(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体材料からなる半導体ダイ(310,360)を提供するステップと、第1の支持構造(301,351)を前記半導体ダイ(310,360)の第1の側に接合するステップと、第2の支持構造(303,353)を前記第1の支持構造(301,351)とは反対側の前記半導体ダイ(310,360)の第2の側に接合するステップと、を含む、差圧ダイを作製する方法であって、
前記半導体ダイ(310,360)が、第1の厚さの第1の領域と、前記第1の厚さ未満である第2の厚さを有し前記第1の領域の内部にある隔壁(313,363)と、を有し、
前記隔壁(313,363)が、前記隔壁(313,363)の偏向に応じた可変抵抗を呈する少なくとも1つのピエゾ抵抗素子(365)を有しており、
前記半導体ダイ(310,360)の前記第1の側に接合される前記第1の支持構造(301,351)が、その下側外縁部の全周囲で切除されて、導電領域(373)のための電気接続用空間を提供する外側凹部(371)を画定するように構成されており、かつ、前記導電領域(373)は、前記半導体ダイ(310,360)の前記第1の側の上側表面(310u)に設けられているとともに、
前記第1の支持構造(301,351)が、前記第1の支持構造(301,351)を通して画定され前記隔壁(313,363)と位置合わせされる第1の開口(307)を有し、
前記第2の支持構造(303,353)が、前記第2の支持構造(303,353)を通して画定され前記隔壁(313,363)と位置合わせされる第2の開口(309)を有する、
差圧ダイを作製する方法。
前記半導体ダイ(310,360)の上側表面上に画定される1つまたは複数の導体(375)を介して前記ピエゾ抵抗素子(365)と電気的に連絡する電気コンタクトパッド(305)を画定するステップをさらに含み、
前記電気コンタクトパッド(305)が、前記半導体ダイ(310,360)の前記上側表面上で前記第1の支持構造(301,351)から外側にある、
請求項7に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
差圧センサは、2つの隔離された流体同士または気体同士の間の圧力の差を測定する。導電性のまたは腐食性の気体または流体を含む環境において使用されるとき、センサ自体、ならびにセンサに取り付けられた電子構成要素または電気構成要素を保護するために、これらの作用の強い媒体からセンサを隔離しなければならない。差圧センサは、作用の強い媒体から隔離するのがゲージセンサまたは絶対圧センサよりも難しいが、これは、2つの圧力源がセンサの対向する両面に適用されることに起因している。したがって、センサの両面を何らかの方法で隔離しなければならず、さもなければ、電子圧力センサデバイスが損傷する可能性がある。
【0003】
差圧センサ(またはトランスデューサ)は、圧力の差を、差圧値を決定するために測定可能な電気信号に変換する。圧力検知デバイスは通常、微小機械加工式のまたは微小電気機械システム(MEMS)型の方法を使用して製造される。この技術は、差圧を電気信号に変換する非常に小さく高価でないデバイスを製作するためのエッチング技法および接合技法とともに、工業用半導体を製造するために使用される。これらのデバイスにおいて使用される材料は、腐食性の流体および気体の配管において通常使用される、ステンレス鋼、チタン、銅、および真鍮などの他のよく知られている耐食性金属ほど良好には、腐食に耐えない。この理由により、腐食に対する障壁として働くが、信号を大きく劣化させることなく圧力検知デバイスに圧力を連絡することのできる隔離方法が、必要とされている。
【0004】
圧力検知ダイは、シリコンなどの半導体材料から形成される。
図1は、先行技術のMEMS型の圧力検知ダイ100の断面図である。ダイ100は、ダイシングなどの方法によってシリコンウエハから形成されて、シリコン構造101を作り出す。構造101は薄くされて、空洞105、および隔壁103を画定する薄くされた部分を創出する。半導体構造101を、任意の好適な手段で薄くすることができる。たとえば、構造101を、当技術分野で知られている異方性エッチングを使用して、薄くすることができる。隔壁103の表面上に、抵抗要素が形成される。抵抗要素は、隔壁103を形成する薄くされた半導体材料上に配されたひずみに比例する抵抗を呈する。
【0005】
図2は、圧力検知ダイ100を使用するゲージデバイスまたは絶対圧測定デバイスとして設計された、先行技術のMEMS圧力センサを例示したものである。圧力検知デバイス100は通常、支持構造207に装着され、支持構造207は次いで、非腐食性材料、たとえばステンレス鋼から形成される、基部プレート201に接合される。検知ダイ100および支持構造207を、ヘッダと称される場合もある基部プレート201に、接着剤205で接合することができる。支持構造207は、支持構造207が、圧力検知デバイス100と基部プレート201との間で異なる熱膨張などの、圧力とは関係のないひずみの発生源から、圧力検知デバイス100を隔離するように使用される。基部プレート201に、圧力検知デバイス100の隔壁の下面と流体連通する開口を画定する、開口部203が画定される。開口部203により、周囲圧力が圧力検知デバイス100の一方の側と接触して、基準圧力を提供することが可能になる。
基準圧力は、圧力検知デバイス100の反対側に圧力を及ぼす試験下で、流体の圧力を測定する際に使用され得る。圧力検知ダイ100は、支持構造207を介して、基部プレート201に開口部203を覆うように取り付けられる。支持構造207を、基部プレート201を構成するステンレス鋼の熱膨張係数と比較したときに、シリコン圧力検知ダイ100の熱膨張係数により近い熱膨張係数を有する、ガラスまたは類似の材料から形成することができる。この熱膨張係数の適合により、圧力に関連しておらずむしろダイ100と基部プレート201との間の同様でない膨張率に関連するひずみによって引き起こされる、ダイ100に対する力の作用が防止される。拘束要素207が、当技術分野で知られている適切な接着剤205によって、基部プレート201に取り付けられる。たとえば、接合を、シリコーン接着剤、エポキシ、はんだ付け、ろう付け、または他の一般に知られている技法によって行うことができる。
【0006】
圧力検知デバイス200は上側ハウジング223を含む。上側ハウジング223は、基部プレート201への封止された取り付けを実現するように構成される。上側ハウジング223と基部プレート201との間に、閉じ込められた容積が画定される。可撓性の波形隔壁221が、閉じ込められた容積を、第1の容積219および第2の容積227へと分割する役割を果たす。上側ハウジング223の壁を通してポート225が画定され、これは第1の容積219と連通している。ポート225を、圧力に関して試験されることになる流体源に結合することができる。圧力検知ダイ100は、ダイ100に対して及ぼされる圧力を示す電気信号を創出し伝達する、電気構成要素をさらに含む。試験中の流体が、燃料またはオイルなどの作用の強い媒体である適用例では、そのような媒体は、ダイ100の電気構成要素を腐食させる可能性がある。
したがって、試験中の流体からダイ100を隔離するよう、注意を払わねばならない。可撓性の波形隔壁221によって、隔離が達成される。基部プレート201を通して、オイル充填ポート215が設けられる。オイル充填ポートにより、ダイ100と隔壁221との間の容積219を、シリコーンオイルなどの非腐食性の流体で充填することが可能となる。容積219を画定する空洞が充填されると、オイル充填ポート215が、たとえば球体217をオイル充填ポート215の開口部にわたって溶接することによって、封止される。容積219中のオイルはこうして、完全に閉じ込められ、かつダイ100の上側表面と流体連通している。
【0007】
圧力検知デバイス200を、試験または測定されるべき流体と流体連通している導管または他の伝達手段に取り付けることができるように、ポート215にねじ山を切ることができる。測定中の流体は、ポート225の中に入り、内部容積227を充填する。内部容積227が充填されると、測定中の流体は可撓性隔壁221の上面と接触する。測定中の流体によって及ぼされる圧力が、可撓性隔壁221を通して、オイルの閉じ込められた容積219に伝達される。可撓性隔壁221によってオイルに加えられる力は、オイル全体にわたって、および圧力検知ダイ100の上側表面を含めオイルを収容する表面に、伝達される。
【0008】
圧力検知ダイ100に対して力が及ぼされるとき、圧力検知ダイ100の隔壁の上側表面に形成されるピエゾ抵抗素子を通る電気信号は、これらのピエゾ抵抗素子における変動に応じて変動する。この電気信号は、圧力検知ダイ100の表面に加えられる力を表す。電気信号は、ボンドワイヤ209を介して、制御回路などの他のシステム回路機構に電気的に接続可能な導電性のピン211に伝導されるか、または、非限定的な例として電子メモリに保存可能な、圧力データに変換される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
流体の圧力を測定することは、システム内の流体の動作圧力などのパラメータを決定しモニタするために有用である。車両などのいくつかのシステムにおいて、燃料、オイル、または冷却剤などの腐食性のまたは作用の強い流体の圧力をモニタすることが望ましい。圧力検知デバイスおよびこれらの関連する回路機構を、そのような作用の強い媒体から保護しなければならない。圧力センサは、半導体材料の個片から全体に形成されるダイを含む。ダイは、隔壁を画定する比較的薄い一体の部分を含む。隔壁は、圧力の印加に応じて偏向するように構成される。
隔壁上にまたは隔壁に、ピエゾ抵抗素子が画定される。ピエゾ抵抗素子は、素子上のひずみに応じて変動する電気抵抗を呈する。圧力に応じた隔壁の偏向により、ピエゾ抵抗素子にひずみが加えられる。こうして、ピエゾ抵抗素子を組み込んだ回路は、流体によってダイの隔壁に対して加えられる力に応じた電気信号を提供し得る。好適な較正構成要素および処理構成要素により、流体圧を示す出力信号が提供される。電気信号によって示される圧力測定値を、表示、制御信号、診断目的、または他の目的などの目的で、他の処理構成要素に提供することができる。
【0019】
ピエゾ抵抗素子、これらの間の接続部、コンタクトパッド、リード線などは、金属などの導電性材料から形成されるか、または、半導体表面に画定されるドーパントから成る複数の拡散された区域である。これらの構成要素において採用される材料は、作用の強い媒体による腐食に敏感である。加えて、導電性の流体は、これらの導電性トレースおよび金属接続部、たとえばワイヤボンドにおいて電気信号に影響を及ぼす場合がある。ダイを保護しつつ圧力測定を行うために、ダイの隔壁の表面から延在する閉じ込められた容積を画定する圧力センサが開発されてきた。閉じ込められた容積は、オイルなどの媒体で充填されるが、この媒体がダイにおける金属構成要素を損なうことはない。
たとえば、シリコンベースのダイでは、シリコーンオイルを使用できる。閉じ込められた容積は、測定されるべき流体と接触している外側隔壁によって部分的に画定される。外側隔壁を、ステンレス鋼またはチタンなどの耐腐食性金属から形成することができ、これらは作用の強い媒体と接触しても損なわれることがない。測定中の流体の圧力は、外側隔壁上に力を及ぼす。外側隔壁は、圧力に応じて偏向し、この偏向により、閉じ込められた容積内のオイルに力が伝達される。オイルは隔壁に力を伝達する。このようにして、測定中の流体が及ぼす圧力が、測定中の流体がダイまたはダイ上の電気構成要素と接触することなく、ダイに移される。
【0020】
図3Aは、本開示の実施形態による差圧検知ダイ300の横断面図を示す。差圧検知ダイ300は、第1の流体と第2の流体との間の差圧の圧力を測定すること、および、第1の流体と第2の流体との間の測定された差圧を表す出力信号を生成することが可能である。半導体ダイ310は、実質的に均一な第1の厚さを有する第1の領域、および同じく実質的に均一な、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する第2の領域を有する、中実体である。第2の領域は、半導体ダイ310の周囲の区域の厚さよりも実質的に小さい厚さを有する一体型隔壁313を画定する。隔壁313は、半導体ダイ310の一体の部分である。半導体ダイ310は、第1の全体に平坦な上側表面310
u、および第1の上側表面310
uの反対側の第2の下側表面310
lを含む。第2の下側表面310
lは、一体型隔壁313を画定する第2の領域において以外は、全体に平坦である。一方の端部において隔壁313によって閉じられ、反対側の端部において開いており、ダイ300の内部にある一続きの側壁によって画定される、チャンバ311が示されている。
【0021】
第1の支持構造301(「拘束要素」と呼ばれる場合もある)が、半導体ダイ310の上側表面310
u上に設けられこれに取り付けられる。第1の支持構造301は、平坦で平行な上側表面および下側表面を有する中実体とすることができる。支持構造301の下側表面に、凹部308を画定し得る。凹部308は、上側支持構造301の下側表面に、隔壁313によって画定される面積よりも大きい面積を有する空間を画定する、矩形形状または正方形形状の凹部である。第1の支持構造301の下側表面は、半導体ダイ310の上側表面310
uと接触し、これに取り付けられる。第1の支持構造301を通して、開口307が画定され、第1の支持構造301の下側表面に画定される凹部308において終端する。
開口307が、第1の支持構造301の上側表面と第1の支持構造301の下側表面との間に、一続きの開いた通路を提供する。開口307は、示すように、円筒形の断面を有し得る。開口307を、隔壁313と位置合わせすることができる。開口307を、隔壁313の直径に対応するかまたはこれを僅かに上回る直径を有するように、構成することができる。開口307の内部はこうして、隔壁313の上側表面と連通する。第1の支持構造301と半導体ダイ310の上側表面との間の接合箇所は、流体によって浸透されない。
【0022】
第2の支持構造303(「拘束要素」と呼ばれる場合もある)が、半導体ダイ310の下側表面310
lに取り付けられる。第2の支持構造303は、平坦で平行な上側表面および下側表面を有する中実体である。第2の支持構造303は、この支持構造303を通して画定される開口309を有する。開口309が、第2の支持構造303の上側表面と第2の支持構造303の下側表面との間に、一続きの開いた通路を提供する。開口309は、示されるように円筒形とすることができ、チャンバ311の開口端部と位置合わせすることができる。こうして、開口309の内部は、チャンバ311を介して隔壁313の下側表面と連通する。開口309は、開口309の内側寸法が、隔壁313の直径と実質的に等しいか、またはこれよりも僅かに大きいようなサイズとすることができる。第2の支持構造303は、半導体ダイ310の下側表面310
lに接合されて、チャンバ311の開口端部の周囲に流体不浸透性の封止をもたらす。
【0023】
半導体ダイ310の上側表面310
u上に、コンタクトパッド305が画定される。コンタクトパッド305は金属から形成されるものであり、上側支持構造301の外部にあるダイ310の上側表面310
uの一部分上に画定される。
【0024】
図3Bは、
図3Aの差圧検知ダイ300に類似した、差圧ダイ350の部分断面を示す。
図3Bには、上側支持材351と半導体ダイ360と下側支持構造353との間の接合部を明示する領域が、さらに詳細に示されている。半導体隔壁363の上側表面に、好適に拡散されたドーパントによって、構造375が画定される。この構造は、半導体隔壁363の縁部を越えて、ダイ360の上側表面の他の部分まで延在する。構造375は、ピエゾ抵抗素子365、および、ピエゾ抵抗素子からダイの外部にある回路機構への接続を容易にするコンタクトまで電気信号を搬送するための導電線としての役割を果たす、導電領域373を含む。ピエゾ抵抗素子365および導電領域373を、当技術分野でよく知られている技法および材料を使用して、1つまたは複数のドーパントを半導体材料内に様々に拡散してピエゾ抵抗素子および導電回路要素を画定することによって、形成することができる。
導電領域373は、ピエゾ抵抗素子365とコンタクトパッド355との間の電気的な連絡をもたらす。ピエゾ抵抗素子365は、複数のピエゾ抵抗素子を表し得る。また、導電領域373は、ピエゾ抵抗素子365および複数のコンタクトパッド355を含む回路を完成させるための、半導体材料における導電経路を表し得る。酸化物層362を、半導体隔壁363の上側表面および構造375を含む、ダイ360の上側表面を覆って配設することができる。コンタクトパッド355を、酸化物層362上に配設することができる。酸化物層362を通して、コンタクトパッド355と導電線または導電領域373との間に電気接続をもたらすための、金属化されたビアを設けることができる。
【0025】
酸化物層362と上側支持構造351との中間に、接合層367が示されている。接合層367は、例として、半導体ダイ360の上側表面上に配設されるポリシリコン層とすることができる。上側支持構造351を、接合層367に陽極接合することができる。下側支持構造353を、半導体ダイ360の下面上に露出されるシリコンの領域に陽極接合することができる。接合層367を、流体によって浸透されないような好適な材料から形成することができる。
【0026】
上側支持構造351の下方を、その下側外縁部の周囲で切除して、外側凹部371を画定することができる。外側凹部371は、差圧検知ダイ300の電気回路機構において使用される電気トレースなどの、電気接続部を導くための空間を提供する。
【0027】
第2の支持構造353の下側表面369が、外側接合表面を提供し得る。外側接合表面を、接着剤を介してパッケージ内に取り付けることができる。パッケージは、ピエゾ抵抗素子から抵抗値を得るための、およびこれらの値を処理し、検出された差圧値を表す処理されたデータを出力するための、回路および接続部を含み得る。
【0028】
半導体ダイ360は、単結晶シリコンまたは他の好適な半導体材料から形成することができる。第1の支持構造351および第2の支持構造353は、半導体ダイ360を構成する半導体材料の熱膨張係数に類似した熱膨張係数を有する材料から形成される。第1の支持構造351および第2の支持構造353はさらに、半導体ダイ360に安定した支持構造を提供し、センサハウジングを半導体材料に直接取り付ける必要なく、圧力センサのハウジングにダイ350を取り付けるための区域を提供する。たとえば、第1の支持構造351および第2の支持構造353を、シリコン、またはガラスもしくはPYREX(登録商標)などの他の材料から形成することができる。これらは化学的に不活性であり、半導体ダイ360のシリコンに結合可能である。
【0029】
支持構造351、353の熱膨張係数を、半導体ダイ360の熱膨張係数に近くなるように維持することにより、ダイと支持構造との間の異なる熱膨張率などの、半導体ダイ360に加えられる圧力に関連しない力が、低減または排除される。
【0030】
再び
図3Aを参照すると、半導体ウエハを矩形の個片へとダイシングすることによって、半導体ダイ310を製造することができる。1つの実施形態によれば、各半導体ダイ310は、約2ミリメートル(mm)の外側寸法を有する半導体キューブを基本とする。半導体キューブの一部分を除去して隔壁313を形成する領域を画定することによって、より薄い厚さを有する領域が画定される。この部分を、エッチングまたは当技術分野で知られている他の工程によって除去することができる。たとえば、例示の実施形態によれば、異方性エッチングを使用して、1mmの外側寸法を有する実質的に正方形の隔壁313を作り出すことができる。支持構造301、303を形成するとき、エッチング工程によって、開口307および309が形成される。これらの開口307および309は、角が丸みを帯びている正方形に似た断面形状を有する開口を作り出すことができる。
開口307、309は、隔壁313の周縁寸法と等しいかまたはこれよりも僅かに大きい内側寸法を有するように創出される。上側支持構造301は、その下側表面に、上側支持構造301の下側表面に開口部を画定する凹部を含み得る。この凹部により、半導体隔壁313のどの部分も上側支持構造301によって覆われないことが保証される。このことにより、流体が開口307、309を通過し、隔壁363の表面全体と流体連通することが可能になる。支持構造を、任意の好適な接着剤を使用して、半導体ダイ310に接合することができる。例として、第1の支持構造301を、半導体ダイ310の上側表面上のポリシリコン層367に陽極接合することができる。第2の支持構造303は、半導体ダイ310の下面上に露出された半導体材料に陽極接合することができる。ダイおよび支持構造のそれぞれの材料に応じて、陽極接合、シリコン溶融接合、ガラスフリット接合、または他の技法などの、他の接合工程を使用して、支持構造を半導体ダイ310に接合することができる。
【0031】
差圧検知ダイ300の動作について、ここで記載する。差圧検知ダイ300は、開口307に封止されて接合される第1の流体ポート、および開口309に封止されて接合される第2の流体ポートを提供する、差圧センサパッケージなどの構造内に組み込まれる。第1の流体ポートは、圧力下の第1の流体を受容し、第2の流体ポートは、圧力下の第2の流体を受容する。支持構造301の外部にあるダイ310の上側部分は、第1の流体および第2の流体の両方から隔離される。第1の流体および第2の流体は開口307、309およびチャンバ311を充填し、隔壁313の上面および下面のそれぞれに圧力を加える。
隔壁313は、屈曲してひずみを受け、この結果、ピエゾ抵抗素子3
65の抵抗が変化する。ピエゾ抵抗素子365の抵抗を、したがって第1の流体および第2の流体のそれぞれによって隔壁313に対して加えられる差圧を示す信号を処理することによって、差圧を決定することができる。コンタクトパッド305と電気的に連絡する処理デバイスは、ピエゾ抵抗素子3
65からのデータに基づいて、差圧値を決定し得る。酸化物層362は、第1の流体からの、隔壁313の上側表面上の金属構成要素の保護を提供する。第2の流体は、開口およびダイの下面におけるシリコンおよびガラスに接触する。
【0032】
特定の適用例では、測定中の流体は、本質的に腐食性であり得る。腐食性の流体は、差圧検知ダイ300上の電気構成要素を損傷する可能性があるか、または接合箇所を損なう可能性さえある。構成要素を保護するために、オイルなどの隔離されている流体の容積を、差圧検知ダイ300と測定中の流体との間に置くことができる。この実施形態では、第1の容積は、開口307と封止されて連連する第1の流体ポートを有して画定される。上側可撓性隔壁が、第1の容積の壁を形成する。上側可撓性隔壁は、ステンレス鋼、チタン、または真鍮などの金属から形成することができ、これらは測定中の流体によって浸透されない。
第1の容積は、オイルなどの、作用の比較的強くない流体で充填される。測定中の流体の圧力により隔壁が偏向し、このことにより、圧力を、開口307を介して隔壁に達する第1の容積内のオイルに伝える。第2の、下側可撓性隔壁は、オイルで充填され開口309を充填し隔壁313の下面に達する第2の容積の壁を、同様に画定する。下側可撓性隔壁は、測定されるべき第2の流体と接触し、第2の流体の圧力を、第2の容積内のオイルを介して隔壁の下面に同様に伝えることができる。したがって、オイルの2つの封止された容積を有する隔壁300のこの配置構成により、腐食性の流体の差圧測定が可能となる。このようにして、差圧検知ダイ300は、ダイ上の敏感な電気構成要素を保護するために、測定中の流体から隔離される。
【0033】
ここで
図4Aを参照すると、
図3Aの差圧検知ダイ300を組み込んだパッケージを含む、オイル充填型の差圧センサ400の実施形態の横断面図が示されている。
図4Bは、90度回転されてオイル充填管417および溶接された球体シールをよりよく示す、
図4Aのオイル充填型の差圧センサ400を示す。差圧検知ダイ300を収納するためのパッケージは、第1の上側ハウジング401および第2の下側ハウジング411を含む。ハウジング401、411はいずれも、内部オイル充填容積を有する中実体405、415を含む。上側ハウジング401の中実体405の下側壁は、第1の支持構造301において差圧検知ダイ300に接合される。接合箇所は、第1の支持構造301と上側ハウジング401との間に、液密シール420を創出する。
第1の支持構造301は、半導体圧力ダイ310の半導体隔壁313の頂部表面へのアクセスを提供する上側ポートを形成する、開口(307、
図3Aに示す)を有する。
図4Aの差圧センサ400の実施形態では、上側ハウジング401は、可撓性隔壁403を含む。可撓性隔壁403は、差圧検知ダイ300に接合される上側ハウジング401の中実体の下側壁の反対側にある。可撓性隔壁403は、センサ400が配備されると、作用の強い媒体であり得る測定されるべき流体と、流体連通する。可撓性隔壁403は、作用の強い媒体との接触に起因する腐食に対して、耐性のある金属から形成することができる。非限定的な例として、可撓性隔壁403は、ステンレス鋼またはチタンとすることができ、これらはいずれも、ほとんどの作用の強い媒体に対する耐腐食性を実現する。
【0034】
上側ハウジング401は、オイルなどの流体で充填し、充填し、封止するのに好適な容積を含む。流体で充填され封止されることになる容積を有する本出願において開示される実施形態の各々において、この容積の1つの壁は、可撓性隔壁である。容積の他の壁は剛性であり、容積はセンサダイ隔壁に係合する。可撓性隔壁の外面に加えられる圧力は、センサダイ隔壁に応力を加え、かつ/またはこれを偏向させる。容積の他の壁は、たとえば、比較的厚い鋼で、またはガラスもしくはシリコンから成るなどの、支持構造の相対厚さに起因して、剛性である。実施形態では、上側ハウジングまたは下側ハウジングは完全に中空であってよく、こうしてオイルで完全に充填するのに好適なものとすることができる。他の実施形態では、上側ハウジングまたは下側ハウジングは、ステンレス鋼合金、チタン合金、または他の金属から成る中実体などの中実体とすることができる。この中実体は、中空の中央穿孔を有し、一方の端部において上側可撓性隔壁または下側可撓性隔壁に、かつ反対側の端部において支持構造に開口している。他の実施形態では、流体で充填するのに好適な容積は、他の形状および形態を有し得る。
【0035】
可撓性隔壁403は、オイルが充填される容積の壁としての役割を果たす。この実施形態では、管404は、可撓性隔壁403から支持構造301の対応する開口まで延在し得る。実施形態では、可撓性隔壁403を中実体405の上側壁の周囲のリップまたはへり上に支持して、流体で充填されることになる容積の一部である空洞を画定することができる。内部容積405は、可撓性隔壁403によって加えられる力を受けるためにオイルで完全に充填するのに好適なものとすることができる。別法として、ハウジング内に、オイルで充填されることになるより小さい容積を画定することができる。オイルは、管404を介して、可撓性隔壁403と流体連通する容積406内に導入される。
図4Bにおいて最もよく見える充填管407が、管404から中実体405の外壁まで延在する。この管407は、金属隔壁403と検知ダイ300との間の、空の空洞の任意の部分に結合することができる。
その理由は、この管407がこの空洞を流体で充填するためにしか使用されないからである。容積が充填されると、充填管に球体408で栓をすることができ、この球体418は、中実体に溶接することができる。他の実施形態では、圧着すること、縁部を1つに溶接すること、充填管内にピンを押し込むこと、またはこれら以外の方法により、充填管を閉じることができる。管404は一般に、一方の端部において開いており、可撓性隔壁403に隣接する容積に開口し、他方の端部において開いており、差圧検知ダイ300の第1の支持構造301の開口と封止されて接触するポートを画定する、管である。容積を充填するために採用されるオイルまたは他の流体は、これが半導体圧力ダイ310と適合するように選択される。1つの実施形態では、シリコーンオイルが使用される。他の実施形態では、上側ハウジング401は、周縁の壁を有することができ、また流体で完全に充填することができる。そのような実施形態では、側壁および低壁は、隔壁403の外面に適用される圧力が、半導体ダイの隔壁に伝えられ、上側ハウジングの壁を変形させる役割を果たさないように、剛性となるのに十分な厚さでなければならない。
【0036】
下側ハウジング411は、第2の支持構造303において、差圧検知ダイ300に接合される。第2の支持構造303は、第2の支持構造303と下側ハウジング411との間に、液密シール421を創出するように接合される。下側ハウジング411は、上側ハウジング401に接触し、これに溶接、ろう付け、または接着剤により取り付けられ、このとき上側ハウジングと下側ハウジングとの中間に容積を画定する、中実体415を含む。この容積は、ダイ300を収容し、ダイ300のピエゾ抵抗素子と連絡する電子回路419のための空間を提供する。この中間の容積は、上側ハウジングおよび下側ハウジングにおける流体を充填可能な容積から、封止的に分離される。支持構造303は、中実体415の上側表面と接触し、これに接合される。中実体415は、隔壁313の底部表面へのアクセスを提供するように第2の支持構造303の開口と位置合わせされる、連絡経路または管416を有する。
内部容積415を、可撓性隔壁403によって加えられる力を受けるように、オイルで完全に充填することができる。別法として、より小さい容積408を画定することができる。オイルは、管416を介して、可撓性隔壁413と流体連通する容積408内に導入される。第2の支持構造303の開口はしたがって、管の一方の端部と封止されて連連する。管416の反対側の端部は、実施形態では、下側隔壁413によって閉じられるか、または、隔壁413と接触する容積と連通する。オイル充填管417は、管416または隔壁413とダイ300との間の任意の容積と、および下側ハウジングの外部と、連通する。オイル充填管407は、
図4Bに示す球体418によってなどで、閉じられてもよい。隔壁413は、ダイ300の反対側の下側ハウジング411の下側壁およびシールを形成する。可撓性隔壁413は、隔壁403と同様に、作用の強い媒体と接触することができ、また、作用の強い媒体との接触による腐食に対して耐性のある金属から成る。下側ハウジングのオイルが充填される容積内に置かれるオイルは、これがシリコン圧力ダイ100と適合するように選択される。ある実施形態では、シリコーンオイルを使用することができる。
【0037】
差圧センサ400の動作について、ここで記載する。差圧センサ400は、圧力が測定されるべき2つの流体を受容するパッケージ内に設置される。パッケージ内の第1のポートを通して、上側可撓性隔壁403に第1の流体が導入される。可撓性隔壁403は、第1の流体と流体連通し、第1の流体の圧力による力は、可撓性隔壁403の上側表面上に及ぼされる。可撓性隔壁403の上側表面上に及ぼされる力は、隔壁を屈曲させ、隔壁に、上側ハウジング内のオイルに対して圧力を及ぼさせる。閉じ込められたオイルに対して及ぼされる圧力は、このオイルを通して隔壁313の上面に伝達される。差圧センサ400を収容するパッケージ内に、第1の流体に類似した様式で導入される、下側ハウジング内のオイルに対して力を及ぼす可撓性隔壁413と流体連通する第2の流体を受容する、第2のポートが設けられる。次いでこのオイルは、半導体圧力ダイ310の半導体隔壁313の下面と流体連通する。
第1の流体の圧力は、(
図4に示す配向において)下向きの圧力を及ぼし、一方、第2の流体の圧力は、シリコン隔壁313の下面上に、対向する上向きの圧力をもたらす。隔壁に加えられる圧力の差により、隔壁313の偏向および/またはひずみが生じる。これらは、差圧検知ダイ300のピエゾ抵抗素子および関連する回路機構の抵抗の変化を検出することによって、測定することができる。電気信号は、回路機構419にさらに電気的に接続される導電性コンタクトパッド305を通る、差圧検知ダイ300からの出力として提供される。回路機構419は、センサの較正を行い、センサが一般に使用するデジタルまたはアナログ電気出力を提供するための、特定用途向け集積回路(ASIC)または他の回路機構を含み得る。導電性コンタクトパッドは、上側支持構造301の外部にあるので、ダイの隔壁に力を伝達するために使用される流体によって接触されない。ワイヤ、ピン、またはコネクタなどの好適なコンタクトが回路機構419に接続されて、データ信号の出力を提供するとともに、差圧センサ400において、入力電力接続コンタクトを設けることができる。
【0038】
オイル充填型の圧力センサを使用するときは、閉じ込められたオイルにおける温度の変動がオイルの濃度を増減させないように、注意を払わねばならない。そのような濃度の変化は、圧力検知ダイに対して、測定中の圧力とは関係のない力を及ぼし得る。
図4Aの差圧センサ400において、上側ハウジングおよび下側ハウジング内のオイルが充填される容積の比較した容積は、実質的に等しい。したがって、一方の容積の濃度の、温度変化により誘起されたどのような変動も、反対側の容積による反対方向の等しい変動によって相殺されることになる。結果として、温度変化を補償するための半導体圧力ダイ310の較正を、低減するかまたは不要にすることができる。
【0039】
図5Aおよび
図5Bは、
図4の差圧センサ400を収納するように構成可能なパッケージ500を示す。パッケージ500は、差圧センサ400を受容するための内部容積を画定する主ハウジング505を含む。パッケージ500は、第1の流体および第2の流体をそれぞれ受容する、第1の流体ポート501および第2の流体ポート503を含む。流体ポート501、503は、測定されるべき第1の流体および第2の流体を搬送するためのホースまたは管材を受容するための、フランジまたは隆起した縁部を含み得る。
図5Aおよび
図5Bに示す実施形態によれば、流体ポート501、503は、ホースまたは管材の継手を受容するように、ねじ山を切られる。
【0040】
パッケージ500は、差圧センサ300の回路機構と電気的に連絡する回路機構を含む、電気回路領域519を含む。適用例を調整するために、ハウジング内には通常、圧力センサ400と隣り合って、他のチップおよび回路機構が設置される。この回路機構は、センサを較正する、およびさらに、センサに関して一般に使用されるアナログまたはデジタル出力を提供するために、使用される。電気回路領域519は、自動車形式のコネクタワイヤ513などの導電端子と電気的に連絡して、プラグまたはワイヤリングハーネスを介したシステム回路機構の電気接続を可能にし得る。回路領域519は、ハウジング420内に配置される。回路領域519は、主ハウジング505内で、試験中の流体から隔離される。上側ハウジングおよび下側ハウジングを、試験中の流体ならびに半導体隔壁に力を伝達するために使用されるオイルまたは他の流体から回路領域がこうして物理的に隔離されることをもたらすように、構成することができる。
【0041】
図6Aおよび
図6Bは、差圧センサ300を収納するためのパッケージを示す。このパッケージは、非腐食性の流体または腐食性の穏やかな流体に耐えることのできる、プラスチックまたは他の材料から形成することができる。パッケージは、ねじまたはボルトなどの固定具を介した、表面へのパッケージ600の取り付けを可能にする孔609を含む、フランジ状部分607を含み得る。たとえば、パッケージ
600を、トラックまたは他の車両のフレームに取り付けられるように適合することができる。ハウジング602を、パッケージ600の内部容積へのアクセスを可能にする蓋(図示せず)を備えて構成することができる。内部容積は、パッケージ600を表面に取り付けるための、追加の固定孔509を含み得る。そのような孔は、パッケージ600が装着される表面上の装着孔とねじ孔を位置合わせするための、主ハウジング602から延在する壁を含み得る。
【0042】
パッケージ600は、差圧センサ400の回路機構と電気的に連絡する回路機構を含む、電気回路領域(図示せず)を含み得る。電気回路領域は、プラグまたはワイヤリングハーネスを介したシステム回路機構の電気接続を可能にするための、導電端子またはピン513と、電気的に連絡することができる。パッケージ600を、車両、たとえばトラック上に装着して、その車両と関連するエンジン構成要素の差圧を検知することができる。例として、車両は、ねじ山付きスタッドを介してエンジン上に螺着する、交換可能なオイルフィルタを有し得る。オイルは、ポンプ送給されてねじ山付きスタッドを通り、交換可能なフィルタ内のフィルタエレメントを通り、フィルタ処理されたオイルとしてエンジンに戻る。フィルタ用エレメントが新しいかまたは比較的きれいなときは、フィルタを通るオイルの流れの制限は最小限である。
土および沈殿物がオイルからフィルタ処理される際、これらはフィルタ用エレメントを詰まらせ、フィルタを通るオイルの流れを制限する。流れの制限が少ないときは、交換可能なオイルフィルタの入口と出口とで比較したオイル圧力の差は小さい。流れが制限されるようになるにつれ、有限の容積内でのオイルの蓄積に起因して、オイルフィルタの入口において圧力が高まることになり、一方、オイルフィルタの出口におけるオイル圧力は、低減されたオイルの流れに起因して降下することになる。この結果、流れがさらに制限されるようになるにつれ、入口と出口との間の差圧が高まる。
【0043】
パッケージ600を、車両のエンジン、またはシャーシなどの他の好適な場所上に装着することができる。オイルフィルタの入口とパッケージ600の第1の流体ポート601との間に、およびオイルフィルタの出口とパッケージ600の第2の流体ポート603との間に、ホースを置くことができる。電気接続ピン613において、オイルフィルタの両面におけるオイル差圧を表す電気信号が提供される。交換可能なオイルフィルタの状況を判定するための診断または制御回路機構によって、電気信号が使用され得る。たとえば、オイルフィルタの両面におけるオイル差圧が所定のレベルに達するかまたはこれを上回るとき、フィルタを交換する必要のあることを示す警報を操縦者に提供するように、車両内の制御システムを適合させることができる。時間にわたり、オイルフィルタの両面におけるオイル差圧を示す電気信号を使用して、オイルフィルタの動作状態を判定することができる。
電気信号から導出されるデータを、たとえばコンピュータメモリに保存し、将来の分析のために使用することができる。たとえば、エンジン不具合の場合には、オイルフィルタの動作状態をエンジンの寿命にわたって履歴的に見たものを分析して、オイルフィルタがエンジン不具合に寄与する要因であったかを判定することができる。オイルフィルタの動作状態の履歴記録を使用して、エンジンオイルおよび/またはオイルフィルタの交換が、製造者推奨の整備および保守スケジュールに従って行われたかを判定することもできる。
【0044】
図6Cは、
図4の差圧センサを組み込んだ差圧センサパッケージ600の横断面図である。センサパッケージ600は、測定されるべき圧力を有する第1の流体および第2の流体を受容するための第1の流体ポート60
1および第2の流体ポート603を画定する、ハウジング602を含む。実施形態では、ハウジング602は、第1のハウジング部材および第2のハウジング部材として画定され、これらのハウジング部材は、互いと合体するように構成される。第1のハウジング部材および第2のハウジング部材を、シール605において結合することができる。実施形態では、ハウジング602は単体であってよく、または、互いと合体するように構成される3つ以上のハウジング部材を含んでもよい。ハウジング602のハウジング部材が互いと合体するとき、ハウジング内に内部容積が画定される。内部容積は、差圧センサを受容し支持するようなサイズおよび構成とされる。ハウジング602の内部空間内に、
図4Aの差圧検知デバイスなどの差圧センサが挿入される。2つの部材はシール605において接続および封止されて、差圧センサをハウジング602内に液密な様式で閉じ込める。
【0045】
図4Aおよび
図4Bに関連して上記したように、差圧ダイ300と流体ポート601、603との間に、上側ハウジングおよび下側ハウジングが挿置される。
【0046】
第1の流体は、流体ポート601の中に入り、可撓性隔壁403を屈曲させる。次いでこの可撓性隔壁403は、オイルまたは他の隔離された流体を介して、(図
6Cの配向に示すように)差圧検知ダイの下面に力を伝達する。同様に、第2の流体は、流体ポート603の中に入り、可撓性隔壁413を屈曲させる。次いでこの可撓性隔壁413は、オイルまたは他の隔離された流体を介して、(図
6Cの配向に示すように)差圧検知ダイ300の頂面に力を伝達する。第1の流体および第2の流体は各々、半導体隔壁の対向する両面に間接的に圧力を加える。第1の流体および第2の流体のそれぞれの圧力が異なる場合、2つの流体間の結果的な差圧により、半導体隔壁が応力を受けかつ/または変形する。半導体隔壁の表面上に配設されたピエゾ抵抗素子の電気抵抗は、そのような応力および/または変形に応じて変化する。ボンドワイヤを介して搬送される電流をピエゾ抵抗素子を通して電気回路に供給することによって、電気抵抗が測定される。電気信号は回路機構において処理され、
図5Aに示される電気コンタクトピンもしくはワイヤ513、またはコネクタなどの他の接続方法を介して、外部回路によって利用可能となる。
【0047】
パッケージを、車両のフレームまたはシャーシにパッケージを取り付けるための装着孔609を有するように構成することができる。そのような実施形態では、第1の流体ポート601および第2の流体ポート603を、車両を動作させるために使用される流体に接続される流体ホースまたは導管に取り付けることができる。たとえば、車両のオイル循環系における2つの箇所の間の差圧を測定するために、流体ポート601、603を通してエンジンオイルを導入することができる。
【0048】
図6Cは、
図4の差圧センサを組み込んだ差圧センサパッケージ600の横断面図である。センサパッケージ600は、測定されるべき圧力を有する第1の流体および第2の流体を受容するための第1の流体ポート60
1および第2の流体ポート603を画定する、ハウジング602を含む。ハウジング602は、シール605において結合される2つの部材として画定される。ハウジング602の内部空間内に、
図4Aの差圧検知デバイスなどの差圧センサが挿入される。2つの部材はシール605において接続および封止されて、差圧センサをハウジング602内に液密な様式で閉じ込める。
【0049】
第1の流体ポート601と流体連通するように、第1の流体が置かれる。第1の流体は第1の流体ポートを充填し、可撓性隔壁403と流体連通する第1の圧力チャンバ604の中に入る。可撓性隔壁403は、第1の流体の反対側の可撓性隔壁403の側のオイルが充填される容積と、流体的に接触する。第2の流体ポート603は、流体ポート601と同様に構成され、第2の流体が第2の圧力チャンバ606の中に入ることを可能にする。第2の圧力チャンバ606は、可撓性隔壁413と流体連通する。可撓性隔壁413はオイルが充填される容積と流体連通し、次いでこの容積は、差圧検知ダイ300の隔壁と連通する。圧力チャンバ604内の第1の流体と第2の圧力チャンバ606内の第2の流体との間の差圧は、差圧検知ダイ300のシリコン隔壁に対して加えられる正味の力として具現化する。
力は、ピエゾ抵抗素子の1つまたは複数の抵抗値に変換され、これらは次いで、回路419に連絡され処理され得る。回路419の出力は、検出された差圧を示すデータを含む。回路419へのコネクタは、差圧センサパッケージ600の外部でアクセス可能である。第1の流体および第2の流体と差圧検知ダイ300との間の流体連通を確立するために、圧力チャンバ604、606を、これらのそれぞれの流体ポート601、603に対して垂直となるように適合することができる。
【0050】
図7は、Oリング接続継手を有する、隔離式のオイル充填型の圧力センサ700の横断面図である。圧力センサ700は、試験中の流体に直接暴露しないように圧力検知ダイを隔離しながら、差圧測定を行う。圧力検知ダイは、圧力検知ダイから試験中の第1の流体を隔離する管713内のオイルの第1の容積、および圧力検知ダイから試験中の第2の流体を隔離する管723内のオイルの第2の容積によって、試験流体から隔離される。
【0051】
圧力検知ダイは、一体型隔壁(313、
図3Aおよび
図3Bに示すようなもの)を含む、半導体圧力ダイ310を含む。隔壁は、圧力によって半導体圧力ダイ310内の隔壁上に加えられる力に基づく変動する電気抵抗を呈する、半導体に画定されるピエゾ抵抗素子を有する。半導体圧力ダイの上側表面および下側表面は、第1の支持構造301および第2の支持構造303によって支持される。支持構造301、303は、これらを通して画定される開口を有し、これらの開口は、管713、723およびオイルが充填される容積717、727内のオイルが、隔壁の上側表面および下側表面とそれぞれ流体連通するように、隔壁と位置合わせされる。
【0052】
管および他の容積を、オイルが中を通って導入されるポート715、725を有する、オイル充填導管を通して充填することができる。ポート715、725を、ポート開口部を覆って金属球体を溶接することよって封止することができるか、または、ポートは例として、圧着されてまたは折り畳まれてポートを封止する、細長い部位を有し得る。
【0053】
可撓性隔壁403、413は、オイルが充填される容積の壁を構成する表面を画定する。実施形態では、ハウジングをオイルで充填すること、ならびにこのハウジングに、支持構造301、303が取り付けられる剛性の側壁および剛性の基部壁を設けることが可能である。剛性の壁を、たとえば鋼製プレートによって提供することができる。可撓性隔壁403、413は、試験中の流体に暴露されたときの腐食に対して耐性のある材料で作製される。この流体は、腐食性の流体、たとえば酸または燃料であり得る。例として、可撓性隔壁403、413を、ほとんどの流体の存在下で耐腐食性を実現するステンレス鋼またはチタンで構築することができる。可撓性隔壁403、413の外面は、圧力を測定中である第1の流体および第2の流体を受容したポート705、707の壁を画定する。
ポートは、耐腐食性材料から形成される側壁709、711を有する。ポート705、707の外壁上に、測定中の流体を搬送するための管路に接続するためのねじ山付き継手の取り付けを可能にする、外部ねじ山703が画定される。第1のポート705および第2のポート707の側壁709、711は、Oリング701を受容するための溝路をさらに画定する。Oリング701は、ポート705、707とポート705、707上にねじ切りされる受容継手との間に、液密シールを形成する。
【0054】
ポート705の中に第1の流体が入り、可撓性隔壁403に対する圧力に起因する力を及ぼす。可撓性隔壁403は屈曲し、これに対して加えられる力を、オイルが充填される容積717内などの、中のオイルに伝達する。第1の支持構造301の開口および半導体圧力検知ダイ310の隔壁の上側表面によって画定される領域内を含め、オイルが充填される容積717内のオイル全体にわたって、圧力が伝達される。ポート707の中に第2の流体が入り、可撓性隔壁413に対する圧力に起因する力を及ぼす。可撓性隔壁413は屈曲し、これに対して加えられる力を、オイルが充填される容積727内のオイルに伝達する。第2の支持構造303の開口および半導体圧力検知ダイ310の隔壁の下側表面によって画定される領域内を含め、オイルが充填される容積727内のオイル全体にわたって、圧力が伝達される。
【0055】
プリント回路基板(PCB)419は、ボンドワイヤ721によって、半導体圧力検知ダイ310に電気的に接続される。PCB回路機構419はさらに、測定された差圧値を表す電気信号を差圧センサ700の外側の外部システムに提供する、電気コンタクトピン714と、電気的に接続される。
【0056】
差圧センサ700を作り出すように、ポート側壁709、711、可撓性隔壁403、413、およびオイルが充填される容積717、727が、溶接部719によって接続され得る場所である接点。
【0057】
差圧センサダイ300から試験中の流体を隔離する、オイル充填型の差圧センサを収納するために、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B、
図6C、および
図7に示すパッケージの実施形態が使用されるが、これは単なる例として示されている。当業者によって、他の構成が使用および企図され得る。たとえば、パッケージのハウジング602を、非腐食性または半腐食性のいくつかの流体からの腐食に対して耐性のあるプラスチックから形成することができる。この実施形態では、パッケージは、オイルが充填される容積を有さず差圧検知ダイ300のみを備える差圧センサを収納することができる。この実施形態では、試験中の流体は、流体ポート501、503を通して直接アクセス可能である、
図3Aを示している第1の支持構造の開口307および第2の支持構造の開口309を通って、差圧ダイ300の中に入ることができる。この構成の例示の実施形態について、以下で
図8を参照して詳細に記載する。
【0058】
図8Aは、本開示の実施形態による、差圧検知ダイ300が中に装着されて示されている、差圧検知ダイ用のパッケージ800の等角部分断面図である。パッケージ800は、半腐食性または非腐食性の流体の差圧を測定するための、差圧検知ダイを受容するように構成される。パッケージ800はハウジング802を含む。この例示的な実施形態では、ハウジング802は2つの部材を有する。この例示的な実施形態では、下側ハウジング部材803は、基部、およびこの基部の周囲の直立した周縁壁を含む。上側ハウジング部材801は、下側部材803上に、および特に下側部材803の周縁壁の頂部のへり上に置かれるとき、蓋またはシールとして働く。上側部材801と下側部材803との間に、ガスケットまたは接着剤シール805が配設される。シール805は、外側の混入物からハウジングの内部を封止する。ハウジングの対向する両面を通って、2つのポート807、809が画定される。
例示した実施形態では、これらのポートは、上側部材801および下側部材803の基部を通してそれぞれ画定されるが、ハウジングの他の部分を通して画定してもよい。ポート809は、その内側開口部が、差圧検知ダイ300の開口309などの差圧検知ダイの開口との位置合わせ、およびこの開口との流体不浸透性の封止にとって好適となるように、位置付けられる。同様に、ポート807は、その内側開口部が、差圧検知ダイ300の開口307などの差圧検知ダイの他の開口との位置合わせ、およびこの開口との流体不浸透性の封止にとって好適となるように、位置付けられる。こうして、ポート807、809を介して、差圧検知ダイ300の隔壁の対向する両面への流体連通が確立される。差圧センサパッケージ800は非腐食性または半腐食性の流体の差圧を測定するように設計されるので、半導体圧力ダイ310および支持構造301、303は、試験中の流体から隔離されない。しかしながら、ポート807、809と開口307、309との間のそれぞれのシールの結果として、ハウジング802の内部容積は、試験中の流体から隔離される。ハウジング802は、内部容積を外部環境からさらに隔離する。
【0059】
パッケージ800は、ハウジング802の外壁から延在する電気接続ピン813をさらに含む。電気接続ピン813は、ハウジング802の壁を通して、ハウジング802の内部のコンタクトに電気的に連絡する。複数の実施形態では、コンタクトは、ASICと、および場合によっては回路機構419を有するPCBと、電気的に連絡することができる。PCB回路機構419およびパッケージ800のASICを、半導体圧力ダイの圧電素子と通信するように、および差圧データを出力するように、構成することができる。半導体圧力ダイ310は、半導体圧力ダイ310がボンディングワイヤ811に接続される場所である電気接点を含む。ボンディングワイヤ819は、半導体圧力ダイ310を、PCB回路機構419に電気的に接続する。PCB回路機構419は、半導体圧力ダイ310から受信される電気信号に基づいて差圧値を決定するためのマイクロプロセッサと連絡する、マイクロプロセッサおよびメモリを含み得る。電気接続ピン813は、ハウジングの壁を通って延在し、PCB回路機構419に電気的に接続される。
これらは、第1の流体と第2の流体との間で測定された差圧に関連する電気信号を、外部システムに搬送する。
図8Aに示すように、電気接続ピン813を、コンタクトピンの単一の列を有する単一のシングルインラインパッケージ(SIP)として、配置構成することができる。この構成は例としてのみ提供されており、他の構成が使用可能である。たとえば、デュアルインラインパッケージ(DIP)を使用することができるか、または、差圧センサパッケージ800を、配線ハウジングに接続されたアダプタを受容するためのポートを有する、表面実装型ハウジングとして構成することができる。外部システムは、差圧測定値を使用して異常な状況を判定し警告信号を送ることのできる、制御装置または表示器システムに関連し得る。または、外部システムは、例として、弁から上流の箇所と下流の箇所との間で測定される差圧に基づいて弁を動作させる、弁制御装置とすることができる。
差圧センサパッケージ800の実施形態を使用する例示の適用例では、第1の流体は、車両のエンジン内の、その車両のオイルフィルタの中に入る前のオイルである。第2の流体は、オイルがオイルフィルタを通過した後の、車両のエンジンオイルである。フィルタの中に入る前とフィルタを離れた後の、エンジンオイルの差圧は、オイルフィルタの状況を示すことができる。オイルフィルタ内の流れが制限されていると判定される場合、保守が必要であることまたはオイルフィルタを交換すべきであることを示す警告を、車両操縦者に提供することができる。
【0060】
好適な継手(図示せず)を介したポート807を通して、第1の流体が導入される。第1の流体は、第1の支持構造または拘束要素301の断面長さを通過する開口307と位置合わせされる、ポート807の中に入る。第1の流体は、第1の支持構造301を通って流れ、半導体圧力ダイ310の隔壁の上側表面と流体的に接触する。
【0061】
第2の流体は、好適な継手(図示せず)を介してポート809に導入される。第2の流体は、第2の支持材または拘束要素303の断面長さを通過する開口309と位置合わせされる、ポート809を通過する。流体は、第2の支持構造303を通って流れ、半導体圧力ダイ310に画定された隔壁の下面と、流体的な連通を通して接触する。第1の流体および第2の流体が、これらのそれぞれの圧力を隔壁の対向する両表面に対して加える際、半導体隔壁の表面上のピエゾ抵抗素子は、ピエゾ抵抗素子に加えられている差圧の量と相関する電気抵抗を生じさせる。ピエゾ抵抗素子を通って流れる電流は、圧力差によって生み出される抵抗に比例し、第1の流体および第2の流体の圧力間の差圧値を導出するために使用可能な電流測定値を生成する。
【0062】
図8Aは、ハウジングの上側部材801に第1のポート807が配設され、一方、ハウジングの下側部材803の下面に第2のポート809が配設される、差圧センサを示す。この構成は、単に例として提供されている。他の構成を使用可能である。たとえば、第1のポート807を、ハウジングの下側部材803の側壁に画定することができる。第2のポート809を、下側部材803の、第1のポート807の反対側の壁に画定することができる。または別法として、第2のポート809を、第1のポート807を含む側壁に隣接する側壁に画定することができる。
【0063】
差圧センサパッケージ800の実施形態によれば、ハウジング部材801、803は、プラスチックから製作される。プラスチックを、ポート807、809を画定する開口を形成するように成形することができる。ポート807、809を介する試験中の流体からの耐腐食性を実現するために、プラスチックが選択される。このようにして、試験中の流体を、ポート807、809に直接導入することができる。流体はポート807、809の中に入り、第1の支持構造301および第2の支持構造303の開口部によって画定される容積を充填する。流体はこうして、半導体圧力検知ダイ310に画定される隔壁313の上面および下面と流体連通する。差圧検知ダイ300(
図3Aに示す)を、差圧検知ダイ300の開口307、309とポート807、809が位置合わせされるように、ハウジング部材801、803によって画定されるパッケージ内に設置することができる。
このプラスチックのパッケージを、ハウジング部材801、803とダイの支持構造301、303との間に液密シール821を提供する適切な接着剤によって、差圧検知ダイに取り付けることができる。別法として、内部の壁またはリブによってなどで画定される、差圧検知ダイ300の外形に対応する外形を有する内部容積を有するプラスチックのパッケージを、成形することができる。たとえば、パッケージの下側ハウジング部材803に、内部容積を画定することができる。ダイは、ダイにおける開口307、309がパッケージにおけるポート807、809と位置合わせされた状態で、内部容積内に置かれる。上側ハウジング部材801が下側ハウジング部材803に合体されて、液密なパッケージを画定する。
【0064】
図8Bおよび
図8Cは、成形されたパッケージ800内のオイル充填型でない差圧センサ実施形態の実施形態の、立面図および断面図をそれぞれ示す。第1の流体ポート810および第2の流体ポート812はパッケージの中に入り、差圧検知ダイ300の対向する両端部と流体的に接触する。ハウジングは、ガスケットまたは接着材シール805によって封止可能な上側部材801および下側部材803を有する。流体ポート810、812は返しを設けられ、このことにより、返し806、808によってまたはホースもしくは管材を流体ポート810、812に固着するためのリングクランプの追加によって、ホースが流体ポートを覆って嵌合することおよびホースを所定位置に保持し封止することが可能になる。電気信号は、第1の流体ポート810と第2の流体ポート812との間の流体の差圧を表す信号を含み、電気コンタクト813を介して伝達または搬送され得る。
【0065】
図9は、差圧センサおよび絶対圧センサを用いて構成される、隔離式のオイル充填型の圧力センサの、断面立面図である。センサハウジングは、
図4Aおよび
図4Bに示すような差圧センサのオイルが充填される実施形態に類似している。
図9の圧力センサ900では、しかしながら、追加の絶対圧検知ダイ350が追加されている。絶対圧検知ダイ350は、差圧検知ダイ300に類似した半導体圧力検知ダイを用いて構成される。しかしながら、絶対圧検知ダイ350の上側拘束要素901は、流体が上側拘束要素901の中に入り半導体ダイと流体的に接触することを可能にする開口を有さない。代わりに、上側拘束要素901は、真空として維持される内部容積を有し得る、封止されたガラス製拘束要素である。
このようにして、センサ900の可撓性の金属隔壁913と流体的に接触する流体は、その圧力が、オイルが充填される容積を通して、絶対圧検知ダイ350の下面に伝達されることになる。したがって、検知される圧力は、真空などの基準圧力と比較した場合の、下側隔壁913から及ぼされる圧力のみの因子である。
図9における圧力センサ900はしたがって、差圧センサもしくは絶対圧センサのいずれか、または両方として、使用可能である。信号が生み出される元となった圧力検知ダイ300、350を識別することによって、差圧信号を絶対圧信号から区別することができる。
【0066】
上述の発明は上記の実施形態を参照して記載されているが、本発明の精神から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができる。したがって、そのような修正および変更は全て、付属の特許請求の範囲の範囲内にあるものと見なされる。したがって、本明細書および本図面は、制限的な意味においてではなく例示的な意味において検討されるべきである。本明細書の一部を形成する添付の図面は、限定ではなく例示として、本主題が実施され得る具体的な実施形態を示す。例示される実施形態は、当業者が本明細書に開示される教示を実施できるように、十分に詳細に記載される。他の実施形態を利用すること、および例示される実施形態から他の実施形態を導出することができ、この場合、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができる。したがって、本明細書の発明を実施するための形態は、限定的な意味において解釈されるべきでなく、様々な実施形態の範囲は、付属の特許請求の範囲、ならびにかかる特許請求の範囲の均等物と認められるものの全範囲によってのみ、規定される。
【0067】
本明細書では、進歩性を備えた本主題のそのような実施形態を、個々におよび/またはまとめて「発明」という用語で呼ぶ場合があるが、これは単に便利のためであり、2つ以上の発明または進歩性を備えた概念が事実上開示されている場合に、本出願の範囲をどのような単一の発明または進歩性を備えた概念に限定することも意図していない。したがって、本明細書において具体的な実施形態が例示され記載されたが、示される具体的な実施形態を、同じ目的を達成するように意図された任意の配置構成で代用可能であることを諒解されたい。本開示は、様々な実施形態の変形形態のありとあらゆる適合形態を包含することを意図する。上記の実施形態の組み合わせ、および本明細書において具体的に記載されない他の実施形態が、上記の記載を検討することで、当業者には明らかとなろう。