(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記求められた危険度が、前記予め定められた危険度閾値以下である場合に、前記起こり得る停止位置の周囲の道路利用者に危険を知らせるための警報信号が送信され、前記警報信号には、前記起こり得る停止位置に対応する停止位置データが含まれている、請求項1記載の方法。
【背景技術】
【0002】
車両を安全に停止させることのできる運転者支援システムは、車両を現下の走行車線上に停止させるか、あるいは、多車線道路の場合にはそれに代えて、できる限り右方(乃至左方)へ離して車両を停止させる。
【0003】
ここでは危険な状況につながる可能性がある。例えば、車両は、カーブしている国道の途中で急に停止させることもあるし、見通しの悪い箇所で停止させることもあり得る。また例えば高速道路上の車両は、工事現場やトンネル内に停止させることもあれば、橋の上または追い越し車線上に停止させることもあり得る。
【0004】
上記の状況は、いずれも自車両とその同乗者にとって重大な危険につながり、さらに他車両とそれらの乗員にとっても同じように重大な危険につながる。
【0005】
発明の開示
したがって、本発明の基礎をなす課題は、これまでにわかっている従来の欠点を克服し、自車両の危険とその乗員の危険並びにその他の道路利用者の危険を、車両の安全な停止に沿って低減させるか又は回避させることのできる、車両を動作させる方法を提供することにある。
【0006】
また本発明の基礎をなす課題は、上記方法に対応する、車両を動作させる装置を提供することにもある。
【0007】
さらに本発明の基礎をなす課題は、上記方法に対応する、コンピュータプログラムを提供することにもある。
【0008】
上記課題は、独立請求項に記載された本発明の各特徴によって解決される。本発明の有利な実施形態は、それぞれ従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明の一態様によれば、車両を動作させる方法であって、前記方法は、車両を安全に停止させるために起こり得る停止位置の危険度を求めるステップと、前記求められた危険度を、予め定められた危険度閾値と比較するステップと、前記求められた危険度が、前記予め定められた危険度閾値以下である場合に、前記車両を前記起こり得る停止位置で安全に停止させるために、前記車両を、前記起こり得る停止位置まで誘導するステップとを含んでいる方法が提供される。
【0010】
本発明の別の一態様によれば、車両を動作させる装置であって、車両を安全に停止させるために、起こり得る停止位置の危険度を求める計算装置と、前記求められた危険度を、予め定められた危険度閾値と比較する比較装置と、前記求められた危険度が、前記予め定められた危険度閾値以下である場合に、前記車両を前記起こり得る停止位置で安全に停止させるために、前記車両を、前記起こり得る停止位置まで誘導する誘導装置とを含んでいる装置が提供される。
【0011】
本発明のさらに別の一態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに、車両を動作させる方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0012】
本発明は、特に次のような考察を含んでいる。すなわち、車両の安全な停止のために起こり得る停止位置に関して、車両を当該停止位置に安全に停止させることができるのかどうか、特にどのくらい安全に停止させることができるのかを検査する考察を含んでいる。それにより当該車両とその乗員及び/又は他の車両とその対応する乗員に、危険性が全く及ばなくなるまで可及的に減少する。このことは、特に、前記起こり得る停止位置に対して、危険度を求めることによって達成される。そのような危険度は、特に、前記起こり得る停止位置にある車両がどの位危険にさらされるであろうかを、表すか特徴付けている。この危険度は、特に、他の車両との衝突の可能性に関連しており、この危険度が大きければ大きいほど、車両の危険性も高くなる。つまりこれは、当該の起こり得る停止位置にいる車両が特に危険にさらされていることを意味する。それとは逆に、前記危険度が小さければ小さいほど、起こり得る停止位置にある車両の危険性も低くなる。前記危険度は、さらなる別の道路利用者に関する危険性、例えば他車とそれらの乗員に関する危険性を表すか特徴付けることも可能である。
【0013】
本発明によれば特に、前記求められた危険度が、予め定められた危険度閾値以下である場合にのみ、特に当該閾値未満である場合にのみ、車両を起こり得る停止位置に安全に停止させるために当該車両が当該起こり得る停止位置まで誘導される。ここでは前記求められた危険度が、予め定められた危険度閾値と比較される。それにより、有利な態様で、前記起こり得る停止閾値が最低限の安全性を有するか又は最低限の安全基準、例えば最低限の視界を達成する。車両に対する危険度は、そのような有利なやり方で限定することも可能である。
【0014】
この点に関しては従来技術に比べてむしろ、車両を安全に停めさせるべき場合において、例えば運転者が医学的見地から見て急変した容態に陥ったときに、現在の走行車線上で直ちに停止させるべきか、あるいは多車線道路の場合にはできるだけ右端に停止させるべきかを促す役割も果たす。このことは、その結果から生じる停止位置が安全か否かには依存しない。
【0015】
一実施形態によれば、車両の周囲センサシステムは、車両の周囲をセンシングして検出し、周囲センサシステムを用いて形成された周囲センサデータに基づいて前記危険度を求める。
【0016】
つまり、車両の周囲センサシステムは、車両のための適切な停止位置を求めるために使用される。車両の周囲センサシステムは、特に、1つ以上の周囲センサを含んでいてもよく、それらは特に同じように形成されていてもよいし、特に異なって形成されていてもよい。そのようなセンサは、例えば、レーダセンサ、ライダーセンサ又は超音波センサであってもよい。
【0017】
車両周囲のセンシングによる検出によって、例えば、路肩の有無が有利な方法で求められる。好適には、加速車線の有無が求められる。特に好適には、前記周囲センサシステムに基づいて、路肩と加速車線との間の区別がなされる。
【0018】
通常は、路肩への停止は、加速車線での停止に比べて、自車両や他車両にとって危険度は少ない。とりわけ、前記起こり得る停止位置が加速車線上にあることが識別された場合には、車両は、この起こり得る停止位置には誘導されない。それに代わるものとしての存在が確認されるのであれば、車両を安全に停止させるために、車両は、路肩に誘導される。
【0019】
上記の具体例によれば、路肩は、加速車線よりも危険度が少ない。
【0020】
さらに別の実施形態によれば、前記危険度は、デジタルマップのマップデータに基づいて求められる。
【0021】
デジタルマップのマップデータを用いることにより、有利な方法で適切な停止位置が車両の安全な停止のために特に容易に識別される。このことは特に、周囲センサシステムが使用できないケースでも当て嵌まる。特にそのようなマップデータは、緊急停止地帯の位置データも含み得る。緊急停止地帯では、通常は、車両は、加速車線や緊急レーンよりも安全に停止させることができる。つまり、特に車両を安全に停止させるべき場合には、車両が緊急停止地帯に誘導され、そこで安全に停止される。
【0022】
別の実施形態によれば、車両の前方に存在する走行区間を表す区間データが受信され、前記受信された区間データに基づいて前記危険度が求められる。
【0023】
つまり、車両の前方に存在する走行区間は、車両を安全に停止させるために起こり得る停止位置を決定するために若しくは見つけるために、考慮されていることを意味する。このような区間データは、例えば他の車両から送信されてもよい。特にそのような区間データは、外部から自車両若しくは他車両によってアクセスされる中央サーバから自車両に送信され得る。そのような外部サーバは、例えば、クラウドベースのインフラストラクチャの一部であってもよい。またそのような区間データは、例えば、無線局によって送信されてもよい。
【0024】
前記区間データは例えば渋滞データを含んでいてもよい。この渋滞データは、自車両前方に存在する走向区間上の渋滞を特徴付けるか表している。例えば前記区間データは、工事現場データを含んでいてもよい。この工事現場データは、車両前方に存在する走向区間上に位置しているか、特徴付けるか、又は描写される。その際には、例えば好適には、当該工事現場の長さが描写されていてもよい。これらの情報は、好適には、前方に存在する走向区間上の起こり得る停止位置の危険度を求めるために利用できる。それにより、好適には、当該の起こり得る停止位置が車両の安全な停止に適しているか否かが区別できるようになる。
【0025】
さらに別の実施形態によれば、前記区間データは、走向区間に設けられている緊急停止地帯の占有率に対応する占有状態データを含む。
【0026】
これにより、好適には、前記緊急停止地帯がどの程度占有されているかに関する情報が提供される。フルに占有されている緊急停止地帯は、特に、安全に車を停止させるのには、原則として適さない。しかしながらこの情報が提供された場合には、好適には、車両は当該の緊急停止地帯に誘導されるのではなく、他の緊急停止地帯に誘導されるか、又は、危険度の少ないより好適なその他の起こり得る停止位置に誘導される。
【0027】
前記区間データは、例えば、緊急停止地帯の位置データを含むことができる。
【0028】
前記区間データは、特に、トンネル及び/又は橋梁の長さ情報を含むことができる。
【0029】
前記区間データを用いて提供することができる情報は、特にデジタルマップのマップデータを含み得る。つまり、特に、デジタルマップのマップデータも、例えば、上記の区間データからも提供することができるトンネルの長さ及び/又は橋の長さを提供することができることを意味する。
【0030】
さらなる実施形態によれば、前記起こり得る停止位置から見て車両の進行方向及び反対方向の少なくとも1つの方向の視界が決定され、前記危険度が、この決定された視界に基づいて求められる。すなわち、前記起こり得る停止位置から見て、車両の進行方向及び/又は反対方向の視界が決定されることを特に意味する。
【0031】
つまり、このことによって、前記起こり得る停止位置からの視界が決定されることを特に意味する。この場合特に好適には、前記起こり得る停止位置がどの程度まで見通せるかが決定される。この決定は、特に車両の進行方向及び/又は対向方向に関している。したがって好適には、自車両に後続する車両がどの程度(すなわち進行方向で)前記起こり得る停止位置を見通すことができるかが決定される。またそれによって特に好適には、自車両に対向する車両がどの程度(すなわち対向方向で)前記起こり得る停止位置を見通すことができるかが決定される。
【0032】
他の起こり得る停止位置よりもより良好に見通すことが起こり得る停止位置は、好適には、安全な停止のために原則的に適している。なぜならば、それによって一般に、対向する車両若しくは後続する車両は、停止している車両を、適時に捕らえることが可能となり、したがって例えば車両速度を適時に減速することができるからである。
【0033】
前記視界の決定のために、例えば、前記起こり得る停止位置の前及び/又は後の走向区間の曲率半径が求められてもよい。特にマップデータ及び/又は区間データを用いれば、前記起こり得る停止位置の周囲に、場合によっては視界の妨げになりかねない物体が存在するか否かを決定することが可能である。それにより、例えば、カーブの周囲に、例えば背の高い木のような物体が何も存在しないときには、そのカーブの見通しは良好である。
【0034】
一実施形態によれば、複数の起こり得る停止位置が求められる。好ましくは、前記複数の起こり得る停止位置に対して、対応する位置から少なくとも車両の進行方向と対向方向での視界を決定するために、デジタルマップ及び/又は区間データ及び/又は周囲センサデータのマップデータが使用される。すなわちこのことは特に、対応する位置への視認性が求められることを意味する。またこのことは、特に、対応する位置に安全に停止させようとするときに、別の道路利用者にとって、まだ車両がどの程度視認できるかが求められることでもある。
【0035】
好適には、前記複数の起こり得る停止位置に対する各危険度は、デジタルマップ及び/又は区間データ及び/又は周囲センサデータのマップデータに基づいて求められる。このことは特に、前記複数の起こり得る停止位置の求められた視界に基づいている。これらの求められた危険度は、予め定められた所定の危険度閾値と比較される。好適には、求められた危険度の重み付けが、前記比較の前に行われてもよい。
【0036】
好ましくは、前記車両は、前記複数の起こり得る停止位置のうち、前記予め定められた危険度閾値以下、特に危険度閾値未満の危険度を有している、起こり得る停止位置に誘導される。
【0037】
前記複数の起こり得る停止位置が、前記予め定められた危険度閾値以下の危険度を有している場合には、特に、車両の現在位置に近い起こり得る停止位置が、安全に停止させるための停止位置として使用される。その場合は特に、危険度の最も低い、起こり得る停止位置が、好適な停止位置として使用される。
【0038】
さらに別の実施形態によれば、求められた危険度が、予め定められた危険度閾値以下である場合に、起こり得る停止位置の周囲の道路利用者に危険を知らせるための警報信号が送信される。この場合前記警報信号には、前記起こり得る停止位置に対応する停止位置データが含まれている。このことは、特に、前記起こり得る停止位置の周囲に存在する道路利用者に、危険が知らされることを意味する。
【0039】
他の車両への警報によって、対応する運転者は、来るべき危険に有利に備えることが可能になる。これはまた、車両及び他の道路利用者に対する安全性を有利に向上させる。前記起こり得る停止位置の正確な位置を提供することにより、他の道路利用者は、どこに車両が実際に安全に停止されるのかが明らかになる。それどころか他の道路利用者は、当該停止位置の正確な位置が識別でき、それに対する相応の備えを準備できる。特に前記警報信号は、他の道路利用者に直接送信されてもよい。
【0040】
好ましくは前記直接の送信に対して付加的又は代替的に、当該の警報信号を間接的に他の道路利用者に送信することも可能である。ここでの「間接的」とは、特に、停止位置データを含む警報信号が、最初に、当該車両に関連する外部のサーバ、例えばクラウドサーバに送信されることを意味する。その後でこの外部サーバは、特に有利な形態で停止位置データも含んだ警報信号を他の道路利用者へ送信又は転送することができる。この警報信号は、特にラジオ局及び/又は渋滞情報提供サービス局に送信することができる。それにより、これらの局も、特に有利な形態で警報信号を他の道路利用者に転送することができる。
【0041】
別の実施形態では、求められた危険度が所定の危険度閾値よりも大きい場合に、別のさらなる起こり得る停止位置を探索することが可能である。別のさらなる起こり得る停止位置が見つかった場合には、上述した実施形態又は後述する実施形態と同じように、当該別のさらなる起こり得る停止位置に対応する危険度が求められて、所定の閾値と比較され、この比較結果に応じて、当該車両が前記起こり得る停止位置に誘導される。
【0042】
さらに別の実施形態によれば、路面に埋め込まれたビーコン及び/又はバリセージによる誘導を行うことも可能である。すなわち、このことは特に、ビーコン及び/又はバリセージによって、車両が、起こり得る停止位置に、とりわけ緊急停止地帯に導かれることを意味する。このことは、例えば海上航路での標識灯火に似ている。例えば、前記ビーコン及び/又はバリセージは、起こり得る停止位置に関する情報を車両に送信することが可能である。そのような情報は、例えば、起こり得る停止位置の場所に関する情報を含むこともできる。このような情報は、例えば緊急停止地帯の占有状態を含むことができる。
【0043】
本発明におけるバリセージ(フランス語baliser、abbakenから)とは、車両案内に関する情報及び/又は車両の制御に関する情報及び/又はバリセージ周囲に関する情報及び/又は起こり得る停止位置に関する情報が記憶された道路上の及び/又は道路内の技術的な設備を指し、それらの情報は、当該バリセージの箇所を通過したときに車両に転送若しくは送信される。車両は、そのことに特に適したアンテナか又はこれらの情報を受信するための一般的な受信システムを有する。その機能性から、バリセージは特にトランスポンダであってもよい。それ故好適にはトランスポンダと称することも可能である。
【0044】
本発明におけるビーコンとは、道路利用者、特に車両の空間的な方向付けのためのマーキングを指す。
【0045】
一実施形態によれば、車道周辺内に、例えば車道内に統合されたバリセージ及び/又はビーコンによれば、それに基づいて、車両を安全な位置へ、すなわち起こり得る停止位置へ制御または誘導することのできる情報が統合化されていてもよい。
【0046】
一実施形態によれば、路面内、特に車道路面内に埋め込まれた磁石が、車両を安全な位置に誘導する。したがって、車両は、起こり得る停止位置に到達するために、標識灯火又は灯標又はビーコンに類似してこれらの磁石に沿って誘導される。
【0047】
さらなる実施形態によれば、対応する情報を車両に送信するために、及び/又は、車両を起こり得る停止位置に誘導及び/又は制御するために、方向指示及び/又は速度指示が、路面、特に車道路面に埋め込まれた及び/又は被着された及び/又は塗装されたバーコードの形態及び/又は路面に埋め込まれたトランスポンダの形態で提供されてもよい。そのような通信は、車対インフラ通信(C2X)とも称する。
【0048】
これらのビーコン及び/又はバリセージの位置は、路面に限定されるものではなく、それらは代替的若しくは付加的に、その他の箇所又はその他の場所に被着及び/又は配置及び/又は統合させることが可能である。このことは、特にビーコンやバリセージの正確な技術的構成に依存し、情報を車両に送信するために具体的に使用される技術に依存する。
【0049】
安全な緊急停止のための車両の最良の制御及び/又は最良の誘導については、例えば代替的若しくは付加的に変調された街路灯、特にLED街路灯、つまり特に一般的な街路照明を介して伝送されてもよい。ここでの変調とは、特に、街路照明を用いて放射された光の輝度及び/又は波長スペクトルが変調されることを意味する。このことは特に、周波数(若しくは波長)範囲及び/又は強度範囲内で行われる。
【0050】
これらのインテリジェンストランスポンダ、例えばビーコンやバリセージも、さらなる実施形態では、例えば交通量に応じて活性化及び/又は非活性化するために、あるいは、それらの情報内容を変更するために、クラウド若しくはクラウドサーバ、クラウドサーバの含まれているクラウドインフラストラクチャなど、一般的な通信ネットワークに接続され得る。例えば、前記制御あるいは前記誘導は、緊急停止地帯が過度に混雑している場合には、道路上で車両を直ちに停止させることを含んでいてもよい。特に前記制御あるいは前記誘導は、例えば最も近い緊急停止地帯が混雑している場合に、次の緊急停止地帯へ発進させることを含んでいてもよい。上記の具体例は、例えば車両がトンネル内にあって、クラウド若しくは通信ネットワークとのいかなる通信リンクも存在していない場合には特に有意である。
【0051】
別の実施形態によれば、安全に停止させる動作中の走向速度を、現下の道路の種類に応じて選択するようにしてもよい。例えば、国道や県道、市道上では、徐行運転が行われるようにしてもよい。また例えば高速道路上では、推奨される最低速度又は推奨される最高速度が設けられていてもよい。
【0052】
以下では本発明を好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、車両を動作させるための方法のフローチャートを示している。
【0055】
ステップ101では、車両を安全に停止させるための起こり得る停止位置の危険度が求められる。ステップ103では、前記求められた危険度が、予め定められた危険度閾値と比較される。ステップ105では、前記求められた危険度が、前記予め定められた危険度閾値以下である場合に、特に前記予め定められた危険度閾値未満である場合に、車両を起こり得る停止位置に安全に停止させるために、前記車両が、前記起こり得る停止位置に誘導される。
【0056】
図には示されていない実施形態によれば、前記求められた危険度が、前記予め定められた危険度閾値よりも大きい場合には、別のさらなる起こり得る停止位置が探索されるようにしてもよい。別のさらなる起こり得る停止位置が検出された場合には、上記した実施形態及び後述する実施形態と同様に、別のさらなる起こり得る停止位置に対応する危険度が求められ、予め定められた閾値と比較され、この比較の結果に応じて車両が相応の起こり得る停止位置に誘導される。
【0057】
図2は、車両(図示せず)を動作させるための装置201を示している。
【0058】
装置201は、車両を安全に停止させるための起こり得る停止位置の危険度を求めるための手段203を含んでいる。前記装置201は、前記求められた危険度を、予め定められた危険度閾値と比較するための比較装置205を含んでいる。さらに前記装置201は、前記求められた危険度が、前記予め定められた危険度閾値以下である場合に、特に前記予め定められた危険度閾値未満である場合に、車両を起こり得る停止位置に安全に停止させるべく、前記車両を、前記起こり得る停止位置に誘導する誘導装置207を備えている。
【0059】
車両を誘導するために、前記誘導装置207は、車両のアクチュエータシステム及び/又は調整システムに接続されていてもよい。それにより、前記誘導装置207からは、相応の制御信号が前述のシステムに送信可能となる。
【0060】
図3は、車両を動作させるための別の方法のフロー図を示す。
【0061】
ステップ301によれば、車両の周囲センサシステムの周囲センサが、当該周囲センサの測定範囲内の起こり得る停止位置を求めるために使用される。ここでは、車両の周囲を示す対応する周囲センサデータが形成される。それにより、路肩の存在の有無を、特に有利な形態で求めることができるようになる。特にそれによって、加速車線の有無を、有利な方法で求めることができる。またそれによって、特に路肩と加速車線との間の区別を有利な方法で実施できるようになる。
【0062】
前記ステップ301において、路肩の存在が識別された場合には、ステップ303において、デジタルマップのマップデータが用いられて、当該路肩の様々な場所若しくは位置において、対応する位置から少なくとも車両の進行方向への視界と逆方向への視界とが決定される。すなわちこのことは、路肩の対応する位置への見通しが決定されることを特に意味する。すなわちそこでは、車両が対応する場所に安全に停止された場合に、その車両がまだ、別のさらなる道路利用者にとって、どのくらい視認可能であるのかが特に求められる。
【0063】
ステップ305では、個々の位置毎の各危険度が、個々の位置若しくは場所において求められた視界に基づいて求められる。これらの求められた危険度は、予め定められた所定の危険度閾値と比較される。
【0064】
ステップ307では、車両が、予め定められた所定の危険度閾値以下の危険度をそれぞれ有する場所若しくは位置に誘導される。
【0065】
予め定められた所定の危険度閾値以下である場所若しくは位置が複数存在するときには、現在の車両位置に最も近い場所が、安全に停止させるための停止位置として使用されてもよい。とりわけ前記停止位置として、最も低い危険度を有している場所が使用されてもよい。
【0066】
特に本発明は、車両の現在位置から出発して、安全に停止させるための最も近くの空いている安全な停止位置が求められることを含んでいる。それは好ましくは、近隣の複数の停止位置からの選択であってもよい。以下の手順は、個別に使用されてもよいし、組み合わせて使用されてもよい;
1)車両の周囲センサが、特にその測定範囲内の適切な位置を求めるために使用される。この目的のために、例えば、路肩の存在の有無が求められてもよいし、及び/又は、路肩と加速車線との区別がなされてもよい;
2)好適には、道路マップ、すなわちデジタルマップを使用して、カーブした道路上や起伏のある道路上に停止した車両の見通しが決定される。それに応じて、車両が良好に視認可能な位置の選択が行われる;
3)データサーバ、すなわち外部サーバが、好適には、高速道路に沿った緊急停止地帯やトンネル内の緊急停止地帯に関する情報を、当該車両に送信してもよいし、及び/又は、これらの停止地帯の占有状況に関する情報を、当該車両に送信してもよい。特に、そのような停止地帯は、それらの位置を例えば無線を介して周辺の車両に直接送信してもよいし、それと共に安全な停車を実行している車両に送信してもよい;
4)前記道路マップは、特に、トンネル及び/又は橋の長さに関する情報、例えば具体的な長さ及び/又は幅に関する情報を提供してもよい;
5)データサーバは、例えば工事現場の長さに関する情報を提供してもよい。
【0067】
現在位置から選択された安全で空いている停止位置への車両の誘導の実現は、計画された軌跡に沿って行われる。以下の手順は、好適には個別に使用されてもよいし、組み合わせて使用されてもよい:
1)前記誘導は、埋設されているビーコン/バリセージによって行われる;
2)現下の道路の種類に応じて可能な限り安全な車速が選択される:国道上での徐行速度、高速道路上での推奨される最低速度又は最高速度。
【0068】
つまりこのことは特に、一般的に車両が最も安全に停止できる場所の決定がなされることを特に意味します。ここでは特に、自車両の安全性のみならず、後続の道路利用者の安全性も考慮される。特に、後続の道路利用者、及び/又は、対向側の道路利用者に警報がなされる。
【0069】
車両を最も安全に停止させることのできる場所の決定の結果として可能な例は、以下のとおりであってもよい;
自車両の車線上の停止;
路肩での停止。場合によっては複数の車線をまたぐ必要があり得る;
緊急停止地帯での停止;
駐車場での停止。
【0070】
最も適した停止箇所、すなわち起こり得る停止位置に対する決定の後では、警報信号を用いて、後続の道路利用者及び/又は対向側の道路利用者に警告がなされる。
【0071】
これは、例えば、起こり得る停止位置の位置情報を車両から外部サーバ、例えばデジタルマップのマップデータを一般に提供し、特にそれを車両に送信するマップサーバに転送することによって行われてもよい。このマップサーバは、好適には情報を、特に警報を、後続する車両及び/又は対向する車両、とりわけ自律走向中の車両に配信し、それによって、これらの車両が、その走行モードを、対応する場所若しくは停止位置に応じて慎重に置き換えることが可能になる。
【0072】
例えば非自律走行中の車両からなる、後続の道路利用者及び/又は対向側の道路利用者に対して、好適には車両及び/又はマップサーバによって自動化された危険通報、すなわち警報信号が、無線局及び/又は渋滞情報サービス局に転送されてもよい。好適には、Car2Car通信を介して、すなわち自車両と他車両との間の車間通信を介して、後続する道路利用者への直接の警告及び/又は対向する道路利用者への直接の警告が可能である。