特許第6590972号(P6590972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6590972
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】算出装置、算出方法及び算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20191007BHJP
【FI】
   G06Q10/10 320
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-53174(P2018-53174)
(22)【出願日】2018年3月20日
(65)【公開番号】特開2019-164699(P2019-164699A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2018年6月15日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 禎士
(72)【発明者】
【氏名】塚本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】丸吉 香織
(72)【発明者】
【氏名】天野 辰郎
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−237912(JP,A)
【文献】 特開2006−260099(JP,A)
【文献】 特開2013−182560(JP,A)
【文献】 特開2014−154130(JP,A)
【文献】 特開2009−140029(JP,A)
【文献】 特開2006−155342(JP,A)
【文献】 特開2010−055327(JP,A)
【文献】 特開2012−256255(JP,A)
【文献】 特開2015−170167(JP,A)
【文献】 特開2010−211287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報であって、当該組織に所属する第1の構成員及び当該組織に所属する第2の構成員の位置、並びに当該第1の構成員と当該第2の構成員との間の距離のうちの少なくとも1つを含む活動情報と、当該第1の構成員が当該第2の構成員の評価者であることを示す評価者情報とを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された活動情報に含まれる前記コミュニケーション履歴に基づいて決定される、前記第1の構成員が前記第2の構成員と仕事で関わった回数に基づいて、前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出し、前記取得部によって取得された前記活動情報に含まれる前記第1の構成員及び前記第2の構成員の位置、並びに前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の距離のうちの少なくとも1つに基づくスコアを、前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアとして算出する算出部と、
前記算出部によって算出された仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値を満たすか否かを判定し、前記算出部によって算出された仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値を満たさないと判定された場合に、前記第1の構成員が前記第2の構成員の不適切な評価者であることを示す、前記第2の構成員の評価者に関する警告を提供し、前記算出部によって算出された個人的なつながりの指標となるスコアが第2の閾値を満たすか否かを判定し、前記算出部によって算出された個人的なつながりの指標となるスコアが第2の閾値を満たすと判定された場合に、前記第1の構成員が前記第2の構成員の不適切な評価者であることを示す、前記第2の構成員の評価者に関する警告を提供する提供部と、
を備えることを特徴とする算出装置。
【請求項2】
前記第1の構成員及び前記第2の構成員が、第1のノード及び第2のノードにそれぞれ対応し、当該第1のノードと当該第2のノードとの間のエッジが、前記仕事上のつながりの指標となる前記スコアを表すグラフを生成する生成部をさらに備える
ことを特徴とする請求項に記載の算出装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記組織の第1の区分に属する前記第1の構成員が前記第1のノードに対応し、前記組織の第2の区分であって前記第1の区分と異なる第2の区分に属する前記第2の構成員が前記第2のノードに対応する前記グラフを生成する
ことを特徴とする請求項に記載の算出装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記第1の構成員及び前記第2の構成員のコミュニケーションツールの履歴又は前記第1の構成員及び前記第2の構成員が出席した会議の履歴である前記コミュニケーション履歴を含む前記活動情報を取得し、
前記算出部は、
前記取得部によって取得された前記活動情報に含まれる、前記コミュニケーションツールの履歴又は前記会議の履歴である前記コミュニケーション履歴に基づいて決定される、前記第1の構成員が前記第2の構成員と仕事で関わった回数に基づいて、前記仕事上のつながりの指標となる前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の算出装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する算出方法であって、
仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報であって、当該組織に所属する第1の構成員及び当該組織に所属する第2の構成員の位置、並びに当該第1の構成員と当該第2の構成員との間の距離のうちの少なくとも1つを含む活動情報と、当該第1の構成員が当該第2の構成員の評価者であることを示す評価者情報とを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された活動情報に含まれる前記コミュニケーション履歴に基づいて決定される、前記第1の構成員が前記第2の構成員と仕事で関わった回数に基づいて、前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出し、前記取得工程によって取得された前記活動情報に含まれる前記第1の構成員及び前記第2の構成員の位置、並びに前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の距離のうちの少なくとも1つに基づくスコアを、前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアとして算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値を満たすか否かを判定し、前記算出工程によって算出された仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値を満たさないと判定された場合に、前記第1の構成員が前記第2の構成員の不適切な評価者であることを示す、前記第2の構成員の評価者に関する警告を提供し、前記算出工程によって算出された個人的なつながりの指標となるスコアが第2の閾値を満たすか否かを判定し、前記算出工程によって算出された個人的なつながりの指標となるスコアが第2の閾値を満たすと判定された場合に、前記第1の構成員が前記第2の構成員の不適切な評価者であることを示す、前記第2の構成員の評価者に関する警告を提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする算出方法。
【請求項6】
仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報であって、当該組織に所属する第1の構成員及び当該組織に所属する第2の構成員の位置、並びに当該第1の構成員と当該第2の構成員との間の距離のうちの少なくとも1つを含む活動情報と、当該第1の構成員が当該第2の構成員の評価者であることを示す評価者情報とを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された活動情報に含まれる前記コミュニケーション履歴に基づいて決定される、前記第1の構成員が前記第2の構成員と仕事で関わった回数に基づいて、前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出し、前記取得手順によって取得された前記活動情報に含まれる前記第1の構成員及び前記第2の構成員の位置、並びに前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の距離のうちの少なくとも1つに基づくスコアを、前記第1の構成員と前記第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアとして算出する算出手順と、
前記算出手順によって算出された仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値を満たすか否かを判定し、前記算出手順によって算出された仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値を満たさないと判定された場合に、前記第1の構成員が前記第2の構成員の不適切な評価者であることを示す、前記第2の構成員の評価者に関する警告を提供し、前記算出手順によって算出された個人的なつながりの指標となるスコアが第2の閾値を満たすか否かを判定し、前記算出手順によって算出された個人的なつながりの指標となるスコアが第2の閾値を満たすと判定された場合に、前記第1の構成員が前記第2の構成員の不適切な評価者であることを示す、前記第2の構成員の評価者に関する警告を提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、算出装置、算出方法及び算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SNS(Social Network Service)のユーザ間の人間関係を把握する技術が提案されている。例えば、SNSのユーザ間のつながりの強さを推定する技術が提案されている(特許文献1)。この技術では、SNSのユーザ間のつながりの強さが、SNS内のユーザ間の通信量に基づいて算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−145734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、複数の構成員が所属する組織の人間関係を抽出できるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、構成員同士の仕事上の関係を抽出できるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の構成員が所属する組織の人間関係を抽出できる算出装置、算出方法及び算出プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
本願に係る算出装置は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを算出する算出部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、複数の構成員が所属する組織の人間関係を抽出できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る算出装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る活動情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る算出装置による算出処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、変形例に係る算出処理の一例を示す図である。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る算出装置、算出方法及び算出プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る算出装置、算出方法及び算出プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
〔1.算出処理〕
まず、図1を参照して、算出システム1内の構成について説明する。図1は、実施形態に係る算出処理の一例を示す図である。図1の例では、算出システム1によって算出処理が行われる。図1に示すように、実施形態に係る算出システム1には、提供装置10と、端末装置20と、算出装置100とが含まれる。図1中では図示していないが、算出システム1は、複数台の提供装置10や、複数台の端末装置20や、複数台の算出装置100を含んでもよい。
【0011】
提供装置10は、各種情報を算出装置100に提供するサーバ装置である。具体的には、提供装置10は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を、算出装置100に提供する。
【0012】
端末装置20は、ユーザによって利用される情報処理装置である。図1の例において、端末装置20は、ノート型PCとして示されている。ただし、端末装置20は、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PC、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)を含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。
【0013】
算出装置100は、各種情報を端末装置20に提供するサーバ装置である。図1中では図示していないが、算出装置100は、ネットワーク網(例えば、インターネット網)を介して、有線又は無線により提供装置10および端末装置20と通信を行う。
【0014】
次に、図1を参照して、実施形態に係る算出処理の一例について説明する。はじめに、算出装置100は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を取得する(ステップS11)。複数の構成員が所属する組織は、例えば、企業である。この例では、複数の構成員は、例えば、社員、従業員、役員等を含むことがある。別の例では、複数の構成員が所属する組織は、自治体、学校組織、非営利組織等であることがある。図1の例では、算出装置100は、1000人の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報AI1を、提供装置10から取得する。1000人の構成員は、図1には「構成員CM1」から「構成員CM1000」までの複数の構成員として示されている。構成員IDは、構成員を識別するための識別子を示す。
【0015】
活動情報は、仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む。例えば、コミュニケーション履歴は、第1の構成員および第2の構成員のコミュニケーションツールの履歴を含む。例えば、コミュニケーション履歴は、第1の構成員および第2の構成員のメール送受信の履歴(すなわち、構成員同士のメール送受信の履歴)を含む。また、例えば、コミュニケーション履歴は、第1の構成員および第2の構成員が出席した会議の履歴(例えば、第1の構成員および第2の構成員が同席した会議の履歴)を含む。メール送受信の履歴は、例えば、組織内(例えば、企業内)のグループウェア上のメール送受信の履歴を含む。会議の履歴は、例えば、組織内のグループウェアに登録された会議のスケジュールを含む。
【0016】
図1の例では、活動情報AI1は、「構成員CM1」から「構成員CM1000」までの複数の構成員のメール送受信の履歴を含む。この例では、メール送受信の履歴には、「第1の構成員(例えば、構成員CM1)から第2の構成員(例えば、構成員CM2)へのメールの送信数」と、「第2の構成員から第1の構成員へのメールの送信数」とが含まれる。例示の「構成員CM1から構成員CM2へのメールの送信数」および例示の「構成員CM2から構成員CM1へのメールの送信数」は、それぞれ「33」、「33」である。
【0017】
図1の例では、活動情報AI1は、「構成員CM1」から「構成員CM1000」までの複数の構成員の会議の履歴を含む。この例では、会議の履歴には、「第1の構成員(例えば、構成員CM1)および第2の構成員(例えば、構成員CM2)が同席した会議のタイトルおよび出席人数」が含まれる。例示の「構成員CM1および構成員CM2が同席した会議のタイトル」および例示の「構成員CM1および構成員CM2が同席した会議の出席人数」は、それぞれ「M1」、「5」である。
【0018】
次いで、算出装置100は、取得された活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを算出する(ステップS12)。例えば、算出装置100は、仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。例えば、算出装置100は、第1の構成員および第2の構成員のコミュニケーションツールの履歴、または第1の構成員および第2の構成員が出席した会議の履歴である第1のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。
【0019】
図1の例では、算出装置100は、取得された活動情報AI1に基づいて、第1の構成員(例えば、構成員CM1)と第2の構成員(例えば、構成員CM2)との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。例えば、算出装置100は、活動情報AI1に含まれる第1の構成員(例えば、構成員CM1)および第2の構成員(例えば、構成員CM2)のメール送受信の履歴に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。一例では、算出装置100は、「第1の構成員(例えば、構成員CM1)から第2の構成員(例えば、構成員CM2)へのメールの送信数」と「第2の構成員から第1の構成員へのメールの送信数」とを加算することで、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。算出装置100は、この処理を繰り返すことで、1000人の複数の構成員「構成員CM1」〜「構成員CM1000」に対応する1000個(すなわち、499,500個)のスコアを算出する。
【0020】
あるいは、算出装置100は、活動情報AI1に含まれる第1の構成員(例えば、構成員CM1)および第2の構成員(例えば、構成員CM2)の会議の出席履歴に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出してもよい。一例では、算出装置100は、「第1の構成員(例えば、構成員CM1)および第2の構成員(例えば、構成員CM2)が同席した会議の出席人数」の逆数を、「第1の構成員および第2の構成員が同席した会議のタイトル」ごとに算出し、かかる会議のタイトルごとに算出された、出席人数の逆数を足し上げることで、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。
【0021】
次いで、算出装置100は、第1の構成員および第2の構成員が、第1のノードおよび第2のノードにそれぞれ対応し、かかる第1のノードとかかる第2のノードとの間のエッジが、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを表すグラフを生成する(ステップS13)。一例では、算出装置100は、組織の第1の区分に所属する第1の構成員が第1のノードに対応し、組織の第2の区分であって第1の区分と異なる第2の区分に所属する第2の構成員が第2のノードに対応するグラフを生成する。組織の区分は、例えば、企業内の部署である。
【0022】
図1の例では、算出装置100は、1000人の構成員が、1000個のノードにそれぞれ対応し、1000個のノード間の1000×1000個のエッジが、1000人の複数の構成員のうちの2人の構成員間のつながりの指標となるスコアを表すグラフを、人事グラフHRG1として生成する。一例では、算出装置100は、1000人の複数の構成員に対応する1000個のスコアから、1000人の構成員を要素とするネットワークの隣接行列を生成し、生成された隣接行列から重み付きグラフを、人事グラフHRG1として生成することができる。例示の隣接行例AM1が、図1に示されている。例示の隣接行列AM1の非対角成分は、2人の構成員間のつながりの指標となるスコアを示す。
【0023】
次いで、算出装置100は、端末装置20からの要求に応じて、生成されたグラフを端末装置20に提供する(ステップS14)。図1の例では、算出装置100は、組織の人事担当者によって利用される端末装置20に、生成された人事グラフHRG1を提供する。例示の人事グラフHRG1のエッジの太さは、エッジに対応する2人の構成員間のつながりの指標となるスコアを反映する。
【0024】
上記のように、実施形態に係る算出装置100は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を取得する。そして、算出装置100は、取得された活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを算出する。このため、実施形態に係る算出装置100は、構成員によるネットワークを定量的に評価することができる。この結果、算出装置100は、組織(例えば、企業)の人事担当者が、組織内の人間関係を定量的に把握することを可能にする。
【0025】
ところで、大きな組織(例えば、1000人の社員を擁する企業)の人事担当者は構成員一人ひとりの人間関係を把握することが難しい、という問題が一例として挙げられる。例えば、構成員CM2が構成員CM1に大量の仕事を押し付けた後に、構成員CM1が連日の残業のため疲労で倒れたと仮定する。さらに、構成員CM1は、構成員CM2と仕事上の強いつながりがあると仮定する。1000人の構成員が所属する組織においては、人事担当者が、構成員CM1が、構成員CM2と仕事上の強いつながりがあることを知らないことがある。人事担当者は、構成員の労働環境を改善するために、構成員CM1が倒れた原因を知りたい場合がある。この場合、算出装置100は、構成員CM1と構成員CM2との間のつながりの指標となるスコアを、人事担当者に提供することができる。このため、算出装置100は、組織内で仕事上の問題が発生した場合に、人事担当者が、問題の原因となっている人間関係を特定することを可能にする。この例では、人事担当者は、構成員CM1が倒れた原因を特定するために、構成員CM2をヒアリングの対象者として選定することができる。以下、このような算出処理を実現する算出装置100について詳細に説明する。
【0026】
〔2.算出装置の構成〕
次に、図2を参照して、実施形態に係る算出装置100の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る算出装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、算出装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、算出装置100は、算出装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0027】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワーク網と有線又は無線により接続され、ネットワーク網を介して、提供装置10および端末装置20との間で情報の送受信を行う。
【0028】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部120は、活動情報記憶部121を有する。
【0029】
(活動情報記憶部121)
図3は、実施形態に係る活動情報記憶部の一例を示す図である。活動情報記憶部121は、構成員の活動情報を記憶する。例えば、活動情報記憶部121は、受信部131によって受信された構成員の活動情報を記憶する。図3の例では、活動情報記憶部121には、「活動情報」が「構成員ID」ごとに記憶される。「活動情報」は、例えば、仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む。例えば、コミュニケーション履歴は、コミュニケーションツールの履歴を含む。一例として、コミュニケーションツールの履歴は、メールの送受信の履歴、チャットの履歴、ビデオ通話の履歴、音声通話の履歴(例えば、携帯電話の履歴、インターネット電話の履歴)等を含むことがある。また、例えば、コミュニケーション履歴は、会議の履歴を含む。例示として、「活動情報」には、項目「メール送受信の履歴」および「会議の履歴」が含まれる。
【0030】
「構成員ID」は、構成員を識別するための識別子を示す。「メール送受信の履歴」は、構成員同士のメール送受信の履歴を示す。メール送受信の履歴は、「標題」、「宛先」、「送信日時」等を含む。「会議の履歴」は、構成員が出席した会議の履歴を示す。会議の履歴は、「会議名」、「出席日時」等を含む。
【0031】
例えば、図3は、構成員ID「CM1」で識別される構成員が、「T1」という標題で構成員「CM2」に、「2018年3月13日午後11時59分」にメールを送信したことを示している。図3はさらに、構成員ID「CM1」で識別される構成員が、「M1」という名前の会議に、「2018年3月14日午後9時00分」に出席したことを示している。
【0032】
(制御部130)
図2に戻ると、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、算出装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0033】
制御部130は、図2に示すように、受信部131と、取得部132と、算出部133と、生成部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0034】
(受信部131)
受信部131は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を、提供装置10から受信する。また、受信部131は、算出部133によって算出されたスコアや、生成部134によって生成されたグラフを取得するための要求を、端末装置20から受信する。受信部131は、受信された活動情報を、活動情報記憶部121に格納してもよい。
【0035】
(取得部132)
取得部132は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を取得する。例えば、取得部132は、受信部131によって受信された活動情報を取得する。取得部132は、活動情報記憶部121から活動情報を取得してもよい。複数の構成員が所属する組織は、例えば、企業である。この例では、複数の構成員は、例えば、社員、従業員、役員等を含むことがある。別の例では、複数の構成員が所属する組織は、自治体、学校組織、非営利組織等であることがある。
【0036】
(算出部133)
算出部133は、取得部132によって取得された活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを算出する。例えば、算出部133は、仕事におけるコミュニケーションに関する第1のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。
【0037】
例えば、算出部133は、第1の構成員及び第2の構成員のコミュニケーションツールの履歴、または第1の構成員および第2の構成員が出席した会議の履歴である第1のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。一例として、算出部133は、「第1の構成員から第2の構成員へのメールの送信数」と「第2の構成員から第1の構成員へのメールの送信数」とを加算することで、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出することができる。あるいは、算出部133は、「第1の構成員および第2の構成員が同席した会議の出席人数」の逆数を、「第1の構成員および第2の構成員が同席した会議のタイトル」ごとに算出し、かかる会議のタイトルごとに算出された、出席人数の逆数を足し上げることで、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出してもよい。
【0038】
(生成部134)
生成部134は、第1の構成員および第2の構成員が、第1のノードおよび第2のノードにそれぞれ対応し、かかる第1のノードとかかる第2のノードとの間のエッジが、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを表すグラフを生成する。一例では、生成部134は、組織の第1の区分に所属する第1の構成員が第1のノードに対応し、組織の第2の区分であって第1の区分と異なる第2の区分に所属する第2の構成員が第2のノードに対応するグラフを生成する。組織の区分は、例えば、企業内の部署である。
【0039】
(提供部135)
提供部135は、端末装置20からの要求に応じて、生成部134によって生成されたグラフを端末装置20に提供する。提供部135は、生成部134によって生成されたグラフを提示するためのユーザインタフェースを、端末装置20に提供してもよい。
【0040】
〔3.算出処理のフロー〕
次に、実施形態に係る算出装置100による予測処理の手順について説明する。図4は、実施形態に係る算出装置100による予測処理手順を示すフローチャートである。
【0041】
図4に示すように、はじめに、算出装置100は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を取得する(ステップS101)。次いで、算出装置100は、取得された活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを算出する(ステップS102)。
【0042】
次いで、算出装置100は、第1の構成員および第2の構成員が、第1のノードおよび第2のノードにそれぞれ対応し、かかる第1のノードとかかる第2のノードとの間のエッジが、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを表すグラフを生成する(ステップS103)。次いで、算出装置100は、端末装置20からの要求に応じて、生成されたグラフを端末装置20に提供する(ステップS104)。
【0043】
〔4.変形例〕
上述の実施形態に係る算出装置100は、上記の実施形態以外にも、種々の異なる形態で実施されてよい。そこで、以下では、上記の算出装置100の他の実施形態について説明する。
【0044】
〔4−1.評価者の選択〕
複数の構成員が所属する組織(例えば、企業)には、構成員(例えば、社員)が、かかる構成員の評価者を選ぶ制度が存在する場合がある。例えば、組織には、構成員が、かかる構成員の上司以外のある構成員を、かかる構成員の評価者に選ぶ制度が存在する場合がある。より具体的には、構成員が、かかる構成員が属する組織の区分(例えば、企業内の営業部)と異なる組織の区分(例えば、企業内の技術部)に所属するある構成員を、かかる構成員の評価者に選ぶ制度が存在する場合がある。このような制度は、多面評価制度や360度評価制度等と呼ばれることがある。
【0045】
しかしながら、構成員が、かかる構成員と仕事上強いつながりがない構成員を、評価者に選ぶことが考えられる。より具体的には、構成員が、かかる構成員と仲が良い構成員を、その構成員がかかる構成員と仕事上強いつながりがないにも関わらず、かかる構成員の評価者に選ぶことが考えられる。したがって、多面評価制度においては、評価者が構成員の仕事を適切に評価しないという問題が起きる場合がある。
【0046】
提供部135は、評価者の選択を適正化するために、構成員同士の仕事上のつながりの指標となるスコアに基づいて、評価者に関する情報を提供してもよい。例えば、提供部135は、第1の構成員と前記第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値よりも大きい場合に、第2の構成員を第1の構成員の評価者として選択し、かかる評価者に関する情報を提供してもよい。提供部135は、評価者に関する情報を、組織の人事担当者によって利用される端末装置20に提供してもよい。
【0047】
〔4−2.不適切な評価者の選択への警告〕
取得部132は、第2の構成員が第1の構成員の評価者として選択されたことを示す評価者情報を取得してもよい。例えば、取得部132は、第2の構成員が前記第1の構成員の評価者として選択されたことを示す評価者情報を、組織の人事担当者によって利用される端末装置20から取得する。提供部135は、評価者の選択を適正化するために、評価者が適切に選択されているかを検証してもよい。
【0048】
図5は、変形例に係る算出処理の一例を示す図である。上記の例を続けると、提供部135は、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアが第2の閾値よりも小さい場合に、評価者の選択が適切でないことを示す警告を提供することができる。図5の例では、提供部135は、第1の構成員と前記第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアが第2の閾値(例えば、30)よりも小さい場合に、評価者の選択が適切でないことを示す警告A1を、組織の人事担当者によって利用される端末装置20に提供する。
【0049】
〔4−3.個人的なつながり〕
上記実施形態では、算出部133は、仕事におけるコミュニケーションに関するコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出しているが、これに限定されるものではない。算出部133は、個人的なコミュニケーションに関する第2のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアを算出してもよい。例えば、算出部133は、第1の構成員および第2の構成員の移動履歴である第2のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、個人的なつながりの指標となるスコアを算出してもよい。
【0050】
取得部132は、個人的なコミュニケーションに関する第2のコミュニケーション履歴を含む活動情報を、提供装置10から取得してもよい。例えば、取得部132は、第1の構成員および第2の構成員の移動履歴である第2のコミュニケーション履歴を含む活動情報を、提供装置10から取得してもよい。
【0051】
第2のコミュニケーション履歴は、例えば、構成員の移動履歴である。第2のコミュニケーション履歴は、社内ポータルにおける仲良しグループの設定、社内のチャットツールのログを含んでもよい。
【0052】
構成員の移動履歴は、例えば、構成員の食堂における精算のタイミング、2つの構成員の席の間の距離、構成員の位置情報(例えば、社内ポータルのスケジューラから取得された位置情報)を含む。構成員によって利用される端末装置20が組織の建物の内部(例えば、社内)に設置されたアクセスポイントにWiFi(Wireless Fidelity)により接続している場合には、構成員の位置情報は、ネットワーク網を介して、アクセスポイントの位置から取得されてもよい。構成員の位置情報は、構成員によって利用される社内ポータルのスケジューラから取得されてもよい。
【0053】
提供部135は、第1の構成員と第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアが第3の閾値よりも大きい場合に、評価者の選択が適切でないことを示す警告を提供してもよい。例えば、提供部135は、第1の構成員と第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアが第3の閾値よりも大きい場合に、評価者の選択が適切でないことを示す警告を、組織の人事担当者によって利用される端末装置20に提供してもよい。
【0054】
〔4−4.孤立している構成員の抽出〕
提供部135は、組織内で孤立している構成員を人事担当者に把握させるために、構成員同士の仕事上のつながりの指標となるスコアに基づいて、孤立している構成員に関する情報を提供してもよい。例えば、生成部134は、n(nは任意の自然数)人の構成員が、n個のノードにそれぞれ対応し、n個のノード間のn×n個のエッジが、n人の構成員のうちの2人の構成員間のつながりの指標となるスコアを表す重み付グラフを、人事グラフとして生成する。この例では、生成部134は、n人の複数の構成員に対応する個のスコアから、n人の構成員を要素とするネットワークの隣接行列を生成し、生成された隣接行列から人事グラフを生成することができる。
【0055】
提供部135は、生成部134によって生成された人事グラフの次数に基づいて、組織内(例えば、社内)で孤立している構成員(例えば、社員)に関する情報を提供してもよい。次数は、エッジに接続しているノードの数を表す。例えば、提供部135は、n人の構成員を要素とするネットワークの隣接行列の成分のうちの「0」の成分の数に基づいて、組織内で孤立している構成員に関する情報を提供することができる。一例では、提供部135は、構成員に対応するエッジに接続するノードの数が閾値よりも小さい場合に、かかる構成員を、組織内で孤立している構成員として特定する。そして、提供部135は、組織内で孤立している構成員として特定された構成員に関する情報を、組織の人事担当者によって利用される端末装置20に提供してもよい。
【0056】
〔4−5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0058】
例えば、図2に示した記憶部120の一部又は全部は、算出装置100によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、算出装置100は、ストレージサーバにアクセスすることで、活動情報等の各種情報を取得する。
【0059】
〔4−6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る算出装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0060】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0061】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0062】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0063】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0064】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0065】
例えば、コンピュータ1000が算出装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。
【0066】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る算出装置100は、取得部132と、算出部133とを有する。取得部132は、複数の構成員が所属する組織内の活動に関する活動情報を取得する。算出部133は、取得部132によって取得された活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを算出する。このため、算出装置100は、構成員によるネットワークを定量的に評価することができる。
【0067】
また、実施形態に係る算出装置100は、第1の構成員及び第2の構成員が、第1のノードおよび第2のノードにそれぞれ対応し、第1のノードと第2のノードとの間のエッジが、第1の構成員と第2の構成員との間のつながりの指標となるスコアを表すグラフを生成する生成部134を有する。このため、算出装置100は、組織の人事担当者が、構成員によるネットワークを直観的に把握することを可能にする。
【0068】
また、実施形態に係る算出装置100において、生成部134は、組織の第1の区分に所属する第1の構成員が第1のノードに対応し、組織の第2の区分であって第1の区分と異なる第2の区分に所属する第2の構成員が第2のノードに対応するグラフを生成する。このため、算出装置100は、組織の人事担当者が、組織内の区分(例えば、企業内の部署)を超えたつながりを把握することを可能にする。
【0069】
また、実施形態に係る算出装置100において、算出部133は、仕事におけるコミュニケーションに関する第1のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアを算出する。このため、算出装置100は、組織の人事担当者が、構成員同士の仕事上の関係を把握することを可能にする。
【0070】
また、実施形態に係る算出装置100において、算出部133は、個人的なコミュニケーションに関する第2のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、第1の構成員と第2の構成員との間の個人的なつながりの指標となるスコアを算出する。このため、算出装置100は、組織の人事担当者が、構成員同士のプライベートな関係を把握することを可能にする。
【0071】
また、実施形態に係る算出装置100において、算出部133は、第1の構成員および第2の構成員の移動履歴である第2のコミュニケーション履歴を含む活動情報に基づいて、個人的なつながりの指標となるスコアを算出する。このため、算出装置100は、組織の人事担当者が、構成員同士のプライベートな関係を推定することを可能にする。
【0072】
また、実施形態に係る算出装置100は、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアが第1の閾値よりも大きい場合に、第2の構成員を第1の構成員の評価者として選択し、評価者に関する情報を提供する提供部135を有する。このため、算出装置100は、公正な人事評価を促進することができる。
【0073】
また、実施形態に係る算出装置100において、取得部132は、第2の構成員が第1の構成員の評価者として選択されたことを示す評価者情報を取得する。提供部135は、第1の構成員と第2の構成員との間の仕事上のつながりの指標となるスコアが第2の閾値よりも小さい場合に、評価者の選択が適切でないことを示す警告を提供する。このため、算出装置100は、組織の人事担当者が、人事評価が公正に行われていないことを把握することを可能にする。
【0074】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0075】
また、上述した算出装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0076】
また、特許請求の範囲に記載した「手段」は、「部(section、module、unit)」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得手段は、取得部や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 算出システム
100 算出装置
120 記憶部
121 活動情報記憶部
131 受信部
132 取得部
133 算出部
134 生成部
135 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6