(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
(プレート積層型熱交換器の構成)
以下、本発明の一実施形態に係るプレート積層型熱交換器1について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、プレート積層型熱交換器1を示す斜視図である。
図2は、プレート積層型熱交換器1を示す側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るプレート積層本体30の展開斜視図である。
【0022】
図1に示される通り、プレート積層型熱交換器1は、プレート積層本体30及びヘッダ4から構成される熱交換器本体2を含む。
【0023】
図3に示される通り、プレート積層本体30は、高温流体G1を流すための高温流体流路39aを有する第1プレート3aと、低温流体G2を流すための低温流体流路39bを有する第2プレート3bとを交互に積層することによって形成される。以降、第1プレート3a及び第2プレート3bをプレート3と総称する。高温流体流路39a及び低温流体流路39bを流路39と総称する。高温流体G1及び低温流体G2を流体Gと総称する。
プレート3は、幅方向及び長手方向の2つの方向を有する。幅方向は、高温流体G1が
図3の高温流体流路39aを出入りして流れる方向に対応する。
以下の説明において、プレート3の幅方向をX方向と称する。プレート3の長手方向をY方向と称する。プレート3の積層方向をZ方向と称する。
図2に示される通り、プレート3は、X方向の一方側(−X方向)に配置された第1側面38cと、X方向の他方側(+X方向)に配置された第2側面38dと、Y方向の一方側(+Y方向)に配置された第3側面38eと、Y方向の他方側(−Y方向)に配置された第4側面38fとの4つの側面を有する。
プレート3を積層して形成されたプレート積層本体30の4つの側面を、プレート3の第1側面38c、第2側面38d、第3側面38e、及び第4側面38fと同一名称で称する。
【0024】
本実施形態において、
図2に示される通り、ヘッダ4は、第1入口ヘッダ4a、第2入口ヘッダ4b、第1出口ヘッダ4c、及び第2出口ヘッダ4dの4つのヘッダから構成される。
図2に示される通り、第1入口ヘッダ4aは、第3側面38eにより近い、プレート積層本体30の第1側面38c上に配される。第1入口ヘッダ4aは、高温流体G1がプレート積層本体30の外部から流入する際に通過する第1入口4eを有する。
第2入口ヘッダ4bは、第3側面38eにより近い、プレート積層本体30の第2側面38d上に配される。第2入口ヘッダ4bは、低温流体G2がプレート積層本体30の外部から流入する際に通過する第2入口4fを有する。
第1出口ヘッダ4cは、第4側面38fにより近い、プレート積層本体30の第2側面38d上に配される。第1出口ヘッダ4cは、高温流体G1がプレート積層本体30の外側に流出する際に通過する第1出口4gを有する。
第2出口ヘッダ4dは、第4側面38fにより近い、プレート積層本体30の第1側面38c上に配される。第2出口ヘッダ4dは、低温流体G2がプレート積層本体30の外側に流出する際に通過する第2出口4hを有する。
【0025】
図3に示される通り、プレート3は、平板形状に形成され、第1表面38a及び第2表面38bを有する。
図3に示される通り、高温流体G1が通過して流れる高温流体流路39aは、エッチングにより、第1プレート3aの第1表面38a上で溝部形状に形成される。低温流体G2が通過して流れる低温流体流路39bは、エッチングにより、第2プレート3bの第1表面38a上で溝部形状に形成される。
【0026】
図4は、第1プレート3a(プレート3)の第1表面38a上に形成された高温流体流路39aのパターンを示す上面図である。
図5は、
図4の部分Aの拡大図である。
図6は、
図4の線VI−VI’に沿った断面図である。
図3及び
図4に示される通り、高温流体流路39aは、第1入口通路31a、第1中間通路33a、メイン通路34a、第2中間通路33b、及び第1出口通路32aの4つの部分を有する。低温流体流路39bは、第2入口通路31b、第1中間通路33a、メイン通路34b、第2中間通路33b、及び第2出口通路32bの4つの部分を有する。
第1入口通路31a及び第2入口通路31bを入口通路31と総称する。第1中間通路33a及び第2中間通路33bを中間通路33と総称する。メイン通路34a及びメイン通路34bをメイン通路34と総称する。第1出口通路32a及び第2出口通路32bを出口通路32と総称する。また、入口通路31、中間通路33、及び出口通路を第1溝部群と総称する。メイン通路34を第2溝部群と称する。
基本的構成は同一であるため、以下の説明は、第1プレート3aの高温流体流路39aに基づいて行う。
【0027】
図4に示される通り、第1入口通路31aは、平面視で(+Z方向から見ると)線状溝部形状を有する複数の溝部から構成され、複数の溝部がY方向に配列されるように、Y方向において範囲L3(
図5に示される通り)内に形成される。
第1入口通路31aは、第1プレート3aの第3側面38eから離間した位置において、第1プレート3aの第1側面38cへ(−X方向へ)開いた第1入口開口40aを有する。
第1入口通路31aは、第1プレート3aの第2側面38d側に向かって(+X方向に向かって)、第1プレート3aの第3側面38eと平行に、第1入口通路31aと第1プレート3aの第2側面38dとの間に所定距離で配された位置まで延びる。
また第1入口通路31aは、第1プレート3aの第4側面38f側に接近するに連れてX方向の長さがより短くなるように形成される。
【0028】
図4に示される通り、第1中間通路33aは、平面視で(+Z方向から見ると)線状溝部形状を有する複数の溝部から構成される。
第1中間通路33aは、Y方向の範囲L3において、且つ、X方向の範囲L1において、第1側面38cの付近に配置された第1中間通路33aの最も外側の溝部から、第2側面38dの付近に配置された第1中間通路33aの最も外側の溝部まで、範囲L2(
図5に図示)内に形成される。
第1中間通路33aは、(+X方向における)第2側面38dの付近の第1入口通路31aの端部に近い部分から、統合部分37(後述)をその間に介在させて形成される。
第1中間通路33aは、(−Y方向における)第4側面38fの付近に配置された第1入口通路31aの最も外側の溝部の位置と同一のY軸方向における位置まで、第1プレート3aの第4側面38fに向かって延び、傾斜する。
【0029】
図4に示される通り、メイン通路34aは、平面視で(+Z方向から見ると)波形形状を有する複数の溝部で形成され、複数の溝部がX方向に配列されるように、X方向の範囲L1(
図5に図示)内に形成される。
メイン通路34aは、(−Y方向における)第4側面38fの付近の第1中間通路33aの端部に近い部分から、統合部分37をその間に介在させて形成され、(−X方向における)第1側面38cの付近に配置されたメイン通路34aの最も外側の溝部が、(−Y方向における)第4側面38fの付近に配置された第1入口通路31aの最も外側の溝部上の(+X方向における)第2側面38dに近い端部に接続される。
メイン通路34aは、X方向においてメイン通路34aの両側に所定幅W4(
図6に図示)を有して、第1プレート3aの略中央に配置される。
メイン通路34aは、第1プレート3aの第1側面38cと平行に、第4側面38f(−Y方向)に向かって延びる。
【0030】
中間通路33bの構成は、中間通路33aのものと同様である。すなわち、
図3に示される通り、第2中間通路33bは、複数の溝部から構成される。
第2中間通路33bは、(−Y方向における)第4側面38fの付近のメイン通路34aの端部に近い部分から、統合部分37をその間に介在させて形成される。
第2中間通路33bは、第1プレート3aの第2側面38dに向かって延び、傾斜する。
【0031】
第1出口通路32aの構成は、第1入口通路31aのものと同様である。すなわち、
図4に示される通り、第1出口通路32aは、複数の溝部がY方向に配列されるように、複数の溝部から構成される。
第1出口通路32aは、(+X方向における)第2側面38dの付近の第2中間通路33bの端部に近い部分から、統合部分37を介在させて形成され、(+Y方向における)第3側面38eの付近に配置された第1出口通路32aの最も外側の溝部は、(+X方向における)第2側面38dの付近に配置されたメイン通路34aの最も外側の溝部上の(−Y方向における)第4側面38fに近い端部に接続される。
第1出口通路32aは、第1プレート3aの第4側面38fと平行に、(+X方向に向かって)第1プレート3aの第2側面38dに向かって延びる。
第1出口通路32aは、第1プレート3aの第4側面38fから離間した位置に、第1プレート3aの第2側面38dへ(+X方向へ)開いた第1出口開口41aを有する。
【0032】
図5に示される通り、メイン通路34aは、溝部幅W1を有し、第1中間通路33aは、溝部幅W2を有し、第1入口通路31aは、溝部幅W3を有する。第2中間通路33bは、第1中間通路33aと同一の溝部幅を有し、第1出口通路32aは、第1入口通路31aと同一の溝部幅を有する。
溝部幅W1〜W3は、以下の関係を満たす。
W1<W2<W3
【0033】
本実施形態において、
図6に示される通り、メイン通路34aの溝部幅W1は、2mm〜4mmに設定される。溝部幅W1は、3mmに設定されることがより好ましい。
プレート3の厚さTは、幅W1未満に設定されることが好ましい。プレート3の厚さは、2mm以下に設定されることがより好ましい。
第1入口通路31a、中間通路33、メイン通路34a、及び第1出口通路32aの溝部深さDは、約1.5mmに設定されることが好ましい。
【0034】
さらに、範囲L1〜L3は、以下の関係を満たす。
L3<L2<L1
また、メイン通路34aにおける溝部の数は、中間通路33より多く、中間通路33における溝部の数は、第1入口通路31a及び第1出口通路32aより多い。
【0035】
図7は、
図5の線VII−VII’−VII’’に沿った断面図である。
図8は、
図5の線VIII−VIII’−VIII’’−VIII’’’に沿った断面図である。
図7において、第1中間通路33aは、VII−VII’の間の領域によって示され、統合部分37は、VII’−VII’’の間の領域によって示される。
図7に示される通り、第1中間通路33aとメイン通路34aとの間の統合部分37は、例えば、第1中間通路33aより広い溝部幅を有する1つの溝部を有するように構成される。
より具体的には、第1中間通路33aには、
図7のVII−VII’間の領域に示される通り、幅W2の間隔で内壁42に規定される複数の溝部が設けられる。従って、高温流体G1は、第1中間通路33aにおける各溝部に別々に流れる。
しかしながら、第1中間通路33aとメイン通路34aとの間の統合部分37は、
図7のVII’−VII’’間の領域に示される通り、X方向における範囲L1の両側に設けられる2つの内壁42を有する。統合部分37の2つの内壁42のうちの一方は、第1側面38cの付近に配置された第1中間通路33aとメイン通路34aの最も外側の溝部が接続される部分である。統合部分37の2つの内壁42のうちの他方は、第2側面38dの付近に配置される第1中間通路33aとメイン通路34aの最も外側の溝部が接続される部分である。従って、第1中間通路33aから流れる高温流体G1は、統合部分で統合される。
【0036】
図8において、第1中間通路33aは、VIII−VIII’−VIII’’間の領域に示され、統合部分37は、VIII’’−VIII’’’間の領域に示される。
図8に示される通り、第1入口通路31aと第1中間通路33aの間の統合部分37は、例えば、複数の溝部を有するように構成される。
より具体的には、第1入口通路31aと第1中間通路33aの間の統合部分37には、
図8のVIII’’−VIII’’’間の領域に示される通り、範囲L2の両側に設けられた2つの内壁42を含む中間通路33の幅W2より広い間隔で内壁42に規定された複数の溝部が設けられる。本構成により、第1入口通路31aから流れる高温流体G1は、依然として統合部分37で統合可能である。
【0037】
本実施形態において、統合部分37が1つの溝部を有する第1種別と統合部分37が複数の溝部を有する第2種別との、2つの種別の統合部分37を説明する。しかしながら、第1中間通路33aとメイン通路34aの間の統合部分37は、第2種別で形成されてもよい。第1入口通路31aと第1中間通路33aの間の統合部分37は、第1種別で形成されてもよい。
メイン通路34aと第2中間通路33bの間、及び第2中間通路33bと第1出口通路32aの間の統合部分37は、また、第1種別及び第2種別のいずれか一方で形成される。
【0038】
図4に示される通り、接合部分35は、第2プレート3bの第2表面38bに接合されてプレート積層本体30を形成するように構成された第1プレート3aの高温流体流路39aの周囲に形成される。
図6に示される通り、接合部分35は、X方向において、第1側面38cにより近い第1表面38aの端部縁部から第1側面38cの付近のメイン通路34aの最も外側の溝部まで、幅W4を有する。
本実施形態において、幅W4は、メイン通路34aの幅W1の10倍以下に設定されることが好ましい。
【0039】
図4に示される通り、接合部分35は、所定の空間を有して+X方向における第1中間通路33aの側と、所定の空間を有して−X方向における第2中間通路33bの側との2箇所に形成された補助接合部分36を有する。
本実施形態において、第1中間通路33aの側に形成された補助接合部分36は、例えば、第3側面38eの付近に配置された第1入口通路31aの最も外側の溝部の位置と同一のX方向における位置に配置された第1辺と、第2側面38dの付近に配置されたメイン通路34aの最も外側の溝部の位置と同一のY方向における位置に配置された第2辺と、間に所定空間を介在させて、第2側面38dの付近に配置された第1中間通路33aの最も外側の溝部に平行な第3辺とを有する正三角形状を有する。
複数の溝部は、補助接合部分36の内部に形成される。本実施形態は、補助接合部分36の複数の溝部は、複数の溝部がX方向に延びるように、所定間隔で形成される。補助接合部分36の複数の溝部は、例えば、Y方向等、他の方向に延びるように形成されてもよい。
【0040】
本実施形態において、第2プレート3bの低温流体流路39bは、第1プレート3aの高温流体流路39aと同様の形状を有する。しかしながら、低温流体流路39bは、X方向において高温流体流路39aを左右反転した形状を有して形成される。
以下、第2プレート3bの低温流体流路39bと第1プレート3aの高温流体流路39aの違いのみについて説明する。
【0041】
図3に示される通り、第2入口通路31bは、第2プレート3bの第3側面38eから離間した位置において第2プレート3bの第2側面38dへ(+X方向へ)開いた第2入口開口40bを有する。第2入口通路31bは、第2プレート3bの第1側面38c側に向かって(−X方向に向かって)、第2プレート3bの第3側面38eと平行に、第2入口通路31bと第2プレート3bの第1側面38cとの間に所定距離で配された位置まで延びる。
【0042】
図3に示される通り、第1中間通路33aは、(−X方向における)第1側面38cの付近の第2入口通路31bの端部に近い部分から、統合部分37を介在させて形成される。
第1中間通路33aは、第2プレート3bの第4側面38fに向かって、(−Y方向における)第4側面38fの付近に配置された第2入口通路31bの最も外側の溝部の位置とY方向における同一位置まで延び、傾斜する。
【0043】
図3に示される通り、メイン通路34bは、(−Y方向における)第4側面38fの付近の第1中間通路33aの端部に近い部分から、統合部分37を介在させて形成され、(+X方向における)第2側面38dの付近に配置されたメイン通路34bの最も外側の溝部は、(−Y方向における)第4側面38fの付近に配置された第1入口通路31aの最も外側の溝部上の(−X方向における)第1側面38cに近い端部に接続される。
本実施形態において、メイン通路34bは、メイン通路34aへの同一方向(Y方向)に配置される。
【0044】
図3に示される通り、第2中間通路33bは、(−Y方向における)第4側面38fの付近のメイン通路34bの端部に近い部分から、統合部分37を介在させて形成される。
第2中間通路33bは、第2プレート3bの第1側面38cに向かって延び、傾斜する。
【0045】
図3に示される通り、第2出口通路32bは、(−X方向における)第1側面38cの付近の第2中間通路33bの端部に近い部分から、統合部分37を介在させて形成され、(+Y方向における)第3側面38eの付近に配置された第2出口通路32bの最も外側の溝部は、(−X方向における)第1側面38cの付近に配置されたメイン通路34aの最も外側の溝部上の(−Y方向における)第4側面38fに近い端部に接続される。
第2出口通路32bは、第1プレート3aの第1側面38cに向かって(−X方向に向かって)、第2プレート3bの第4側面38fと平行に延びる。
第2出口通路32bは、第2プレート3bの第4側面38fから離間した位置に、第2プレート3bの第1側面38cへ(−X方向へ)開いた第2出口開口41bを有する。
【0046】
図4に示される通り、第2プレート3bの接合部分35は、第1プレート3aの第2表面38bに接合してプレート積層本体30を形成するように構成されている。接合部分35は、−X方向における第1中間通路33aの一方側と、+X方向における第2中間通路33bの一方側の2箇所に形成された補助接合部分36を有する。
【0047】
(プレート積層型熱交換器の組立方法)
次に、
図1〜
図3を参照して、プレート積層型熱交換器1の組立方法を説明する。
【0048】
まず、
図3に示される通り、第1プレート3a及び第2プレート3bは、第1プレート3aの第1表面38aと第2プレート3bが同一方向(
図3の+Z方向)を向き、第1入口開口40aがX方向において第2プレート3b上に形成された第2入口通路31bの第2入口開口40bと反対側に位置付けられるように、交互に配置される。
そして、第1プレート3aと第2プレート3bの接合部分が蝋付け材料で被覆され、第1プレート3aと第2プレート3bの第2表面38bにそれぞれ蝋付けされて、プレート積層本体30を形成する。
【0049】
次に、
図2に示される通り、第1入口4eが第1入口通路31aの第1入口開口40aに対して配置されるように、第1入口ヘッダ4aがプレート積層本体30の第1側面38cの第3側面38e側に取り付けられる。
第2入口4fが第2入口通路31bの第2入口開口40bに対して配置されるように、第2入口ヘッダ4bがプレート積層本体30の第2側面38dの第3側面38e側に取り付けられる。
第1出口4gが第1出口通路32aの第1出口開口41aに対して配置されるように、第1出口ヘッダ4cがプレート積層本体30の第2側面38dの第4側面38fに取り付けられる。
第2出口4hが第2出口通路32bの第2出口開口41bに対して配置されるように、第2出口ヘッダ4dがプレート積層本体30の第1側面38cの第4側面38fに取り付けられる。
このように、第1入口ヘッダ4a、第2入口ヘッダ4b、第1出口ヘッダ4c、及び第2出口ヘッダ4dがプレート積層本体30に取り付けられ、熱交換器本体2を形成する(
図1に図示)。
【0050】
その後、熱交換器本体2に高温流体G1及び低温流体G2を供給するパイプ(不図示)が、第1入口4e及び第2入口4fに各々接続される。また、熱交換器本体2から高温流体G1及び低温流体G2を排出するパイプ(不図示)が、第1出口4g及び第2出口4hに各々接続される。
このようにして、プレート積層型熱交換器1の組立を完了する。
【0051】
(プレート積層型熱交換器の動作)
次に、
図2及び
図3を参照して、プレート積層型熱交換器1の動作を説明する。
まず、
図2に示される通り、高温流体G1が熱交換器本体2の外部から第1入口ヘッダ4aの第1入口4eに供給される。
図3に示される通り、高温流体G1は、第1入口ヘッダ4aから第1入口開口40aを通って高温流体流路39aの第1入口通路31aに流入する。第1入口通路31aにおいて、高温流体G1は、第1入口通路31aの伸長方向に沿って+X方向に流入する。
そして、高温流体G1は、第1入口通路31aから統合部分37に流入する。第1入口通路31aから流れる高温流体G1は、統合部分37で統合される。その後、高温流体G1は、第1中間通路33aへ流入するように分離される。
第1中間通路33aにおいて、高温流体G1は、第1中間通路33aの傾斜に沿う方向に流れる。
そして、高温流体G1は、第1中間通路33aから統合部分37に流入する。第1中間通路33aから流れる高温流体G1は、統合部分37で統合される。その後、高温流体G1は、メイン通路34aに流入するように分離される。
メイン通路34aにおいて、高温流体G1は、メイン通路34aの伸長方向に沿って−Y方向に流れる。
そして、高温流体G1は、メイン通路34aから統合部分37に流入する。メイン通路34aから流れる高温流体G1は、統合部分37で統合される。その後、高温流体G1は、第2中間通路33bに流入するように分離される。
第2中間通路33bにおいて、高温流体G1は、第2中間通路33bの傾斜に沿う方向に流れる。
そして、高温流体G1は、第2中間通路33bから統合部分37に流入する。第2中間通路33bから流れる高温流体G1は、統合部分37で統合される。その後、高温流体G1は、第1出口通路32aに流入するように分離される。
第1出口通路32aにおいて、高温流体G1は、第1出口通路32aの伸長方向に沿って+X方向に流れる。高温流体G1は、第1出口通路32aから第1出口開口41aを通って第1出口ヘッダ4cに流れる。
そして、
図2に示される通り、高温流体G1は、第1出口ヘッダ4cの第1出口4gを通って熱交換器本体2の外部に排出される。
【0052】
さらに、
図2に示される通り、低温流体G2が熱交換器本体2の外部から第2入口ヘッダ4bの第2入口4fに供給される。
図3に示される通り、低温流体G2は、第2入口ヘッダ4bから第2入口開口40bを通って低温流体流路39bの第2入口通路31bに流入する。第2入口通路31bにおいて、低温流体G2は、第2入口通路31bの伸長方向に沿う−X方向に流れる。
そして、低温流体G2は、第2入口通路31bから統合部分37に流入する。第2入口通路31bから流れる低温流体G2は、統合部分37で統合される。その後、低温流体G2は、第1中間通路33aに流入するように分離される。
第1中間通路33aにおいて、低温流体G2は、第1中間通路33aの傾斜に沿う方向に流れる。
そして、低温流体G2は、第1中間通路33aから統合部分37に流入する。第1中間通路33aから流れる低温流体G2は、統合部分37で統合される。その後、低温流体G2は、メイン通路34bに流入するように分離される。
メイン通路34bにおいて、低温流体G2は、メイン通路34bの伸長方向に沿って−Y方向に流れる。
そして、低温流体G2は、メイン通路34bから統合部分37に流入する。メイン通路34bから流れる低温流体G2は、統合部分37で統合される。その後、低温流体G2は、第2中間通路33bに流入するように分離される。
第2中間通路33bにおいて、低温流体G2は、第2中間通路33bの傾斜に沿う方向に流れる。
そして、低温流体G2は、第2中間通路33bから統合部分37に流入する。第2中間通路33bから流れる低温流体G2は、統合部分37で統合される。その後、高温流体G1は、第2出口通路32bに流入するように分離される。
第2出口通路32bにおいて、低温流体G2は、第2出口通路32bの伸長方向に沿って−X方向に流れる。
低温流体G2は、第2出口開口41bを通って第2出口ヘッダ4dに流れる。
そして、
図2に示される通り、低温流体G2は、第2出口ヘッダ4dの第2出口4hを通って熱交換器本体2の外部に排出される。
【0053】
このように、メイン通路34aを通って流れる高温流体G1とメイン通路34bを通って流れる低温流体G2は、同一の方向(
図3の−Y方向)に流れる。
この時、高温流体G1の熱が低温流体G2に伝達され、両者間の熱交換が実施される。
【0054】
(効果)
このように、上述の実施形態においては、メイン通路34の溝部幅W1、中間通路33の溝部幅W2、並びに入口通路31及び出口通路32の溝部幅W3がW1<W2<W3の関係を満たすように流路39が形成されるため、メイン通路34内に形成される溝部及び内壁42の数が増加する。内壁42が形成される第1表面38aの部分が、隣接するプレート3に接合される接合部分として使用されるため、メイン通路34内に形成される内壁42の数が増加するほど、プレート3が互いにより強力に接合される。さらに、内壁42が形成される各接合部分が狭いため、各接合部分は、蝋付け材料で十分に被覆することができる。従って、蝋付け材料の不足によって生じる接合欠陥の発生を防ぐことができる。
また、プレート積層型熱交換器1内の圧力が高くなる時、プレート3に付与される応力が上昇し、複数のプレート3が応力によって剥離してしまうことがある。しかしながら、メイン通路34の溝部幅W1が狭いため、応力がメイン通路34内の各溝部に分散され、プレート3に付与される応力が低下する。従って、複数のプレート3が剥離してしまうのを防ぐことができる。
結果として、プレート積層型熱交換器1は、例えば、圧力が100バールを超える高圧環境下で使用可能である。
【0055】
上述の構成により、各プレート3の間の接合力が上昇するため、各プレート3は、プレート積層型熱交換器1が高圧環境下で使用される場合であっても、互いに蝋付けにより接合することができる。さらに、各プレート3が蝋付けによって接合されるため、プレート積層型熱交換器1は、低コストで作製することができる。
【0056】
また、メイン通路34の幅W1が2mm〜4mmに設定されるため、メイン通路34内で流体Gの圧力がさらに上昇され、高温流体G1と低温流体G2の間の熱交換の速度を上昇することができ、熱交換の効率を向上することができる。
さらに、プレート3の厚さTがメイン通路34の幅W1未満に設定されるため、薄いプレートを使用してプレート3を形成することができる。従って、プレート積層型熱交換器1は、コンパクトに、且つ、低コストで製造可能であり、プレート3を形成する材料を低減する。
【0057】
また、流路39は、平板形状を有するプレート3の第1表面38aをエッチングすることにより、溝部形状に形成されるため、メイン通路34の溝部幅W1を狭くすることができ、プレート3は、薄いプレートから形成されるものの、波形プレートを使用した場合に比べて、十分な剛性を得ることができる。従って、プレート積層型熱交換器1内の圧力が100バールを上回る場合であっても、プレート積層型熱交換器1が損傷するのを防ぐことができる。従って、プレート積層型熱交換器1は、高圧環境下で使用可能である。
【0058】
さらに、メイン通路34が形成される範囲L1、中間通路33が形成される範囲L2、並びに入口通路31及び出口通路32が形成される範囲L3が、L3<L2<L1の関係を満たすように流路39が形成されるため、熱交換が実施されるメイン通路34の有効面積を増加することができ、中間通路33、入口通路31、及び出口通路32の面積が低減する。従って、熱交換を効率的に実施することができる。
【0059】
また、統合部分37が入口通路31と中間通路33の間、中間通路33とメイン通路34の間、メイン通路34と中間通路33の間、及び中間通路33と出口通路32の間に形成されるため、入口通路31から流れる流体Gが統合部分37で統合され、中間通路33に均一に分離され、中間通路33から流れる流体Gが統合部分37で統合され、メイン通路34に均一に分離され、メイン通路34から流れる流体Gが統合部分37で統合され、中間通路33に均一に分離され、中間通路33から流れる流体Gが統合部分37で統合され、出口通路32に均一に分離される。
上述の構成によると、入口通路31及び出口通路32に形成される溝部の数、中間通路33に形成される溝部の数、及びメイン通路34に形成される溝部の数が異なるものの、流体Gは、各統合部分37で統合可能であり、各溝部に均一に分離可能である。従って、流体Gは、流路39の各溝部に平滑且つ均一に流れることができる。結果として、プレート積層型熱交換器1における圧力損失を防ぐことができ、熱交換器の効率を向上することができる。
【0060】
蝋付けされる接合部分の総面積が小さい時、各プレート間の接合力が十分に得られないことがある。また接合部分が蝋付けされる大きな平坦領域を有する時、蝋付け材料が接合部分の平坦領域全体に十分に広がらず、接合部分の平坦領域の中間が蝋付け材料で被覆されないことがある。結果として、各プレート間の接合力を弱めることがあり、プレート積層型熱交換器の欠陥が発生してしまうことがある。
しかしながら、上述の実施形態において、接合部分35内に補助接合部分36が形成されるため、接合部分35は大きくなり、接合部分35内の平坦領域が補助接合部分36で分割される。従って、接合部分35の総面積を低減することなく、蝋付け材料を蝋付けされる接合部分35の平坦領域全体に十分広げることができる。従って、各プレート3は、強力な接合力で接合可能であり、プレート積層型熱交換器の欠陥の発生を防ぐことができる。
さらに、上述の通り、中間通路33、入口通路31、及び出口通路32の面積を低減しつつ、熱交換が実施されるメイン通路34の有効面積を増加することができるため、補助接合部分36を形成するために接合部分35の面積が増加する場合であっても、メイン通路34は、十分な有効面積を有することができる。
【0061】
以上の実施形態では、各構成要素の形状又は組み合わせを例示したが、特定の構成がこれらに限定されるものでなく、本発明の原則及び精神から逸脱することなく、設計の修正が適切に行われてもよい。
【0062】
以上の実施形態では、メイン通路34aを通って流れる高温流体G1とメイン通路34bを通って流れる低温流体G2が同一の方向(
図3の−Y方向)に流れる構成について説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。
メイン通路34aを通って流れる高温流体G1がメイン通路34bを通って流れる低温流体G2と反対方向に流れてもよく、メイン通路34bを通って流れる低温流体G2に直交する方向に流れてもよい。本構成においても、熱交換は十分に実施可能である。
しかしながら、この場合、高温流体流路39a及び低温流体流路39bに形成される溝部は、高温流体G1及び低温流体G2が流れる方向に基づいて、適切に配置される必要がある。
【0063】
以上の実施形態では、流路39がエッチングによって平板形状を有するプレート3の第1表面38a上で溝部形状に形成される構成について説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。
流路39は、機械的加工により、溝部形状に形成されてもよい。
【0064】
以上の実施形態では、中間通路33、入口通路31、及び出口通路32が線状溝部形状に形成され、メイン通路34が波形形状に形成される構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。
メイン通路34は、線形溝部形状に形成されてもよい。メイン通路34の有効面積は十分に大きいため、メイン通路34内で熱交換を効果的に実施することができる。
中間通路33、入口通路31、及び出口通路32は、波形形状に形成されてもよい。従って、熱交換は、中間通路33、入口通路31、及び出口通路32で効率的に増加可能である。
【0065】
以上の実施形態において、補助接合部分36が正三角形状に形成される構成について説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。
補助接合部分36は、接合部分35の平坦領域が分割可能である時、正三角形以外の任意の形状に形成されてもよい。
また、補助接合部分36は、複数の溝部を有することに限定されるものでない。補助接合部分36は、エンボスパターン又はナールパターンを有してもよい。これらの構成によっても接合力を十分に得ることができる。