特許第6590949号(P6590949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6590949実装ヘッドの移動誤差検出装置および部品実装装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590949
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】実装ヘッドの移動誤差検出装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20191007BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   H05K13/04 M
   H05K13/08 Q
   H05K13/04 A
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-560029(P2017-560029)
(86)(22)【出願日】2016年1月8日
(86)【国際出願番号】JP2016050583
(87)【国際公開番号】WO2017119142
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2018年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】川井 太朗
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恒太
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−010176(JP,A)
【文献】 特許第4343710(JP,B2)
【文献】 特許第3253218(JP,B2)
【文献】 特許第5495260(JP,B2)
【文献】 特開2015−225967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する固定コンベアとこの固定コンベアに対して前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な可動コンベアとを含む基板搬送装置と、この基板搬送装置により所定の作業位置に搬送された基板に部品を搭載する実装ヘッドと、を備えた部品実装装置に適用される前記実装ヘッドの移動誤差検出装置であって、
可動コンベアの可動域内に形成された投影像からなる可動域内マークと、
第2方向における前記可動域内マークの両側に設けられ、前記可動コンベアの可動域外であってかつ前記作業位置の基板よりも外側にそれぞれ配置された一対の可動域外マークと、
前記実装ヘッドと共に移動する撮像装置と、
前記可動域内マークおよび前記一対の可動域外マークのうち、第2方向における前記基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークを選定して、当該マークを前記撮像装置により撮像させる制御装置と、
前記撮像装置が撮像した2つのマーク画像に基づき、前記実装ヘッドの移動誤差を求める演算装置と、を備えることを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の実装ヘッドの移動誤差検出装置において、
前記可動域内マークは、第2方向に並ぶ複数の可動域内マークを備え、
前記一対の可動域外マークは、第2方向における前記複数の可動域内マークの両側に設けられている、ことを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の実装ヘッドの移動誤差検出装置において、
前記基板搬送装置、前記実装ヘッドおよび前記撮像装置を含む第1実装ユニットと、
前記基板搬送装置、前記実装ヘッドおよび前記撮像装置を含み、当該基板搬送装置の可動コンベアと、前記第1実装ユニットの基板搬送装置の可動コンベアとが第2方向に隣り合うように配置された第2実装ユニットと、を備え、
前記一対の可動域外マークは、第1実装ユニット及び第2実装ユニットの固定コンベアの外側に配置され、
前記可動域内マークは、第1実装ユニット及び第2実装ユニットの可動コンベアの可動域内に配置され、
前記第1実装ユニットの実装ヘッドを第1実装ヘッドおよび撮像装置を第1撮像装置と定義し、前記第2実装ユニットの実装ヘッドを第2実装ヘッドおよび撮像装置を第2撮像装置と定義し、
前記第1実装ユニットにおける基板の作業位置を第1作業位置と、前記第2実装ユニットにおける基板の作業位置を第2作業位置と定義し、
前記一対の可動域外マークのうち、第1実装ユニット側の可動域外マークを第1可動域外マークと、第2実装ユニット側の可動域外マークを第2可動域外マークと定義したときに、
前記制御装置は、
第1作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第1可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第1撮像装置により撮像させる第1撮像動作、
第2作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第2可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第2撮像装置により撮像させる第2撮像動作、
第2作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第2可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第1撮像装置により撮像させる第3撮像動作、および、
第1作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第1可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第2撮像装置により撮像させる第4撮像動作のうち、少なくとも一つの撮像動作を実行し、
前記演算装置は、前記制御装置が実行した前記撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき、第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドのうち、少なくとも一方の移動誤差を求める、ことを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の実装ヘッドの移動誤差検出装置において、
前記部品実装装置は、第1作業位置に配置された基板に第1実装ヘッドのみで部品を搭載するとともに、第2作業位置に配置された基板に第2実装ヘッドのみで部品を搭載する並列実装動作を行うものであり、
前記制御装置は、前記第1撮像動作および第2撮像動作を実行し、
前記演算手段は、前記第1撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき、前記第1実装ヘッドの移動誤差を求め、前記第2実装動作で撮像されたマーク画像に基づき、前記第2実装ヘッドの移動誤差を求める、ことを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項5】
請求項3に記載の実装ヘッドの移動誤差検出装置において、
前記部品実装装置は、第1作業位置および第2作業位置のうち、何れか一方の作業位置にのみ順次基板を搬入しながら、当該基板に第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの両方で部品を搭載する一方乗り入れ実装動作を行うものであり、
前記制御装置は、前記一方乗り入れ実装動作において第1作業位置にのみ基板が搬入される場合には、前記第1撮像動作および第4撮像動作を実行する一方、第2作業位置にのみ基板が搬入される場合は、前記第2撮像動作および第3撮像操作を実行し、
前記演算手段は、第1作業位置にのみ基板が搬入される場合には、前記第1撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第1実装ヘッドの移動誤差を求めるとともに、前記第4撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第2実装ヘッドの移動誤差を求める一方、第2作業位置にのみ基板が搬入される場合には、前記第2撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第2実装ヘッドの移動誤差を求めるとともに、前記第3撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第1実装ヘッドの移動誤差を求める、ことを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項6】
請求項3に記載の実装ヘッドの移動誤差検出装置において、
前記部品実装装置は、第1作業位置および第2作業位置のうち、何れかの作業位置に選択的に基板を搬入しながら、当該基板に第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの両方で部品を搭載する双方乗り入れ実装動作を行うものであり、
前記制御装置は、前記第1撮像動作〜第4撮像動作を実行し、
前記演算手段は、第1撮像動作および第3撮像動作で撮像されたマーク画像に基づきそれぞれ第1実装ヘッドの移動誤差を求めるとともに、前記第2撮像動作および4撮像動作で撮像されたマーク画像に基づきそれぞれ第2実装ヘッドの移動誤差を求める、ことを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の実装ヘッドの移動誤差検出装置において、
前記制御装置は、第1作業位置および第2作業位置に基板が配置される前に前記撮像動作を実行する、ことを特徴とする実装ヘッドの移動誤差検出装置。
【請求項8】
第1方向に延在する固定コンベアとこの固定コンベアに対して前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な可動コンベアとを含む基板搬送装置と、
この基板搬送装置により所定の作業位置に搬送された基板に部品を搭載する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドの移動誤差を検出するための移動誤差検出装置であって請求項1〜7の何れか一項に記載の移動誤差検出装置と、を含むことを特徴とする部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動系の熱変形により生じる実装ヘッドの移動誤差を補正するために部品実装装置に組み込まれる、実装ヘッドの移動誤差検出装置、および当該移動誤差検出装置を備えた部品実装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部品実装装置は、実装ヘッドを水平移動させる駆動系を備えており、実装動作を連続して行うことで当該駆動系に発熱による熱変形が生じる。このような熱変形は、実装ヘッドと、部品供給部の部品や基板との間にずれを生じさせて、実装精度の低下をもたらす要因の一つとなる。そこで、この問題を解決すべく、実装ヘッドと共に移動する基板認識用のカメラによって、実装ヘッドの可動域内に設けられた複数のマークを撮像、認識し、そのマーク間距離の変化を駆動系の熱変形による実装ヘッドの移動誤差として検出し、当該移動誤差に基づき部品の目標搭載位置を補正することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、固定コンベアと可動コンベアとからなる基板搬送用の一対のコンベアの近傍に、固定コンベアに沿うX方向に並ぶ一対のマークと、Y方向にそれぞれ並ぶ一対のマークとを設け、各マークを撮像し、その撮像結果に基づき部品の目標搭載位置を補正する技術が開示されている。この技術では、Y方向の一対のマークは、可動コンベアとの干渉を回避するために、当該可動コンベアの可動領域の外側に設けられている。そのため、基板のサイズが小さい場合、マークの位置と実際の基板の位置とが大きく離れる(基板のサイズよりも補正エリアが広くなる)こととなり、補正精度を確保することが難しくなると考えられる。
【0004】
一方、特許文献2には、固定コンベアと可動コンベアとからなる基板搬送用の一対のコンベアに、互いに当該コンベアに沿った方向(X方向)にずらして一対のマークを設け、これらマークを撮像し、その撮像結果に基づき部品の目標搭載位置を補正する技術が開示されている。この技術によれば、可動コンベアと共にマークが移動するため、特許文献1のような問題は解消される。しかし、マークの位置そのものが移動誤差を伴うため、補正精度を確保することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3253218号公報
【特許文献2】特許第5495260号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、駆動系の熱変形により生じる実装ヘッドの移動誤差を、基板のサイズや位置に応じてより精度良く補正できるようにすることを目的としている。
【0007】
そして、本発明は、第1方向に延在する固定コンベアとこの固定コンベアに対して前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な可動コンベアとを含む基板搬送装置と、この基板搬送装置により所定の作業位置に搬送された基板に部品を搭載する実装ヘッドと、を備えた部品実装装置に適用される前記実装ヘッドの移動誤差検出装置であって、可動コンベアの可動域内に形成された投影像又は反射像からなる可動域内マークと、第2方向における前記可動域内マークの両側に設けられ、前記可動コンベアの可動域外であってかつ前記作業位置の基板よりも外側にそれぞれ配置された一対の可動域外マークと、前記実装ヘッドと共に移動する撮像装置と、前記可動域内マークおよび前記一対の可動域外マークのうち、第2方向における前記基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークを選定して、当該マークを前記撮像装置により撮像させる制御装置と、前記撮像装置が撮像した2つのマーク画像に基づき、前記実装ヘッドの移動誤差を求める演算装置と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の部品実装装置(本発明の実装ヘッドの移動誤差検出装置が適用された部品実装装置)の平面概略図である。
図2】前記部品実装装置の側面図(図1のII方向からの矢視図)である。
図3】前記部品実装装置の制御系を示すブロック図である。
図4】制御ユニットによる補正値演算処理制御の一例を示すフローチャートである。
図5A】可動コンベアの可動領域を示す第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図5B】可動コンベアの配置の一形態を示す第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図6】マークの平面図である。
図7A】列実装モードにおける可動コンベアの配置の一形態を示す第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図7B】並列実装モードにおける可動コンベアの配置の他の一形態を示す第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図8】第5マークが可動コンベアにより隠れた状態の第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図9A】部品実装装置の変形例を示す平面模式図である。
図9B図9Bに示す部品実装装置の並列実装モード時の第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図10A】部品実装装置の別の変形例を示す平面模式図である。
図10B図10Aに示す部品実装装置の並列実装モード時の第1、第2基板搬送装置の平面模式図である。
図11A】コンベアとマークとの位置関係を示すシングルレーン方式の部品実装装置の平面模式図である。
図11B図11Aに示す部品実装装置において小型基板を搬送する際のコンベアの状態を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[部品実装装置の構成]
図1に示す部品実装装置1は、第1、第2実装ユニットUA、UBを備えたデュアルレーン方式のものである。第1、第2実装ユニットUA、UBは、矩形の構造体かならなる基台2(図2参照)の上に、後述する基板搬送装置4A、4Bにより各々具現化される、2本のレーンL1、L2(第1レーンL1、第2レーンL2)毎に設けられている。以下の説明では、レーンL1、L2と平行な水平方向をX方向、このX方向と直交する水平方向をY方向、垂直方向をZ方向とする。また、Y方向の一端側(図1の下側)を前側とする。また、単に上流側、下流側というときには、後記基板Pの搬送方向を基準とする。当例では、X方向が本発明の第1方向に相当し、Y方向が本発明の第2方向に相当する。
【0011】
図1に示すように、部品実装装置1は、前側に第1実装ユニットUAを備え、後側に第2実装ユニットUBを備えている。第1、第2実装ユニットUA、UBは、概略的には、前後対称であるだけで、基本的な構成は共通している。
【0012】
第1実装ユニットUAは、プリント配線板等の基板Pの搬送路である第1レーンL1を構成する第1基板搬送装置4Aと、第1部品供給部5Aと、部品実装用の第1ヘッドユニット6Aと、第1ヘッドユニット6Aを駆動するヘッドユニット駆動機構と、第1部品認識カメラ7Aとを備える。
【0013】
基板搬送装置4Aは、互いに平行にX方向(第1方向)に延在するベルト式の一対のコンベア10、11と、サーボモータを駆動源としてこれらコンベア10、11を同期して駆動するコンベア駆動機構とを備えている。基板搬送装置4Aは、同図の右側から基板Pを受け入れて所定の作業位置(同図に示す基板Pの位置/第1作業位置WpAと称す)に搬送し、プッシュアップピン等を有する図略の基板保持装置により当該基板Pを保持する。そして、実装作業後、これら基板Pを同図の左側に搬出する。
【0014】
前記一対のコンベア10、11のうち、前側のコンベア10は、基台2に固定された固定コンベア(以下、適宜、固定コンベア10と称す)であり、後側のコンベア11は、固定コンベア10に対してY方向(第2方向)に移動可能な可動コンベア(以下、適宜、可動コンベア11と称す)である。基板搬送装置4Aは、基台2に固定されてY方向に延在するレールと、サーボモータ13(以下、C軸サーボモータ13と称す/図3参照)を駆動源として可動コンベア11を前記レールに沿って移動させるコンベア幅可変機構とをさらに備えている。この構成により、基板搬送装置4Aは、基板Pのサイズに応じて、コンベア10、11の間隔を変更することが可能となっている。
【0015】
なお、各コンベア10、11は、X方向に延在するコンベア本体10a、11aと、コンベア本体10a、11aの長手方向の異なる位置でそれぞれ下方に延びる一対の脚部(図示省略)とを有している。固定コンベア10の脚部は基台2に固定され、可動コンベア11の脚部は前記レール上に移動可能に支持されている。
【0016】
前記部品供給部5Aは、基板搬送装置4Aの前方に配置されている。部品供給部5Aには、テープを担体として部品を供給する複数のテープフィーダ12が基板搬送装置4Aに沿って並列に配置されている。これらテープフィーダ12は、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を収納、保持したテープが巻回されたリールを備え、このリールから間欠的にテープを繰り出しながら所定の取出し位置に部品を供給する。
【0017】
前記第1ヘッドユニット6Aは、部品供給部5Aから部品を取り出して基板P上に搬送し、当該基板P上に搭載(実装)するものである。
【0018】
第1ヘッドユニット6Aは、ヘッドユニット駆動機構により一定の領域内でX方向およびY方向に移動可能とされている。ヘッドユニット駆動機構は、基台2上のX方向両端に設けられた一対の高架フレーム14にそれぞれ固定されて、Y方向に互いに平行に延びる一対の固定レール15と、これら固定レール15に支持されてX方向に延びる支持部材16と、Y軸サーボモータ17(図3参照)を駆動源として支持部材16をY方向に移動させるねじ送り機構とを含む。また、ヘッドユニット駆動機構は、支持部材16に固定されて、第1ヘッドユニット6AをX方向に移動可能に支持する固定レールと、X軸サーボモータ18(図3参照)を駆動源として第1ヘッドユニット6Aを移動させるねじ送り機構とを含む。つまり、ヘッドユニット駆動機構は、X軸サーボモータ18の駆動により第1ヘッドユニット6AをX方向に移動させ、Y軸サーボモータ17の駆動により支持部材16をY方向に移動させる。その結果、第1ヘッドユニット6Aが一定の領域内でX、Y方向に移動する。
【0019】
前記第1ヘッドユニット6Aは、部品吸着用のノズルを備える複数本の第1実装ヘッド20Aと、Z軸サーボモータ22(図3参照)を駆動源として第1実装ヘッド20Aを昇降(Z方向に移動)させるヘッド昇降機構と、R軸サーボモータ24(図3参照)を駆動源として第1実装ヘッド20Aをその中心軸回りに回転させるヘッド回転機構とを備える。各第1実装ヘッド20Aのノズルは、負圧発生装置に繋がっており、負圧発生装置から供給される負圧によって部品を吸着する。
【0020】
前記第1ヘッドユニット6Aには、第1基板認識カメラ26Aが搭載されている。第1基板認識カメラ26Aは、第1ヘッドユニット6Aと共に移動して、基板Pに付されている図外のフィデューシャルマーク(基板認識用のマーク)を撮像するとともに、ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差検出用の後記マークM1〜M5を撮像するものである。第1基板認識カメラ26Aは、CCD等のエリアセンサおよび光学系を含みかつ下向きに配置されるカメラ本体と、照明装置とを備えている。部品実装装置1は、第1基板認識カメラ26Aが撮像したフィデューシャルマークの画像に基づき基板Pの位置を認識するとともに、後に詳述する通り、マークM1〜M5の画像に基づき第1ヘッドユニット6A(第1実装ヘッド20A)による部品の目標搭載位置を補正する。
【0021】
一方、第1部品認識カメラ7Aは、第1実装ヘッド20Aが吸着した部品を実装前に撮像するものであり、基台2上に固定されている。第1部品認識カメラ7Aは、CCD等のラインセンサおよび光学系を含みかつ基台2上に上向きに配置されるカメラ本体と、照明装置とを含む。部品実装装置1は、この第1部品認識カメラ7Aが撮像した部品の画像に基づいて、第1実装ヘッド20Aによる部品の吸着状態を認識する。
【0022】
以上が第1実装ユニットUAの構成である。第2実装ユニットUBは、基板Pの搬送路である第2レーンL2を構成する第2基板搬送装置4Bと、第2部品供給部5Bと、部品実装用の第2ヘッドユニット6Bと、この第2ヘッドユニット6Bを駆動するヘッドユニット駆動機構と、第2部品認識カメラ7Bとを備える。
【0023】
第2実装ユニットUBの第2基板搬送装置4B等は、第1実装ユニットUAの第1基板搬送装置4A等に対して、概略、前後対称な構造を有している。
【0024】
具体的には、第2基板搬送装置4Bは、第1基板搬送装置4Aと同様に、固定コンベア10と可動コンベア11とを有するが、固定コンベア10が後側に位置し、可動コンベア11が前側に位置している。各基板搬送装置4A、4Bの可動コンベア11は、Y方向に延在する共通の上記レールに支持されており、図4A中に斜線で示す領域、つまり、両固定コンベア10の間を可動域として移動可能となっている。これにより、例えば図4Bに示すように、第2基板搬送装置4Bの可動コンベア11が固定コンベア10に最接近する位置に配置されて、第1基板搬送装置4Aの可動コンベア11が、第2基板搬送装置4Bの可動コンベア11に最接近するような状態から、第1基板搬送装置4Aの可動コンベア11が固定コンベア10に最接近する位置に配置されて、第2基板搬送装置4Bの可動コンベア11が、第1基板搬送装置4Aの可動コンベア11に最接近するような状態まで、各基板搬送装置4A、4Bの可動コンベア11が移動可能となっている。
【0025】
第2ヘッドユニット6Bは、支持部材16に支持されている点で第1ヘッドユニット6Aと共通する。しかし、第1ヘッドユニット6Aが支持部材16の後側に配置されているのに対して、第2ヘッドユニット6Bは、支持部材16の前側に配置されている。これにより、第1ヘッドユニット6Aと第2ヘッドユニット6Bとは前後方向に向かい合わせに設けられている。第2ヘッドユニット6Bを駆動するヘッドユニット駆動機構の構成は、基本的には、第1ヘッドユニット6Aを駆動するヘッドユニット駆動機構の構成と共通している。なお、各ヘッドユニット6A、6Bを支持する各支持部材16は、図1に示すように、共通する固定レール15に支持されている。これにより、第1ヘッドユニット6Aが第2レーンL2の基板P上に移動することや、逆に、第2ヘッドユニット6Bが第1レーンL1の基板P上に移動することが可能となっている。
【0026】
また、第1部品認識カメラ7Aが第1基板搬送装置4Aと第1部品供給部5Aとの間に配置されているのに対して、第2部品認識カメラ7Bは、第2基板搬送装置4Bと第2部品供給部5Bとの間に配置されている。
【0027】
なお、第2ヘッドユニット6Bは、図1に示すように、第2実装ヘッド20Bおよび第2基板認識カメラ26Bを備えている。また、基板搬送装置4Aの作業位置(同図に示す基板Pの位置)を第2作業位置WpBと称す。当例では、第1ヘッドユニット6Aの第1基板認識カメラ26Aが、本発明の第1撮像装置に相当し、第2ヘッドユニット6Bの第2基板認識カメラ26Bが、本発明の第2撮像装置に相当する。
【0028】
第1基板搬送装置4Aおよび第2基板搬送装置4Bの周囲には、ヘッドユニット駆動機構の熱変形に起因する各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差を補正するための第1〜第5のマークM1〜M5が設けられている。すなわち、ヘッドユニット6A、6Bが長期的に駆動されると、上記ねじ送り機構のねじ軸や上記高架フレーム14が長手方向に熱変形(熱膨張)する等してヘッドユニット6A、6B(すなわち実装ヘッド20A、20B)の移動量に誤差が生じる。そのため、部品実装装置1には、例えば図6に示すような、中抜きの矩形のマークM1〜M5が設けられており、これらマークM1〜M5をヘッドユニット6A、6Bの上記基板認識カメラ26A、26Bにより撮像し、その画像に基づき各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差を検出するようになっている。
【0029】
各マークM1〜M5の具体的な配置は次の通りである。先ず、第1基板搬送装置4Aの固定コンベア10に沿って上流側から順に第1、第2のマークM1、M2が設けられ、第2基板搬送装置4Bの固定コンベア10に沿って上流側から順に第3、第4のマークM3、M4が設けられている。図1及び図2に示すように、第1、第2のマークM1、M2は、固定コンベア10の前面に沿って基台2上に固定された支柱30の上端面に設けられており、第3、第4のマークM3、M4は、固定コンベア10の後面に沿って基台2上に固定された支柱30の上端面に設けられている。第1、第3のマークM1、M3は、作業位置Wpの上流側の位置で互いにY方向に並び、第2、第4のマークM2、M4は、作業位置Wpの下流側の位置で互いにY方向に並んでいる。
【0030】
第1〜第4のマークM1〜M4は、例えば支柱30に固定された刻印プレートやシール等からなり、互いに同一高さ位置に設けられている。具体的には、図2に示すように、基板保持装置により作業位置Wpに保持された基板Pと同一高さ位置、すなわち、当該基板Pの上面を含む水平仮想平面である基準面IP内に位置するように設けられている。なお、これらの第1〜第4のマークM1〜M4は、各レーンL1、L2の固定コンベア10の外側(つまり、可動コンベア11の可動域の外側)に位置している。
【0031】
Y方向において、第1マークM1と第3マークM3との中間位置には、第5マークM5が設けられている。第5マークM5は、前記基準面IP上に形成された実体のない投影像からなる。詳しくは、基台2上であって当該第5マークM5の位置には投影装置32が設けられている。投影装置32は、第5マークの図が描かれた樹脂製フィルム34、照明部34aおよび光学系34bを含み、照明部34aによりフィルム33に対してその背後(下側)から照明光を照射し、光学系34bによってその投影像(合焦画像)を上記基準面IP上に形成するように構成されている。つまり、各ヘッドユニット6A、6Bの基板認識カメラ26A、26Bは、作業位置Wpに配置された基板P上のフィデューシャルマークを撮像し得るようにその焦点距離が設定されており、図2に示すように、基板認識カメラ26A、26Bを投影装置32の上方に配置すると、投影装置32により形成される第5マークの図の投影像(すなわち、第5マークM5)が撮像されるようになっている。
【0032】
なお、投影装置32は、可動コンベア11のコンベア本体11aよりも低い位置であって、可動コンベア11の脚部の移動経路(上記レールの位置)からX方向に外れた位置に配置されている。このように、投影装置32は、基準面IPとの高さの差を吸収して基板認識カメラ26A、26Bが基準面IP上で第5マークM5の合焦画像を撮像することを可能とするものである。これにより、この部品実装装置1では、可動コンベア11との干渉を回避しながら、当該可動コンベア11の可動領域内に実質的に第5マークM5が設けられた構成となっている。なお、当例では、第5マークM5が本発明の可動域内マークに相当し、第1マークM1および第3マークM3が本発明の一対の可動域外マークに相当する。
【0033】
次に、第1、第2実装ユニットUA、UBを制御する、部品実装装置1の制御系について説明する。この部品実装装置1は、第1、第2実装ユニットUA、UBの動作を統括的に制御する制御ユニット40を有している。
【0034】
図3に示すように、制御ユニット40は、部品実装装置1の動作を統括的に制御する主制御部42と、プログラム及び各種データが格納された記憶部44と、X、Y、Z、R軸及びC軸の各サーボモータ13、17、18、22、24の駆動を制御するモータ制御部46と、基板認識カメラ26A、26Bおよび部品認識カメラ7A、7Bが撮像した画像データに所定の処理を施す画像処理部48と、外部入出力部50とを含む。主制御部42は、CPUやメモリで構成されたコンピュータであり、バス41を介して記憶部44、モータ制御部46、画像処理部48および外部入出力部50と接続されている。
【0035】
主制御部42は、部品を基板Pに実装するために必要な実装プログラムを実行するとともにそのための各種演算処理を実行するものである。特に、部品の実装動作中には、第1〜第5のマークM1〜M5のうち、実装モードや各レーンL1、L2の可動コンベア11の位置に応じて撮像すべきマークを選定し、予め定められたタイミングで、選定したマークを各基板認識カメラ26A,26Bで撮像し、その画像データに基づき各ヘッドユニット6A、B(すなわち第1、第2の実装ヘッド20A,20B)の移動誤差を演算し、さらにその補正値を演算する処理(補正値演算処理)を実行する。すなわち、当例では、この主制御部42が、本発明の制御装置および演算装置に相当する。
【0036】
記憶部44は、主制御部42が実行する実装プログラムや、実装プログラムを実行するために必要な各種データを記憶するものである。特に、主制御部42が各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差を補正する上記補正値を演算した場合には、その補正値を更新的に記憶する。
【0037】
モータ制御部46は、各モータ13、17、18、22、24に内蔵されたエンコーダからの信号と主制御部42から与えられる情報とに基づいて、各モータ13、17、18、22、24を制御するものである。
【0038】
画像処理部48は、第1部品認識カメラ7A、第2部品認識カメラ7B、第1基板認識カメラ26A及び第2基板認識カメラ26Bと接続され、これらのカメラ7A、7B、26A、26Bからの画像を示す信号を取込んで、所定の画像処理を施し、その画像データを主制御部42に送るものである。
【0039】
外部入出力部50には、入力要素として各実装ユニットUA、UBに備えらえている各種センサ類が接続される一方、出力要素として投影装置32等が接続されている。
【0040】
なお、当例では、上述した第1、第3、第5のマークM1、M3、M5、第1、第2実装ユニットUA、UBの基板認識カメラ26A、26B、および主制御部42が、本発明の実装ヘッドの移動誤差検出装置に相当する。
【0041】
[部品実装装置の動作]
この部品実装装置1で実行される実装モードは、第1実装ユニットUAと第2実装ユニットUBとが個別に各自のレーンL1、L2の基板Pに部品を実装する並列実装モード(並列実装動作)と、第1実装ユニットUAと第2実装ユニットUBとが協働して基板Pに部品を実装する乗り入れ実装モードとに大別される。そして、この乗り入れ実装モードは、さらに、2つのレーンL1、L2のうち、一方のレーンのみを使用する片レーン乗り入れ実装モード(一方乗り入れ実装動作)と、2つのレーンL1、L2を使用する両レーン乗り入れ実装モード(双方乗り入れ実装動作)とに分けられる。各実装モードの内容は以下の通りである。
【0042】
1)並列実装モード
並列実装モードは、図1に示すように、第1レーンL1の第1作業位置WpAに配置された基板Pに対して第1ヘッドユニット6Aのみが部品を搭載し、第2レーンL2の第2作業位置WpBに配置された基板Pに対して第2ヘッドユニット6Bのみが部品を搭載するモードである。つまり、第1ヘッドユニット6Aが第1部品供給部5Aのテープフィーダ12から部品を吸着して第1レーンL1の基板Pに搭載する一方で、第2ヘッドユニット6Bが第2部品供給部5Bのテープフィーダ12から部品を吸着して第2レーンL2の基板Pに搭載する。この場合、部品の吸着後、第1ヘッドユニット6Aが第1部品認識カメラ7Aの上方を、第2ヘッドユニット6Bが第2部品認識カメラ7Bの上方をそれぞれ経由することにより、吸着部品が撮像され、実装ヘッド20A、20Bによる部品の吸着状態が認識される。そして、実装ヘッド20A、20Bによる部品の吸着状態と、各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差を補正するための上記補正値とに基づいて部品の目標搭載位置が補正され、当該目標搭載位置に基づきヘッドユニット6A、6Bが制御される。
【0043】
2)片レーン乗り入れ実装モード
片レーン乗り入れ実装モードは、各レーンL1、L2のうち、何れか一方のレーンのみで基板Pを搬送しながら(図7A図7B参照)、当該レーンの作業位置に配置された基板Pに第1、第2ヘッドユニット6A、6Bの両方で部品を搭載するモードである。各部品認識ユニット7A、7Bによる部品の吸着状態の認識などの動作は並列実装モードと同様である。
【0044】
3)両レーン乗り入れ実装モード
両レーン乗り入れ実装モードは、所定の順番で、又はランダムに、第1、第2の何れかのレーンL1、L2の作業位置WpA、WpBに順次基板Pを配置しながら、当該基板Pに第1、第2ヘッドユニット6A、6Bの両方で部品を搭載するモードである。各部品認識ユニット7A、7Bによる部品の吸着状態の認識などの動作は並列実装モードと同様である。
【0045】
[補正値演算処理の制御]
図4は、主制御部42による上記補正値演算処理制御の一例を示すフォローチャートである。この補正値演算処理は、上記の通り、ヘッドユニット駆動機構の熱変形に起因する各ヘッドユニット6A、6B(すなわち実装ヘッド20A、20B)の移動誤差を補正するための補正値を求める処理である。
【0046】
このフローチャートがスタートすると、主制御部42は、まず、部品実装装置1の実装モードが変更されたか否かを判定する(ステップS1)。ここで、YESの場合には、主制御部42は、第5マークM5が可動コンベア11によって隠れているか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、主制御部42は、コンベア幅可変機構のC軸サーボモータ13に内蔵されたエンコーダからの信号に基づき各基板搬送装置4A、4Bの可動コンベア11の位置を求め、この可動コンベア11の位置が第5マークM5の位置の所定の範囲内にあるか否かを判定する。
【0047】
ここで、NOと判定した場合には、主制御部42は、実装モードが並列実装モードか否かを判定し(ステップS5)、YESと判定すると、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ担当するレーンL1、L2の最小補正エリアのマークを基板認識カメラ26A、26Bにより撮像する動作を実行し(ステップS7)、そのマーク画像に基づき、各ヘッドユニット6A、6Bが担当するエリア毎に、当該ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差の補正値をそれぞれ演算し、更新的に記憶する(ステップS9)。
【0048】
ここで、上記補正値は、マークM1〜M5のうち、直線で結んだときに直角に並ぶ3つのマークを各基板認識カメラ26A,26Bで撮像することにより、それらのマーク画像に基づいてヘッドユニット6A、6Bごとに求められる。このような補正値の具体的な演算手法は従来周知(例えば背景技術の特許第3253218号公報等)の技術であるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0049】
撮像するマークの選定については、基板Pの位置から遠く離れた位置のマークを選定すると、基板Pの位置(担当エリア)での正確な移動誤差が補正値に反映されず、また、基板Pの全域に満たない位置のマークを選定すると、移動誤差の補正が不十分となり、何れの場合も補正値の信頼性が低下する。そのため、このような不都合が出来るだけ回避されるように、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ担当するレーンL1、L2の最小補正エリアのマークを選定する。
【0050】
最小補正エリアのマークとは、目標搭載位置を補正するエリア(補正エリア)が最小となるような位置のマークを意味する。具体的には、基板Pに最も近いマーク(以下、最寄りのマークと称す)であって、X方向については、基板PのX方向外側に位置する最寄りのマークであり、Y方向については、基板PのY方向外側に位置する最寄りのマークである。但し、当例では、X方向に並ぶマークは、上記の通り、第1、第2のマークM1、M2と第3、第4のマークM3、M4だけであるため、X方向における最小補正エリアのマークは、常に、第1、第2のマークM1、M2又は第3、第4のマークM3、M4となる。
【0051】
例えば、図1が並列実装モードであると仮定した場合、第1ヘッドユニット6Aの担当エリアは、第1レーンL1の第1作業位置WpAに配置された基板Pである。よって、第1ヘッドユニット6Aについての最小補正エリアのマークは、X方向については、第1、第2のマークM1、M2となり、Y方向については、第1、第5のマークM1、M5となる。一方、第2ヘッドユニット6Bの担当エリアは、第2レーンL2の第2作業位置WpBに配置された基板Pである。よって、第2ヘッドユニット6Bについての最小補正エリアのマークは、X方向については、第3、第4のマークM3、M4となり、Y方向については、第3、第5のマークM3、M5となる。
【0052】
従って、ステップS7では、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bを制御することにより、第1ヘッドユニット6Aの第1基板認識カメラ26Aで第1、第2、第5のマークM1、M2、M5を順番に撮像するとともに(本発明の第1撮像動作に相当する)、第2ヘッドユニット6Bの第2基板認識カメラ26Bで第3、第4、第5のマークM3、M4、M5を順番に撮像する(本発明の第2撮像動作に相当する)。
【0053】
そして、ステップS8では、主制御部42は、第1、第2、第5のマークM1、M2、M5の画像の位置に基づき、第1ヘッドユニット6AのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値を演算するとともに、第3、第4、第5のマークM3、M4、M5の画像の位置に基づき、第2ヘッドユニット6BのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値を演算する。そして、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bの当該各補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0054】
図4に戻って、ステップS5でNOと判定した場合、すなわち、実装モードが並列実装モードでないと判定した場合には、主制御部42は、さらに、実装モードが片レーン乗り入れ実装モードか否かを判定する(ステップS15)。ここで、YESと判定した場合には、主制御部42は、ステップS7に処理を移行し、並列実装モードの場合と同様にして、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ担当するレーンL1、L2の最小補正エリアのマークを選定し、当該マークを基板認識カメラ26A、26Bにより撮像する。そして、ステップS8において、そのマーク画像に基づいて各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差の補正値を演算し、更新的に記憶部44に記憶する。
【0055】
図7Aおよび図7Bは、片レーン実装モードの形態の一例を示している。図7Aは、図1に示す並列実装の場合と同様のレーン形態で第1レーンL1でのみ基板Pの生産が行われる場合を、図7Bは、第1レーンL1が最大間隔に設定された状態で、第1レーンL1において大型の基板Pの生産が行われる場合を示している。
【0056】
これらの場合、各ヘッドユニット6A、6Bの担当エリアは、何れも、第1レーンL1の基板Pである。そして、図7Aの例の場合には、第5マークM5が、Y方向における第1レーンL1の外側に位置するので、両ヘッドユニット6A、6Aについての最小補正エリアのマークは、第1、第2のマークM1、M2と第5マークM5となる。一方、図7Bの例の場合には、第5マークM5が、Y方向における第1レーンL1の内側に位置するので、両ヘッドユニット6A、6Aについての最小補正エリアのマークは、第1、第2のマークM1、M2と第3マークM3となる。
【0057】
従って、図7Aの例の場合には、ステップS7において、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bを制御することにより、第1ヘッドユニット6Aの第1基板認識カメラ26Aで第1、第2、第5のマークM1、M2、M5を順番に撮像するとともに(本発明の第1撮像動作に相当する)、第2ヘッドユニット6Bの第2基板認識カメラ26Bで第1、第2、第5のマークM1、M2、M5を順番に撮像する(本発明の第4撮像動作に相当する)。そして、ステップS8で、主制御部42は、第1、第2、第5のマークM1、M2、M5の画像の位置に基づき、各ヘッドユニット6A、6BのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値を演算する。そして、各ヘッドユニット6A、6Bの上記補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0058】
一方、図7Bの例の場合には、ステップS7において、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bを制御することにより、第1ヘッドユニット6Aの第1基板認識カメラ26Aで第1、第2、第3のマークM1、M2、M3を順番に撮像するとともに(本発明の第1撮像動作に相当する)、第2ヘッドユニット6Bの第2基板認識カメラ26Bで第1、第2、第3のマークM1、M2、M3を順番に撮像する(本発明の第4撮像動作に相当する)。そして、ステップS8で、主制御部42は、第1基板認識カメラ26Aが撮像した第1、第2、第3のマークM1、M2、M3の画像の位置に基づき第1ヘッドユニット6AのX、Y方向の移動誤差を演算するとともに、第2基板認識カメラ26Bが撮像した第1、第2、第3のマークM1、M2、M3の画像の位置に基づき第2ヘッドユニット6BのX、Y方向の移動誤差を演算する。そして、各ヘッドユニット6A、6Bの上記補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0059】
なお、図示を省略しているが、第2レーンL2でのみ基板Pの生産が行われる場合には、各ヘッドユニット6A、6Bの担当エリアは、何れも第2レーンL2の基板Pである。この場合には、第2作業位置WpBに配置された基板Pの最寄りのマークを第2基板認識カメラ26Bにより撮像するとともに(本発明の第2撮像動作に相当する)、前記最寄りのマークを第1基板認識カメラ26Aにより撮像する(本発明の第3実装動作に相当する)。そして、主制御部42は、第2基板認識カメラ26Bが撮像したマークの画像に基づき、第2ヘッドユニット6BのX、Y方向の移動誤差を演算し、第1基板認識カメラ26Aが撮像したマークの画像に基づき、第1ヘッドユニット6AのX、Y方向の移動誤差を演算する。そして、各ヘッドユニット6A、6Bの上記補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0060】
図4に戻って、ステップS15でNOと判定した場合、すなわち、実装モードが両レーン乗り入れ実装モードと判定した場合には、主制御部42は、ステップS17に処理を移行する。ここで、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ担当するレーンL1、L2の最小補正エリアのマークに加え、相手側レーンの最小補正エリアのマーク、すなわち、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ相手側レーンに乗り込んだ場合の最小補正エリアのマークを基板認識カメラ26A、26Bにより撮像する動作を実行する。そして、そのマーク画像に基づき、第1ヘッドユニット6Aがそれぞれ担当するエリア毎に当該第1ヘッドユニット6Aの移動誤差ついて補正値を演算するとともに、第2ヘッドユニット6Bがそれぞれ担当するエリア毎に当該第2ヘッドユニット6Bの移動誤差ついて補正値を演算し、これらの補正値を記憶部44に更新的に記憶する(ステップS19)。
【0061】
例えば、図1が両レーン乗り入れ実装モードと仮定した場合、第1ヘッドユニット6Aの担当エリアは、両方のレーンL1、L2の作業位置WpA,WpBに配置される基板Pであるから、第1ヘッドユニット6Aについての最小補正エリアのマークは、第1、第2、第5のマークM1、M2、M5を一組とするマーク群と、第3、第4、第5のマークM3、M4、M5を一組とするマーク群となる。一方、第2ヘッドユニット6Bの担当エリアも両方のレーンL1、L2の作業位置WpA,WpBに配置される基板Pであるから、第2ヘッドユニット6Bについての最小補正エリアのマークは、上記2つのマーク群と同じである。
【0062】
従って、ステップS17では、主制御部42は、第1ヘッドユニット6Aの第1基板認識カメラ26Aで全てのマークM1〜M5を順番に撮像するとともに(本発明の第1、第3撮像動作に相当する)、第2ヘッドユニット6Bの第2基板認識カメラ26Bで全てのマークM1〜M5を順番に撮像する(本発明の第2、第4撮像動作に相当する)。
【0063】
そして、ステップS19では、主制御部42は、第1、第2、第5のマークM1、M2、M5の画像に基づき、第1レーンL1における第1ヘッドユニット6AのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値(第1ユニット用第1補正値という)を演算するとともに、第3、第4、第5のマークM3、M4、M5の画像に基づき、第2レーンL2における第1ヘッドユニット6AのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値(第1ユニット用第2補正値という)を演算する。また、主制御部42は、第1、第2、第5のマークM1、M2、M5の画像に基づき、第1レーンL1における第2ヘッドユニット6BのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値(第2ユニット用第1補正値という)を演算するとともに、第3、第4、第5のマークM3、M4、M5の画像に基づき、第2レーンL2における第2ヘッドユニット6BのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値(第2ユニット用第2補正値という)を演算する。そして、各ヘッドユニット6A、6Bの上記補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0064】
図4に戻って、ステップS3でYESと判定した場合、すなわち、第5マークM5が隠れていると判定した場合には、主制御部42は、実装モードに関係なく、最大補正エリアのマークを基板認識カメラ26A、26Bにより撮像する動作を実行し(ステップS21)、さらにそのマーク画像に基づき、各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差ついて補正値を演算し、これらの補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0065】
最大補正エリアのマークとは、各ヘッドユニット6A、6Bの担当エリアに拘わらず、X方向においてはその両端に位置するマークであり、Y方向についてはその両端に位置するマークである。例えば、図8に示すように、第1レーンL1の可動コンベア11によって第5マークM5が隠れている場合には、第1ヘッドユニット6Aについての最大補正エリアのマークは、第1、第2、第3のマークM1、M2、M3となる。一方、第2ヘッドユニット6Bについての最大補正エリアのマークは、第1、第3、第4のマークM1、M3、M4となる。
【0066】
従って、ステップS21では、主制御部42は、各ヘッドユニット6A、6Bを制御することにより、第1ヘッドユニット6Aの第1基板認識カメラ26Aで第1、第2、第3のマークM1、M2、M3を順番に撮像するとともに、第2ヘッドユニット6Bの第2基板認識カメラ26Bで第1、第3、第4のマークM1、M3、M4を順番に撮像する。
【0067】
そして、ステップS23では、主制御部42は、第1、第2、第3のマークM1、M2、M3の画像に基づき第1ヘッドユニット6AのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値を演算するとともに、同様に、第1、第3、第4のマークM1、M3、M4の画像に基づき第2ヘッドユニット6BのX、Y方向の移動誤差を演算し、その補正値を演算する。そして、各ヘッドユニット6A、6Bの上記補正値を更新的に記憶部44に記憶する。
【0068】
図4に戻って、ステップS9,S19、S23の何れかの処理が終了すると、主制御部42は、ステップS11に処理を移行する。ステップS11では、主制御部42は、作業位置WpA、WpBに基板Pが配置されるのを待ち、基板Pが作業位置WpA、WpBに配置されると、各ヘッドユニット6A、6Bを制御して基板P上に部品を搭載する。この際、主制御部42は、現在の実装モードに基づき、記憶部44に現在記憶されている当該実装モードに対応する上記補正値のデータを読み出し、当該補正値に基づき部品の目標搭載位置を補正し、補正後の目標搭載位置に基づき部品を基板Pに搭載する。
【0069】
この場合、特に、実装モードが両レーン乗り入れ実装モードである場合には、次のようにして部品の目標搭載位置が補正される。まず、第1レーンL1の第1作業位置WpAに基板Pが配置された場合には、当該基板Pのうち、第1ヘッドユニット6Aが担当する搭載位置については、前記第1ユニット用第1補正値に基づき目標搭載位置が補正され、第2ヘッドユニット6Bが担当する搭載位置については、前記第2ユニット用第1補正値に基づき目標搭載位置が補正される。そして、第2レーンL2の第2作業位置WpBに基板Pが配置された場合には、当該基板Pにうち、第1ヘッドユニット6Aが担当する搭載位置については、前記第1ユニット用第2補正値に基づき目標搭載位置が補正され、第2ヘッドユニット6Bが担当する搭載位置については、前記第2ユニット用第2補正値に基づき目標搭載位置が補正される。
【0070】
ステップS11の処理が終了すると、主制御部42は、現在の実装モードによる基板Pの生産が終了したか否かを判定し、NOの場合には、ステップS1にリターンして基板Pの生産を継続し、最終的にステップS13でYESと判定すると、主制御部42は、本フローチャートを終了する。
【0071】
[部品実装装置の作用効果等]
上記の部品実装装置1によれば、5つのマークM1〜M5のうち、基板Pのサイズや位置(各可動コンベア11の位置)、および実装モードに応じた好適なマークが選定され、そのマークに基づいて各ヘッドユニット6A、6Bの上記補正値が求められる。特に、その場合には、原則、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ担当するレーンL1、L2の最小補正エリアのマーク、すなわち作業位置WpA、WpBに配置された基板Pに最寄りのマークが選定されるため、基板Pのサイズや位置に拘わらず、常に決まった位置のマークだけを撮像して補正値が求められる従来の装置(背景技術の特許文献1)と比較すると、補正値の信頼性が高いものとなる。特に、この部品実装装置1によれば、可動コンベア11の可動域内にマーク(第5マークM5)が設けられることにより、Y方向のマーク選定の自由度が高められており、しかも、この第5マークM5を含む、全てのマークM1〜M5が固定的に配置されているので、可動コンベアにマークが固定された従来の装置(背景技術の特許文献2)のように、マークが移動誤差を伴うという不都合もない。従って、この部品実装装置1によれば、求められる補正値の信頼性が高く、従来の装置に比べると、各ヘッドユニット6A、6Bによる部品の搭載精度が向上するという利点がある。
【0072】
また、この部品実装装置1によれば、上記の通り、原則、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ担当するレーンL1、L2の最小補正エリアのマークが選定されて、当該マークが撮像される。そのため、補正値の信頼性を高めながら、各基板認識カメラ26A,26Bによるマークの撮像時間を短縮できるという利点もある。
【0073】
また、この部品実装装置1によれば、特に、両レーン乗り入れ実装モードにおいては、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ属するレーンL1、L2に基板Pが配置された場合の補正値のみならず、各ヘッドユニット6A、6Bがそれぞれ乗り入れる相手側レーンL1、L2に基板Pが配置された場合の補正値も予め求められる。そして、基板Pが搬入されるレーン(作業位置WpA、WpB)に応じて前記補正値が使いわけられるため、効率良く基板Pの生産を進めることができるという利点もある。すなわち、両レーン乗り入れ実装モードでは、2つのレーンL1、L2のうち、何れのレーンに基板Pが搬入されるかは、上流工程の作業の進捗に左右される。この場合、レーンL1、L2に実際に基板Pが搬入され、使用されるレーンが決定してからマークM1〜M5を撮像し、補正値を求めていたのでは、生産効率が悪い。この点、上記部品実装装置1によれば、2つのレーンL1、L2それぞれに基板Pが配置された場合の各ヘッドユニット6A、6Bの補正値を事前に求めておくので、何れのレーンL1、L2に基板Pが搬入された場合でも、直ちに基板Pの生産に移行できる。従って、両レーン乗り入れ実装モードにおける基板Pの生産を効率良く進めることが可能となる。
【0074】
また、この部品実装装置1では、可動コンベア11の可動域内に第5マークM5の投影像を形成することにより、他のマークM1〜M4と同じ基準面IP内に第5マークM5を設けているので、可動コンベア11の移動を一切阻害することなく、当該可動コンベア11の可動域内に第5マークM5を設けることができるという利点もある。
【0075】
[その他の変形例]
なお、上述した部品実装装置1は、本発明に係る部品実装装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0076】
例えば、上記部品実装装置1では、第1マークM1と第3マークM3との間に第5マークM5が設けられているが、より多くのマークを設けてもよい。例えば、図9Aに示すように、第1マークM1と第5マークM5との間に、第5マークM5と同様の態様で第6マークM6を、第3マークM3と第5マークM5との間に、第5マークM5と同様の態様で第7マークM7をそれぞれ設けてもよい。この構成によれば、並列実装モードにおいて、例えば図9Bに示すようにサイズが異なる大小の基板Pを生産する場合には、第1、第2、第6のマークM1、M2、M6に基づき第1ヘッドユニット6Aの移動誤差の補正値を求め、第3、第4、第6のマークM3、M4、M6に基づき第2ヘッドユニット6Bの移動誤差の補正値を求めることで、基板Pのサイズにより対応した信頼性の高い補正値を求めることが可能となる。そのため、各ヘッドユニット6A、6Bによる部品の搭載精度を高めるうえで有効となる。
【0077】
また、図10Aに示すように、第1マークM1と第2マークM2との間に、第1、第2マークM1、M2と同様の態様で第6マークM6を、第3マークM3と第4マークM4との間に、第3、第4マークM3、M5と同様の態様で第7マークM7をそれぞれ設けてもよい。この構成によれば、並列実装モードにおいて、例えば図10Bに示すように、X方向のサイズが小さい基板Pを生産する場合には、第1、第5、第6のマークM1、M5、M6に基づき第1ヘッドユニット6Aの補正値を求め、第3、第5、第7のマークM3、M5、M7に基づき第2ヘッドユニット6Bの補正値を求めることで、X方向について、基板Pのサイズにより対応した信頼性の高い補正値を求めることが可能となる。そのため、各ヘッドユニット6A、6Bによる部品の搭載精度を高めるうえで有効となる。
【0078】
また、各実施形態の部品実装装置1は、デュアルレーン方式の部品実装装置であるが、部品実装装置1は、シングルレーン方式の部品実装装置であってもよい。
【0079】
この場合には、例えば図11Aに示すように、基板搬送装置4のコンベア10、11を最大間隔に設定した状態で、固定コンベア10に沿ってその前側に第1、第2の第1マークM1、M2を配置し、可動コンベア11に沿ってその後側に第3、第4のマークM3、M4を配置し、Y方向において、第1マークM1と第3マークM4と中間位置に第5マークM5を配置するようにすればよい。この構成によれば、図11Aに示すように、大型の基板Pの生産時には、第1マークM1と第3マークM3とに基づきY方向の補正値を求め、小型の基板Pの生産時には、図11Bに示すように、第1マークM1と第5マークM5とに基づきY方向の補正値を求めることができる。そのため、シングルレーン方式の部品実装装置1において、基板Pのサイズにより対応した信頼性の高い補正値を求めることが可能となる。
【0080】
また、各実施形態では、直線で結んだときに直角に並ぶ3つのマークを各基板認識カメラ26A,26Bで撮像することにより、それらのマーク画像に基づいてヘッドユニット6A、6Bの移動誤差を求めているが、必ずしも3つのマークは直角に並んでいなくてもよい。また、各ヘッドユニット6A、6Bの移動誤差を求めるために認識するマークの数は、3に限らず、4つ以上であってもよい。
【0081】
また、各実施形態では、第5マークM5として投影像を基準面IPに投影する投影装置32が設けられているが、第5マークM5として反射像を基準面IPに形成するものであってもよい。
【0082】
以上説明した本発明をまとめると以下の通りです。
【0083】
すなわち、本発明は、第1方向に延在する固定コンベアとこの固定コンベアに対して前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な可動コンベアとを含む基板搬送装置と、この基板搬送装置により所定の作業位置に搬送された基板に部品を搭載する実装ヘッドと、を備えた部品実装装置に適用される前記実装ヘッドの移動誤差検出装置であって、可動コンベアの可動域内に形成された投影像又は反射像からなる可動域内マークと、第2方向における前記可動域内マークの両側に設けられ、前記可動コンベアの可動域外であってかつ前記作業位置の基板よりも外側にそれぞれ配置された一対の可動域外マークと、前記実装ヘッドと共に移動する撮像装置と、前記可動域内マークおよび前記一対の可動域外マークのうち、第2方向における前記基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークを選定して、当該マークを前記撮像装置により撮像させる制御装置と、前記撮像装置が撮像した2つのマーク画像に基づき、前記実装ヘッドの移動誤差を求める演算装置と、を備えるものである。
【0084】
この移動誤差検出装置の構成によれば、可動域内マークと一対の可動域外マークのうち、基板のサイズや位置に応じた好適なマーク、つまり、基板Pに最寄りのマークが選定され、そのマークの画像に基づいて実装ヘッドの移動誤差が求められる。そのため、駆動系の熱変形により生じる、実装ヘッドの移動誤差を、基板のサイズや位置に応じてより精度良く補正できるようになる。しかも、可動域内マークは、可動コンベアの可動域内に形成された投影像又は反射像からなり、可動コンベアの移動を妨げることなくその可動域内に配置される。そのため、この移動誤差検出装置によれば、可動コンベアにマークが固定された従来の装置(背景技術の特許文献2)のように、マークが移動誤差を伴うということがなく、この点でも、実装ヘッドの第2方向の移動誤差を精度良く補正できるようになる。
【0085】
この移動誤差検出装置においては、前記可動域内マークは、第2方向に並ぶ複数の可動域内マークを備え、前記一対の可動域外マークは、第2方向における前記複数の可動域内マークの両側に設けられているのが好適である。
【0086】
この構成によれば、基板に最も近い2つのマークを選定する際のマーク選定の自由度が向上するため、実装ヘッドの移動誤差を精度良く求める上で有利となる。
【0087】
なお、上記の移動誤差検出装置においては、前記基板搬送装置、前記実装ヘッドおよび前記撮像装置を含む第1実装ユニットと、前記基板搬送装置、前記実装ヘッドおよび前記撮像装置を含み、当該基板搬送装置の可動コンベアと、前記第1実装ユニットの基板搬送装置の可動コンベアとが第2方向に隣り合うように配置された第2実装ユニットと、を備え、前記一対の可動域外マークは、第1実装ユニット及び第2実装ユニットの固定コンベアの外側に配置され、前記可動域内マークは、第1実装ユニット及び第2実装ユニットの可動コンベアの可動域内に配置され、前記第1実装ユニットの実装ヘッドを第1実装ヘッドおよび撮像装置を第1撮像装置と定義し、前記第2実装ユニットの実装ヘッドを第2実装ヘッドおよび撮像装置を第2撮像装置と定義し、前記第1実装ユニットにおける基板の作業位置を第1作業位置と、前記第2実装ユニットにおける基板の作業位置を第2作業位置と定義し、前記一対の可動域外マークのうち、第1実装ユニット側の可動域外マークを第1可動域外マークと、第2実装ユニット側の可動域外マークを第2可動域外マークと定義したときに、前記制御装置は、第1作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第1可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第1撮像装置により撮像させる第1撮像動作、第2作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第2可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第2撮像装置により撮像させる第2撮像動作、第2作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第2可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第1撮像装置により撮像させる第3撮像動作、および、第1作業位置に配置された基板の両外側に位置しかつ当該基板に最も近い2つのマークであって、少なくも第1可動域外マークを含む2つのマークを選定して、当該選定したマークを第2撮像装置により撮像させる第4撮像動作のうち、少なくとも一つの撮像動作を実行し、前記演算装置は、前記制御装置が実行した前記撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき、第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドのうち、少なくとも一方の移動誤差を求めるものであってもよい。
【0088】
この移動誤差検出装置の構成によれば、第1実装ユニットと第2実装ユニットとが並列に並んでいることで、実装形態(実装モード)の多様化を図ることが可能となる。そして、そのような多様化された実装形態において、第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの移動誤差を、その実装形態に応じて精度よく検出することが可能となる。
【0089】
この場合、前記部品実装装置は、第1作業位置に配置された基板に第1実装ヘッドのみで部品を搭載するとともに、第2作業位置に配置された基板に第2実装ヘッドのみで部品を搭載する並列実装動作を行うものであり、前記制御装置は、前記第1撮像動作および第2撮像動作を実行し、前記演算手段は、前記第1撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき、前記第1実装ヘッドの移動誤差を求め、前記第2実装動作で撮像されたマーク画像に基づき、前記第2実装ヘッドの移動誤差を求めるのが好適である。
【0090】
この構成によれば、並列実装動作において、第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの移動誤差を、必要かつ十分な範囲で好適に求めることが可能となる。
【0091】
また、前記部品実装装置が、第1作業位置および第2作業位置のうち、何れか一方の作業位置にのみ順次基板を搬入しながら、当該基板に第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの両方で部品を搭載する一方乗り入れ実装動作を行うものでは、前記制御装置は、前記一方乗り入れ実装動作において第1作業位置にのみ基板が搬入される場合には、前記第1撮像動作および第4撮像動作を実行する一方、第2作業位置にのみ基板が搬入される場合は、前記第2撮像動作および第3撮像操作を実行し、前記演算手段は、第1作業位置にのみ基板が搬入される場合には、前記第1撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第1実装ヘッドの移動誤差を求めるとともに、前記第4撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第2実装ヘッドの移動誤差を求める一方、第2作業位置にのみ基板が搬入される場合には、前記第2撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第2実装ヘッドの移動誤差を求めるとともに、前記第3撮像動作で撮像されたマーク画像に基づき第1実装ヘッドの移動誤差を求めるものであるのが好適である。
【0092】
この構成によれば、一方乗り入れ実装動作において、第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの移動誤差を、必要かつ十分な範囲で好適に求めることが可能となる。
【0093】
また、前記部品実装装置が、第1作業位置および第2作業位置のうち、何れかの作業位置に選択的に基板を搬入しながら、当該基板に第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの両方で部品を搭載する双方乗り入れ実装動作を行うものである場合には、前記制御装置は、前記第1撮像動作〜第4撮像動作を実行し、前記演算手段は、第1撮像動作および第3撮像動作で撮像されたマーク画像に基づきそれぞれ第1実装ヘッドの移動誤差を求めるとともに、前記第2撮像動作および4撮像動作で撮像されたマーク画像に基づきそれぞれ第2実装ヘッドの移動誤差を求めるものであるのが好適である。
【0094】
この構成によれば、双方乗り入れ実装動作において、第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの移動誤差を、必要かつ十分な範囲で好適に求めることが可能となる。
【0095】
なお、上記のような移動誤差検出装置において、前記制御装置は、第1作業位置および第2作業位置に基板が配置される前に前記撮像動作を実行するものであるのが好適である。
【0096】
この構成によれば、部品の実装作業を中断することなく、事前に第1実装ヘッドおよび第2実装ヘッドの移動誤差を求めることができるため、実装作業の効率化を図ることができる。
【0097】
一方、本発明の部品実装装置は、第1方向に延在する固定コンベアとこの固定コンベアに対して前記第1方向と直交する第2方向に移動可能な可動コンベアとを含む基板搬送装置と、この基板搬送装置により所定の作業位置に搬送された基板に部品を搭載する実装ヘッドと、前記実装ヘッドの移動誤差を検出するための移動誤差検出装置であって上記の何れかの移動誤差検出装置と、を含むものである。
【0098】
この部品実装装置によれば、上記の通り、駆動系の熱変形により生じる、実装ヘッドの移動誤差を、基板のサイズや位置に応じてより精度良く補正できるようになるので、その分、部品の実装精度が向上する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B