【文献】
齋藤 純一、外1名,メーリングリストのスレッド構造を利用したFAQ自動作成,第84回 知識ベースシステム研究会資料,日本,社団法人人工知能学会,2009年 1月20日,p.27−32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記優先度情報が所定の閾値を超えたときに、FAQが作成される質問回答情報と、前記既に作成されたFAQとの関連情報を抽出し、FAQ作成支援情報として出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のFAQ作成支援方法。
前記優先度情報が所定の閾値を超えたときに、FAQが作成される質問回答情報と、前記既に作成されたFAQとの関連情報を抽出し、FAQ作成支援情報として出力する関連情報抽出部を含む、
請求項10乃至12のいずれか一項に記載のFAQ作成支援システム。
前記マスキングされた質問回答情報に対して、前記質問回答情報と近似する情報を有する情報群のうちの一部の情報との間の第3類似情報を生成する第3類似情報生成部をさらに含み、
前記優先度情報生成部は、前記第3類似情報に基づいて前記優先度情報を変更する、
請求項10乃至16のいずれか一項に記載のFAQ作成支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字xxxにA,Bを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。その他、本発明の属する分野における通常に知識を有する者であれば認識できるものである場合、特段の説明を行わないものとする。
【0026】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るFAQ作成支援システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
(1−1.FAQ作成支援システムのハードウェア構成)
図1に、FAQ作成支援システム1のハードウェア構成および機能ブロック図を示す。
図1に示すように、FAQ作成支援システム1は、質問回答端末10(質問端末10Aおよび回答端末10B)、並びにサーバ20を含む。質問端末10Aは、ネットワーク50を介して回答端末10Bに問い合わせ(質問情報)を送信する。回答端末10Bは、質問端末10Aから送信された情報をサーバ20に送信し、サーバ20から最適な回答情報を取得し、質問端末10Aに送信する。サーバ20は、回答端末10Bから受信した質問情報をもとに、回答情報を生成し、回答端末10Bに送信するとともに、質問情報および回答情報(質問回答情報という)を用いて後述するFAQ作成支援制御処理を行う。なお、質問端末10Aおよび回答端末10Bを分けて言う必要がない場合には、質問回答端末10という場合がある。
【0028】
質問回答端末10は、コンピュータの一つであり、表示部11、制御部12、記憶部13、操作部14および通信部15を有する。この例では、質問端末10Aとして、代理店用端末または営業店店舗用端末が用いられ、回答端末10Bとして、本社部門用端末が用いられる。なお、質問端末10Aは、代理店用端末または営業店店舗用端末に限定されず、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、タブレット型端末、ノートPC(Personal Computer)、IoTデバイス(電源機構、通信機能および情報記憶機構を備えた機器)などでもよく、ネットワークを通じてサーバ20と通信可能なものであれば適用可能である。
【0029】
表示部11は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの表示デバイスであって、制御部12から入力される信号により表示内容が制御される。
【0030】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)を含む。制御部12は、操作部14の操作に基づいてメモリなどの記憶部13に記憶されたプログラムを実行させ、サーバ20に対して回答情報の生成処理を指示する。
【0031】
操作部14は、コントローラー、ボタン、またはスイッチを含む。操作部14は、上下左右への移動、押圧、または回転などの動作がなされることにより、その動作に基づく情報が制御部12に送信される。なお、タッチセンサを有する表示装置(タッチパネル)であれば、表示部11と操作部14とが、同じ場所に配置されてもよい。
【0032】
通信部15は、サーバ20と送受信する機能を有する。通信部15には、LAN送受信機(例えばWi−Fi送受信機)が用いられる。なお、送受信機は、LAN送受信機に限定されない。質問回答端末が携帯型の端末の場合には、携帯端末用通信(例えばLTE通信)用の送受信機が設けられてもよいし、近距離無線通信用の送受信機が設けられてもよい。質問回答端末10は、ネットワーク50を介してサーバ20と接続される。
【0033】
サーバ20は、通信部21、記憶部22、制御部23および表示部24を有する。サーバ20は、データベースおよびアプリケーションサーバとして機能する。
【0034】
通信部21は、送受信機を有し、ネットワーク50を介して質問回答端末10と質問回答情報の情報通信を行う。通信部21には、イントラネット用のLAN送受信機が用いられる。なお、送受信機は、イントラネット用のLAN送受信機に限定されず、質問回答端末10と同様に通信可能な装置が用いられる。
【0035】
記憶部22は、ハードディスク、およびSSDを用いることで、FAQ作成支援制御用プログラムで用いられる質問回答情報を記憶するデータベースとしての機能を有する。このとき、記憶部22は、回答端末10Bから入力された質問情報およびサーバ20において生成された質問情報に対する回答情報を一つの質問回答情報として記録するとともに、後述する質問回答カテゴリ情報および質問回答情報カテゴリ識別番号を記録する。また、記憶部22は、質問回答情報のほかに、すでに作成されているFAQ情報、マニュアル情報、契約情報または個人情報などのマスキングされる情報、および除外される情報などを、文字情報、画像情報、または動画情報として含んでいる。FAQ情報は、記録されたFAQに関連する情報である。FAQ情報は、FAQ_id、FAQカテゴリ情報、FAQカテゴリ識別番号、並びにFAQとして記録された質問情報及び回答情報を含む。マニュアル情報は、記録されたマニュアルに関連する情報である。マニュアル情報は、マニュアル_id、マニュアルカテゴリ情報、マニュアルカテゴリ識別番号、並びにマニュアルとして記録された質問情報及び回答情報を含む。記憶部22は、適宜サーバ20と異なるサーバに設けられ、データベースとして機能してもよい。また、質問回答情報、FAQ情報およびマニュアル情報は、記憶部22においてそれぞれ別々の記憶領域に設けられてもよいし、別々のサーバの記憶部に設けられてもよい。
【0036】
制御部23は、CPUおよびRAMを用いて、質問回答端末10から指示された情報をもとに回答情報の生成を実行するとともに、後述するFAQ作成支援のソフトウェア(プログラム)の処理を制御する。また、制御部23からの命令によって、FAQ作成支援制御プログラムを実行するためのユーザインターフェースが表示部24に提供される場合がある。
【0037】
(1−2.FAQ作成支援制御部100の構成)
図2は、FAQ作成支援システム1におけるサーバ20の各構成要素によって構成され、FAQ作成支援機能を実現させるプログラム(FAQ作成支援プログラム)を制御するFAQ作成支援制御部100の機能ブロック図を示す。
【0038】
FAQ作成支援制御部100は、質問回答情報蓄積部110、特定情報除外部120、情報マスキング部130、分類情報付加部140、第1類似情報生成部150、第2類似情報生成部、優先度情報生成部170、FAQ作成判定部180、関連情報抽出部190、およびFAQ作成支援部200を含む。
【0039】
質問回答情報蓄積部110は、回答端末10Bから受信した質問情報および回答端末10Bからの指示に基づいて生成された回答情報を一つの質問回答情報として記憶部22に蓄積する機能を有する。
【0040】
特定情報除外部120は、記憶部22において蓄積された質問回答情報から個別事案を含む情報を除去する機能を有する。これにより、個別事案を含む質問回答情報は、優先度情報を生成する対象から除外される。個別事案は、あらかじめ指定された用語を含む情報をいう。
【0041】
情報マスキング部130は、特定される情報をマスキングする機能を有する。特定される情報とは、個人情報や契約特定情報などをいう。
【0042】
分類情報付加部140は、マスキングされた質問回答情報に対して分類情報を付加する機能を有する。例えば、分類情報付加部140は、質問回答情報とともに記録された業務内容、地域、性別、年齢、質問者の属性(代理店区分、職員区分)や質問の難易度(文字数による判定)などの質問回答カテゴリ情報に対応するカテゴリ識別番号を新たに付加する。なお、分類情報付加部140は、質問回答情報に対応する質問回答カテゴリ情報を新たに付加してもよい。
【0043】
第1類似情報生成部150は、分類情報をもとに分類された質問回答情報間の重複するグルーピング数を第1類似情報として生成する機能を有する。第1類似情報は、蓄積された質問回答情報数により適宜変動してもよい。
【0044】
第2類似情報生成部160は、既に作成されたFAQと質問回答情報との類似度を判定し、第2類似情報として生成する機能を有する。第2類似情報は、蓄積された質問回答情報数により変動せずに、一義的なものとすることができる。
【0045】
優先度情報生成部170は、第1類似情報生成部150によって生成された第1類似情報、および第2類似情報生成部160により生成された第2類似情報に基づいて、各々の質問回答情報に対する優先度情報を生成する機能を有する。この例では、類似する質問回答情報が多い場合(重複グルーピング数が大きい場合)には、高い優先度として識別される。所定の条件を満たすと判断された質問回答情報は、FAQ作成判定部180に送信される。
【0046】
FAQ作成判定部180は、生成された優先度に基づいて質問回答情報からFAQを作成するか否かを判定する機能を有する。
【0047】
関連情報抽出部190は、FAQ作成判定部180において優先度情報が所定の閾値を超えてFAQを作成すると判定された質問回答情報と既に作成された既存のFAQとの関連情報を抽出し、FAQ作成支援情報として出力する機能を有する。関連情報は、質問回答情報および既存のFAQに含まれる情報のうち特徴的な情報をいう。なお、関連情報は適宜変更・追加してもよい。
【0048】
FAQ作成支援部200は、FAQを作成すると判定された質問回答情報を用いてFAQを作成するための情報を出力する機能を有する。この場合、FAQを作成するための情報は、例えば、インターフェースに出力表示される。
【0049】
(1−3.FAQ作成支援制御処理)
次に、FAQ作成支援制御部100におけるFAQ作成支援プログラムによる命令に基づいたFAQ作成支援制御処理について説明する。
図3は、FAQ作成支援制御処理のフロー図である。
図3に示すように、FAQ作成支援制御処理は、第1FAQ作成支援制御処理S100、第2FAQ作成支援制御処理S200、および第3FAQ作成支援制御処理S300を含む。
【0050】
第1FAQ作成支援制御処理S100は、質問回答情報の蓄積処理、特定情報を含む質問回答情報の除外処理、質問回答情報のデータマスキング処理を含む。第2FAQ作成支援制御処理S200は、質問回答情報への分類情報付与処理、質問回答情報間の第1類似情報生成処理、質問回答情報と既存のFAQとの間の第2類似情報生成処理および優先度情報生成処理を含む。第3FAQ作成支援制御処理S300は、優先度に基づくFAQ作成の判定処理、関連情報抽出処理、FAQ作成支援情報出力処理を含む。それぞれのFAQ作成支援制御処理を分けて説明する。
【0051】
(1−3−1.第1FAQ作成支援制御処理S100)
図4に、第1FAQ作成支援制御処理S100を示す。
図4おいて、質問回答端末10から質問情報が送信され、サーバ20において回答情報が生成されると、質問回答情報蓄積部110は、質問情報および回答情報を一つの質問回答情報として記憶部22に蓄積(記憶)する(S110)。質問回答情報は、定型化された情報として蓄積されてもよいし、メールなどのようにFAQを作成するための質問情報とそれに対する回答情報を有していれば形式は限定されない。また、このとき、各々の質問回答情報を識別するための情報(id)も併せて付与してもよい。
【0052】
次に、蓄積された質問回答情報の中に除外情報が含まれているか判定処理を行う(S120)。記憶部22に記憶された除外情報121の一例を
図5に示す。
図5に示すように、除外情報121は個別事案に関連する情報をいう。この例では、除外情報121は、自動車項目121a、個人商品項目121b、企業商品項目121c、事務項目121d、団体扱い項目121eを含んでいる。さらに、自動車項目には、電話121a−1、添付121a−2、調査121a−3、個別試算121a−4、規定外121a−5を含んでいる。一つの質問回答情報が除外情報121のいずれかを含んでいる判定された場合(S120;Yes)、特定情報除外部120は当該質問回答情報に対して除外処理を行う(S150)。例えば、質問回答情報において自動車の項目として「規定外」という除外情報が含まれている場合、当該質問回答情報は除外されることとなる。これにより、FAQを作成する必要のない質問回答情報はスクリーニングされ、優先度情報を作成する対象から除外されるため、FAQを作成すべき質問回答情報を抽出しやすくなる。なお、除外情報は適宜変更されてもよい。また、除外された質問回答情報は、蓄積された質問回答情報と記憶部22の別の記憶領域に蓄積され、再度同じ記憶領域に蓄積させてもよい。これにより、例えば個別事案としていたが、その後同一または類似の質問回答情報が増えた場合にFAQを作成する場合などに適用可能である。
【0053】
一方、質問回答情報が除外情報121を含んでいないと判定された場合(S120;No)、情報マスキング部130は質問回答情報に対して特定情報のマスキング処理を行う(S130)。特定情報のマスキング処理とは、個人情報、挨拶文や契約に関する特定情報のみをマスキングすることをいう。
図6に特定情報をマスキングする際の情報の一覧表の例を示す。
図6において、マスキング情報131は、マスキング項目131a、パターン131b、文章例131c、処理結果例131dを含んでいる。マスキング項目131aは、挨拶文131a−1、個人情報131a−2、契約特定情報131a−3を含む。例えば、質問回答情報の中に挨拶文に相当する記録、より具体的には「いつもお世話になっております」という情報があれば、当該情報を空白とする(削除する)。また、住所の登録に「東京都世田谷区上北沢1丁目20−26デジタルハウス201号」とあれば、「東京都〇〇〇〇〇〇 〇〇-〇〇 〇〇〇〇〇〇〇〇〇号」として住所が特定されないようにマスキングする。また、証券番号において「E1110101」と記録されていれば、「〇〇〇〇〇〇〇〇」とマスキングする。また、企業名に「損保観光株式会社」とあれば、「〇〇〇〇株式会社」とマスキングする。これにより、情報がマスキングされるため、FAQを作成したときに、幅広い分野に適用可能となる。なお、マスキング対象となる情報は、適宜変更可能である。さらに、マスキングされた情報は適宜元の情報に戻すことができるため、詳細な質問回答情報を改めて確認することができる。
【0054】
図4に戻って説明する。次に、マスキングされた質問回答情報に対して、表示情報を付与する(S140)。例えば、表示情報として、HTMLタグを付与してもよい。表示情報が付された質問回答情報は、サーバ20の表示部24に表示することができる。なお、表示情報が付された質問回答情報が回答端末10Bに送られれば、表示部11に表示してもよい。以上により、第1FAQ作成支援制御処理S100が終了となる。なお、本実施形態において質問回答情報は、マスキングされる前に記憶部22に記憶されるが、これに限定されない。例えば、質問回答情報は、マスキングされた後にも記憶部22において記憶されてもよい。これにより、質問回答情報から個人情報および特定情報が除去されるため、マスキングされた質問回答情報をFAQになる前の参考情報として営業店店舗用端末等において検索し、表示することができる。したがって、有用な情報を用いて業務の効率化を図ることができる。また、このとき、マスキングされる前の質問回答情報と、マスキングされた質問回答情報とは、識別番号を用いて紐づけされてもよい。また、マスキングされる前の質問回答情報と、マスキングされた質問回答情報とは、同じ記憶領域に記憶される場合に限定されず、それぞれの別々の記憶領域に記憶されてもよい。
【0055】
(1−3−2.第2FAQ作成支援制御処理S200)
図7に、第2FAQ作成支援制御処理S200のフロー図を示す。第2FAQ作成支援制御処理S200は、第1FAQ作成支援制御処理の終了をきっかけとして行われる。まず、分類情報付加部140は、質問回答情報に対して分類情報を付与する(S210)。
図8に質問回答情報および質問回答情報の分類情報が記録されたリスト201を示す。
図8において、質問回答情報および分類情報が記録されたリスト201は、記憶部22に記憶され、id201a、質問回答情報201b、質問回答カテゴリ情報201c、質問回答情報カテゴリ識別番号201dを含んでいる。質問回答カテゴリ情報201cは、質問回答情報とともに予め記録される。例えば、質問回答カテゴリ情報201cとして質問の種類(大分類)、保険の種類(小分類)、保険の内容などが記録される。具体的には、id100000の場合、質問回答カテゴリ情報には質問の種類(大分類)として商品・事務、保険の種類(小分類)として自動車保険、保険の内容として調査のお願い・等級チェックリスト(規定関連)が記録される。このとき、質問回答カテゴリ情報201cに対応して予め設定された条件に合わせて、質問回答情報カテゴリ識別番号201dが新たに分類情報付加部によって付加される。例えば、同一の質問回答カテゴリ情報の場合には、分類情報付加部140は、同一の質問回答情報カテゴリ識別番号を付加する。この例では、
図8に示すように、id100000およびid100001に対してA1が付される。また、id100001に対してA2、id100003に対してA3がそれぞれ付与される。
【0056】
図7に戻って説明する。次に、質問回答情報に対する重複グルーピング数(第1類似情報)を生成する(S220)。重複グルーピング数とは、類似する質問回答情報の数をいう。
図9に重複グルーピング数201eの生成の一例を示す。この例では、第1類似情報は、質問回答情報カテゴリ識別番号201dをもとに生成される。例えば、id100000とid100001は、同一の質問回答情報カテゴリ識別番号A1を有している。このとき、2つの質問回答情報は、類似すると判断される。ここで、記憶部22において記憶された質問回答情報カテゴリ識別番号A1を有する質問回答情報は、全部で100個あるとした場合、id100000およびid100001の重複グルーピング数は100と記録される。
【0057】
なお、上記において、同一の質問回答情報カテゴリ識別番号を有する場合に類似であるという判断を行っているが、これに限定されない。例えば、それぞれの質問回答情報に含まれる情報を比較して重複する度合いを元に類似度を判断し、所定の類似度を超えた場合に類似すると判断してもよい。このとき、質問情報と回答情報をそれぞれ分けて類似度を判断してもよい。また、類似度判定は、機械学習手法を用いた人工知能(Artificial Intelligence;AI)のアルゴリズムを用いて行ってもよい。また、上記処理を同一の質問回答情報カテゴリ識別番号を有する場合に追加して行ってもよい。
【0058】
図7に戻って説明する。次に、質問回答情報とすでに作成されたFAQとの間の類似情報(第2類似情報)を生成する(S230)。このときに用いるFAQは、事前に記憶部22に記憶されたFAQのうち質問回答情報カテゴリ識別番号201dに対応し、FAQカテゴリ識別番号201gを有するFAQ201hとする。ここで、質問回答情報は、同じFAQカテゴリ識別番号を有するFAQのそれぞれと類似度が比較され、最も類似度が高いFAQ_idのFAQとの類似度が記録される。
図10に質問回答情報と既に作成された(既存の)FAQ201hとの間の類似情報(第2類似情報)の一例を示す。
図10に示すように、この例では、id100000に係る質問回答情報およびid100001に係る質問回答情報とid100に係るFAQとの類似度201iが生成される。同様に、id100002に係る質問回答情報とid102に係るFAQとの類似度201iが生成され、id100003に係る質問回答情報とid103に係るFAQとの類似度201iが生成され、これらの情報が第2類似情報となる。ここでは、id100002に係る質問回答情報とid102に係るFAQとの類似度201iが0.8と判定生成され、質問回答情報id100003に係る質問回答情報とid103に係るFAQとの類似度201iが0.5と判定生成される。類似度は1に近いほど類似性が高いことを意味し、id100002およびid100003は、既存のFAQに類似していることを示している。
【0059】
一方、id100000に係る質問回答情報と、id100001に係る質問回答情報とでは、既存のFAQと類似する部分が少なく、id100に係るFAQとの類似度201iは、0.1または0.2と判定生成される。つまり、id100000に係る質問回答情報およびid100001に係る質問回答情報は既存のFAQと類似せず、新規の質問回答情報であることを示す。新規であることを意味する表記として、「新規」と記録されてもよい。したがって、第2類似情報を生成することにより、既存のFAQと類似する質問回答情報に対応する新たなFAQを作成することを防止することができる。
【0060】
なお、上記において、第1類似情報が付加された質問回答情報に対して、第2類似情報を生成しているが、マスキング処理された質問回答情報であれば、第1類似情報よりも先に第2類似情報を生成してもよいし、第1類似情報および第2類似情報を同時に生成してもよい。第2類似情報を第1類似情報よりも先に生成した場合、FAQの作成が必要な質問回答情報を絞り込むことができる。
【0061】
図7に戻って説明する。次に、それぞれの質問回答情報に対する優先度情報を生成する(S240)。
図11に優先度情報の一例を示す。
図11に示すように、優先度情報201jは、質問回答情報の重複グルーピング数(第1類似情報)201eおよび既存のFAQとの類似度(第2類似情報)201iをもとに生成される。この例では、重複グルーピング数は、大・中・小に分けられ、「大」は100以上、「中」は20以上100未満、「小」は20未満と設定される。重複グルーピング数の大きい場合には、高い優先度が生成される。同様に、既存のFAQとの類似度(第2類似情報)は大・中・小に分けられ、「大」は0.7以上1未満、「中」は0.2以上0.7未満、「小」は0以上0.2未満と設定される。既存のFAQとの類似度が低い場合に高い優先度を生成する。このとき、優先度は、以下の数式(1)で表すことができる。
【数1】
【0062】
数式(1)において、係数K1は適宜条件に合わせて設定される。この例では、係数K1は0.2と設定されている。
図11には、第1類似情報および第2類似情報の代表値を用いて算出した優先度情報が示されている。数式(1)において、重複グルーピング数が大きく、既存のFAQとの類似度が低いときに、最も高い優先度となり、重複グルーピング数が小さく、既存のFAQとの類似度が高いときに、最も低い優先度となる。具体的には、優先度は数値で表され、
図12に示すように、id100000に係る質問回答情報に対して優先度情報201jとして「200」が生成され、id_100001に係る質問回答情報に対して優先度情報201jとして「100」が生成される。一方、id100002に係る質問回答情報に対して優先度情報201jとして「50」が生成され、id_100003に係る質問回答情報に対して優先度情報201jとして「4」が生成される。以上により、第2FAQ作成支援制御処理S200が終了となる。
【0063】
(1−3−3.第3FAQ作成支援制御処理S300)
図13は、第3FAQ作成支援制御処理S300のフロー図である。まず、優先度に基づいて、FAQを作成するかを判定する(S310)。このとき、質問回答情報に対する優先度が所定の閾値を超えた場合には、当該質問回答情報に対してFAQを作成するという判定がなされる。例えば、優先度の閾値を100とした場合、優先度が100以上となったときに、FAQを作成するという判定をしてもよい。FAQを作成すると判定された場合(S310;Yes)、既存のFAQとの関連情報を抽出する(S320)。例えば、FAQを作成する場合において、第2類似情報を生成する際に対象FAQ_idとして記録されなかったが、同一または類似のFAQカテゴリ識別番号を有するFAQもしくは分類情報が重複するFAQについては、FAQ_idを関連情報として抽出してもよい。
【0064】
次に、上記において得られた情報をもとに、FAQを作成すると判定された質問回答情報についてのFAQ作成支援情報を外部装置に出力する(S330)。ここでいう外部装置は、回答端末10Bでもよいし、その他の端末でもよい。また、サーバ20内の別の制御領域に出力してもよい。
図14にFAQ作成支援情報のインターフェースを示す。
図14に示すように、FAQ作成支援情報341には質問回答情報(質問情報341aおよび回答情報341b)とともに関連するFAQの情報341c、および質問回答情報をFAQとする上で編集可能とするためのFAQ編集情報341dが含まれる。この例では、FAQ編集情報341dは、FAQの件名、カテゴリ、本文などのFAQ本文に関する編集情報341d−1、添付URL341d−2、添付ファイル341d−3、関連FAQ341d−4、公開設定341d−5などの情報を含む。以上により、第3FAQ作成支援制御処理が終了となる。FAQを作成しないと判定された場合(S310;No)、関連情報抽出処理S320およびFAQ作成支援情報出力処理をせずに、第3FAQ作成支援制御処理が終了となる。
【0065】
ここで、従来のFAQ作成方法と本実施形態のFAQ作成支援方法について比較する。従来のFAQ作成方法の場合、質問回答情報間の類似性を判断することは行われていたものの、膨大な情報量があり、FAQの作成をすることが困難であった。
【0066】
しかしながら、本実施形態を用いることにより、FAQの作成候補となる質問回答情報を段階的に選別することでき、既存のFAQと重複するFAQを作成することを防げるため、その結果として効率的にFAQを作成することができる。また、関連する情報との紐づけができるため、FAQを網羅的に作成することができ、FAQを有効に活用することができる。また、本実施形態の場合、個人情報および特定情報など類似度を判断する上で不要な情報はマスキングされるため、より精度の高い類似情報を生成することができる。
【0067】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態と異なるFAQ作成支援制御部およびFAQ作成支援方法について説明する。具体的には、第2FAQ作成支援制御処理を行う上で蓄積された質問回答情報数を検知して第2類似情報を生成する処理について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成および方法については、適宜省略する場合がある。
【0068】
(2−1.FAQ作成支援制御部100Aの構成)
図15は、FAQ作成支援システム1Aにおける、FAQ作成支援制御部100Aの機能ブロック図を示す。
図15に示すように、FAQ作成支援制御部100Aは、質問回答情報蓄積部110、特定情報除外部120、情報マスキング部130、分類情報付加部140、第1類似情報生成部150、第2類似情報生成部160、優先度情報生成部170、FAQ作成判定部180、関連情報抽出部190、FAQ作成支援部200に加えて、蓄積情報数計測部155を含む。
【0069】
蓄積情報数計測部155は、蓄積される質問回答情報数を検知し、所定の蓄積数に到達したときに第1類似情報を生成する指示を送る機能を有する。蓄積情報数計測部155からの指示に基づいて、第1類似情報生成部150が第1類似情報を生成する。
【0070】
(2−2.FAQ作成支援制御処理)
図16に、FAQ作成支援制御部100AにおけるFAQ作成支援プログラムによる命令に基づいた第2FAQ作成支援制御処理のフロー図(S200A)を示す。
図16に示すように、分類情報を付加した後(S220)、蓄積された質問回答情報数を検知する(S215)。このとき、あらかじめ質問回答情報数には条件が設けられている。具体的には、データ蓄積数を500個と設定する。所定の質問回答情報蓄積数を検知するまでは(S216;No)、繰り返し質問回答情報蓄積数の検知処理が実行される。上述した所定の質問回答情報蓄積数に到達したことを検知した場合(S216;Yes)、第1類似情報生成処理が行われる(S220)。
【0071】
図17に、第3FAQ作成支援制御処理のフロー図(S300A)を示す。
図17に示すように、優先度生成処理によって生成された優先度を用いて、FAQを作成するかどうかを判定する(S310)。このとき、FAQを作成しない(S310;No)と判定された場合、サーバ20の外部装置(例えば回答端末10B)に情報を出力する(S340)。応答がないと(S350;No)待機状態となり、応答があると(S350;Yes)第1類似情報の再作成を行うか判定を行う(S350)。応答に含まれた情報をもとに第1類似情報を再作成しないと判定された場合(S360;No)、処理は終了となる。一方、第1類似情報を再作成すると判定された場合(S360;Yes)、質問回答情報の蓄積数を変更し再設定した後(S370)、質問回答情報蓄積数の検知処理(S215)に戻る。なお、上記応答が一定の期間内にない場合には、第1類似情報を再作成すると判定してもよい。
【0072】
本実施形態を用いることにより、FAQ作成候補となる選別された質問回答情報の母数を増やすことができ、質問回答情報間の類似情報(第1類似情報)の精度を高めることができる。また、一度FAQを作成しないと判定した後に、類似する質問回答情報が増えてきた際にFAQを作成する指標となる。したがって、優先度情報がより正確なものとなり、有効なFAQをさらに効率的に作成することができる。
【0073】
なお、本実施形態では質問回答情報蓄積数の検知処理は、第1類似情報生成処理の前に行われる例を示したが、これに限定されない。例えば、優先度判定処理の前に行ってもよい。この場合においても、FAQ作成候補となる選別された質問回答情報の母数を増やすことができ、適切に優先度を判定することができる。
【0074】
<第3実施形態>
本実施形態では、第1実施形態と異なるFAQ作成支援制御部およびFAQ作成支援方法について説明する。具体的には、第2FAQ作成支援制御処理を行う上で質問回答情報の蓄積時間を検知して優先度を判定する処理について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成および方法については、適宜省略する場合がある。
【0075】
(3−1.FAQ作成支援制御部100Aの構成)
図18は、FAQ作成支援システム1Bにおける、FAQ作成支援制御部100Bの機能ブロック図を示す。
図18に示すように、FAQ作成支援制御部100Bは、質問回答情報蓄積部110、特定情報除外部120、情報マスキング部130、分類情報付加部140、第1類似情報生成部150、第2類似情報生成部160、優先度情報生成部170、FAQ作成判定部180、関連情報抽出部190、FAQ作成支援部200に加えて、蓄積時間計測部157を含む。
【0076】
蓄積時間計測部157は、質問回答情報の蓄積時間を検知し、所定の蓄積時間に到達したときに第1類似情報を生成する指示を送る機能を有する。蓄積時間計測部157からの指示に基づいて、第1類似情報生成部150が第1類似情報を生成する。
【0077】
(3−2.FAQ作成支援制御処理)
図19に、FAQ作成支援制御部100BにおけるFAQ作成支援プログラムによる命令に基づいた第2FAQ作成支援制御処理のフロー図(S200B)を示す。
図19に示すように、分類情報を付加したのち(S210)、質問回答情報の蓄積時間を検知する(S217)。このとき、あらかじめ蓄積時間には条件が設けられている。具体的には、蓄積時間を1週間と設定する。所定の蓄積時間を検知するまでは(S218;No)、繰り返し質問回答情報蓄積時間の検知処理が実行される。上述した所定の時間に到達したことを検知した場合(S218;Yes)、第1類似情報生成処理が行われる(S220)。
【0078】
図20に、第3FAQ作成支援制御処理のフロー図(S300B)を示す。
図20に示すように、優先度生成処理によって生成された優先度を用いてFAQを作成するかどうかを判定する(S310)。このとき、FAQを作成しない(S310;No)と判定された場合、サーバ20の外部装置(例えば回答端末10B)に情報を出力する(S340)。応答がないと(S350;No)待機状態となり、応答があると(S350;Yes)第1類似情報の再作成を行うか判定を行う(S350)。応答に含まれた情報をもとに第1類似情報を再作成しないと判定された場合(S360;No)、処理は終了となる。第1類似情報を再作成すると判定された場合(S360;Yes)、質問回答情報の蓄積時間を変更し再設定した後(S380)、質問回答情報の蓄積時間の検知処理(S217)に戻る。なお、上記応答が一定の期間内にない場合には、第1類似情報を再作成すると判定してもよい。
【0079】
本実施形態を用いることにより、FAQ作成候補となる選別された質問回答情報の母数を増やすことができ、質問回答情報間の類似情報(第1類似情報)の精度を高めることができる。また、一度FAQを作成しないと判定した後に、類似する質問回答情報が増えてきた際にFAQを作成する指標となる。したがって、優先度情報がより正確なものとなり、有効なFAQをさらに効率的に作成することができる。
【0080】
なお、本実施形態では質問回答情報の蓄積時間の検知処理は、第1類似情報生成処理の前に行われる例を示したが、これに限定されない。例えば、優先度判定処理の前に行ってもよい。この場合においても、FAQ作成候補となる選別された質問回答情報の母数を増やすことができ、適切に優先度を判定することができる。
【0081】
<第4実施形態>
本実施形態では、サーバが回答装置として機能するとともに、FAQと異なる情報との類似度を見る例について説明する。具体的には、既存のFAQとの類似度の生成に加えて、既存のマニュアルとの類似度の生成も行い、優先度情報を生成する処理について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成および方法については、適宜省略する場合がある。
【0082】
(4−1.サーバおよびFAQ作成支援制御部100Cの構成)
図21は、FAQ作成支援システム1Cにおける回答サーバ20Cの各構成要素によって構成され、FAQ作成支援機能を実現させるプログラム(FAQ作成支援プログラム)を制御するFAQ作成支援制御部100Cの機能ブロック図を示す。回答サーバ20Cは、質問端末10Aから回答端末10Bを介さずに直接的に質問情報が送信される。回答サーバ20Cは、回答情報作成部105において回答情報を作成し、回答情報を質問端末10Aに送信する。
【0083】
FAQ作成支援制御部100Cは、質問回答情報蓄積部110、特定情報除外部120、情報マスキング部130、分類情報付加部140、第1類似情報生成部150、第2類似情報生成部、優先度情報生成部170C、FAQ作成判定部180、関連情報抽出部190、およびFAQ作成支援部200に加えて、第3類似情報生成部165を含む。
【0084】
第3類似情報生成部165は、既に作成されたFAQと同様に、既に作成され、質問回答情報に近似する情報を含む情報集の一部の情報と、質問回答情報との類似度を判定し、第3類似情報として生成する機能を有する。この例では、既に作成され、質問回答情報に近似する情報を含む情報集としてマニュアル情報が挙げられる。マニュアル情報は、質問回答情報に近似する情報が所定の形式に合わせて記録されている。マニュアル情報は、マニュアル_id、マニュアルカテゴリ情報、マニュアルカテゴリ識別番号、並びにマニュアルとして記録された質問情報及び回答情報を含む。第3類似情報は、蓄積された質問回答情報数により変動せずに一義的なものとすることができる。このとき、優先度情報生成部170Cは、第1類似情報生成部150によって生成された第1類似情報および第2類似情報生成部160により生成された第2類似情報に基づいて、各々の質問回答情報に対する優先度情報を生成し、第3類似情報に基づいて、優先度情報に付加情報を追加する機能を有する。
【0085】
(4−2.FAQ作成支援制御処理)
図22に、FAQ作成支援制御部100CにおけるFAQ作成支援プログラムによる命令に基づいた第2FAQ作成支援制御処理のフロー図(S200C)を示す。
図22に示すように、第2類似情報を生成した後(S230)、第3類似情報を生成する(S235)。このときに用いるマニュアル情報は、事前に記憶部22に記憶されたマニュアル情報のうち質問回答情報カテゴリ識別番号201dに対応し、マニュアルカテゴリ情報201kおよびマニュアルカテゴリ識別番号201lを有するマニュアル情報201mとする。
図23に質問回答情報と既に作成されたマニュアル情報201hとの間の類似情報(第3類似情報)の一例を示す。
図23に示すように、この例では、このid100000に係る質問回答情報と、id200に係るマニュアル情報201mとの類似度201nが生成される。同様に、id100001に係る質問回答情報と、id200に係るマニュアル情報201mとの類似度201nが生成され、id100002に係る質問回答情報と、id202に係るマニュアル情報201mとの類似度201nが生成され、id100003に係る質問回答情報とid203に係るマニュアル情報201mとの類似度201nが生成され、これらの情報が第3類似情報となる。
【0086】
図23において、id100000に係る質問回答情報とid200に係るマニュアル情報との類似度201nが0.1と生成される。同様に、id100001に係る質問回答情報とid200に係るマニュアル情報との類似度201nが0.2と判定生成され、質問回答情報id100002に係る質問回答情報と、id202に係るマニュアル情報との類似度201iが0.8と判定生成され、id100003に係る質問回答情報とid202に係るマニュアル情報との類似度201iが0.3と判定生成される。このとき、類似度は1に近いほど類似性が高いことを意味し、id100002は、既存のマニュアルに類似していることを示している。
【0087】
次に、それぞれの質問回答情報に対する優先度情報を生成する(S240)。
図24に優先度情報の一例を示す。
図24に示すように、優先度情報201jは、質問回答情報の重複グルーピング数(第1類似情報)201e、既存のFAQとの類似度(第2類似情報)201i、および既存のマニュアルとの類似度(第3類似情報)201nをもとに生成される。この例では、重複グルーピング数は、第1実施形態と同様に大・中・小に分けられ、重複グルーピング数の大きい場合に、高い優先度を生成する。既存のFAQとの類似度も第1実施形態と同様に大・中・小に分けられ、既存のFAQとの類似度が低い場合に高い優先度を生成する。このとき、優先度は、以下の数式(2)で表すことができる。
【数2】
【0088】
数式(2)において、重複グルーピング数が大きく、既存のFAQとの類似度が低いときには最も高い優先度となり、重複グルーピング数が小さく、既存のFAQとの類似度が高いときには最も低い優先度となる。本実施形態では、さらに、既存のマニュアルとの類似度に応じて優先度を変更してもよい。例えば、既存のマニュアル情報との間の第3類似情報と係数2(この例では100と設定される)との乗算により算出された数値が付加される。具体的には、マニュアルとの類似度がid100002の質問回答情報において、さらに既存のマニュアル情報との類似度が「0.8」となり、優先度情報生成部170Cは、優先度情報201jに、第3類似情報「0.8」と係数2「100」との乗算により算出された数値「80」を付加する。このとき、
図24に示すように、id100002に係る質問回答情報の優先度は、「130」に変更され、付加情報が追加されたことを示すように特記情報201pとして「第3類似情報使用」という欄に識別子(フラグ)が設けられる。具体的には、第3類似情報(マニュアル情報との類似度)が0.6以上の場合に、識別子が「0」から「1」に変更となり、id100002に係る質問回答情報において、識別子「1」が設けられる。id100002に係る質問回答情報は、この優先度情報を用いることにより、第3FAQ作成支援制御処理において、FAQを作成する閾値である「100」に到達することとなり、FAQを作成する判定がなされる。なお、第3類似情報は、優先度情報を生成する前に生成される例に限定されない。例えば、優先度情報を生成した後に第3類似情報を生成し、その後優先度情報に第3類似情報と係数2とを乗じた数値を付加してもよい。
【0089】
したがって、本実施形態を用いることにより、重複する質問回答情報が多く、既存のマニュアル情報と類似している場合には、質問回答情報に対応するFAQを作成することができる。つまり、マニュアル情報のようにFAQと異なる形式で記録されている情報であっても、FAQを作成する支援を行うことができる。なお、FAQを作成する質問回答情報と類似度の高いマニュアル情報は、FAQ作成支援情報として適宜出力してもよい。これにより、FAQおよびマニュアル情報の双方を有効に利用することができる。
【0090】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、処理の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0091】
本発明の各実施形態において、FAQを作成すると判定された質問回答情報には、FAQが作成された段階で識別子(FAQフラグ)を設けてもよい。ここで、それぞれの質問回答情報に対して再度第1類似情報および第2類似情報を生成する場合には、FAQフラグが設けられた質問回答情報は、第1類似情報および第2類似情報を作成する対象から除外され、すでに作成されたFAQと判断される。これにより、FAQフラグが設けられた質問回答情報と類似していて、一回目のFAQとの類似判定では類似度が低かった情報については、2回目のFAQとの類似判定において類似度が高くなり、優先度は低下する。したがって、同様のFAQを再度作成することを防止できる。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、記憶部に蓄積された複数の質問回答情報の各々の一部を所定のマスキング条件に基づいてマスキングし、前記マスキングされた質問回答情報に対して他の前記質問回答情報との間の第1類似情報、および既に作成されたFAQとの間の第2類似情報を生成し、前記第1類似情報および前記第2類似情報に基づいて前記マスキングされた質問回答情報についてのFAQを作成するための優先度情報を生成する、FAQ作成支援方法が提供される。