(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590832
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ペーパーログの製造のための管状コアへの接着剤の塗布方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B65H 19/28 20060101AFI20191007BHJP
B65H 19/29 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
B65H19/28 Z
B65H19/29
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-563807(P2016-563807)
(86)(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公表番号】特表2017-518241(P2017-518241A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】IT2014000314
(87)【国際公開番号】WO2015177815
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2017年5月30日
(31)【優先権主張番号】FI2014A000119
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ペリーニ、ファビオ
【審査官】
吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−513032(JP,A)
【文献】
特開2006−056716(JP,A)
【文献】
特表平11−506409(JP,A)
【文献】
特表2005−532238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/28
B65H 19/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の進行方向(A)に沿って次々とさらなる管状コア(1)を供給する工程と、
前記コア(1)のそれぞれに第一ポイント(P6)及び第二ポイント(P7)において所定量の接着剤を塗布する工程と、
を含む、紙材のログの製造のための管状コアに接着剤を塗布する方法であって、
前記第一ポイント(P6)で塗布された接着剤(G6)を前記第二ポイント(P7)に向け且つ前記進行方向(A)に沿って配向し、前記第二ポイント(P7)に塗布された接着剤(G7)を前記第一ポイント(P6)に向け且つ前記進行方向(A)に対し逆方向に沿って配向する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記接着剤(G6,G7)の配向が、管状コア(1)上の接触により作用する部材(62,72)により実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
2つの対向する側において同一の管状コア(1)に係合する駆動手段(4,5)により、前記管状コア(1)を前記進行方向(A)に沿って進行せしめることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記進行方向(A)に沿った管状コア(1)の進行が一時的に中断される間に前記接着剤(G6,G7)の配向が実行され、前記進行(A)が一時的に中断される間に、前記コア(1)を、前記第一ポイント(P6)で塗布された接着剤(G6)の配向中は前記進行方向(A)に対し逆方向に、且つ前記第二ポイント(P7)で塗布された接着剤(G7)の配向中は前記進行方向(A)に従って、その長手方向軸の周りに回転せしめることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
所定の進行方向(A)に沿って次々とさらなる管状コア(1)を送るための手段と、
前記管状コア(1)のそれぞれに第一ポイント(P6)及び第二ポイント(P7)において所定量の接着剤を分配するための接着手段と、
を含む、管状の厚紙コアに接着剤を分配する装置であって、
前記装置は、前記第一ポイント(P6)に供給された接着剤(G6)を前記第二ポイント(P7)に向け且つ前記第二ポイント(P7)に供給された接着剤(G7)を前記第一ポイント(P6)に向けて配向するのに適した手段を含み、
前記第一ポイント(P6)に塗布された接着剤(G6)を前記進行方向(A)に従い配向させ、前記第二ポイント(P7)に塗布された接着剤(G7)を前記進行方向(A)に対し逆方向に配向させるために、前記接着剤の配向手段は前記進行方向(A)に沿って配置され且つ作動することを特徴とする装置。
【請求項6】
前記接着剤(G6,G7)を配向するのに適した前記手段が、管状コア(1)上の接触により作用する手段であることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記接着剤(G6,G7)を配向するのに適した前記手段が、2つの表面(62,72)を含み、
前記表面の一方(62)は、前記第一ポイント(P6)に接着剤を送るのに適した第一ノズル(60)の下流にあり且つ前記第二ポイント(P7)に接着剤を送るのに適した第二ノズル(70)の上流にあり、
前記表面の他方(72)は、前記第二ノズル(70)の下流にあることを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記コア(1)を送るための手段が、一連の重畳された駆動ベルト(4,5)を含み、該ベルト(4,5)は、前記進行方向(A)に沿って配向し、前記管状コア(1)が同一のベルト(4,5)の2つの対向する部分(41,51)の間を係合するように相互に配置されることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項9】
前記接着剤(G6,G7)を配向するのに適した前記手段は、前記コア(1)を送るための手段の間に配置され且つ作動することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパーロール又は「ログ」の製造のための巻き戻し機械内での厚紙管状コアに接着剤を塗布するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一つ以上の重畳されたプライにより形成されたペーパーウェブを、ログの形成に進む前に様々な操作が実行される所定の経路に送り、分離可能なシートに分割するプレカットラインを形成するためのウェブの予めの横の切り込みを入れる工程を含む、紙材のログの製造は知られており、該ログから例えば、トイレットペーパーのロールやキッチンペーパーのロールが得られる。
【0003】
ログの形成は、その表面上に一般に「コア」と呼ばれる厚紙管の使用を伴い、該表面は所定量の接着剤が配されており、コア上にペーパーウェブを接着させることができる。該コアは、一般的に「巻き戻し機」と呼ばれるログを製造する機械に漸次導入される。
【0004】
ログの形成は、さらに、接着剤分配場所の下流の巻取りローラの使用を伴い、該巻取りローラは、各コアをその縦軸の周りを回転せしめ、よって、コア上にウェブの巻取りを行う。所定数のシートがコア上に巻かれ、このように形成されたロールの基礎となるものの上に最後のシートのフラップが結合した時に、プロセスは終了する(「フラップ閉鎖」操作)。この時点で、ログは巻取りから排出される。特許文献1は、上述のように動く巻き戻し機を開示している。
【0005】
接着剤は紙を汚し、最終製品の商業的価値を減少させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP1519886
【特許文献2】WO2004/096684
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主たる目的は、上記欠点を除くことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、作業方法を満たす概念を適用し、独立クレームに示された特徴を有する装置を提供することにより、上記目的が達成される。本発明の他の特徴は、従属クレームの主題である。
【0009】
本発明の請求項1記載の方法は、所定の進行方向(A)に沿って次々とさらなる管状コア(1)を供給する工程と、前記コア(1)のそれぞれに第一ポイント(P6)及び第二ポイント(P7)において所定量の接着剤を塗布する工程と、を含む、紙材のログの製造のための管状コアに接着剤を塗布する方法であって、前記第一ポイント(P6)で塗布された接着剤(G6)を前記第二ポイント(P7)に向け且つ前記進行方向(A)に沿って配向し、前記第二ポイント(P7)で塗布された接着剤(G7)を前記第一ポイント(P6)に向け且つ前記進行方向(A)に対し逆方向に沿って配向する工程を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、前記接着剤(G6,G7)の配向が、管状コア(1)上の接触により作用する部材(62,72)により実行されることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3記載の方法は、請求項1記載の方法において、2つの対向する側において同一の管状コア(1)に係合する駆動手段(4,5)により、前記管状コア(1)を前記進行方向(A)に沿って進行せしめることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4記載の方法は、請求項1記載の方法において、前記進行方向(A)に沿った管状コア(1)の進行が一時的に中断される間に前記接着剤(G6,G7)の配向が実行され、前記進行(A)が一時的に中断される間に、前記コア(1)を、前記第一ポイント(P6)で塗布された接着剤(G6)の配向中は前記進行方向(A)に対し逆方向に、且つ前記第二ポイント(P7)で塗布された接着剤(G7)の配向中は前記進行方向(A)に従って、その長手方向軸の周りに回転せしめることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5記載の装置は、所定の進行方向(A)に沿って次々とさらなる管状コア(1)を送るための手段と、前記管状コア(1)のそれぞれに第一ポイント(P6)及び第二ポイント(P7)において所定量の接着剤を分配するための接着手段と、を含む、管状の厚紙コアに接着剤を分配する装置であって、前記装置は、前記第一ポイント(P6)に供給された接着剤(G6)を前記第二ポイント(P7)に向け且つ前記第二ポイント(P7)に供給された接着剤(G7)を前記第一ポイント(P6)に向けて配向するのに適した手段を含み、前記第一ポイント(P6)で塗布された接着剤(G6)を前記進行方向(A)に従い配向させ、前記第二ポイント(P7)で塗布された接着剤(G7)を前記進行方向(A)に対し逆方向に配向させるために、前記接着剤の配向手段は前記進行方向(A)に沿って配置され且つ作動することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6記載の装置は、請求項5記載の装置において、前記接着剤(G6,G7)を配向するのに適した前記手段が、管状コア(1)上の接触により作用する手段であることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の装置は、請求項6記載の装置において、前記接着剤(G6,G7)を配向するのに適した前記手段が、2つの表面(62,72)を含み、前記表面の一方(62)は、前記第一ポイント(P6)に接着剤を送るのに適した第一ノズル(60)の下流にあり且つ前記第二ポイント(P7)に接着剤を送るのに適した第二ノズル(70)の上流にあり、前記表面の他方(72)は、前記第二ノズル(70)の下流にあることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の装置は、請求項5記載の装置において、前記コア(1)を送るための手段が、一連の重畳された駆動ベルト(4,5)を含み、該ベルト(4,5)は、前記進行方向(A)に沿って配向し、前記管状コア(1)が同一のベルト(4,5)の2つの対向する部分(41,51)の間を係合するように相互に配置されることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の装置は、請求項5〜8のいずれか1項記載の装置において、前記接着剤(G6,G7)を配向するのに適した前記手段は、前記コア(1)を送るための手段の間に配置され且つ作動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、管状コア上に分散される接着剤を、既知の装置の欠点を回避するように予め定めた形とすることができ、商業的により優れた品質のログを製造することができる。さらに、本発明の装置は、構造的及び機能的にシンプルであり、よって、得られる利点に関して非常に経済的である。
【0019】
本発明のこれらの利点及び特徴並びに他の利点及び特徴は、以下の説明から、限定的な意味で考慮されないが本発明の実用的な例示として与えられている添付図面の助けによって当業者に最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の装置を備えた巻き戻し機の概略的側面図である。
【
図2】本発明の装置の上部からの概略図であり、他の部材をよりよく図示するためにある部材は省略されている。
【
図3】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図4】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図5】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図6】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図7】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図8】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図9】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図10】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【
図11】本発明の装置の動作に関する一連の作業工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の装置は、例えば、下記を含む巻き戻し機(RW)において用いることができる。
・貯蔵所(S)から来るコア(1)を供給するための供給所(F)、ここには、一度に一つのコア(1)を取り、後述する接着装置(GD)に導入する回転フィーダー(RF)がある;
・一つ以上の重ねられた紙の層により形成されたペーパーウェブ(2)を供給し、横方向にプリカットする手段、該手段は、ペーパーウェブ(2)が供給されプリカットされる経路に沿って設けられた複数のガイドロール(R1,R2,R3)とプリカットロール(RC)を有する;
・巻き取り所においてコア(1)にペーパーウェブ(2)を巻き取るための手段、該手段は前記ガイド及びプリカットロール(R1,R2,R3,RC)の下流に設けられた第一巻き取りロール(R4)と、該第一巻き取りロール(R4)近傍に位置し作用するさらに2つの垂直方向に整列された巻き取りロール(R5,R6)とを有する:第二及び第三巻き取りロール(R5,R6)は湾曲ガイド(3)の上方に設けられ、第一巻き取りロール(R4)と協力して接着装置(GD)の下流のチャネル(CH)を区切るものであり、該チャネル(CH)は、接着装置(GD)から順次排出されるコア(1)により交差される。
【0022】
第一巻き取りロール(R4)は、上方に位置するガイド及びプリカットロールから来るペーパーウェブ(2)をガイドすることも意図されている。
【0023】
前述のチャネル(CH)は、ペーパーウェブ(2)と、また接着装置(GD)から排出されるコア(1)とが続く経路の最後の区間を区切る。
【0024】
接着装置(GD)は、同装置(GD)に導入されたコア(1)のそれぞれの表面に所定量の接着剤を分配するための第一及び第二手段(G1;G2)を含む。前記手段(G1,G2)は、さらに後述する如く、いわゆるフラップ閉鎖のための接着剤を分配するように順次作動する。これは、同じログの下にあるシート上に形成中のログ(RO)の最後のシート(20)を結合するためであり、また形成される次のログのコア(1)上に新たなログの最初のシート(21)を結合するためである。
【0025】
図面に示した実施の形態を参照して、本発明に係る装置は、矢印“A”により示された如く、下流に置かれた前述のチャネル(CH)に向かって同じ方向に動く2つの対向部(41,51)を常に有するように、水平軸で各プーリ(40;50)の周りにループ状に閉じられた上部ベルト(4)のグループと下部ベルト(5)のグループとを含む。前記ベルト(4,5)の対向部(41,51)は、コア(1)の外径に対応する値(h)だけ離間して垂直方向に配置される。
【0026】
該ベルト(4,5)により、供給所(F)からチャネル(CH)までコア(1)が進む。ベルト(4,5)の対向部(41,51)間のコア(1)の前進は、“A”方向に動くベルト(4,5)のこのような対向部とコア(1)との接触によるものである。例えば、コア(1)がベルト(4,5)間にある際は、コア(1)が“A”方向に沿って移動されるように、前記ベルト(4,5)は同じ速度で動く。
【0027】
第一接着剤分配手段(G1)は、接着剤を含むタンク(6)と、前記タンク(6)に接続された一連のノズル(60)とを含む。
【0028】
同様に、第二接着剤分配手段(G2)は、接着剤を含むタンク(7)と、それぞれのタンク(7)に接続された一連のノズル(70)とを含む。
【0029】
第二ノズル(70)は、コアの進行方向(A)に関して第一ノズル(60)の下流にある。
【0030】
第一の一連のノズル(60)は、前記方向(A)に垂直な方向(t)に沿って配列されている。同様に、第二の一連のノズル(70)は、コア(1)の方向(A)に垂直な方向(s)に沿って配列されている。よって、第一及び第二の一連のノズル(60,70)は、互いに平行な2方向(t、s)に沿って配列されている。
【0031】
前記ノズル(60,70)のそれぞれの下流には、対応するフォトセル(61,62)が配置される。特に、第一フォトセル(61)は、第一ノズル(60)と第二ノズル(70)の間に位置する。
【0032】
第一の一連のノズル(60)のそれぞれの下流側には、水平軸を有する電動式車輪(62)が配置され、該車輪の直径は、ベルト(4,5)の対向部(41,51)間を通過するコア(1)が車輪と接触するように設定される。言い換えると、車輪(62)の下部象限(620)は、上部ベルト(4)の水平な下部(41)よりもわずかに下にある。前記車輪(62)の軸は、前述した方向(t)及び(s)に平行な方向に沿って配列されている。
【0033】
第二の一連のノズル(70)のそれぞれの上流側には、水平軸を有する電動式車輪(72)が配置され、該車輪の直径は、ベルト(4,5)の対向部(41,51)間を通過するコア(1)が車輪と接触するように設定される。言い換えると、車輪(72)の上部象限(720)は、下部ベルト(5)の水平な上部(51)よりもわずかに上にある。前記車輪(72)の軸もまた、前述した方向(t)及び(s)に平行な方向に沿って配列されている。
【0034】
図面に示した如く、第一の一連のノズル(60)の下流側に配置された車輪(62)は、上部ベルト(4)との間にそれぞれの軸に配置されており、一方、第二の一連のノズル(70)の上流側に配置された車輪(72)は、下部ベルト(5)との間にそれぞれの軸に配置されている。
【0035】
フィーダー(RF)は、下部ベルト(5)の後部滑車(50)の軸と一致するそれぞれの水平軸の周りを回転するように作られた、既知の本体からなる。
【0036】
上述の装置は、接着されるコア(1)を排出するための装置(CU)をも含む。そのような装置は既知であり、下部ベルト(5)の前部滑車(50)の軸と一致する軸に配置されており、フィーダー(FR)と一致する。
【0037】
上述の装置の操作は下記の通りである。フィーダー(RF)は貯蔵所(S)からコア(1)を取り、コアをベルト(4,5)の対向部(41,51)の間に導入する。該ベルトは矢印(A)に示したように動き、コア(1)を同じ方向(A)に沿って前進せしめる(
図3)。
【0038】
図4に示した如く、コア(1)が対応する第一組のノズル(60)に到達した時、前進しながら、同じノズル(60)から所定量の接着剤を受ける。第一の一連のノズル(60)により配られた接着剤は、いわゆるフラップ閉鎖操作の実行、すなわち、形成中のログ(RO)の最後のシートを、下のシートに付着させることを意図する。
【0039】
その後、
図5及び
図6に示した如く、コア(1)は、進行方向(A)とは逆方向に上部ベルト(4)の間に挿入されたがベルト(4,5)と同じ周速度を有する車輪(62)の所定の大きさの角度での回転を(図示していない制御装置を介して)制御する光電セル(61)の光軸を遮る。このように、車輪(62)がコア(1)と接触する為、コア(1)の前進は一時的に中断されるが、同じコア(1)はその長手方向軸周りに回転する。例えば、車輪(62)は、車輪(62)の軸に作用するエンコーダにより、120°に等しい角度で回転するように制御することが可能である。
【0040】
従って、ノズル(60)の下に必ず形成される接着剤フィラメントと共にノズル(60)によりコア(1)に塗布された接着剤(G6)は、前記方向(A)に関して下流側に配向せしめられる。言い換えれば、接着剤(G6)及びノズル(60)の下に形成されるフィラメントは、第二の一連のノズル(70)が別の接着剤を塗布する地点(P7)に向かうラインに従って整えられる。接着剤(G6)の前記ラインは、第一の一連のノズル(60)が接着剤を配った地点(P6)から開始する。車輪(62)との接触の結果として、コア(1)の回転が進行方向(A)とは逆であることを特に言及する。
【0041】
その後、車輪(61)はコア(1)を離し、該コア(1)は所定量の接着剤を地点(P7)に塗布する対応する第二の一連のノズル(70)(
図7)に向かってその前進(A)を継続する。
【0042】
その後、
図8及び
図9に示した如く、前の行程と同様、コア(1)は、進行方向(A)とは逆方向に下部ベルト(5)の間に挿入されたがベルト(4,5)と同じ周速度を有する車輪(72)の回転を制御するフォトセル(71)の光軸を遮る。それによって、車輪(72)がコア(1)と接触する為、コア(1)の前進は一時的に中断されるが、同じコア(1)はその長手方向軸周りに回転する。
【0043】
よって、ノズル(70)によりコア(1)上に塗布された接着剤(G7)及び接着剤フィラメントは、前記方向(A)に関して上流側に配向せしめられる。すなわち、接着剤(G7)及びフィラメントは、第一の一連のノズル(60)が接着剤(G6)を塗布した地点(P6)に向けられた接着ラインに沿って整えられる。車輪(72)との接触により、コア(1)の回転はコア(1)の進行方向(A)と一致する。
【0044】
その後、車輪(71)はコア(1)を離し、それにより、該コア(1)は、表面(3)及びロール(R4)により区切られたチャネル(CH)に導く排出装置(CU)に向かって自在に動く。
【0045】
車輪(72)の回転もまた、同一の軸上に載置されたエンコーダにより制御されており、該回転は、チャネル(CH)内で且つシート(2)が破かれる地点でより正確に、前述の接着剤(G6)及び(G7)のラインの間でそれぞれの分離ラインが生じるように選択された角度の幅を有する。例えば、車輪(72)の回転は、70°の回転である。
【0046】
図13を参照し、地点(P6)及び(P7)によりコア(1)の断面の角度領域(AS)が定められ、該コア(1)の角度の幅は、180°未満であり、接着剤ライン(G6)及び(G7)の末尾が互いに向けて配向されることが分かる。
【0047】
チャネル(CH)の内部で、コア(1)はペーパーウェブ(2)と接触し、ローラ(R4)が矢印“F4”により示されるように回転する為、該コアは同じチャネル(CH)に沿って回転せしめられる。第一の一連のノズル(60)により塗布された接着剤(G6)は事前切り込みラインの上流でウェブ(2)を湿し、同時に第二の一連のノズル(70)により塗布された接着剤(G7)は同じ事前切り込みラインの下流でウェブ(2)を湿す。
【0048】
従って、後述する如く、ウェブ(2)が対応する事前切り込みラインで破かれる際に、形成中のログ(RO)の最後のシートの端部に接着剤(G6)をもたらし、同時に接着剤(G7)によりコア(1)上に形成される新たなログの最初のシートをコア(1)に付着することができる。
【0049】
例えば、圧縮空気を出すように意図され、その被覆物が穿孔されているローラ(R4)に挿入されたノズル(U4)により、前記事前切り込みラインでのウェブ(2)の中断を決定するこ
とができる。このタイプの装置は特許文献2に記載されている。
【0050】
既知の方法で、ローラ(R5)及び(R6)を作動させる、ログ(RO)を形成するための場所において、ウェブ(2)をコア(1)上に巻き取る。該巻き取りは、第二の一連のノズル(70)により塗布された接着剤(G7)によりコア(1)上にウェブ(2)を付着することで開始し、第一の一連のノズル(60)により塗布された接着剤(G6)により形成中のログ(RO)の最後のシートを下のシートに付着させることで終了する。
【0051】
本発明により、コア(1)にペーパーウェブ(2)を付着させる予定の接着剤ライン(G7)に向かって接着剤ラインを形成することにより、いわゆるフラップ閉鎖に予定された接着剤(G6)がコア(1)上に分散され、同時に接着剤ライン(G7)は接着剤ライン(G6)に向けて配向される。よって、望まれない地点では接着剤を示さない、より良い最終製品が得られる。
【0052】
従って、本発明に係る方法は、下記工程を含む:
・所定の進行方向(A)に沿って次々とさらなる管状コア(1)を供給する工程;
・前記コア(1)のそれぞれに第一ポイント(P6)及び第二ポイント(P7)において所定量の接着剤を塗布する工程;
・該第一ポイント(P6)に塗布された接着剤(G6)を該第二ポイント(P7)に向け且つ前記進行方向(A)に沿って配向する工程;
・該第二ポイント(P7)に塗布された接着剤(G7)を該第一ポイント(P6)に向け且つ前記方向(A)に対し逆方向に沿って配向する工程。
【0053】
前述の例において、前記第一及び第二ポイント(P6;P7)でコア(1)と接触し、コア(1)を前記進行方向(A)とは逆方向にその長手方向軸の周りに回転せしめ、その後、前記進行方向に従い回転せしめる手段(62,72)により、接着剤(G6)及び(G7)の配向が得られる。
【0054】
従って、第一ポイント(P6)で塗布された接着剤(G6)は進行方向(A)に沿って配向され、第二ポイント(P7)で塗布された接着剤(G7)は進行方向(A)に関して逆方向に配向される。
【0055】
さらに、前記手段(62,72)はコアの進行方向(A)に沿って配置される。
【0056】
加えて、前述の例により、ベルト(4,5)を用いてコア(1)を前進せしめる。しかしながら、他のいかなるコア前進手段も提供できると解される。
【0057】
さらに、添付図面がベルト(4,5)間に一つのコア(1)のみを表示していても、いつでも複数のコア(1)を接着経路に沿ってもたらすことができる。