(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0010】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、
図1、
図2、
図4、
図7、
図10及び
図11を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。
図4は、遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。
図7は、遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図10は、ラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と大当り遊技開始時の演出表示との第一の関係を示すタイミングチャートである。
図11は、ラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と大当り遊技開始時の演出表示との第二の関係を示すタイミングチャートである。
【0011】
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であって、大当り抽選手段と、図柄表示制御手段と、遊技制御手段と、を備える。
大当り抽選手段は、始動口(第1始動口57又は第2始動口59)への遊技球の入賞を契機として大当りの当否抽選を行う。本実施形態における大当り抽選手段は、例えば、当否判定部122によって実現される。当否判定部122は、後述するように、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1又は第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2が当選か否かを判定する。
【0012】
図柄表示制御手段は、大当り抽選手段による当否抽選の結果に基づいて選択された特別図柄を変動表示し停止表示する特別図柄変動ゲームを実行させる。本実施形態における図柄表示制御手段は、例えば、図柄表示制御部150によって実現される。
ここで「特別図柄」とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。
また「特別図柄変動ゲーム」とは、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92)を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを意味する。
【0013】
遊技制御手段は、停止表示された特別図柄が大当りの当選を示す場合に、その特別図柄の停止表示後、所定条件の成立を契機に、大当り遊技を開始させる。本実施形態における遊技制御手段は、例えば、大当り制御部141によって実現される。
ここで「大当り遊技」とは、後述する特別電動役物65を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。
「特別電動役物を連続して作動」とは、ラウンド遊技の回数(ラウンド数)が複数回であることをいう。
「大当り遊技を開始させる」とは、特別電動役物65の連続作動の開始を意味する。
【0014】
大当り遊技の開始の契機とされる所定条件の具体的内容は制限されない。その所定条件の一例として、遊技球の所定領域の通過が例示できる。当該所定領域は、遊技球が転動する遊技領域50a内の一部の領域であればよい。これにより、遊技者は、遊技球を所定領域に通過させなければ、大当り遊技を開始することができないため、大当り遊技の開始時の遊技性を高め、遊技者の興趣を喚起することができる。
但し、当該所定条件はこのような例に限定されない。例えば、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後から所定時間の経過が当該所定条件とされてもよいし、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後の遊技者の所定操作(プッシュボタン37の押下)の検出が当該所定条件とされてもよい。
【0015】
加えて、遊技機10には、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後の上記所定条件が成立し得ない成立不可能期間が設けられている。例えば、所定条件が遊技球の所定領域の通過である場合に、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後におけるその成立不可能期間内に遊技球がその所定領域に通過したとしても、当該所定条件の成立とはみなされない。この成立不可能期間の間は、大当り遊技開始の契機となる所定条件が成立し得ないため、言うまでもなく、成立不可能期間は、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後から大入賞口55の開放(特別電動役物65の連続作動の開始)までの期間よりも短くなる。
このような成立不可能期間を設けることにより、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後から大当り遊技が開始されるまでの間の制御の自由度を上げることができる。本実施形態では、当該所定条件が遊技球の特定ゲート64の通過とされているため、成立不可能期間の一例としてゲート無効期間が設けられている。
大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後、大当り遊技が開始されるまでの間に、遊技機10は、大当り遊技のタイトル表示や大当り遊技の説明表示などの各種オープニング演出を実行することができる(
図10参照)。
【0016】
遊技機10では、通常遊技状態での大当りの当選の場合の成立不可能期間が、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態での大当りの当選の場合の成立不可能期間よりも長くなっている(
図10と
図11とのゲート無効期間を比較)。
ここで「大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態」とは、確変状態、変短状態などのような大当り遊技後に付与される、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態を意味する。
通常遊技状態での大当りの当選は、遊技者にとって初当りである可能性がある。一方で、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態での大当りの当選は、その遊技者にとって二回目以降の大当り当選(いわゆる連荘中)であることが想定される。
また、成立不可能期間の長さは、大当りの当選を示す特別図柄の停止表示後から大当り遊技が開始されるまでの間の長さに影響を与える。
【0017】
従って、遊技機10によれば、遊技者にとって初当りとなる可能性がある大当りの当選時には、特別図柄の停止表示後から大当り遊技開始までの時間を長くとることで、大当り遊技の遊技性を十分に報知することができる。逆に、2回目以降の大当りの当選時には、特別図柄の停止表示後から大当り遊技開始までの時間を短くして早めに大当り遊技を開始させることで、遊技者にとって冗長な時間を省き、遊技者の興趣が低下するのを防ぐことができる。即ち、大当り遊技の興趣を高めることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
【0018】
<遊技機10の構造について>
図1から
図4を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図5は、メイン表示部81を示す図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0019】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0020】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0021】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0022】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0023】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0024】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯され得る。
【0025】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。
【0026】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を第二表示領域812に表示することができ、大当り遊技に係る演出など更に他の各種の演出も表示することができる。
第二表示領域812に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで「奥行き方向」とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0027】
メイン表示部81は、いわゆる保留玉を第一表示領域811に表示することができる。保留玉が表示される第一表示領域811と、演出図柄が表示される第二表示領域812とは、離間してもよいし重複してもよい。ここで「保留玉」とは、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を模した画像である。保留玉は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
【0028】
上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、特定の演出の実行時に移動しうる。それぞれの原位置はメイン表示部81を基準として上側、左側又は右側であり、これらの原位置からメイン表示部81における演出図柄の表示領域に重なる位置まで上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は移動しうる。
【0029】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用しうる。
【0030】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
本実施形態における図柄表示装置90には、
図2に示されるように、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92及び普通図柄表示装置93が含まれる。本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0031】
ここで「特別図柄」とは上述したとおりであり、本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
【0032】
ここで「普通図柄」とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
【0033】
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」又は「特別図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン表示部81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
【0034】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52は、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものである。
【0035】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0036】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、普通ゲート63、役物連続作動装置作動ゲート(以降、特定ゲートと表記)64、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更可能である。
【0037】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1の検知に応じて第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0038】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2の検知を契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0039】
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易となる開放状態又は入球が困難となる閉鎖状態に遷移可能な部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。このため、第2始動口59は、通常遊技状態よりも変短状態のほうが入賞容易な入賞口であると呼ぶことができる。普通電動役物61の具体的形状については何ら制限されない。また、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
【0040】
普通ゲート63は、第2始動口59の上方右側に配置されている。普通ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW41が配設されている。遊技球の通過がカウントスイッチSW41で検知された場合の少なくとも一部において、普通図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
特定ゲート64は、普通ゲート63の下方右側に配置されている。特定ゲート64の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW42が配設されている。遊技球の通過がカウントスイッチSW42で検知された場合の少なくとも一部において、後述するラウンド数選択を実行する抽選条件が成立する。
カウントスイッチSW41及びSW42による遊技球の通過検知は、賞球の払出条件とされてもよいし、されなくてもよい。
また、普通ゲート63又は特定ゲート64は、通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよいし、そうでなくてもよい。普通ゲート63又は特定ゲート64を通過することも、本明細書では「入球」と称する場合がある。
【0041】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7の検知を契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易となる開放状態又は入球が困難となる閉鎖状態に遷移可能な部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。特別電動役物65の具体的形状については何ら制限されない。
【0042】
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0043】
普通入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0044】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0045】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0046】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図6又は
図7を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した
図1から
図5に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図6は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図6又は
図7で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0047】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図6では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図6に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0048】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0049】
図7には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
【0050】
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確率変動(確変)状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄を変動表示させると共に、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0051】
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0052】
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、特図保留制御部121と、当否判定部122と、特図選択部123と、リーチ抽選部124と、変動パターン決定部125と、を有する。
【0053】
特図保留制御部121は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。具体的には、特図保留制御部121は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時には、特図保留制御部121は、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。なお、乱数M1及び乱数M2は、当否判定部122による判定に用いられる。
【0054】
特図保留制御部121は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部121の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留玉を、演出表示装置80に表示させてもよい。
【0055】
当否判定部122は、特別図柄に係る図柄変動ゲーム又は大当り遊技が実行中でないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出し、その乱数M1又は乱数M2が当選か否かを判定する。このとき、当否判定部122は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部122は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
【0056】
特図選択部123は、当否判定部122による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。具体的には、特図選択部123は、当否判定部122によって乱数M1が当選と判定された場合、乱数抽選を行うことによって、当選を示す第1特別図柄(以降、第1当選特図と表記する場合もある)を選択し、乱数M2が当選と判定された場合、当選を示す第2特別図柄(以降、第2当選特図と表記する場合もある)を選択する。以降、第1当選特図及び第2当選特図を当選特図と総称する場合もある。一方、当否判定部122によって落選が判定された場合、特図選択部123は、ハズレを示す第1特別図柄又は第2特別図柄(ハズレ図柄)を決定する。
特図選択部123により選択された第1特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示され、特図選択部123により選択された第2特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
【0057】
第1当選特図及び第2当選特図はそれぞれ複数とおり予め用意されている。特図選択部123は、このような複数とおりの当選特図の中から、乱数抽選によって一つの当選特図を選択する。
また、本実施形態では、当選特図は確変特図と非確変特図とに大別される。「確変特図」とは、その当選特図が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態が付与され得る当選特図であり、「非確変特図」とは、当該確変状態が付与され得ない当選特図である。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域の遊技球の通過が確変状態付与の要件に含まれる場合、「確変特図」は、Vゾーン通過を許容する状態となり得る当選特図であり、「非確変特図」は、Vゾーン通過を許容しない状態となり得る当選特図である。確変特図及び非確変特図の各々についても予め複数とおり用意される。
【0058】
リーチ抽選部124は、当否判定部122によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここで「リーチ演出」とは、メイン表示部81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である状態に行われる演出をいう。なお、当該状態について、本実施形態においてはリーチ状態と称する場合がある。
なお、当否判定部122によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部122によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部124による抽選が行われずとも、当該図柄変動ゲームの実行中には原則としてメイン表示部81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
【0059】
変動パターン決定部125は、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部125によって決定される変動パターン(変動時間情報)は、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲーム(遊技)の実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部125によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
【0060】
また、変動パターン決定部125によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部125は、リーチ抽選部124によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
【0061】
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
【0062】
普図保留制御部131は、普通ゲート63に遊技球が入球した時に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
【0063】
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっていてもよい。
【0064】
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
【0065】
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
【0066】
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、ラウンド数選択部145と、カウント部146と、を有している。
【0067】
大当り遊技の定義については上述したとおりである。以降、大当り遊技のうち、乱数M1が当選と判定された場合に実行され得る、言い換えれば第1始動口57の入賞を契機として実行され得る大当り遊技を特
図1大当り遊技と表記し、乱数M2が当選と判定された場合に実行され得る、言い換えれば第2始動口59の入賞を契機として実行され得る大当り遊技を特
図2大当り遊技と表記する場合もある。
ここで「確率変動状態(確変状態)」とは、当否判定部122による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態を意味する。
ここで「変短状態」とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
遊技状態制御部140により制御される遊技状態のうち、確変状態、変短状態のように、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態が「有利遊技状態」と表記される。
【0068】
確変制御部143は、確変特図が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、いわゆるVゾーンへの遊技球の通過を条件として確変状態が付与されてもよい。
【0069】
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
【0070】
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
【0071】
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
【0072】
カウント部146は、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態の終了後からの特別図柄変動ゲームの実行回数をカウントする。例えば、カウント部146は、特図遊技制御部120から送られる情報(特図情報など)に基づいて、特別図柄変動ゲームの実行を知ることができ、確変制御部143又は変短制御部144から確変状態又は変短状態の解除の通知を受けることで、有利遊技状態である確変状態又は変短状態の終了を知ることができる。本実施形態では、カウント部146は、大当り遊技終了後に付与される変短状態の終了後からの特別図柄変動ゲームの実行回数をカウントする。更に、カウント部146は、大当り遊技終了後に確変状態が付与された場合には、新たな大当り当選以外を契機とした確変状態の終了からの特別図柄変動ゲームの実行回数をカウントする。
【0073】
ラウンド数選択部145は、大当り遊技中のラウンド遊技の回数(ラウンド数)を選択する。例えば、ラウンド数選択部145は、当選特図が停止表示された後、遊技球の所定領域の通過の検出(遊技球が特定ゲート64を通過したことの検知)を契機に、
図8の例のように予め定められた複数のラウンド数候補の中から、乱数抽選により一つのラウンド数を選択する(ラウンド数選択)。但し、ラウンド数が一意に決められる当選特図タイプ(
図8の例の特
図A、特図a、特図b、特図d及び特図e)が特図選択部123により選択されている場合には、ラウンド数選択部145は、乱数抽選を行うことなく、その当選特図のタイプに応じて一意にラウンド数を決定することができる。以降、このように当選特図のタイプに応じて一意にラウンド数を決定することを含めてラウンド数選択と表記することとする。
【0074】
図8は、当選を示す特別図柄(当選特図)とラウンド数候補との組合せの例を示す図である。
本実施形態では、
図8に示されるように、特図選択部123により選択される第1当選特図は、特
図A、特
図B及び特
図Cの3つの当選特図タイプに分類され、特
図A及び特
図Bが確変特図であり、特
図Cが非確変特図である。第2当選特図は、特図a、特図b、特図c、特図d及び特図eの5つの当選特図タイプに分類され、特図a、特図b、特図c及び特図dが確変特図であり、特図eが非確変特図である。
更に、本実施形態では、当選特図のタイプごとに、選択され得るラウンド数候補が予め決められている。具体的には、特
図Aが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の16回であり、特
図B又は特
図Cが選択されている場合、ラウンド数候補は12回、8回及び4回の3つである。また、特図a及び特図bが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の16回であり、特図cが選択されている場合、ラウンド数候補は16回、12回、8回及び4回の4つであり、特図dが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の4回であり、特図eが選択されている場合、ラウンド数候補は唯一の4回である。
図8に示されるラウンド数は、実質的に大入賞口への入賞を許容するラウンド遊技の回数であってもよい。この場合、ラウンド数選択部145は、
図8に示されるラウンド数とは異なる(それよりも多い)ラウンド数を選択し、大当り制御部141が実質的に
図8に示されるラウンド数となるようにラウンド遊技時間などの情報を特別電役制御部142に伝送してもよい。
【0075】
本実施形態では、特図選択部123及びラウンド数選択部145による乱数抽選は、平均として、
図8に示される「割合」となるように、調整されている。
具体的には、当否判定部122によって乱数M1が当選と判定された場合の特図選択部123による乱数抽選は、平均として、4%の割合で特
図Aのタイプに属する第1当選特図が選択され、46%の割合で特
図Bのタイプに属する第1当選特図が選択され、50%の割合で特
図Cのタイプに属する第1当選特図が選択されるように調整されている。言い換えれば、特図選択部123による第1当選特図の乱数抽選は、平均として、50%の割合で確変特図(特
図A及び特
図B)が選択され、50%の割合で非確変特図(特
図C)が選択されるように調整されている。
更に、特図選択部123により特
図Bが選択されている場合、ラウンド数選択部145による乱数抽選は、14.5/46×100(%)の割合で12回が選択され、22.5/46×100(%)の割合で8回が選択され、9/46×100(%)の割合で4回が選択されるように調整されている。特図選択部123により特
図Cが選択されている場合には、6.5/50×100(%)の割合で12回が選択され、22.5/50×100(%)の割合で8回が選択され、21/50×100(%)の割合で4回が選択されるように調整されている。
また、当否判定部122によって乱数M2が当選と判定された場合の特図選択部123による乱数抽選は、平均として、47%の割合で特図aのタイプに属する第2当選特図が選択され、1%の割合で特図bのタイプに属する第2当選特図が選択され、16%の割合で特図cのタイプに属する第2当選特図が選択され、1%の割合で特図dのタイプに属する第2当選特図が選択され、35%の割合で特図eのタイプに属する第2当選特図が選択されるように調整されている。言い換えれば、特図選択部123による第2当選特図の乱数抽選は、平均として、65%の割合で確変特図(特図a、特図b、特図c及び特図d)が選択され、35%の割合で非確変特図(特図e)が選択されるように調整されている。
【0076】
このように、
図8の例では、特
図1大当り遊技には、大当り遊技終了後に確変が付与されるか否かと大当り遊技中のラウンド数との組合せが相互に異なる複数種の大当り遊技が設けられている。本実施形態では、確変が付与されるか否かは特図選択部123により選択されているが、最終的に大当り遊技中のラウンド数はラウンド数選択部145により選択されるため、ラウンド数選択部145は、大当り遊技中のラウンド遊技の回数が相互に異なる複数種の大当り遊技の中から一種の大当り遊技を選択する遊技選択手段と呼ぶことができる。
以降、ラウンド数選択部145が選択するものを「ラウンド数」と表記する場合もあるし、「一種の大当り遊技」と表記する場合もある。
【0077】
加えて、特
図Bが選択された場合と特
図Cが選択された場合とのラウンド数候補は、12回、8回及び4回で共通化されている。このため、12回、8回及び4回のラウンド数を持つ各大当り遊技には、確変が付与され得る大当り遊技と確変が付与され得ない大当り遊技とがそれぞれ存在し、それらの発現割合が、12回、8回及び4回のラウンド数を持つ各大当り遊技で相互に異なるように調整されている。具体的には、12回のラウンド数を持つ大当り遊技のうち確変が付与され得る大当り遊技が約70(=14.5/21×100)%の割合で発現し、8回のラウンド数を持つ大当り遊技のうち確変が付与され得る大当り遊技が50(=22.5/45×100)%の割合で発現し、4回のラウンド数を持つ大当り遊技のうち確変が付与され得る大当り遊技が30(=9/30×100)%の割合で発現するように調整されている。
【0078】
この発現割合は、遊技者が定められたように遊技を行った場合に確変状態となる可能性の高さを示しており、各大当り遊技における確変状態となる期待度(確変期待度)と呼ぶことができる。このため、本実施形態では、選択候補となる複数種の大当り遊技に、相互に異なる確変期待度がそれぞれ対応付けられている複数種の大当り遊技が含まれているといえる。ラウンド数選択部145は、大当り遊技が実行される場合に、大当り遊技中のラウンド遊技の回数が相互に異なる複数種の大当り遊技であって、大当り遊技終了後に確変状態となる期待度がそれぞれ対応付けられた複数種の大当り遊技の中から一種の大当り遊技を選択する遊技選択手段と呼ぶこともできる。
また、本実施形態では、上述したように、特
図2大当り遊技における確変期待度(特図a、特図b、特図c及び特図dの発現割合)は65%であるのに対して、特
図1大当り遊技には、約70%の確変期待度に対応付けられた大当り遊技(特
図Bのラウンド数12回)が設けられている。これは、第1始動口57の入賞を契機として実行され得る大当り遊技で、相互に異なるラウンド数又は獲得可能賞球数が対応付けられ、選択候補となる複数種の大当り遊技には、通常遊技状態よりも変短状態の方が入賞容易な第2始動口59への遊技球の入賞を契機として実行され得る大当り遊技において確変状態となる期待度より高い期待度が対応付けられた大当り遊技を含むと言い換えることができる。
本実施形態では、特
図1大当り遊技にこのような確変期待度が高い大当り遊技を設けることで、大当り遊技に対する遊技者の高揚感を一層高めることができる。
更に、本実施形態では、上述したように、多いラウンド数又は獲得可能賞球数が対応付けられている大当り遊技ほど、確変期待度が高くなるように、調整されている複数種の大当り遊技が設けられている。これにより、ラウンド数又は獲得可能賞球数から確変期待度の高さを遊技者に容易に連想させることができ、大当り遊技時の遊技者の高揚感を一層高めることができる。
【0079】
大当り制御部141は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に当選特図が停止表示された場合、その当選特図の停止表示後、所定条件の成立を契機に、大当り遊技に関する制御を実行し、大当り遊技を開始させる。本実施形態における大当り遊技に関する制御は、具体的には以下のように実行される。
当否判定部122によって当選が判定された場合、大当り制御部141は、特図選択部123により選択された当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後、所定条件の成立を契機に、ラウンド数選択部145にこれから開始する大当り遊技に関するラウンド数選択を実行させ、選ばれたラウンド数を有する大当り遊技を開始させる。
ここでの「大当り遊技の開始」とは、特別電動役物65の連続作動の開始を意味し、具体的には、当選特図の停止表示後、はじめて特別電動役物65を開放状態に遷移させることを意味する。
【0080】
本実施形態では、遊技球が特定ゲート64を通過することが当該所定条件とされる。本実施形態では、遊技球の特定ゲート64の通過は、カウントスイッチSW42により検知することができる。即ち、カウントスイッチSW42は遊技球の所定領域の通過を検出する検出手段と呼ぶことができる。
加えて、本実施形態では、上述したとおり、当選特図の停止表示後の当該所定条件が成立し得ない成立不可能期間が設けられている。本実施形態では、当該所定条件が遊技球の特定ゲート64の通過であるため、その成立不可能期間はゲート無効期間と呼ぶことができる。つまり、ゲート無効期間内に遊技球が特定ゲート64を通過したとしても、当該所定条件の成立とはみなされない。
本実施形態では、通常遊技状態における当選特図の停止表示時のゲート無効期間が、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態における当選特図の停止表示時のゲート無効期間よりも長くなっている。
これにより、通常遊技状態での大当りの当選は遊技者にとって初当りの可能性があるため、ゲート無効期間を長くし大当り遊技開始までの時間を長くとることで、大当り遊技の遊技性を十分に報知することができる。逆に、そうでない場合には、ゲート無効期間を短くし大当り遊技開始までの時間を短くして早めに大当り遊技を開始させることで、遊技者にとって冗長な時間を省き、遊技者の興趣が低下するのを防ぐことができる。
【0081】
更に、通常遊技状態での大当りの当選の場合であっても、有利遊技状態の終了後から特別図柄変動ゲームの実行回数(カウント部146によりカウント)が所定回数以内の大当りの当選の場合の成立不可能期間が、その所定回数超過後の通常遊技状態での大当りの当選の場合の成立不可能期間よりも短くされていてもよい。
通常遊技状態での大当りの当選の場合であっても、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態(確変状態、変短状態など)の終了後の場合には、遊技者にとって初当りではなく、二回目以降の大当り当選(いわゆる連荘中)となることが想定される。このため、上述の所定回数は、例えば、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態の終了後で遊技者が遊技を継続する可能性の高い回数に設定される。
このようにすることで、通常遊技状態での大当りの当選の場合であっても二回目以降の大当り当選(いわゆる連荘中)であることを正確に捉えることができ、大当り遊技開始までの時間を短くすることができ、ひいては、遊技者にとって冗長な時間を省き、早めに大当り遊技を開始させることで、遊技者の興趣が低下するのを防ぐことができる。
【0082】
大当り遊技に関する制御として、大当り制御部141は、大当り遊技のオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。
本実施形態におけるオープニング演出には、大当り遊技のタイトル表示、大当り遊技の説明、ラウンド数候補のパネル表示、ラウンド数候補の選択予告表示、操作誘導表示、選択ラウンド数のパネル表示などが含まれる。これらオープニング演出の詳細については後述する。
大当り制御部141は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数(ラウンド回数)を少なくとも含むコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力することで、当該選択ラウンド数のパネル表示に係る演出を演出制御部210に実行させることができる。
なお、上述のようなオープニング演出はあくまで例示であり、オープニング演出の内容は制限されない。
【0083】
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数(ラウンド回数)、ラウンド遊技時間、インターバル時間などを含む制御情報を特別電役制御部142に伝送することで、特別電動役物65の連続作動を開始させる。
また、大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力することで、演出制御部210にコマンドに従ったラウンド演出を実行させる。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は、情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
演出制御部210は、このように大当り遊技に関する演出を実行する演出制御手段と呼ぶことができる。演出制御部210による大当り遊技に関する演出の詳細については後述される。
【0084】
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65を開放状態に遷移させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
このようにして、オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、特別電動役物65が所定回数(例えば1回)開放される。また、特別電動役物65の開放により大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、又は特別電動役物65の開放が規定時間(ラウンド遊技時間)継続された後に、特別電動役物65が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、特別電動役物65が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び特別電動役物65が開放される。
【0085】
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
【0086】
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
【0087】
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで「予告演出」とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、演出表示装置80に報知させる。
演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は連続演出と称される予告演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで「連続演出」とは、数回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)にわたって連続性を有する演出である。また、ここで「擬似連演出」とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において複数回の変動サイクルを含める演出である。
【0088】
<大当り遊技時の演出表示について>
以下、本実施形態における大当り遊技時の演出表示について
図9を用いて説明する。
図9は、特
図1大当り遊技開始時の演出表示の流れを示す図である。
演出制御部210は、当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後、第二表示領域812に出力させている演出図柄群の変動表示を、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せで確定停止させる。これにより、大当り遊技に当選したことが遊技者に報知される。その後、演出制御部210は、大当り遊技のオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して受信し、大当り遊技のオープニング演出に係る表示をメイン表示部81に出力する。
【0089】
まず、特
図1大当り遊技開始時のオープニング演出に係る表示について説明する。
演出制御部210は、オープニング演出に係る表示として、まず、大当り遊技のタイトル表示を出力し、続いて大当り遊技の説明表示を出力する。
【0090】
その後、演出制御部210は、
図9に示されるように、ラウンド数候補(複数種の大当り遊技)のパネル表示を選択候補ごとに順次出力する。本実施形態では、特
図1大当り遊技のラウンド数候補は16回、12回、8回及び4回の4つ設けられているため(
図8参照)、各ラウンド数候補に対応する4つのパネル表示がメイン表示部81に順次出力される。
図9の例では、パネル表示PN1がラウンド数16回に対応する表示であり、パネル表示PN2がラウンド数12回に対応する表示であり、パネル表示PN3がラウンド数8回に対応する表示であり、パネル表示PN4がラウンド数4回に対応する表示である。
各ラウンド数候補のパネル表示には、各候補に対応する大当り遊技中のラウンド遊技の回数又は各候補に対応する大当り遊技中の大入賞口55への入賞による獲得可能賞球数が示されていることが好ましい。
図9の例では、各パネル表示PN1、PN2、PN3及びPN4には、ラウンド数ではなく獲得可能賞球数(具体的には許容差球数)が示されている。
このようなパネル表示により、これから開始され得る複数種の大当り遊技のそれぞれについて、遊技者が受け得る特典の大きさを遊技者に知らせることができる。
【0091】
また、各ラウンド数候補のパネル表示には、上述のラウンド数又は獲得可能賞球数に替え又はそれに加えて、各候補に対応する確変期待度が示されてもよい。本実施形態では、上述したとおり、特
図1大当り遊技の各ラウンド数候補16回、12回、8回及び4回にはそれぞれ100%、70%、50%及び30%の確変期待度が対応付けられている(
図8参照)。
図9の例では、各パネル表示PN1、PN2、PN3及びPN4には、許容差球数(上側)及び確変期待度(下側)がそれぞれ示されている。なお、パネル表示PN1における確変期待度「MAX」は期待度100%を意味している。
このように、ラウンド数候補のパネル表示が候補ごとに順次出力されることで、遊技者は、これから開始される可能性のある大当り遊技にはいくつか種類があることを把握し、その中のいずれか一つが実行され得ることを把握可能であるため、高揚感が増すことになる。
【0092】
演出制御部210は、全てのラウンド数候補のパネル表示を出力し終えると、ラウンド数候補の選択予告表示をメイン表示部81に出力する。ラウンド数候補の選択予告表示は、複数のラウンド数候補の中からこれから選択されることを動的に示す表示である。本実施形態では、全てのラウンド数候補のパネル表示を含みかつ各パネル表示が順次強調表示される態様で出力される。このような表示態様からラウンド数候補のルーレット表示RTと表記され得る。但し、ラウンド数候補の選択予告表示は、このような例に限定されない。例えば、ラウンド数候補の選択予告表示は、ラウンド数候補のパネル表示が候補ごとに順次切り替わる変動表示の態様で出力されてもよい。
【0093】
演出制御部210は、ラウンド数候補の選択予告表示の終了後又はその表示中に、操作誘導表示をメイン表示部81に出力する。この操作誘導表示は、ラウンド数選択部145によるラウンド数選択の契機とされる上述の所定条件の成立のために、遊技者に対する操作内容の誘導情報を含むことが好ましい。本実施形態では、遊技球の特定ゲート64の通過が当該所定条件とされるため、遊技球が特定ゲート64に向けて転動し易い第2流路Yを狙って操作ハンドル31を操作することを誘導する「右打ち」表示GDが操作誘導表示として出力される。但し、操作誘導表示はこのような例に限定されない。例えば、当選特図の停止表示後から所定時間の経過が当該所定条件とされる場合、操作誘導表示は、その所定時間待つことを促す表示であってもよい。また、プッシュボタン37の押下が当該所定条件とされる場合、操作誘導表示は、「プッシュボタンを押せ」といった表示であってもよい。
このように所定条件の成立に関する操作誘導表示を出力することによって、遊技者を大当り遊技の開始に誘導することができ、遊技性を向上させることができる。
当該所定条件が遊技者の操作に関連しない場合には、演出制御部210は、当選特図の停止表示後、当該所定条件が成立するまでの間に、当該所定条件に関する情報の報知演出を行えばよい。例えば、当該所定条件が当選特図の停止表示後からの所定時間の経過である場合には、演出制御部210は、所定時間の経過までをカウントダウンする演出を行ってもよい。このように所定条件が成立する前に所定条件に関する情報の報知演出を行うことで、大当り遊技が開始されるための条件を遊技者に把握させることができ、遊技者に安心して遊技を興趣させることができる。
【0094】
オープニング演出の最後として、演出制御部210は、選択ラウンド数のパネル表示をメイン表示部81に出力する。選択ラウンド数のパネル表示は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数を示す表示である。そのため、演出制御部210は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数を少なくとも含むコマンドを情報伝送部190を介して受信し、受信されたコマンドに含まれるラウンド数の情報に基づいて選択ラウンド数のパネル表示を出力する。
図9における選択ラウンド数のパネル表示STは、ラウンド数候補のルーレット表示RTにおいて、いずれか一つのラウンド数候補のパネル表示の強調表示が確定された状態の表示となっている。具体的には、当該パネル表示STは、ラウンド数16回が選択されたことを示す表示となっている。
このように、演出制御部210は、当選特図の停止表示後、所定条件の成立(遊技球の特定ゲート64の通過)を契機に、大当り遊技の内容を報知する演出を実行することが好ましい。演出により報知される大当り遊技の内容は、本実施形態のようにラウンド数や獲得可能賞球数であってもよいし、他の情報であってもよい。
【0095】
更に、演出制御部210は、オープニング演出において、選択された一種の大当り遊技(ラウンド数候補)に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数、及び確変期待度を当該パネル表示STにより報知した後、その大当り遊技の終了前に、確変状態となり得るか否かを報知する。この報知態様は制限されない。例えば、演出制御部210は、確変状態となり得るか否かを特定可能な表示を出力させる。
確変状態となり得るか否かの報知は、確変状態となること又は確変状態とならないことが確定されたか否かの報知と、条件付きで確変状態となるか又は完全に確変状態となり得ないかの報知とを含む。
本実施形態では、特図選択部123により選択された当選特図が確変特図か非確変特図かにより確変状態となるか否かが確定されるため、大当り制御部141は、オープニング演出に関するコマンドに確変状態となるか否かを示すフラグを含めて演出制御部210に送信することができる。この場合、演出制御部210は、オープニング演出を開始してから大当り遊技を終了させるまでの間に、確変状態となることが確定されたか否かを報知することができる。確変状態付与の条件として、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球することが求められている場合には、演出制御部210は、当該Vゾーンに遊技球が入球しないと確変状態となるか否かが確定しないため、大当り遊技の終了前に、確変状態となり得るか否か(条件付きで確変状態となるか完全に確変状態となり得ないか)を報知すればよい。
【0096】
このように、本実施形態では、演出制御部210は、大当り遊技開始時に、ラウンド数選択部145により選択された一種の大当り遊技のラウンド数又は獲得可能賞球数と共に、その一種の大当り遊技に対応付けられた確変期待度を報知する演出を行う。これにより、大当り遊技の開始時の遊技者の高揚感を高めることができると共に、大当り遊技の特典をいち早く把握できるため、腰を据えて大当り遊技を楽しむことができる。
更に、演出制御部210は、その報知演出後その大当り遊技の終了前に、確変状態となり得るか否かを報知する演出を行う。これにより、これから確変状態となることを期待している遊技者に対して、いち早く確変状態となり得るか否かの情報を与えることができ、遊技者の興趣を喚起することができる。
【0097】
また、演出制御部210は、
図9に示されるラウンド数候補のルーレット表示RT及び選択ラウンド数のパネル表示STのように、当選特図の停止表示後大当り遊技開始前に、選択され得る複数種の大当り遊技(複数のラウンド数候補)のそれぞれに対応するラウンド数又は獲得可能賞球数を報知しつつ、それら選択候補の中から一種の大当り遊技が選択されたことを報知する演出を実行する。これにより、これから開始される大当り遊技の特典が候補として提示されかつ特典が確定するまでの演出を見ることができるため、大当り遊技開始時の遊技者の高揚感を一層高めることができる。
【0098】
上述したとおり、本実施形態において大当り遊技を開始するには、ラウンド数選択部145によりラウンド数(一種の大当り遊技)が選択される必要があり、ラウンド数選択部145によるラウンド数選択は、所定条件の成立が必要となる。更に、本実施形態では、当選特図の停止表示後の当該所定条件が成立し得ない成立不可能期間として、ゲート無効期間が設けられる。これに対して、当該所定条件が成立し得る期間としてゲート有効期間が設けられる。本実施形態では、ゲート有効期間は、ゲート無効期間の終了後から所定条件の成立(遊技球の特定ゲート64の通過)までの間に設定される。但し、ゲート有効期間は、固定時間に制限されていてもよい。
【0099】
以下、ラウンド数選択部145によるラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と演出制御部210による演出表示との関係について、
図10及び
図11を用いて説明する。
図10は、ラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と大当り遊技開始時の演出表示との第一の関係を示すタイミングチャートであり、
図11は、ラウンド数選択の実行契機となる所定条件の成立と大当り遊技開始時の演出表示との第二の関係を示すタイミングチャートである。
【0100】
図10の例では、通常遊技状態における大当り当選時の大当り遊技開始時が示されており、ゲート無効期間は、当選特図の停止表示後、大当り遊技の当選を示す特定の演出図柄の組合せの確定停止から30秒間に設定されている。例えば、大当り制御部141は、オープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力するタイミングからゲート無効期間を開始させることができる。
一方で、演出制御部210は、そのコマンドを情報伝送部190を介して受信した後、そのゲート無効期間(30秒)の間に、上述したオープニング演出を実行する。具体的には、大当り遊技のタイトル表示を7秒出力し、大当り遊技の説明表示を10秒出力し、ラウンド数候補(複数種の大当り遊技)のパネル表示の個別出力(PN1、PN2、PN3及びPN4)を10秒出力し、ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力する。
このようにして、初当りの可能性の高い大当り当選時には、ゲート無効期間を長く(30秒に設定)することで、大当り遊技の説明表示及びラウンド数候補のパネル表示の個別出力に係る演出を行うことができ、遊技者に大当り遊技の遊技性を十分に報知することができる。
【0101】
ゲート無効期間が経過すると、演出制御部210は、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDを所定時間(3秒)出力する。結果、遊技者がこの出力に従うことで当該所定条件が成立し易くなる。本実施形態では、遊技球が特定ゲート64を通過し易くなる。
このときゲート有効期間となっているため、大当り制御部141は、カウントスイッチSW42からの信号により遊技球の特定ゲート64通過を検知すると、所定条件の成立と判断して、ラウンド数選択部145にラウンド抽選を実行させる。
演出制御部210は、そのラウンド抽選の結果として選択されたラウンド数の情報を含むコマンドを情報伝送部190を介して受信し、選択ラウンド数のパネル表示STを出力する。そのパネル表示STには、選択された一種の大当り遊技に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数及び確変期待度が示されている。
以降、演出制御部210は、ラウンド演出を実行する。また、そのとき、大当り制御部141は、その選択されたラウンド数などを含む制御情報を特別電役制御部142に伝送することで、特別電動役物65の連続作動を開始させる(大当り遊技を開始させる)。
ここで、演出制御部210は、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDの出力開始を、オープニング演出に関するコマンドを受信してから所定時間(30秒)経過で判断してもよいし、大当り制御部141から情報伝送部190を介して出力されるコマンドの受信で判断してもよい。いずれの方法においても、ゲート有効期間と操作誘導表示の出力タイミングとを同期させることができる。但し、ゲート有効期間と操作誘導表示の出力期間とは完全に一致している必要はなく、ゲート有効期間の少なくとも一部において操作誘導表示の出力がなされていればよい。
【0102】
図11の例では、通常遊技状態から遷移される有利遊技状態(確変状態又は変短状態)における大当り当選時、又は、その有利遊技状態の終了後、特別図柄変動ゲームの実行回数が所定回数以内における大当り当選時が示されている。この場合、ゲート無効期間が、
図10に示されるゲート無効期間(30秒)よりも短い10秒に設定されている。
演出制御部210は、大当り制御部141からオープニング演出に関するコマンド及びオープニング演出の短縮を示す情報を情報伝送部190を介して受信した後、そのゲート無効期間(10秒)の間に、上述したオープニング演出を実行する。この場合、ゲート無効期間が短いため、
図10の場合における大当り遊技の説明表示及びラウンド数候補のパネル表示の個別出力(PN1、PN2、PN3及びPN4)が除外されている。即ち、演出制御部210は、大当り遊技のタイトル表示を7秒出力し、ラウンド数候補のルーレット表示RTを3秒出力する。但し、オープニング演出はこのような例に制限されず、操作誘導表示が出力されれば、ゲート無効期間が長い場合(
図10の場合)とは、完全に異なる演出が実行されてもよい。
このように、一遊技者にとっての二回目以降の大当り当選時(いわゆる連荘中)には、ゲート無効期間を短く(10秒に設定)することで、遊技者が既に把握している内容に関する演出(大当り遊技の説明表示及びラウンド数候補のパネル表示の個別出力)を省き、早めに大当り遊技を開始させることができる。結果、冗長なオープニング演出を避け、大当り遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防ぐことができる。
【0103】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84の移動制御を実行することができ、さらに
図5では図示していないが、装飾可動体の移動制御を実行することができてもよい。
【0104】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図12から
図14を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図7に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0105】
図12は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
図14は、大当り遊技開始時の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、
図12から
図14に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0106】
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部121により保留数が上限に達していると判定されれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0107】
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部121により保留数が上限に達していないと判定された場合(ステップS104のNO)、特図保留制御部121は保留数を加算する(ステップS106)。更に、特図保留制御部121は乱数M1又は乱数M2を取得し、専用の記憶領域に保留記憶する(ステップS108)。
【0108】
ステップS102からステップS108までの一連の処理結果を含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200へ送信されて(ステップS110)、その始動口入球時処理は終了となる。
【0109】
次に、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、図柄変動開始処理は終了となる。
【0110】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部122は、特図保留制御部121により保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部122は、特図保留制御部121により保留記憶された順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0111】
当否判定部122は、読み出された乱数M1又は乱数M2の当否判定を行う(ステップS206)。
続いて、特図選択部123が、当否判定部122による当否判定の結果に基づいて、特別図柄を選択する(ステップS208)。特図選択部123は、当否判定部122によって乱数M1が当選と判定された場合、乱数抽選を行うことによって、第1当選特図を選択し、乱数M2が当選と判定された場合、第2当選特図を選択する。また、当否判定部122によって落選と判定された場合、特図選択部123は、ハズレを示す第1特別図柄又は第2特別図柄(ハズレ図柄)を決定する。
更に、その他の判定処理が実行される(ステップS210)。当該その他の判定処理としては、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理などが実行され得る。
【0112】
そして、特図保留制御部121が、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS212)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部125は、ステップS206、ステップS208及びステップS2108の判定処理結果、並びにステップS212で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS214)。
【0113】
ステップS202からステップS214までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS216、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれうる。
【0114】
次に、大当り遊技開始時処理の処理手順について説明する。ここでの「大当り遊技開始時処理」とは、当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示されてから特別電動役物65の連続作動が開始されるまでの間に実行される処理である。
大当り制御部141は、当選特図が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示されると、遊技状態を判定する(ステップS302)。具体的には、大当り制御部141は、通常遊技状態での大当り当選か、大当り遊技状態から遷移される確変状態又は変短状態(有利遊技状態)での大当り当選かのいずれかであるか判定する。上述したとおり、大当り制御部141は、確変状態又は変短状態であるか否かは確変制御部143又は変短制御部144から情報を得ることで把握することができ、通常遊技状態であるか否かについても遊技状態制御部140により把握されている。
大当り制御部141は、確変状態又は変短状態(有利遊技状態)における大当り当選であると判定すると(ステップS304;YES)、特定ゲートタイマに所定の第一ゲート無効期間をセットする(ステップS306)。
この特定ゲートタイマは、ゲート無効期間(成立不可能期間)かゲート有効期間かを識別するための計測手段である。
【0115】
大当り制御部141は、通常遊技状態における大当り当選であると判定すると(ステップS304;NO)、更に、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態の終了後から特別図柄変動ゲームの実行回数が所定回数以内の大当り当選であるか否かを判定する(ステップS308)。当該実行回数は、カウント部146によりカウントされている。
大当り制御部141は、当該実行回数が所定回数以内の大当り当選であると判定すると(ステップS308;YES)、特定ゲートタイマに所定の第一ゲート無効期間をセットする(ステップS306)。
一方、所定回数超過後の通常遊技状態での大当り当選であると判定すると(ステップS308;NO)、大当り制御部141は、特定ゲートタイマに所定の第二ゲート無効期間をセットする(ステップS310)。
【0116】
ここで、第二ゲート無効期間は、第一ゲート無効期間よりも長くなっている。第二ゲート無効期間は、初当りの遊技者に大当り遊技の遊技性を十分に説明できるようなオープニング演出の長さに設定される(例えば、
図10に示される30秒)。一方、第一ゲート無効期間は、いわゆる連荘中であり遊技者が既に把握している内容を省いて早めに大当り遊技を開始できるような長さに設定される(例えば、
図11に示される10秒)。
但し、ゲート無効期間の種類は二つに制限されるわけではない。例えば、ステップS304のYES判定でセットされる第一ゲート無効期間とステップS308のYES判定でセットされる第一ゲート無効期間とでが異なる長さとされてもよい。また、上述の所定回数を複数設けることで、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態の終了後から特別図柄変動ゲームの実行回数が多くなるにつれて段階的に長くなるようなゲート無効期間が設けられてもよい。
【0117】
このようにゲート無効期間が特定されると、大当り制御部141は、大当り遊技のオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する(ステップS314)。このとき、大当り制御部141は、そのコマンドにゲート無効期間又はオープニング演出の時間に関する情報を含めることができる。
演出制御部210は、このコマンドの受信を契機としてオープニング演出を実行する。
【0118】
続いて、大当り制御部141は、特定ゲートタイマを起動する(ステップS316)。大当り制御部141は、起動された特定ゲートタイマを用いてゲート無効期間の経過を監視し、ゲート有効期間が到来するまで、ステップS320以降の処理を行わず待機する(ステップS318)。具体的には、大当り制御部141は、特定ゲートタイマを用いて起動後からの経過時間が所定時間(ゲート無効期間、例えば30秒又は10秒)となると、ステップS320以降を実行する。
この特定ゲートタイマは、例えば、起動後からゲート無効期間の経過時に割り込みを発生させてもよいし、単に起動後からの経過時間を計測してもよい。
【0119】
大当り制御部141は、ゲート無効期間が経過しゲート有効期間が到来すると、その旨のコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210へ送信する(ステップS320)。この場合、演出制御部210は、このコマンドの受信を契機に、操作誘導表示(「右打ち」表示)GDを出力することができる。
なお、演出制御部210がステップS314で伝送されるコマンドの受信からの経過時間でゲート無効期間かゲート有効期間かを判別する場合には、ステップS320の処理は不要となる。
【0120】
その後、大当り制御部141は、カウントスイッチSW42からの信号により遊技球の特定ゲート64通過が検知されるまで、ステップS324以降の処理を実行せず、待機する(ステップS322)。このとき、遊技者が上述の操作誘導表示に従って右打ちすることで、ゲート有効期間中に遊技球が特定ゲート64を通過することになる。なお、本実施形態では、遊技球が特定ゲート64を通過するまでゲート有効期間が継続することになる。
遊技球の特定ゲート64の通過が検知されると、ラウンド数選択部145は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示されている当選特図に基づいて、ラウンド数(一種の大当り遊技)を選択する(ステップS324)。
【0121】
大当り制御部141は、ラウンド数選択部145により選択されたラウンド数を少なくとも含むコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210へ送信する(ステップS326)。演出制御部210は、このコマンドの受信を契機として、選択ラウンド数のパネル表示STを出力することができる。
続いて、大当り制御部141は、選択されたラウンド数などを含む制御情報を特別電役制御部142に伝送することで、特別電動役物65の連続作動を開始させる(ステップS328)。
【0122】
<変形例>
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の本実施形態は、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等されることを許容する。
【0123】
上述の実施形態では、ラウンド数選択部145により選択された一種の大当り遊技(ラウンド数)に対応するラウンド数又は獲得可能賞球数及び確変期待度が大当り遊技開始時に報知されたが、ラウンド数又は獲得可能賞球数か、確変期待度かのいずれか一方が報知されればよい。いずれか一方でも遊技者の高揚感を高めることができ、大当り遊技開始時の興趣を喚起可能である。なお、大当り開始時のこのような情報の報知はなくてもよい。
【0124】
上述の実施形態では、特図選択部123により選択された当選特図により大当り遊技終了後に確変状態となるか否かは既に決定されているところ、その決定事項を隠して確変期待度が報知された。しかしながら、時折、その決定事項を更に報知するようにしてもよい。この場合、演出制御部210は、終了後に確変状態となり得る大当り遊技が実行される場合に、終了後に確変状態となり得ない大当り遊技が実行される場合とは異なる内容又は態様で、確変期待度を報知する場合があってもよい。例えば、各々の場合で、異なる文字や図柄で確変期待度を報知してもよいし、異なる色彩や明るさで確変期待度を報知してもよい。また、確変期待度を示す表示は同一であるが、出力音声、出力音量、発光色、発光量などを変えるようにしてもよい。
【0125】
また、上述の実施形態では、所定条件の成立を契機にラウンド数選択部145によるラウンド数選択が実行されたが、ラウンド数選択は、当選特図の停止表示後に任意のタイミングで実行されてもよい。
更に、上述の実施形態では、特図選択部123による抽選により確変状態となり得るか否かが決定されたが、確変状態となり得るか否かの抽選も当選特図の停止表示後に実行されてもよい。逆に、特図選択部123による抽選で確変状態となり得るか否かと共に大当り遊技中のラウンド数も決定されてもよい。この場合、ラウンド数選択部145は不要となる。
【0126】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)始動口への遊技球の入賞を契機として大当りの当否抽選を行う大当り抽選手段と、
前記当否抽選の結果に基づいて選択された特別図柄を変動表示し停止表示する特別図柄変動ゲームを実行させる図柄表示制御手段と、
前記停止表示された前記特別図柄が前記大当りの当選を示す場合に、前記特別図柄の停止表示後、所定条件の成立を契機に、大当り遊技を開始させる遊技制御手段と、
を備え、
前記特別図柄の停止表示後の前記所定条件が成立し得ない成立不可能期間が設けられており、
通常遊技状態での前記大当りの当選の場合の前記成立不可能期間が、大当り遊技状態から遷移される有利遊技状態での前記大当りの当選の場合の前記成立不可能期間よりも長い、
遊技機。
(2)前記特別図柄変動ゲームの実行回数をカウントするカウント手段、
を更に備え、
前記通常遊技状態での前記大当りの当選の場合であっても、前記有利遊技状態の終了後からの前記特別図柄変動ゲームの実行回数が所定回数以内の前記大当りの当選の場合の前記成立不可能期間が、該所定回数超過後の前記通常遊技状態での前記大当りの当選の場合の前記成立不可能期間よりも短い、
(1)に記載の遊技機。
(3)前記成立不可能期間は、前記大当りの当選を示す前記特別図柄の停止表示後から大入賞口の開放までの期間よりも短い、
(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)大当り遊技の開始に伴い、該大当り遊技に関する演出を実行する演出制御手段、
を更に備え、
前記演出制御手段は、前記大当りの当選を示す前記特別図柄の停止表示後、前記所定条件が成立するまでの間に、前記所定条件に関する情報の報知演出を実行する、
(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)大当り遊技の開始に伴い、該大当り遊技に関する演出を実行する演出制御手段、
を更に備え、
前記所定条件は、前記遊技球の所定領域の通過であり、
前記演出制御手段は、前記大当りの当選を示す前記特別図柄の停止表示後、前記遊技球の前記所定領域の通過を契機に、大当り遊技の内容を報知する演出を実行する、
(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(付記a)前記所定条件に関する情報は、遊技者に対する操作内容の誘導情報を含む、
(4)に記載の遊技機。