【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ラボラトリ試料分配システム用の試料コンテナキャリヤに関する。
試料コンテナキャリヤは、例えば従来型の試料管の形態をした、1つまたは複数の試料コンテナを担持するように構成される。
【0008】
試料コンテナキャリヤは、ラボラトリ試料分配システムの、例えば水平な、移送面の上で移動されるようにさらに構成される。
試料コンテナキャリヤは、磁気的移動力が試料コンテナに加えられるように、ラボラトリ試料分配システムを用いて発生された磁場と相互作用するように構成されている磁気的能動デバイスを備える。試料コンテナキャリヤは、例えば試料コンテナキャリヤに好適な向きを導入するために、複数の磁気的能動デバイスを備えることができることを理解されたい。磁気的能動デバイスは、永久磁石、電磁石であってもよく、および/または強磁性材料でできていても、またはそれを含んでいてもよい。
【0009】
試料コンテナキャリヤは、磁気的能動デバイスを被覆するカバーをさらに備える。
カバーは、1より大きい、好ましくは10より大きい、好ましくは100より大きい、好ましくは1000より大きい、好ましくは10000より大きい比透磁率μγを有する材料でできていても、またはそれを含んでいてもよい。
【0010】
カバーは、強磁性材料またはフェリ磁性材料でできていても、または強磁性材料またはフェリ磁性材料を含んでいてもよい。
カバーは、磁気的軟材料、好ましくは構造用鋼材でできていても、またはそれを含んでいてもよい。この材料が、目的の用途に適切な特性を示すことは証明され、そして、この材料は安価で、容易に入手可能である。
【0011】
カバーは、例えばドーム形状を有することができ、この形状が、目的の用途に適切であると証明された。
カバーは、磁力線密度が移送面に向かう所望の方向で高くなるように、磁気的能動デバイスから生じる磁力線を整列させ集中させており、磁気的能動デバイスの磁場は、ラボラトリ試料分配システムを用いて発生される磁場と相互作用するように意図されている。このことは、移送面の上で試料コンテナキャリヤを駆動するときに、消費電力を減少させることを可能にする。
【0012】
実施形態によれば、磁気的能動デバイスおよび/またはカバーは、試料コンテナキャリヤの底部と垂直に整列される。
実施形態によれば、試料コンテナキャリヤは摺動部材を備え、摺動部材は、試料コンテナキャリヤが移送面上に置かれる場合に、移送面と接触するように構成される。カバーおよび摺動部材は、例えば閉じた、空洞を画定する。磁気的能動デバイスは、空洞の内部に配置されている。試料コンテナキャリヤは、摺動部材上の移送面上で摺動する。摺動部材は、移送面と摺動部材との間の摩擦が低減されるように、構成され得る。
【0013】
実施形態によれば、カバーは、摺動部材の方向に開口を有する、またはその方向に開いている。これにより、特に磁気的能動デバイスがカバーの下、かつ摺動部材より上に置かれるときに、移送面に向かう磁力線の好ましい出口を可能にする。
【0014】
磁気的能動デバイスおよび/またはカバーは、水平方向に円形断面を有することができる。「水平な」という用語は、使用中の試料コンテナキャリヤの典型的な向きを表している。したがって、試料コンテナキャリヤの好適な向きは、省略され得る。
【0015】
実施形態によれば、カバーは、磁石より上に配置された板を備え、板は、好ましくは、磁気的能動デバイスを越えて横方向に延在している。これにより、磁石の上方の磁力線を遮蔽することが可能になる。
【0016】
実施形態によれば、カバーは、磁気的能動デバイスの側方を少なくとも部分的に包囲している。これにより、磁気的能動デバイスの周囲全体で、遮蔽または場誘導が可能になる。あるいは、カバーは、磁気的能動デバイスの側方を包囲するいくつかのセクタを備えていてもよく、セクタは、相互に離間している。そのような実施形態は、1つの好適な向きまたは複数の好適な向きを可能にする。例えば、カバーは、2個から10個までのセクタを備えていてもよい。
【0017】
実施形態によれば、カバーの側方包囲部分は、磁気的能動デバイスから離間している。これにより、上側部で磁気的能動デバイスから離れる磁力線を専用に曲げることが可能になる。
【0018】
実施形態によれば、カバーの側方包囲部分および/または磁石より上に配置されたカバーの部分は、磁気的能動要素によって誘発された典型的磁場で磁気飽和を防止するように構成された厚さを有する。そのような典型的磁場は、例えば約0.7Tの値を有することができる。飽和は、目的通りに磁力線を曲げるためのカバーの能力低下をもたらすだろう。
【0019】
実施形態によれば、磁石より上に配置されているカバーの部分は、少なくとも部分的に磁気的能動デバイスに当接している。このことは、磁気的能動デバイスからカバーまで増強された磁力線をつなげることをもたらす。例えば、カバーは、上で論じられた板を用いて磁気的能動デバイスに当接することができる。
【0020】
実施形態によれば、カバーは、磁気的能動デバイス上に組み付けられたキャップの形態をとる。
別の実施態様によれば、カバーおよび磁気的能動デバイスは併せて、キノコの形態をとり、磁気的能動要素が、キノコの軸部を構成し、カバーが、キノコのかさ部を構成している。そのような実施態様が、典型的な用途に適していることは証明された。
【0021】
実施形態によれば、試料コンテナキャリヤは、試料コンテナを担持するために、試料コンテナ用の保持手段を備える。保持手段は、試料コンテナ用の取入口として円錐を構成している円錐要素を備えることができる。保持手段は、試料コンテナキャリヤの最上部に配置されるいくつかのばねアームをさらに備えていてもよく、ばねアームは、側面から試料コンテナと係合するように構成されている。そのような実施態様が、試料コンテナキャリヤを用いて典型的試料コンテナを保持して移送するのに適していることが証明された。
【0022】
実施形態によれば、保持手段は、カバーより上に配置される。これにより、試料コンテナキャリヤの横方向にコンパクトな設計が可能になる。
本発明はさらに、本発明によるいくつか(1〜500)の試料コンテナキャリヤと、試料コンテナキャリヤを支持するように構成されている移送面と、移送面より下に固定して配置されているいくつか(4〜1024)の電磁アクチュエータであって、磁場を発生させて移送面の上部の試料コンテナキャリヤのそれぞれを移動するように構成されている電磁アクチュエータと、それぞれの試料コンテナキャリヤが対応する移送路に沿って移動するように電磁アクチュエータを駆動することによって、移送面の上部の試料コンテナキャリヤのそれぞれの動きを制御するように構成されている制御デバイスと、を備えるラボラトリ試料分配システムに関する。
【0023】
移送面は、移送表面と表すこともできる。試料コンテナキャリヤを支持することは、試料コンテナキャリヤを担持することと表すこともできる。ラボラトリ試料分配システムの電磁アクチュエータは、移送面の上で試料コンテナキャリヤを駆動する磁場を発生させるために使用され得る。試料コンテナキャリヤは二次元的に動かすことができ、試料コンテナキャリヤを移送するときに、例えばラボラトリステーションの間で移送するときに、大きな融通性を提供することができる。
【0024】
実施形態によれば、カバーの水平断面における半径は、電磁アクチュエータの中心と直接隣接する電磁アクチュエータの円周との間の最小距離と同一である、またはそれより僅かに小さい。そのような設計が、移送面の上で試料コンテナキャリヤを効率的に移送するのに適していることが証明済みされた。あるいは、半径は、電磁アクチュエータの中心と隣接する電磁アクチュエータの円周との間のほぼ最小距離であると言うことができる。
【0025】
アクチュエータ間の距離は、典型的実施態様では、20mm、または約20mmである。
移送面は、電気伝導材料で作ることができ、接地することができる。強磁性カバーは、電気伝導材料、例えば鉄鋼などで形成されてもよい。強磁性カバーは、キャップ形状またはベル形状(bell−shape、鐘状)を有していてもよい。キャップまたはベルの開口を画定する強磁性カバーの下端は、試料コンテナキャリヤが移送面上に置かれる場合には、移送面と直接接触するように構成することができる。強磁性カバーおよび移送面は、試料コンテナキャリヤが移送面上に置かれる場合には、空洞を画定する。磁気的能動デバイスは、空洞の内部に配置されることができる。磁気的能動デバイスは、強磁性カバーの上端で強磁性カバーに固定することができる。強磁性カバーは、例えば強磁性カバーの上端に置かれている、試料コンテナ用の保持手段を備えることができる。例えば、保持手段は、試料コンテナを受けるように構成される、例えば円形断面を有する止まり穴として具現化され得る。この実施形態は、試料コンテナキャリヤが移送面の上で移動する場合に、移送面の静電帯電、および試料コンテナキャリヤの底部の静電帯電を防止する。
【0026】
磁気的能動デバイスまたは試料コンテナキャリヤの磁気的要素は、磁気的移動力が、移送面上に置かれている試料コンテナキャリヤの角度に依存するように配置されることができる。そのような実施形態を用いて、試料コンテナキャリヤを好適な方向に誘導することが可能である。好適な方向のない試料コンテナキャリヤを使用する従来技術と比較すると、試料コンテナキャリヤの不随意的な回転の影響を防止することができる。このことは、例えばエネルギー消費をおさえて、動きを安定化させることができる。
【0027】
磁気的移動力が傾斜に依存するという文言は、磁気的移動力、例えば磁気的移動力の量が、外部磁場に対する試料コンテナキャリヤの向きに依存していることを意味し得る。例えば、試料コンテナキャリヤが垂直軸を中心にいくらかの量だけ回転される場合には、試料コンテナキャリヤが同じ位置で観察されても、磁気的移動力は別の量を有していても別の方向に向いていてもよい。
【0028】
磁気的能動デバイスは、正多角形の水平断面、好ましくは正方形断面を有することができる。
強磁性カバーまたは案内デバイスは、好ましくはアームとして具現化される、いくつかのセクタを備える水平断面を有することができ、セクタは相互に離間しており、それぞれが、案内デバイスの共有中心部から始まっている。
【0029】
セクタは、十字を形成するように配置されることができる。
摺動部材は、中心部から延びるいくつかのアームを含む水平断面を有することができ、摺動部材は、アームの間の凹形の水平断面を有する。
【0030】
摺動部材は、いくつかの下縁部を備えることができ、下縁部は、移送面と接触するように構成されている摺動部材の部分を包囲しており、下縁部は、少なくとも部分的に斜めになっている。
【0031】
摺動部材は、摺動部材が移送面と接触していない、中央に位置する凹部を有していてもよい。凹部は、移送面と接触するように構成されている摺動部材の部分によって包囲されていてもよい。
【0032】
電磁アクチュエータ、特にそれぞれの磁気コイルおよび/または磁気コアは、正多角形の水平断面、好ましくは正方形断面を有することができる。
電磁アクチュエータに関連する特定のカバーの、先程検討した実施態様は、電磁アクチュエータを用いて試料コンテナキャリヤを駆動するのに特に効果的であることが証明された磁力線の流れを可能にする。
【0033】
本発明は、さらに、いくつかの分析前(ラボラトリ)ステーション、分析(ラボラトリ)ステーション、および/または分析後(ラボラトリ)ステーションを備えるラボラトリ自動化システムと、ラボラトリステーションの間で試料コンテナキャリヤおよび/または試料コンテナを担持するように構成された、上記の通りのラボラトリ試料分配システムとに関する。ラボラトリステーションは、ラボラトリ試料分配システムに隣接して配置され得る。
【0034】
分析前ステーションは、試料、試料コンテナ、および/または試料コンテナキャリヤの任意の種類の前処理を行なうように構成され得る。
分析ステーションは、試料または試料の一部、および測定信号を発生させる試薬を使用するように構成されることができ、測定信号は、分析物が存在しているかどうか、もし存在すれば、その濃度を示す。
【0035】
分析後ステーションは、試料、試料コンテナ、および/または試料コンテナキャリヤの任意の種類の後処理を行なうように構成され得る。
分析前ステーション、分析ステーション、および/または分析後ステーションは、キャップ除去ステーション、キャップ再取付ステーション、分取ステーション、遠心分離ステーション、保管ステーション、ピペッティングステーション、選別ステーション、管型識別ステーション、および試料品質決定ステーションの少なくとも1つを備えることができる。
【0036】
本発明は、以下の図面に関して詳細に説明される。