に説明されているように、可撓性の梁204に連結されている。集束ミラー202は、
図1に示されている可動ミラー32と出力集束レンズ34の組み合わせに対応するものでありうる。したがって、集束ミラー202は、入射ビーム214を集束させること、および、サンプル218の表面の全体にビーム214を移動させることの両方を行う。可撓性の梁204の第1の近位端部206は、アンカー固定されており、可撓性の梁204の第2の遠位端部208は、ミラー202に連結されている。繰り返しになるが、可撓性の梁204は、第1の近位端部206においてアンカー固定され、第2の遠位端部208においてミラー202に連結されるように示されているが、可撓性の梁204は、可撓性の梁204の長さLに沿って任意のポイントで、アンカー固定され、および/または、ミラー202に連結され得る。梁204は、(たとえば、曲げおよび/または捩じりの力に起因して)撓むので、集束ミラー202は、分光器の1つまたは複数の他の光学要素に対して移動させられる。梁204の移動は、たとえば、集束ミラー202の角度を変更し、定位経路から入射ビームを方向付けし直すことが可能である。(分光器の光学システムを介して受け入れられる)コリメートされた入射ビームは、たとえば、集束ミラー202に当たり、集束させられたスポットまたは領域をサンプル218に形成するように集束させられ、方向付けし直される。
図2および
図3に関して上記に説明されているように、サンプル218に照射される領域のサイズおよび形状は、モーター速度、梁形状、および梁剛性などによって変化させられ得る。加えて、モーター210の速度は、照射される領域を最大化するような仕方で変化(たとえば、急激に、または一定の割合で増減)させられてもよい。
【0071】
[0090]可撓性の梁214は、任意の数のアクチュエーターによって移動させられ得る。
図10に示されている特定の実装形態では、たとえば、オフセットウェイト212を含むモーター210(たとえば、携帯電話バイブレーターモーター)が、可撓性の梁204のアンカー点(たとえば、第1の近位端部206)からオフセットされて、可撓性の梁204に連結されている。モーターが励起されると、オフセットウェイト212は、可撓性の梁204を振動させ、可撓性の梁204に連結されている光学要素(たとえば、集束レンズ202)を移動させる。この実装形態では、光学要素は、集束ミラー202を含み、集束ミラー202は、分光器光学システムからの入射励起ビーム214をサンプル218に向けて集束および反射させる。ミラー202を移動させることによって、アクチュエーター組立体200は、サンプル218の表面の全体に入射ビーム214を移動させる。入射ビーム214によってサンプルにおいて誘発させられた分光信号は、ミラー202を介して受け入れられ、そして、分光器光学システムに反射されるか、または、ミラー202(たとえば、ダイクロイックビームスプリッターミラー、または、分光信号を受け入れるための開口を備えるミラー)を通過させられる。
【0072】
[0091]
図2および
図3に関して上記に説明されているように、可撓性の梁204に連結されている1つまたは複数の光学要素の移動は、1つまたは複数の制御信号をモーター210に適用することによって制御され得る。下記に説明されている
図11および
図12は、例示的な制御波形を示しており、その制御波形は、光学要素の運動、そして、サンプル218の表面の全体にわたる入射ビーム214の運動を制御するために使用され得る。
【0073】
[0092]アクチュエーター組立体200は、任意の数のパターンまたは経路で、サンプル218の表面の全体に入射ビームを移動させるために使用され得る。アクチュエーター組立体200は、たとえば、線、楕円、円形の様式で、または、他の制御されたもしくは制御されていない様式で、ミラー202を移動させ、任意の数のパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させることが可能である。したがって、サンプルの表面の全体にわたる入射ビームの移動は、分光器が、分光器の分解能を低減させることなく、より大きいサンプル218の領域をサンプリングすることを可能にする。
【0074】
[0093]
図11および
図12は、
図2〜
図5および
図10に示されている実装形態のモーターを制御するために使用され得る例示的なモーター駆動波形の波形を示している。
図11は、たとえば、アクチュエーター組立体のモーターのための制御信号として使用され得る鋸歯状のモーター駆動波形220を示している。鋸歯状のモーター駆動波形は、初期パワーブースト部分222および速度制御ランプ部分224を含む。
図12は、アクチュエーター組立体のモーターのための制御信号として使用され得る三角形モーター駆動波形230を示している。三角形モーター駆動波形230は、初期パワーブースト部分232および速度制御ランプ部分234を含む。これらの例示的な波形は、制御されたやり方で、モーター速度を変化させるために使用され得る。DCモーターは、始動するときよりも低い速度(または電圧)で動くので、制御信号は、初期スパイクを提供し、次いで、制御されたランプ信号に切り替わりうる。
【0075】
[0094]DCモーターの速度を変化させることで、入射ビームが単にパターンの周縁を回るだけでなくパターン全体にわたって移動するように、パターン(たとえば、円形または楕円形のパターン)を崩すことができる。
【0076】
[0095]また、他のアクチュエーターが、様々な様式で駆動され、様々なパターンまたは経路で、サンプルの表面の全体にわたる入射ビームの移動を実現することが可能である。
図8に示されているような磁石/コイル対のアクチュエーターは、方形波または正弦波制御信号などのような制御信号によって駆動され得る。また、
図9に示されているような圧電アクチュエーターは、正弦波などのような制御信号によって駆動され得る。正弦波制御信号は、たとえば、アクチュエーター組立体の運動を変化させるように振幅および/または周波数を変化させられてもよい。
【0077】
[0096]非常にハイエンドのレニショー社製ラマン顕微鏡と、手頃な価格のCOTS(commercial-of-the-shelf)ハンドヘルド式ラマンシステムとの組み合わせなどのような様々な機器をプラットフォームとして、ラマンターゲットの分析が行われ得るが、より大きいターゲット領域の中に配設されている小さいターゲットを検出することは、困難である可能性がある。1つまたは複数のタグ付きの繊維(たとえば、撚糸)がより大きい織物製品の中に配設されている織物環境では、手頃な価格のCOTSラマンデバイスを、タグ付きの撚糸の認証を行うために使用することができる。しかし、より実行可能な細線ベースの織物認証ソリューションを提供する設計変化が提供される(
図13)。
【0078】
[0097]上記に説明されているようなCOTSラマンリーダーは、(たとえば、未知のバルク材料(粉末、純正液体など)を識別するために)システムとサンプルとの間の焦点距離の適度な制御を提供するサンプリングプローブを使用しうる。バルク材料識別は、典型的に、サンプルの正確な場所を必要としない。さらに、未知の物体の識別は、高いスペクトル分解能、および、関連づけられた小さいサンプリング/焦点体積(50μm)を必要とする。1つの実装形態では、たとえば、小さい焦点体積を使用する規格外に細い線のサンプルのラマン分析に関する困難性は、10〜30μmの間の直径を有する個々の繊維から作製された繊維状基材を位置付けし、その上に焦点を合わせることの困難性を含む。
【0079】
[0098]検出器の1つの実装形態では、ラマン分光器は、本明細書で提供されているように、織物製品の中に混入されたタグ付きの繊維(たとえば、1〜3%だけ活性繊維を有するような混入された細線)を検出するために使用され得る。1つの実装形態では、スキャニング能力、および、拡張された焦点体積(たとえば、数百μm)を装備したラマンリーダーが提供される。
【0080】
[0099]1つの実装形態では、低コストで使用しやすいハンドヘルド式デバイスを備える、細線ベースの織物認証のためのラマンリーダーが提供される。より大きいサンプリング領域の中の小さいタグ付きのアイテムと結び付く実行可能な市販のリーダーを設計するための挑戦は、エンドユーザーのためのサンプリングメカニズム、およびコスト/性能上の便益を含む。
【0081】
[00100]1つの実装形態では、たとえば、特徴的な高エタンデュの励起/収集システムおよび分光器設計が提供される。
【0082】
[00101]エタンデュは、光収集に関係するが、単に収集された光の立体角を表すというよりも、スペクトルの分解能をも含むといったほうがよい。これは、エタンデュ(G)についての近似式G=S’L/qから理解することが可能である。ここで、S’はスリット幅であり、Lは収集レンズの面積であり、qは収集レンズから入口スリットまでの距離である。たとえば、www.horiba.com/us/en/scientific/products/optics-tutorial/throughput-etendue/を参照されたい。この概念は、1:1画像分光器における入口スリットの幅を説明し、スペクトルの分解能と同視する。また、この概念は、レンズの面積および倍率を、L/qの項を通して説明する。
【0083】
[00102]典型的な最新のラマンシステムは、収集レンズが大きい立体角を収集し、スポットを拡大し、狭いスリットを通してそれを送ることで合理的な分解能を維持するように、サンプルにおいて小さいスポットを作り出すことを指向している。これは、均質なバルクサンプルに理想的である。しかし、上記に示されているように、特定の検出ソリューションは、異なるセットの標準を必要とする。そのようなサンプル、たとえば衣類の縫糸は、均質なサンプルの例ではなく、連続的な試験を繰り返す需要をもつエンドユーザーが、正しい縫糸に当てるための慎重なポイントおよびシュート精度をもちうるとは考えられない。これは、リーダーに、典型的な材料識別システムではサンプルにおける大きいスポットサイズを意味する大きい領域をサンプリングすることと、エタンデュ概念が提案するように不十分なスペクトル分解能を伴う大きいスリットとを要求する。これは、非常に限定された数のタグでは許容可能であり得るが、様々な実装形態に存在し得る多くのタグ(たとえば、数百から数千のタグ)を解像するために必要とされるスペクトルの分解能とは両立しない。
【0084】
[00103]
図14は、この問題に対するソリューションの1つの実装形態を図示している。この実装形態では、リーダーは、しっかりと集束させられるレーザー励起ビームをラスターするように設計されており、それは、良好なスペクトルの分解能のために、そのビームからのラマン励起を幅の狭いスリット幅に結び付け、低f/#収集レンズおよびスペクトログラフを備える高いスペクトルのスループットを維持する。大きいスポットサイズを使用するというよりも、オービタルラスタースキャン(ORS:orbital raster scan)は、開口設計に対して小さいビームサイズを維持する。正味の効果は、平均化されたスポットサイズであり、それは、エンドユーザーが、目的の縫糸の近くにデバイスを設置し、縫糸を囲むのに十分な大きさの領域をスキャンすることを可能にする。この設計と現在市販されているラマンシステムとの間の相違は重要である。ORSを用いて、高いスペクトル分解能、および、したがってラマン解像力が、様々なシステムで検出されることとなる複数の(たとえば、1000以上の)タグとして保持されることとなる。
【0085】
[00104]レーザーの安全
また、エンドユーザーへの配慮もまた、リーダーの焦点を制御する。様々な他の材料識別システムが、最良の焦点を保証するために、接触式プローブを使用している。サンプルが、たとえば、均質な粉末、固体、または液体である場合には、これらのシステムは、先の尖った先端部またはバイアルホルダーを使用する。完全な危険物(HAZMAT)へ一次的な防御のために、これは非常に適切な設計である。しかし、それは、タグ付きのデバイス(たとえば、衣類のピースのタグ付きの繊維)を位置付けするのには理想的でない。
【0086】
[00105]1つの実装形態では、リーダー焦点を収集レンズから離れて(たとえば、25mm離れて)位置付けし、保護材料(たとえば、プラスチック)のチューブによってサンプリング距離をカバーすることが可能である。材料(たとえば、プラスチック)は、全体的な吸光度を作り出すためにスモークされるか、サンプルの良好な可視性を可能にするために選択的な波長であり、提案される808nm波長レーザーにおける吸収を依然として提供することが可能である。
【0087】
[00106]この実装形態では、システムは、未熟なエンドユーザーが、照射される領域を観察しながら、焦点調整または目の安全性に対する心配なく、デバイスを動作させることを可能にすることとなる。目の安全用シリンダーは、インターロックされ、圧力がサンプルに加えられたときだけ、レーザーがオンになるようになっている。これは、レーザーの安全性をユーザーに提供する。
【0088】
[00107]ライブラリーマッチングおよび分解能
典型的なライブラリーマッチングアルゴリズムでは、簡単な相関関係が、次式によって表される。
【0089】
R
2=1−(<L
m>・<U
m>)
2/[(<L
m>・<L
m>)(<U
m>・<U
m>)]
ここで、L
mおよびU
mは、それぞれ、平均中心化されたライブラリーおよびサンプル(未知)のスペクトルである。この方法は、大きいデータベースを探索するために非常にうまく機能する。このアルゴリズムの1つの性質は、ラマン特徴の周波数位置に対する高い感度、および、相対的なピーク強度に対する低い感度である。平均中心化することは、スペクトルのベースラインの変化に起因するスプリアス結果を除去する。
【0090】
[00108]蛍光バックグラウンドが平均中心化によって除去されないので、蛍光は、このルーチンによって問題を引き起こす可能性がある。蛍光に関して修正するために、一次微分スペクトルをとることが可能である。これは、高周波数ラマンバンドに関して鋭いピークを作り出しながら、蛍光に起因する低周波数強度変化を除去する(
図15)。
【0091】
[00109]R.マクレアリー、A.ホルン、J.スペンサー、およびE.ジェファーソン,1998年,“Noninvasive identification of materials inside USP vials with Raman spectroscopy and a Raman spectral library”,Journal of Pharmaceutical Sciences,第87巻第1号),1−8頁は、ラマン分光との現実的な材料マッチングに関する参考文献である。この参考文献は、一次微分相関関係とのマッチングの大きな改善を図示している。それは、SNR低減に対するマッチングアルゴリズムの相対的な抵抗を図示している。たとえば、それらは、ノイズに対する信号の比が17である場合に優秀なマッチング(R
2=0.95)を示した。ノイズに対する信号の比が2.8である場合でも、マッチングアルゴリズムは、依然として、材料を適正に識別した。
【0092】
[00110]活性化された縫糸の
図15のスペクトルは、下記に説明されることとなるシステムによって、1秒で獲得された。表1は、タグに関して、計算されたおよび予想されたSNR値を図示している。この表では、SNRは、2つのフォーマットで表されている。すなわち、単一のピーク測定、およびフルスペクトルのマッチング測定として、表されている。単一のピークおよびフルスペクトルのマッチングの実際のSNR比較は、左側の第2列から表されている。フルスペクトルのマッチングは、単一のピークよりもほぼ4倍良いSNRである。1つの実装形態では、システムは、織物製品の中におおよそ2%混入されたタグ付きの繊維を使用して、細いタグ付きの繊維を明白に識別することが可能である。次の列は、この希釈によって、および、ラスタリングによって、SNRがどのように影響を受け、より大きいスポットを作り出し、10秒までの統合を変化させるということを示している。SNRの閾値>5が確立される場合には、低い電力を与えられるレーザーシステムが、領域(フルスペクトルの)マッチングに関するものよりも十分に優れているということが理解され、また、より高出力のもの(80mWレーザー)が使用される場合には、閾値よりも12倍優れている。
【0094】
例示的なラマンリーダー設計
[00111]分光器を実現するコンパクトな試験台において、レーザー、検出器、格子、開口、およびレンズを交換することによって、異なるリーダーの分析が実施された。この分析は、$1000未満の売上原価(COGS)で、ゴールドスタンダードシステム(および/または、高度に冷却されるCCD)を結果として生じさせた。主要なコストドライバーは、レーザーおよび検出器である。低コストVCSELレーザー源およびリニアCCDを備えるシステムは、高出力レーザーおよび高価な科学グレードの検出器を備えるシステムとほぼ均等の性能を有していた。これらの結果は、確立されたラマン性能とは対照的であるように見える。しかし、実現され得る様々な実装形態を理解することは重要である。特定の実装形態では、たとえば、リーダーは、10秒未満の獲得レジームにおいて動作させられる。このレジームでは、ダークノイズは重要でなく、低コスト、低読み出しノイズの検出器が、高価な高度に冷却される検出器と同様に実施され得る。
【0095】
SERSナノ粒子活性繊維リーダー
[00112]SERSナノ粒子活性繊維ターゲットと結び付く実行可能な市販のリーダーについての挑戦は、エンドユーザーのためのサンプリングメカニズムおよびコスト/性能の便益を含む。これらの挑戦は、本明細書で説明されている分光器設計の特徴的な高エタンデュ励起/収集システムによって満たされ得る。
エタンデュ
[00113]エタンデュは、光収集に関係するが、単に収集された光の立体角を表すというよりも、スペクトルの分解能をも含むといったほうがよい。これは、エタンデュ(G)についての近似式G=S’L/qから理解することが可能である。ここで、S’はスリット幅であり、Lは収集レンズの面積であり、qは収集レンズから入口スリットまでの距離である。この概念は、1:1画像分光器においてスペクトルの分解能と同視される入口スリットの幅をうまく説明している。また、この概念は、レンズの面積および倍率を、L/qの項を通して説明する。
【0096】
[00114]典型的な最新のラマンシステムは、収集レンズが大きい立体角を収集し、スポットを拡大し、狭いスリットを通してそれを送ることで合理的な分解能を維持するように、サンプルにおいて小さいスポットを作り出すことを指向している。ハンドヘルド式材料識別システムは、サンプルが均質であるときのこれらの要件の下で十分に機能する。
【0097】
[00115]1つの実装形態では、標準の異なるセットが提供される。サンプル(たとえば、衣類の縫糸)は、均質なサンプルを表さない。連続的な試験を繰り返す需要をもつエンドユーザーが、連続的な試験の繰り返しの需要の下で、正しい縫糸に当てるための慎重なポイントおよびシュート精度をもちうるとは考えられない。これは、リーダーに、典型的な材料識別システムではサンプルにおける大きいスポットサイズを意味する大きい領域をサンプリングすることと、エタンデュ概念が提案するように不十分なスペクトル分解能を伴う大きいスリットとを要求する。これは、非常に限定された数のタグでは許容可能であり得るが、様々な実装形態で提供される多くのタグ(たとえば、数百から数千のタグ)を解像するために必要とされるスペクトルの分解能とは両立しない。
【0098】
[00116]
図16は、この困難に対する1つのソリューションを図示している。このソリューションでは、リーダーは、しっかりと集束させられるレーザー励起ビームをラスターしており、良好なスペクトルの分解能のために、そのビームからのラマン励起を幅の小さいスリット幅に結び付け、低f/#収集レンズおよびスペクトログラフを備える高いスペクトルのスループットを維持する。大きいスポットサイズを使用するというよりも、SnRIからのオービタルラスタースキャン(ORS)は、開口設計に対して、瞬間的に結び付けられる小さいビームサイズを維持する。正味の効果は、平均化されたスポットサイズであり、それは、エンドユーザーが、目的の縫糸の近くにデバイスを設置し、縫糸を位置付けするのに十分な大きさの領域をスキャンすることを可能にする。この設計と現在のラマンシステムとの間の相違は重要である。高いスペクトル分解能、および、したがってラマン解像力が維持される。
【0099】
タガントの例
[00117]サンプルの中に配設されている分散されたレポーター(たとえば、タガント)は、サンプルの表面の全体に入射ビームを移動させるように構成されている分光器によって検出され得る。1つの実装形態では、たとえば、タグ付きのペイントでコーティングされたパネルは、そのような分光器によってサンプリングされ得る。この実装形態では、たとえば、タガントは、低い濃度であることが可能であり、均一に分散されている必要はない。タガントは、スペクトルを解像するために高いスペクトル分解能を必要とする発光材料であることが可能である。
図17は、サンプルの全体に集束入射ビームを移動させること(たとえば、ラスタリング)に起因して、少量のタガントを含む場所、および、そのスポットにおける強い信号変化を示している。
図17は、単一ポイントの焦点測定(実線)および同じスポットの周りのラスター測定(点線)の例を示している。ポイント焦点は、少量のタガントを備えるスポットに当たっている。ラスタースキャンは、多量のタガントおよび少量のタガントを含有する領域を平均する。
【0100】
[00118]
図18は、ビームを移動させること(たとえば、ラスタリング)が使用されるときの、パネルの全体にわたる小さい変化を図示している。この図示では、ラスタリングによる平均化、あるいは、サンプルの全体に入射ビームを移動させることによる平均化が示されている。本出願の目標は、タガントの不均質性に起因する信号の変化を低減させることである。この特定の例では、ラスタリングは、<4%まで変化を低減させる。
【0101】
[00119]
図19は、ポイント焦点を使用する機器とラスタースキャンアタッチメントを備える機器との間の相違を図示している。
図19は、サンプル不均質性を図示している。この例では、左のボックスは、ポイント焦点を有するシステムを用いて行われた、サンプルに対する3つの測定を含有している。非常に大きい信号の変化が存在している。右のボックスは、3つのスポットからのラスターされた信号を示している。この例では、ラスタリングは、不均質性を修正できている。
【0102】
[00120]
図20は、100倍希釈に対して15標準の線形回帰分析を図示している。ラスター信号とタガント濃度との間の相関は、>0.99である。これは、不均質性に起因する大きな信号の変化を除去することはユーザーがサンプルの中のタガントの量を定量化することを可能にするという点において、ラスタースキャニングの目標を示している。この技法は、タグ付きのサンプルの純度を検証するためにも使用される。
【0103】
[00121]
図21は、0.05%タガント(2000のうちの1つ)および4通りの希釈を含む、ペイントされたパネルの1組を図示している。この例では、タガントが高度におよび不均一に分散されている場所でも、スペクトルの強度が希釈と相関している。この例は、サンプルが希釈されているときに、ラスタースキャン表面で観察される信号を示している。この例では、サンプルは、0.05%のタガントを含有し、非常に不均質である。ラスタースキャニングは、希釈要因を正確に定量化するのに十分に大きいサンプルの領域を平均化することが可能である。
【0104】
[00122]
図22は、切子の例示的な実装形態を示している
[00123]本発明の複数の実施形態が、ある程度の特殊性とともに上記に説明されてきたが、当業者は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、開示されている実施形態に対して多数の代替例を作ることが可能である。すべての方向性の参照(たとえば、上側、下側、上向き、下向き、左、右、左方向、右方向、上部、下部、上方、下方、垂直方向、水平方向、時計回り、および反時計回り)は、単に、本発明の読者の理解を支援する識別目的のために使用されており、とりわけ、本発明の位置、配向、または使用に関して、限定を生成しない。接合の参照(たとえば、取り付けられている、連結されている、および、接続されているなど)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続の間に中間部材を含み、要素同士の間の相対移動を含むことが可能である。それゆえ、接合の参照は、2つの要素が直接的に接続されており、互いに固定された関係になっているということを必ずしも暗示していない。上記の説明に含有され、または添付の図面に示されているすべての事項は、単に例示目的として解釈されるべきであり、限定するものとして解釈されるべきではないということが意図されている。細部または構造の変化は、添付の請求の範囲に規定されているような本発明の精神から逸脱することなく行われ得る。
(項目1)
励起信号を提供する励起源と、
分光信号を検出する検出器と、
前記励起信号の入射ビームをサンプルに向けて方向付けし、前記サンプルから前記分光信号を受け入れ、前記分光信号を前記検出器に提供する光学システムと
を備え、
前記光学システムは、
前記励起源からの前記入射ビームを集束させる集束レンズ、
角度の付けられたミラー面表面を含む回転ミラー組立体、および、
前記回転ミラー組立体を制御して前記サンプルの表面全体に集束された入射ビームを移動させるアクチュエーター組立体を含み、
前記アクチュエーター組立体は、前記回転ミラー組立体に連結され、前記角度の付けられたミラー面を回転させて前記励起信号の入射ビームを方向付けし直すように適合された回転モーターを含む、分光器。
(項目2)
前記回転モーターが、前記回転モーターの駆動軸を介して前記回転ミラー組立体に連結されている、項目1に記載の分光器。
(項目3)
前記回転ミラー組立体が、可撓性のマウントを介して前記回転モーターの前記駆動軸に連結されている、項目2に記載の分光器。
(項目4)
前記可撓性のマウントが、少なくとも1つのスプリングを含む、項目3に記載の分光器。
(項目5)
回転ミラー組立体が、前記回転モーターの前記駆動軸に固定して取り付けられている、項目2に記載の分光器。
(項目6)
前記回転ミラー組立体が、前記回転モーターの前記駆動軸に緩結合されており、前記駆動軸が起動すると前記回転ミラー組立体が前記駆動軸に対して動揺するように構成されている、項目2に記載の分光器。
(項目7)
前記回転ミラー組立体が、単一の角度の付けられたミラー表面を含む、項目1に記載の分光器。
(項目8)
前記回転ミラー組立体が、多面的かつ多角度のミラー組立体を含む、項目1に記載の分光器。
(項目9)
前記回転ミラー組立体が、集束ミラーを含む、項目1に記載の分光器。
(項目10)
前記分光器が、前記サンプルから受け入れられる複数の信号を平均化する、項目1に記載の分光器。
(項目11)
前記アクチュエーター組立体が、第2の回転ミラー組立体に連結されている第2の回転モーターを含み、
前記入射ビームが、前記回転ミラー組立体から前記第2の回転ミラー組立体へ方向付けされる、項目1に記載の分光器。
(項目12)
第1の磁石が、前記回転モーターの駆動軸または前記回転ミラー組立体に連結されており、前記分光器の固定された要素に磁気的に結合することによって、前記駆動軸または前記回転ミラー組立体をそれぞれ固定された位置に整列させるように適合されている、項目1に記載の分光器。
(項目13)
前記分光器の前記固定された要素が、第2の磁石を含む、項目12に記載の分光器。
(項目14)
前記磁石が、永久磁石および電磁石のうちの少なくとも1つを含む、項目12に記載の分光器。
(項目15)
第1の磁石が、前記アクチュエーター組立体に隣接して前記分光器に物理的に連結されており、前記回転モーターの前記駆動軸または前記回転ミラー組立体に物理的に連結されている要素に磁気的に結合するように適合されており、所定の位置において前記ミラー面表面を整列させるように適合されている、項目1に記載の分光器。
(項目16)
分光サンプルの表面全体に分光器の集束入射ビームを移動させる方法であって、
励起信号の入射ビームを発生させるステップと、
前記分光器の光学システムを介して前記サンプルに向けて前記入射ビームを方向付けするステップであって、前記光学システムは可動ミラーを含むステップと、
前記分光器のサンプル上に前記入射ビームを集束させるステップと、
駆動軸を回転させて回転モーターの前記駆動軸に連結されている回転ミラー組立体を回転させることによって、前記サンプルの表面全体に前記入射ビームを移動させるステップと、
前記サンプルから分光信号を受け入れるステップと、
前記分光信号を検出するステップと
を含む、方法。
(項目17)
前記検出するステップの動作が、前記サンプルから受け入れられた複数の分光信号を平均化することを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記回転ミラー組立体が、単一の角度の付けられたミラー表面を含む、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記検出するステップの動作が、前記サンプルにおけるタグを検出することを含む、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記検出するステップの動作が、前記サンプルにおけるタグの濃度を検出することを含む、項目16に記載の方法。
(項目21)
励起信号を提供する励起源と、
分光信号を検出する検出器と、
前記励起信号の入射ビームをサンプルに向けて方向付けし、前記サンプルから前記分光信号を受け入れ、前記分光信号を前記検出器に提供する光学システムであって、
前記励起源からの前記入射ビームを集束させる集束レンズ、
可動ミラー、および
前記可動ミラーを制御して前記サンプルの表面全体に集束入射ビームを移動させるアクチュエーター組立体
を含む光学システムと、
磁石、および前記磁石に磁気的に結合するように適合されている第2の要素を含む磁気的な位置決めシステムであって、少なくとも1つの前記磁石を前記第2の要素に磁気的に結合させることによって、所定の位置に前記可動ミラーを位置決めするように構成される磁気的な位置決めシステムと
を備え、
前記磁石および前記第2の要素のうちの一方が前記アクチュエーター組立体に物理的に連結されており、前記磁石および前記第2の要素のうちの他方が前記アクチュエーター組立体に隣接する前記分光器に固定されている、分光器。
(項目22)
前記第2の要素が、第2の磁石を含む、項目21に記載の分光器。
(項目23)
前記アクチュエーター組立体が、駆動軸を有する回転モーターを含み、
前記磁気的な位置決めシステムが、前記駆動軸を回して前記所定の位置に前記可動ミラーを位置決めするように適合されている、項目21に記載の分光器。
(項目24)
前記磁気的な位置決めシステムが、直接的にまたは間接的に前記駆動軸を回して前記所定の位置に前記可動ミラーを位置決めするように構成されている、項目23に記載の分光器。
(項目25)
前記アクチュエーター組立体が、前記可動ミラーが装着される可撓性の要素を含み、
前記磁気的な位置決めシステムが、前記可撓性の要素の移動を制限して前記所定の位置に前記可動ミラーを位置決めするように適合されている、項目21に記載の分光器。