(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
色分解光学系と3個以上の撮像素子とから生成される、各画素信号の赤緑青の原色映像信号の画素ごとに特定の色相を検出し、画素ごとに特定の色相を独立に補正する手段とを有する撮像装置において、
色域変換の手段と画素ごとの彩度成分算出手段とを有し、色域変換時には、画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる6色以上の独立色補正機能を有し、
色差算出部と、色相領域判定部と彩度成分判定部と原色成分判定部と補色成分判定部と、定数選択部と掛け算部と原色成分補正信号反転部と補色成分補正信号反転部と、データ選択加算部と補正信号加算部とを有し、色差信号を算出し色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、色相領域判定により定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、色相領域判定によりデータ選択加算と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより、画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする撮像装置。
色分解光学系と3個以上の撮像素子とから生成される、各画素信号の赤緑青の原色映像信号の画素ごとに特定の色相を検出し、画素ごとに特定の色相を独立に補正する手段とを有する撮像装置の色補正方法であって、
色差信号を算出し色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、色相領域判定により定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、色相領域判定によりデータ選択加算と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより、画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正を行うことを特徴とする色補正方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、(BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の)第1の色信号を、(BT.709の原色に基づく)色域の異なる第2の色信号に変換し、(また簡易には、BT.709の原色に基づく原色点の第3の色信号を、BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の第4の色信号に変換して、)色域を変換した色信号を(容易に)補正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮像装置は、色分解光学系と3個以上の撮像素子とから生成される、各画素信号の赤緑青の原色映像信号の画素ごとに特定の色相を検出し、画素ごとに特定の色相を独立に補正する手段とを有する撮像装置であって、色域変換の手段と画素ごとの彩度成分算出手段とを有し、色域変換時には、画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の撮像装置は、上述の撮像装置であって、色差算出部と、色相領域判定部と彩度成分判定部と原色成分判定部と補色成分判定部と、定数選択部と掛け算部と原色成分補正信号反転部と補色成分補正信号反転部と、データ選択加算部と補正信号加算部とを有し、色差信号を算出し色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、色相領域判定により定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、色相領域判定によりデータ選択加算と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより、画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮像装置は、上述の撮像装置であって、色差算出部はR−G,R−B,G−Bとの色差算出部であり、色相領域判定部は原色領域と補色領域との色相領域判定部であり、データ選択加算部に加えデータ選択加減算部を有し、色差信号を算出し色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、色相領域判定と中間色色相判定によりデータ選択加減算前の定数を選択し掛け算とデータ選択加減算と、色相領域判定によりデータ選択加減算後の定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色より多い独立色補正機能を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の撮像装置は、上述の撮像装置であって、色相領域判定部で色相領域を判定し、彩度成分に応じた定数選択部で彩度成分に応じた定数を算出する係数を可変することにより、ベクトルチャートのR、G、B、Cy、Ye、Mgの6色ポイントの彩度に対応して、画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする。
【0011】
上記の目的を解決するため、本発明は、色分解光学系と3個以上の撮像素子とから生成される、各画素信号の赤緑青の原色映像信号の(6色、6色と肌色、12色、12色と肌色、または16色等の6色以上の独立色補正の)画素ごとに特定の色相を(ガンマ前またはガンマ後に)検出し、(ガンマ前またはガンマ後に)画素ごとに特定の色相を独立に補正する手段とを有する撮像装置において、
(BT709とITU/BT.2020との間の色ゲイン補正機能とリニアマトリクス色変換又は6色以上の独立色補正との)色域変換の手段と画素ごとの彩度成分算出手段とを有し、(BT709とITU/BT.2020との間の色ゲイン補正機能とリニアマトリクス色変換又は6色以上の独立色補正との)色域変換時には、(画素ごとに彩度に相関させて色補正の量と方向を可変させる又は彩度内外独立に色補正の量と方向を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする撮像装置である。(実施例1:
図1A又は
図1Bの構成で
図15Aから
図17Cの動作)
【0012】
更に、上記撮像装置において、色差算出部と、色相領域判定部と彩度成分判定部と原色成分判定部と補色成分判定部と、定数選択部と掛け算部と原色成分補正信号反転部と補色成分補正信号反転部と、データ選択加算部と補正信号加算部とを有し、
色差信号を算出し(色差信号の正負を判定してRGB撮像信号の最大値と最小値を判定することにより原色領域と補色領域との)色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、色相領域判定により定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、色相領域判定によりデータ選択加算と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより、(画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする撮像装置である。(実施例2:
図3A又は
図3Bの構成で
図7Aから
図7Eの処理)(
図3A図3Bや
図7Aや
図7Cから
図7Eの様に、色差を全て算出してから判定し、係数を算出しても良いし、
図7Bの様に判定しながら、色差を算出しても良く、順番は不問である。)
【0013】
更に、上記撮像装置において、色差算出部はR−G,R−B,G−Bとの色差算出部であり、色相領域判定部は原色領域と補色領域との色相領域判定部であり、データ選択加算部に加えデータ選択加減算部を有し、
色差信号を算出し(色差信号の正負を判定してRGB撮像信号の最大値と最小値を判定することにより原色領域と補色領域との)色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、
色相領域判定と中間色色相判定により(肌色独立又は12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立の)データ選択加減算前の定数を選択し掛け算とデータ選択加減算と、
色相領域判定によりデータ選択加減算後の定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより(画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色(6色独立に加え肌色独立あるいは12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立などの6色)より多い独立色補正機能を有することを特徴とする撮像装置である。(実施例3:
図9A又は
図9B又は
図9Cの構成で
図7Aから
図7Eの処理)(
図9A図9B図9Cや
図7Aや
図7Cから
図7Eの様に、色差を全て算出してから判定し、係数を算出しても良いし、
図7Bの様に判定しながら、色差を算出しても良く、順番は不問である。)
【0014】
また、上記撮像装置において、色相領域判定部で色相領域を判定し、彩度成分に応じた定数選択部で彩度成分に応じた定数を算出する係数を可変することにより、ベクトルチャートのR、G、B、Cy、Ye、Mgの6色ポイントの彩度に対応して、(画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することを特徴とする撮像装置である。(実施例5:
図3A又は
図3Bの構成で
図16Aの処理あるいは
図9A又は
図9B又は
図9Cの構成で
図16Bの処理)
【0015】
また、画素信号ごとの独立色補正方法において、(BT709とITU/BT.2020との間の色ゲイン補正とリニアマトリクス又は6色以上の独立色補正との)色域変換時には、(画素ごとの彩度成分算出と画素ごとに彩度に相関させて色補正の量と方向を可変させる又は彩度内外独立に色補正の量と方向を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させることを特徴とする6色以上の独立色補正方法である。(実施例1:
図15Aから
図17Cの動作)
【0016】
更に、上記色補正方法において、色差信号を算出し(色差信号の正負を判定してRGB撮像信号の最大値と最小値を判定することにより原色領域と補色領域との)色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、色相領域判定により定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、色相領域判定によりデータ選択加算と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより、(画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させることを特徴とする6色以上の独立色補正方法である。(実施例2:
図3A又は
図3Bの構成で
図7Aから
図7Eの処理)
【0017】
また、上記色補正方法において、色差信号を算出し(色差信号の正負を判定してRGB撮像信号の最大値と最小値を判定することにより原色領域と補色領域との)色相領域を判定し彩度成分を判定し原色成分を判定し補色成分を判定し、
色相領域判定と中間色色相判定により(6色独立に加え肌色独立あるいは12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立などの)6色以上の独立色補正のデータ選択加減算前の定数を選択し掛け算とデータ選択加減算と、
色相領域判定によりデータ選択加減算後の定数を選択し掛け算と、原色成分補正信号の反転と補色成分補正信号の反転と、RGB撮像信号への補正信号加算とを行うことにより(画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させることを特徴とする6色(独立に加え肌色独立あるいは12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立等などの6色)より多い独立色補正方法である。(実施例3:
図9A又は
図9B又は
図9Cの構成で
図7Aから
図7Eの処理)
【0018】
また、上記色補正方法において、色相領域を判定し彩度成分に応じた定数を算出する係数を可変することにより、
ベクトルチャートのR、G、B、Cy、Ye、Mgの6色ポイントの彩度に対応して、(画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の)画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させることを特徴とする6色以上の独立色補正方法である。(実施例5:
図3A又は
図3Bの構成で
図16Aの処理あるいは
図9A又は
図9B又は
図9Cの構成で
図16Bの処理)
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、(BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の)第1の色信号を、(BT.709の原色に基づく)色域の異なる第2の色信号に変換し、(また簡易には、BT.709の原色に基づく原色点の第3の色信号を、BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の第4の色信号に変換して、)彩度に応じて色補正の方向と量とを調整することにより、色域を変換した色信号の色補正の調整の自由度を増加させて、より忠実に色域変換することを容易な調整で実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは本発明のテレビジョンカメラの一実施例を示すブロック図(ガンマ前マトリクス)である。
図1Bは本発明のテレビジョンカメラの一実施例を示すブロック図(ガンマ後マトリクス)である。
図1Aおよび
図1Bにおいて、テレビジョンカメラ30は、プリズム部32、AFE(Analog Front End)部34R,34G,34B、色相彩度検出補正機能付映像信号処理部35、CPU(Central Processing Unit)部39、パラレル−シリアル変換部(P/S)37で構成されている。
CPU部39は、テレビジョンカメラ30の各部を制御する。
テレビジョンカメラ30は、レンズ部31と、ビューファインダ40またはモニタディスプレイと結合される。
【0022】
色相彩度検出補正機能付き映像信号処理部35は、色相検出補正部38、マトリクス(MATRIX)部36、パラレル−シリアル変換(P/S)部37で構成されている。
色相彩度検出補正部38は、加算器12,13,14、ガンマ補正部381、色調補正部382で構成されている。
色調補正部382は、R-G,R-B,G-Bと彩度検出、色相領域判定、彩度判定するための算出が行われる。
【0023】
(実施例1)彩度により色補正方向を可変させる独立色補正の概要
以下、本発明の一実施例を
図1Aと
図1Bと
図2を用いて説明する。
図1Aと
図1Bは本発明のテレビジョンカメラの一実施例を示すブロック図である。
図1Aはガンマ前マトリクスであり、
図1Bはガンマ後マトリクスである。被写体からの入射光はレンズ部31で結像され、結像された入射光はテレビジョンカメラ30のプリズム部32で赤色光と緑色光および青色光に分解され、各々CCD(Charge Coupled Device)撮像素子部33R・33G・33Bで光電変換される。光電変換されたR/G/Bの信号はAFE(アナログフロントエンドプロセッサ)34で、相関二重サンプリング、ゲイン補正、およびアナログ−デジタル変換を行い、色相彩度検出補正機能付きの映像信号処理部の35に送られ、色補正、輪郭補正、ガンマ補正、ニー補正等の各種映像信号処理が行われる。
撮像素子部33R・33G・33BとAFE34R,34G,34Bの替わりにCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)撮像素子部が設置されても良い。
【0024】
デジタル信号処理部5では各種映像信号処理などが施された後、
Y=0.2126R+0.7152G+0.0722B
Pb=0.5389(B−Y)
Pr=0.6350(R−Y)
の計算式により、R/G/Bから輝度信号(Y)と色差信号(Pb/Pr)に変換する。そしてパラレル−シリアル変換部37でシリアル映像信号に変換され、外部に出力される。
【0025】
CPU(Central Processing Unit)39は、テレビジョンカメラ30の各部を制御する。また、ビューファインダまたはモニタディスプレイの画像表示部40は撮像装置の設定用メニューや前記特定の色相の内の任意の色相彩度領域を表示する。
【0026】
ここで、本発明の一実施例の色相彩度検出補正部の構成を示すブロック図の
図3に示す。
色相彩度検出補正機能付き映像信号処理部35内の色相彩度検出補正部38は、R/G/Bの各信号レベルの大小関係から、被写体の色がどの色相彩度範囲にあるかを検出する。
図2にR/G/Bの大小関係と対応する色相範囲を示す。なお、ここでは色相を6分割で表示しているが、R/G/Bの各信号レベルの大小関係をさらに細分化すれば、12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立等もっと色相を再分化することも可能である。
【0027】
CPU9では、ユーザーが設定した任意の色相範囲の情報(信号a)を色相検出補正機能付き映像信号処理部35内の色相検出補正部38へ出力する。色相検出補正機能付き映像信号処理部35内の色相検出補正部38は、ユーザー設定の色相範囲と一致した画素の色相情報と画素の彩度情報とをCPU9へ出力する。CPU9ではその画素の色相情報と画素の彩度情報に基づき、色相彩度検出補正機能付き映像信号処理部35内の色相彩度の補正算出に制御をかけ、彩度の異なる色を独立に色補正し、より忠実に色域変換することを容易な調整で実現できる。
【0028】
ビューファインダまたはモニタディスプレイの40では被写体の映像にメニュー画面を重畳し、ユーザーはメニュー画面を見ながら色相範囲や彩度範囲や輝度信号レベルを設定する。また、ユーザーが設定した色相範囲が目的とする被写体の色に合致しているかを確認できるように、ビューファインダまたはモニタディスプレイの40の被写体映像に重ねて、設定した色相範囲と彩度範囲と一致している箇所のエリアにマーカーを表示するようにしてもよい。
【0029】
以上のように本発明によれば、BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の第1の色信号を、BT.709の原色に基づく色域の異なる第2の色信号に変換し、また簡易には、BT.709の原色に基づく原色点の第3の色信号を、BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の第4の色信号に変換して、補正する際に、画素ごとに彩度に相関させて色補正の量と方向を可変させる又は彩度内外独立に色補正の量と方向を可変する等の画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することにより、より忠実に色域変換することを容易な調整で実現できる。
【0030】
(実施例2)彩度により色補正方向を可変させる独立色補正の詳細
以下、本発明の他の1実施例を
図3A〜
図8と
図14〜
図17Cを用いて説明する。
図3Aは本発明の一実施例の色相検出補正部の構成を示すブロック図(
図17Aの彩度で方向連続可変の6色独立色補正の色補正を実現する詳細構成を示すブロック図)である。
図3Bは本発明の他の一実施例の色相検出補正部の構成を示すブロック図(
図15Aの内側と外側で階段状に異なる方向の6色独立色補正と、
図16の内外の彩度への相関はベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して可変する色補正とを実現する詳細構成を示すブロック図)である。
図4は本発明の一実施例の色調補正における色相領域の説明図である。
図5は本発明の一実施例の色相領域の概念図である。
図6は本発明の一実施例の原色成分と補色成分と彩度成分の算定原理の説明図(原色成分と補色成分に加え彩度成分を判定)である。
図7Aは本発明の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図(
図17Aで、彩度に色補正の量と方向が線形相関)である。
図7Bは本発明の他の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図(特許文献1からの変形で
図17Aで、彩度に色補正の量と方向が線形相関)である。
図7Cは本発明の他の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図(
図17Aで、彩度の累乗に色補正の量と方向が相関)である。
図7Dは本発明の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図(
図15Dの彩度により色補正の量と方向が階段状に変化)である。
図7Eは本発明の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図(
図16AのベクトルチャートのR、G、B、Cy、Ye、Mgの6色ポイントの彩度に対応して、彩度に色補正の量と方向が線形相関の係数が、色相により変化)である。
図8は本発明の一実施例の補正特性図である。
図14は従来の6色独立色調補正の動作を示す模式図である。
図15Aは本発明の一実施例の6色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
図15Dは本発明の他の一実施例の6色独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図 彩度で階段状に異なる方向の色補正である。
図16Aは本発明の他の一実施例のベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応する6色独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
図17Aは本発明の他の一実施例の6色独立彩度連続可変色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
図17Bは本発明の他の一実施例の12色独立彩度連続可変色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
図17Cは本発明の他の一実施例の24色彩度独立連続可変色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
【0031】
図3Aは、まず、減算器1,2,3により、入力映像信号R、G、Bから色差信号R−G、R−B、G−Bの演算を行ない、その結果を色相領域判定回路4と、彩度成分量と原色成分量及び補色成分量判定回路5に供給し、彩度成分量と原色成分量及び補色成分量とを判定する。
そこで、この減算器1、2、3による演算結果により、まず色相領域判定回路4では、
図5に示すようにして、色相領域の判定を行なう。
図5は、この色相領域の概念図で、中心点から各色方向に向かう直線を基準線として、これにより6個の色相領域に区切ったものである。
【0032】
また、彩度成分量と原色成分量及び補色成分量判定回路5では、信号R、G、Bのレベル比較を行ない、
図6に示すようにして最大レベル、中間レベル、最小レベルを判定する。そして、この比較判定の過程で、最大レベルと中間レベルのレベル差を求め、これを原色成分量とし、さらに中間レベルと最小レベルのレベル差を求め、これを補色成分量とする。最大レベルと最小レベルのレベル差を求め、これを彩度成分量とする。ここで、最大レベルの色が原色に相当し、最小レベルの成分が白成分に相当する。そして、最大レベルの色と最小レベルの色の情報から補色が判定でき、この結果、
図4に示すように、原色成分と補色成分を判定することができる。
つまり、本発明の他の一実施例の6色独立彩度連続可変色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図の
図17A〜
図17Cの彩度で方向連続可変の色補正の色補正を実現する詳細構成を示すブロック図が本発明の一実施例の色相検出補正部の構成を示すブロック図の
図3Aである。
【0033】
図6の例では、最大レベルがRで、中間レベルはGになっているので、原色成分はRで、補色成分は、RとGの中間の色相であるYe(黄)になる。そして、原色成分量はR−Gで、補色成分量はG−B、そして最小レベルBの量が白成分量となる。従って、この
図8の場合は、
図4の下から2番目に示す結果となる。R−Bが彩度成分量となる。
判定回路4による色相領域の判定結果は定数選択回路6に供給され、判定結果に応じて特定の利得定数が選択され、それが乗算器7、8に供給されることにより、彩度成分量と原色成分量及び補色成分量判定回路5で判定された原色成分量及び補色成分量にそれぞれ乗算されることにより補正が行なわれる。このため、定数選択回路6には、予め領域1から領域6までのそれぞれの色相領域に対応した特定の利得定数が設定してある。
【0034】
こうして乗算器7、8により利得定数が乗算された原色成分量及び補色成分量は、加算・減算の選択及び映像信号R、G、Bに対する接続選択を行なうためのデータ選択加算回路11に、一方では直接、他方では補数器(−1倍乗算器)9、10を介して、それぞれ供給される。そして、このデータ選択加算回路11により加算先が選択された上で各加算器12、13、14に供給され、映像信号R、G、Bに加算されることになる。従って、以上の処理をフローチャートで示すと、
図7Aから
図7Dのようになる。
図7Aと
図7Cから
図7Eの様に、色差を全て算出してから判定し、係数を算出しても良いし、
図7Bの様に判定しながら、色差を算出しても良く、順番は不問である。
【0035】
そこで、いま、信号Rの色調補正を行なう場合、例えば彩度方向の補正であれば原色成分量R−Gに特定の定数Krを乗じてから映像信号Rに加算することになる。このとき、定数Krによる比率が−1倍から1倍の範囲であれば、この補正によっても、中間レベルと最小レベルのレベル差(補色成分量)、及び最小レベルの量(白成分量)は変化しない。
また、信号Yeの彩度方向の補正を行なう場合、補色成分量G−Bに特定の定数Kyを乗じてからRとGにそれぞれ加算することになる。このときも、定数Kyによる比率が−1倍から1倍の範囲であれば、この補正によっても、最大レベルと中間レベルのレベル差(原色成分量)、及び最小レベルの量(白成分量)は変化しない。
【0036】
従って、この場合には、定数Kr及びKyを操作すれば、白バランスを保ちながら原色Rと補色Yeの彩度方向の補正を独立して行なうことができる。なお、以上の6色独立色調補正方式では、同様に色度方向の補正も独立に行なえ、さらには入力映像信号が別の色相にある場合も同様に独立補正が可能であるが、詳細な説明は省略する。
さらに本発明では、最大値と最小値判定後原色(最大値)と白(最小値)との差の彩度を算出し、彩度に応じて係数を算出する。
図7Aと
図17A及び
図7Bと
図17A及びと
図7Eと
図16Aの様に、彩度に応じて係数を算出は、直線変化となる。
図7Dと
図15Dの様に、彩度に応じて係数を選択は、階段変化となる。
【0037】
図14は従来の6色独立色調補正の動作を示す模式図であり、
図15Aは本発明の一実施例の6色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図であり、
図16Aは本発明の他の一実施例の6色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
図17Aは本発明の他の一実施例の6色独立彩度連続可変色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
【0038】
本発明の一実施例の6色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図の
図15A、
図16A、
図17Aでは、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持とが独立に調整できるため、色域の変換時の色補正の自由度が高くなる。
本発明の他の一実施例の6色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図の
図16Aの様に、内外の彩度への相関はベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して可変する方が、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0039】
図3Bは、本発明の他の一実施例の色相検出補正部の構成を示すブロック図である。
図3Bは、
図15Aの内側と外側で異なる方向の色補正と
図16Aの内外の彩度への相関はベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して可変する色補正とを実現する詳細構成を示すブロック図である。
図3Bは、
図3Aから定数選択回路24が変更されている。定数選択回路24により、
図15Dの内側と外側で階段状に異なる方向の色補正と
図16Aの内外の彩度への相関はベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して可変する色補正とを実現する。
【0040】
彩度により階段状に可変の動作では、
図15Dの内側と外側で階段状に異なる方向の色補正を実現する詳細構成を示すブロック図の
図3Bの様に、定数選択回路24を設置すれば良い。
彩度により階段状に可変の動作では、
図3Bの定数選択回路24の動作である
図7Dの彩度係数の処理のように、色差算出し最大値と最小値判定後最大値と最小値と彩度に応じて係数を選択し、彩度により階段状に彩度係数が可変すれば良い。
彩度に応じて係数を算出が曲線変化は後述する。
【0041】
つまり、BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の第1の色信号を、BT.709の原色に基づく色域の異なる第2の色信号に変換し、また簡易には、BT.709の原色に基づく原色点の第3の色信号を、BT.709の原色点より広色域のITU/BT.2020等の原色点の第4の色信号に変換して、補正する際に、画素ごとに彩度に相関させて色補正の量と方向を可変させる又は彩度内外独立に色補正の量と方向を可変する等の画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる6色以上の独立色補正機能を有することにより、より忠実に色域変換することを容易な調整で実現できる。
特に、内外の彩度への相関はベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して可変する方が、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0042】
(実施例3)独立12色や独立24色等
以下、本発明他の一実施例の色調検出と補正装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
まず、
図9Aと
図9Bと
図9Cは、本発明の一実施形態例で、15は中間色色相設定回路、17はα/β、β/α算出回路、18は定数選択回路、19,20,26は乗算器、21はデータ選択加減算回路であり、その他は
図3に示した技術と同じである。
図9Aは、
図17Bの独立12色や
図17Cの独立24色等の彩度に色補正の量と方向が線形相関の実施形態のブロック図で、
図9Bは、
図17Bの独立12色や
図17Cの独立24色等の彩度の累乗に色補正の量と方向が相関の実施形態のブロック図で、
図9Cは、
図15Bの独立12色や
図15Cの独立24色等の内外で方向可変の色補正の実施形態のブロック図である。
また、
図15Bは本発明の他の一実施例の12色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図であり、
図15Cは本発明の他の一実施例の24色内外独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図である。
【0043】
中間色色相設定回路15は、新たに基準色として設定したい中間色の設定を可能にする働きをするもので、例えば、RとYeの中間色である肌色(色相F)が予め設定されるものである。原色/補色領域判定回路16は、色相領域判定回路4からのデータと、中間色色相設定回路15から与えられている色相Fとにより、入力映像信号R、G、Bの色相を判別し、所定の制御信号Sを発生する働きをする。
α/β、β/α算出回路17は、中間色色相設定回路15から与えられるデータにより、所定の定数α/β、β/αを算出する働きをする。なお、これらの定数α/β、β/αについては後述する。定数選択回路18は、制御信号Sに応じて定数α/β、β/αの何れか一方を選択して出力する働きをする。
【0044】
乗算器19、20,26は、彩度成分量と原色成分量及び補色成分量判定回路5から出力されてくる彩度成分と原色成分と補色成分に、定数選択回路18で選択された定数α/β、β/αの一方を乗算する働きをする。データ選択加減算回路21は、色相領域判定回路4による判定結果と制御信号Sに応じてデータを選択し、所定の加減算を行なう。なお、この回路の動作の詳細は後述する。
【0045】
次に、この実施形態例の動作について説明する。
図10、
図11は、本発明の動作原理を説明するため彩度(色飽和度)及び色度(色相)を表した図で、これらの図において、原点Oから遠ざかる方向が彩度、彩度に垂直な方向(円を描く方向)が色度を表わしている。
【0046】
ここで本発明は、6色独立に加え肌色独立あるいは12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立等の6色より多い内外独立色補正機能などの、どのような中間色の補正にも適用可能であるが、特に肌色の補正に適用される場合が多いと考えられる。そこで、この実施形態例では、以下、主として、肌色の補正を例に挙げて説明する。そうすると、この肌色の色相はRとYeの間の領域、すなわち、領域6に位置するので、これらの
図10、
図11ではR(赤)からYe(黄)の領域6だけを示し、ここで肌色の色相は点Fで表わされることになる。
【0047】
そこで、この点を、図示のように、補助基準色Fとし、そのデータを、上記したように、中間色色相設定回路15に設定する。
【0048】
これにより、領域6は、中心点Oから補助基準色F点を通る軸、つまり補助基準線により、2個の補助領域、すなわち、領域(1)と領域(2)とに分けられることになる。次に、入力映像信号の色相を、原色/補色領域判定回路16により、
図2に示すように、RとFの間の領域(1)と、FとYeの間の領域(2)に分割して判定する。そうすると、まず、このときは、何れも色相領域判定回路4の判定結果が領域6になっているときの動作となるので、算出回路5から出力されている原色成分量と補色成分量は、それぞれ以下の通りになっている。
【0049】
原色成分量=R−G=Rc補色成分量=G−B=Yc次に、入力映像信号の色相が、これらの領域(1)と領域(2)の何れにあるかを、原色/補色領域判定回路16の判定により識別し、それぞれ以下に示すように、別個に補正を行なうのである。
【0050】
<領域(1)での補正処理>このときは、各回路からの出力は以下の通りとなる。まず、定数選択回路18では定数β/αが選択され、この定数β/αが乗算器19、20に出力される。次に、データ選択加減算回路21からは信号〔Rc−Yc×(β/α)〕、信号(−Yc)、それに信号〔Yc×(β/α)〕が出力される。さらに、定数選択回路6では定数Kr、Kfが選択され、これらの定数Kr、Kfが乗算器7、8に出力される。
【0051】
そして、これらの結果、データ選択加算回路11からは、まず、信号〔Rc−Yc×(β/α)〕×Kr+Kf×〔Yc×(β/α)〕が加算器12に出力されて信号Rに加算され、次に、信号〔(−Yc)×Kf〕が加算器14に出力されて信号Bに加算されることになる。
【0052】
図10は本発明の他の一実施例の色調補正における色相領域の説明図である。
そこで、
図10において、いま、A点を入力映像信号の座標とし、ベクトルAで表わすと、このベクトルAは、R成分ベクトルR1と肌色成分ベクトルF1の合成で表される。
【0053】
A=R1+F1次に、Rの彩度方向調整専用の利得定数をKrとし、肌色の彩度方向調整専用の利得定数をKfとすると、Rの彩度方向の色補正を行なう場合には、|R1|×KrをRの彩度方向に加算、つまりRに加算してやれば良く、肌色の彩度方向の色補正を行なう場合には、|F1|×Kfを肌色彩度方向に加算してやれば良い。
【0054】
そこで、これらの量|R1|、|F1|の算出方法及び肌色彩度方向への加算方法について説明すると、このためには、全ての補正を、R、G、B成分への補正として表現してやれば良い。そこで、まずR成分基本ベクトルをR、肌色成分基本ベクトルをF、Ye成分基本ベクトルをY、そしてB成分基本ベクトルをBとし、F=α×Y+β×R=α×(−B)+β×Rとする。
【0055】
次に、入力映像信号の座標ベクトルAをR成分とYe成分の合成で表わす。ここで、A=Y×Yc+R×Rcと、Rc及びYcは、従来の色調補正方式で説明したように、簡単に求まる。この場合、R>G>Bであり、従って、
図9から明らかなように、Rc=R−G、Yc=G−Bとなる。
【0056】
そうすると、 A=Y×Yc+R×Rc=(1/α)×(F−β×R)×Yc+R×Rc =F×Yc/α+R×(Rc−β×Yc/α)となり、よって、|R1|=Rc−β×Yc/α|F1|=Yc/αとなる。
【0057】
そこで、F×Yc/αをベクトルRとベクトルBで表現すると、F×Yc/α=(α×(−B)+β×R)×Yc/α=B×(−Yc)+R×(β×Yc/α)となる。
【0058】
従って、以上の結果をまとめると、以下の通りである。すなわち、まず、Rの彩度方向の色補正を行なうためには、|R1|Kr=(Rc−β×Yc/α)×KrをRに加算すればよい。次に、肌色の彩度方向の色補正を行なうためには、|F1|×Kfを肌色彩度方向に加算すればよいが、このことは、−Yc×KfをBに加算し、(β×Yc/α)×KfをRに加算することに等しい。
【0059】
ここで、いま、Rベクトルと肌色ベクトルの間の角度をθとすると、α×sin(60°−θ)=β×sin(θ)であるため、β/α=sin(60°−θ)/sin(θ)となる。
【0060】
従って、θ=20°のときは、β/α=1.8794になるが、これを≒2.0とすると、このときの補正は、Rの彩度方向の色補正については、(Rc−2×Yc)×KrをRに加算すればよく、肌色の彩度方向の色補正については、−Yc×KfをBに加算し、2×Yc×KfをRに加算すればよい。そして、β/αを変えることにより、肌色の基準軸を調整することができる。
【0061】
以上は彩度方向の補正についての説明であるが、色度方向の補正に対しても同様の概念が適用できるため、説明は省略する。
【0062】
<領域(2)での補正処理>このときは、各回路からの出力は以下の通りとなる。まず、定数選択回路18では定数α/βが選択され、この定数α/βが乗算器19、20に出力される。次に、データ選択加減算回路21からは信号〔Yc−Rc×(α/β)〕、信号(Rc)、それに信号〔−Rc×(α/β)〕が出力される。さらに、定数選択回路6では定数Ky、Kfが選択され、これらの定数Ky,Kfが乗算器7,8に出力される。
【0063】
そして、これらの結果、データ選択加算回路11からは、まず、信号〔Rc×Kf〕が加算器12に出力されて信号Rに加算され、次に、信号−〔Yc−Rc×(α/β)〕×Ky−Kf×〔Rc×(α/β)〕が加算器14に出力されて信号Bに加算されることになる。
【0064】
そこで、
図3において、今度はC点を入力映像信号の座標とし、これをベクトルCで表わすと、このベクトルCは、Ye成分ベクトルY1と肌色成分ベクトルF2の合成で表される。
【0065】
C=Y1+F2次に、Yeの彩度方向調整専用の利得定数をKyとし、肌色の彩度方向調整専用の利得定数をKfとすると、Yeの彩度方向の色補正には、|Y1|×KyをBから減算してやれば良く、肌色の彩度方向の色補正には、|F2|×Kfを肌色彩度方向に加算してやれば良い。
【0066】
次に、これら|Y1|、|F2|の算出方法及び肌色彩度方向への加算方法については、上記した領域(1)のときと同じであり、従って、以下のようになる。
C=Y×Yc+R×Rc=Y×Yc+(1/β)×(F−α×Y)×Rc =F×Rc/β+Y×(Yc−α×Rc/β)となり、よって|Y1|=Yc−α×Rc/β|F2|=Rc/βとなる。
【0067】
ここで、F×Rc/βをベクトルRとベクトルBで表現すると、F×Rc/β=(α×(−B)+β×R)×Rc/β=−B×(α×Rc/β)+R×Rcとなる。
【0068】
従って、以上の結果をまとめると、以下の通りとなる。すなわち、まず、Yeの彩度方向の色補正を行なう場合には、|Y1|×Ky=(Yc−α×Rc/β)×KyをBから減算すれば良い。次に、肌色の彩度方向の色補正を行なう場合には、|F2|×Kfを肌色彩度方向に加算するのであるが、このことは(−α×Rc/β)×KfをBに加算し、Rc×KfをRに加算することに等しい。
【0069】
そこで、Rベクトルと肌色ベクトルの間の角度θを、上記した領域(1)のときと同じく20°とすると、α/β=0.5321になるので、これを≒0.5とすると、このときの補正はYeの彩度方向の色補正を行なう場合、(Yc−0.5Rc)×KyをBから減算すれば良く、肌色の彩度方向の色補正を行なう場合、−0.5×Rc×KfをBに加算し、Rc×KfをRに加算してやれば良い。
【0070】
以上は、彩度方向の補正についての説明であるが、色度方向の補正に対しても同様の概念が適用できるため、説明は省略する。
【0071】
上記領域(1)及び領域(2)の各項で説明した補正によって得られる特性を示すと、
図4の通りになる。この
図4の特性は、Rの彩度方向の色補正、Yeの彩度方向の色補正、及び肌色の彩度方向の色補正のそれぞれの利得特性を重ねて示したもので、図示のように、肌色の彩度方向利得定数Kfを制御してやれば、Rの彩度方向利得定数Krと、Yeの彩度方向の利得定数Kyに関係なく、肌色の彩度方向の色補正を行なえることが判る。
【0072】
従って、この実施形態例によれば、RとYeへの影響を最小限に押さえ、肌色に対して有効な色調補正を行なうことができ、テレビジョンカメラを切換えたときなどでの違和感を確実に無くすことができる。
【0073】
次に、
図5は、本発明の他の実施形態例による補正特性を示したもので、この実施形態例では、肌色軸Fを中心とした利得特性を持つ補正関数を生成し、これを取り出す。これを従来の機能に加算したものが、この
図5の実施形態例で、この方式によれば、従来方式で補正しきれない領域を補うような形で補正することができる。
【0074】
さらに本発明では、最大値と最小値判定後原色(最大値)と白(最小値)との差の彩度を算出し、彩度に応じて係数を算出する。
図7Aと
図7Bと
図7Eの様に、彩度に応じて係数を算出は、直線変化となる。
図7Dとの様に、彩度に応じて係数を選択は、階段変化となる。
【0075】
つまり、6色独立に加え肌色独立あるいは12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立等などの6色より多い独立色補正にしたり、彩度に対応して色補正の方向と量とを可変する方が、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0076】
(実施例4)彩度成分の累乗に相関
本発明の他の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図の
図7C及び本発明の他の一実施例の色相彩度検出補正部の構成を示すブロック図の
図9Bとを用いて実施例4を説明する。
【0077】
図9Bは実施例4の本発明の他の一実施例の色相彩度検出補正部の構成を示すブロック図であり、
図9Aに乗算器27,22,23が追加されている。
図9Bでは、彩度により曲線状に可変の動作に対応するため、彩度成分を累乗して、データ選択加減算回路21に印加している。
図9Bでは、乗算器27,22,23の3ケであり彩度成分の3乗であるが、図示しない乗算器が2ケの2乗でも、図示しない乗算器が2ケの4乗でも良い。
図7Cは、本発明の他の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図であり、彩度の累乗に色補正の量と方向が相関している。
図7Aとの相違は、選択された彩度成分が自然数nヶ累乗される処理が追加されたことである。
図9Bでは、
図7Cの自然数nヶ分乗算器が追加されることになる。
【0078】
彩度で方向可変の色補正により、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0079】
図17Aと
図17Bと
図17Cは、彩度で方向可変の色補正の内の、彩度により連続可変の動作を示しているが、
図15Aから
図15Cは彩度に閾値のある動作であり、
図15Dは彩度で方向可変の色補正の内のステップ応答での可変である。彩度に線形相関で方向可変の色補正の動作に限らず、彩度により階段状に可変の動作でも、彩度により曲線状に可変の動作でも良い。
【0080】
(実施例5)6色ポイントの彩度に対応
本発明の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図の
図7E及び本発明の他の一実施例のベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応する6色独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図の
図16A及び本発明の他の一実施例のベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応する12色独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図の
図16B並びに、本発明の一実施例の色相彩度検出補正部の構成を示すブロック図の
図9A及び本発明の他の一実施例の色相彩度検出補正部の構成を示すブロック図の9Cとを用いて実施例5を説明する。
【0081】
図16Aは、本発明の他の一実施例のベクトルチャートの色ポイントの彩度に対応する6色独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図であり、
図16Bは本発明の他の一実施例のベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応する12色独立色調補正のカラーベクトル波形上の動作を示す模式図であり、本発明の他の一実施例のベクトルチャートのR、G、B、Cy、Ye、Mgの6色ポイントの彩度に対応して、画素ごとに内外の彩度への相関を可変する又は彩度内外の閾値を可変する等の画素単位に彩度により色補正の量と方向を可変させる彩度の影響方法を可変させる6色以上の独立色補正機能のカラーベクトル波形上の動作を示す。ベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応することにより、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0082】
図16Aと
図16Bは、ベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して彩度内外の閾値を可変するであるが、画素ごとに内外の彩度への相関を可変するでも良い。
また、
図16Aと
図16Bは、ベクトルチャートの6色ポイントを固定で表示しているが、広色域と狭色域の変換時のベクトルチャートの6色ポイント移動に対応して、彩度内外の閾値を可変しても良いし、画素ごとに内外の彩度への相関を可変するでも良い。
【0083】
図7Eは本発明の一実施例の6色内外独立色調補正方式による色調補正処理の説明図であり、ベクトルチャートのR、G、B、Cy、Ye、Mgの6色ポイントの彩度に対応して、彩度に色補正の量と方向が線形相関の係数が、色相により変化する。
図3A又は
図3Bあるいは
図9A又は
図9B又は
図9Cの本発明の一実施例の色相検出補正部の構成を示すブロック図において、4の色相領域判定の色相により、定数選択6又は18において、彩度に色補正の量と方向が線形相関の係数が変化する。
【0084】
彩度で方向可変の色補正により、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0085】
なお、上記実施形態例では、色相の範囲をRとYeに限定して説明したが、本発明は、任意の色相に適用可能なことは、言うまでもなく、また、基準色の種類や数についても任意に設定可能なことは、言うまでもない。
色相の範囲をRとYeに限定は、6色内外独立に加え肌色独立の色調補正の動作であり、6色内外独立に加え肌色独立の色調補正の動作に限らず、12色彩度独立色調補正あるいは16色内外独立色調補正の動作又は18色内外独立色調補正の動作又は24色内外独立色調補正の動作でも良い。
【0086】
つまり、6色独立に加え肌色独立あるいは12色独立又は16色独立又は18色独立又は24色独立等などの6色より多い独立色補正にしたり、特に内外の彩度への相関はベクトルチャートの6色ポイントの彩度に対応して可変する方が、広色域と狭色域の変換時の色補正において、色域周辺の純色周辺の色相彩度の変換と色域中心部の白周辺の色相彩度の保持との調整がより自然に調整できるため自由度が高くなる。
【0087】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。