(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0011】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、
図1、
図14、
図17、
図20、
図22を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図14、
図17、
図20及び
図22は、ムービーメール演出に係る演出画像を示す図である。
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であって、第一表示領域と、第二表示領域と、演出制御手段と、を備える。
【0012】
第一表示領域は、演出図柄の変動が表示される。本実施形態における第一表示領域は、例えば演出図柄表示領域812である。
ここで演出図柄とは、サブ制御基板(例えば、サブ制御基板200)によって変動及び停止が制御される図柄である。また、演出図柄の変動が表示される第一表示領域は、必ずしも液晶表示装置の表示画面である必要はなく、LED(light emitting diode)等の表示ランプにより実現される表示領域やドラム式やドットマトリックス式等の表示装置により実現される表示領域であってもよい。
【0013】
第二表示領域は、第一表示領域に演出図柄の変動が表示される場合の一部において、演出図柄とは別の表示として視認される演出画像を表示させる。
ここで演出画像とは、サブ制御基板(例えば、サブ制御基板200)によって表示される画像であって、演出図柄とは個別に視認されるものである。
本実施形態における第二表示領域とは例えばアイコン表示領域813であり、本実施形態における演出画像とは例えばメールアイコンD1である。但し、これは一具体例であって、本発明の実施はこれに限られない。例えば、第二表示領域は保留表示領域811であってもよいし、このとき演出画像は保留画像や保留画像の近傍に表示されるキャラクター画像等であってもよい。
【0014】
なお、演出図柄と演出画像とは別の表示である旨を述べたが、これは第一表示領域と第二表示領域とが重複しないことを意味するものではない。
言い換えれば、第一表示領域と第二表示領域とは少なくとも一部が互いに重複してもよく、第一表示領域と解される表示領域に演出画像が表示される場合があってもよいし、第二表示領域と解される表示領域に演出図柄の変動が表示される場合があってもよい。
【0015】
演出制御手段は、第二表示領域に演出画像を表示させることを少なくとも含む前演出(例えば
図14参照)を実行し、前演出が行われた後に、第二表示領域に表示されている演出画像の表示態様を変化させることを少なくとも含む後演出(例えば、
図17を参照)を実行する。本実施形態における演出制御手段は、例えば演出制御部210である。
ここで前演出及び後演出は、上記のように時間関係が互いに前後に行われるように構成されている予告演出であり、本発明の実施において演出内容は特に制限されない。
本実施形態に係る前演出及び後演出は、例えば、それぞれムービーメール演出の前半部分(受信予告)及びムービーメール演出の後半部分(開封予告及びムービー予告)のことである。
【0016】
演出制御手段によって後演出が実行される場合の一部において、後演出の実行によって変化した演出画像の表示態様が、変化する前の演出画像の表示態様に復する復元演出を含む後演出が実行されることを特徴とする。
ここで「後演出の実行によって変化した演出画像の表示態様が、変化する前の演出画像の表示態様に復する」とは、後演出の実行期間に含まれる三つの時点(便宜的に、到来する順番に第一の時点、第二の時点、第三の時点と呼称する)における演出画像の表示態様を比較した場合に、第一の時点の演出画像(例えば、
図17におけるメールアイコンD1)と第三の時点の演出画像(例えば、
図22におけるメールアイコンD1)が共通しており、第二の時点の演出画像(例えば、
図20におけるメールアイコンD1)が他の時点の演出画像とは相違していることをいう。更に、「第一の時点の演出画像と第三の時点の演出画像が共通」しているとは、遊技者が同様の演出画像と視認できれば足り、必ずしも表示位置、大きさ、色彩等が互いに同一である必要はない。また、演出画像の周囲に存在する別の表示(例えば、文字表示D2や光彩表示D4)の同一性についても不問である。
【0017】
本実施形態の遊技機10は、後演出を実行する場合の一部において、上記のような復元演出を実行する。このような演出は斬新であるため、従来の演出より高い演出効果を奏することができ、より遊技興趣を喚起させることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
【0018】
<遊技機10の構造について>
図1から
図4を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
なお、
図1から
図4に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0019】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0020】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0021】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0022】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0023】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0024】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0025】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82・左サブ表示部83・右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。
【0026】
メイン表示部81は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を演出図柄表示領域812に表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0027】
メイン表示部81は、保留画像(いわゆる保留玉)を保留表示領域811に表示することができる。保留画像が表示される保留表示領域811と、演出図柄の変動が表示される演出図柄表示領域812とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで保留画像とは、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を表す画像である。保留画像は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
【0028】
メイン表示部81は、ムービーメール演出における受信予告と開封予告とに係る演出画像(以下、メールアイコンD1と称す)をアイコン表示領域813に表示することができる。メールアイコンD1は、演出図柄とは別の表示として視認される演出画像であり、演出図柄表示領域812に演出図柄の変動が表示される場合の一部においてアイコン表示領域813に表示される。
ムービーメール演出とは、メールアイコンD1を受信する受信予告と、メールアイコンD1の開封を試み、開封に成功した場合には所定の演出動画を表示する開封予告と、から構成される予告演出である。換言すれば、ムービーメール演出は、アイコン表示領域813にメールアイコンD1を表示させることを少なくとも含む受信予告(前演出)と、受信予告が行われた後に、アイコン表示領域813に表示されているメールアイコンD1の表示態様を変化させることを少なくとも含む開封予告(後演出)と、を含んでいる。
このようなムービーメール演出を実行することにより、メールアイコンD1の受信によって演出動画がストックされたかのような印象を遊技者に与え、メールアイコンD1の開封を契機として演出動画を放出しているかのような印象を遊技者に与えることができる。
【0029】
上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、特定の演出の実行時に移動しうる。それぞれの原位置はメイン表示部81を基準として上側、左側又は右側であり、これらの原位置からメイン表示部81における演出図柄表示領域812に重なる位置まで上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は移動しうる。
【0030】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用しうる。
【0031】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0032】
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
【0033】
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
【0034】
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン表示部81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
【0035】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0036】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0037】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0038】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1の検知に応じて第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0039】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2の検知を契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0040】
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
【0041】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7の検知を契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0042】
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0043】
普通入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0044】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0045】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0046】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図5又は
図6を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した
図1から
図4に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図5又は
図6で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0047】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図5に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0048】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0049】
図6には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210、演出モード制御部220が例示されている。
【0050】
始動口入球時処理部110は、第1始動口57又は第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0051】
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄をメイン表示部81に変動表示又は停止表示させる。また、演出制御部210は、特定の演出が実行される場合に、可動式の上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84をメイン表示部81の前面に移動させることもできる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37やカーソルボタン38にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0052】
演出モード制御部220は、情報伝送部190を介してコマンドを受信して、複数の演出モードのうちいずれかに遷移させる。
ここで演出モードとは、複数回の図柄変動ゲームにわたって滞在しうる期間であり、その種別によって演出制御部210による演出の選択に影響を与える。演出制御部210は、滞在している演出モードに応じて専用の予告演出を実行することできてもよいし、複数の演出モードで共通している予告演出を実行することができてもよい。
【0053】
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、先読み判定部112と、を有する。
【0054】
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。なお、乱数M1及び乱数M2は、後述する当否判定部121による判定(特別遊技状態に係る当選判定)に用いられる。
【0055】
特図保留制御部111は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留画像を、演出表示装置80に表示させてもよい。
【0056】
先読み判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、後述する当否判定部121による判定の事前に、ムービーメール演出(第一先読み演出)に係る判定や爆弾演出(第二先読み演出)に係る判定を実行する。
より詳細には、先読み判定部112は、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が少なくとも一つ以上保留されており、且つムービーメール演出に係る演出フラグ(以下、ムービーメールフラグと称する)及び爆弾演出に係る演出フラグ(以下、爆弾フラグと称する)が設定されていない場合に、保留されている乱数に基づいてムービーメール演出及び爆弾演出を実行するか否かを決定する判定処理を行う。
先読み判定部112による判定処理の条件は、保留されている乱数に係る情報が含まれるものであれば特に制限されないが、例えば以下のような条件が具体例として考えられる。なお、先読み判定部112による判定処理に(ロ)の条件を用いる場合については、その判定処理の一部として、先読み判定部112がリーチの有無や変動時間を決定することを要する。
(イ)判定対象の乱数が、当否判定部121による判定において当選する乱数であるか落選する乱数であるか。
(ロ)判定対象の乱数が当否判定部121に用いられる図柄変動ゲームにおけるリーチの有無や、その図柄変動ゲームで選択される変動時間(変動パターン)。
(ハ)判定対象の乱数を含めて、判定時までに保留されている乱数の個数。
(ニ)判定時に滞在している遊技状態の種類(確変状態や変短状態が付与されているか否か)。
(ホ)判定時に滞在している演出モードの種類。
【0057】
先読み判定部112によってムービーメール演出の実行が肯定された場合、ムービーメールフラグが設定される。即ち、ムービーメールフラグは、ムービーメール演出(受信予告及び開封予告)の実行が許容されている状態を示す演出フラグである。
先読み判定部112によって爆弾演出の実行が肯定された場合、爆弾フラグが設定される。即ち、爆弾フラグは、爆弾演出の実行が許容されている状態を示す演出フラグである。
【0058】
ムービーメールフラグが設定されると、先読み判定部112は、ムービーメールフラグが設定されている遊技回数を計数するカウンタ(以下、先読みカウンタと称する)に所定の値を与える。
ここで所定の値とは、具体的には、「先読み判定部112による判定時に保留されている乱数の個数+1」である。なお、先読みカウンタは、ムービーメールフラグが設定されている遊技が実行される毎に1ずつ減算される構成になっている。
【0059】
本実施形態では、先読み判定部112による判定処理の前提条件の一つに「ムービーメールフラグ及び爆弾フラグが設定されていない」ことを挙げたが、ムービーメールフラグ及び爆弾フラグのうち一方を複数個、又は双方共に一つ以上ストックできる仕様である場合には、該前提条件は、「設定されているムービーメールフラグ及び爆弾フラグの数が上限に達しているか否か」に置換することも可能である。
【0060】
第二設定部113は、先読み判定部112によって爆弾演出(第二先読み演出)を実行することが肯定される判定処理が行われた場合、該判定処理を契機として爆弾演出の演出内容を設定する。
ここで「爆弾演出(第二先読み演出)の演出内容を設定する」とは、演出制御部210に爆弾演出を実行させるために必要な諸条件(演出内容)を定めることをいう。言い換えれば、爆弾演出は第二設定部113と演出制御部210とが連動することによって実行可能になる予告演出であり、演出制御部210は第二設定部113によって設定された演出内容に基づいて演出制御部210が実行する予告演出である。
【0061】
本実施形態において、第二設定部113によって行われる爆弾演出の演出内容の設定処理とは、より具体的には、爆弾演出における爆発のタイミング(爆弾が爆発する図柄変動ゲーム)を特定するための演出フラグを、演出制御部210に対して送信する処理である。演出制御部210は、上記の爆弾フラグが設定されると、該爆弾フラグの元になった保留を示し、且つ通常とは異なる表示態様の保留画像(例えば爆弾を模した保留画像)を保留表示領域811に表示し、第二設定部113によって設定された演出フラグが示す爆発のタイミングになると、該保留画像を爆発させる保留変化演出を行う。従って、爆弾フラグは爆弾演出の開始タイミングを演出制御部210に通知する制御情報であり、第二設定部113によって設定された演出フラグは爆弾演出の終了タイミングを演出制御部210に通知する制御情報と言い換えることができる。
【0062】
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、第一設定部125と、特定判定部126と、第三設定部127と、を有する。
【0063】
当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
【0064】
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。
より具体的には、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は乱数抽選を行うことによって当選を示す特別図柄(当選図柄)を選択する。即ち、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は、予め複数とおりに用意されている当選図柄のうちいずれか一つを選択する。
或いは、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122はハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)を一意に決定する。
【0065】
当否判定部121によって乱数M1が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示される。
当否判定部121によって乱数M2が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
【0066】
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、メイン表示部81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である状態に行われる演出をいう。なお、当該状態について、本実施形態においてはリーチ状態と称する場合がある。
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図絵の実行中には原則としてメイン表示部81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
【0067】
変動パターン決定部124は、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部124によって決定される変動パターン(変動時間情報)は、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲーム(遊技)の実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
【0068】
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部124は、リーチ抽選部123によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
【0069】
第一設定部125は、ムービーメール演出(第一先読み演出)が実行される図柄変動ゲームに係る変動開始条件の成立を契機として、該ムービーメール演出の演出内容を設定する。即ち、上述の第二設定部113が始動口への入球(乱数の保留)を契機として爆弾演出の演出内容を設定するのに対して、第一設定部125は特別図柄に係る図柄変動ゲームの開始(変動開始条件の成立)を契機としてムービーメール演出の演出内容を設定する点において、互いに相違する。
以下、第一設定部125による設定処理について、より詳細に説明する。
【0070】
第一設定部125は、図柄変動ゲームの変動開始条件が成立するとムービーメールフラグが設定されているか否かを判定し、同フラグが設定されている場合には、該図柄変動ゲームがムービーメール演出の開始タイミングに該当しているか否かを判定する。開始タイミングに該当している場合、第一設定部125は、ムービーメール演出の前半部分(受信予告)の演出内容を設定する。
ここでムービーメール演出の開始タイミングに該当しているか否かの判定については、以下の条件が具体例として考えられ、その条件には上記の先読みカウンタに関連するもの(例えば、以下に示す(イ)の条件)が含まれることが好ましい。
(イ)先読みカウンタの値が所望値である。
(ロ)判定時に滞在している遊技状態の種類(確変状態や変短状態が付与されているか否か)。
(ハ)判定時に決定している変動パターンの種類。
ムービーメール演出は、受信予告と開封予告とに分けて実行するという性質上、演出の実行期間が通常より長くなるので、短期間の変動パターンが選択されている場合や、短期間の変動パターンが選択されやすい変短状態が付与されている場合には、第二判定が否定される構成を採用してもよい。
【0071】
上記の(イ)の条件における所望値は、本実施形態では「2」が与えられている。上述のように、本実施形態に係る先読みカウンタは、先読み判定部112による判定処理時に「保留されている乱数の個数+1」が与えられ、ムービーメールフラグが設定されている遊技が実行される毎に1ずつ減算される構成になっているので、先読みカウンタの値が「2」になる遊技は、該判定処理の対象遊技より一回前の遊技(該判定処理の対象になった乱数を表す保留画像が保留表示領域811の左端から二番目の位置、いわゆる「保1」の位置に表示される遊技)である。
即ち、本実施形態では、先読み判定部112によってムービーメール演出の実行が肯定された場合、対象になった乱数を表す保留画像が「保1」の位置に表示される遊技において、第一設定部125によって受信予告の演出内容が設定されて、演出制御部210によって該受信予告が実行される構成になっている。
ただし、この実施態様は一例であって、例えば、第一設定部125によって受信予告の演出内容が設定されて演出制御部210によって該受信予告が実行される遊技は、先読み判定部112による判定処理の対象になった乱数を表す保留画像が「保0」「保2」「保3」「保4」のいずれの位置に表示される遊技であってもよい。言い換えれば、先読み判定部112による判定処理より後に実行され、且つ該判定処理の契機になった乱数を用いて当否判定部121が当否判定を行うより前に実行されるいずれかの図柄変動ゲームに係る変動開始条件の成立を契機として、第一設定部125が演出内容の前半部分(受信予告)に係る設定処理を行い、演出制御部210が該設定処理に基づいてムービーメール演出を開始する構成であればよい。
【0072】
本実施形態において、第一設定部125によって行われる受信予告に係る設定処理とは、より具体的には、上述したムービーメール演出の開始タイミングに該当しているか否かの判定が肯定される遊技に、先読み判定部112による判定処理に起因する受信予告を実行させるための演出フラグを、演出制御部210に対して送信する処理である。従って、該演出フラグはムービーメール演出の開始タイミングを演出制御部210に通知する制御情報と言い換えることができる。
なお、該演出フラグには、その他の付加的な制御情報、例えば「何秒から何秒までに受信予告を実行するか(時間指定)」や「受信予告として選択する動画データ群をいずれにするか(演出データ群の指定)」等の制御情報が含まれてもよい。
【0073】
次に、第一設定部125は、受信予告を実行した図柄変動ゲームの次回の図柄変動ゲームの開始時において、ムービーメール演出の後半部分(開封予告)の演出内容を設定する。即ち、本実施形態における第一設定部125は、先読みカウンタが「1」になる遊技(先読み判定部112による判定処理の対象になった乱数を表す保留画像が「保0」の位置に表示される遊技)において、開封予告の演出内容を設定する。言い換えれば、先読み判定部112による判定処理の契機になった乱数を用いて当否判定部121が当否判定を行う図柄変動ゲームに係る変動開始条件の成立を契機として、第一設定部125が演出内容の後半部分(開封予告)に係る設定処理を行い、演出制御部210が該設定処理に基づいてムービーメール演出を該図柄変動ゲームの実行期間内に終了させる構成になっている。
ただし、この実施態様は一例であって、例えば、第一設定部125による開封予告の演出内容の設定を、第一設定部125によって受信予告の演出内容が設定される同一の図柄変動ゲームに対して行ってもよいし、第一設定部125によって受信予告の演出内容が設定される図柄変動ゲームの次々回以降の図柄変動ゲームに対して行ってもよい。
なお、以下の説明において、先読みカウンタの値が「1」になる遊技(先読み判定部112による判定処理の対象になった乱数を表す保留画像が「保0」の位置に表示される遊技)について、先読み判定部112による判定の対象遊技と呼称する場合がある。
【0074】
本実施形態において、第一設定部125によって行われる開封予告に係る設定処理とは、より具体的には、上述した受信予告を実行した遊技の次回の遊技において開封予告を実行させるための演出フラグを、演出制御部210に対して送信する処理である。従って、該演出フラグはムービーメール演出の終了タイミングを演出制御部210に通知する制御情報と言い換えることができる。
なお、該演出フラグには、その他の付加的な制御情報、例えば「何秒から何秒までに開封予告を実行するか(時間指定)」や「開封予告として選択する動画データ群をいずれにするか(演出データ群の指定)」等の制御情報が含まれてもよい。
【0075】
上述のように、本実施形態におけるムービーメール演出(第一先読み演出)は、複数回の図柄変動ゲームにわたって実行される連続演出である。ここで連続演出とは、複数回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)にわたって連続性を有する演出である。
【0076】
特定判定部126は、当否判定部121によって当否判定が行われた後にムービーメール演出(特定演出)を実行するか否かを決定する。なお、特定判定部126による処理は、より好ましくは変動パターン決定部124による処理が行われた後に、決定された変動パターンに基づいて行われることが好ましい。
特定判定部126は、ムービーメール演出を実行するか否かを決定する処理が含まれる点において第一設定部125による処理と共通しており、当否判定部121による当否判定が行われた後にその決定を行う点において第一設定部125による処理と相違する。
【0077】
第三設定部127は、特定判定部126によって特定演出を実行することが肯定された場合、ムービーメール演出の演出内容を設定する。即ち、第三設定部127は、当否判定部121によって当否判定が行われた後に、ムービーメール演出の演出内容を設定する。
第三設定部127によって設定された演出内容に基づいて、演出制御部210は、該当否判定の結果が表される図柄変動ゲームの実行期間内にムービーメール演出を実行することができる。
【0078】
本実施形態における第三設定部127は、特定判定部126によってムービーメール演出を実行することが肯定された場合には、その図柄変動ゲームの実行期間内に受信予告の実行と開封予告の実行とが収まるように、受信予告と開封予告と演出内容を設定する。即ち、同一の図柄変動ゲームにおいて受信予告と開封予告とが実行される。この場合、受信予告と開封予告の実行順序は、必ず受信予告が先であり開封予告が後になる。
【0079】
本実施形態では、第一設定部125による設定処理と第三設定部127による設定処理の少なくとも一部が共通している。換言すれば、先読み判定部112による判定処理に起因するムービーメール演出(第一先読み演出)を実行する場合にも、特定判定部126による判定処理に起因するムービーメール演出(特定演出)を実行する場合にも、開封予告に係る演出内容を設定する処理は、共通化が図られている。
より具体的には、以下の点において共通している。
(イ)開封予告に係る演出内容の設定時に、メイン制御基板100からサブ制御基板200に送信するフラグ(以下、開封ルートフラグと称する)が共通している。即ち、サブ制御基板200に送信するコマンドにおける開封ルートフラグのアドレスが、いずれの場合にも共通領域になっている。
但し、いずれか一方の場合にのみ選択されうる開封ルートフラグが存在してもよい。言い換えれば、いずれか一方の場合にのみ実行可能な演出内容が存在してもよい。
(ロ)いずれ場合にも共通の条件(例えば、変動パターン決定部124によって決定された変動パターン及び滞在中の演出モードの種類)に基づいて開封ルートフラグを選択している。
(ハ)開封ルートフラグを含むコマンドの送信タイミングが、いずれの場合も図柄変動ゲームの開始時(変動開始条件の成立時)である。
【0080】
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
【0081】
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
【0082】
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
【0083】
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
【0084】
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
【0085】
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
【0086】
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。ここで「特別電動役物を連続して作動」とは、後述のラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が複数回であることをいう。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
【0087】
確変制御部143は、特定の特別図柄(当選図柄)が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球したことを契機として確変状態を付与してもよい。
【0088】
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
【0089】
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
【0090】
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
【0091】
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、本実施形態に係るオープニング演出では、遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
【0092】
大当り制御部141は、上記のラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報を特別電役制御部142に伝送する。
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65を開放させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
【0093】
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
【0094】
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
【0095】
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
【0096】
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、演出表示装置80に報知させる。
演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は上述した連続演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで擬似連演出とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において複数回の変動サイクルを含める演出である。
【0097】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84の移動制御を実行することができ、さらに
図5では図示していないが、いわゆる装飾可動体の移動制御を実行することができてもよい。
【0098】
<メイン制御基板100における処理手順について>
次に、メイン制御基板100において実現される各種処理の処理手順について、
図7から
図10を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0099】
図7は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、入球時演出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10は、変動時演出処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、
図7から
図10に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0100】
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0101】
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
【0102】
続いて、先読み判定部112及び第二設定部113による処理(入球時演出処理)が実行される(ステップS110)。ステップS110の具体的な処理フローは、
図8に示すとおりである。
まず、その処理時点において保留されている乱数M1又は乱数M2の少なくとも一方が零を超えること、即ち乱数M1又は乱数M2が一つ以上保留されているか否かを判定する(ステップS122)。
保留されている乱数M1及び乱数M2の個数が零である場合(ステップS122のNO)、そのまま入球時演出処理は終了となる。
【0103】
乱数M1又は乱数M2が一つ以上保留されている場合(ステップS122のYES)、ムービーメールフラグ(
図8においてはMMフラグと略記する)又は爆弾フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS124)。
ムービーメールフラグ又は爆弾フラグが設定されている場合(ステップS124のYES)、そのまま先読み判定部112による処理は終了となる。
【0104】
ムービーメールフラグが設定されていない場合(ステップS124のNO)、先読み判定部112による判定処理が行われ、ムービーメール演出又は爆弾演出を実行するか否かを判定する(ステップS126)。
ステップS126においてムービーメール演出の実行が肯定される場合(ステップS128のYES)、ムービーメールフラグが設定されて(ステップS130)、先読みカウンタに所定の値、具体的には祖の時点に保留されている乱数の個数+1(
図8においては簡略して「保留数+1」と表記)が与えられる(ステップS132)。
ステップS126において爆弾演出の実行が肯定される場合(ステップS134のYES)、爆弾フラグが設定され(ステップS136)、更に該爆弾演出において爆弾を模した保留画像が爆発するタイミングが第二設定部113によって設定される(ステップS138)。
ステップS126においてムービーメール演出の実行が否定され(ステップS128のNO)、且つ爆弾演出の実行が否定される場合(ステップS134のNO)、そのまま入球時演出処理は終了となる。
【0105】
ステップS102からステップS110までの一連の処理結果を含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200へ送信されて(ステップS112)、その始動口入球時処理は終了となる。
【0106】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0107】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0108】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定や特図選択部122による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
【0109】
そして、特図保留制御部111は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
【0110】
続いて、第一設定部125、特定判定部126及び第三設定部127による処理(変動時演出処理)が実行される(ステップS212)。ステップS212の具体的な処理フローは、
図10に示すとおりである。
まず、爆弾フラグが設定されている場合(ステップS222のYES)、今回の図柄変動ゲームが該爆弾フラグにおいて爆発するタイミングに該当するか否かを判定する(ステップS224)。
爆発するタイミングに該当する場合(ステップS224のYES)、設定されている爆弾フラグを消去する(ステップS226)。この消去により、それ以降の始動口入賞時(保留入賞時)には、先読み判定部112による判定処理が可能になる。
また、爆発するタイミングに該当しない場合(ステップS224のNO)、そのまま変動時演出処理は終了となる。
【0111】
なお、本実施形態においては、ステップS138において設定された爆発タイミングに係る演出フラグを、始動口入賞時のコマンド送信(ステップS112)において演出制御部210に送信しているので、図柄変動ゲームの開始時におけるコマンド送信(ステップS214)において爆発タイミングである旨の演出フラグを含むコマンドを新たに送信せずとも、演出制御部210は設定された爆発タイミングで爆発させる演出を実行することができる。
但し、この態様は一具体例であり、図柄変動ゲームの開始時におけるコマンド送信において爆発タイミングである旨の演出フラグを含むコマンドを新たに送信してもよい。
【0112】
次に、ムービーメールフラグ(
図10においてはMMフラグと略記する)が設定されている場合(ステップS228のYES)、先読みカウンタの値が「1」減算される(ステップS230)。
減算後の先読みカウンタの値が「2」である場合(ステップS232のYES)、第一設定部125は受信予告の演出内容を示す演出フラグ(以下、受信予告フラグと称する)を設定する(ステップS234)。
減算後の先読みカウンタの値が「1」である場合(ステップS236のYES)、第一設定部125は、ムービーメールフラグを消去して(ステップS238)、開封予告の演出内容を示す開封ルートフラグを設定する(ステップS240)。
減算後の先読みカウンタの値が「2」を超える場合(ステップS232及びステップS236が共にNO)特定判定部126は、今回の図柄変動ゲームにおいてムービーメール演出(
図10においてはMM演出と略記する)を実行するか否かを判定する(ステップS242)。
特定判定部126が、ムービーメール演出の実行を肯定した場合(ステップS242のYES)、第三設定部127は、受信予告フラグを設定し(ステップS244)、更に開封ルートフラグを設定する(ステップS240)。
【0113】
ステップS202からステップS212までの一連の処理結果を指定情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS214)、その図柄変動開始処理は終了となる。即ち、情報伝送部190は、図柄変動ゲームの実行期間において実行可能な複数通りの演出に係る指定情報を含むコマンドを、図柄変動ゲームに係る変動開始条件の成立を契機に送信する。
当該コマンドには、ステップS234やステップS244において設定された受信予告フラグやステップS240において設定された開封ルートフラグの他に、後述する
図11に示す処理に用いるための各種情報、例えば、変動パターン、選択された特別図柄、滞在中の演出モード、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無を示す指定情報等が含まれうる。
【0114】
<演出制御部210における処理手順について>
次に、演出制御部210によって実行される各種処理の処理手順について、
図11を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
上述のように、演出制御部210は、情報伝送部190から受信したコマンドに含まれる指定情報を参照して、図柄変動ゲームの実行期間に実行する演出を複数通りの演出の中から一又は複数選択して実行することができる。ここで指定情報とは、演出制御部210がその遊技(図柄変動ゲームの実行期間内)に実行する演出の実行態様を決定する過程において処理される各種情報である。
図11は、演出制御部210が情報伝送部190からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドに基づいて行う処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すとおり、コマンドに含まれる指定情報のうち少なくとも一部について、演出制御部210によって参照される順序は、複数通りの演出を複数の演出群に分類して規定している。
なお、
図11に示す処理は、演出制御部210によって実行される処理の代表的なものを挙げているに過ぎず、演出制御部210はここで図示されていない処理を実行可能であってもよい。
【0115】
まず、演出制御部210は、変動パターン決定部124によって決定された変動パターン(変動時間情報)を指定し(ステップS302)、特図選択部122によって選択された特別図柄を指定する(ステップS304)。
変動パターンと特別図柄を、他の指定情報に先んじて指定するのは、メイン制御基板100によって管理されており、サブ制御基板200において変更できない指定情報だからである。
【0116】
次に、演出制御部210は、その時点で滞在している演出モードを示す指定情報を指定する(ステップS306)。即ち、情報伝送部190が送信するコマンドには演出モードに係る指定情報が含まれている。
演出モードは、サブ制御基板200によって変更可能な指定情報の中で最先に指定される。なぜならば、演出モードは、演出制御部210によって処理される演出の大半に影響を及ぼす指定情報だからである。また、一部の演出モードには、その演出モードの滞在中にのみ実行されうる専用の予告演出が存在しており、専用の予告演出の実行が他の予告演出によって阻害されることを防止するためである。
【0117】
次に、演出制御部210は、ムービーメール演出に係る指定情報を指定した後に(ステップS308)、擬似連演出に係る指定情報を指定する(ステップS310)。なぜならば、本実施形態では、ムービーメール演出を実行する場合の一部においてムービーメール演出を伴う変動パターンによって実行される擬似連演出が存在するからである。
また、見方を変えれば、演出制御部210は、演出モードに係る指定情報を、ムービーメール演出に係る指定情報より先に参照する。なぜならば、演出制御部210は、演出モードに係る指定情報を、ムービーメール演出の実行態様を決定する条件として用いるからである。
本実施形態におけるムービーメール演出に係る指定情報には、例えば、上述したムービーメールフラグ、受信予告フラグ、開封ルートフラグの他に、後述する復元予告を指定する指定情報も含まれる。
【0118】
続いて、演出制御部210は、擬似連演出に係る指定情報を指定した後に(ステップS310)、ガセパターンの開封予告に係る指定情報を指定する(ステップS312)。なぜならば、本実施形態では、ガセパターンの開封予告は、擬似連演出に対応する変動パターンを含むコマンドを受信した場合の一部において、演出制御部210によって実行の有無が決定されるからである。
また、ガセパターンの開封予告に係る指定情報は、後述する第二後演出を指定する指定情報である。なお、ガセパターンの開封予告の具体的な説明については、後に述べる。
【0119】
続いて、演出制御部210は、各種演出の背景表示に係る指定情報を指定する(ステップS314)。原則として、背景表示は滞在している演出モードに応じて決定され、他の条件を参照する必要がないため、比較的早い順序で参照される。
ここで背景表示とは、少なくとも演出図柄の変動表示に係るレイヤー及び保留画像の表示に係るレイヤーより下層のレイヤーに表示される画像や動画である。
【0120】
続いて、演出制御部210は、スペシャルリーチ(
図11においてはSPリーチと略記する)に係る指定情報を指定した後に(ステップS316)、発展演出に係る指定情報を指定し(ステップS318)、保留変化演出(例えば、上述の爆弾演出)に係る指定情報を指定し(ステップS320)、スペシャルリーチの実行中に行われる他の予告演出に係る指定情報を指定する(ステップS322)。
なぜならば、発展演出及びスペシャルリーチの実行中に行われる他の予告演出の実行態様は、スペシャルリーチの実行態様に合わせて逆算的に決定されるからである。また、保留変化演出の一部は、「保0」に表示される保留画像を変化させる演出になっており、このような保留変化演出の少なくとも一部がスペシャルリーチに発展する構成になっているので、スペシャルリーチの実行態様から逆算的に保留変化演出の実行態様を決定する必要があるからである。
【0121】
続いて、演出制御部210は、演出図柄に係る指定情報を指定し(ステップS324)、ノーマルリーチに係る指定情報を指定する(ステップS326)。
即ち、演出図柄に係る指定情報は、スペシャルリーチに係る指定情報より後に指定される。特定のスペシャルリーチの実行中にのみ表示されうる特定の演出図柄が存在するからである。
また、ノーマルリーチに係る指定情報は、スペシャルリーチに係る指定情報より後に指定される。リーチ抽選部123による抽選でリーチ演出の実行が肯定される場合であって、ステップS316においてスペシャルリーチの実行を否定する指定情報が指定される場合に、ノーマルリーチの実行を肯定する指定情報を指定するからである。換言すれば、スペシャルリーチに係る指定の結果によってノーマルリーチの実行の有無が左右されるからである。
本実施形態における演出図柄に係る指定情報には、例えば、左列、右列及び中央列に停止させる演出図柄を指定する情報が含まれてもよい。
【0122】
続いて、演出制御部210は、主予告に係る指定情報を指定し(ステップS328)、副予告に係る指定情報を指定する(ステップS330)。
ここで主予告とは、演出図柄表示領域812に演出上の表示が重畳する予告演出のうち、ステップS302からステップS326までの処理で指定されないものが該当する。なお、主予告に該当する演出の少なくとも一部が実行される場合には、演出図柄表示領域812の領域外に変動を縮小化及び簡略化して演出図柄の変動が表示されてもよい。
また、ここで副予告とは、演出図柄表示領域812の領域外(上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84の表示領域を含む)に演出上の表示が行われる予告演出や演出役物の可動(上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84の可動を含む)を伴う予告演出のうち、ステップS302からステップS326までの処理で指定されないものが該当する。
主予告及び副予告に係る指定情報は、演出図柄の変動を伴う予告演出の実行態様と内容矛盾等が生じないように実行する必要があるため、演出図柄の変動に影響を与える指定情報より後に参照される。
本実施形態における演出図柄の変動を伴う予告演出に係る指定情報には、上述の擬似連演出に係る指定情報、スペシャルリーチに係る指定情報、ノーマルリーチに係る指定情報が少なくとも含まれる。また、本実施形態における主予告に係る指定情報には、いわゆるセリフ予告やステップアップ予告に係る指定情報が含まれてもよい。
【0123】
ムービーメール演出に係る指定情報に基づいて実行される演出群を第一演出群、演出図柄の変動を伴う予告演出に係る指定情報に基づいて実行される演出群を第二演出群と位置付けた場合、第一演出群は演出制御部210によって指定情報が参照される順序が第二演出群より先であり、第二演出群は、演出制御部210によって指定情報が参照される順序が第一演出群より後である。
そして、第一演出群に含まれるムービーメール演出(受信予告及び開封予告)の一部については、その開始タイミングが、第二演出群に含まれる演出(擬似連演出、スペシャルリーチ及びノーマルリーチ)の開始タイミングより先になっており、且つ、第一演出群に含まれる演出の演出内容には、第二演出群に含まれる演出に関連する内容が含まれている。
即ち、内容的に関連性のある複数の演出群において、参照順序についても開始順序についても、一方(第一演出群)が他方(第二演出群)より先であるように演出制御部210に係る処理手順や参照テーブルが構成されているという特徴を有する。
ここで擬似連演出の開始タイミングとは、具体的には一回目の変動サイクル(通常変動)の終了時又は二回目の変動サイクルの開始時である。また、スペシャルリーチ及びノーマルリーチの開始タイミングとは、具体的には、リーチ状態を形成した時である。
【0124】
上述の発展演出とスペシャルリーチの関係に代表されるように、互いの内容に関連性を有する複数の演出群は、開始タイミングが後の演出の実行態様に、開始タイミングが後の演出の実行態様を合わせるように逆算的に指定情報を処理することが一般的である。
しかしながら、上述の第一演出群に係る指定情報と第二演出群に係る指定情報とは、開始タイミングの先後と処理手順の先後が一致しており、特徴的な構成になっているといえる。
この特徴は、ムービーメール演出は発生頻度が高いにも関わらず比較的長い実行期間(尺)と広い表示領域を要するため、特に演出図柄の変動を伴う予告演出の実行態様と整合をとる必要があるために生じるものである。仮に、第一演出群の参照順序を第二演出群の参照順序を後にしたならば、大当り期待度の高い演出(スペシャルリーチ等)を実行する遊技において限定的に実行する態様でなければ整合が着かなくなり、結果としてムービーメール演出の発生頻度が低下してしまう。本実施形態では、ムービーメール演出に係る指定情報を先に指定するので、演出図柄の変動を伴う予告演出の制約を受けずにムービーメール演出の実行態様を定めることができる。
【0125】
上記のような特徴を有するので、本実施形態におけるムービーメール演出は、擬似連演出やリーチ演出が実行される遊技においても実行されない遊技においても、実行されうる。
ただし、擬似連演出やリーチ演出(第二演出群に含まれる演出)が実行される場合における大当り遊技の期待度は、ムービーメール演出(第一演出群に含まれる演出)が実行される場合の方が、該演出が実行されない場合に比べて高くなっていることが好ましい。換言すれば、ムービーメール演出を実行した上で擬似連演出やリーチ演出を実行する場合の方が、ムービーメール演出を実行せずに似連演出やリーチ演出を実行する場合に比べて、大当り遊技の当選期待度が高くなっていることが好ましい。ムービーメール演出の発生に価値を与え、遊技者の興趣向上を図るためである。
【0126】
演出モードに係る指定情報と擬似連演出やリーチ演出(第二演出群)に係る指定情報とについていえば、演出制御部210は前者を後者より先に参照する構成になっている。擬似連演出やリーチ演出の実行態様を決定する条件として、演出モードに係る指定情報を用いるからである。
【0127】
なお、本実施形態におけるムービーメール演出(第一演出群に含まれる演出)の種類の数は、擬似連演出やリーチ演出(第二演出群に含まれる演出)の種類の数より少ない。ムービーメール演出は、擬似連演出やリーチ演出の導入的な意味合いを持つ予告演出だからである。
そのため、ムービーメール演出に係る指定情報に割り当てられているアドレスの数は、擬似連演出及びリーチ演出に係る指定情報に割り当てられているアドレスの数より少なくなっている。
【0128】
<本発明に係るムービーメール演出に係る演出パターンについて>
次に、本発明に係る演出図柄の変動表示について、
図12から
図23を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図12は、ムービーメール演出に関するタイムチャートである。
図13から
図23は、ムービーメール演出に係る演出画像を示す図である。
【0129】
図12において最上段に示している秒数は、遊技の開始時を基準(零秒)とした場合の経過時間である。また、
図12において、左列の演出図柄が仮停止することについて「左停止」と表記し、右列の演出図柄が仮停止することについて「右停止」と表記し、中央列の演出図柄が仮停止することについて「中停止」と表記し、全ての列の演出図柄が確定停止になることについて「確定」と表記している。
ここで仮停止とは、確定停止に至る前における演出図柄の表示形態であり、演出の展開によっては再変動しうる状態をいう。なお、仮停止している演出図柄は、微小動作(例えば、揺動)を伴うように表示されることによって、確定停止している演出図柄とは識別可能に表示されることが好ましい。
【0130】
図12に示す各演出パターンの実行期間は、変動パターン決定部124によって決定される変動パターン(変動時間情報)が示す時間と略一致している。従って、演出制御部210は、先読み判定部112や第一設定部125による処理結果の他に、変動パターン決定部124によって決定される変動パターンに基づいて複数通りの演出パターンのいずれかを決定していると換言できる。
なお、
図12に示す演出パターンはそれぞれ一具体例であり、図示されている各演出の実行タイミングは、本発明の実施に支障のない範囲において適宜変更することができる。
【0131】
図13から
図23の一部において、演出図柄表示領域812内に示す矢印は、演出図柄が変動(スクロール)する態様を示している。これらの矢印が示すとおり、本実施形態に係る演出図柄の変動方向(スクロール方向)は上下方向を一例として描いているが、左右方向や奥行き方向等の別の方向であってもよい。
また、
図13から
図23の一部に示す破線で囲っている領域は、保留表示領域811や演出図柄表示領域812の表示領域を示すものである。
【0132】
まず、
図12のパターンAに係るタイムチャートが示す演出パターンについて説明する。
この演出パターンは、まず開始時(0秒時)において、演出図柄表示領域812には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図13参照)。即ち、演出図柄表示領域812には、複数列において一連の演出図柄群がスクロールする演出動画が表示される。
【0133】
図13に示すとおり、メイン表示部81の表示領域には、演出図柄表示領域812の他に、保留画像が表示される保留表示領域811と、ムービーメール演出に係るメールアイコンD1が表示されるアイコン表示領域813と、が含まれる。
【0134】
保留表示領域811には、現時点で保留されている保留画像(上限4個)と現在実行中の遊技に係る乱数を表す保留画像とが表示され、最大で5個の保留画像が表示されうる。
なお、
図13から
図23における保留表示領域811には、一律で5個の保留画像が表示されている様が描かれているが、ここで描かれている保留画像の数は説明上のために示すものであり、実際には状況に応じて変化するものである。
【0135】
保留表示領域811における保留画像の表示位置は、左端から順に「保0」「保1」「保2」「保3」「保4」とも称される。なお、「保0」に表示される保留画像が、現在実行中の遊技に係る乱数を表す保留画像である。また、「保1」「保2」「保3」「保4」に表示される保留画像は、表示位置が左側であるほど(若い数字が割り当てられている数字が若いほど)早い時期に保留された乱数に対応している。
「保0」に係る保留画像は現在実行中の遊技に対応するものであるため、他の保留画像とは識別可能に表示されることが好ましい。
【0136】
アイコン表示領域813は、携帯電話のディスプレイを模した表示領域である。なお、ムービーメール演出を実行する場合の一部において、携帯電話が動くようにメイン表示部81に表示される。即ち、アイコン表示領域813は、状況に応じて他の表示領域(保留表示領域811及び演出図柄表示領域812)に対する相対位置が変化しうる構成になっている。
【0137】
次に、0秒経過時から4秒経過時にかけてアイコン表示領域813にメールアイコンD1が表示される受信予告が実行される(
図14参照)。
なお、
図14における保留表示領域811において、「保1」の保留画像が網掛け表示になっているが、これは当該保留画像が模している乱数が、
図14において描かれている受信予告の契機となった乱数(先読み判定部112の判定対象になった乱数)であることを表すものである。この網掛け表示は、説明の便宜上のものであって、本発明の実施において当該保留画像と他の保留画像とを識別可能である必要はない。この網掛け表示の意味合いについては、
図15、
図16及び
図23においても同様である。
【0138】
図14に示す受信予告においては、アイコン表示領域813及びその周囲に描かれている携帯電話が正面に向き直ることによって、メールアイコンD1の表示を強調すると共に、遊技者に視認容易にさせる。受信予告の演出効果を高めるためである。
受信予告の終了時(4秒経過時)には、アイコン表示領域813は元の表示位置に戻り、アイコン表示領域813の中にはメールアイコンD1が表示された状態が維持される(
図16参照)。
【0139】
なお、
図14に示す受信予告に係る表示態様は一具体例であって、演出制御部210は、ムービーメール演出を実行する場合の一部において、相対的により強調表示される受信予告を実行してもよい。例えば、通常であれば演出図柄表示領域812に該当する表示領域に、通常のアイコン表示領域813の範囲に収まらない巨大なメールアイコンD1を表示させ(
図15参照)、その後にメールアイコンD1をアイコン表示領域813の範囲に収めるような受信予告を、演出制御部210は実行してもよい。
【0140】
図12に示すように、パターンAに係るタイムチャートには、受信予告が遊技の開始時(0秒)に開始して4秒経過すると終了する態様が示されている。また、受信予告が終わった後に、左列、右列及び中央列が順に仮停止して、確定停止に至る態様が示されている。
この態様は一具体例であって、いずれかの列の演出図柄が仮停止した後、又は仮停止している最中に、受信予告が開始されたり終了されたりしてもよい。
【0141】
次に、
図12のパターンBに係るタイムチャートが示す演出パターンについて説明する。
この演出パターンは、まず開始時(0秒時)において、演出図柄表示領域812には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図13参照)。即ち、演出図柄表示領域812には、複数列において一連の演出図柄群がスクロールする演出動画が表示される。
次に、0秒経過時から9秒経過時にかけてアイコン表示領域813からメールアイコンD1が消失して、アイコン表示領域813の外部領域においてメールアイコンD1が開封される様が表示される開封予告が実行される(
図17参照)。より具体的には、本実施形態に係る開封予告は、メールアイコンD1に添付されている動画ファイルをダウンロードしていることを遊技者に想起させる文字表示D2がメールアイコンD1に付随して表示される。例えば、
図17における文字表示D2は、ダウンロードした動画ファイルの容量が53%であるかのように遊技者に想起させる。なお、本実施形態における文字表示D2として表示されている数字は0(零)%から100%まで段階的に増加するように表示されるものとする。
【0142】
なお、
図17における保留表示領域811において、「保0」の保留画像が網掛け表示になっているが、これは当該保留画像が模している乱数が、
図17において描かれている開封予告の契機となった乱数(先読み判定部112の判定対象になった乱数)であることを表すものである。この網掛け表示は、説明の便宜上のものであって、本発明の実施において当該保留画像と他の保留画像とを識別可能である必要はない。また、この網掛け表示の意味合いについては、
図18から
図22においても同様である。
また、
図17における演出図柄表示領域812の左列には「7」を表す演出図柄が仮停止している様が描かれている。即ち、
図17に係るタイミングは、パターンBに係るタイムチャートにおける6秒経過時から8秒経過時までの期間に含まれる。
【0143】
パターンBに係る開封予告は、メールアイコンD1の開封が成功する成功パターンであって、文字表示D2が100%に到達するとダウンロードが成功したことを示す表記(例えば、「完了」等)に変化する(
図18参照)。
【0144】
なお、パターンBに係るタイムチャートに示すように、当該開封予告は右列が仮停止するタイミング(9秒経過時)に合わせて終了するように構成されており、成功パターンである当該開封予告においては大当り遊技の当選の可能性を残す表示態様、例えば
図18の演出図柄表示領域812に示すようにリーチ状態になることが好ましい。
なお、大当り遊技の当選の可能性を残す表示態様には、リーチ状態の他に、いわゆるチャンス目が上げられる。ここでチャンス目とは、今後の演出の展開が遊技者にとって有利になることを示唆する特殊な図柄の組合せ(例えば、順目の数字からなる演出図柄の組合せ等)である。
【0145】
成功パターンの開封予告が終了すると、メイン表示部81にはムービー予告に関する特典映像D3が表示される(
図19参照)。
特典映像D3は、遊技者の興趣を喚起させるために派手なもの(遊技者の関心を惹くもの)であることが好ましく、例えば、アイコン表示領域813に表示されるメールアイコンD1のサイズより大きく表示されることが好ましい。
【0146】
図12に示すように、パターンBに係るタイムチャートには、開封予告が遊技の開始時(0秒)に開始して9秒経過すると終了する態様が示されている。また、開封予告の終了タイミングが、右列の仮停止期間と重複している態様が示されている。
この態様は一具体例であって、いずれかの列の演出図柄が仮停止した後、又は仮停止している最中に、受信予告が開始されてもよいし、演出図柄の仮停止期間と開封予告の開始タイミングや終了タイミングがズレてもよい。
【0147】
開封予告の実行期間は、パターンBの例のように9秒間に固定される必要はなく、演出パターンの種類によって(変動パターンの種類によって)変化してもよい。このとき、開封予告が実行される遊技において、大当り遊技の当選が報知される期待度(信頼度)が、開封予告の実行期間の長さに応じて変化してもよい。換言すれば、開封予告の実行期間の長さに応じて、当該開封予告と共に実行される演出図柄の変動の結果として、大当り遊技(特別遊技状態)の当選が報知される期待度が変化してもよい。或いは、開封予告を開始してから当該開封予告においてメールアイコンD1を消失させるまでの期間の長さに応じて、当該開封予告と共に実行される演出図柄の変動の結果として、大当り遊技の当選が報知される期待度が変化するともいえる。
【0148】
次に、
図12のパターンCに係るタイムチャートが示す演出パターンについて説明する。当該タイムチャートは、上記の擬似連演出を演出パターンに含んでおり、一回目の変動サイクルにおいて受信予告を実行し、二回目の変動サイクルにおいて成功パターンの開封予告を実行するものとして、以下説明する。
なお、パターンCに係るタイムチャートにおいて、一回目の変動サイクルはパターンAやパターンBに係る「通常変動」と同じ表示態様(
図13参照)で開始されるため「通常変動(擬似1)」と表記し、二回目の変動サイクルを「擬似2」と表記する。
【0149】
本実施形態に係る遊技機10において、上記のように一回の遊技において受信予告及び成功パターンの開封予告の双方を実行する演出パターンは、先読み判定部112によって受信予告が肯定された場合には発生しない。なぜならば、この場合、先読みカウンタが「2」になる遊技において受信予告が実行され、先読みカウンタが「1」になる遊技において開封予告が実行されるからである。
従って、パターンCは、特定判定部126と第三設定部127による処理に基づいて実行されうる演出パターンである。
【0150】
この演出パターンは、0秒経過時から4秒経過時にかけてアイコン表示領域813にメールアイコンD1が表示される受信予告が実行される(
図14参照)。受信予告の終了時(4秒経過時)には、アイコン表示領域813は元の表示位置に戻り、アイコン表示領域813の中にはメールアイコンD1が表示された状態が維持される(
図16参照)。
即ち、パターンAにおける受信予告と同じ演出態様で、パターンCに係る受信予告も実行される。このような態様は、パターンAの実行に対して設定される受信予告フラグとパターンCの実行に対して設定される受信予告フラグとの共通化を図ることによっても実現可能である。
【0151】
図12に示すように、パターンCに係るタイムチャートは、受信予告が終わった後に、左列、右列及び中央列が順に仮停止する点においても、パターンAに係るタイムチャートと共通している。
しかしながら、パターンCに係るタイムチャートは、中央列が仮停止した後に、二回目の変動サイクルが開始される(再変動する)点において、パターンAに係るタイムチャートと相違している。
なお、パターンCにおいて、中央列が仮停止する場合には、二回目の変動サイクルの実行を示唆するチャンス目が演出図柄表示領域812に表示されてもよい。
【0152】
二回目の変動サイクルにおいて、即ち、パターンCに係るタイムチャートにおける10秒経過以降に、アイコン表示領域813からメールアイコンD1が消失して、アイコン表示領域813の外部領域においてメールアイコンD1が開封される様が表示される開封予告が実行される(
図17参照)。そして、当該開封予告は、メールアイコンD1の開封が成功する成功パターンであって、文字表示D2が100%に到達するとダウンロードが成功したことを示す表記に変化する(
図18参照)。更に、ここでは不図示であるが、成功パターンの開封予告が終了した後には、メイン表示部81にはムービー予告に関する特典映像が表示される期間が設けられる。
即ち、パターンBにおける開封予告とパターンCに係る開封予告とは、実行タイミングが異なるが、演出内容としては共通化を図ることができる。
【0153】
次に、
図12のパターンDに係るタイムチャートが示す演出パターンについて説明する。当該タイムチャートは、パターンCの演出パターンと同様に擬似連演出を演出パターンに含んでおり、一回目の変動サイクルにおいて一回目の開封予告を実行し、二回目の変動サイクルにおいて二回目の開封予告を実行するものとして、以下説明する。
【0154】
この演出パターンは、0秒経過時から4秒経過時にかけてアイコン表示領域813からメールアイコンD1が消失して、アイコン表示領域813の外部領域においてメールアイコンD1が開封される様が表示される開封予告が実行される(
図17参照)。そして、当該開封予告は、メールアイコンD1の開封が成功する成功パターンであって、文字表示D2が100%に到達するとダウンロードが成功したことを示す表記に変化する(
図18参照)。
更に、成功パターンの開封予告が終了すると、4秒経過時から8秒経過時にかけてメイン表示部81にはムービー予告に関する特典映像(不図示)が表示されるが、パターンBにおけるムービー予告に係る特典映像D3とは異なり、ここで表示される特典映像は遊技者の興趣を低下させるもの(遊技者を失望させるもの)であることが好ましい。後述する復元予告の演出効果を高めるためである。
【0155】
続いて、ムービー予告が終了すると、8秒経過時から10秒経過時にかけて復元予告が実行される。ここで復元予告とは、ムービーメール演出の後半部分(後演出)に該当する予告演出の一種であって、後演出の実行によって変化したメールアイコンD1の表示態様が、変化する前のメールアイコンD1の表示態様に復する予告演出である。より具体的には、8秒経過時において開封されていたメールアイコンD1(
図20参照)が、その周囲を光彩表示D4で囲って強調した後に(
図21参照)、未開封の状態のメールアイコンD1に復する(
図22参照)までの一連のメールアイコンD1の変化を、本実施形態では復元予告と称する。
なお、本実施形態では、擬似連演出の一回目の変動サイクルと二回目の変動サイクルの区切りと、復元予告の終了時を合わせるように復元予告が実行されるので、復元予告の終了時に演出図柄表示領域812に仮停止される演出図柄の組み合わせはチャンス目(例えば、「1」「2」「3」の順目からなる演出図柄の組合せ)であってもよい。
【0156】
図12に示すように、パターンDに係るタイムチャートは、中央列が仮停止した後に、二回目の変動サイクルが開始される(再変動する)点において、パターンCに係るタイムチャートと共通している。
二回目の変動サイクルにおいて、即ち、パターンDに係るタイムチャートにおける10秒経過以降に、二回目の開封予告が実行される。二回目の開封予告は、メールアイコンD1の開封が成功する成功パターンであることが好ましく、その終了後に実行されるムービー予告で表示される特典映像は、一回目のムービー予告で表示される特典映像に比べて遊技者の興趣を喚起させるために派手なもの(遊技者の関心を惹くもの)であることが好ましい。
【0157】
なお、一回目の開封予告と二回目の開封予告とは、その結果として表示される特典映像の違いだけではなく、大当り遊技の期待度についても相違することが好ましい。
即ち、演出図柄の変動の結果として大当り遊技の当選が報知される期待度について、復元演出を含む後演出が実行される場合の方が、復元予告を含まない後演出が実行される場合に比べて高くなっていることが好ましい。この場合、本実施形態のように、後演出の実行を契機として演出図柄表示領域812に表示される演出図柄の変動態様が変化する(例えば、後演出の実行を契機にリーチ状態を形成する、又は一の変動サイクルと次の変動サイクルの区切りに合わせて後演出を実行する等)ことがより好ましい。
【0158】
次に、
図12のパターンEに係るタイムチャートが示す演出パターンについて説明する。
この演出パターンは、まず0秒経過時から4秒経過時にかけてアイコン表示領域813にメールアイコンD1が表示される受信予告が実行される(
図14参照)。受信予告の終了時(4秒経過時)には、アイコン表示領域813は元の表示位置に戻り、アイコン表示領域813の中にはメールアイコンD1が表示された状態が維持される(
図16参照)。
即ち、パターンAにおける受信予告と同じ演出態様で、パターンEに係る受信予告も実行される。このような態様は、パターンAの実行に対して設定される受信予告フラグとパターンEの実行に対して設定される受信予告フラグとの共通化を図ることによっても実現可能である。
【0159】
図12に示すように、パターンEに係るタイムチャートは、受信予告が終わった後に、左列、右列及び中央列が順に仮停止して、確定停止に至る点においても、パターンAに係るタイムチャートと共通している。
しかしながら、パターンEに係るタイムチャートは、受信予告が終了すると、開封予告が開始される点において、パターンAに係るタイムチャートと相違している。
【0160】
パターンEに係るタイムチャートにおける10秒経過以降に、アイコン表示領域813からメールアイコンD1が消失して、アイコン表示領域813の外部領域においてメールアイコンD1が開封される様が表示される開封予告が実行される(
図17参照)。そして、当該開封予告は、メールアイコンD1の開封が失敗するガセパターンであって、文字表示D2が100%に到達する以前にダウンロードが失敗したことを示す表記に変化する(
図23参照)。
図23に示すとおり、パターンEにおける開封予告はガセパターンであるため、演出図柄表示領域812に表示される演出図柄の組合せは、原則として大当り遊技の非当選を示す演出図柄の組合せになる。
【0161】
上記のように、成功パターンの開封予告とガセパターンの開封予告とは、少なくとも導入部分におけるメールアイコンD1の表示態様の変化(
図17参照)が共通していることが好ましい。メールアイコンD1の表示態様により成功パターンとガセパターンを区別されると、開封予告の演出効果が損なわれるからである。
【0162】
ガセパターンの開封予告の実行を終えた後は、アイコン表示領域813にメールアイコンD1が戻される(メールアイコンD1を再表示される)。換言すれば、ガセパターンの開封予告の開始時におけるメールアイコンD1の表示態様及び終了時におけるメールアイコンD1の表示態様が、共に受信予告の終了時におけるメールアイコンD1の表示態様(
図16参照)と共通している。
【0163】
なお、上記のパターンEにおいては、一回の遊技中に受信予告とガセパターンの開封予告とを実行する態様を示したが、複数回の遊技に分けて受信予告とガセパターンの開封予告とを実行してもよい。
言い換えれば、受信予告(前演出)と成功パターンの開封予告(後演出)を実行する場合の一部において、受信予告を実行してから成功パターンの開封予告を実行するまでの期間においてガセパターンの開封予告(第二後演出)を実行してもよい。ここで該期間は、一回の遊技期間であってもよいし、複数回の遊技期間に跨がってもよい。
【0164】
パターンEの演出パターンでは、ガセパターンの開封予告が終了すると共に遊技(図柄変動ゲーム)が終了してもよいが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、ガセパターンの開封予告を実行した同一の遊技において、再表示されたメールアイコンD1を用いて更に開封予告を行ってもよく、該開封予告は成功パターンであることが好ましい。即ち、一回の遊技期間内において、受信予告とガセパターンの開封予告と成功パターンの開封予告とを実行してもよい。
このような実施態様では、ガセパターンの開封予告が実行されることによって受信予告を実行してから成功パターンの開封予告を実行するまでの期間が長くなり、該期間が長くなるほど、演出図柄の変動の結果として大当り遊技の当選が報知される期待度が向上する傾向になっていることが好ましい。この場合、成功パターンの開封予告の実行を契機として演出図柄表示領域812に表示される演出図柄の変動態様が変化する(例えば、成功パターンの開封予告の実行を契機にリーチ状態を形成する、又は一の変動サイクルと次の変動サイクルの区切りに合わせて成功パターンの開封予告を実行する等)ことがより好ましい。
【0165】
上記の実施態様を実現する遊技機には、以下のような構成が含まれることが好ましい。
該遊技機は、互いの演出内容に連続性を有している第一演出(例えば、受信予告)、第二演出(例えば、ガセパターンの開封予告)及び第三演出(例えば、成功パターンの開封予告)を、第一演出の次に第二演出を実行し、第二演出の次に第三演出を実行する演出制御手段と、第一演出、第二演出及び第三演出の実行の有無を判定する判定手段と、を備える。
ここで演出制御手段は、本実施形態では演出制御部210に相当する構成要素である。また、判定手段について、本実施形態に倣えば、第一演出及び第三演出の実行の有無に関する判定は特定判定部126が行うものと解され、第二演出の実行の有無に関する判定は演出制御部210が行うものと解される。
このように整理した場合、上述の実施形態において、判定手段は、第一演出の実行及び第三演出の実行を肯定した後に、第二演出の実行を肯定していると解される。
【0166】
一回の遊技において第一演出と第三演出とを共に実行する場合、当然ながら、演出制御部210は、該第一演出の実行期間と該第三演出の実行期間とを、該遊技の変動時間(該遊技において特別図柄が変動表示されてから停止表示される期間)に収めるように設定する。
このとき、演出制御部210(判定手段)は、該第一演出の実行期間と該第三演出の実行期間との間に第二演出の実行期間が収まるか否かを条件の少なくとも一部として第二演出の実行を肯定するか否かを判定することによって、一回の遊技期間に第一演出、第二演出及び第三演出を実行することができる。
【0167】
なお、複数回の遊技に跨がって第一演出と第二演出と第三演出とを実行する場合(例えば、先読みカウンタが「2」である遊技においてパターンEを実行し、先読みカウンタが「1」である遊技においてパターンBを実行する場合)、判定手段について、本実施形態に倣えば、第一演出及び第三演出の実行の有無に関する判定は先読み判定部112が行うものと解され、第二演出の実行の有無に関する判定は演出制御部210が行うものと解される。
また、この場合、演出制御部210は、該第一演出を実行する遊技の変動時間に該第一演出の実行期間を収めて設定し、該第三演出を実行する遊技の変動時間に該第三演出の実行期間を収めて設定する。そして、演出制御部210(判定手段)は、該第一演出が終了してから特別図柄が停止表示されるまでの間、又は特別図柄の変動が開始してから該第三演出が開始されるまでの間、のうち少なくとも一方に第二演出の実行期間が収まるか否かを条件の少なくとも一部として第二演出の実行を肯定するか否かを判定することによって、複数回の遊技に跨がって第一演出と第二演出と第三演出とを実行することができる。
【0168】
<本発明に係る爆弾演出に係る演出パターンについて>
次に、本発明に係る演出図柄の変動表示について、
図24から
図26を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図24から
図26は、爆弾演出に係る演出画像を示す図である。
【0169】
図24から
図26において、演出図柄表示領域812内に示す矢印は、演出図柄が変動(スクロール)する態様を示している。これらの矢印が示すとおり、本実施形態に係る演出図柄の変動方向(スクロール方向)は上下方向を一例として描いているが、左右方向や奥行き方向等の別の方向であってもよい。
また、
図24から
図26の一部に示す破線で囲っている領域は、保留表示領域811や演出図柄表示領域812の表示領域を示すものである。
【0170】
先読み判定部112によって爆弾演出の実行が肯定されて爆弾フラグが設定されると、その判定対象になった乱数を表す保留画像として爆弾を模した爆弾画像D5が保留表示領域811に表示される(
図24参照)。
図24に示す例では、「保4」の位置に爆弾画像D5が表示されるが、爆弾画像D5が表示される位置は先読み判定部112による判定時における保留数によって変化し、爆弾画像D5が最初にされる位置は「保1」「保2」「保3」のいずれかになる場合もある。
【0171】
上記のように、爆弾演出の開始タイミングは爆弾画像D5が保留表示領域811に最初に表示されるタイミングであり、該タイミングは始動口の入球(乱数の保留)を契機として定められる。
即ち、上述のムービーメール演出(第一先読み演出)と爆弾予告(第二先読み演出)とを比べた場合、ムービーメール演出は図柄変動ゲームにおける図柄の変動開始を契機として開始されるが、爆弾予告は保留画像の表示開始を契機として開始される点において相違する。
【0172】
仮に、第二設定部113によって設定された爆弾画像D5の爆発タイミングが、先読み判定部112による判定処理の対象遊技より一回前の遊技である場合、爆弾画像D5が「保1」に表示された遊技(
図25参照)において、爆弾画像D5が爆発する演出が行われる(
図26参照)。
ここで爆発後の保留画像は、通常の保留画像の表示態様より優位な表示態様(例えば、赤色や金色等)で表示されることが好ましい。
【0173】
上記のように、爆弾演出の終了タイミングは爆弾画像D5が爆発して他の表示態様の保留画像になるタイミングであり、該タイミングは保留画像のスライド(図柄変動ゲームの開始)を契機として定められる。
即ち、上述のムービーメール演出と爆弾予告とを比べた場合、どちらも図柄変動ゲームの開始時を基準として終了するタイミングが定まる点において共通する。
【0174】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図20を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0175】
上述の実施形態においては、保留表示領域811と演出図柄表示領域812とアイコン表示領域813とを、同一の表示装置(メイン表示部81)の表示領域内に設けたが、複数の表示装置(例えば、メイン表示部81と上サブ表示部82と左サブ表示部83と右サブ表示部84)の表示領域に分けて備えてもよい。
【0176】
上述の実施形態においてはアイコン表示領域813には一つのメールアイコンD1が表示される態様を示したが(
図14等参照)、アイコン表示領域813には、複数のメールアイコンD1が表示されてもよい。
なお、アイコン表示領域813に表示されるメールアイコンD1が複数である態様において、受信予告の契機となったムービーメールフラグの数は単数であってもよいし、複数であってもよい。換言すれば、単数のムービーメールフラグに起因してアイコン表示領域813に複数のメールアイコンD1を表示してもよいし、複数のムービーメールフラグのそれぞれに起因してアイコン表示領域813に複数のメールアイコンD1を表示してもよい。
【0177】
また、上記のように、アイコン表示領域813に複数のメールアイコンD1が表示されている場合に行われる演出図柄の変動の少なくとも一部において、複数のメールアイコンD1は別々の遊技において開封させる必要はなく、一回の遊技において開封させてもよい。換言すれば、演出制御部210は、一回の演出図柄の変動の実行期間にアイコン表示領域813から複数のメールアイコンD1の表示態様を変化させる開封予告を実行してもよい。
この態様で開封演出を実行する場合、演出制御部210は、当該開封予告と共に実行される演出図柄の変動はリーチ状態を経て停止させ、一のメールアイコンD1が消失するタイミングがリーチ状態になる前であって、他のメールアイコンD1が消失するタイミングがリーチ状態になった後であってもよい。
或いは、この態様で開封演出を実行する場合、演出制御部210は、擬似連演出における一の変動サイクルにおいて一のメールアイコンD1を消失させ、当該擬似連演出における他の変動サイクルにおいて他のメールアイコンD1を消失させてもよい。
【0178】
上述の実施形態では、演出制御部210によって復元演出が行われた後に、更にメールアイコンD1の表示態様を変化させる二回目の開封演出が実行される態様で説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、演出制御部210は、復元演出を実行した遊技において更に開封演出を実行せず、それより後に実行される遊技において新たに開封予告を実行してもよい。
【0179】
上述の実施形態において、ガセパターンの開封予告の実行を終えた後は、アイコン表示領域813にメールアイコンD1が再表示される態様を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、ガセパターンの開封予告の実行を終えた後は、表示されているメールアイコンD1が消失してもよい。
【0180】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)演出図柄の変動が表示される第一表示領域と、前記第一表示領域に前記演出図柄の変動が表示される場合の一部において、前記演出図柄とは別の表示として視認される演出画像を表示させる第二表示領域と、前記第二表示領域に前記演出画像を表示させることを少なくとも含む前演出を実行し、前記前演出が行われた後に、前記第二表示領域に表示されている前記演出画像の表示態様を変化させることを少なくとも含む後演出を実行する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段によって前記後演出が実行される場合の一部において、前記後演出の実行によって変化した前記演出画像の表示態様が、変化する前の前記演出画像の表示態様に復する復元演出を含む前記後演出が実行される遊技機。
(2)前記演出制御手段によって前記後演出が実行される場合の一部において、前記復元演出が行われた後に、更に前記演出画像の表示態様を変化させる演出を含む前記後演出が実行される(1)に記載の遊技機。
(3)前記後演出の実行を契機として前記第一表示領域に表示される前記演出図柄の変動態様が変化し、前記演出図柄の変動の結果として遊技者にとって有利な特別遊技状態の当選が報知される期待度について、前記復元演出を含む前記後演出が実行される場合の方が、前記復元演出を含まない前記後演出が実行される場合に比べて高くなっている(1)又は(2)に記載の遊技機。
(c)前記後演出の実行期間の長さに応じて、該後演出と共に実行される前記演出図柄の変動の結果として、遊技者にとって有利な特別遊技状態の当選が報知される期待度が変化しうる(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(d)前記第二表示領域に複数の前記演出画像が表示されている場合に行われる前記演出図柄の変動の少なくとも一部において、前記演出制御手段は、一回の前記演出図柄の変動の実行期間に複数の前記演出画像の表示態様を変化させる演出内容を含む前記後演出を実行する(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。