(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧縮部材は弾性体から形成され、前記幅方向に関し、前記本体部に前記上蓋部を載置した状態において前記凹部の両端部の上方の領域と前記両端部のさらに外側で前記上蓋部と近接する領域とを横断するように設けられていることを特徴とする、請求項1もしくは2のいずれかに記載の含浸試験装置。
【背景技術】
【0002】
たとえばカーボンファイバーなどの被含浸物に樹脂などの含浸液を含浸させて繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastic、FRP)を成形する方法の一つに、RTM(Regin Transfer Molding)成形法がある。このRTM成形法は、含浸液がまだ含浸されていない被含浸物を成形する形状に整えたもの(プリフォームと呼ぶ)を成形型に配置した後、樹脂を加圧してプリフォーム内に注入、含浸させる方法であり、自動車のボンネット部を形成するFRPを成形する場合などに使用される。
【0003】
ここで、被含浸物への含浸液の含浸の挙動は、含浸液の注入圧力、被含浸物のカバーファクター値(被含浸物の単位面積に占める繊維面積の割合)などの含浸条件の変化により大きく変化するため、良好な品質の成形品を得るためには、適切な含浸条件の下で含浸を行う必要がある。そこで、実際に成形品を形成する前の段階で含浸の挙動のシミュレーション手段による挙動の予測が行われ、この予測から得られた最適な含浸条件で含浸が行われる。
【0004】
ここで、このシミュレーション手段による予測は精度が高いことが当然必要となるが、精度が高いことの実証には、特許文献1に示すような含浸係数測定装置(含浸試験装置)が用いられる。この含浸試験装置で含浸試験を行い、その得られる含浸の挙動とシミュレーション手段により予測された含浸の挙動とを対比させることにより、シミュレーション手段による予測の精度を評価することができる。
【0005】
図6は、含浸試験装置の一例である。
図6(a)に示す上面図のように、含浸試験装置90は、凹部94を有する本体部91および上蓋部92を備えている。そして、
図6(b)に示す正面断面図において表したように凹部94に被含浸物Wを載置した後、本体部91の上に上蓋部92を載置することにより被含浸物Wを収納し、この状態において液供給手段93から含浸液を本体部91へ圧送することにより、含浸液は供給口95、マニホールド96、スリット97を経由して被含浸物Wに含浸する。このとき、含浸は
図6(b)に矢印で示す通りX軸方向に進行するが、その含浸の速度などが測定され、その結果がシミュレーション手段によって予測された含浸の挙動と対比される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の含浸試験装置では、シミュレーション手段による予測の結果と対比しうる含浸の挙動を正確に生じさせることができなかった。具体的には、
図7にハッチングで示すように含浸液Rは凹部94に載置された被含浸物Wの内部だけでなく、凹部94の外側の領域(上蓋載置部98)における本体部91と上蓋部92との微小な隙間、凹部94の壁面と被含浸物Wの端部との間の微小な隙間に浸入していた。そして、これらの隙間における含浸液Rの流動に対する抵抗が被含浸物Wの内部における含浸液Rの流動に対する抵抗よりも小さい場合、これらの隙間における含浸液RのX軸方向(含浸方向)の進行が被含浸物W内部における進行よりも先行するため、これに引っ張られるように、被含浸物WのY軸方向(幅方向)の端部における含浸液Rの含浸は中央部と比べて先行する。そのため、たとえマニホールド96およびスリット97を用いて幅方向にわたって同時に含浸が開始するように整流して被含浸物Wへの含浸を行ったとしても、含浸が進むにつれて、たとえば
図7に示す位置P1と位置P2では含浸液Rの含浸の進行に差異が生じてしまい、正確な含浸速度を求めることができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、含浸の挙動を正確に評価することができる含浸試験装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の含浸試験装置は、圧縮可能な被含浸物を載置する凹部を有する本体部と、前記本体部に載置されて前記凹部に蓋をする上蓋部と、前記凹部へ浸入させる含浸液を供給する液供給手段と、を備え、前記上蓋部の前記本体部と対向する面には、前記凹部に載置された前記被含浸物に当接して前記被含浸物を圧縮する圧縮部材がさらに設けられ、前記凹部内で含浸液の進行する方向と直交する方向である幅方向に関し、前記圧縮部材は、前記本体部に前記上蓋部を載置した状態において前記凹部の両端部
全体の上方に位置するように設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記含浸試験装置によれば、被含浸物以外の部分への含浸液の進行を抑え、含浸の挙動を正確に評価することができる。具体的には、上蓋部に圧縮部材がさらに設けられ、圧縮部材は、本体部に上蓋部を載置した状態において凹部の両端部の上方に位置するように設けられていることにより、本体部に上蓋部を載置して含浸を行う際に圧縮部材が被含浸物を圧縮する。圧縮された部分における含浸液に対する流動抵抗はその他の部分の流動抵抗より大きくなるため、含浸方向へ含浸液が流れやすくなる。その結果、幅方向における被含浸物の両端部と凹部との隙間へ含浸液が流れ出ることを防ぐことができ、含浸の挙動を正確に評価することができる。
【0011】
また、前記被含浸物は、繊維束であっても良い。
【0012】
被含浸物が繊維束である場合、被含浸物を凹部に載置した際に被含浸物と凹部との間に隙間が生じやすいため、本発明によりこの隙間への含浸液の流出を防ぐことによって得られる利得は大きい。
【0013】
また、前記圧縮部材は弾性体から形成され、前記幅方向に関し、前記本体部に前記上蓋部を載置した状態において前記凹部の両端部の上方の領域と前記両端部のさらに外側で前記上蓋部と近接する領域とを横断するように設けられていると良い。
【0014】
この構成によれば、本体部に上蓋部を載置した状態において本体部と上蓋部との間に生じる微小な隙間も圧縮部材により塞ぐことができるため、より一層被含浸物以外の部分への含浸液の進行を抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の含浸試験装置によれば、含浸の挙動を正確に評価することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の含浸試験装置の実施の形態について
図1、
図2を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態における含浸試験装置を示す上面図である。含浸試験装置1は、RTM成形法によって得られるFRPなどの成形品において、より良質なものを得ることを目的とし、当該成形品を成形するために最適な含浸条件(含浸液の粘度、含浸液の送液圧力、被含浸物の圧縮率など)を決定するために試験的に被含浸物へ含浸液を含浸させて含浸速度などを評価する装置であり、本体部2と上蓋部3を有している。
図1では本体部2と上蓋部3を上下に並べて表示しているが、含浸試験装置1を用いて被含浸物へ含浸液を含浸させる際は、本体部2の上に上蓋部3を載置させる。
【0019】
図2は被含浸物Wを収納した状態の含浸試験装置1の断面図であり、
図2(a)はY軸方向の断面図、
図2(b)はX軸方向の断面図である。ここで、本説明では、被含浸物W内における含浸液の主たる進行方向をX軸方向、水平面上でX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向とY軸方向の両方と直交する方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向と呼ぶ。また、X軸方向が含浸液の含浸方向であるのに対し、Y軸方向を幅方向とも呼ぶ。
【0020】
含浸試験装置1は、本体部2と上蓋部3のほかに液供給手段4を備えており、本体部2が有する凹部21に被含浸物Wを載置し、被含浸物Wを押さえつけるように本体部2へ上蓋部3を載置した後、液供給手段4から凹部21に向かって含浸液を送液することにより、含浸液は被含浸物Wの内部に含浸していく。この含浸の進行の様子を図示しないビデオカメラなどで撮影し、たとえば含浸速度の測定といった含浸の挙動の評価を行う。また、この評価結果は、別個設けられたシミュレーション手段による含浸の挙動の予測の精度を実証するために、このシミュレーション手段による予測の結果との対比に用いられる場合もある。
【0021】
ここで、含浸液としてたとえばポリアミド、ポリイミドなどの樹脂が用いられ、被含浸物Wとしてたとえば炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの繊維束が用いられる。
【0022】
本体部2は、本実施形態ではアクリルで形成された略直方体の物体であり、被含浸物Wを載置するものである。この本体部2は、凹部21、供給口22、マニホールド23、およびスリット24を有している。
【0023】
凹部21は、本体部2の上面中央部に設けられた窪みであり、X軸方向の寸法およびY軸方向の寸法は、被含浸物WのX軸方向およびY軸方向の寸法とくらべて略同等もしくは若干大きく、被含浸物Wはこの凹部21の内側に載置される。
【0024】
また、本体部2上面の凹部21以外の部分(凹部21の外側の部分)は、本体部2に上蓋部3を載置した際に上蓋部3と近接する部分である上蓋載置部25となっている。また、この上蓋載置部25には凹部21を囲むように溝が設けられ、この溝にOリング26が配置されている。本体部2に上蓋部3を載置した際には、このOリング26が上蓋部3と当接し、上蓋部3を支持する。
【0025】
凹部21の深さ(Z軸方向の寸法)は、本実施形態では無負荷時の被含浸物WのZ軸方向の寸法よりも小さく、凹部21に被含浸物Wを載置し、その上から上蓋部3を載置した際には本体部2と上蓋部3によって被含浸物WがZ軸方向に圧縮されるようにしている。また、凹部21の底面にシート状のスペーサを敷くことにより、凹部21の実質的な深さを調節することができ、これによって上蓋部3を載置した時の被含浸物WのZ軸方向の圧縮率を調節することができる。
【0026】
供給口22は、凹部21に含浸液を供給するために本体部2の下面に設けられた貫通穴であり、配管28を通じて液供給手段4と接続されている。
【0027】
マニホールド23は、供給口22と連通し、凹部21に対して含浸液の含浸方向(X軸方向)の上流側に設けられ、Y軸方向の寸法が凹部21のY軸方向の寸法と略同一であり、本体部2の上面に設けられた窪みもしくは本体部2の内部に形成された空洞部であり、供給口22を経由して供給された含浸液をY軸方向に広げる働きを有する。なお、マニホールド23が本体部2の上面に設けられた窪みの形態である場合、上蓋部3の本体部対向面31と合わさることにより、空洞状の形態をとる。
【0028】
スリット24は、マニホールド23および凹部21に連通し、Y軸方向の寸法がマニホールド23および凹部21のY軸方向の寸法と略同一であり、Z軸方向の寸法がマニホールド23および凹部21のZ軸方向の寸法よりも小さい、本体部2の上面に設けられた窪みもしくは本体部2の内部に形成された空洞部であり、このスリット24を通って含浸液はマニホールド23から凹部21へ移動する。なお、スリット24が本体部2の上面に設けられた窪みの形態である場合、上蓋部3の本体部対向面31と合わさることにより、空洞状の形態をとる。
【0029】
ここで、マニホールド23に比べてスリット24はZ軸方向の寸法が小さいことから、スリット24内で含浸液にかかる流動抵抗は、マニホールド23内でのものより大きくなる。そのため、供給口22から供給される含浸液は、マニホールド23内でY軸方向に広がり、その後マニホールド23全体に充填されてから、スリット24内への浸入を開始する。その結果、スリット24内において幅方向(Y軸方向)にわたって含浸液の先頭部分を結んだ線分は、Y軸と略平行となる。すなわち、スリット24により含浸液が整流される。このように整流されることにより、被含浸物Wへの含浸を幅方向にわたって同時に開始することができる。
【0030】
また、含浸液の含浸方向(X軸方向)において下流側の凹部21の端部には、排出口27が設けられており、含浸が完了して被含浸物Wから流出した含浸液は、この排出口27から排出される。
【0031】
上蓋部3は、アクリルで形成され、X軸方向およびY軸方向の寸法が本体部2のX軸方向およびY軸方向の寸法と略同一である直方体状の物体であり、本体部2の凹部21に被含浸物Wが載置された状態で本体部2上に載置されることにより、被含浸物Wを圧縮しつつ含浸試験装置1内に被含浸物Wを収納する形態をとるものである。
【0032】
本実施形態では、本体部2に載置されるときに本体部2と対向する上蓋部3の面、すなわち下面である本体部対向面31は平坦面であり、この本体部対向面31には、下方に突き出るように圧縮部材32が設けられている。
【0033】
圧縮部材32は、本実施形態では弾性体から形成されており、具体的にはポリエチレン発泡体から形成されている。
【0034】
この圧縮部材32は、幅方向(Y軸方向)に関し、本体部2に上蓋部3を載置した状態において凹部21の両端部の上方の領域と、その両端部のさらに外側で上蓋部3と近接する領域(すなわち、上蓋載置部25)とを横断するように設けられている。具体的には、本実施形態では圧縮部材32は
図1に鎖線で示すように一部が凹部21、マニホールド23、スリット24の上方、一部がそれらの外側、すなわち上蓋載置部25にかかるように、閉じた四辺形状に配置されている。このように圧縮部材32を設けることにより、上蓋部3を本体部2に載置すると、上蓋載置部25にかかる部分は上蓋部3の自重によって押しつぶされ、凹部21の内側にかかる部分は被含浸物Wに当接して被含浸物Wを圧縮する。
【0035】
液供給手段4は、本実施形態ではポンプであり、配管28、供給口22、マニホールド23、スリット24を通じて凹部21へ含浸液を圧送する。このポンプの圧力を調節することにより、含浸液の送液圧力を調節することが可能である。
【0036】
以上の含浸試験装置1に被含浸物Wを収納し、含浸液の送液を行った場合、
図2(a)に矢印で示すように、供給口22を通じて本体部2に入った含浸液は、マニホールド23でY軸方向に広がり、スリット24で整流された後、被含浸物Wに浸入し、X軸方向へ含浸が進行する。そして含浸が完了した後、被含浸物Wから流出した含浸液は、排出口27から排出される。
【0037】
次に、
図2(b)において鎖線で囲んだ部分(凹部のX軸方向の端部近傍)を拡大して
図3に示す。ここで、
図3(a)は上蓋部3が本体部2に載置される前、
図3(b)は上蓋部3が本体部2に載置された状態を示す。
【0038】
前述の通り、被含浸物Wは本体部2の凹部21に載置される。また、無負荷時の被含浸物Wの高さ(Z軸方向の寸法)は、
図3(a)に示すように凹部21の深さよりも大きく、凹部21に載置しただけでは被含浸物Wは本体部2の上面から飛び出た状態であるが、上蓋部3が載置されることにより、
図3(b)に示すように被含浸物Wは上蓋部3により圧縮されて含浸試験装置1に収納される形態をとる。具体的には、上蓋部3に圧縮された状態の被含浸物Wのカバーファクター値(被含浸物Wの単位面積に占める繊維面積の割合)は50%〜60%の値となる。なお、実際の成形品の製造においてRTM成形法でプリフォームに含浸液を含浸させる際も、プリフォームはこのように圧縮力がかけられた状態である。
【0039】
一方、凹部21の幅方向(Y軸方向)の寸法が被含浸物Wの幅方向よりも大きい場合、凹部21の側壁と被含浸物Wとの間には隙間が生じる。特に被含浸物Wが繊維束であった場合、端が正確にそろっていないことが多いため、凹部21の側壁部と被含浸物Wの端との間には一層隙間が生じやすく、含浸の途中に含浸液がこの隙間に漏れ出すおそれがある。
【0040】
これに対し、本発明では、上蓋部3に圧縮部材32が設けられているため、上蓋部3を本体部2に載置した状態において、幅方向の被含浸物Wの端部はこの圧縮部材32によりさらに圧縮される。具体的には、被含浸物Wの端部のカバーファクター値は、圧縮部材32による圧縮により、80%〜90%となる。
【0041】
このように端部における被含浸物Wのカバーファクター値がその他の部分のカバーファクター値よりも大きくなることにより、被含浸物W内部の端部近傍において、含浸液は被含浸物Wの外へ漏れ出るよりも被含浸物Wの内部をそのまま含浸方向へ進行しやすくなり、結果的に凹部21の側壁と被含浸物Wとの間に隙間があったとしてもその隙間へ含浸液が流出することを防止することができる。特に、被含浸物Wが繊維束であった場合、凹部21の側壁部と被含浸物Wの端との間には隙間が生じやすいため、この発明技術による利得が大きい。
【0042】
また、本実施形態では、圧縮部材32は上蓋載置部25にもかかっており、本体部2と上蓋部3につぶされる形態をとるため、万が一被含浸物Wの端部から含浸液が漏れ出たとしても、本体部2と上蓋部3との微小な隙間に含浸液が流れ込むことを防止することができる。
【0043】
図4は、本実施形態の含浸試験装置における含浸液の含浸の進行を表す図である。この図において、被含浸物Wに含浸している含浸液の様子は、含浸液Rとしてハッチングで示している。
【0044】
上記の通り被含浸物Wの幅方向の端部と凹部21との隙間に含浸液Rが流出することが防止できることにより、スリット24によって整流された含浸液Rの被含浸物W内の含浸の挙動は、カバーファクター値が大きくなっている幅方向両端部を除き、含浸液Rの先頭部分がY軸と平行な状態ほぼ維持することができる。すなわち、たとえば位置P1と位置P2のように異なる位置で含浸液Rの挙動を確認した場合でも、ほぼ同一の挙動を確認することができるため、容易に含浸の挙動を正確に評価することができる。
【0045】
次に、他の実施形態における含浸試験装置について、凹部の端部近傍を拡大して
図5に示す。
【0046】
この実施形態では、
図3に示した実施形態と異なり、本体部2に上蓋部3を載置した状態において、圧縮部材32は上蓋載置部25にはかかっておらず、凹部21の上方に位置するのみである。このような形態であっても、凹部21の側壁と被含浸物Wとの間の隙間へ含浸液が流出することを防止することができ、また、凹部21の側壁と被含浸物Wとの間の隙間へ流出する含浸液がなくなれば、結果的に本体部2と上蓋部3の間の微小な隙間に流れ込む含浸液も存在しなくなる。
【0047】
なお、このような実施形態の場合は、圧縮部材32は押しつぶされる必要は無いため弾性体である必要はなく、たとえば金属製であっても良い。
【0048】
以上の含浸試験装置により、含浸の挙動を正確に評価することが可能である。
【0049】
ここで、本発明の含浸試験装置1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、供給口22は上蓋部3側に設けられていても良い。
【0050】
また、供給口22は凹部21の中央に設けられていても良い。
【0051】
また、液供給手段4は本実施形態ではポンプであり、本体部2の凹部21へ含浸液を圧送しているが、これに限らず、被含浸物Wを収納している部分の内部圧力を真空ポンプにより低くし、外気圧との差圧により外部に設けられたタンクから含浸液を引き込むものであっても良い。
【0052】
また、被含浸物Wは圧縮および含浸が可能な形態であれば、繊維束以外の形態であってもよい。